説明

電池残容量管理システム及びその制御方法

【課題】残容量モニタリング機構を設ける事無く電池残容量低下を知らせることが可能な電池残容量管理システムを提供すること。
【解決手段】本電池残容量管理システム1の、計測装置100は、計測した計測値に基づき、データ収集サーバ装置200に送信する通信データを生成する通信データ生成手段110と、前記通信データを無線で送信する無線送信手段120と、を含み、データ収集サーバ装置200は、計測装置から無線で送信された前記通信データを受信する無線受信手段220と、受信した前記通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段210と、電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段240と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池残容量管理システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されているバッテリーマネジメントシステムやバッテリーチェッカーは殆ど電池の端子間電圧より電池の残容量を推定している。このように、従来は電池の端子間電圧を測定し、電池容量の低下に伴う端子間電圧の低下より電池の残容量を推定することが一般的であった。
【0003】
装置の動作履歴等の情報を補足的に用いることもあるが、それはあくまで予想精度を向上させるためであり、電圧測定なしで済ますことは殆どなかった。
【特許文献1】特開2004−157074号公報
【特許文献2】特開2006−53026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マンガン乾電池(一次電池)やニッカド電池等の二次電池を使用する装置であれば、従来の電池容量管理法で問題ないが、負極にリチウムを用いる所謂リチウム電池、リチウムイオン電池では、電池残容量が尽きる間近まで電圧低下が殆どなく、最後に急激に電圧低下するため、残容量低下アラーム発信後、装置が動作停止してしまうまでに十分な期間を確保することが難しかった。
【0005】
またボタン電池等の小型電池で駆動する装置、特に一次電池を使用する装置では、そもそも電池残容量が小さいことから、電池の残容量をモニタリングするために消費する電力も極力減らさなければならない。また小容量の電池を使用しているため、残容量のモニタリングで消費する電力も無視出来なかった。
【0006】
さらに残容量低下アラーム発信後の動作が保証出来ない。リチウム電池は残容量が僅かとなると急激に電圧低下する放電特性をもつ。そのため、電圧モニタリングではアラーム発信後にどれだけ装置が動作継続出来るか不安がある。極端な場合はアラーム発信の直後で装置も停止してしまい、アラームの意味を為さない可能性もある。また、アラームを見落としたり、アラーム後に速やかに電池交換出来ない場合は、電池切れで装置停止させてしまう危険もある。
【0007】
また端子間電圧測定等の残容量モニタリング機構を設けるとコストアップ要因となる。
【0008】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、残容量モニタリング機構を設ける事無く電池残容量低下を知らせることが可能な電池残容量管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記計測装置は、
計測した計測値に基づき、データ収集サーバ装置に送信する通信データを生成する通信データ生成手段と、
前記通信データを無線で送信する無線送信手段と、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線で送信された前記通信データを受信する無線受信手段と、
受信した前記通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段と、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
計測装置は電池で駆動され、温度や湿度や光量その他の所与の物理量を測定する装置であり、所与の物理量を測定するセンサ等の測定部を含んで構成されてもよい。
【0011】
本発明の電池残容量管理システムは少なくとも1つの計測装置とデータ収集サーバ装置を含んで構成される。
【0012】
データ収集サーバ装置は1つまたは複数の計測装置からの通信データを受信して、受信した通信データに基づいて、送信元の計測装置の電池残容量を演算する。
【0013】
また通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算するとは、通信データに含まれたデータの内容に基づき行う場合でもよいし、通信データを受信したというイベントに基づいて行う場合でもよい。例えば通信データを受信したということは、計測装置が送信動作を行ったことを意味しており、データ収集サーバ装置は送信動作による電池消費が発生したと判断することができる。また計測装置が一定時間毎に定期的に計測を行い、定期的に送信を行うように構成されている場合、例えばn回の計測を行ったら1回送信を行う場合には、通信データを受信したということは、計測装置がn回計測動作を行ったことを意味しており、データ収集サーバ装置はn回の計測動作による電池消費が発生したと判断することができる。従って通信データの受信により計測装置の動作を判断して、電池消費量を計算するようにしてもよい。
【0014】
また各回の通信データの送信に対応して計測装置で行われる動作がほぼ同じである場合には、計測装置の通信回数と電池消費量の関係の統計をとり、1回の通信データの送信に対応した電池消費量を予め求めておいて、計測装置が送信した通信データの回数に基づき電池消費量を計算するようにしてもよい。
【0015】
警告出力手段は、電池の残容量が所定値以下になったら警報(アラーム等)を出力するようにしてもよいし、表示部に警告メッセージや警告画像等を出力するようにしてもよい。警告を出力する電池残容量の閾値は任意に設定できるようにしてもよい。
【0016】
本発明によれば、データ収集サーバ装置は、計測装置によって計測された計測値を通信データとして受信することで、計測装置の電池残容量を計算することができる。
【0017】
従って、本発明によれば、計測装置に残容量モニタリング機構を設ける事無く、低消費電力で、残容量低下で装置が動作停止してしまうまでに十分な期間を確保しつつ電池残容量低下を知らせることが可能な電池残容量管理システムを提供することができる。
【0018】
(2)本発明の電池残容量管理システムは、
前記計測装置は、
不揮発性の記憶部と、
計測部の計測した計測値を取得して前記不揮発性記憶部に格納する手段と、を含み、
前記通信データ生成手段は、
不揮発性記憶部に記憶された計測値に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成することを特徴とする。
【0019】
例えば各計測毎に計測値を不揮発性記憶部に格納し、n回計測する毎にn回の計測に係る計測値を不揮発性記憶部から読み出して通信データを生成して、データ収集サーバ装置に送信するようにしてもよい。
【0020】
(3)本発明は、
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記計測装置は、
不揮発性の記憶部と、
所定の動作に関する動作履歴情報を前記不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得手段と、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成手段と、
前記通信データを無線で送信する無線送信手段と、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線送信された前記通信データを受信する無線受信手段と、
受信した前記通信データに含まれた動作履歴情報に基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段と、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段と、
を含むことを特徴とする。
【0021】
計測装置は電池で駆動され、温度や湿度や光量その他の所与の物理量を測定する装置であり、所与の物理量測定するセンサ等の測定部を含んで構成されてもよい。
【0022】
本発明の電池残容量管理システムは少なくとも1つの計測装置とデータ収集サーバ装置を含んで構成される。データ収集サーバ装置は1つまたは複数の計測装置からの通信データを受信して、受信した通信データに含まれた動作履歴情報に基づいて、送信元の計測装置の電池残容量を演算する。
【0023】
電池残容量計算手段は、例えば計測装置の動作を消費電力により分類し、電池交換直後からそれぞれの動作をした時間、回数、といった動作履歴情報に基づき、一定時間間隔ごとに各動作ごとの積算消費電力を算出し、そこから装置全体の積算消費電力を求め、電池残容量を推定するようにしてもよい。
【0024】
例えば動作種別と当該動作種別の動作1回で消費される電池消費量を重み係数等の形式で設定しておいて、動作履歴情報から前回の送信後今回の送信までに計測装置で行われた動作の種別とその回数を判定して、判定結果と重み係数に基づき電池残容量の計算をおこなうようにしてもよい。重み係数の値は、動作種別と動作回数に応じた電池消費量を測定して統計をとり、その結果に応じて設定してもよい。
【0025】
計測装置は、動作履歴情報を不揮発性の記憶部に保管することにより、電力消費なしで動作履歴情報を保持することができる。従って、待機時はタイマーのみ稼働し、計測装置を制御しているマイコンまで電源オフとすることが可能となる。不揮発の記憶部に動作履歴情報を保持することにより、電池交換直後からの累積値を確実に保管することができる。計測装置は常に測定継続している訳ではなく、使用せずに電源を切っておく期間が発生する可能性もあるが、不揮発の記憶部にデータを残すことで、その場合でも電池交換直後からの動作履歴情報を保持しておき、電源再投入後にその後の履歴情報を追加していくことが可能となる。なお不揮発性の記憶部には動作履歴情報のみならず計測値を記憶させるようにしてもよい。
【0026】
本発明によれば、一定時間間隔で動作履歴情報もデータ収集サーバに送信することにより、データ収集サーバに各動作の積算消費電力を算出させ、計測装置全体の積算消費電力を求め、残容量を推定させることができる。従って計測装置側の負荷を軽減し、一層の消費電力削減を図ることが出来る。
【0027】
警告出力手段は、電池の残容量が所定値以下になったら警報(アラーム等)を出力するようにしてもよいし、表示部に警告メッセージや警告画像等を出力するようにしてもよい。警告を出力する電池残容量の閾値は任意に設定できるようにしてもよい。
【0028】
本発明によれば、データ収集サーバ装置は、計測装置の動作履歴情報を受信することで、計測装置の電池残容量を計算することができる。
【0029】
従って、計測装置に残容量モニタリング機構を設ける事無く、低消費電力で、残容量低下で装置が動作停止してしまうまでに十分な期間を確保しつつ電池残容量低下を知らせることが可能な電池残容量管理システムを提供することができる。
【0030】
(4)本発明は、
電池で駆動する計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から送信される通信データを無線で受信する無線受信手段と、
受信した前記通信データまたは通信データに含まれる動作履歴情報の少なくとも1つに基づいて、計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段と、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量を告知するための電池残容量告知情報を出力する電池残容量情報出力手段と、
を含むことを特徴とする。
【0031】
(5)本発明の電池残容量管理システムは、
前記動作履歴情報には、計測装置が消費電力の異なる複数の動作モードで動作可能である場合の動作モードの履歴に関する動作モード履歴情報を含み、
前記データ収集サーバ装置の電池残容量計算手段は、
前記動作モード履歴情報に基づき動作モード毎の電池消費量の相違を反映させた計測装置の電池残容量を計算することを特徴とする。
【0032】
動作モード履歴情報は、例えば所定期間(前回の動作モード履歴送信後から今回の動作モード履歴送信までの期間)における各動作モードの切り替え時刻や、各動作モードの累計時間等でもよい。
【0033】
本発明によれば、データ収集サーバ装置は、計測装置が消費電力の異なる複数のモードを取り得る場合に、各動作モードとその累計動作時間を把握することができる。従って、計測装置が消費電力の異なる複数の動作モードで動作可能である場合にも、計測装置に残容量モニタリング機構を設ける事無く、低消費電力で、残容量低下で装置が動作停止してしまうまでに十分な期間を確保しつつ電池残容量低下を知らせることが可能な電池残容量管理システムを提供することができる。
【0034】
(6)本発明の電池残容量管理システムは、
前記動作履歴情報は、計測装置の計測回数に関する情報を含み、
データ収集サーバ装置の電池残容量計算手段は、
前記計測装置の計測回数に基づいて計測装置の電池残容量を計算することを特徴とする。
【0035】
計測装置が不定期に計測を行う場合(所定の計測イベントが発生したら計測を行う場合)や、計測した計測値が所定の条件を満たした場合のみデータ収集サーバ装置への報告対象となる場合には、データ収集サーバ装置は、計測装置から受信した通信データから計測装置で実際に行われた計測動作の回数が把握できない。
【0036】
しかし本発明によれば、データ収集サーバ装置は動作履歴情報として計測装置の計測回数を受け取ることができるので、上記のような場合でも計測装置に残容量モニタリング機構を設ける事無く、低消費電力で、残容量低下で装置が動作停止してしまうまでに十分な期間を確保しつつ電池残容量低下を知らせることが可能な電池残容量管理システムを提供することができる。
【0037】
(7)本発明は、
計測した計測値をデータ収集サーバ装置に送信する電池駆動の計測装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記計測装置は、
不揮発性の記憶部と、
所定の動作に関する動作履歴を前記不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得手段と、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成手段と、
前記通信データを無線で送信する無線送信手段と、
を含むことを特徴とする。
【0038】
例えば計測装置の動作履歴取得手段はその動作を消費電力により分類し、電池交換直後からそれぞれの動作をした時間、回数、といった動作履歴情報を不揮発性の記憶部記録しておき、一定時間間隔ごとに各動作ごとの積算消費電力を算出し、そこから装置全体の積算消費電力を求め、電池残容量を推定するようにしてもよい。
【0039】
上記の動作履歴情報を不揮発性の記憶部に保管すると、電力消費なしで動作履歴情報を保持することができる。従って待機時はタイマーのみ稼働し、計測装置を制御しているマイコンまで電源オフとすることが可能となる。不揮発の記憶部に動作履歴情報を保持することにより、電池交換直後からの累積値を確実に保管することができる。計測装置は常に測定継続している訳ではなく、使用せずに電源を切っておく期間が発生する可能性もあるが、不揮発メモリーにデータを残すことで、その場合でも電池交換直後からの動作履歴情報を保持しておき、電源再投入後にその後の履歴情報を追加していくことが可能となる。
【0040】
(8)本発明の電池残容量管理システムは、
前記計測装置は、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づき計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段を含むことを特徴とする。
【0041】
本発明によれば、計測装置が自機の電池残容量を計算することができる。
【0042】
(9)本発明の電池残容量管理システムは、
前記計測装置の前記通信データ生成手段は、
電池残容量に関する情報を含む通信データを生成することを特徴とする。
【0043】
本発明によれば、計測装置が計算した電池残容量をデータ収集サーバ装置に通知することができる。
【0044】
(10)本発明の電池残容量管理システムは、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段と、
を含むことを特徴とする。
【0045】
本発明によれば、計測装置自体が電池残容量に関する警告を出力することができる。
【0046】
(11)本発明の電池残容量管理システムは、
前記計測装置の不揮発性の記憶部は、強誘電体メモリで構成されていることを特徴とする。
【0047】
強誘電体メモリとは例えばFeRAM等である。
【0048】
強誘電体メモリは、フラッシュメモリやEEPROMと比べて書き換え可能な回数が格段に多く、かつ、書き換えに要する時間が短い。
【0049】
従って、不揮発性の記憶部を強誘電体メモリで構成すると、一時保管の必要がなくなった情報は次々に上書きできるので、書換え回数は増えるものの、比較的小さなメモリーエリアで実現することができる。
【0050】
(12)本発明は、
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムの制御方法であって、
前記計測装置は、
計測した計測値に基づき、データ収集サーバ装置に送信する通信データを生成する通信データ生成ステップと、
前記通信データを無線で送信する無線送信ステップと、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線で送信された前記通信データを受信する無線受信ステップと、
受信した前記通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算ステップと、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0051】
(13)本発明の電池残容量管理システムは、
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムの制御方法であって、
前記計測装置は、
所定の動作に関する動作履歴情報を不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得ステップと、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成ステップと、
前記通信データを無線で送信する無線送信ステップと、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線送信された前記通信データを受信する無線受信ステップと、
受信した前記通信データに含まれた動作履歴情報に基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算ステップと、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力ステップと、
を含むことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、以下の内容を自由に組み合わせたものを含むものとする。
【0053】
1.本実施の形態の構成
図1は、本実施の形態の電池残容量管理システムの構成について説明するための図である。
【0054】
本実施の形態の電池残容量管理システム1は、電池で駆動される計測装置100と計測装置100が計測した計測値を受信するデータ収集サーバ装置200を含む。
【0055】
本発明の電池残容量管理システム1は1又は複数の計測装置100とデータ収集サーバ装置200を含んで構成されるようにしてもよい。また本発明の電池残容量管理システム1は少なくとも1つのデータ収集サーバ装置200を含んで構成されるようにしてもよい。また本発明の電池残容量管理システム1は少なくとも1つの計測装置100を含んで構成されるようにしてもよい。
【0056】
計測装置100は、処理部110を含む。処理部110は、計測装置全体の動作を統括的にコントロールする処理等を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ(CPU等)やマイクロコンピュータ、或いはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラム(マイクロプログラム等)により実現できる。
【0057】
処理部110は、計測部160の計測した計測値に基づき、データ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成手段として機能する。
【0058】
処理部110は、計測部160の計測した計測値を取得して前記不揮発性記憶部に格納する手段として機能するようにしてもよい。
【0059】
処理部110は、所定の動作に関する動作履歴を前記不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得手段として機能するようにしてもよい。この場合において、不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成するようにしてもよい。
【0060】
処理部110は、不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づき計測装置の電池残容量に関する情報を計算する電池残容量計算手段として機能するようにしてもよい。そして、計測部160の計測した計測値及び電池残容量に関する情報に基づき、データ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成するようにしてもよい。
【0061】
計測装置100は、無線送信部120を含む。無線送信部120は、データを無線で送信する処理を行うもので、例えばRFIC等により実現でき、計測情報を無線で送信する無線送信手段として機能する。
【0062】
計測装置100は、不揮発性記憶部130を含む。不揮発性記憶部130は、例えばフラッシュメモリやEEPROMで構成しても良いし、FeRAM等の強誘電体メモリで構成してもよい。
【0063】
計測装置100は、計測部160を含む。計測部160は、例えば温度や湿度や光量その他の所与の物理量を測定するセンサ等で構成される。
【0064】
計測装置100は、電源部150を含む。電源部150は、例えばマンガン乾電池等の一次電池やボタン電池等の小型電池でもよいし、ニッカド電池等の2次電池等でもよい。本実施の形態では、当該電源部150を構成する電池の残容量を計算して電池切れが発生しないように電池残量を管理する。
【0065】
計測装置100は、電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力140を含むようにしてもよい。警告出力部140は、警告音(アラーム)の出力やLEDを点滅させる形式等で実現するようにしてもよい。
【0066】
データ収集サーバ装置は、計測装置から送信される計測値を受信して計測値の記憶、管理、又は計測値に基づき所定のシステムの制御等を行うコンピュータ等である。
【0067】
データ収集サーバ装置200は、処理部210を含む。処理部210は、データ収集サーバ装置の全体の動作を統括的にコントロールする処理等を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ(CPU等)、或いはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラム(マイクロプログラム等)により実現できる。
【0068】
処理部210は、受信した前記通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段として機能する。ここにおいて受信した前記通信データに含まれる計測装置の計測値及び計測装置の動作履歴情報の少なくとも1つに基づいて、計測装置の電池残容量を計算するようにしてもよい。
【0069】
電池残量の演算は一定期間毎に行ってもよいし、計測装置から通信データを受信する毎に行っても良いし、所定の電池残量計算タイミング毎に行っても良い。
【0070】
電池残量の演算は、計測装置の電池交換以降に、当該通信装置から受信した通信データに基づいて行うようにしてもよい。各回毎に、新たに受信した通信データに基づいて電池残量計算を行ってもよいし、過去に受信した通信データも含めた通信データに基づいて電池残量計算を行ってもよい。なお受信した通信データを記憶部に記憶させて、所定のタイミングで記憶部に記憶させた受信データから必要な種類のデータを読み出して電池残量計算を行ってもよい。
【0071】
データ収集サーバ装置200は、無線受信220を含む。無線受信220は、データを無線で受信する処理を行うもので、計測装置から無線送信された前記通信データを受信する無線受信手段として機能する。
【0072】
データ収集サーバ装置200は、記憶部230を含む。記憶部230は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、ハードディスク、メモリーカード、メモリーカセット、磁気ディスク、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0073】
データ収集サーバ装置200は、電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力240を含む。警告出力部240は、警告画像や警告(テキスト)メッセージをLCD等の表示部に出力する形式で実現してもよいし、音声メッセージ等をスピーカ等に出力する形式で実現しても良い。
【0074】
2.第1の実施の形態の処理
第1の実施の形態として、計測装置100から受け取った前記通信データに基づき、データ収集サーバ装置200の処理部210が電池残容量を計算して、計算結果に基づき、サーバ装置の警告出力部240に警告出力を行う構成の電池残容量管理システムについて説明する。
【0075】
図2は第1の実施の形態の電池残容量管理システムの計測装置100の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0076】
計測装置100は電池交換イベントの発生を検出すると(ステップS10)、記録開始処理を行う(ステップS20)。記録開始処理として、例えば不揮発性記憶部130に記憶された過去の動作履歴をクリアして、新たな動作履歴の記録を開始するために必要な処理を行っても良いし、電池交換日時を記録して、動作履歴を電池交換前後で区別可能な状態で記録するための処理でもよい。
【0077】
次に所定の計測タイミングがきたか否か判断し(ステップS30)、計測タイミングであれば計測部が計測した計測値を取得して不揮発性記憶部に記憶させる(ステップS40)。
【0078】
所定の計測タイミングがきたか否かはタイマ等で計るようにしてもよい。ここで、例えば計測装置が1単位時間に1回計測値を取得する仕様であれば、1単位時間毎に計測タイミングが訪れ、1日に1回計測値を取得する仕様であれば、1日毎に計測タイミングが訪れる。なお計測タイミングとは、常時計測を行っている計測部から計測値を取り込むタイミングでもよいし、計測時のみ稼働状態となる計測部が計測を行うタイミングでもよい。
【0079】
なお、例えば計測タイミングで取得した計測値のすべて不揮発性の記憶部に記憶させる仕様でもよいし、計測値が所定の条件を満たしている場合にのみ当該計測値を不揮発性記憶部に記憶させる仕様でもよい。
【0080】
つぎに動作履歴記録イベントが発生したら(ステップS50)、動作履歴情報を不揮発性記憶部に記憶させる(ステップS60)。動作履歴記録イベントとは、例えばデータの送信イベントでもよいし、計測装置が所定の条件下で自動的に省電力モードになる構成である場合の省電力モードへの移行イベントや通常モード復帰イベントでもよい。これらの動作履歴記録イベントが発生した場合に発生日時(日付や時刻)とイベント種別を動作履歴情報として、不揮発性記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0081】
次に送信タイミングがきたか否か判断し(ステップS70)、送信タイミングであれば、不揮発性記憶部に記憶された情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成して、無線で送信する(ステップS80)。送信する前記通信データは、前回の送信後から現在までの期間の計測値や動作履歴に関するものであり、不揮発性記憶部に記憶された前回の送信後から現在までの期間の情報に基づき生成するようにしてもよい。
【0082】
送信タイミングがきたか否かはタイマ等で計るようにしてもよい。なお例えば、計測タイミングと送信タイミングは1対1になるような設定でもよいし、多対1になるような設定でもよい。後者の場合はデータをn回計測してから、n個のデータをまとめて1回で送信するようにしてもよい。このようにすると、送信回数を削減することができるので、結果として通信装置の電池を長持ちさせるとこができる。
【0083】
図3は第1の実施の形態の電池残容量管理システムのデータ収集サーバ装置200の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0084】
計測装置100から無線送信された前記通信データを受信すると(ステップS110)、受信した前記通信データを記憶部に記憶させる(ステップS120)。
【0085】
次に記憶部に記憶されている計測情報に基づいて計測装置の電池残容量を計算する(ステップS130)。
【0086】
そして電池残容量は所定値以下であれば(ステップS140)、計測装置の電池残容量に関する警告を出力する(ステップS150)。ここで、警告を出力する基準となる所定値は電池の種類等に応じて適宜設定することができる。また外部から変更することができるようにしてもよい。また電池がまだかなり容量を残している時点から多段階で警告出力対象となる電池残容量の閾値を設定して、多段階で警告出力をおこなうよういしてもよい。
【0087】
図4(A)(B)は、計測装置の動作履歴と計測装置100の不揮発性記憶部130に記憶される情報の一例について説明するための図である。ここでは温度管理用の計測装置が温度を測定する場合を例にとり説明する。
【0088】
図4(A)は、計測装置の動作履歴を時系列に示した図である。201は日時yymmddに電池交換イベントが発生したことを示している。k1(01:00)、k2(02:00)、k3(03:00),・・・k12(12:00)に示すように、本計測装置は1単位時間毎に温度計測部が計測した温度を取得するように構成されている。そして210、220に示すように1日に2回、00時と12時に(12時間置きに)計測結果をデータ収集サーバ装置200に送信するように構成されている。
【0089】
図4(B)は、計測装置の不揮発性記憶部に記憶される情報を示している。同図は、計測装置の動作履歴(電池交換や送信等)と計測部の計測した計測値のログデータが不揮発性記憶部に格納されている様子を示した図である。ログデータは、各動作毎のログ情報は各動作が行われた日時情報240と各動作の動作種別242と、計測動作である場合の計測値244を含むようにしてもよい。なおログ対象となる動作を予め定めておいてログ対象動作が行われた場合にログ情報を記録するようにしてもよい。
【0090】
270は、1単位時間毎行われる計測動作のログ情報である。なお例えば計測時刻情報272については、予め決められたパターンの計測時刻で計測する場合には省略するようにしても良い。
【0091】
また、例えば計測値が所定の条件の場合を満たす場合のみ、計測値のログデータを不揮発性記憶部に記憶させるようにしてもよい。例えば計測値が22〜25の範囲であれば記憶させず、計測値がその範囲外の値をとった場合にのみ、不揮発性記憶部に記憶させるようにしてもよい。より具体的には、276のように計測値が22〜25の範囲外であるもののみ記憶させるようにしてもよい。
【0092】
250は電池交換動作(図4(A)の201参照)のログ情報である。また260や280は送信動作(図4(A)の210、220、230参照)のログ情報である。
【0093】
上記実施例では動作履歴と計測値が不揮発性記憶部に記憶される場合を例にとり説明したがこれに限られない。例えば計測装置100が動作履歴をデータ収集サーバ200に送信しない構成の場合には、計測値のみを不揮発性記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0094】
図5(A)〜(D)は、データ収集サーバ装置に送信する通信データと、当該通信データに基づく電池の残容量の計算手法について説明するための図である。
【0095】
図5(A)〜(C)は、計測値に基づき生成された通信データの例である。例えば図5(A)に示すように、過去に送信していない計測値(前回の送信後から現在(今回の送信)までに取得した計測値)について、計測データ274と計測時刻272とをセットにして通信データを生成してもよい。
【0096】
取得されたデータはすべて送信される仕様の場合、データ収集サーバ装置200は、通信データの内容からデータの取得動作の回数(このケースでは取得されたデータはすべて送信されるのでデータの数がデータの取得動作の回数となる)を把握することができる。すなわち通信データを受信したという事実から、計測装置が12回計測動作を行ったことと、送信動作を1回行ったことを把握することができる。
【0097】
例えば電池残容量演算を行う際の計測動作(1回あたり)の重み係数がa、送信操作(1回あたり)の重み係数がbととし、電池使用開始から現在までの計測動作の回数をn、送信操作の回数をmとすると、現在までの電池消費量Sとして下記の式で近似してもよい。
【0098】
S=a×n+b×m
なお前回の通知から今回の通知まで計測動作の回数をn’、送信操作の回数は1回とすると、前回の送信から今回の送信までの現在までの電池消費量S’として下記の式で近似してもよい。
【0099】
S’=a×n’+b
ここで各重み係数の値は電池の種類と動作種別に応じて設定されるもので、動作種別と動作回数に応じた電池消費量を測定して統計をとり、その結果に応じて設定してもよい。また種類の異なる電池が使用される可能性のある場合には電池の種類毎に動作種別と動作回数に応じた電池消費量を測定して統計をとり、その結果に応じて設定してもよい。
【0100】
なお計測部が常時計測している場合と、計測期間のみ計測動作を行う場合とでは、1回の計測で消費されるパワーも異なってくるので、計測動作の重み係数aの値も仕様に応じて変化させるようにしてもよい。
【0101】
また例えば送信される前記通信データは図5(B)に示すように、過去に送信していない計測値(前回の送信後から現在(今回の送信)までに取得した計測値)について、計測データ274のみを通信データを生成してもよい。例えば計測時刻は一定に設定されている場合(0:00から1単位時間毎に計測する)には、計測時刻272が無くても、計測値の順番から計測時刻を判断することができる。この場合にも図5(A)の場合と同様に電池残容量を演算することができる。
【0102】
また例えば送信される前記通信データは図5(C)に示すように、過去に送信していない計測値(前回の送信後から現在(今回の送信)までに取得した計測値)のなかで、所定の条件を満たす計測値(例えば計測値が22〜25の範囲外の計測値)を通信データとしてもよい。この場合には、すなわち通信データを受信したという事実から、計測装置が12回計測動作を行ったことと、送信動作を1回行ったことを把握することができるので、この場合にも図5(A)の場合と同様に電池残容量を演算することができる。
【0103】
図5(A)〜(C)は、動作履歴情報に基づき生成された通信データの例である。280は期間内に発生した動作の動作種別であり、282は当該動作種別の発生回数である。なお動作種別が同じでも動作時間が異なる場合には、累計動作時間も含めるようにしてもよい。
【0104】
電池残量計算をおこなう場合には動作種別により消費電力を推定し、電池交換直後からそれぞれの動作種別の動作をした時間、回数、といった動作履歴情報に基づき、一定時間間隔ごとに各動作種別ごとの積算消費電力を算出し、そこから計測装置全体の積算消費電力を求め、電池残容量を推定するようにしてもよい。
【0105】
例えば電池使用開始から現在までの各動作種別の累計回数が、A(1)、A(2)、・・・、A(j)、各動作種別の累計回数あたりの重み係数がe(1)、e(2)、・・e(j)であるとした場合、現在までの電池消費量Sを下記の式で近似してもよい。
【0106】
S=A(1)×e(1)+A(2)×e(2)+・・+A(j)×e(j)
なお前回の通知から今回の通知までの各動作種別の累計回数が、A’(1)、A’(2)、・・・、A’(j)、各動作種別の累計回数あたりの重み係数がe(1)、e(2)、・・e(j)であるとした場合、前回の通知から今回の通知まで電池消費量S’を下記の式で近似してもよい。
【0107】
S’=A’(1)×e(1)+A’(2)×e(2)+・・+A’(j)×e(j)
図6(A)(B)は、計測装置の動作モード履歴と計測装置100の不揮発性記憶部130に記憶させる情報の一例について説明するための図である。
【0108】
図6(A)は、計測装置の動作履歴を時系列に示した図である。301は日時yymmddに電池交換イベントが発生したことを示している。310、314,318、322、326は通常モード移行を示しており、312、316,320、324、328は省電力モード移行を示している。H1、H2,H3、H4、H5は通常モード期間を表しており、L1、L2,L3、L4は省電力モード期間を表している。同図に示すように計測装置は消費電力の異なる2種類のモードである通常モードと低消費電力モードで稼働する。計測装置は、計測、送信、データ処理等の処理を行う場合には通常モードで稼働するが、これらの処理を終えると自動的に省電力モードに以降し、通常モード移行イベントを検出すると(省電力モード以降後も次の計測イベントや割り込み受け付けを検出するための機構は稼働している)、省電力モードから通常モードに切り替わるように構成されている。
【0109】
図6(B)は、計測装置の不揮発性記憶部に記憶される情報を示している。同図に示すように、動作モードの切り替え(所定の動作)に関する動作履歴情報を前記不揮発性の記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0110】
330は動作日時であり、332は動作種別254である。ここで動作種別Cは電池交換動作を示しており、動作種別Hは通常モード移行動作を示しており、動作種別Lは省電力モード移行動作を示している。301’、310’〜322’は、図6(A)の301、310〜322にそれぞれ対応して記録されたものであることを示している。
【0111】
図7(A)〜(C)は、計測値に基づきデータ収集サーバ装置に送信する通信データが生成される場合の通信データと、当該通信データに基づく電池の残容量の計算手法について説明するための図である。
【0112】
図7(A)に示すように、送信される前記通信データは、過去に送信していない動作履歴情報(前回の送信後から現在(今回の送信)までに発生した動作モードの切り替え)について、動作日時330と動作種別332とをセットにして通信データを生成してもよい。なお、動作履歴(動作モード履歴も含む)を送る場合には、動作履歴(動作モード履歴も含む)を計測値に付加して通信データを生成する構成でもよいし、計測値とは別個に動作履歴(動作モード履歴も+ 含む)のみで通信データを生成する構成でもよい。
【0113】
このような仕様の通信データの場合、データ収集サーバ装置は、通信データの内容から通常モード稼働時間HTと省電力モード稼働時間LTを把握することができる。また通信データを受信したという事実から、送信動作を1回行ったことを把握することができる。
【0114】
例えば電池残容量演算を行う際の通常モード1単位時間あたりの重み係数がc、省電力モード1単位時間あたりの重み係数がd、送信操作の重み係数がbとした場合、前回のから今回とし、電池使用開始から現在までの通常モード稼働時間をHT、省電力モード稼働時間をLT、送信操作の回数をmとすると、現在までの電池消費量Sを下記の式で近似してもよい。
【0115】
S=c×HT d×LT+ b×m
なお前回の通知から今回の通知までの通常モード稼働時間をHT’、省電力モード稼働時間をLT’、送信操作の回数は1回とすると、前回の通知から今回の通知まで電池消費量S’を下記の式で近似してもよい。
【0116】
S’(i)=c×LT’+ d×LT’+b
ここで各重み係数c、dの値は電池の種類と動作種別に応じて設定されるもので、電池の種類毎に動作モードと動作時間に応じた電池消費量を測定して統計をとり、その結果に応じて設定してもよい。
【0117】
なお動作モードが同じでも実際に消費される電池消費量は、動作内容に応じてことなる場合もあるので、動作モードによる電池消費量と、動作内容による電池消費量の演算を組み合わせるようにしてもよい。
【0118】
図7(B)に示すように、送信される前記通信データは、過去に送信していない期間の動作モードの累計時間情報(なお前回の通知から今回の通知までに発生した各動作モードの累計時間)について、動作モード種別342と累計時間344をセットにして通信データを生成してもよい。350は通常モードの累計時間が133分であること、352は省電力モードの累計時間が352分であることを示している。この場合にも図7(A)の場合と同様に電池残容量を演算することができる。
【0119】
上記実施の形態では、計測装置100から計測値や動作モードに関する情報を送信して、これらの情報を受信したデータ収集サーバ装置200の処理部210が、計測値や動作モードに基づき電池残容量を計算する場合を例にとり説明したが是に限られない。例えば計測装置100から計測、計測値の判定に関する演算動作、記憶部へのライト動作、記憶部からのリード動作、通信データ生成動作、通信動作等の所定の動作の動作履歴に関する情報を送信して、これらの情報を受信したデータ収集サーバ装置200の処理部210が、前記動作履歴に基づき電池残容量を計算するような場合でもよい。
【0120】
3.第2の実施の形態の処理
第2の実施の形態として、計測装置100で電池残容量を計算して、計算結果に基づき、計測装置100の警告出力部140に警告出力を行う構成の電池残容量管理システムについて説明する。
【0121】
図8は第2の実施の形態の電池残容量管理システムの計測装置100の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0122】
計測装置100は電池交換イベントの発生を検出すると(ステップS210)、記録開始処理を行う(ステップS220)。
【0123】
次に所定の計測タイミングがきたか否か判断し(ステップS230)、計測タイミングであれば計測部が計測した計測値を取得して不揮発性記憶部に記憶させる(ステップS240)。
【0124】
つぎに動作履歴記録イベントが発生したら(ステップS250)、動作履歴情報を不揮発性記憶部に記憶させる(ステップS260)。
【0125】
次に電池残容量計算タイミングがきたか否か判断し(ステップS270)、電池残容量計算タイミングであれば、不揮発性記憶部に記憶された情報に基づき計測装置の電池残容量を計算する(ステップS280)。電池残容量の計算は、図5及び図7で説明した手法と同様の手法により行うことができる。
【0126】
そして電池残容量は所定値以下であれば(ステップS290)、計測装置の電池残容量に関する警告を出力する(ステップS300)。
【0127】
従来は、電池残容量が少ないことを電池の端子間電圧低下によるアラームで知り、その後すみやかに電池交換を実施しなければならなかったが、本発明では、アラーム発信する電池残容量を任意に設定可能である。従ってアラーム発信した後でも残容量を気にして慌てる必要がない。継続使用している計測装置においては、測定を途切らせないこと、電池変換等のメンテナンスを最小限の負荷で計画的に実施することが何より重要である。そのため、電池を容量一杯使うことよりも、電池切れ間際まで使って測定を途切らせる危険を生まないことを優先しなければならないが、本発明はこうした目的に好適である。
【0128】
また動作履歴情報を不揮発の記憶部に保存することで、待機時には装置全体を制御するマイコンを含め電源を切ることが可能となる。また、計測装置は必ずしも常時接続して使用するとは限らず、何時電源を切られても良いよう、情報を不揮発性の記憶部に残しておくことができる。
【0129】
さらに、蓄積したデータを定期的にデータ収集サーバに無線で送信する計測装置の場合には、積算消費電力を求め残容量を推定する作業をサーバー側に任せることが可能である。こうすることで計測装置の方は測定及びデータ蓄積に特化させることが可能となり、能力の低いマイコンでも対応可能となる。従って消費電力も低減することができる。
【0130】
また残容量計測の精度を上げようと思えば、計算が複椎となることが避けられないが、その場合でも計算をデータ収集サーバ側で実施するのであれば、計測装置の計算負荷を気にする必要がないという利点がある。
【0131】
また本発明の別の利点として、電池がまだかなり容量を残している時点から多段階でアラーム発信させ、事前に計画的に電池交換を準備することが可能となる。
【0132】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本実施の形態の電池残容量管理システムの構成について説明するための図。
【図2】第1の実施の形態の電池残容量管理システムの計測装置の処理の流れを示すフローチャート。
【図3】第1の実施の形態の電池残容量管理システムのデータ収集サーバ装置の処理の流れを示すフローチャート。
【図4】計測装置の動作履歴と計測装置の不揮発性記憶部に記憶される情報の一例について説明するための図。
【図5】データ収集サーバ装置に送信する通信データと、当該通信データに基づく電池の残容量の計算手法について説明するための図。
【図6】計測装置の動作モード履歴と計測装置の不揮発性記憶部に記憶させる情報の一例について説明するための図。
【図7】通信データと、電池の残容量の計算手法について説明するための図。
【図8】第2の実施の形態の電池残容量管理システムの計測装置の処理の流れを示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0134】
1 電池残容量管理システム、100 計測装置、110 処理部、120 無線送信部、130 不揮発性記憶部、140 警告出力部、150 電源部、160 計測部 200 処理部、220 無線受信部、230 記憶部、240警告出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記計測装置は、
計測した計測値に基づき、データ収集サーバ装置に送信する通信データを生成する通信データ生成手段と、
前記通信データを無線で送信する無線送信手段と、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線で送信された前記通信データを受信する無線受信手段と、
受信した前記通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段と、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段と、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記計測装置は、
不揮発性の記憶部と、
計測部の計測した計測値を取得して前記不揮発性記憶部に格納する手段と、を含み、
前記通信データ生成手段は、
不揮発性記憶部に記憶された計測値に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成することを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項3】
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記計測装置は、
不揮発性の記憶部と、
所定の動作に関する動作履歴情報を前記不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得手段と、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成手段と、
前記通信データを無線で送信する無線送信手段と、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線送信された前記通信データを受信する無線受信手段と、
受信した前記通信データに含まれた動作履歴情報に基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段と、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段と、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項4】
電池で駆動する計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から送信される通信データを無線で受信する無線受信手段と、
受信した前記通信データまたは通信データに含まれる動作履歴情報の少なくとも1つに基づいて、計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段と、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量を告知するための電池残容量告知情報を出力する電池残容量情報出力手段と、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記動作履歴情報には、計測装置が消費電力の異なる複数の動作モードで動作可能である場合の動作モードの履歴に関する動作モード履歴情報を含み、
前記データ収集サーバ装置の電池残容量計算手段は、
前記動作モード履歴情報に基づき動作モード毎の電池消費量の相違を反映させた計測装置の電池残容量を計算することを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記動作履歴情報は、計測装置の計測回数に関する情報を含み、
データ収集サーバ装置の電池残容量計算手段は、
前記計測装置の計測回数に基づいて計測装置の電池残容量を計算することを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項7】
計測した計測値をデータ収集サーバ装置に送信する電池駆動の計測装置を含む電池残容量管理システムであって、
前記計測装置は、
不揮発性の記憶部と、
所定の動作に関する動作履歴を前記不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得手段と、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成手段と、
前記通信データを無線で送信する無線送信手段と、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記計測装置は、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づき計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算手段を含むことを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記計測装置の前記通信データ生成手段は、
電池残容量に関する情報を含む通信データを生成することを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項10】
請求項8乃至9において、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力手段と、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項11】
請求項2乃至10のいずれかにおいて、
前記計測装置の不揮発性の記憶部は、強誘電体メモリで構成されていることを特徴とする電池残容量管理システム。
【請求項12】
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムの制御方法であって、
前記計測装置は、
計測した計測値に基づき、データ収集サーバ装置に送信する通信データを生成する通信データ生成ステップと、
前記通信データを無線で送信する無線送信ステップと、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線で送信された前記通信データを受信する無線受信ステップと、
受信した前記通信データに基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算ステップと、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力ステップと、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システムの制御方法。
【請求項13】
電池で駆動する計測装置と計測装置が計測した計測値を収集するデータ収集サーバ装置を含む電池残容量管理システムの制御方法であって、
前記計測装置は、
所定の動作に関する動作履歴情報を不揮発性の記憶部に記憶させる動作履歴取得ステップと、
不揮発性記憶部に記憶された動作履歴情報に基づきデータ収集サーバ装置に送信する前記通信データを生成する通信データ生成ステップと、
前記通信データを無線で送信する無線送信ステップと、を含み
前記データ収集サーバ装置は、
計測装置から無線送信された前記通信データを受信する無線受信ステップと、
受信した前記通信データに含まれた動作履歴情報に基づいて計測装置の電池残容量を計算する電池残容量計算ステップと、
電池残容量計算結果に基づき計測装置の電池残容量に関する警告を出力する警告出力ステップと、
を含むことを特徴とする電池残容量管理システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−63502(P2009−63502A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233086(P2007−233086)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】