説明

電池保護回路

【課題】 従来は電池パック内の電池を充電する充電器が複数種の電池パックをサポートする必要があり、電池パックには充電器に必要な充電電圧を通知する機能、充電器では複数種の電池パックを識別する機能、複数種の充電電圧を発生させる機能を必要とする。
【解決手段】 充電制御用IC11は、VDD端子とGND端子間に接続されたリチウムイオン電池10の端子電圧を測定することにより、リチウムイオン電池10の電池電圧VBATTを監視し、その測定結果に基づき、トランジスタQ2のゲート・ソース間電圧VGSを制御する。充電制御用IC11はトランジスタQ2のゲート・ソース間電圧VGSを変化させ、トランジスタQ2のドレイン・ソース間抵抗RDSを大きくし、トランジスタQ2のドレイン・ソース間電圧VDSを大きくすることで、電池電圧VBATTの値をV1一定になるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池保護回路に係り、特に一定電圧一定電流方式(以下CCCVと記載)の充電が行われるリチウムイオン電池パック内に内蔵される充電電圧制御型の電池保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は従来の電池保護回路の一例の回路図を示す。同図において、充電制御用IC15、電界効果トランジスタ(FET)Q1及びQ2、抵抗R、及びサーミスタ(TH)からなる回路部分がリチウムイオン電池10の電池保護回路であり、充電回路16を含む充電器と接続される。充電制御用IC15は、トランジスタQ2のゲートに印加する制御電圧はハイベル又はローレベルの2値であり、Q2の内部抵抗を制御することで充電電流を制御する。
【0003】
図7に示す電池保護回路の部分とリチウムイオン電池10とは、図8の電池パック21又は23を構成しており、図7の充電回路16は、図8の充電器25を構成している。また、図8において、種別Aの電池パック21は、接続端子22と電池種別検出用の端子Sを持っているのに対し、種別Bの電池パック23は、接続端子24を持っているので電池種別検出用の端子は持っていない。電池パック21、23は、接続端子22、24と充電器25の接続端子26とが接続されることにより、電池パック21、23内の電池が充電器25により充電される。
【0004】
ここで、電池パック21、23内部でGND接続、OPEN等に電池パック種別毎に作り分けることで、充電器側で電池パックの種別を検出し、電池パックの種別に応じた電圧出力をする設計となっている。また、充電器25は検出SW27により、接続された電池パックの電池パック種別検出用突起Sの有無を検出するようにされており、これにより充電器25が電池パックの種別に応じた電圧出力をする設計となっている。図8では電池パック21が電池パック種別検出用突起Sを有しているので、充電器25は接続された電池パック21が種別Aであると認識し、その種別Aに応じた電圧を出力し、電池パック種別検出用突起Sを有していない電池パック23は種別Bであると認識し、その種別Bに応じた電圧を出力する。
【0005】
また、電池パック装置内に検出抵抗、制御回路及び制御用FETを備え、電池セルの充電電流及び充電電圧を検出抵抗を介して検出し、制御回路により充電電流又は充電電圧に応じた電位を持つ制御信号を生成し、充電経路を開閉する制御用FETのゲート電極に制御信号を供給して、制御用FETの開閉制御を行うと共に制御用FETのオン抵抗を可変制御する電池パック装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来の電池パック装置によれば、特にリチウムイオン電池の充電に適した構成である。
【0006】
また、二次電池に対して充電回路を介して定電流定電圧充電を行うに際し、二次電池と充電回路との間に挿入される制御信号により充電電流を制限する電流制限手段と、二次電池の端子電圧を監視し所定の閾値を基準として制御信号を出力する電圧監視手段とを具備する構成の充電装置も従来から知られている(例えば、特許文献2参照)。この充電装置では、二次電池が過充電の状態であっても、二次電池の端子電圧を監視し電流制限手段を起動させることにより、二次電池や充電回路に過剰な電流が流れることを防止することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−069689号公報
【特許文献2】特開2001−275271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の電池保護回路においては、電池充電電圧を電池パック側が制御できないため、充電器側に電池パックが必要な充電電圧を通知する仕組みが必要になる。また、従来の電池保護回路では、電池充電電圧を電池パック側で制御できないため、充電器側にて電池パックが必要とする全ての充電電圧を出力する仕組みが必要になる。
【0009】
従来の充電器―電池パックの関係では充電電圧の出力設定は充電器がその機能を有していた。そのため、充電器が複数種の電池パックをサポートすることが必要となり、その複数種の電池パックにて複数種の充電電圧が必要となった場合に、電池パック側には充電器側に必要な充電電圧を通知する機能、充電器側では複数種の電池パックを識別する機能、複数種の充電電圧を発生させる機能を有する必要があった。
【0010】
また、特許文献1記載の電池パック装置は、スイッチングレギュレータを含んだ構成であるため、スイッチングレギュレータで電池セルの充電電圧/充電電流の制御を行えばよく、また充電電流と充電電圧の両方の制御を行っているため、構成が複雑である。更に、特許文献2には、充電電流の制御を行う構成が開示されているが、充電電圧を制御する構成は開示されていない。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、電池パック内部にて充電電圧を制御することにより、充電器側で必要であった電池パックの必要充電電圧検出機能、複数の充電電圧出力機能を削除することができる電池保護回路を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、電池パックの低コスト化及び省スペース化を実現し得る電池保護回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、電池電圧が予め定めた一定電圧より小さいときは定電流で充電され、一定電圧以上のときには定電圧で充電される電池の保護回路であって、電池の電池電圧を測定する電池電圧測定手段と、電池電圧測定手段で測定された電池電圧が、一定電圧に達して定電圧で充電を行う期間においてのみ、電池への充電電圧の制御を行って、電池電圧を一定電圧に維持する充電電圧制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、定電流での充電モードでは何の制御も行わず、定電圧での充電モードになってから充電電圧制御を充電器の外部出力側で実施するようにしているため、充電器側にて充電電圧を検出する機能を削除できると共に、定電流での充電モードで必要な電圧検出用抵抗などを不要にできる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明は、第1の発明の充電電圧制御手段は、電池電圧測定手段で測定された電池電圧に応じて、抵抗値が可変制御される可変抵抗素子を有することを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明は、第1の発明の充電電圧制御手段を、充電器と電池との間にドレイン・ソースが接続された電界効果トランジスタと、電池電圧測定手段で測定された電池電圧が一定電圧となるように、電界効果トランジスタのゲート電圧を制御することにより、電界効果トランジスタのドレイン・ソース間抵抗を可変する制御回路とからなる構成としたことを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明は、充電器と接続された電池パック内の電池の電池電圧が、充電器により予め定めた一定電圧より小さいときは定電流で充電され、一定電圧以上のときには定電圧で充電される電池の保護回路であって、電池の電池電圧を測定する電池電圧測定手段と、制御電圧により抵抗値が可変される可変抵抗素子と、電池電圧測定手段で測定された電池電圧が、一定電圧に達して定電圧で充電を行う期間においてのみ、電池電圧に応じた制御電圧を発生して可変抵抗素子の抵抗値を可変することにより、電池電圧を一定電圧に維持する制御回路とを有し、電池電圧測定手段、可変抵抗素子及び制御回路を電池パック内に有することを特徴とする。
【0018】
この発明では、電池パック内で必要な充電電圧を発生しているため、電池パックが必要な充電電圧を充電器側に通知する機能、充電器側で必要な充電電圧を検出する機能、電池パックが必要な複数の充電電圧を発生させる機能が必要ではなくなり、充電器側で1種類のCCCV出力だけ用意すればよく、複数種類のCCCV出力を持つ必要がない。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明は、第4の発明における可変抵抗素子が、制御回路からの制御電圧がゲートに印加され、そのドレインとソースが充電器及び電池の所定端子に接続された電界効果トランジスタであり、制御回路が、電池電圧測定手段で測定された電池電圧が一定電圧になるように、電池に流れる電流と電界効果トランジスタのドレイン・ソース間抵抗とによる電圧降下分と、電池電圧との和の電圧が充電器の出力電圧とほぼ等しくするように、ドレイン・ソース間抵抗を制御するアナログ電圧を制御電圧として生成してゲートに印加する構成であることを特徴とする。ここで、電池電圧測定手段及び制御回路は、充電制御用の集積回路で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、充電器の外部の回路で充電電圧を制御することにより、充電器側にて電池が必要な充電電圧を検出する機能を削除するようにしたため、充電器側で1種類のCCCV出力だけ用意すればよく、複数のCCCV出力を持つ必要が無いため、充電器の回路規模を小さくできると共に、電池を内蔵する電池パック側では充電器に通知するための電気信号用の端子や充電器の検出SWにて検出させるための物理的な機構を削除できるため、電池パックの低コスト化、省スペース化ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明になる電池保護回路の一実施の形態の回路図を示す。また、図2は図1中の電界効果トランジスタ(FET)Q2のVDS電圧、電池電圧VBATT、電池電流IBATTの特性図を示す。図1において、充電制御用IC11は、そのVDD端子とGND端子がリチウムイオン電池10の正側端子と負側端子に接続されており、またDOUT端子がFET(電界効果トランジスタ;以下単にトランジスタと略す)Q1のゲートに接続され、COUT端子がトランジスタQ2のゲートに接続され、VSS端子が抵抗Rを介してリチウムイオン電池10の負側端子に接続されている。
【0022】
トランジスタQ1はソースがリチウムイオン電池10の負側端子に接続され、ドレインがトランジスタQ2のドレインに接続され、ドレイン・ソース間に磁気ダイオードが接続されている。また、トランジスタQ2のソースは抵抗Rを介して充電制御用IC11のVSS端子に接続され、ドレイン・ソース間に磁気ダイオードが接続されている。また、THはサーミスタである。この電池保護回路は図示しない充電器に接続される。
【0023】
これにより、充電制御用IC11は、VDD端子とGND端子間に接続されたリチウムイオン電池10の端子電圧を測定することにより、リチウムイオン電池10の電池電圧VBATTを監視し、その測定結果に基づき、トランジスタQ2のゲート・ソース間電圧VGSを制御し、トランジスタQ2のドレイン・ソース間電圧VDSを制御する。ここで、本実施の形態の充電制御用IC11は、そのCOUT端子からトランジスタQ2のゲートへ印加する電圧を後述するようにアナログ電圧として、一定の充電電圧V1を得るようにした点に特徴がある。なお、トランジスタQ1、Q2の回路動作に関しては、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
次に、本実施の形態における充電制御用IC11及びトランジスタQ2の動作について説明する。なお、以下の説明では電池パックが必要としているCCCV充電は、充電初期のCC領域での電流値はCC=I1、充電後期のCV領域での充電電圧値はCV=V1とする。また、CCCV充電は図2に示すように、充電初期のCC領域、充電後期のCV領域の二つの領域にて充電が進行するが、本実施の形態では充電初期のCC領域を領域A、充電後期のCV領域を領域Bとして説明する。
【0025】
また、本実施の形態で使用される充電制御用IC11の出力特性は図3の通りであり、その出力電圧VoはVo>V1、出力電流Io(垂下特性)=I1となることが必要である。これは後述の説明の中で記述している通り、本実施の形態におけるCCCV充電は領域Aでは電池パックの保護回路側では充電電圧/充電電流の制御を行わずに、充電制御用IC11の出力をそのまま電池パックに印加することで充電し、領域Bでは充電制御用IC11の出力電圧Voを保護回路内で電圧降下させ、一定電圧値V1にて充電しているためである。
【0026】
次に、本実施の形態において電池パック内部での充電電圧制御を実現している充電制御用IC11の新規部分となる動作について説明する。充電制御用IC11以外の部品は機能的な動作をしないため、従来との変更は無い。充電制御用IC11は、そのVDD−GND間の電圧を測定することにより、リチウムイオン電池10の電池電圧VBATTを監視し、領域AであるCC領域(VBATT<V1)では、充電電圧/電流の制御は何も行わず、接続される図示しない充電器の出力特性に依存して充電を行う。
【0027】
すなわち、充電開始後、電池電圧VBATTが設定電圧V1に達するまでの領域Aでは、図2にIで及び図3に示すように充電電流の電流値I1の定電流充電モードで動作し、リチウムイオン電池10の電池電圧VBATTが図2にIIで示すように設定電圧V1に向かって徐々に上昇していく。
【0028】
次に、充電が進行し充電が領域Bに移行した際の充電制御用IC11の動作について説明する。充電制御用IC11は、リチウムイオン電池10の電池電圧VBATTがV1に到達すると、領域Bに移行し、設定電圧V1の定電圧充電モードで動作し、リチウムイオン電池10の電池電圧VBATTが図2にIで及び図3に示すように、一定電圧V1となり、充電電流は図2にIIで示すように徐々に減少していく。
【0029】
充電電圧の制御は、トランジスタQ2のゲートに接続されている充電制御用IC11のCOUTピンの出力電圧(VGS)を制御することで、トランジスタQ2のドレイン・ソース間抵抗RDSを制御することで行う。ドレイン・ソース間抵抗RDS制御することは、ドレイン・ソース間電圧VDSを制御することとほぼ同義のため、電池電圧VBATTを制御し、VBATTがV1の一定値になるように行われる。
【0030】
この際、トランジスタQ2のVGS−RDS特性は、一般に図4に示したようにドレイン・ソース間電圧VGSが小さくなると、ドレイン・ソース間抵抗RDSが急激に増大する特性を持っているため、図5に示すように、ゲート・ソース間電圧VGSが小さくなると、ドレイン・ソース間電圧VDSが急激に増大することとなる。但し、図5の特性図では、トランジスタQ2に流れる電流Ioを一定とした場合の一般的なVGS−VDS特性を示している。
【0031】
次に、上記の領域Bにおける充電制御用IC11のゲート・ソース間電圧VGSの制御について、図6と共に詳細に説明する。図6(A)は充電制御用IC11が領域Bにて充電電圧を制御している、ある一点での図1の電池保護回路の等価回路図を示す。同図(A)では、動作を分かりやすくするために、図1のトランジスタQ2を抵抗R2で表し、トランジスタQ1、充電制御用IC11に関しては記載していない。また、図6(A)における各部の電圧、電流は次の通りとする。
【0032】
充電器12の出力特性 :Vo=5.0V、Io=0.6A
電池パック要求充電仕様:V1=4.5V、I1=0.6A
図6で示した領域Bでのある時点での電池10の状態:
VBATT=4.5V、IBATT=0.5A
次に、図6(A)、(B)を例にとり、充電制御用IC11のVBATTの制御方法を説明する。充電が領域Bとなり、電池電圧VBATTがV1になった後に保護回路内での充電電圧/電流制御をしない場合、電池電圧は図1では図示を省略した充電器12の出力特性に従い充電が行われ、電池電圧はV1よりも大きくなっていってしまう。
【0033】
このため、充電制御用IC11はトランジスタQ2のゲート・ソース間電圧VGSを変化させ、トランジスタQ2のドレイン・ソース間抵抗RDSを大きくし、トランジスタQ2のドレイン・ソース間電圧VDSを大きくすることで、電池電圧VBATTの値をV1一定になるように制御する。なお、このときトランジスタQ1はオン状態とされており、そのドレイン・ソース間抵抗RDSは最小値とされている。
【0034】
例えば、図6での例では制御したいV1の値は4.5Vである。ここで、領域Bでの任意のある一点Io=0.5Aの際の充電器12の出力電圧Voは、図6(B)に示すように5.0Vのため、RDS=1ΩとなるようにVGSを制御すれば、図6(A)のR2での電圧降下の値VDSは0.5Vとなり、VBATTの値はVo=5.0VからVDS=0.5Vを引いた値の4.5Vに制御できることとなる。
【0035】
ここで、上記のVBATT=V1一定に保つ動作をVBATT、Vo、Ioの変化に対応して継続することにより、充電制御用IC11が設定した一意の電圧値でのCCCV充電が可能となる。つまり、本実施の形態の回路では、充電電圧V1が充電器12の出力電圧Voより低い値であれば、充電制御用IC11により設定される一意の充電電圧V1でのCCCV充電が可能となる。つまり、本実施の形態の回路では、充電電圧V1がVoより低い値であれば充電制御用IC11により設定される一意の充電電圧V1でのCCCV充電が可能となる。
【0036】
このように、本実施の形態によれば、従来の電池保護回路と比較して部品追加/変更無しで、従来は電池の保護機能としての動作しかしていなかった充電制御用ICの構成を変更し、トランジスタQ2に充電電圧制御の動作をさせることにより、電池パック内の回路のみにてリチウムイオン電池10に対して、充電制御用IC11によって設定された電圧でのCCCV充電が可能となる。
【0037】
このため、複数種の電池パックをサポートする充電器で、電池パックが複数の充電電圧を要求した場合でも、充電器側では電池パックが必要な電圧より高い電圧にて出力するCCCV出力があれば個々の電池パックの内部保護回路でそれぞれに必要な一意の充電電圧を発生させ充電が行われることとなる。
【0038】
このため、充電器側で電池が必要な充電電圧に応じて充電器側で充電電圧を切替える必要が無くなる、このことにより充電器側にて電池が必要な充電電圧を検出する機能、複数の充電電圧を発生させる機能が必要なくなるという効果が得られる。従って、充電器側で1種類のCCCV出力だけ用意すればよく、複数のCCCV出力を持つ必要が無いため、充電器の回路規模が小さくなる、また充電器側で電池パックが必要な充電電圧を検出する必要がなくなるため、必要な電圧の検出信号用端子、検出用のSW等の物理的な機構を削除できるため、低コスト化、省スペース化ができることである。
【0039】
また、本実施の形態では、充電器側での設計変更無しに電池パック側の設計変更のみで従来の充電器で充電が行える電池パックの新規設計が可能となる。また、電池パック側では充電器に通知するための電気信号用の端子や充電器の検出SWにて検出させるための物理的な機構を削除できるため電池パックの低コスト化、省スペース化ができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態の回路図である。
【図2】図1の充電電流と充電電圧を示す図である。
【図3】図1中の充電制御用ICの出力特性図である。
【図4】電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧対ドレイン・ソース間抵抗の一例の特性図である。
【図5】電界効果トランジスタのゲート・ソース間電圧対ドレイン・ソース間電圧の一例の特性図である。
【図6】図1中の充電制御用ICによるVBATTの制御方法を説明する等価回路図及び特性図である。
【図7】従来の電池保護回路の一例の回路図である。
【図8】従来の電池保護回路の電池パックと充電器との一例の接続説明図である。
【符号の説明】
【0041】
10 リチウムイオン電池
11 充電制御用IC
12 充電器
Q1、Q2 電界効果トランジスタ(FET)
R、R2 抵抗



【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池電圧が予め定めた一定電圧より小さいときは定電流で充電され、前記一定電圧以上のときには定電圧で充電される電池の保護回路であって、
前記電池の電池電圧を測定する電池電圧測定手段と、
前記電池電圧測定手段で測定された前記電池電圧が、前記一定電圧に達して前記定電圧で充電を行う期間においてのみ、前記電池への充電電圧の制御を行って、前記電池電圧を前記一定電圧に維持する充電電圧制御手段と
を有することを特徴とする電池保護回路。
【請求項2】
前記充電電圧制御手段は、前記電池電圧測定手段で測定された前記電池電圧に応じて、抵抗値が可変制御される可変抵抗素子を有することを特徴とする請求項1記載の電池保護回路。
【請求項3】
前記充電電圧制御手段は、充電器と前記電池との間にドレイン・ソースが接続された電界効果トランジスタと、前記電池電圧測定手段で測定された前記電池電圧が前記一定電圧となるように、前記電界効果トランジスタのゲート電圧を制御することにより、該電界効果トランジスタのドレイン・ソース間抵抗を可変する制御回路とからなることを特徴とする請求項1記載の電池保護回路。
【請求項4】
充電器と接続された電池パック内の電池の電池電圧が、該充電器により予め定めた一定電圧より小さいときは定電流で充電され、前記一定電圧以上のときには定電圧で充電される電池の保護回路であって、
前記電池の電池電圧を測定する電池電圧測定手段と、
制御電圧により抵抗値が可変される可変抵抗素子と、
前記電池電圧測定手段で測定された前記電池電圧が、前記一定電圧に達して前記定電圧で充電を行う期間においてのみ、前記電池電圧に応じた前記制御電圧を発生して前記可変抵抗素子の抵抗値を可変することにより、前記電池電圧を前記一定電圧に維持する制御回路と
を有し、前記電池電圧測定手段、前記可変抵抗素子及び前記制御回路を前記電池パック内に有することを特徴とする電池保護回路。
【請求項5】
前記可変抵抗素子は、前記制御回路からの前記制御電圧がゲートに印加され、そのドレインとソースが前記充電器及び前記電池の所定端子に接続された電界効果トランジスタであり、前記制御回路は、前記電池電圧測定手段で測定された前記電池電圧が前記一定電圧になるように、前記電池に流れる電流と前記電界効果トランジスタのドレイン・ソース間抵抗とによる電圧降下分と、前記電池電圧との和の電圧が前記充電器の出力電圧とほぼ等しくするように、前記ドレイン・ソース間抵抗を制御するアナログ電圧を前記制御電圧として生成して前記ゲートに印加することを特徴とする請求項4記載の電池保護回路。
【請求項6】
前記電池電圧測定手段及び前記制御回路は、充電制御用の集積回路で構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の電池保護回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−246585(P2006−246585A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57154(P2005−57154)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】