説明

電池収納構造、携帯装置および電池収納方法

【課題】携帯電話の電池パックを電力供給の中断なく交換できるようにする。
【解決手段】携帯電話の電池パック収納部20の一側面において、溝12に沿って上下動する回転軸9に、向きが互いに90°異なる装置側端子部7および8を軸支する。装置側端子部7に電池パックAが装着されているときは、回転軸9を上に移動して装置側端子部7、8を左回転し、他の電池パックBを装置側端子部8に装着する。次に、電池パックAを装置側端子部7から取り外し、回転軸9を下に移動して電池パックBを電池パック収納部20に収納して電池パックAをBに交換する。この後に、回転軸9を上げ、電池パックCを装置側端子部7に装着後に電池パックBを取り外し、回転軸9を下げ、装置側端子部7、8を右回転させて電池パックCを電池パック装着部20に収納して電池パックBをCに交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池収納構造および方法に関する。特に、携帯電話に用いられ、電池交換時にも携帯電話への電力供給が途切れることがない電池収納構造および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機は通話機能だけではなく、他の機能が急激に進化しており、カメラ機能やアプリ機能(ゲーム)、TV受信機能などを備えている。これらの大型液晶の搭載による機能拡大のために、消費電流が大きくなってしまい、電池の容量UPという要望が強い。容量をUPするには、電池セルで電極の巻き数を増やすなどが必要であり、必然的に電池セルの寸法拡大につながる。
【0003】
しかし、一方で携帯電話機の小型化、薄型化が進んでおり、電池パックとしても小型化、薄型化が望まれるため、‘容量UP問題’と‘小型化、薄型化問題’のバランスの取れた部分での設計を行っている。
【0004】
したがって、近年の多機能携帯電話機において、電池の容量に関して言えば十分満足できているとは言えない。
【0005】
コンビニ等でよく売られている、コネクタから充電するタイプのものがあるが、あくまで補助的な役割であり十分満足できるものではない。
【0006】
そこで、TV受信中に電池パックの容量が低下した場合でも、携帯電話への電源供給を継続させたまま、満充電された他の電池に交換できることが臨まれる。こうすれば、TV受信の中断を避けることができるからである。しかも、電池パックが小型で、電池容量が小さくても長時間、中断することなく、TV受信等を継続することができる。
【0007】
特許文献1には、収納部側面の一端および他端各々の1組の正極および負極端子を結ぶ各直線回りにバッテリを回転自在に支持することができるバッテリ収納装置が示されている。ここで、バッテリを収納部に完全に収納すれば、そのバッテリは、収納部側面の両端各々において正極および負極端子に接続されている。バッテリを交換するときは、例えば、収納状態にあった一のバッテリを収納側面の一端の正極および負極端子によって回転直立させ、収納側面の他端の正極および負極端子からそのバッテリを切り離す。次に、収納側面の他端の正極および負極端子に他のバッテリを直立状態に接続する。次に、一のバッテリを収納側面の一端の正極および負極端子からも取り外す。次に、他のバッテリを収納側面の他端の正極および負極端子を中心に回転させて、収納部内に倒し込み収納する。これで、バッテリを電力供給を中断することなく交換できる。
【0008】
特許文献2には、2つの電池を並列に接続しておくことにより、1つの電池を交換しても電力供給が中断されない無停電電源装置が示されている。
【0009】
特許文献3には、2つの電池装着部と、この両装着部にまたがるように設けられた略くの字形の回転可能な接続子保持部材とを備えた構造が示されている。この接続子保持部材には、両電池装着部に装着される電池をそれぞれ挟時して電気的に接続する2個の接点部を有する一対の接続子が取り付けられている。
【0010】
この構造では、電池を保持したホルダを一方の電池装着部に挿入すると、その挿入された電池が一対の接続子の接点に挟時される。この後に、該ホルダにより接続子保持部材が押されて回転し、該接続子保持部材が他方の電池装着部に装着されている電池を保持しているホルダを押し出すことにより電池の交換が行われる。
【0011】
すなわち、一方の電池が接続子に接続された後に他方の電池を取り出せるようにして電池の交換時に電力の供給が中断されないようにしている。
【0012】
【特許文献1】特許公報第2950433号
【特許文献2】特開2001−352696
【特許文献3】実開平4−87273
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に示されたバッテリ収納装置では、バッテリの両端各々に正極端子および負極端子を設けなければならない。しかも、バッテリの両端各々において、バッテリ収納装置と電気的に接続するための端子は、バッテリの端部を通る直線の両端の2箇所にしか設けられず、2種類の電極端子しか設けられない。したがって、正極端子および負極端子のほかに、第3の端子、例えばバッテリの温度測定用の信号を伝えるための端子等は、設けることができないという欠点がある。
【0014】
特許文献2に示された無停電電源装置では、2つの電池を並列に設けておくために、電池2つ分のスペースを確保しなければならず、多くのスペースを必要とする欠点がある。
【0015】
特許文献2に示された構造では、2つの電池装着部を並べて設けるため、多くのスペースを必要とする欠点がある。
【0016】
本発明の目的は、電力供給を中断することなく電池を交換でき、しかも少ないスペースで済む電池収納構造および方法を提供することにある。
【0017】
また、電池の端部に複数の端子を集中して設けることができる電池収納構造および方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1に係る発明の電池収納構造は、筐体に設けられ前記筐体の表面の側が開放可能な電池を収納するための電池収納部と、前記電池収納部の縁において前記筐体の表面にほぼ垂直な方向に移動可能で前記筐体の表面にほぼ平行な回転軸と、それぞれが前記回転軸に軸支され互いの向きが前記回転軸を中心としてほぼ90度ずれた前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部および第2の装置側端子部と、前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項2に係る発明の電池収納構造は、筐体に設けられ前記筐体の表面の側が開放可能な電池を収納するための電池収納部と、前記電池収納部の縁において前記筐体の表面にほぼ垂直な方向に前記筐体のほぼ表面の位置からほぼ前記電池の厚み分だけ沈み込んだ位置までの間で移動可能で前記筐体の表面にほぼ平行な回転軸と、それぞれが前記回転軸に軸支され互いの向きが前記回転軸を中心としてほぼ90度ずれた前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部および第2の装置側端子部と、前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする電池収納構造。
【0020】
請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記回転軸は、両端が前記筐体に設けられた溝に摺動可能に挿入されたことを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項1または2のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記筐体に設けられた案内部に案内されて前記筐体の表面に対しほぼ垂直に移動可能な、前記回転軸を保持する軸受を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1または2のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、一端で前記回転軸を保持し、他端が前記回転軸および前記回転軸の移動方向に直角な方向に前記回転軸から離れた位置において軸支されたアームとを含むことを特徴とする。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記電池収納部は前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部が設けられた縁の反対側の縁の少なくとも一部が開放可能であることを特徴とする。
【0024】
請求項7に係る発明の電池収納構造は、筐体に設けられ開放可能な前記筐体の表面の側および第1の縁から電池を挿抜することができる電池収納部と、前記電池収納部の前記第1の縁とは反対側の第2の縁において前記電池収納部に収納された前記電池の下の稜の近くに設けられた前記筐体の表面に平行な回転軸と、それぞれが前記回転軸に軸支され互いの向きが前記回転軸を中心としてほぼ90度ずれた前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部および第2の装置側端子部と、前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする。
【0025】
請求項8に係る発明の電池収納構造は、
筐体に設けられ開放可能な前記筐体の表面の側および第1の縁から電池を挿抜することができる電池収納部と、
前記電池収納部の前記第1の縁とは反対側の第2の縁において前記電池収納部に収納された前記電池の下の稜の近くに設けられた前記筐体の表面に平行な回転軸と、
前記回転軸に軸支され、前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部と、
前記電池に設けられた前記電池側端子部と接続するためのものであって、前記回転軸に軸支されて前記第1の装置側回転軸と一体となって回転し、前記第1の装置側端子部に対し、前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、自らに接続した前記電池側端子部に対向する自らの面である第2の対向面が前記回転軸から前記筐体の表面に向かって前記筐体の表面にほぼ直角に位置する関係にある第2の装置側端子部と、
前記第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側であって前記筐体の表面に平行な位置から前記筐体の表面の反対側に回り込まないように規制する第1のストッパと、
前記第2の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の側にあって前記筐体の表面に平行な位置から前記筐体の表面の反対側に回り込まないように規制する第2のストッパと、
前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする。
【0026】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記保持手段は、前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に前記電池側端子部を接続した前記電池の端部を案内し、挟持する電池ガードであることを特徴とする。
【0027】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載された発明の電池収納構造において、前記電池ガードに設けられ前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に電池側端子部が接続された前記電池に設けられた凹部に挿入され前記ガードの弾性変形により前記凹部から脱出可能な凸部を含むことを特徴とする。
【0028】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記保持手段は、前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部に前記電池側端子部を磁力により吸着する磁気手段を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記筐体は、携帯用装置のものであることを特徴とする。
【0030】
請求項13に係る発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載された発明の電池収納構造において、前記筐体は、携帯端末のものであることを特徴とする。
【0031】
請求項14に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第1の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部に接続し、前記第2の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするか、
または、前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第2の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするかにより前記電池を前記電池収納部に収納することを特徴とする。
【0032】
請求項15に係る発明は、請求項7ないし8のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記第1の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部に接続し、前記第2の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするか、
または、前記第2の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするかにより前記電池を前記電池収納部に収納することを特徴とする。
【0033】
請求項16に係る発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第1の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて一の前記電池(以下電池Aという。)の前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部に接続し、前記第2の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態であるときは、
前記回転軸をほぼ前記筐体の表面まで移動させて前記第1の対向面が前記筐体の表面と平行になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させ、前記第2の装置側端子部に他の前記電池(以下電池Bという。)の前記電池側端子部を接続し、
この後に、前記電池Aの前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部から取り外し、
この後に、前記回転軸を前記筐体の表面から前記電池の厚さ分以上沈ませて前記電池Bを前記電池収納部に収納するように収納して前記電池を交換し、
前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第2の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて一の前記電池(以下電池Cという。)の前記電池側端子部を前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態であるときは、
前記回転軸をほぼ前記筐体の表面まで移動させるとともに前記第1の端子部に他の電池(以下電池Dという。)の前記電池側端子部を接続し、
この後に、前記第2の装置側端子部から前記電池Cを取り外し、
この後に、前記第1の対向面が前記筐体の表面と直角になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させるとともに前記回転軸を前記筐体の表面から前記電池の厚さ分以上沈ませて前記電池Dを前記電池収納部に収納するように収納して前記電池を交換することを特徴とする。
【0034】
請求項17に係る発明は、請求項7ないし8のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記第1の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角で一の前記電池(以下電池Aという。)の電池側端子が前記第1の装置側端子に接続し、前記第2の装置側端子には前記電池側端子が接続していない状態であるときは、
前記第1の対向面が前記筐体の表面に直角になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させ、前記第2の装置側端子部に他の前記電池(以下電池Bという。)を接続し、
この後に、前記電池Aを前記第1の装置側端子部から取り外すようにして収納した前記電池を交換し、
前記第1の対向面が前記筐体の表面にほぼ平行で一の前記電池(以下電池Cという。)の前記電池側端子部が前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部が接続していない状態であるときは、
前記第1の装置側端子部に他の前記電池(以下電池Dという。)の電池側端子部を接続し、
この後に、前記第2の装置側端子部から前記電池Cの電池側端子部を取り外し、
この後に、前記第1の対向面が前記筐体の表面に直角になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させて前記電池Dを前記電池収納部に収納して前記電池を交換することを特徴とする。
【0035】
請求項18に係る発明の携帯装置は、請求項1ないし11に記載された電池収納構造を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明の電池収納構造および方法は、携帯電話等の使用中の電池の容量が低下したとき、電源供給を継続させたまま(TV受像等の機能を停止させずに)、十分に容量がある電池への交換が可能である効果がある。なぜならば、第1の装置側端子部および第2の装置側端子部を設け、いずれかの装置側端子部に一の電池を接続しているときは、他方の装置側端子部に十分な電池容量を有する他の電池を接続してから一方の装置側端子部から、一の電池を取り外すことができるからである。
【0037】
特許文献1のバッテリ収納装置では、バッテリの対向する側面に端子を設けなければならないが、本発明では、電池の一側面に全ての端子を設けることができる。また、特許文献1のバッテリ収納装置では、正極と負極との2種類の端子しか設けることができないが、本発明の電池収納構造および方法では、電池に設けた3種以上の端子を装置側に接続することができる。
【0038】
本発明の電池収納構造および方法は、第1および第2の装置側端子部の向きを90°異ならせている。そこで、電池の交換時に両方の装置側端子部に電池を接続した場合に、一方の装置側端子部に接続された電池は、筐体の外側に位置するようにできる。したがって、筐体内に電池1つ分の収納スペースを確保すればよい。
【0039】
特許文献2の無停電電源装置および特許文献3の構造では、筐体内に電池2つ分のスペースを必要とするが、本発明では電池1つ分のスペースで済む効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は、本発明の実施の形態の電池収納構造を設けた携帯電話機の電池カバーを外し、下部筐体部分を背面から見た斜視図である。この携帯電話の下部筐体1の背面に電池パックを収納するための直方体の凹部からなる電池パック収納部20が設けられている。電池収納部20の図1における左側側面には、電池パックを携帯電話の回路に電気的に接続するための接続部2が設けられている。
【0041】
図2(a)および(b)はそれぞれ、本実施の形態で用いる電池パック4の斜め正面から見た斜視図および側面図である。電池パック4の側面には、正極、負極および電池パック4の温度測定信号用端子からなる3つの端子51を備えた電池パック側端子部5が設けられている。なお、電池パック4を電池パック収納部20に収納したときの電池パック側端子部5に対応する位置に接続部2が設けられている。
【0042】
図3は、図1におけるAA断面の概略を示す断面図である。図4は、接続部2およびその周辺を示す斜視図である。
【0043】
接続部2は、L字形に折り曲げて形成された端子板21(図3では、端子板21を略している。図5〜図12、図16でも同様。)を有する。端子板21は、折り目の部分に折り目と平行な回転軸9を有する。回転軸9の両端は、下部筐体1に設けられた一対の溝12に溝12の長さ方向の摺動および回転可能に挿入されているが、両端にフランジを設ける等により回転軸9に平行には移動できないように規制されている。したがって、端子板2は、回転軸9回りの回転および上下動(便宜上、下部筐体1の背面より外側を上とし、内側を下とし、左右の方向および回転方向を図3における関係で説明する。)ができる。
【0044】
端子板21を図3および4に示すように位置させたときに、端子板21の上側の部分の右に向いた面(筐体1の表面に垂直な面)である対向面22に3つの端子26からなる装置側端子部7が図2に示す電池側端子部5の端子51に対応して設けられている。また、端子板21の下側の部分の下に向いた面(筐体1の表面に平行な面)である対向面23に3つの端子26(図4では見えない位置にあるので示されていない。)が電池側端子部5の端子51に対応して設けられている。対向面22と23は、回転軸9を境に互いに90度をなしている。対向面22上の3つの端子26で装置側端子部7を構成し、対向面23上の3つの端子26で装置側端子部8を構成する。なお、対向面22および23それぞれに設けた端子26を3つとしたのは、一例であって、4つ以上の端子を並べて設けることもできる。
【0045】
また、対向面22の上下には、電池パック側端子部5を装置側端子部7に接続した電池パック4の端部を弾性力により挟持する一対の電池パックガード13が設けられている。対向面23の左右にも、電池パック側端子部5を装置側端子部8に接続した電池パック4の端部を弾性力により挟持する一対の電池パックガード14が設けられている。
【0046】
なお、電池パック収納部20は、電池パック4を丁度収納できる大きさである。回転軸9は、対向面23を筐体1の表面に対し垂直に立て装置側端子部8に電池パック側端子部5を接続した電池パック4が下部筐体1の外に出た状態の位置を(後述する図9乃至図11の位置)最上位とする。回転軸9は、対向面23を垂直にして装置側端子部8に電池パック側端子部5を接続した電池パック4が収納部20に完全に入った状態の位置(後述する図12の位置)を最下位とする。溝12は、回転軸9がこの最上位および最下位の間で上下動できる長さ、位置で設けられている。
【0047】
なお、下部筐体1の電池パック収納部20の側面および底面には、切り欠き部24(図4)および切り欠き部25を設け、接続部2の回転および移動により、端子板21、装置側端子部7、装置側端子部8ならびに電池パックガード13および14が下部筐体1と干渉しないようにしている。溝12は、切り欠き部24の対向する2つの側面の回転軸9に対向する位置にそれぞれ設けられている。
【0048】
装置側端子部7の3つの端子26それぞれと、装置側端子部8の3つの端子26それぞれとは、対応して端子板21に設けられた配線(図示略)により相互に接続されている。さらに、携帯電話に内蔵された回路基板6の基板給電用および電池温度測定信号用の端子10と装置側端子部7および8の端子26それぞれとは、端子板21に設けられた配線および可撓性の接続用配線11により接続されている。
【0049】
次に、本実施の形態における電池パック4の収納方法について説明する。
【0050】
図5に示すように、電池パック15の装着時には、図3に示す状態から接続部2を上方向に手でスライドさせ、電池パック15の電池パック側端子部5を装置側端子部7に接続し、電池パック15の端部を電池パックガード13に挟持させることができる。
【0051】
この後に、図6に示すように、接続部2とともに電池パック15を下方向へ移動させ、電池パック15を電池パック収納部20に収納する。
【0052】
図6の状態で携帯電話を使用し、電池パック15の容量低下等により電池パック15を交換するときは、図7に示すように接続部2を上方向にスライドさせた後に、回転軸9を中心に90°左回転させて電池パック15を引き起こす。このときに、電池パック15は電池パックガード13の弾性力により固定されているため、装置側端子部7と電池パック15の電池パック側端子部5の接続は保持されたまま、これらの回転移動が可能である。
【0053】
したがって、電池パック15を引き起こした時(回転軸9が90°左回転時)には、下部筐体1の電池パック収納部20の下側に収納されていた装置側端子部8が、図8に示すように、連動して上方向に移動し、90°左回転するため、交換用の電池パック16を電池パックガード14間に挿入可能となる。
【0054】
次に、図9に示すように電池パック16の電池パック側端子部5を装置側端子部8に接触して接続した後に、図10および図11に示すように電池パック15を接続部2から外す。接続部2および電池パック16を下方向にスライドさせれば、図12に示すように、交換用の電池パック16は電池パック収納部20に収まり、元々電池パック15と接触していた装置側端子部7は、切り欠き部24内、すなわち下部筐体1の内部に納まる。
【0055】
図12の状態で使用していた電池パック16の容量が低下し、交換が必要となった時は、上記で説明してきた逆の手順を行えば、電源供給を継続させたまま、次の電池に交換可能である。
【0056】
すなわち、図12の状態から図11の状態を経て図10、図9の状態にして電池パック15を接続部2に装着し、この後に図8の状態にして電池パック16を接続部2から取り外し、図7、図6の状態にして電池パック15を電池パック収納部20に収納する。
【0057】
なお、図13に示すように電池パックガード13および14に凸部17を設け、電池パック側端子部5を装置側端子部8または9に接続したときの電池パック4の凸部17に対応する位置に凹部18を設けている。したがって、電池パック側端子部5を装置側端子部8または9に接続したときは、凸部17が凹部18に係合し、電池パックガード13または14の弾性力により、電池パック4を接続部2から脱落しないように保持する。
【0058】
電池パックガード13および14に凹部を設け、この凹部に対応して電池パック4に凸部を設けるようにすることもできる。
【0059】
また、電池パックガード13および14は、図4に示すような板状のものに限定されず、例えば、弾性を有する針金を成形したものを用いて電池パック4を保持するようにしてもよい。
【0060】
また、電池を保持する保持手段として、接続部2の装置側端子部7および8の近傍に永久磁石を設け、電池パック4の電池パック側端子部5の近傍に鉄片等の磁性体を設けることもできる。これで電池パック側端子部5を装置側端子部7または8に接続したときに、電池パック4が磁力により接続部2に保持されるようにする。この場合は、凸部17および凹部18を設けなくてもよく、さらに電池パックガード13および14も設けなくてもよいが、これらと磁力による吸着を併用することもできる。
【0061】
なお、図14(接続部2を省略)に示すように、溝12の方向にのみ摺動可能で回転が不可能なように溝12に取り付けられた軸受30に、回転軸9を軸支するようにすることもできる。図14(a)および(b)それぞれは、軸受30およびその周辺の斜視図および横断面図である。この場合も接続部2は、上下動および回転軸9回りの回転が可能で、しかも回転軸9が傾くことを防ぐことができる。
【0062】
なお、溝12の替わりにレール状のものを下部筐体1に設け、レール状のものに軸受30相当のものが上下動可能なように案内されるようにすることもできる。
【0063】
図15は、回転軸9を上下動可能にするための構造の他の例を示す図である。図15(a)および(b)は、それぞれ下部筐体1の電池パック収納部20の部分を模式的に示す平面図および断面図である。ただし、図15において、接続部2は図示を省略してある。
【0064】
ここで、電池パック収納部20の回転軸9に沿っている左側面とは反対側の右側面に沿う回転軸9と平行な直線34上に位置し、直線34を中心軸とする一対の軸受32を下部筐体1に設ける。回転軸9の両端それぞれに一対のアーム31を連結し、アーム31それぞれの他端を軸受32で軸支する。回転軸9の両端、一対のアーム31および一対の軸受32は、電池パック収納部20の前後の側面より外側に位置させ、これらと電池パック収納部20とが干渉しないようにする。
【0065】
一対のアーム31が軸受32を中心として図15(b)に示す実線35の位置から一点鎖線の位置36の間で回転することにより、回転軸9は、円弧37に沿って上下動する。なお、回転軸9は、軸受32を中心として円弧を描いて上下動することとなるが、回転軸9の上下動の距離に対しアーム31を長くすることができれば、実用上は問題ない。
【0066】
接続部2の端子板21は、回転軸9に対し、回転自在であるが軸方向には固定とする。
【0067】
なお、直線34は、回転軸9の軸方向および移動方向に直角な方向に十分な距離を有して離れていればよく、必ずしも電池パック収納部20の右側面に沿って位置させる必要はない。また、アーム31および軸受32を片側のみのものとし、回転軸9とアーム31をL字状に連結したものでもよい。
【0068】
電池パック収納部20は、図示していない蓋で覆うことができる。この蓋については、従来から広く知られた技術を用いることができるので詳述はしない。
【0069】
また、電池収納部20の接続部2が設けられる側面の反対側の側面の部分も上面と同様に開放しておくのも望ましい形態である。こうすれば、図7に示すように収納された電池パック15を引き起こすときに、電池パック15の電池パック側端子部5が設けられた辺の反対側の端部を指等で保持できるので操作が容易になる。なお、電池収納部20の接続部2が設けられる側面の反対側の側面の一部分を、少なくとも指が入る程度に開放しておくのでもよい。
【0070】
図16は、本発明の他の実施の形態の電池パック収納構造の断面図である。
【0071】
この電池パック収納構造は、次の点を除いて図3および4に示した電池パック収納構造と同じである。異なる点は、回転軸9の位置が固定されていることと、電池パック収納部20の接続部2が設けられた側面の反対側の側面の部分が開放されていることである。また、切り欠き部24が端子板21や装置側端子部7、8との干渉を防ぐだけではなく、電池パック4の電池パック側端子部5が設けられた端部を入れることができるように電池パック収納部20と同じ幅を有することも異なる。
【0072】
また、図16では、電池パック収納部20の上面および電池パック収納部20の接続部2が設けられる側面の反対側の側面を覆う蓋33も示してある。
【0073】
また、本実施の形態では、回転軸9が上下動しないので、接続用配線11の可撓性を少なくすることができる。
【0074】
図16に示す状態から電池パック4を収納するには、蓋33を外し、電池パック4(ここでの説明で電池パックAという。)を電池パック収納部20の接続部2が設けられる側面の反対側の側面から、矢印34の向きに電池パック収納部20に差し込む。これにより、電池側端子部5を装置側端子部7に接続し、電池パックAを電池パックガード13で保持する。次に、電池パック収納部20に蓋33を被せる。
【0075】
この状態から、電池パックAを他の電池パック4(ここでの説明で電池パックBという。)に交換するときには、蓋33を外し、回転軸9を中心にして接続部2および電池パックAを90°左回転する。これで、対向面23が垂直なるので、装置側端子部8に電池パックBの電池側端子部5を接続し、電池パックガード14で電池パックBを保持する。このときも電池パックBを電池パック収納部20の接続部2が設けられる側面の反対側の側面から、矢印34の向きに電池パック収納部20に差し込む。この後に、電池パックAを装置側端子部7から取り外し、蓋33を被せる。
【0076】
この状態から電池パックBを更に他の電池パック4(ここでの説明で電池パックCという。)に交換するときには、蓋33を外してから次のように行う。電池パックCを電池側端子部5を下向きにして立てた状態で、電池パックCの下端を下部筐体1の上面から切り欠き部24に差し込み、その電池パック側端子部5を装置側端子部7に接続する。これで電池パックCは、電池パックガード13に保持される。
【0077】
この後に、電池パックBを電池パック収納部20の接続部2が設けられる側面の反対側の側面から、矢印34の反対向きに電池パック収納部20から引き出し、装置側端子部8から取り外す。次に、接続部2および電池パックCを90°右回転する。これで電池パックCは、電池パック収納部20内に収まるので、蓋33を電池パック収納部20に被せる。
【0078】
なお、図16の状態で端子板21を右回転したときに対向面23の裏面に当接するストッパと、図16の状態から接続部2を90°左回転させたときの端子板21の対向面22の裏面に当接するストッパを設けるのが望ましい。こうすれば、接続部2が図16の状態から右回転すること、および図16の状態から90°左回転した状態からさらに左回転してしまうのを防ぐことができ、電池パック4を挿抜する操作が容易になる。
【0079】
本発明は、携帯電話での使用に限られず、ノートブック型コンピュータ等の種々の装置にも使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
携帯電話の電池を電源供給の中断なく交換する用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の電池収納構造を用いた携帯電話の下部筐体1の斜視図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ本発明の電池収納構造に用いる電池パック4の斜視図および側面図である。
【図3】図1のAA断面図である。
【図4】図1中の接続部2およびその周辺を詳細に示す斜視図である。
【図5】図3の状態から電池パック15を装置側端子部7に接続しようとしている状態を示す断面図である。
【図6】図5の状態から電池パック15を装置側端子部7に接続して電池パック収納部20に収納した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示す状態から電池パック15を交換するために引き起こしている状態を示す断面図である。
【図8】図7に示す状態から電池パック15を完全に引き起こした状態を示す断面図である。
【図9】図8に示す状態から電池パック16を装置側端子部8に接続した状態を示す断面図である。
【図10】図9に示す状態から電池パック15を装置側端子部7から取り外している状態を示す断面図である。
【図11】図10に示す状態から電池パック15を装置側端子部7から完全に取り外した状態を示す断面図である。
【図12】図11の状態から電池パック16を電池パック収納部20に収納した状態を示す断面図である。
【図13】図3中に示す電池パックガード13または14が電池パック4の端部を挟持した状態の断面図である。
【図14】(a)および(b)は、それぞれ図3中の溝12に回転軸9を軸支し、回転不可で上下方向の摺動のみ可能な軸受30およびその周辺の斜視図および横断面図である。
【図15】(a)および(b)は、それぞれ図3中の回転軸9を下部筐体1に設けられた軸受32に軸支されたアーム31に連結した場合の回転軸9、アーム31および軸受32を示す模式的な平面図および断面図である。
【図16】本発明の他の実施の形態の電池収納構造の断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 下部筐体
2 接続部
4 電池パック
5 電池パック側端子部
6 回路基板
7 装置側端子部
8 装置側端子部
9 回転軸
10 端子
11 接続用配線
12 溝
13 電池パックガード
14 電池パックガード
15 電池パック
16 電池パック
17 凸部
18 凹部
20 電池パック収納部
21 端子板
22 対向面
23 対向面
24 切り欠き部
25 切り欠き部
26 端子
30 軸受
31 アーム
32 軸受
33 蓋
51 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に設けられ前記筐体の表面の側が開放可能な電池を収納するための電池収納部と、前記電池収納部の縁において前記筐体の表面にほぼ垂直な方向に移動可能で前記筐体の表面にほぼ平行な回転軸と、それぞれが前記回転軸に軸支され互いの向きが前記回転軸を中心としてほぼ90度ずれた前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部および第2の装置側端子部と、前記電池を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする電池収納構造。
【請求項2】
筐体に設けられ前記筐体の表面の側が開放可能な電池を収納するための電池収納部と、前記電池収納部の縁において前記筐体の表面にほぼ垂直な方向に前記筐体のほぼ表面の位置からほぼ前記電池の厚み分だけ沈み込んだ位置までの間で移動可能で前記筐体の表面にほぼ平行な回転軸と、それぞれが前記回転軸に軸支され互いの向きが前記回転軸を中心としてほぼ90度ずれた前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部および第2の装置側端子部と、前記電池を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする電池収納構造。
【請求項3】
前記回転軸は、両端が前記筐体に設けられた溝に摺動可能に挿入されたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項4】
前記筐体に設けられた案内部に案内されて前記筐体の表面に対しほぼ垂直に移動可能な、前記回転軸を保持する軸受を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項5】
一端で前記回転軸を保持し、他端が前記回転軸および前記回転軸の移動方向に直角な方向に前記回転軸から離れた位置において軸支されたアームとを含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項6】
前記電池収納部は前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部が設けられた縁の反対側の縁の少なくとも一部が開放可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項7】
筐体に設けられ開放可能な前記筐体の表面の側および第1の縁から電池を挿抜することができる電池収納部と、前記電池収納部の前記第1の縁とは反対側の第2の縁において前記電池収納部に収納された前記電池の下の稜の近くに設けられた前記筐体の表面に平行な回転軸と、それぞれが前記回転軸に軸支され互いの向きが前記回転軸を中心としてほぼ90度ずれた前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部および第2の装置側端子部と、前記電池を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする電池収納構造。
【請求項8】
筐体に設けられ開放可能な前記筐体の表面の側および第1の縁から電池を挿抜することができる電池収納部と、
前記電池収納部の前記第1の縁とは反対側の第2の縁において前記電池収納部に収納された前記電池の下の稜の近くに設けられた前記筐体の表面に平行な回転軸と、
前記回転軸に軸支され、前記電池に設けられた電池側端子部と接続するための第1の装置側端子部と、
前記電池に設けられた前記電池側端子部と接続するためのものであって、前記回転軸に軸支されて前記第1の装置側回転軸と一体となって回転し、前記第1の装置側端子部に対し、前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、自らに接続した前記電池側端子部に対向する自らの面である第2の対向面が前記回転軸から前記筐体の表面に向かって前記筐体の表面にほぼ直角に位置する関係にある第2の装置側端子部と、
前記第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側であって前記筐体の表面に平行な位置から前記筐体の表面の反対側に回り込まないように規制する第1のストッパと、
前記第2の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の側にあって前記筐体の表面に平行な位置から前記筐体の表面の反対側に回り込まないように規制する第2のストッパと、
前記電池を前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に取り外し可能に接続状態に保持する保持手段とを含むことを特徴とする電池収納構造。
【請求項9】
前記保持手段は、前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に前記電池側端子部を接続した前記電池の端部を案内し、挟持する電池ガードであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項10】
前記電池ガードに設けられ前記第1の装置側端子部または前記第2の装置側端子部に電池側端子部が接続された前記電池に設けられた凹部に挿入され前記ガードの弾性変形により前記凹部から脱出可能な凸部を含むことを特徴とする請求項9に記載の電池収納構造。
【請求項11】
前記保持手段は、前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部に前記電池側端子部を磁力により吸着する磁気手段を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項12】
前記筐体は、携帯装置のものであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の電池収納構造。
【請求項13】
前記筐体は、携帯端末のものであることを特徴とする請求項12に記載の電池収納構造。
【請求項14】
請求項1ないし6のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第1の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部に接続し、前記第2の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするか、
または、前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第2の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするかにより前記電池を前記電池収納部に収納することを特徴とする電池の収納方法。
【請求項15】
請求項7ないし8のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記第1の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部に接続し、前記第2の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするか、
または、前記第2の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて前記電池側端子部を前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態とするかにより前記電池を前記電池収納部に収納することを特徴とする電池の収納方法。
【請求項16】
請求項1ないし6のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第1の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて一の前記電池(以下電池Aという。)の前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部に接続し、前記第2の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態であるときは、
前記回転軸をほぼ前記筐体の表面まで移動させて前記第1の対向面が前記筐体の表面と平行になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させ、前記第2の装置側端子部に他の前記電池(以下電池Bという。)の前記電池側端子部を接続し、
この後に、前記電池Aの前記電池側端子部を前記第1の装置側端子部から取り外し、
この後に、前記回転軸を前記筐体の表面から前記電池の厚さ分以上沈ませて前記電池Bを前記電池収納部に収納するように収納して前記電池を交換し、
前記回転軸を前記筐体の表面からほぼ前記電池の厚さ分以上沈ませて前記第2の対向面を前記筐体の表面に直角に位置させて一の前記電池(以下電池Cという。)の前記電池側端子部を前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部を接続しない状態であるときは、
前記回転軸をほぼ前記筐体の表面まで移動させるとともに前記第1の端子部に他の電池(以下電池Dという。)の前記電池側端子部を接続し、
この後に、前記第2の装置側端子部から前記電池Cを取り外し、
この後に、前記第1の対向面が前記筐体の表面と直角になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させるとともに前記回転軸を前記筐体の表面から前記電池の厚さ分以上沈ませて前記電池Dを前記電池収納部に収納するように収納して前記電池を交換することを特徴とする電池の収納方法。
【請求項17】
請求項7ないし8のいずれかに記載された電池収納構造を用いた電池の収納方法において、
前記第1の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第1の装置側端子部の面である第1の対向面が前記回転軸に対し前記電池収納部の反対側に位置して前記筐体の表面に平行なときに、前記第2の装置側端子部に接続した前記電池側端子部に対向する前記第2の装置側端子部の面である第2の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角に前記筐体の外側に位置する関係にある場合に、
前記第1の対向面が前記筐体の表面にほぼ直角で一の前記電池(以下電池Aという。)の電池側端子が前記第1の装置側端子に接続し、前記第2の装置側端子には前記電池側端子が接続していない状態であるときは、
前記第1の対向面が前記筐体の表面に直角になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させ、前記第2の装置側端子部に他の前記電池(以下電池Bという。)を接続し、
この後に、前記電池Aを前記第1の装置側端子部から取り外すようにして収納した前記電池を交換し、
前記第1の対向面が前記筐体の表面にほぼ平行で一の前記電池(以下電池Cという。)の前記電池側端子部が前記第2の装置側端子部に接続し、前記第1の装置側端子部には前記電池側端子部が接続していない状態であるときは、
前記第1の装置側端子部に他の前記電池(以下電池Dという。)の電池側端子部を接続し、
この後に、前記第2の装置側端子部から前記電池Cの電池側端子部を取り外し、
この後に、前記第1の対向面が前記筐体の表面に直角になるまで前記第1の装置側端子部および前記第2の装置側端子部を回転させて前記電池Dを前記電池収納部に収納して前記電池を交換することを特徴とする電池の収納方法。
【請求項18】
請求項1ないし11に記載された電池収納構造を備えたことを特徴とする携帯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−269292(P2006−269292A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−86798(P2005−86798)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】