説明

電池用熱交換器及び車両

【課題】熱媒体が流通する流路を簡素化すること。
【解決手段】電池用熱交換器10の基体11には、図中下面となる第1面11a及び図中上面となる第2面11bが形成されている。基体11の第1面11aには、ペルチェ素子30の第1面30aが接合され、これによりペルチェ素子30の第1面30aと基体11の第1面11aは熱的に接続されている。基体11の第2面11bには、電池モジュール20が熱的に接続されている。基体11内の流通領域Sは、第1流路S1と第2流路S2に分割されている。第1流路S1には、ペルチェ素子30の第1面と熱交換を行うための熱媒体が流通する。第2流路S2には、電池モジュール20と熱交換を行うための熱媒体が流通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体と熱的に接続される電池を温度調節する熱媒体を流通させる流通領域を基体の内部に形成した電池用熱交換器及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、規定温度に保たれることにより寿命が長くなる。このため、特許文献1では、二次電池の温度調節が行われている。
特許文献1において、電池が収容されるケースには、ケース内に空気を取り込むための取込口が形成されている。ケース内には、取込口からケース内に流入した空気をケース外へ排出させる第1流路及び第2流路が形成されている。第1流路を流通する空気は、電池を介してケース外へ排出され、第2流路を流通する空気は、電池を介さずケース外に排出されるように各流路は形成されている。取込口と各流路の間には、ペルチェ素子が配設されており、ペルチェ素子の第1面により熱交換された空気は第1流路を流通し、ペルチェ素子の第2面により熱交換された空気は第2流路を流通するように構成されている。そして、電池を冷却する場合には、ペルチェ素子の第1面が空気を冷却するようにペルチェ素子が制御される。第1流路を流通する空気は、ペルチェ素子の第1面により冷却されているため、電池が冷却される。一方で、ペルチェ素子の第2面は、第2流路を流通する空気を加熱するが、第2流路を流通する空気は、電池を介さずにケース外に排出されるため、電池が加熱されることがない。同様に、電池を加熱する場合には、ペルチェ素子の第1面が空気を加熱し、ペルチェ素子の第2面が空気を冷却するようにペルチェ素子の制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−110829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、効率よく電池の温度調節を行いたい場合、ペルチェ素子の第1面に熱交換器を接合するとともに電池に熱交換器を接合することにより、熱交換を促進させることがある。しかしながら、ペルチェ素子の第1面に接合される熱交換器と電池に接合される熱交換器を接続する第1流路が複雑化してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、熱媒体が流通する流路を簡素化することができる電池用熱交換器及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基体と熱的に接続される電池を温度調節する熱媒体が流通する流通領域を前記基体の内部に形成した電池用熱交換器であって、前記基体は、前記流通領域を流通する熱媒体を加熱又は冷却する温度調節部品と熱的に接続される第1面と、前記電池と熱的に接続される第2面と、を有し、前記流通領域は、前記温度調節部品と熱交換を行うための熱媒体が流通する第1流路と、前記電池と熱交換を行うための熱媒体が流通する第2流路に分割されるとともに、前記第1流路と前記第2流路は連通していることを要旨とする。
【0007】
これによれば、基体の内部は第1流路と第2流路に分割される。そして、第1流路を流通する熱媒体は、温度調節部品により加熱又は冷却され、第2流路に流通する。第2流路を流通する熱媒体は、電池と熱交換を行うことにより電池の温度調節を行う。流通領域には、温度調節部品により加熱又は冷却される熱媒体と、電池と熱交換を行う熱媒体の2種類の熱媒体が流通する。したがって、単一の電池用熱交換器内に第1流路及び第2流路を形成することができ、熱媒体が流通する流路を簡素化することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電池用熱交換器であって、前記基体は、接合されることにより前記流通領域を形成する第1基体形成部材及び第2基体形成部材とから形成され、前記第1基体形成部材と前記第2基体形成部材に挟持される流路形成部材により前記流通領域が第1流路と第2流路に分割されることを要旨とする。
【0009】
これによれば、電池用熱交換器は、第1基体形成部材と第2基体形成部材により流路形成部材を挟持するとともに、第1基体形成部材、第2基体形成部材及び流路形成部材を接合することにより形成される。したがって、電池用熱交換器を容易に製造することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電池用熱交換器であって、前記流路形成部材は、前記第1基体形成部材及び第2基体形成部材に比べて熱伝導率の低い材料からなることを要旨とする。
【0011】
これによれば、第1流路を流通する熱媒体と、第2流路を流通する熱媒体同士の熱交換が行われにくい。第1流路と第2流路を流通する熱媒体は、反する作用を行う熱媒体であるため、第1流路を流通する熱媒体の熱交換効率が低減されず、電池に対する温度調節の効率が低減されない。
【0012】
請求項4に記載の発明は、電池を動力源として走行を行う車両であって、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池用熱交換器を搭載したことを要旨とする。
これによれば、車両に搭載される電池は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池用熱交換器により温度調節される。このため、車両の部品点数が削減される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、熱媒体が流通する流路を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態における電池と電池用熱交換器の関係を示すブロック図。
【図2】実施形態における電池用熱交換器を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1及び図2にしたがって説明する。
図1に示すように、PHV(Plug in Hybrid Vehicle)や、EV(Electric Vehicle)などの車両1には、図示しないモータの動力源となる電池モジュール20が搭載されている。電池モジュール20は、複数の電池を接続することにより構成されている。電池モジュール20には、電池モジュール20の温度調節を行う電池用熱交換器10が接合されている。電池用熱交換器10には、温度調節部品としてのペルチェ素子30が接合されている。ペルチェ素子30は、通電の極性に応じて吸熱と放熱の相反する作用を行う第1面30a及び第2面30bを有している。ペルチェ素子30の第1面30aは、電池用熱交換器10に接合されている。ペルチェ素子30の第2面30bには、第1熱交換器41が接合されている。第1熱交換器41は、パイプやダクトなどからなる第1熱媒体流路43により第2熱交換器42と接続されている。第1熱媒体流路43には、第1ポンプP1が設けられている。そして、第1ポンプP1が駆動されることにより、第1熱交換器41→第1熱媒体流路43→第2熱交換器42→第1熱媒体流路43→第1熱交換器41の順に熱媒体が循環する循環経路が形成されている。
【0016】
次に、図2にしたがって電池用熱交換器10について詳細に説明する。
図2に示すように、電池用熱交換器10の基体11には、図中下面となる第1面11a及び図中上面となる第2面11bが形成されている。基体11の第1面11aには、ペルチェ素子30の第1面30aが接合され、これによりペルチェ素子30の第1面30aと基体11の第1面11aは熱的に接続されている。基体11の第2面11bには、電池モジュール20が熱的に接続されている。具体的には、電池モジュール20は、図示しないケース内に複数の電池が収容されることにより構成されるとともに、ケースの外周面と基体11の第2面11bが接合されることにより、基体11の第2面11bと電池モジュール20は熱的に接続されている。
【0017】
電池用熱交換器10の基体11は、第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13を接合することにより形成されている。第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13は、平板状の部材の外周部を接合部12a,13aとするとともに、接合部12a,13aに囲まれる領域に凹部12b,13bを形成することにより形成されている。そして、第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13の接合部12a,13aを接合した状態で、第1基体形成部材12の凹部12bと第2基体形成部材13の凹部13bにより、基体11の内部に熱媒体が流通する流通領域Sが形成されている。
【0018】
第1基体形成部材12と第2基体形成部材13は接合部12a,13aで平板状の流路形成部材14を挟持している。詳細にいえば、流路形成部材14は、流路形成部材14の一面(図中下面)が第1基体形成部材12と対向するとともに、流路形成部材14の他面(図中上面)が第2基体形成部材13と対向するように第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13に挟持される。そして、流通領域Sは、流路形成部材14により第1流路S1と第2流路S2に分割されている。すなわち、電池用熱交換器10は、第1基体形成部材12、第2基体形成部材13及び流路形成部材14を積層することにより形成されている。第1流路S1には、波形状の第1フィン15が配設されるとともに、第2流路S2には、波形状の第2フィン16が配設されている。第1フィン15を側面視したときに、波形状をなす部分の流路形成部材14側(頂部)を基端15a、第1基体形成部材12側(底部)を先端15bとすると、基端15aが流路形成部材14に当接するとともに、先端15bは第1基体形成部材12に当接している。同様に、第2フィン16を側面視したときに、波形状をなす部分の流路形成部材14側(底部)を基端16a、第2基体形成部材13側(頂部)を先端16bとすると、基端16aが流路形成部材14に当接するとともに、先端16bは第2基体形成部材13に当接している。
【0019】
第1基体形成部材12における凹部12bの一側面には、熱媒体を第1流路S1に供給する供給口17が形成されている。また、第2基体形成部材13における凹部13bの一側面には、第2流路S2に供給された熱媒体を排出する排出口18が形成されている。供給口17と排出口18は、同一方向に形成されている。そして、流通領域Sには、供給口17及び排出口18が形成されている一側面と対向する側面側に第1流路S1と第2流路S2を連通する連通路S3が形成されている。
【0020】
第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13は、電池モジュール20及びペルチェ素子30の第1面30aと熱交換を行いやすいように、熱伝導率の高い材料(例えば、銅やアルミなど)から形成されている。一方、流路形成部材14は第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13よりも熱伝導率の低い材料から形成されている。
【0021】
供給口17及び排出口18は、パイプやダクトなどからなる第2熱媒体流路44により接続されている。第2熱媒体流路44には、第2ポンプP2が設けられている。そして、第2ポンプP2が駆動されることにより、第2熱媒体流路44→第1流路S1→連通路S3→第2流路S2→第2熱媒体流路44の順に熱媒体が循環する循環経路が形成されている。
【0022】
ペルチェ素子30、第1ポンプP1及び第2ポンプP2は、図示しない制御装置に接続されるとともに、制御装置により制御される。
次に、本実施形態における電池用熱交換器10の作用について説明する。
【0023】
電池モジュール20が使用される場合、寒冷地や冬季など、環境温度が電池モジュール20の駆動に支障をきたすほど低いときには、電池モジュール20の加熱が行われる。制御装置は、ペルチェ素子30の第1面30aが放熱を行い、ペルチェ素子30の第2面30bが吸熱を行うようにペルチェ素子30に電流を流す。ペルチェ素子30の第1面30aが放熱を行うと、基体11の第1面11aを介して第1流路S1を流通する熱媒体が加熱される。第1流路S1を流通する熱媒体は、連通路S3を介して第2流路S2に供給され、第2流路S2を流通する熱媒体は、基体11の第2面11bを介して電池モジュール20を加熱する。
【0024】
また、ペルチェ素子30の第2面30bが吸熱を行うと、第1熱交換器41を流通する熱媒体は、冷却される。ペルチェ素子30の第2面30bは、第1熱交換器41を流通する熱媒体と熱交換されることにより加熱される。そして、ペルチェ素子30の第2面30bにより冷却された熱媒体は、第2熱交換器42を流通することにより外気と熱交換され、再度第1熱交換器41に供給される。
【0025】
電池モジュール20の発熱に伴う放電性能の低下を抑止したいときには、電池モジュール20の冷却が行われる。制御装置は、ペルチェ素子30の第1面30aが吸熱を行い、ペルチェ素子30の第2面30bが放熱を行うようにペルチェ素子30に電流を流す。ペルチェ素子30の第1面30aが吸熱を行うと、基体11の第1面11aを介して第1流路S1を流通する熱媒体が冷却される。第1流路S1を流通する熱媒体は、連通路S3を介して第2流路S2に供給され、第2流路S2を流通する熱媒体は、基体11の第2面11bを介して電池モジュール20を冷却する。
【0026】
また、ペルチェ素子30の第2面30bが放熱を行うと、第1熱交換器41を流通する熱媒体は、加熱される。ペルチェ素子30の第2面30bは、第1熱交換器41を流通する熱媒体と熱交換されることにより冷却される。そして、ペルチェ素子30の第2面30bにより加熱された熱媒体は、第2熱交換器42を流通することにより外気と熱交換され、再度第1熱交換器41に供給される。
【0027】
したがって、上記実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)基体11の内部は第1流路S1と第2流路S2に分割されていれる。そして、第1流路S1を流通する熱媒体は、ペルチェ素子30の第1面30aにより加熱又は冷却され、第2流路S2に流通する。第2流路S2を流通する熱媒体は、電池モジュール20と熱交換を行うことにより電池モジュール20の温度調節を行う。流通領域Sには、ペルチェ素子30の第1面30aにより加熱又は冷却される熱媒体と、電池モジュール20と熱交換を行う熱媒体の2種類の熱媒体が流通する。したがって、単一の電池用熱交換器10内に第1流路S1及び第2流路S2を形成することができ、熱媒体が流通する流路を簡素化することができる。
【0028】
(2)基体11の第1面11aにペルチェ素子30の第1面30aを接合するとともに、基体11の第2面11bに電池モジュール20を接合している。そして、第1流路S1を流通する熱媒体をペルチェ素子30の第1面30aで加熱又は冷却するとともに、第2流路S2を流通する熱媒体により電池モジュール20の温度調節を行っている。すなわち、同一の電池用熱交換器10内を、ペルチェ素子30の第1面30aで加熱又は冷却された熱媒体と、電池モジュール20の温度調節を行う熱媒体の2種類の熱媒体が流通する。したがって、電池モジュール20と、ペルチェ素子30の第1面30aに、別々の熱交換器を接合する必要がなく、部品点数が削減される。
【0029】
(3)電池用熱交換器10は、第1基体形成部材12と第2基体形成部材13の接合部12a,13aで流路形成部材14の一面が第1基体形成部材12と対向するとともに、他面が第2基体形成部材13と対向するように流路形成部材14を挟持することにより形成されている。このため、電池用熱交換器10を容易に形成することができる。
【0030】
(4)流路形成部材14は、第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13に比べて熱伝導率の低い材料から形成されている。このため、第1流路S1を流通する熱媒体と第2流路S2を流通する熱媒体は、互いに熱交換が行われにくい。第1流路S1を流通する熱媒体と、第2流路S2を流通する熱媒体は、反する作用を行う熱媒体である。このため、第2流路S2を流通する熱媒体の電池モジュール20に対する温度調節効率が、第1流路S1を流通する熱媒体と熱交換されることにより低下することが抑制される。
【0031】
(5)ペルチェ素子30の第2面30bには、第1熱交換器41が接合されるとともに、第1熱交換器41は、第1熱媒体流路43により第2熱交換器42により接合されている。このため、第1熱交換器41を流通する熱媒体は、ペルチェ素子30の第2面30bと熱交換され、ペルチェ素子30の第2面30bと熱交換された熱媒体は、第2熱交換器42を流通することにより外部に放熱される。ペルチェ素子30の第1面30aと第2面30bの温度差は、なるべく小さいことが望ましく、温度差が大きくなるにつれ、ペルチェ素子30の熱電変換効率が低下する。ペルチェ素子30の第1面30aと第2面30bの温度差を小さくすることにより、効率よく電池モジュール20の温度調節を行うことができる。
【0032】
(6)第1流路S1に第1フィン15を配設するとともに、第2流路S2に第2フィン16を配設している。このため、熱媒体と電池用熱交換器10の接触面積が増加され、ペルチェ素子30の第1面30a及び電池モジュール20と効率よく熱交換を行うことができる。
【0033】
(7)第1フィン15の基端15aは流路形成部材14に当接するとともに、先端15bは第1基体形成部材12に当接している。同様に、第2フィン16の基端16aは流路形成部材14に当接するとともに、先端16bは第2基体形成部材13に当接している。このため、第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13は、第1フィン15及び第2フィン16により支持され、第1基体形成部材12、第2基体形成部材13及び流路形成部材14の積層方向(図中上下方向)への強度が向上されている。
【0034】
(8)供給口17と、排出口18は同一方向に形成されている。このため、第2熱媒体流路44を迂回させて供給口17と排出口18を接続する必要がない。このため、第2熱媒体流路44が占める領域が少なくなり、省スペース化が図られる。
【0035】
(9)また、同一の電池用熱交換器10内を、ペルチェ素子30の第1面30aに加熱又は冷却される熱媒体と、電池モジュール20の温度調節を行う熱媒体の2種類の熱媒体が流通する。このため、ペルチェ素子30の第1面30aにより加熱又は冷却された熱媒体が、第2流路S2に搬送されるまでの距離が短い。したがって、ペルチェ素子30の第1面30aにより加熱又は冷却された熱媒体が、第2流路S2に搬送されるまでに外気と熱交換され、電池モジュール20に対する加熱性能又は冷却性能が低減されることが抑制される。
【0036】
(10)基体11の第1面11aにペルチェ素子30の第1面30aを接合するとともに、基体11の第2面11bに電池モジュール20を接合している。このため、流路などを介して電池用熱交換器10、ペルチェ素子30及び電池モジュール20を接続する必要がなく、電池用熱交換器10、ペルチェ素子30、電池モジュールの20一体形成が可能となる。
【0037】
なお、実施形態は以下のように変更しても良い。
○ 実施形態において、熱媒体として気体状の熱媒体を用いてもよい。この場合、ポンプを送風機に置換することにより、熱媒体を流通させる。
【0038】
○ 実施形態において、温度調節部品として磁気冷凍機などの単独で冷凍サイクルを持つもの用いてもよい。
○ 実施形態において、第1フィン15、第2フィン16として他のフィンを用いてもよい。例えば、ストレートフィンや、オフセットフィンを用いてもよい。
【0039】
○ 実施形態において、温度調節部品として第1流路S1を流通する熱媒体の加熱のみを行うヒータや、冷却のみを行う冷却器を用いてもよい。
○ 実施形態において、基体11の第2面11bと電池モジュール20は熱的に接続されていればよく、直接接合されていなくてもよい。例えば、基体の第1面11aと電池モジュール20は、フィンなどの熱伝導部材を介して接続されていてもよい。
【0040】
○ 実施形態において、第1流路S1を流れる熱媒体と第2流路S2を流れる熱媒体との熱交換が、電池モジュール20の温度調節に影響を与えない、あるいは与える影響が許容範囲である場合、流路形成部材14は第1基体形成部材12及び第2基体形成部材13と熱伝導率が同等以上の材料から形成されていてもよい。
【0041】
○ 実施形態において、電池用熱交換器10を、第1基体形成部材12、第2基体形成部材13及び流路形成部材14以外から形成してもよい。例えば、筒状をなす流路形成部材を側面視コ字状に形成することにより電池用熱交換器を形成してもよい。
【0042】
○ 実施形態において、第1フィン15及び第2フィン16を配設しなくても電池モジュール20の適切な温度調節が行える場合、第1フィン15及び第2フィン16を配設しなくてもよい。
【0043】
○ 実施形態において、基体11の第2面11bに単数の電池を熱的に接続してもよい。
○ 実施形態において、供給口17と排出口18は、異なる方向に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
S…流通領域、S1…第1流路、S2…第2流路、10…電池用熱交換器、11…基体、11a…第1面、11b…第2面、12…第1基体形成部材、13…第2基体形成部材、14…流路形成部材、20…電池モジュール、30…ペルチェ素子、30a…第1面、30b…第2面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と熱的に接続される電池を温度調節する熱媒体が流通する流通領域を前記基体の内部に形成した電池用熱交換器であって、
前記基体は、前記流通領域を流通する熱媒体を加熱又は冷却する温度調節部品と熱的に接続される第1面と、前記電池と熱的に接続される第2面と、を有し、
前記流通領域は、前記温度調節部品と熱交換を行うための熱媒体が流通する第1流路と、前記電池と熱交換を行うための熱媒体が流通する第2流路に分割されるとともに、前記第1流路と前記第2流路は連通していることを特徴とする電池用熱交換器。
【請求項2】
前記基体は、接合されることにより前記流通領域を形成する第1基体形成部材及び第2基体形成部材とから形成され、前記第1基体形成部材と前記第2基体形成部材に挟持される流路形成部材により前記流通領域が第1流路と第2流路に分割されることを特徴とする請求項1に記載の電池用熱交換器。
【請求項3】
前記流路形成部材は、前記第1基体形成部材及び第2基体形成部材に比べて熱伝導率の低い材料からなることを特徴とする請求項2に記載の電池用熱交換器。
【請求項4】
電池を動力源として走行を行う車両であって、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池用熱交換器を搭載した車両。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−114926(P2013−114926A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260564(P2011−260564)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】