説明

電池接続タブ材料用Cu−Zn系合金条

【課題】 良好な繰返し曲げ性と溶接性を有する電池接続タブ材に好適なCu−Zn系合金。
【解決手段】 2〜12質量%のZnを含有し、残部が銅および不可避不純物から成る銅合金であって、双晶境界頻度が40〜70%である充電用電池タブに用いられるCu−Zn系合金条。この合金条は更に0.1〜0.8質量%のSnを含有してもよく、圧延平行方向および直角方向の結晶粒径のアスペクト比が0.3〜0.7でもよく、更にNi、Mg、Fe、P、AlおよびAgのなかの少なくとも一種以上を合計で0.005〜0.5質量%含有してもよい。上記Cu−Zn系合金に0.3〜2μmのSnめっきを施したCu−Zn系合金Snめっき合金条も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池接続タブ材に用いられるCu−Zn系合金条に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ等の携帯用電子機器にはニッカド電池やリチウム電池等の充電式電池が用いられる。また、近年の環境負荷低減の動きを受け、電気自動車やハイブリッド自動車の需要も増加し、車載用リチウムイオン二次電池の開発も進んでいる。これら充電式電池は必要な電気容量を確保するため、複数個の単体構造の電池を複数本互いに近接した状態で電気的に接続して使用される。電池の接続に用いられる金属部品は、集電タブまたはタブと呼ばれ、確実に接続するために、電気抵抗による発熱を利用した抵抗溶接により電池の電極と溶着されることが多い。電極にタブが溶接された複数個の電池をコンパクトなケース内に収納するため、タブには厳しい曲げ加工が施される。そのため、タブに使用される材料には電極との良好な溶接性および繰返し曲げ性が要求される。
【0003】
シリーズ型の抵抗溶接機を用いてステンレス板や軟鋼板とタブを接続する際、導電率が高すぎると、タブに過大な電流が流れ溶損に至るため、従来のタブには、ニッケルや比較的に導電率が低い銅合金等が使用されていた。しかし、近年のニッケル価格の高騰を受け、コストダウンのため、金属材料を従来のニッケルから銅合金に変更する動きが出ている。タブ材料として適した銅合金としてCu−Ni−Sn系合金が挙げられる。しかし、Cu−Ni−Sn系合金の溶接性および繰返し曲げ性は十分でなく、改善が望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、良好な繰返し曲げ性と溶接性を有する電池接続タブ材に好適なCu−Zn系合金を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、製造工程を調整し、結晶粒径のアスペクト比と双晶境界頻度を調整する事で、良好な繰返し曲げ性と溶接性を満足した電池用タブ材に好適なCu−Zn系合金を提供するものであり、具体的には、下記のとおりである。
(1)2〜12質量%のZnを含有し、残部が銅および不可避不純物から成る銅合金であって、双晶境界頻度が40〜70%である事を特徴とする、充電用電池タブに用いられるCu−Zn系合金条。
(2)更に0.1〜0.8質量%のSnを含有する(1)に記載のCu−Zn系合金条。
(3)圧延平行方向および直角方向の結晶粒径のアスペクト比が0.3〜0.7である(1)又は(2)に記載のCu−Zn系合金条。
(4)更にNi、Mg、Fe、P、AlおよびAgのなかの少なくとも一種以上を合計で0.005〜0.5質量%含有する(1)〜(3)いずれかに記載のCu−Zn系合金条。
(5)上記(1)〜(4)いずれかに記載のCu−Zn系合金に0.3〜2μmのSnめっきを施したCu−Zn系合金Snめっき合金条。
本発明例のCu−Zn系合金は、繰返し曲げ性および溶接性が良好で、電池用タブ材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】結晶粒径のアスペクト比を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(Cu−Zn系合金条)
(A)Zn濃度
本発明の合金は、2〜12質量%(以下%で表す)、好ましくは3〜10%のZnを含有し、残部が銅および不可避不純物から成る銅合金である。Znが2%未満であるとタブとして必要な強度が不充分になる。また、導電率が高くなりすぎて溶接時にタブが溶損したり、電極側のステンレス板や軟鋼板に電流が流れにくくなるため溶接性が劣化する。Znが12%を超えると表面に形成される酸化膜の成分がZnリッチとなり溶接性が劣化する。
(B)Sn濃度
Snは圧延の際の加工硬化を促進する作用を持ち、強度上昇に寄与する。従って、本発明の合金は、更に0.1〜0.8%、好ましくは0.2〜0.6%のSnを含有してもよい。Snが0.1%未満では、所望の効果が得られず、Snが0.8%を超えると、導電率が低下する。
(C)上記以外の添加元素
本発明の合金には、合金の強度、耐熱性、耐応力緩和性等を改善する目的で、Ni、Mg、Fe、P、AlおよびAgの中の一種以上を合計で0.005〜0.5%添加することができる。総量が0.005%未満では所望の特性が得られず、総量が0.5%を超えると所望の特性は得られるものの、導電性や曲げ加工性が低下する。
【0008】
(D)双晶境界頻度
双晶境界頻度が40%未満の場合、繰返し曲げ性が劣化する。本発明の成分系で双晶境界頻度が70%を超える様に調整する事は工業的に困難なため、上限は70%とした。
双晶境界とは、双晶関係にある2つの結晶の境界を指し、この境界を境に2つの結晶は鏡面対称の関係にある。対応粒界理論によれば双晶境界はΣ3の結晶粒界に相当する。双晶境界は境界間の原子の整合性が良い為、境界近傍において不均一変形が起こりにくく、曲げ変形時、境界近傍を基点とする割れやしわが発生しにくい。
双晶境界頻度とは、結晶粒界と双晶境界を合わせた全境界中の双晶境界の割合を言う。双晶の発生頻度は積層欠陥エネルギーと関係があり、積層欠陥エネルギーが低いほど、双晶境界頻度は高くなる。
本発明の組成は、黄銅(Cu65%、Zn35%)に比べると溶接性及び導電性を満たすためにZn量が少ない。積層欠陥エネルギーはZn量の減少に伴い高くなるため、双晶境界頻度は黄銅に比べ低くなり、通常の工程で40%を超える高い双晶境界頻度を得る事は難しかった。発明者は本発明の合金において、双晶境界頻度を上昇させるため、製造工程と双晶境界頻度の関係について鋭意調査を行なった結果、最終焼鈍の前に実施される冷間圧延の条件が重要であることが判明した。圧延では一対のロール間に材料を繰返し通過(パス)させ、目標の板厚に仕上げてゆく。この一連のパスにおいて、最終パスおよび最終パスより1つ前のパスで、1パス当たりの加工度を上昇させ、圧延速度を高速化した仕上圧延を行ない、その後、適切な条件で最終焼鈍を行なうと、40%を超える高い双晶境界頻度が得られる事を見出した。
【0009】
ここで、双晶境界頻度を求める方法としては、例えば、FESEM(Field Emission Scanning Electron Microscope)によるEBSP(Electron Backscattering Pattern)法がある。この方法は、試料表面に斜めに電子線を当てたときに生じる後方散乱電子回折パターン(菊地パターン)に基づき、結晶方位を解析する方法である。本方法で結晶方位を解析した後、隣接結晶方位間の方位差を求め、ランダム粒界および各対応粒界の割合(粒界性格分布)を決定することが出来る。双晶境界はΣ3対応粒界に相当するため、双晶境界頻度は(対応粒界Σ3の長さの総和)/(結晶粒界の長さの総和)×100で計算される。なお、結晶粒界とは隣接結晶粒間の方位差が15°以上となる境界を指し、小角粒界や亜粒界を含まない。
【0010】
(E)結晶粒径のアスペクト比
本発明では、繰返し曲げ性をさらに改善するために、金属組織と繰返し曲げ性について研究を進めた結果、最終焼鈍後の金属組織を均一な等軸粒に制御する事で繰返し曲げ性が改善される事が明らかになった。最終製品には30〜60%の冷間圧延が施されるため、繰返し曲げ性を改善するには、最終製品における圧延平行方向および直角方向の結晶粒径のアスペクト比b/aおよびd/cを0.3〜0.7に制御する事が好ましい。より好ましくはb/aが0.3〜0.5であり、d/cが0.5〜0.7である。図1は試料断面にて観察される結晶粒の模式図である。
圧延平行方向および直角方向の結晶粒径のアスペクト比b/a及び/又はd/cが、0.3未満であるか0.7を超えると繰返し曲げ時にひずみが局部的に集中し、せん断帯が形成され、繰返し曲げ性が劣化する。
本発明の合金条の組成は黄銅に比べZn量が少ないため、再結晶後の金属組織は混粒になりやすい。また、熱間圧延時に途中パスにて再結晶が終了すると、圧延方向に伸長した粗大結晶粒が残留し、金属組織の等軸化を阻害する。従って、最終焼鈍時に均一な等軸粒を得るには、熱間圧延の終了温度を制御し、適切な加工度で圧延する事で動的再結晶により金属組織を等軸化した後、複数回の圧延と焼鈍を繰り返す必要がある。
本発明の平均結晶粒径は、好ましくは12μm以下、更に好ましくは7μm以下である。
【0011】
(特性)
本発明の合金条の引張強さ(JISZ2241)は、通常420MPa以上、好ましくは450MPa以上、更に好ましくは500MPa以上であるとタブ材料として好適に使用できる。
本発明の合金条の導電率(JISH0505)は、70%IACS以下、更に好ましくは60%IACS以下であるとタブ材料として適切に使用できる。70%IACSを超えると抵抗溶接時に溶損が起こったり、電極側の金属板に充分な電流が流れず、溶接性が低下する。
本発明の合金条の繰り返し曲げ性は、好ましくは3.0回以上、更に好ましくは3.2回以上であるとタブ材料として好ましい。
【0012】
本発明の合金条の厚みは特に限定はされないが好ましくは0.03〜1.00mm、より好ましくは0.12〜0.6mmであり、例えば0.15mmであり、この厚さであると充電池接続用タブ材料としての強度、溶接性を満たす。
本発明の合金条には0.3〜2μmのSnめっきを施してCu−Zn系合金Snめっき合金条とすることができる。Snめっき方法は従来法で行うことができ、0.3〜2μm程度のSnめっきを施すことにより溶接性がより良好となる。
【0013】
(製造方法)
本発明のCu−Zn系合金条の製造工程は、基本的には通常の合金条と同様であり、溶解鋳造、均質化焼鈍及び熱間圧延、面削の後、複数回の冷間圧延、焼鈍を繰返し、製造される。
しかし、本発明の合金条を製造するためには、本発明の範囲の双晶境界頻度となるように製造条件を制御する必要がある。
最終焼鈍前の冷間圧延の最終パス、及び最終パスより1つ前のパスの平均加工度としては32〜40%、圧延速度としては220〜350mpmが適切である。前述の範囲より加工度が低い、又は圧延速度が遅い場合、双晶境界頻度が低くなり繰返し曲げ性が劣化する。加工度が高い、又は圧延速度が速い場合、材料縁端部に耳割れ(エッジクラック)が発生し、圧延時に材料が破断する等、著しく製造性が低下する。
最終焼鈍の条件としては、温度660〜760℃、焼鈍時間5〜20sが適切である。前述の範囲より温度が低い、又は時間が短い場合、最終焼鈍が不充分なため、双晶境界頻度が低下し、繰返し曲げ性が劣化する。最終焼鈍温度が高い、又は時間が長い場合、結晶粒の著しい粗大化が起こり、双晶境界頻度が低下し、繰返し曲げ性が劣化する。
以下の製造条件を調整する事で、さらに繰返し曲げ性を改善する事が出来る。
熱間圧延の終了温度は好ましくは600〜750℃であり、最終加工度は好ましくは30〜55%である。これらが範囲外であるとアスペクト比が本発明で好ましい範囲外となり、繰返し曲げ性が劣化する。
中間焼鈍温度は好ましくは680〜780℃で5〜20秒であり、焼鈍条件が前述の範囲外であると、アスペクト比が本発明で好ましい範囲外となり、繰返し曲げ性が劣化する。
【実施例】
【0014】
実施例で行った測定の条件は下記の通りである。
[双晶境界頻度] 各銅合金板について、FESEM(Field Emission Scanning Electron Microscope)によるEBSP(Electron Backscattering Pattern)法で測定した。
[アスペクト比] 各銅合金板について、圧延方向に平行な断面および垂直な断面の結晶粒径をJISH0501の切断法に準じ測定し算出した。図1に示す圧延方向と平行な断面では、圧延面に対して平行な方向と、圧延面に対して直角な方向の2方向でそれぞれ結晶粒径を測定し、平行方向の測定値を長径a、直角方向の測定値を短径bとした。圧延方向と垂直な断面では、圧延方向に対して平行な方向と、圧延方向に対して直角な方向のそれぞれ2方向で結晶粒径を測定し、平行方向の測定値を長径c、直角方向の測定値を短径dとした。
[繰返し曲げ性] 長手方向が圧延方向に平行となる様に、厚さ0.15mm、幅10mm×長さ40mmの最終品試験片を4個作製し、試験片の長手方向に直角な方向を曲げ軸として、180°曲げを行なった後、曲げ戻した。これを1回として、試料が破断するまで繰返し曲げを行い、試料4個の平均破断(繰返し曲げ)回数を求めた。
【0015】
[溶接性]シリーズスポット溶接機にて加圧力30N、溶接電流3.5kA、溶接時間10msecにて0.3mmの軟鋼板と銅合金を2点でスポット溶接した。アイコーエンジニアリング製の精密荷重測定機にて引張試験を行ない、溶接強度を測定した。溶接強度が35N以上なら溶接性が良好○と判断し、溶接強度が35N未満であれば不良×と評価した。
[引張強さ] 各銅合金板について、圧延方向に平行な方向に引張試験を行ない、JISZ2241に準拠して求めた。
[導電率] 各銅合金板について、JISH0505に準拠し、ダブルブリッジ装置を用いた四端子法により求めた体積抵抗率から%IACSを算出した。
【0016】
(実施例1)
高周波誘導炉で電気銅を溶解し、溶湯表面を木炭被覆した後、合金元素を添加し所望の組成に溶湯を調整した。鋳込温度1200℃で鋳造を行い、得られたインゴットを850℃で3時間加熱後、熱間圧延の最終パスの加工度が35%になる様に、板厚8mmまで圧延し、熱間圧延終了温度を650℃以上に調整した。表面に生じた酸化スケールを面削にて除去した。その後、冷間圧延で板厚1.5mmまで加工し、700℃にて12秒間の中間焼鈍を行い、さらに0.35mmまでの冷間圧延では、最終パス及び最終パスより1つ前のパスの平均加工度が35%、最終パスおよび最終パスより1つ前のパスの圧延速度がともに250m/minとなる様に調整した。この冷間圧延後、680℃にて10秒間の最終焼鈍を行ない、最終焼鈍後の銅合金板を冷間圧延し、0.15mmの板に仕上げた。中間焼鈍および最終焼鈍はアンモニア分解ガス雰囲気中で、連続ラインにて行なった。表1に試験結果を示す。
【0017】
(実施例2)
高周波誘導炉で電気銅を溶解し、溶湯表面を木炭被覆した後、8.0%Zn、0.30%Sn及びCuの組成になるように溶湯内にZn及びSnを添加して成分を調整し、鋳込温度1200℃で鋳造を行なった。得られたインゴットを900℃で3時間加熱後、熱間圧延を行ない、板厚8mmの銅合金板を作製し、表面に生じた酸化スケールを面削にて除去した。その後、冷間圧延で板厚1.5mmまで加工し、中間焼鈍を行なった後、板厚0.25mmまで冷間圧延を実施した。更に最終焼鈍を行ない、最終焼鈍後の銅合金板を冷間圧延し、0.15mmの板に仕上げた。中間焼鈍および最終焼鈍はアンモニア分解ガス雰囲気中で、連続ラインを用いて行なった。表2に熱間圧延及び中間焼鈍の条件、最終焼鈍前の冷間圧延の条件(最終パスおよび最終パスより1つ前のパスの平均加工度と圧延速度)、最終焼鈍条件並びに試験結果を示す。
【0018】
表1中の発明例1〜19は本発明の範囲内であるので、良好な繰返し曲げ性と溶接性を有し、強度も充分な合金条であった。発明例20は、添加されたSn量が比較的少ないため、良好な繰返し曲げ性と溶接性を有するが、発明例1〜19に比べ、強度が低かった。発明例21はSn量が比較的多いため、発明例1〜19に比べ、導電率が低下した。一方、比較例22はZn量が少なく、発明例に比べ、繰返し曲げが劣り、強度も低下した。比較例23はZn量が多く、繰返し曲げ性は良好であったが、表面酸化膜がZnリッチとなったため、溶接性が劣化し、導電率も低下した。
【0019】
表2中の発明例24〜38は本発明の範囲内であるので、良好な繰返し曲げ性と溶接性を有し、強度も充分な合金条であった。
発明例32は熱間圧延の終了温度が低く、発明例33及び34は熱間圧延の最終加工度が低く又は高く、発明例35及び36は中間焼鈍温度が低く又は高く、発明例37及び38は中間焼鈍での再結晶焼鈍時間が短い又は長すぎる。そのため、これら発明例ではアスペクト比が好ましい範囲外となり、繰返し曲げ性が、発明例24〜31に比べ劣った。
比較例39は中間焼鈍後の冷間圧延の最終パスおよび最終パスより1つ前のパスの平均加工度が低く、比較例41は中間焼鈍後の冷間圧延の最終パスおよび最終パスより1つ前のパスの圧延速度が遅いため双晶境界頻度が低い。比較例40は中間焼鈍後の冷間圧延の最終パスおよび最終パスより1つ前のパスの平均加工度が高すぎ、比較例42は中間焼鈍後の冷間圧延の最終パスおよび最終パスより1つ前のパスの圧延速度が速すぎるため材料縁端部に耳割れが発生し、最終圧延時に材料が破断した。比較例43及び44は最終焼鈍温度が低く又は高く、比較例45及び46は最終焼鈍時間が短い又は長いため、双晶境界頻度が低く、アスペクト比も好ましい規定範囲外となった。このため、これら比較例で破断しなかったものは繰り返し曲げ性が発明例に比べ劣った。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2〜12質量%のZnを含有し、残部が銅および不可避不純物から成る銅合金であって、双晶境界頻度が40〜70%である事を特徴とする、充電用電池タブに用いられるCu−Zn系合金条。
【請求項2】
更に0.1〜0.8質量%のSnを含有する請求項1に記載のCu−Zn系合金条。
【請求項3】
圧延平行方向および直角方向の結晶粒径のアスペクト比が0.3〜0.7である請求項1又は2に記載のCu−Zn系合金条。
【請求項4】
更にNi、Mg、Fe、P、AlおよびAgのなかの少なくとも一種以上を合計で0.005〜0.5質量%含有する請求項1〜3いずれか1項に記載のCu−Zn系合金条。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載のCu−Zn系合金に0.3〜2μmのSnめっきを施したCu−Zn系合金Snめっき合金条。

【図1】
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【公開番号】特開2011−214036(P2011−214036A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81028(P2010−81028)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(502362758)JX日鉱日石金属株式会社 (482)
【Fターム(参考)】