説明

電池収納機構

【課題】携帯電子機器を手に持って振ったり軽く叩いたりする際の衝撃で電子回路への電源供給が瞬断しないようにした。
【解決手段】電池収納機構100は、充電池6の正電極端子との接点部を有する正電極板バネ12と、正電極板バネ12の両側位置に、充電池6の正電極端子を遊嵌するように配設された一対の正極側リブ13b,13bと、充電池6の負電極端子との接点部を有する負電極板バネ11と、負電極板バネ11の両側位置に、負電極板バネ11を遊嵌するように配設された一対の負極側リブ13a,13aとを備え、一対の正極側リブ13b,13bの内端面と一対の正極側リブ13b,13bの内端面との間隔が、充電池6の本体部の軸長に相当するように設定されている。このため、一対の負極側リブ13a,13aと一対の正極側リブ13b,13bとの間で充電池6の本体の軸方向への微動が規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池収納機構に関し、特に携帯電子機器における電池収納機構に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器では、乾電池(一次電池)や充電池(二次電池)等の電池を電池収納機構内に収納して電子回路に電源を供給しているが、携帯して使用する際に外部から衝撃が加わると、電池が微動して接点部が瞬断することにより電子回路への通電が切れる状態となる場合がある。特に、電子キャンドル(例えば、非特許文献1参照)等の可搬型の簡易照明機具では、人が手に持って振ったり軽く叩いたりすることが想定されるので、その衝撃により電池収納機構内で電池が微動して接点部が瞬断して通電が切れるという不具合が頻発するおそれがあった。
【0003】
そこで、従来技術として、ケース本体と電池ボックスとの間に配設したばねによって衝撃を吸収するようにして、携帯電子機器の落下や振動による衝撃時の瞬断を防止するようにした電池収納機構が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、従来の電池収納機構では、電池の正負電極端子を逆にして収納したときに、電池が充電池の場合には逆充電されて充電池が破損されたり、電池が乾電池やの場合には逆放電して電子回路が破壊されたりするという問題点があった。
【0005】
そこで、従来技術として、充電池と乾電池とを選択可能に収納する電子機器において、充電池を逆にセットしてもショートすることがないようにした電池収納機構が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−151519号公報
【特許文献2】特開平8−190904号公報
【非特許文献1】METAPHYS、HONO、[online]、[平成17年9月30日検索]、インターネット<URL:http://www.metaphys.jp/products/20000/products24020.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載された電池収納機構は、電池ボックスをケース本体内に配置してばねにより電池ボックスに対する衝撃を吸収するようにしたものであるので、容積が大型化するという問題点があった。このため、携帯電子機器、特に人が手に持って振ったり軽く叩いたりするような電子キャンドル等の可搬型の簡易照明機具では採用することができないという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された電池収納機構は、充電池の電極そのものに工夫を施すものであり、一般的な充電池や乾電池に適用できるものではなく、汎用性に欠けるという課題があった。
【0008】
本発明の第1の目的は、携帯電子機器を手に持って振ったり軽く叩いたりする際の衝撃で収納されている電池が微動して、電子回路への電源供給が瞬断されることがないようにした電池収納機構を提供することにある。
【0009】
本発明の第2の目的は、電池を逆挿しした場合でも、電池が逆充電されたり逆放電したりすることがないようにした電池収納機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0010】
請求項1記載の電池収納機構は、電池の正電極端子との接点部を有する正電極弾性部材と、前記正電極弾性部材の両側位置に、電池の正電極端子を遊嵌するように配設された一対の正電極側規制部と、前記電池の負電極端子との接点部を有する負電極弾性部材と、前記負電極弾性部材の両側位置に、前記負電極弾性部材を遊嵌するように配設された一対の負電極側規制部とを備え、前記一対の正電極側規制部の内端面と前記一対の負電極側規制部の内端面との間隔が、前記電池の本体部の軸長に相当することを特徴とする。請求項1記載の電池収納機構によれば、電池の正電極端子および負電極端子に接触する接点部を弾性手段とするとともに、正電極側規制部と負電極側規制部との間で電池本体の軸方向への移動を規制するようにしたことにより、手に持って振ったり軽く叩いたりする際の衝撃で電子回路への電源供給が瞬断しないという効果がある。
【0011】
請求項2記載の電池収納機構は、請求項1記載の電池収納機構において、前記正電極弾性部材の接点部が前記一対の正電極側規制部の内端面から引っ込んでおり、前記負電極弾性部材の接点部が前記一対の負電極側規制部の内端面から突出していることを特徴とする。請求項2記載の電池収納機構によれば、正電極弾性部材の接点部が一対の正電極側規制部の内端面から引っ込んでいるので、電池を逆挿しした場合でも、電池の負電極端子が正電極弾性部材の接点部に接触するおそれがなく、電池が逆放電したり逆充電されたりすることがないという効果がある。
【0012】
請求項3記載の電池収納機構は、請求項1または2記載の電池収納機構において、前記正電極弾性部材および前記負電極弾性部材に電気的に接続されたアダプタージャックを備えることを特徴とする。請求項3記載の電池収納機構によれば、アダプタージャックを備えることにより、充電池を収納して充電することができるという効果がある。
【0013】
請求項4記載の電池収納機構は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電池収納機構において、前記電池が一次電池および二次電池のいずれであっても挿脱自在に収納できることを特徴とする。請求項4記載の電池収納機構によれば、電池が一次電池および二次電池のいずれであっても収納できるので、二次電池を充電する時間がない場合でも、一次電池を代用して携帯電子機器を作動させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
電池の微動による電子回路の瞬断を防止するという目的を、電池の正電極端子および負電極端子に接触する接点部を弾性部材とするとともに、正電極側規制部と負電極側規制部との間で電池本体の軸方向への移動を規制することにより達成した。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例1に係る電池収納機構100について図面を用いて説明する。なお、ここでは、本実施例1に係る電池収納機構100が配設される携帯電子機器が、電子キャンドル(可搬型の簡易照明装置)10であるものとして説明する。
【0016】
まず、本実施例1に係る電池収納機構100を配設する電子キャンドル10について説明する。
【0017】
図1は、電子キャンドル10の構成を示す縦断面図である。図2は、電子キャンドル10の内部構造体を取り出しアッパー半円筒体1b(図9参照)を開放した状態を示す図である。図3は、内部構造体の断面図である。図4は、電子キャンドル10の斜視図である。図5は、電子キャンドル10の拡大底面図である。
【0018】
電子キャンドル10は、本体筒部1の内部に、半導体発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)2等を含む内部構造体(図2参照)を収納し、底面開口を底蓋8(図5参照)で塞ぐことによって構成されている。
【0019】
本体筒部1は、透光性または半透光性を有するプラスチック等で有蓋の円筒体状に形成されており、LED2が点灯すると、LED2の発光を円筒体壁を通して視認することが可能となっている。
【0020】
内部構造体は、ボトム半円筒体1a(図9参照)とアッパー半円筒体1b(図9参照)とを合わせて円筒体状に形成され、上部中程にLED2を取り付けている。また、内部構造体は、風や音を検知する音センサー3と、磁石50(図7参照)の接近を検出する磁気センサー4と、LED2の発光を制御する制御基板5と、LED2,制御基板5等に電源を供給する充電池6を収納する電池収納機構100と、底面部に設けられたアダプタージャック7とを収納している。
【0021】
LED2は、電流に基づいて発光量を制御可能な半導体発光素子である。
【0022】
音センサー3は、コンデンサマイクロフォンでなり、本体筒部1の中に組み込まれたLED2の真下に配置されている。音センサー3に消費電力が非常に小さいコンデンサマイクロフォンを使用したことにより、充電池6だけでLED2の起動の検知,発光パターンの制御などを行うことが可能になる。なお、従来の風センサーは、一般的に熱線式で、風センサーを加熱するために大きな電力が必要であった。
【0023】
音センサー3の配設位置の周囲の本体筒部1には、図4に示すように、複数(例えば4つ)の小さな透孔1cがあけられている。このため、音センサー3は、本体筒部1の表面に当たった風が小さな透孔1cを通して本体筒部1内で乱気流となって発生する音を検知することが可能となる。また、本体筒部1に当たった風の風速が本体筒部1の表面で変化することによる圧力変動を、小さな透孔1cを通して本体筒部1の内部に伝達することができる。このため、LED2に向かって吹き付けた風や息に反応するようにして、自然のろうそくの炎に近い感じを出すことが可能になる。
【0024】
磁気センサー4は、ホール素子等で形成されていて、内部構造体内の音センサー3の直下に配設されている。
【0025】
制御基板5は、フレキシブルプリント基板で形成されていて、内部構造体内の中程に収納配設されている。制御基板5は、図6に示すような回路を搭載している。
【0026】
充電池6は、ニッケル水素充電池等で円筒体状に形成されおり、本体部の一方の端面に正電極端子が突設されており、本体部の他方の端面は負電極端子となっている。充電池6は、内部構造体内の制御基板5の下位に配設された電池収納機構100に収納される。
【0027】
アダプタージャック7は、図5に拡大して示すように、家庭用電源に電源コードを接続された充電器(図示せず)からのプラグを、電子キャンドル10の底面側から挿入する端子である。アダプタージャック7は、バッテリーワイヤー9aを通じて負電極板バネ11に接続され、アダプタージャックワイヤー9bを通じて正電極板バネ12に接続されている(図9参照)。
【0028】
底蓋8は、図5に拡大して示すように、本体筒部1の下端開口に螺着できるようになった円盤体で形成されており、前記充電器(図示せず)からのプラグを挿入できるように中央部にアダプタージャック7が取り付けられている。また、ねじ回し,硬貨等の工具によって本体筒部1の下端開口部から取り外せるように、底蓋8の表面には溝8aが切られている。
【0029】
図6は、電子キャンドル10の回路ブロック図である。この回路は、既述した制御基板5に搭載されている。詳しくは、制御基板5は、音センサー3からの音検知信号を入力するバンドパスフィルタ41と、バンドパスフィルタ41を透過した音検知信号を全波整流する全波整流器42と、全波整流器42で全波整流された音検知信号を入力するワンチップマイコン43と、磁石50(図7参照)の接近を検出してワンチップマイコン43に出力する磁気センサー4と、ワンチップマイコン43からの駆動制御信号に基づいてLED2を電流駆動するLEDドライバ45と、充電回路48から逆流阻止ダイオード47を介して、または介することなしに接続され、バンドパスフィルタ41,全波整流器42,ワンチップマイコン43およびLEDドライバ45に動作電圧を供給する昇圧回路49とを含んで構成されている。
【0030】
バンドパスフィルタ41は、音センサー3で検出された音検知信号を通すことにより、検知された音や風の圧力変動から不必要な成分を除去することができる。これにより、ワンチップマイコン43は、周囲の雑音などには反応しないようになり、自然な発光パターンの制御が表現できる。例えば、10Hz〜100Hz等のバンドパスフィルタ41が使用される。
【0031】
全波整流器42は、バンドパスフィルタ41から入力される音検知信号の電圧の、正負に関係なく正の絶対電圧を得る回路である。
【0032】
ワンチップマイコン43は、図示しないCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),I/O(Input/Output)等を含む周知のマイクロコンピュータで形成され、磁気センサー4からの磁石検知信号に基づいてLED2の駆動をLEDドライバ45に開始させ、音センサー3からの所定レベル以上の音検知信号に基づいてLED2の駆動を停止する半導体発光素子制御手段としての役目をする。また、音センサー3からの所定レベル以下の音検知信号に応じてLED2の発光をLEDドライバ45にゆらぎ制御させる半導体発光素子制御手段としての役目をする。
【0033】
LEDドライバ45は、LED2を電流駆動して発光させる。
【0034】
充電回路48は、アダプタージャック7を通じて充電器(図示せず)から供給される充電電流を逆流阻止ダイオード47を介して充電池6に供給することにより、充電池6を充電する。なお、充電池6の充電中には、電力消費を低下させるために、充電回路48は、シャットダウン信号を昇圧回路49に出力して昇圧動作を停止させる。また、通常は充電回路48の電圧の方が充電池6の電圧より高いが、万が一に充電池6から充電回路48に電流が逆流するのを防止するために逆流阻止ダイオード47が設けられている。
【0035】
昇圧回路49は、充電池6の電圧を昇圧して、バンドパスフィルタ41,全波整流器42,ワンチップマイコン43およびLEDドライバ45に動作電圧を供給する。
【0036】
図7(a)および(b)は、電子キャンドル10の使用状態を説明する斜視図である。図7(a)および(b)中に示すように、本体筒部1の下端部に附属品である設置型ホルダー60を取り付けることにより、電子キャンドル10を机等の上に設置することができる。また、図示しない壁掛け型のホルダーを使用することにより、電子キャンドル10を壁に掛けて使用することもできる。さらに、電子キャンドル10を手に持って振ったり軽く叩いたりして使用されることもある。
【0037】
図8は、電子キャンドル10から充電池6を取り出す手順を説明する図である。まず、ねじ回し,硬貨等の工具を溝8aに当てて底蓋8を回転させることにより、底蓋8を本体筒部1の下端開口部から取り外す。次に、本体筒部1から内部構造体を引き出し、露呈した電池収納機構100の開口から充電池6を取り出す。
【0038】
図9は、本発明の実施例1に係る電池収納機構100を示す斜視図である。本実施例1に係る電池収納機構100は、ボトム半円筒体1aと、アッパー半円筒体1bと、アダプタージャック7と、バッテリーワイヤー9aと、アダプタージャックワイヤー9bと、負電極板バネ11と、正電極板バネ12とから、その主要部が構成されている。なお、アッパー半円筒体1bには、充電池6を挿脱自在に収納するための開口が穿設されている。
【0039】
図10(a),(b),(c)および(d)は、本発明の実施例1に係る電池収納機構100の平面図、本実施例1に係る電池収納機構100への充電池6の装着状態を示す断面図、本実施例1に係る電池収納機構100への充電池6の取り外し状態を示す断面図、および本実施例1に係る電池収納機構100への充電池6を逆挿した状態を示す断面図である。
【0040】
負電極板バネ11は、リン青銅,ベリリュウム銅等の弾性を有する金属薄板を折曲して形成されており、充電池6の負電極端子との接点部を有する。
【0041】
正電極板バネ12は、リン青銅,ベリリュウム銅等の弾性を有する金属薄板を折曲して形成されており、充電池6の正電極端子との接点部を有する。
【0042】
一対の負極側リブ13a,13aは、アンダー半円筒体1aの内周面側に、負電極板バネ11の両側位置で負電極板バネ11を遊嵌するように、負電極板バネ11の固定部と一体的に突設されている。負電極板バネ11の接点部は、一対の負極側リブ13a,13aの内端面から突出している(図10(c)参照)。
【0043】
一対の陽極側リブ13b,13bは、アンダー半円筒体1aの内周面側に、正電極板バネ12の両側位置で充電池6の正電極端子を遊嵌するように、正電極板バネ12の固定部と一体的に突設されている。正電極板バネ12の接点部は、一対の陽極側リブ13b,13bの内端面から隙間だけ引っ込んでいる(図10(c)参照)。
【0044】
なお、アダプタージャック7は、一対の陽極側リブ13b,13bの内端面と一対の負極側リブ13a,13aの内端面との間に収納される充電池6の、負電極板バネ11の外側位置に充電池6と同心的に配置されている。
【0045】
また、一対の陽極側リブ13b,13bの内端面と一対の負極側リブ13a,13aの内端面との間隔が、充電池6の本体部の軸長(正電極端子の突出長を除く長さ)に相当するように設定されている。
【0046】
次に、このように構成された実施例1に係る電池収納機構100の動作について、電子キャンドル10の動作とともに説明する。
【0047】
ユーザが、図7(a)に示すように、自然なろうそくの点火を模倣して、例えばマッチ形状の磁石50を電子キャンドル10の透孔1cの近傍に近づけると、磁気センサー4が磁石50の接近を検知し、磁石検知信号をワンチップマイコン43に入力する。
【0048】
ワンチップマイコン43は、磁石検知信号を入力すると、LEDドライバ45を駆動してLED2に通電し、図7(b)に示すように、LED2を点灯させる。LED2が点灯すると、その光があたかもろうそくの炎のように透光性または半透光性を有する本体筒部1上に映し出される。
【0049】
LED2の点灯後、音センサー3からの音検知信号がバンドパスフィルタ41を通して全波整流器42で全波整流されてワンチップマイコン43に入力されるので、ワンチップマイコン43は、入力された音検知信号と基準値との差または音検知信号の変化の大きさに応じてLEDドライバ45を制御し、LED2の発光パターンおよび発光強度を変化させる。これにより、LED2は、擬似的な1/fゆらぎパターンを用いた発光パターンおよび発光強度で発光を制御される。例えば、透孔1cから音センサー3がわずかな空気の流れを検知すると、LED2の発光輝度が変化し、あたかも炎がゆらいでいるような状態を演出することができ、視覚効果が高まる。
【0050】
ユーザが、自然なろうそくの消灯を模倣して、例えば透孔1cに強く息を吹き付けると、音センサー3からの所定レベル以上の音検知信号がバンドパスフィルタ41を通して全波整流器42で全波整流されてワンチップマイコン43に入力されるので、ワンチップマイコン43は、入力された音検知信号と基準値との差または音検知信号の変化の大きさに応じてLEDドライバ45を制御し、LED2を消灯させることができる。
【0051】
このように、電子キャンドル10を点灯から消灯まであたかも普通のろうそくのように使用することができ、内部のLED2が点灯して光が浮かび上がったときと、その光がゆらいだときと、その光が消えたときとでは、雰囲気が大きく変化する。このため、心を癒されるような自然なろうそくの炎のゆらぎと同じ光のゆらぎを得ることができ、他に追随を許さない電子キャンドル10を得ることができる。また、火による燃焼を伴わないので、安全かつ経済的に使用することができる電子キャンドル10を得ることができる。
【0052】
図10(a)および(b)に示すように、充電池6は、負電極端子を負電極板バネ11側とし、正電極端子を正電極板バネ12側として電池収納機構100内に収納されている。このとき、充電池6の負電極端子は、一対の負極側リブ13a,13a間から突出する負電極板バネ11の接点部に接触し、充電池6の正電極端子は、一対の正極側リブ13b,13b間に若干の隙間をもって後退している正電極板バネ12の接点部に接触している。これにより、充電池6から放電が行われ、制御基板5に電源が供給される。また、この状態から、家庭用電源に電源コードを接続された充電器(図示せず)からのプラグをアダプタージャック7に挿入すれば、充電回路48が、アダプタージャック7を通じて供給される充電電流を逆流阻止ダイオード47を介して充電池6に供給することにより、充電池6を充電する。
【0053】
電池収納機構100は、充電池6の正電極端子との接点部を有する正電極板バネ12と、正電極板バネ12の両側位置に充電池6の正電極端子を遊嵌するように配設された一対の正極側リブ13b,13bと、充電池6の負電極端子との接点部を有する負電極板バネ11と、負電極板バネ11の両側位置に負電極板バネ11を遊嵌するように配設された一対の負極側リブ13a,13aとを備え、一対の正極側リブ13b,13bの内端面と一対の正極側リブ13b,13bの内端面との間隔が、充電池6の本体部の軸長に相当するように設定されている。充電池6の正電極端子および負電極端子に接触する接点部を、負電極板バネ11(負電極弾性部材)および正電極板バネ12(正電極弾性部材)に設けるとともに、一対の負極側リブ13a,13a(正電極側規制部)と一対の正極側リブ13b,13b(負電極側規制部)との間で充電池6の本体の軸方向への微動を規制するようにしたことにより、手に持って振ったり軽く叩いたりしても、その衝撃で電子回路への電源供給が瞬断することがない。
【0054】
図10(c)に示すように、充電池6を電池収納機構100から取り外すと、負電極板バネ11の接点部が一対の負極側リブ13a,13aの内端面から突出する一方、正電極板バネ12の接点部が一対の正極側リブ13b,13bの内端面から隙間を介して引っ込んだ状態となる。
【0055】
図10(d)に示すように、充電池6を電池収納機構100に正負電極端子を逆にして収納すると、充電池6の正電極端子は、一対の負極側リブ13a,13a間から突出する負電極板バネ11の接点部に接触するが、充電池6の負電極端子は、一対の正極側リブ13b,13b間に若干の隙間をもって後退している正電極板バネ12の接点部に接触することはできず、充電池6は充放電を行うことができない。よって、充電池6を逆挿しした場合でも、逆放電したり、逆充電されたりするおそれがない。
【0056】
なお、上記実施例1では、電池収納機構100に収納される電池を充電池6としたが、充電池6に充電する時間がない場合などには乾電池を代替として収納することにより、携帯電子機器を即時に使用することができる。乾電池を収納して使用する際にも、乾電池を電池収納機構100を逆挿しした場合には、乾電池の負電極端子が一対の正極側リブ13b,13b間に若干の隙間をもって後退している正電極板バネ12の接点部に接触することはできず、乾電池が逆方向に放電して制御基板5上の電子回路を破壊する等の事故を未然に防止することができる。
【0057】
また、上記実施例1では、電池収納機構100を配設する携帯電子機器を電子キャンドル10として説明したが、これに限られるわけではなく、携帯電話機,携帯音楽プレーヤ,PDA(Personal Data Assistant),パームトップコンピュータ,ラップトップコンピュータ等の携帯される電子機器に電池収納機構100を広く配設することができる。
【0058】
以上、本発明の実施例1を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例1に係る電池収納機構が配設される電子キャンドルの縦断面図。
【図2】図1中の内部構造体を取り出しアッパー半円筒体を開放した状態を示す図。
【図3】図1中の内部構造体の断面図。
【図4】図1の電子キャンドルの斜視図。
【図5】図1の電子キャンドルの拡大底面面。
【図6】図1の電子キャンドルの回路ブロック図。
【図7】図1の電子キャンドルは使用状態説明図であり、(a)は電子キャンドルを点灯する図、(b)は点灯した電子キャンドルを図示する図。
【図8】図1の電子キャンドルから電池を取り出す手順を説明する図。
【図9】本発明の実施例1に係る電池収納機構を示す斜視図。
【図10】(a)は本発明の実施例1に係る電池収納機構の平面図、(b)は電池収納機構への充電池の装着状態を示す断面図、(c)は電池収納機構への充電池の取り外し状態を示す断面図、および(d)は電池収納機構への充電池を逆挿した状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0060】
1 本体筒部
1a ボトム半円筒体
1b アッパー半円筒体
5 制御基板
6 充電池(電池)
7 アダプタージャック
10 電子キャンドル
11 負電極板バネ(負電極弾性部材)
12 正電極板バネ(正電極弾性部材)
13a,13a 負極側リブ(正電極側規制部)
13b,13b 正極側リブ(負電極側規制部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の正電極端子との接点部を有する正電極弾性部材と、
前記正電極弾性部材の両側位置に、前記電池の正電極端子を遊嵌するように配設された一対の正電極側規制部と、
前記電池の負電極端子との接点部を有する負電極弾性部材と、
前記負電極弾性部材の両側位置に、前記負電極弾性部材を遊嵌するように配設された一対の負電極側規制部とを備え、
前記一対の正電極側規制部の内端面と前記一対の負電極側規制部の内端面との間隔が、前記電池の本体部の軸長に相当することを特徴とする電池収納機構。
【請求項2】
前記正電極弾性部材の接点部が前記一対の正電極側規制部の内端面から引っ込んでおり、前記負電極弾性部材の接点部が前記一対の負電極側規制部の内端面から突出している請求項1記載の電池収納機構。
【請求項3】
前記正電極弾性部材および前記負電極弾性部材に電気的に接続されたアダプタージャックを備える請求項1または2記載の電池収納機構。
【請求項4】
前記電池が一次電池および二次電池のいずれであっても挿脱自在に収納できる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電池収納機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−115477(P2007−115477A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−304545(P2005−304545)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000002266)シルバー精工株式会社 (17)
【Fターム(参考)】