説明

電池収納トレイ

【課題】一つの電池収納部に多機種電池の収納を可能にすることで、機種別に必要な電池収納トレイに対する製造コストを減らすことができ、また、機種別電池収納トレイの保管のために要求される保管空間を減らすことができる電池収納トレイを提供する。
【解決手段】具現化例の電池収納トレイは、互いに向かい合う第1側部110及び第2側部120と、角状電池セルを受容するための平坦部1bと円筒状電池セルを受容するためのラウンド部1aを有して互いに向かい合う第3側部130及び第4側部140と、前記第3側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第1先端を固定する第1ガイド部160と、前記第4側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第2先端を固定する第2ガイド部170と、を含む電池収納部100を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数個の二次電池を収納する電池収納トレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、再充電が可能で小型及び大容量化が可能な電池であり、主にノートパソコン、カムコーダ携帯電話などの携帯機器の電源として使用されている。
【0003】
二次電池は、電池としての機能を有するよう、製造工程のうち化成充電工程を経る。化成充電工程は、二次電池が製造された直後、初期に二次電池を充電する工程であり、このとき二次電池は、供給される電気エネルギによって電気化学的エネルギに変換される。
【0004】
このような化成充電工程は多数個の二次電池を対象に行われ、このため多数個の二次電池を収納するトレイが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一つの電池収納部に多機種電池の収納を可能にすることで、機種別に必要な電池収納トレイに対する製造コストを減らすことができ、また、機種別電池収納トレイの保管のために要求される保管空間を減らすことができる電池収納トレイを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態による電池収納用電池トレイは、互いに向かい合う第1側部及び第2側部と、角状電池セルを受容するための平坦部と、円筒状電池セルを収納するためのラウンド部と、を有して互いに向かい合う第3側部と第4側部と、前記第3側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第1先端を固定する第1ガイド部と、前記第4側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第2先端を固定する第2ガイド部と、を含む電池収納部と、を具備することを特徴とする。
【0007】
前記第1側部は、前記第3側部及び第4側部の一端に連結され、前記第2側部は、前記第3側部及び前記第4側部の一端と反対である他端に連結されてもよい。
【0008】
前記第3側部及び前記第4側部は、前記電池セルをホールディングする装置を受容するために、前記ラウンド部から延長される縁を有してもよい。
【0009】
前記第1ガイド部は、前記第1側部の下部と第1底面から更に延長され、前記第2ガイド部は、前記第2側部の下部と第1底面から更に延長されてもよい。
【0010】
前記第1ガイド部は、前記第4側部の表面と共に前記角状電池セルの第1先端を固定するように構成され、前記第2ガイド部は、前記第3側部の表面と共に前記角状電池セルの第2先端を固定するように構成されてもよい。
【0011】
また、前記電池収納用電池トレイは、前記角状電池セルの第1先端と接触するように構成されるよう、前記第4側部の表面に形成される突出部と、前記角状電池セルの第2先端と接触するように構成されるよう、前記第3側部の表面に形成される突出部と、を具備してもよい。
【0012】
第1ガイド部は、前記第3側部から前記電池収納部に収納される前記角状電池セルの方向に下がるように延長される第1面を含み、前記第2外部は、前記第4側部から前記電池収納部に収納される前記角状電池セルの方向に下がるように延長される第1面を含んでもよい。
【0013】
前記第1ガイド部は、前記第1ガイド部の第1面の先端から下に延長される第2面を含み、前記第2ガイド部は、前記第2ガイド部の第1面の先端から下に延長される第2面を含んでもよい。
【0014】
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部の第2面が、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部の第1面の傾斜より更に急な傾斜を有してもよい。
【0015】
また、前記電池収納用電池トレイは、前記角状電池セルを受容するために、前記第1、2、3及び4側部と連結される第1底面を更に含んでもよい。
【0016】
また、前記電池収納用電池トレイは、前記円筒状電池セルを受容するために、前記第3及び第4側部のラウンド部と連結される第2底面を更に含んでもよい。
【0017】
前記電池収納部は、前記第1及び第2側部の長さ以下の厚さを有する角状電池セルを受容する大きさに形成されてもよい。
【0018】
前記電池収納部は、前記角状電池セルの下部が前記第1ガイド部の表面と前記第2ガイド部の表面と接触するよう、前記角状電池セルを受容する大きさに形成されてもよい。
【0019】
前記電池収納部は、前記角状電池セルの下部が前記第1ガイド部の下面と前記第2ガイド部の下面と接触するよう、前記角状電池セルを受容する大きさに形成されてもよい。
【0020】
前記電池収納部は、前記角状電池セルの下部が前記第1ガイド部の上面と前記第2ガイド部の上面に置かれるよう、前記角状電池セルを受容する大きさに形成されてもよい。
【0021】
前記電池収納部は、互いに向かい合う第5側部及び第6側部と、互いに向かい合って一端が前記第3側部から延長されて前記第5側部と連結され、他端が前記第4側部から延長されて前記第6側部と連結される前記第7側部及び第8側部と、前記第7側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第1先端を固定する第3ガイド部と、前記第8側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第2先端を固定する第4ガイド部と、を更に含んでもよい。
【0022】
前記第7側部及び前記第8側部は、前記角状電池セルを受容するための平坦部を有し、前記円筒状電池セルを収納するために前記第3及び第4側部のラウンド部を共有してもよい。
【0023】
前記第1、2、3及び4側部は、第1長さを有する前記角状電池セルを受容する大きさに形成され、前記第5、6、7及び8側部は、第2長さを有する前記角状電池セルを受容する大きさに形成されてもよい。
【0024】
前記電池収納部は、前記電池セルの端子を露出させるよう、前記電池トレイの下面に形成される貫通ホールを更に含んでもよい。
【0025】
また、前記電池収納用電池トレイは、複数の電池収納部を更に含んでもよい。
【0026】
前記第3側部の表面に形成される前記突出部と、前記第4側部の表面に形成される前記突出部が、前記角状電池セルの平坦部と線接触及び点接触を成してもよい。
【0027】
前記第3側部の表面に形成される前記突出部と、前記第4側部の表面に形成される前記突出部が、前記角状電池セルの向かい合う先端に配置されたラウンド部に隣接した平坦部と線接触及び点接触を成してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施の形態による電池収納トレイは、一つの電池収納部に多機種電池の収納を可能にすることで機種別に必要な電池収納トレイに対する製造コストを減らすことができ、また、機種別電池収納トレイの保管のために要求される保管空間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例による電池収納トレイを示す斜視図である。
【図2】図1の電池収納トレイを示す平面図である。
【図3】図2の一つの電池収納部に第1角状電池が収納された状態を示す拡大平面図である。
【図4】図3のA−A’線に沿って切り取った電池収納部の断面図である。
【図5】図3のB−B’線に沿って切り取った電池収納部の断面図である。
【図6】図3のC−C’線に沿って切り取った電池収納部の断面図である。
【図7】図3の電池収納部のうち、第1ガイド部部分を示す斜視図である。
【図8】図2の一つの収納部に第2角状電池が収納された状態を示す拡大平面図である。
【図9】図3の第1角状及び図8の第2角状電池それぞれと第1ガイド部の関係を説明するための断面図である。
【図10】図2の一つの電池収納部に円筒状電池が収納された状態で、図3のD−D’線に沿って切り取った電池収納部の断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態による電池収納トレイのうち、図6の部分と対応する部分を示し断面図である。
【図12】図11の電池収納部のうち、第1ガイド部部分を示す斜視図である。
【図13】本発明の更に他の実施の形態による電池収納トレイのうち、図3の部分と対応する部分を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら実施の形態を介して本発明をより詳しく説明する。図1は、本発明の一実施例による電池収納トレイを示す斜視図であり、図2は、図1の電池収納トレイを示す平面図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の一実施例による電池収納トレイ(又は電池収納用電池トレイ)10は、大略六面体形状の射出成形物で形成されてもよく、第1面10aと、第1面10aの反対面である第2面10bと、第1面10aと第2面10bを連結する4つの第3面10cと、を含んでもよい。
【0032】
図2を参照すると、前記電池収納トレイ10は、第1面10aを介して電池が収納される電池収納部100と、第2面10bのうち電池収納部100に対応する所定領域に形成される貫通ホール200と、を含む。このような電池収納トレイ10は、多数個の電池を収納して多数個の電池に化成充電工程などが適用されるようにする。このため、前記電池収納部100は、電池収納トレイ10内に多数形成される。ここで、前記化成充電工程は、出荷の前に電池を充電させる工程であり、電池収納部100の上部を介して露出される電池の電極端子と貫通ホール200を介して露出される電池の更に他の電極端子それぞれにプローブピンを接触させた後、充電電流を流すことで行われる。以下では、前記電池収納トレイ10を構成する多数の電池収納部100のうち一つの電池収納部100を中心に説明する。
【0033】
図3は、図2の一つの電池収納部に第1角状電池が収納された状態を示す拡大平面図であり、図4は、図3のA−A’線に沿って切り取った電池収納部の断面図であり、図5は、図3のB−B’線に沿って切り取った電池収納部の断面図であり、図6は、図3のC−C’に沿って切り取った電池収納部の断面図であり、図7は、図3の電池収納部のうち第1ガイド部部分を示す斜視図である。
【0034】
図3を参照すると、前記電池収納部100は、電池が実質的に収納される空間S10を提供し、具体的には、角状電池(又は角状電池セール)が収納される大略四角形の第1空間S1と、円筒状電池(又は円筒状電池セル)が収納される大略円形の第2空間S2と、角状電池又は円筒状電池をホールディングするホールディング装置が引き入れられるための第3空間S3と、を含んでもよい。ここで、前記角状電池は、正四角形、直四角形、楕円形などのようなプレイン(plane)形状を有する電池と定義される。前記電池収納部100は、角状電池又は円筒状電池の容易な収納のため、空間S10の上部に形成されたテイパー面100aを含んでもよい。前記電池収納部100は、空間S10の形成のために第1側面110と、第2側面120と、第3側面130と、第4側面140と、底面150と、を含む。また、電池収納部100は、空間S10に収納される多機種の角状電池(例えば、厚さが相異なる角状電池)をガイドして配置するよう、第1ガイド部160と、第2ガイド部170と、を含む。
【0035】
前記第1側面(又は第1側部)110及び第2側面(又は第2側部)120は、第1空間S1に収納される角状電池、例えば、第1厚さT1を有する第1角状電池1を間に挟んで互いに対向するように、平らに、かつ互いに平行に形成される。このような第1側面110及び第2側面120は、第1角状電池1の幅方向WD移動を規制する。ここで、前記第1厚さT1は、例えば、4mmであってもよい。一方、前記第1角状電池1は、電極端子2が図4に示すように突出された上面と、ラウンド部1aと平坦部1bで形成された側面(又は第1及び第2先端)と、上面の反対面である下面と、を含んでもよい。ここで、前記第1側面110及び第2側面120は、大略第1角状電池1の側面のうちそれぞれラウンド部1aと対向する。
【0036】
前記第3側面(又は第3側部)130及び第4側面(又は第4側部)140は、第1側面110及び第2側面120を連結し、第1角状電池1を間において対向する。具体的には、前記第3側面130及び第4側面140は、大略第1角状電池1の側面のうち平坦部1bと対向する。このような第3側面130及び第4側面140は、第1角状電池1の回転方向RD1、RD2移動を規制する。
【0037】
前記第3側面130は、具体的には、第1平坦部130a、130bと、第1ラウンド部130c、130dと、第1突出部130eと、第1ホールディング部(又は第1縁)130fと、を含んでもよい。前記第1平坦部130a、130bは、第1側面110の一端および第2側面120の一端それぞれに連結され、第1側面110及び第2側面と大略直角を成し、平らである。前記第1ラウンド部130c、130dは、第1平坦部130a、130bから延長され、中心軸CAから外側方向に突出されたラウンド形状を有する。前記第1突出部130eは、第1平坦部130bの一部が第1角状電池1方向に突出されて形成される。前記第1ホールディング部130fは、第1ラウンド部130cと第1ラウンド部130dとの間に形成され、第1ラウンド部130c、130dより中心軸Caから外側方向に更に突出されたラウンド形状を有する。ここで、前記電池収納部100の上部のうち、第1ホールディング部130fに対応する部分はテイパー面100aが形成されなくてもよい。
【0038】
前記第4側面140は、具体的には、第2平坦部140a、140bと、第2ラウンド部140c、140dと、第2突出部140eと、第2ホールディング部(又は第2縁)140fと、を含んでもよい。前記第2平坦部140a、140bは、第1側面110の他端と第2側面120の他端それぞれに連結され、第1側面110と第2側面120それぞれと大略直角をなし、平らである。前記第2ラウンド部140c、140dは、第2平坦部140a、140bから延長され、中心軸CAを中心に第1ラウンド部130c、130dと対称する位置で対称する形状を有する。前記第2突出部140eは、第2平坦部140aの一部が第1角状電池1方向に突出されて形成され、第1突出部130eと対角方向に対向される。前記第2ホールディング部140fは、第2ラウンド部140cと第2ラウンド部140dの間に連結され、中心軸CAを中心に第1ホールディング部130fと対称する位置で対称する形状を有する。ここで、前記電池収納部100の上部のうち、第2ホールディング部140fに対応される部分はテイパー面100aが形成されなくてもよい。
【0039】
前記底面150は、第1側面110と、第2側面120と、第3側面130と、第4側面140と、を連結する。前記底面150は、図4に示すように、具体的には、第1底面150aと、第2底面150bと、を含む。前記第1底面150aは、第1空間S1に収納される第1角状電池1の下面と対向される。前記第2底面150bは、第2空間S2に収納される円筒状電池(図10の5)の下面と接触し、第3空間S3と対応する領域まで延長されてもよい。ここで、前記第2底面150bは、第1底面150aより高い位置にあってもよい。
【0040】
上述したように、第1側面110、第2側面120、第1平坦部130a、130b、第2平坦部140a、140b及び第1底面150aは、第1角状電池1が収納される第1空間S1を形成する。ここで、第1厚さT1を有する第1角状電池1は、回転方向RD2方向に回転しながら第1空間S1に収納される。この際、前記第1突出部130e及び第2突出部140eは、図5及び図6に示したように、第1角状電池1の側面と接触する。具体的には、第1突出部130e及び第2突出部140eは、第1角状電池1の側面の一部である平坦部1bのうち、ラウンド部1aが始まる前の領域と線接触(line contact)又は点接触(point contact)する。このような第1突出部130e及び第2突出部140eは、第1角状電池1を支持及び固定する役割を果たす。
【0041】
前記第1ガイド部160は、図7に示したように、第1平坦部130aの下部と第1側面110の下部に接触するよう、第1底面150aの上に突出された形で形成される。具体的に、前記第1ガイド部160は、第1ガイド斜面(又は第1面)160aと、第1ガイド側面160bと、を含む。
【0042】
前記第1ガイド斜面160aは、第1底面150aから離隔された第1平坦部130aの下部から中心軸CA方向と第1底面150a方向に傾いた面である。ここで、前記第1ガイド斜面160aは、第1平坦部130aと第1底面150aに接触する。そして、前記第1ガイド斜面160aは、第1角状電池1の幅方向WDで第1角状電池1から遠くなるほど広くなる。
【0043】
前記第1ガイド側面160bは、第1ガイド斜面160aと、第1平坦部130aと、第1底面150aに連結される。
【0044】
前記第1ガイド部160は、第1角状電池1が第1空間S1に回転しながら挿入されるとき、第1ガイド斜面160aを介して回転方向RD2に第1角状電池1の回転をガイドする。また、前記第1ガイド部160は、回転された第1角状電池1が動かないよう、第1ガイド斜面160aを介して第1角状電池1を固定する。
【0045】
前記第2ガイド部170は、第4側面140の第2平坦部140bの下部と第2側面120の下部に接触するよう、第1底面150aの上に突出された形で形成される。前記第2ガイド部170は、中心軸CAを中心に対角方向に第1ガイド部160と対称する形状を有するため、具体的な説明は省略する。前記第2ガイド部170は、第1角状電池1が第1空間S1に回転しながら挿入されるとき、第1ガイド部160と共に回転方向RD2方向に第1角状電池1の回転をガイドする。また、第2ガイド部170は、第1ガイド部160と共に回転された第1角状電池1が動かないように第1角状電池1を固定する。
【0046】
次に、上述した電池収納部100に第2厚さT2を有する第2角状電池3が収納される場合について説明する。
【0047】
図8は、図2の一つの収納部に第2角状電池が収納された状態を示す拡大平面図である。図8を参照すると、第2厚さT2を有する第2角状電池3は、電極端子4が突出された上面と、ラウンド部3aと平坦部3bで形成された側面と、上面の反対面である下面と、を含む。ここで、前記第2角状電池3の第2厚さT2は、第1角状電池1の第1厚さT1より厚く、例えば、7mmであってもよい。このような第2角状電池3は、回転なしに第1空間S1に収納される。このことから、厚さが相異なる角状電池が相異なる回転率を有して第1空間S1に収納されることができるということが分かる。一方、第1突出部130e及び第2突出部140eそれぞれと第2角状電池3の接続関係は、第1突出部130e及び第2突出部140eそれぞれと第1角状電池1の接続関係と同じであるため、具体的な説明は省略する。
【0048】
次に、第1角状電池1及び第2角状電池3それぞれと第1ガイド部160との関係について説明する。
【0049】
図9は、図3の第1角状電池及び図8の第2角状電池それぞれと第1ガイド部との関係を説明するための断面図である。
【0050】
図9を参照すると、第1厚さT1を有する第1角状電池1は、第1ガイド部160の第1ガイド斜面160aを介して第1ガイド斜面160aの下部まで回転移動し、第1底面150aから第1高さH1の位置に位置する。一方、第2厚さT2を有する第2角状電池3は、第1ガイド部160の斜面160aに沿って回転移動せず、第1底面150aから第2高さH2の位置に位置する。これから、角状電池の厚さが小さいほど、第1ガイド部160の斜面160aを介した角状電池の回転移動が大きいということが分かる。
【0051】
一方、示されていないが、第1角状電池1及び第2電池3それぞれと第2ガイド部170との関係は、第1角状電池1及び第2角状電池3それぞれと第1ガイド部160との関係と同じである。
【0052】
次に、図2の一つの電池収納部100に円筒状電池5が収納されることを説明するための断面図について説明する。
【0053】
図10は、図2の一つの電池収納部に円筒状電池が収納された状態で、図3のD−D’線に沿って切り取った電池収納部の断面図である。
【0054】
図10を参照すると、上面に電極端子6が突出された円筒状電池5が第2空間S2に収納される。前記第2空間S2は、図3の第1ラウンド部130c、130d、第2ラウンド部140c、140d及び第2底面150bによって形成される。
【0055】
上述したように、本発明の一実施例による電池収納トレイ10は、第1ガイド部160及び第2ガイド部170を含む第1空間S1と、第2空間S2を提供する電池収納部100を具備することで、一つの電池収納部100に多機種電池の収納、即ち、相異なる厚さを有する角状電池だけでなく、円筒状電池の収納も可能にすることができる。
【0056】
従って、本発明の一実施例による電池収納トレイ10は、機種別に必要な電池収納トレイに対する製造コストを減らすことができ、また、機種別電池収納トレイの保管のために要求される保管空間を減らすことができる。
【0057】
次に、本発明の他の実施の形態による電池収納トレイについて説明する。図11は、本発明の他の実施の形態による電池収納トレイのうち図6の部分と対応する部分を示す断面図であり、図12は、図11の電池収納部のうち第1ガイド部部分を示す斜視図である。
【0058】
本発明の他の実施の形態による電池収納トレイは、本発明の一実施例による電池収納トレイ10に比べ、電池収納部300の第1ガイド部360の構成のみが相異であり、同じ構成を有し、同じ役割を果たす。従って、本発明の他の実施の形態による電池収納トレイでは、電池収納部300の第1ガイド部360について重点的に説明する。
【0059】
図11及び図12を参照すると、前記電池収納部300の第1ガイド部360は、第1平坦部130aの下部と第1側面110の下部に接触するよう、第1底面150aの上に突出された形で形成される。前記電池収納部300の第1ガイド部360は、図6に示した電池収納部100の第1ガイド部160と類似している。但し、前記電池収納部300の第1ガイド部360は二つの斜面を有する。具体的には、前記第1ガイド部360は、第1ガイド斜面(又は第1面)360aと、第2ガイド斜面(又は第2面)360bと、第1ガイド側面360cと、を含む。
【0060】
前記第1ガイド斜面360aは、第1底面150aから離隔された第1平坦部130aの下部で中心軸CA方向と第1底面150a方向に傾いた面である。ここで、前記第1ガイド斜面160aは第1平坦部130aに接触するが、第1底面150aには接触しない。そして、前記第1ガイド斜面160aは、第1角状電池1の幅方向WDで第1角状電池1から遠くなるほど広くなる。
【0061】
前記第2ガイド斜面360bは、第1ガイド斜面360aと第1底面150aを連結する斜めの面である。前記第2ガイド斜面360bは、第1角状電池1の幅方向WDで第1角状電池1から遠くなるほど広くなる。ここで、前記第2ガイド斜面360bは、前記第1ガイド斜面360aより急な傾斜を有する。
【0062】
前記第1ガイド側面360cは、第1ガイド斜面360aと、第2ガイド斜面360bと、第1平坦部130aと、第1底面150aに連結される。
【0063】
前記第1ガイド部360は、第1角状電池1が第1空間S1に回転しながら挿入されるとき、第1ガイド斜面360aと第2ガイド斜面360bを介して第1角状電池1の回転を更に安定的で柔軟にガイドする。また、第1ガイド部360は、回転された第1角状電池1が動かないよう、第1ガイド斜面360a又は第2ガイド斜面360bを介して第1角状電池1を更に固く固定する。ここで、前記第2ガイド斜面360bは、厚さが小さい角状電池を固定するのに有利である。
【0064】
一方、第2ガイド部(図示せず)は、中心軸CAを中心に対角方向に第1ガイド部360と対称する形状を有するので、図面の図示及び具体的な説明は省略する。このような第2ガイド部は、第1角状電池1が第1空間S1に回転しながら挿入されるとき、第1ガイド部360と共に第1角状電池1の回転を安定的で柔軟にガイドし、回転された第1角状電池1が動かないよう、第1角状電池1を更に固く固定する。
【0065】
上述したように、本発明の他の実施の形態による電池収納トレイは、電池収納部300の第1空間S1に二つの斜面を含む第1ガイド部360と第2ガイド部を形成し、一つの電池収納部300に相異なる厚さを有する角状電池の収納を更に安定的で柔軟に行うことができる。
【0066】
次に、本発明の更に他の実施の形態による電池収納トレイについて説明する。図13は、本発明の更に他の実施の形態による電池収納トレイのうち、図3の部分と対応される部分を示す平面図である。
【0067】
本発明の更に他の実施の形態による電池収納トレイは、本発明の一実施例による電池収納トレイ10に比べ、電池収納部400が第4空間S14を更に含むという構成のみが相異であり、同じ構成を有し、同じ役割を果たす。従って、本発明の更に他の実施の形態による電池収納トレイでは、電池収納部400の第4空間S14について重点的に説明する。
【0068】
図13を参照すると、前記電池収納部400は電池が実質的に収納される空間S20を提供し、具体的には、角状電池が収納される大略四角形の第1空間S1と、円筒状電池が収納される大略円形の第2空間S2と、角状電池又は円筒状電池をホールディングするホールディング装置が引き入れられるための第3空間S3と、更に他の角状電池が収納される大略四角形の第4空間S14と、を含んでもよい。ここで、前記電池収納部400は角状電池又は円筒状電池の容易な収納のため、空間S20の上部に形成されたテイパー面100aを含んでもよい。
【0069】
前記電池収納部400は、空間S20の形成のため、第1側面110と、第2側面120と、第3側面130と、第4側面140と、第5側面(又は第5側部)410と、第6側面(又は第6側部)420と、第7側面(又は第7側部)430と、第8側面(又は第8側部)440と、底面450と、を含む。ここで、前記第7側面430は第3突出部430eを含み、第8側面440は第4突出部440eを含み、底面450は第1底面150aと、第2底面150bと、第3底面450cと、を含む。
【0070】
前記電池収納部400の第4空間S14は第1空間S1と交差し、大略「X」字型を成す。このような第4空間S14は、第5側面410、第6側面420、第7側面430、第8側面440、第3底面450cによって形成される。前記第5側面410、第6側面420、第7側面430、第8側面440及び第3底面450cは、第1空間S1を成す第1側面110、第2側面120、第3側面130、第4側面410及び第1底面150aに比べ形成位置のみが異なっており、同じ形状を有し、同じ役割を果たすため、具体的な説明は省略する。
【0071】
また、前記電池収納部400は、空間S20に収納される多機種の電池(例えば、厚さが相異なる角状電池)をガイドして配置するよう、第1ガイド部160と、第2ガイド部170と、第3ガイド部460と、第4ガイド部470と、を含む。
【0072】
前記第3ガイド部460及び第4ガイド部470は第3底面450cに形成される。このような第3ガイド部460及び第4ガイド部470は、第1底面150aに形成される第1ガイド部160及び第2ガイド部170に比べ形成位置のみが異なっており、同じ形状を有し、同じ役割を果たすため、具体的な説明は省略する。
【0073】
一方、前記第3側面130と第8側面440は、第1ラウンド部480a、480bによって連結される。そして、前記第4側面140と第7側面430は第2ラウンド部490a、490bによって連結される。ここで、電池収納部400の上部のうち、第1ラウンド部480bと第2ラウンド部490bに対応する領域にはテイパー面100aが形成されなくてもよい。
【0074】
本発明による実施の形態によると、前記第1側面110、第2側面120、第3側面130、第4側面140は第1長さを有する角状電池を受容できる大きさで形成され、第5側面410、第6側面420、第7側面430、第8側面440は第2長さを有する角状電池を受容できる大きさで形成される。
【0075】
上述したように、本発明の更に他の実施の形態による電池収納トレイは、電池収納部400に角状電池の収納のために第1空間S1だけでなく第4空間S14を形成し、一つの電池収納部400に更に多様に多機種の角状電池を収納することができる。
【0076】
本発明は、添付した図面に示した実施の形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施の形態が可能であるということを理解できるはずである。従って、本発明の真の保護範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ決められるべきである。
【符号の説明】
【0077】
10:電池収納トレイ
100、300、400:電池収納部
110:第1側面
120:第2側面
130:第3側面
140:第4側面
150:底面
160、360:第1ガイド部
170:第2ガイド部
200:貫通ホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合う第1側部及び第2側部と、角状電池セルを受容するための平坦部と円筒状電池セルを受容するためのラウンド部を有して互いに向かい合う第3側部と第4側部と、
前記第3側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第1先端を固定する第1ガイド部と、
前記第4側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第2先端を固定する第2ガイド部と、を含む電池収納セルを具備することを特徴とする電池収納用電池トレイ。
【請求項2】
前記第1側部は、前記第3側部及び前記第4側部の一端に連結され、前記第2側部は、前記第3側部及び前記第4側部の一端と反対である他端に連結されることを特徴とする請求項1に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項3】
前記第3側部及び第4側部は、前記電池セルをホールディングする装置を受容するために、前記ラウンド部から延長される縁を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項4】
前記第1ガイド部は、前記第1側部の下部と第1底面から更に延長され、
前記第2ガイド部は、前記第2側部の下部と第1底面から更に延長されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項5】
前記第1ガイド部は、前記第4側部の表面と共に前記角状電池セルの第1先端を固定するように構成され、
前記第2ガイド部は、前記第3側部の表面と共に前記角状の電池セルの第2先端を固定するように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項6】
前記角状電池セルの第1先端と接触するように構成されるよう、前記第4側部の表面に形成される突出部と、
前記角状電池セルの第2先端と接触するように構成されるよう、前記第3側部の表面に形成される突出部と、を具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項7】
前記第1ガイド部は、前記第3側部から前記電池収納部に収納される前記角状電池セルの方向に下がるように延長される第1面を含み、
前記第2ガイド部は、前記第4側部から前記電池収納部に収納される前記角状電池セルの方向に下がるように延長される第1面を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項8】
前記第1ガイド部は、前記第1ガイド部の第1面の先端から下に延長される第2面を含み、
前記第2ガイド部は、前記第2ガイド部の第1面の先端から下に延長される第2面を含むことを特徴とする請求項7に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項9】
前記第1ガイド部と前記第2ガイド部の第2面が、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部の第1面の傾斜より更に急な傾斜を有することを特徴とする請求項8に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項10】
前記角状電池セルを受容するために、前記第1、2、3及び4側部と連結される第1底面を更に含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項11】
前記円筒状電池セルを受容するために、前記第3及び第4側部のラウンド部と連結される第2底面を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項12】
前記電池収納部は、前記第1及び第2側部の長さ以下の厚さを有する角状電池セルを受容する大きさに形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項13】
前記電池収納部は、前記角状電池セルの下部が前記第1ガイド部の表面と前記第2ガイド部の表面と接触するよう、前記角状電池セルを受容する大きさに形成されることを特徴とする請求項12に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項14】
前記電池収納部は、前記角状電池セルの下部が前記第1ガイド部の下面と前記第2ガイド部の下面と接触するよう、前記角状電池セルを受容する大きさに形成されることを特徴とする請求項12に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項15】
前記電池収納部は、前記角状電池セルの下部が前記第1ガイド部の上面と前記第2ガイド部の上面に置かれるよう、前記角状電池セルを受容する大きさに形成されることを特徴とする請求項12に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項16】
前記電池収納部は、
互いに向かい合う第5側部及び第6側部と、互いに向かい合いながら一端が前記第3側部から延長されて前記第5側部と連結され、他端が前記第4側部から延長されて前記第6側部と連結される前記第7側部及び第8側部と、
前記第7側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第1先端を固定する第3ガイド部と、
前記第8側部の下部から延長され、前記角状電池セルの第2先端を固定する第4ガイド部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項17】
前記第7側部及び前記第8側部は、前記角状電池セルを受容するための平坦部を有し、前記円筒状電池セルを収納するために前記第3及び第4側部のラウンド部を共有することを特徴とする請求項16に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項18】
前記第1、2、3及び4側部は、第1長さを有する前記角状電池セルを受容する大きさに形成され、
前記第5、6,7及び8側部は、第2長さを有する前記角状電池セルを受容する大きさに形成されることを特徴とする請求項16または17に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項19】
前記電池収納部は、前記電池セルの端子を露出させるよう、前記電池トレイの下面に形成される貫通ホールを更に含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項20】
複数の電池収納部を更に含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項21】
前記第3側部の表面に形成される前記突出部と、前記第4側部の表面に形成される前記突出部が、前記角状電池セルの平坦部と線接触又は点接触を成すことを特徴とする請求項6〜20のいずれか一項に記載の電池収納用電池トレイ。
【請求項22】
前記第3側部の表面に形成される前記突出部と、前記第4側部の表面に形成される前記突出部が、前記角状電池セルの向かい合う先端に配置されたラウンド部と隣接した平坦部と線接触又は点接触を成すことを特徴とする請求項21に記載の電池収納用電池トレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−258554(P2011−258554A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118752(P2011−118752)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】