説明

電池配線モジュール

【課題】接続部材と電池周辺に配される部材との接触による短絡を防止した電池配線モジュールを提供する。
【解決手段】電極端子12を有する単電池11を複数個並べてなる単電池群10に取り付けられる電池配線モジュール20は、複数のバスバー21、およびバスバー21を保持する保持部32を有する複数の絶縁樹脂製の保持ユニット31を備える。複数の保持ユニット31は、端部に配される第1保持ユニット31Aと、第1保持ユニット31A以外の第2保持ユニット31Bとからなる。第2保持ユニット31Bの保持部32には、バスバー21を単電池の並び方向に沿って挿入するバスバー挿入部34が設けられる一方、第1保持ユニット31Aの第2保持部83には、バスバー21の全周縁を包囲する包囲壁84が設けられ、バスバー21を第1保持ユニット31Aの単電池群10への組み付け方向に挿入可能とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、正極および負極の電極端子を有する複数の単電池が並んで配置されている。このような電池モジュールにおいては、正極の電極端子(正極端子)と負極の電極端子(負極端子)とがバスバー等の接続部材で接続されることにより複数の単電池が電気的に接続されるようになっている。
【0003】
複数の単電池を電気的に接続するために、例えば、特許文献1に記載されているような電池配線モジュールが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−8955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されている電池配線モジュールでは、バスバーを保持する保持部を有する樹脂製の保持ユニットを複数連結し、各保持ユニットの保持部に上方からバスバーを収容した後に、単電池の電極端子が形成されている端子形成面に保持ユニットを配置して各バスバーと電極端子とが接続されるようになっている。
【0006】
この電池配線モジュールの保持ユニットの保持部においては、バスバーを抜け止めするための係止突部が設けられている(特許文献1の図3を参照)。この係止突部は、保持部の上下方向に形成された2本のスリットの間に形成された弾性片の端部に形成されている。このように、バスバー等の接続部材が、保持部から露出した状態で保持されていると、電池周辺に配される導電性材料からなる部材等との接触により短絡が発生することが懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接続部材と単電池周辺に配される部材との接触による短絡を防止した電池配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
接続部材を組み付け方向(例えば上方)から保持部に挿入するタイプの保持ユニットでは、接続部材を抜けとめするための構造を、上記特許文献1に記載されているように、上方からの接続部材の挿入を妨げない構造(例えば、一対のスリットとスリット間に設けられた弾性変形可能な弾性片とを備える構造)とする必要がある。しかし、接続部材が単電池群の並び方向(横方向)に沿って挿入されるタイプの保持ユニットでは、接続部材を抜け止めするための構造を弾性変形可能な構造とする必要がないので、スリットなどを設けずに、保持部の内壁から内側方向に突出して設けた突部により接続部材を抜け止めすることが可能である。
【0009】
そこで、接続部材を単電池群の並び方向に挿入可能な接続部材挿入部を設けた保持部を有する保持ユニットを複数用いた電池配線モジュールについて検討した。
【0010】
しかしながら、単電池群の並び方向に接続部材を挿入可能な接続部材挿入部を設けた保持部を有する保持ユニットが端部に配置され、接続部材挿入部が最も外側に配置されると、接続部材挿入部から露出した接続部材と、周辺に配される部材等との接触による短絡の発生が懸念される。そこで、さらなる検討を行った結果、本発明に到達した。
【0011】
すなわち本発明は、正極及び負極の電極端子を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、前記電極端子に接続される複数の接続部材、および前記接続部材を保持する保持部を有する複数の絶縁樹脂製の保持ユニットを備え、複数の前記保持ユニットは、端部に配される第1保持ユニットと、前記第1保持ユニット以外の第2保持ユニットとからなり、前記第2保持ユニットの保持部には、前記接続部材を前記単電池の並び方向に沿って挿入する接続部材挿入部が設けられる一方、前記第1保持ユニットの保持部には、前記接続部材の全周縁を包囲する包囲壁が設けられ、前記接続部材を前記第1保持ユニットの前記単電池群への組み付け方向に挿入可能とされる電池配線モジュールである。
【0012】
本発明においては、第2保持ユニットの接続部材挿入部から接続部材が露出していたとしても、端部には、接続部材の全周縁を包囲する包囲壁が設けられた保持部を有する第1保持ユニットが配置される。したがって、本発明によれば、保持ユニットから接続部材が露出しないので、接続部材と単電池周辺に配される部材との接触による短絡を防止することができる。
【0013】
ところで、接続部材を保持ユニットの組み付け方向から挿入するタイプの保持ユニットにおいては、単電池群への組み付け作業の際に、保持ユニットと、単電池群を構成する単電池の電極端子が形成されている面あるいは電極端子との衝突により接続部材が突き上げられて保持ユニットから脱落してしまうことがあり、単電池群への組み付け作業の効率が低下することがあった。
【0014】
しかしながら、本発明によれば、端部に配される第1保持ユニット以外は、接続部材を単電池の並び方向に沿って挿入する接続部材挿入部が設けられた保持部を有する第2保持ユニットであるから、上述したような接続部材の脱落が起こりにくいので、単電池群への組み付け作業の効率が向上する。
【0015】
本発明は以下の構成としてもよい。
前記接続部材は、前記第1保持ユニットの保持部に挿入可能で、かつ、前記第2保持ユニットの前記接続部材挿入部から挿入可能であってもよい。
このような構成とすると、2種の保持ユニットを用いるにもかかわらず、1種類の形状の接続部材を用意すればよいので歩留まりがよい。
【0016】
前記第1保持ユニットの前記包囲壁には、前記第1保持ユニットの保持部に対して前記接続部材を抜け止めする抜け止め部が設けられ、前記第1保持ユニットの前記包囲壁の外側には、前記抜け止め部と対応して、前記接続部材の絶縁状態を保持する絶縁保持部が形成されていてもよい。
【0017】
このような構成とすると、保持ユニットの組み付け方向から挿入される接続部材を抜け止めする抜け止め部を設けるために第1保持ユニットの包囲壁にスリットや切り欠け部分等を形成したとしても、接続部材の絶縁状態が保持されるので、抜け止めを図りつつも、接続部材と単電池周辺に配される部材との接触による短絡を防止することができる。
【0018】
前記第1保持ユニットの保持部には、前記接続部材とともに、電圧検知端子が収容可能とされ、前記第1保持ユニットの前記包囲壁の内壁側には、前記電圧検知端子を係止することにより前記接続部材を抜け止めする端子係止部が突設または凹設されていてもよい。
【0019】
このような構成とすると電圧検知端子を第1保持ユニットの包囲壁に形成した端子係止部に係止することで接続部材が第1保持ユニットに対して抜け止めされるので、一部材に二つの機能を備えることができる。また、端子係止部は包囲壁の内壁側に突設または凹設されているので、包囲壁から接続部材および電圧検知端子が露出しないので絶縁性も保持される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、接続部材と電池周辺に配される部材との接触による短絡を防止した電池配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1の電池モジュールの平面図
【図2】第2保持ユニットの斜視図
【図3】第2保持ユニットの平面図
【図4】第2保持ユニットの係止部を示す要部拡大斜視図
【図5】第1保持ユニットの斜視図
【図6】第1保持ユニットの平面図
【図7】第1保持ユニットの側面図
【図8】接続部材を挿入する前の第1保持ユニットの平面図
【図9】図6のA−A線における断面図
【図10】図6のB−B線における断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10を参照しつつ説明する。本実施形態に係る電池配線モジュール20は、正極及び負極の電極端子12を有する複数個の単電池11を並べてなる単電池群10に取り付けられるものである。なお、図1においては単電池群10の一部(単電池7つ分)を示している。以下、正極の電極端子12を正極端子12A、負極の電極端子12を負極端子12Bといい両者を総括するときは電極端子12という。
【0023】
本実施形態の電池配線モジュール20を単電池群10に取り付けてなる電池モジュールMは、例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車等の、車両(図示せず)の駆動源として使用される。単電池群10を構成する複数個の単電池11は、電池配線モジュール20によって、異なる単電池11の正極端子12Aと負極端子12Bとを電気的に接続することにより、直列に接続されている。以下の説明において図4、図7、図9および図10における上方を上とし下方を下とする。
【0024】
(単電池11)
単電池11は、扁平な直方体形状をなしている。単電池11の上面11Aには、図1に示すように、正極端子12A及び負極端子12Bが形成されている。電極端子12は、金属板材からなる台座(図示せず)と、台座から上方に向かって丸棒状に突出する電極ポスト13Bとを備える。電極ポスト13Bの表面には、図示しないねじ山が形成されている。
【0025】
複数個の単電池11は、隣り合う単電池11の電極端子12の極性が異なるように(正極端子12Aと負極端子12Bとが交互に配されるように)並べられている。電極ポスト13Bはバスバー21(接続部材の一例)の貫通孔23に挿通され、図示しないネジ部材の螺合によりバスバー21に固定されるようになっている。また、これら複数個の単電池11は、単電池群10を構成するように図示しない保持具によって固定されている。
【0026】
(電池配線モジュール20)
電池用配線モジュール20は、単電池群10の図1に示す左右方向に並ぶ二列の電極端子12の列に取り付けられる。電池配線モジュール20は、単電池11の正極端子12A及び負極端子12Bの電極ポスト13Bにそれぞれ挿通されて接続される一対の貫通孔23(接続部)を有する複数のバスバー21と、バスバー21に接続され単電池11の電圧を検知する複数の電圧検知端子25と、バスバー21を保持する保持部32を有する絶縁樹脂製の複数の保持ユニット31と、を備える。
【0027】
(保持ユニット31)
複数の保持ユニット31は、図1に示すように、単電池11の並び方向に沿って並べられ、連結されている。保持ユニット31の連結構造の詳細については後述する。
【0028】
本実施形態において保持ユニット31は、図1に示すように、端部に配されている第1保持ユニット31Aと、第1保持ユニット31A以外の第2保持ユニット31Bとからなる。図1の右端部に配されている保持ユニット31が第1保持ユニット31Aであり、図1に示すその他の保持ユニット31は第2保持ユニット31Bである。以下、第2保持ユニット31B、第1保持ユニット31Aの順に説明する。
【0029】
(第2保持ユニット31B)
第2保持ユニット31Bは、図2および図3に示すように、バスバー21および電圧検知端子25を収容し保持する保持部32と、電圧検知端子25に接続された検知電線Wを導出する導出溝45と、導出溝45から導出された電圧検知端子25の検知電線Wを収容する電線収容部50と、保持部32を覆う第1蓋部41と、電線収容部50を覆う第2蓋部55と、を備えている。これらの部材は一体的に形成されている。以下、第2保持ユニット31Bの各部材について説明する。
【0030】
(第2保持ユニット31Bの保持部32)
第2保持ユニット31Bの保持部32は、図3に示すように、上方に開口すると共に、バスバー21を収容可能に図2における左側方以外の三つの側方を保持する壁部33(33A,33B,33C)と、バスバー21が載置される底壁33Dを備える。
【0031】
底壁33Dは、図2に示すように、保持部32の略中央部分、図示左端部および図示右端部に部分的に設けられており、バスバー21の一部を載置しつつ、バスバー21と電極端子12との電気的な接続を妨げないように設けられている。
【0032】
壁部33の高さ寸法は、詳細は図示しないが、電池配線モジュール20が単電池群10に接続された状態において、電極端子12の上端部よりも高く設定されている。これにより、工具等が正極端子12Aおよび負極端子12Bに接触して、正極端子12Aと負極端子12Bとが工具等を介して短絡することを抑制できるようになっている。
【0033】
壁部33は、バスバー21の長手方向の一対の側縁のうち図2における奥側に配される側縁に沿って配される後壁33Aと、バスバー21の長手方向の一対の側縁のうち、図2における手前側に配される側縁に沿って配される前壁33Bと、バスバー21の短辺方向の一対の側縁のうち図2における右側に配される側縁に沿って配される右側壁33Cとからなる。前壁33Bの長手方向における略中央部には、前壁33Bを2つにわける開口部333が導出溝45に貫通して設けられている。開口部333により2つに分けられた前壁33Bのうち、図2における右側の前壁33Bを右前壁331、図2における左側の前壁33Bを左前壁332とする。
【0034】
さて、本実施形態では、保持部32において、バスバー21の短辺方向の一対の側縁のうち図2における左側に配される側縁(左側縁21A)の配される部分は、壁部33が形成されていない開放端34となっている(図3を参照)。この開放端34からは、バスバー21を単電池11の並び方向(図2の左右方向)に挿入可能となっており、バスバー挿入部34(接続部材挿入部の一例)として機能する。
【0035】
保持部32の右側壁33Cは、隣接する第2保持ユニット31Bに保持されるバスバー21との絶縁状態を保持する絶縁壁33Cとして機能する。
【0036】
前壁33Bおよび後壁33Aの内壁には、それぞれ、図2および図3に示すように、挿入されたバスバー21上下方向への移動を規制して抜け止めする複数の抜け止め部35が内側方向に突出形成されている。
【0037】
後壁33Aの中央よりも開放端34側(図2における左側)の領域には、図2に示すように、保持部32の開放端34(バスバー挿入部)から保持部32内に挿入されたバスバー21を、挿入方向における前方(絶縁壁33C側)に案内するガイド部36が突出形成されている。
【0038】
後壁33Aの中央よりも右側壁33C側(図2における右側)の領域には、電圧検知端子25の上方への移動およびバスバー21挿入方向における前方(図示右方向)への移動を規制する端子係止片37が突出形成されている。端子係止片37はバスバー21挿入方向に沿って突設され、その下側にバスバー21と電圧検知端子25が配置可能とされる。端子係止片37のバスバー21挿入方向における前端には係止突部38が設けられ、この係止突部38により電圧検知端子25の第2突片28B(詳細は後述)が係止されるようになっている。
【0039】
また、本実施形態において、保持部32の後壁33Aには、図6に示すように、スリット等のバスバー21が保持部32の外側に露出する部分は形成されていない。したがって、単電池の並び方向に沿って配される後壁33Aは、バスバー21を保持部32から露出しない状態で保持可能とされ、工具等や周囲の金属部材等との接触による短絡を防止できるようになっている。
【0040】
保持部32の右前壁331には、図4に示すように、2本のスリット39Bが下端部から上方に伸びて形成され、その間に弾性係合片39Aが形成されている。この弾性係合片39Aには、電圧検知端子25を係止する端子係止爪39Cと、バスバー21を係止するバスバー係止爪39Dとが、上下に並んで設けられている。バスバー係止爪39Dは端子係止爪39Cよりも、バスバー21挿入方向における後方(図4では右側)にずれて設けられているが、端子係止爪39Cとバスバー係止爪39Dとは、一部が互いに重なるように設けられている。
【0041】
端子係止爪39Cは、上方から挿入された電圧検知端子25の第1突片28A(詳細は後述)が当接することにより、壁部33の外側方向に弾性変形するが、電圧検知端子25が端子係止爪39Cの下端部よりも下側に配されると弾性復帰し、これにより電圧検知端子25の上方への移動が規制されるようになっている。
【0042】
バスバー係止爪39Dは、開放端34から挿入されたバスバー21の張出部22Aが通過するときには壁部33の外側方向に弾性変形するが、バスバー21の凹み部24が配されると、この凹み部24内に受け入れられ弾性復帰し、これにより、バスバー21がバスバー係止爪39Dにより係止される。本実施形態においては、バスバー21の凹み部24の直上に配置される電圧検知端子25の凹部29もバスバー係止爪39Dにより係止されるようになっている。
【0043】
(第1蓋部41)
保持部32には、図1、図2および図3に示すように、後壁33Aの上端から連なるヒンジ40を介して第1蓋部41が一体に設けられている。第1蓋部41は、ヒンジ40を軸中心として回動可能とされ、第1蓋部41を閉じたときに、保持部32全体及び導出溝45の一部が覆われるようになっている。
【0044】
第1蓋部41のうち、閉蓋時に下側に配される面からは、図2および図3に示すように、一対の第1係止片42が突設されている。第1係止片42は、導出溝45の幅方向両側に設けた第2係止溝47(後述する)と隣り合う位置に形成された第1係止溝46に係止されるようになっている。一対の第1係止片42と隣接する位置には、詳細は後述するが、隣接する保持ユニット31の第1蓋部41を連結する蓋部連結係合片43および蓋部連結被係合部44がそれぞれ設けられている。
【0045】
(導出溝45)
導出溝45は、保持部32から導出された電圧検知端子25のバレル部26Bと、バレル部26Bに圧着された検知電線Wが配される部材であり、保持部32と電線収容部50とを連通する溝状の部材である。導出溝45は凹状をなしており、単電池11の並び方向と略垂直な方向に設けられている。詳しくは、導出溝45は、保持部32の前壁33Bの開口部333を貫通して保持部32と連通するとともに、電線収容部50の後側溝壁部52A(詳細は後述)の開口部52Cを貫通して電線収容部50に連通するように設けられている。
【0046】
(電線収容部50)
電線収容部50は、単電池11の並び方向に延びる一対の溝壁部52および一対の溝壁部52をつなぐ底壁部53によって断面凹状に構成されている。保持ユニット31同士を連結することで、電線収容部50が連結され、単電池11の並び方向に連通する1本の溝(電線収容溝51)が形成される。
【0047】
各保持ユニット31の導出溝45から導出された各検知電線Wは、略直角に屈曲されて、電線収容部50の延設方向に沿って収容されるようなっている。電線収容部50に収容された複数の検知電線Wは、図示しない監視ECU側へ導出される。
【0048】
ここで、監視ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等を検出して、各単電池11の監視制御等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0049】
一対の溝壁部52のうち導出溝45側の溝壁部を後側溝壁部52Aとし、もう一方の溝壁部を前側溝壁部52Bとする。後側溝壁部52Aは保持部32の前壁33Bと対応して設けられており、弾性片39Aの両側に形成したスリット39Bや弾性片39Aの下端と底壁33Dの間のスリット状の切り欠け部分からバスバー21や電圧検知端子25が露出したとしても、周辺に配される導電性の部材等と接触しないようになっている。
【0050】
後側溝壁部52Aには後壁溝壁部を2つにわける開口部52Cが設けられており、当該開口部52Cには導出溝45が貫通している。前側溝壁部52Bにはヒンジ54を介して電線収容部50を覆う第2蓋部55が連設されている。
【0051】
(第2蓋部55)
電線収容部50には、図2および図3に示すように、前側溝壁部52Bの側面から連なるヒンジ54を介して第2蓋部55が一体に設けられている。第2蓋部55は、ヒンジ54を軸中心として回動可能とされ、第2蓋部55を閉じたときに、電線収容部50全体が覆われるようになっている(図1参照)。第2蓋部55の側縁には、閉蓋時に導出溝45をその上方から覆うとともに、第2蓋部55を係止する一対の第2係止片57が設けられた延出蓋部56が延設されている。第2係止片57は延出蓋部56の幅方向における両側縁から突設されている。第2係止片57は、導出溝45の幅方向両側に設けた第2係止溝47により係止されるようになっている。
【0052】
本実施形態では、第2蓋部55を閉じたのちに第1蓋部41を閉じると、第2蓋部55の延出蓋部56の一部と第1蓋部41の一部が重なり合って、導出溝45は第2蓋部55の延出蓋部56と第1蓋部41とで二重に蓋をされた状態となる。これにより、保持ユニット31の上部全域を、蓋部41,55により覆った状態に維持することができる。
【0053】
(第2保持ユニット31Bの連結構造)
次に、隣り合う保持ユニット31同士を連結するための連結構造について説明する。第2保持ユニット31Bの一対の第1係止溝46と隣接する位置には、図2及び図3に示すように、隣り合う保持ユニット31同士を連結する連結係合爪48と、連結係合爪48と係合可能な連結係合凹部49が設けられている。図示右側の第1係止溝46の右側に連結係合爪48が設けられ、図示左側の第1係止溝46の左側に連結係合凹部49が設けられている。
【0054】
隣り合う保持ユニット31のうち、一方の保持ユニット31の連結係合爪48の形成された一対の弾性片48Aを、他方の保持ユニット31の連結係合凹部49に挿入すると、一対の弾性片48Aが近づく方向に弾性変形しながら挿入され、連結係合凹部49内の所定位置まで挿入されると弾性片48Aが弾性復帰することで係合されるようになっている。
【0055】
また、第2保持ユニット31Bの第1蓋部41の一対の第1係止片42の両側には、図2および図3に示すように、隣り合う保持ユニット31の第1蓋部41同士を連結する蓋部連結部43,44が設けられている。第1蓋部41の図4における右端部には、蓋部連結係合片43が形成されており、第1蓋部41の図4における左端部には蓋部連結被係合部44が設けられている。
【0056】
蓋部連結係合片43の端部には、相手方となる蓋部連結被係合部44,68の連結係合孔44B,68Bに係合される連結係合突部43Aが形成されている。蓋部連結被係合部44は、蓋部連結係合片43,91を挿通可能に、保持ユニット31の連結方向に貫通する係合片挿通部44Aと、係合片挿通部44Aに隣接して設けられ蓋部連結係合片43,91の連結係合突部43Aを受け入れて係合可能な連結係合孔44Bと、を備える。蓋部連結被係合部44の係合片挿通部44Aに蓋部連結係合片43を挿通させて、連結係合突部43Aを連結係合孔44Bに係合させることで、互いに隣り合う第1蓋部41同士を連結することができる。
【0057】
(バスバー21)
第2保持ユニット31Bの保持部32に保持されるバスバー21は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属からなる板材を所定形状にプレス加工してなる。バスバー21の表面には、スズ、ニッケル等に金属がメッキされていてもよい。バスバー21の長手方向(図3および図4における左右方向)の寸法は、隣り合う単電池11の電極端子12A,12B間の寸法に応じて設定される。
【0058】
バスバー21には、図2に示すように、所定の間隔を空けて一対の貫通孔23が形成されている。一対の貫通孔23内には、単電池11の電極端子12の電極ポスト13Bがそれぞれ挿通される。本実施形態における貫通孔23は、単電池11の並び方向(図1における左右方向)を長手方向とする長円状をなしている。本実施形態においては、長円状の貫通孔23により、単電池11の製造公差や組み付け公差に起因する隣り合う電極端子12A,12B間のピッチのずれを吸収可能となっている。
【0059】
また、バスバー21は、図3に示すように、長方形状の平板の4つの角部を面取りした形状をなしており、各保持ユニット31の保持部32内に円滑に挿入できるようになっている。
【0060】
バスバー21の長手方向の一対の端面には、その両端部に図2に示すように、バスバー21の幅方向(短辺の方向)に張り出す上面視台形状の張出部22が形成されている。バスバー21の長手方向の一対の端面には台形状の張出部22と隣接して凹み部24が形成されている。
【0061】
バスバー21に形成された図2における手前側の2つの張出部22のうち、右側の張出部22Aは、隣接する凹み部24に受け入れられた保持部32のバスバー係止爪39Dにより係止されるようになっている。
【0062】
(電圧検知端子25)
第2保持ユニット31Bの保持部32において、バスバー21の上に重ね合わされる電圧検知端子25は、図3に示すように、平板状の本体部26Aと、本体部26Aから連なり検知電線Wが圧着されるバレル部26Bを備える。本体部26Aの中心部には、バスバー21の一対の貫通孔23のいずれか一方と重なるように配されて、バスバー21の一方の貫通孔23に挿通される電極端子12の電極ポスト13Bを挿通可能な挿通孔27が貫通して形成されている。挿通孔27は、バスバー21の貫通孔23よりもわずかに大きく形成されている。
【0063】
電圧検知端子25のバレル部26Bが形成されている端縁と、この端縁と対向する端縁には、それぞれ外側方向に張り出す突片28が形成されている。バレル部26B側の端縁に形成された2つの突片28のうち図2における右側の突片28A(第1突片28A)は、保持部32の端子係止爪39Cにより係止され、これにより電圧検知端子25の上方への移動が規制されるようになっている。バレル部26B側の端縁に形成された2つの突片28の間には、切り欠きにより凹部29が形成されており、この電圧検知端子25の凹部29は、対応するバスバー21の凹み部24の一部と重なり合うように配され、バスバー係止爪39Dを受け入れ可能とされる。
【0064】
バレル部26B側の端縁と対向する端縁に形成された突片28(第2突片28B)は、保持部32の端子係止片37により係止され、これにより電圧検知端子25の上下方向の移動が規制される。
【0065】
電圧検知端子25は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。電圧検知端子25の表面は、スズ、ニッケル等の金属によってメッキされていてもよい。
【0066】
電圧検知端子25に接続された検知電線Wは、保持ユニット31の電線収容部50に収容されて、図1の右方に設けられた監視ECUに接続される。
【0067】
(第1保持ユニット31A)
次に第1保持ユニット31Aについて説明する。第1保持ユニット31Aは、図1、図5および図6に示すように、バスバー21および電圧検知端子25を収容し保持する保持部60,83、電圧検知端子25に接続された検知電線Wを導出する導出溝72,92、および導出溝72,92から導出された電圧検知端子25の検知電線Wを収容する電線収容部76,95を、それぞれ2つずつ備えている。第1保持ユニット31Aにおいて、2つの電線収容部76,95は第1保持ユニット31Aの略中央に形成された連結部98により連なっており、2つの保持部60,83は、それぞれ蓋部66,69,89により覆われるようになっている。そして、これらの部材は一体的に形成されている。
【0068】
以下、第1保持ユニット31Aの各部材について説明する。第1保持ユニット31Aの2つの保持部60,83のうち、図1において奥側に示されている保持部60を第1保持部60とし、図1において手前側に示されている保持部83を第2保持部83とする。
【0069】
(第1保持ユニット31Aの第1保持部60)
第1保持部60には電極端子12と外部機器(図示せず)とを接続するための外部接続バスバー80が収容されている。この第1保持部60の左側には、隣接する第2保持ユニット31Bの保持部32の右側壁84Dが配されることで、当該第2保持ユニット31Bに保持されているバスバー21と第1保持部60の外部接続バスバー80とは非接触状態に保持されている。
【0070】
第1保持部60は、図5に示すように、上方に開口すると共に、外部接続バスバー80を保持可能に形成された図6における手前側の壁(前壁61A)および図6における奥側の壁(後壁61B)と、外部接続バスバー80が載置される底壁61Cを備える。
【0071】
底壁61Cは、図8に示すように、第1保持部60の右側部分、図示左端部に部分的に設けられている。前壁61Aおよび後壁61Bの高さ寸法は、電池配線モジュール20が単電池群10に接続された状態において、電極端子12の上端部よりも高く設定されており、電極端子12と工具等との接触による短絡を防止している。
【0072】
前壁61Aの長手方向における略中央部には、前壁61Aを2つにわける開口部613が第1導出溝72に貫通して設けられている。開口部613より2つに分けられた前壁61Aのうち、図6における右側の前壁61Aを右前壁611、図6における左側の前壁61Aを左前壁612とする。
【0073】
後壁61Bの図6における左側の端部においては、上面視三角形状の第1抜け止め突部62が後壁61Bの内壁面から突設されている。この第1抜け止め突部62の側面には、2本のスリット62Aと、2本のスリット62Aの間に形成され外部接続バスバー80の上方への移動を規制する弾性片62Bとが形成されている。この弾性片62Bは、第1保持部60の上方から挿入された外部接続バスバー80の端部に当接すると第1抜け止め突部62内に弾性変形し、外部接続バスバー80が底壁61Cに載置されると弾性復帰して外部接続バスバー80の上下方向の移動を規制し抜け止めする。
【0074】
後壁61Bの第1抜け止め突部62と隣り合う位置には後壁61Bの内壁面から突設され電圧検知端子の第2突片を受け入れて係止する端子係止部63が設けられている。第1抜け止め突部62および端子係止部63は後壁61Bの内壁から突設されており、後壁61Bから外部接続バスバー80は露出しないようになっているので、工具等や周囲の金属部材等との接触による短絡を防止できるようになっている。
【0075】
左前壁612には、2本のスリット(図示せず)が下端部から上方に伸びて形成され、その間に外部接続バスバー80を抜け止めする第1抜け止め片64が形成されている。この第1抜け止め片64は、第1保持部60の上方から挿入された外部接続バスバー80の端部に当接すると前壁61Aの外側方向に弾性変形し、外部接続バスバー80が底壁61Cに載置されると弾性復帰して外部接続バスバー80の上下方向の移動を規制し抜け止めする。
【0076】
第1保持部60には、図5および図6に示すように、後壁61Bの上端から連なるヒンジ65を介して2つの蓋部66,69がそれぞれ設けられている。2つの蓋部は66,69それぞれヒンジ65を軸中心として回動可能とされる。
【0077】
図6における左側に設けられている左蓋部66を閉じると第1保持部60の左側半分の領域と、第1導出溝72と、第1電線収容部76の一部が覆われるようになっている。
【0078】
左蓋部66のうち、閉蓋時に下側に配される面からは、図5および図6に示すように、一対の左蓋係止片67が突設されている。左蓋係止片67は、第1導出溝72の幅方向両側に設けた第3係止溝73(後述する)に係止されるようになっている。
【0079】
一対の左蓋係止片67と隣接する位置には、隣接する第2保持ユニット31Bの第1蓋部41に形成された蓋部連結係合片43を受け入れて係合可能な蓋部連結被係合部68が設けられている。蓋部連結被係合部68は第2保持ユニット31Bの第1蓋部41に形成されている蓋部連結被係合部44と同様の構成であり、隣接する第2保持ユニット31Bの第1蓋部41に形成した蓋部連結係合片43を挿通可能に、保持ユニット31の連結方向に貫通する係合片挿通部68Aと、係合片挿通部68Aに隣接して設けられ蓋部連結係合片43の連結係合突部43Aを受け入れて係合可能な連結係合孔68Bと、を備える。
【0080】
図6における右側に設けられている右蓋部69の略中央には第1保持部60に保持されている外部接続バスバー80の外部端子接続孔81Aに挿通されるボルト状の外部接続端子82が挿通可能な接続端子挿通孔71が形成されている。右蓋部69のうち、閉蓋時に下側に配される面からは、図5および図6に示すように、右蓋係止片70が突設されている。右蓋係止片70は、第3係止溝73の隣に設けた第4係止溝74(後述する)に係止されるようになっている。右蓋部69を閉じた状態では第1保持部60の右半分の領域が覆われるが、接続端子挿通孔71から外部接続端子82が突出するようになっている。
【0081】
(第1導出溝72)
第1導出溝72は、第1保持部60から導出された電圧検知端子25のバレル部26Bと、バレル部26Bに圧着された検知電線Wが配される部材であり、第1保持部60と第1電線収容部76とを連通する溝状の部材である。第1導出溝72は凹状をなしており、単電池11の並び方向と略垂直な方向に設けられている。詳しくは、第1導出溝72は、第1保持部60の前壁61Aの開口部613を貫通して第1保持部60と連通するとともに、第1電線収容部76の後側溝壁部77Aの開口部77Cを貫通して第1電線収容部76に連通するように設けられている。
【0082】
第1導出溝72の両側には、図5及び図6に示すように、一対の左蓋係止片67を受け入れて係止する一対の第3係止溝73が形成されており、右側の第3係止溝73と隣接する位置には、右蓋係止片70を受け入れて係止する第4係止溝74が形成されている。
【0083】
また、第1導出溝72の左側に形成された第3係止溝73と隣接する位置には、図5及び図6に示すように、隣接する第2保持ユニット31Bの連結係合爪48と係合可能な連結係合凹部75が設けられている。隣接する第2保持ユニット31Bの連結係合爪48の形成されている一対の弾性片48Aを、第1保持ユニット31Aの連結係合凹部49に挿入すると、一対の弾性片48Aが近づく方向に弾性変形しながら挿入され、連結係合凹部75内の所定位置まで挿入されると弾性片48Aが弾性復帰することで係合されるようになっている。
【0084】
(第1電線収容部76)
第1電線収容部76は、単電池11の並び方向に延びる一対の溝壁部77(後側溝壁部77A、前側溝壁部77B)および一対の溝壁部77をつなぐ底壁部78によって断面凹状に構成されている。隣接する第2保持ユニット31Bに連結することで、第2保持ユニット31Bの電線収容部50と第1保持ユニット31Aの第1電線収容部76とが連結され、単電池11の並び方向に連通する1本の溝(電線収容溝51)が形成される。
【0085】
第1導出溝72から導出された検知電線Wは、他の検知電線Wとともに、略直角に屈曲されて、第1電線収容部76に収容されるとともに、監視ECU側へ導出される。
【0086】
第1導出溝72側の後側溝壁部77Aは第1保持部60の前壁61Aと対応して設けられており、第1抜け止め片64の両側に形成したスリットや第1抜け止め片64の下端と底壁61Cの間のスリット状の切り欠け部分から外部接続バスバー80や電圧検知端子25が露出したとしても、周辺に配される導電性の部材等と接触しないようになっている。
【0087】
(外部接続バスバー80)
第1保持ユニット31Aの第1保持部60に保持される外部接続バスバー80は、図6に示すように、左側に電極端子12の電極ポスト13Bが挿通される貫通孔81Aが形成され、右側に外部機器と接続されるボルト状の外部接続端子82を挿通可能な外部端子接続孔81Bが突出形成されている。外部接続バスバー80の貫通孔81Aも、バスバー21の貫通孔23と同様に、単電池11の並び方向(図1における左右方向)を長手方向とする長円状をなしており、単電池11の製造公差や組み付け公差に起因する隣り合う電極端子12A,12B間のピッチのずれを吸収可能となっている。外部接続バスバー80は、上述した第2保持ユニット31Bの保持部32に保持されるバスバー21と同様の材料から構成される。
【0088】
(電圧検知端子25)
第1保持ユニット31Aの第1保持部60に保持される電圧検知端子25は第2保持ユニット31Bに保持されるものと同じ構成のものである。電圧検知端子25は、第1保持部60において、第2突片28Bが第1保持部60の後壁61Bの端子係止部63に受け入れられて係止されるようになっている。
【0089】
(第1保持ユニット31Aの第2保持部83)
第2保持部83(第1保持ユニット31Aの保持部の一例)には電極端子12,12間を接続するバスバー21が収容されている。この第2保持部83の左側には、隣接する第2保持ユニット31Bの開放端34が配されている。しかしながら、第1保持ユニット31Aの第2保持部83にはバスバー21の全周縁を包囲する包囲壁84(包囲壁84の一例)が設けられているので、第2保持ユニット31Bに保持されているバスバー21とは非接触状態である。
【0090】
第2保持部83は、図5および図6に示すように、上方に開口すると共に、バスバー21の全周縁を包囲する包囲壁84(84A,84B,84C,84D)と、バスバー21が載置される底壁84Eとを備える。
【0091】
底壁84Eは、図8に示すように、第2保持部83の図示左右の端部と中央部分に部分的に設けられており、バスバー21の一部を載置しつつ、バスバー21と電極端子12との電気的な接続を妨げないように設けられている。
【0092】
包囲壁84の高さ寸法は、詳細は図示しないが、電池配線モジュール20が単電池群10に接続された状態において、電極端子12の上端部よりも高く設定されている。これにより、工具等が正極端子12Aおよび負極端子12Bに接触して、正極端子12Aと負極端子12Bとが工具等を介して短絡することを抑制できるようになっている。
【0093】
包囲壁84は、バスバー21の長手方向の一対の側縁のうち図6における奥側に配される側縁に沿って配される後壁84Bと、バスバー21の長手方向の一対の側縁のうち、図6における手前側に配される側縁に沿って配される前壁84Aと、バスバー21の短辺方向の一対の側縁のうち図6における右側に配される側縁に沿って配される右側壁84Dと、バスバー21の短辺方向の一対の側縁のうち図6における左側に配される側縁に沿って配される左側壁84Cとからなる。
【0094】
後壁84Bの長手方向における略中央部には、後壁84Bを2つにわける開口部843が第2導出溝92に貫通して設けられている。開口部843により2つに分けられた後壁84Bのうち、図6における右側の後壁84Bを右後壁841、図6における左側の後壁84Bを左後壁842とする。
【0095】
前壁84Aの図6における右側の端部においては、上面視三角形状の第2抜け止め突部85が内壁面から第2保持部83内に突設されている。詳細は図示しないが、第2抜け止め突部85には、第2保持部83の上方から挿入されたバスバー21の端部に当接すると第2抜け止め突部85内に弾性変形し、バスバー21が底壁84Eに載置されると弾性復帰してバスバー21の上下方向の移動を規制し抜け止めする弾性片85Bが形成されている。
【0096】
前壁84Aの中央よりも図6における左側寄りの領域には、前壁84Aの内壁面から突設され電圧検知端子25の第2突片28Bを受け入れて係止する端子係止部86が設けられている。前壁84Aに形成された第2抜け止め突部85および端子係止部86は前壁84Aの内壁から突設されており、バスバー21は前壁84Aから露出しないようになっているので、工具等や周囲の金属部材等との接触による短絡を防止できるようになっている。
【0097】
右後壁841および左後壁842には、図5、図9および図10に示すように、2本のスリット87Aが下端部から上方に伸びて形成されており、2本のスリット87Aの間にはバスバー21を抜け止めする第2抜け止め片87(抜け止め部の一例)がそれぞれ形成されている。この第2抜け止め片87は、第2保持部83の上方から挿入されたバスバー21の端部に当接すると後壁84Bの外側方向に弾性変形し、バスバー21が底壁84Eに載置されると弾性復帰してバスバー21の上下方向の移動を規制し抜け止めする。
【0098】
第2保持部83には、図5〜図8に示すように、前壁84Aの上端から連なるヒンジ88を介して第3蓋部89が設けられている。第3蓋部89はヒンジ88を軸中心として回動可能とされる。第3蓋部89を閉じると第2保持部83の全領域と、第2導出溝92と、第2電線収容部95が覆われるようになっている。
【0099】
第3蓋部89のうち、閉蓋時に下側に配される面からは、図5および図7に示すように、一対の第3蓋部係止片90が突設されている。第3蓋部係止片90は、第2導出溝92の幅方向両側に設けた第5係止溝93(後述する)に係止されるようになっている。
【0100】
一対の第3蓋部係止片90と隣接する位置には、隣接する第2保持ユニット31Bの第1蓋部41に形成された蓋部連結被係合部44に受け入れられる蓋部連結係合片91が設けられている。蓋部連結係合片91は第2保持ユニット31B31Aの第1蓋部41に形成されている蓋部連結係合片43と同様の構成であり、蓋部連結係合片91の端部には、隣接する第2保持ユニット31Bの第1蓋部41に形成した蓋部連結被係合部44の連結係合孔44Bに係合される連結係合突部(図示せず)が形成されている。
【0101】
したがって、第3蓋部89の蓋部連結係合片91を、隣接する第2保持ユニット31Bの蓋部連結被係合部44の係合片挿通部44Aに挿通させて、連結係合突部を連結係合孔44Bに係合させることで、第3蓋部89と第2保持ユニット31Bの第1蓋部とを連結することができる。
【0102】
(第2導出溝92)
第2導出溝92は、第2保持部83から導出された電圧検知端子25のバレル部26Bと、バレル部26Bに圧着された検知電線Wが配される部材であり、第2保持部83と第2電線収容部95とを連通する溝状の部材である。第2導出溝92は凹状をなしており、単電池11の並び方向と略垂直な方向に設けられている。詳しくは、第2導出溝92は、第2保持部83の後壁84Bの開口部843を貫通して第2保持部83と連通するとともに、第2電線収容部95の前側溝壁部96Bの開口部96Cを貫通して第2電線収容部95に連通するように設けられている。
【0103】
第2導出溝92の左側に形成された第5係止溝93と隣接する位置には、図5及び図6に示すように、隣接する第2保持ユニット31Bの連結係合凹部49と係合可能な連結係合爪94が設けられている。連結係合爪94は第2保持ユニット31Bの連結係合爪48と同様に、一対の弾性片94Aの端部に形成されている。この一対の弾性片94Aを、隣接する第2保持ユニット31Bの連結係合凹部49に挿入すると、一対の弾性片94Aが近づく方向に弾性変形しながら挿入され、連結係合凹部49内の所定位置まで挿入されると弾性片94Aが弾性復帰することで係合されるようになっている。
【0104】
(第2電線収容部95)
第2電線収容部95は、単電池11の並び方向に延びる一対の溝壁部96および一対の溝壁部96をつなぐ底壁部97によって断面凹状に構成されている。第1保持ユニット31Aを隣接する第2保持ユニット31Bに連結することで、第2保持ユニット31Bの電線収容部50と第1保持ユニット31Aの第1電線収容部76とが連結され、単電池11の並び方向に連通する1本の溝(電線収容溝51)が形成される。
【0105】
第2導出溝92から導出された検知電線Wは、他の検知電線Wとともに、略直角に屈曲されて、第2電線収容部95に収容されるとともに、監視ECU側へ導出される。
【0106】
第2導出溝92側の前側溝壁部96Bは第2保持部83の後壁84Bと対応して設けられており、第2抜け止め片87の両側に形成したスリット87Aや第2抜け止め片87の下端と底壁84Eの間のスリット状の切り欠け部分からバスバー21や電圧検知端子25が露出したとしても、周辺に配される導電性の部材等と接触しないようになっている(第2電線収容部95の前側溝壁部96Bは絶縁保持部の一例)。
【0107】
(バスバー21)
第1保持ユニット31Aの第2保持部83に保持されるバスバー21は、図1および図6に示すように、第2保持ユニット31Bに保持されるバスバー21と同形同大で、同一の材料から構成されるものである。
【0108】
(電圧検知端子25)
第1保持ユニット31Aの第2保持部83に保持される電圧検知端子25は、第2保持ユニット31Bに保持されるものおよび第1保持ユニット31Aの第1保持部60に保持されるものと同じ構成のものである。第2保持部83に保持される電圧検知端子25の第2突片28Bは、第2保持部83の前壁84Aの端子係止部86に受け入れられて係止されるようになっている。
【0109】
(電池配線モジュール20の組み付け方法)
次に電池配線モジュール20の組み付け方法について説明する。
まず、第2保持ユニット31Bにバスバー21を取り付け、第1保持ユニット31Aにバスバー21および外部接続バスバー80を取り付ける。
【0110】
第2保持ユニット31Bの保持部32の開放端34から、バスバー21を保持部32内に差し込むと、バスバー21は、保持部32の後壁33Aに形成されたガイド部36により、図2における右方向に案内される。バスバー21の張出部22Aと前壁33Bに形成されたバスバー係止爪39Dとが当接すると、バスバー係止爪39Dが壁部33の外側方向に撓み変形する。
【0111】
さらにバスバー21を前方(図2における右方向)に挿入し、バスバー21の凹み部24がバスバー係止爪39Dに至るとバスバー21の凹み部24内に、バスバー係止爪39Dが受け入れられて、バスバー係止爪39Dが弾性復帰し、バスバー21の張出部22Aの端面とバスバー係止爪39Dとの当接により、バスバー21の挿入方向における前後方向への移動が規制される。また、バスバー21は、壁部33に設けた抜け止め部35により、上下方向への移動が規制され抜け止めされる。
【0112】
第1保持ユニット31Aの第1保持部60の上方から、外部接続バスバー80を第1保持部60内に挿入すると、外部接続バスバー80が、後壁61Bの第1抜け止め突部62に形成された弾性片62Bおよび左前壁612に形成された第1抜け止め片64に当接し、弾性片62Bは第1抜け止め突部62内に撓み変形し、第1抜け止め片64が第1保持部60の外側方向に撓み変形する。さらに外部接続バスバー80を挿入して底壁61Cに載置すると、弾性片62Bおよび第1抜け止め片64が弾性復帰して、外部接続バスバー80は、第1抜け止め突部62および第1抜け止め片64により上下方向の移動が規制され抜け止めされる。
【0113】
第1保持ユニット31Aの第2保持部83の上方から、バスバー21を第2保持部83内に挿入すると、バスバー21が、第2保持部83内に突設された第2抜け止め突部85に形成されている弾性片85B、右後壁841に形成された第2抜け止め片87、および左後壁842に形成された第2抜け止め片87に当接し、弾性片85Bは第2抜け止め突部85内にたわみ変形し、各第2抜け止め片87は第2保持部83の外側方向にたわみ変形する。さらにバスバー21を挿入して底壁84Eに載置すると、弾性片85Bおよび2つの第2抜け止め片87が弾性復帰して、バスバー21は、第2抜け止め突部85および2つの第2抜け止め片87により上下方向の移動が規制され抜け止めされる。
【0114】
次に、隣り合う保持ユニット31同士を連結する。各保持ユニット31の蓋部(第1蓋部41、第2蓋部55、第3蓋部89、右蓋部69、左蓋部66)を開いた状態で、保持ユニット31の連結係合爪48,94の形成された一対の弾性片48A,94Aを、隣り合う保持ユニット31の連結係合凹部49,75に挿入すると、一対の弾性片48A,94Aが近づく方向に弾性変形しながら挿入され、連結係合凹部49,75内の所定位置まで挿入されると弾性片48A,94Aが弾性復帰することで係合され、保持部32,60,83および電線収容部50,76,95がそれぞれ連結される。
【0115】
端部では、第2保持ユニット31Bの保持部32と第1保持ユニット31Aの第1保持部60、および、第2保持ユニット31Bの保持部32と第1保持ユニット31Aの第2保持部83が連結される。また端部では、第2保持ユニット31Bの電線収容部50と第1保持ユニット31Aの第1電線収容部76および第2保持ユニット31Bの電線収容部50と第1保持ユニット31Aの第2電線収容部95が連結される。
【0116】
さらに、隣り合う保持ユニット31の蓋部連結被係合部44,68の係合片挿通部44A,68Aに蓋部連結係合片43,91を挿通させたのち、連結係合突部43Aを連結係合孔44B,68Bに係合させる。すると、互いに隣り合う第1蓋部41同士、隣り合う第1蓋部と第3蓋部89、および隣り合う第1蓋部と左蓋部66が連結される。
【0117】
バスバー21を保持させた第2保持ユニット31Bを、複数個連結することにより、隣り合う位置に配されるバスバー21の間には、保持ユニット31の絶縁壁33Cが配されるので、保持部32に開放端34が設けられていたとしても、バスバー21同士が接触することはない。
【0118】
また、第2保持ユニット31Bと第1保持ユニット31Aとを連結することにより、図1に示す奥側において隣り合うバスバー21と外部接続バスバー80との間には第2保持ユニット31Bの絶縁壁33Cが配されるので、バスバー21と外部接続バスバー80が接触することはない。
【0119】
さらに、第2保持ユニット31Bと第1保持ユニット31Aとを連結することにより、図1に示す手前側において隣り合うバスバー21間には第1保持ユニット31Aの左側壁84Cが配されるので、バスバー21同士が接触することはない。
【0120】
次に、電圧検知端子25を、保持部32に収容されたバスバー21の上へと嵌め込むとともに、導出溝45から電圧検知端子25に圧着された検知電線Wを電線収容部50(電線収容溝51)へと導出することにより、電圧検知端子25を取り付ける。
【0121】
同様に、電圧検知端子25を、第1保持部60に収容された外部接続バスバー80の上および第2保持部83に収容されたバスバー21の上にそれぞれ嵌め込むとともに、各導出溝(第1導出溝72および第2導出溝92)から電圧検知端子25に圧着された検知電線Wを第1電線収容部76および第2電線収容部95(電線収容溝51)へと導出することにより、電圧検知端子25を取り付ける。
【0122】
電圧検知端子25を保持部32に取り付ける際には、まず、電圧検知端子25の第2突片28Bを端子係止片37の下方に差し込むと、電圧検知端子25の第2突片28Bが、端子係止片37の係止突部38により、上方およびバスバー21の挿入方向における前後方向への移動を規制され位置決めされる。
【0123】
さらに、電圧検知端子25のバレル部25B側の端縁を、保持部32に対して上方から押し込んでいく。すると、電圧検知端子25と弾性係合片39Aの端子係止爪39Cが当接して、端子係止爪39Cが壁部33の外側方向に撓み変形する。さらに電圧検知端子25を下方に押し込んで、電圧検知端子25が端子係止爪39Cの下端部よりも下側に配されると、端子係止爪39Cが弾性復帰して電圧検知端子25の上に張り出すことで、電圧検知端子25の上下方向への移動が規制される。
【0124】
電圧検知端子25を第1保持部60に取り付ける際には、まず、電圧検知端子25の第2突片28Bを端子係止部63に差し込むと、電圧検知端子25の第2突片28Bが、端子係止部63により、上方およびバスバー21の挿入方向における前後方向への移動を規制され位置決めされる。さらに、電圧検知端子25のバレル部25B側の端縁を、第1保持部60に対して上方から押し込んでいく。すると、電圧検知端子25と第1抜け止め片64とが当接して、第1抜け止め片64が第1保持部60の外側方向に撓み変形する。さらに電圧検知端子25を下方に押し込んで、電圧検知端子25が第1抜け止め片64の下端部よりも下側に配されると、第1抜け止め片64が弾性復帰して電圧検知端子25の上に張り出すことで、電圧検知端子25の上下方向への移動が規制される。
【0125】
電圧検知端子25を第2保持部83に取り付ける際には、まず、電圧検知端子25の第2突片28Bを端子係止部86に差し込むと、電圧検知端子25の第2突片28Bが、端子係止部86により、上方およびバスバー21の挿入方向における前後方向への移動を規制され位置決めされる。さらに、電圧検知端子25のバレル部25B側の端縁を、第2保持部83に対して上方から押し込んでいく。すると、電圧検知端子25と左後壁842の第2抜け止め片87とが当接して、第2抜け止め片87が第2保持部83の外側方向に撓み変形する。さらに電圧検知端子25を下方に押し込んで、電圧検知端子25が第2抜け止め片87の下端部よりも下側に配されると、第2抜け止め片87が弾性復帰して電圧検知端子25の上に張り出すことで、電圧検知端子25の上下方向への移動が規制される。すべての電圧検知端子25の取付作業が終了したら電池配線モジュール20が完成する。
【0126】
次に電池配線モジュール20を単電池群10に組み付ける。隣り合う単電池11の隣り合う電極端子12が異なった極性となるように並べて単電池群10を作製しておき、単電池群10に電池配線モジュール20を組み付ける。具体的には、各バスバー21の貫通孔23、外部接続バスバー80の貫通孔81A及びこの貫通孔23,81Aと重なり合う電圧検知端子25の挿通孔27に、単電池11の電極端子12(電極ポスト13B)を挿通させる。外部接続バスバー80の外部端子接続孔80Bには外部接続端子82を挿通させる。
【0127】
このとき、第2保持ユニット31Bにおいては、バスバー21が、単電池11の並び方向に沿って挿入され、かつ、抜け止め部35により保持部32に対して上下方向に移動を規制された状態で保持されているので、電池配線モジュール20と単電池11の電極ポスト13Bや上面11A(端子形成面)が衝突したとしても、バスバー21が突きあげられにくくなっており、円滑に作業を進めることができる。
【0128】
貫通孔23、又は貫通孔23及び挿通孔27を電極ポスト13Bに挿通させてバスバー21を電極端子12の台座に接触させるように配して、各電極ポスト13Bに図示しないネジ部材を螺合して固定する。このとき、各保持ユニット31の壁部33の高さは、電極ポスト13Bよりも高く形成されているので、電極ポスト13Bにネジ部材を螺合させる作業に用いる工具が落下、接触したとしても短絡が発生することはない。
【0129】
上記の作業を繰り返して、電極ポスト13Bにネジ部材を固定し終わったら、単電池群10は電気的に接続可能となる。次に、電池配線モジュール20の第2蓋部55および第1蓋部41を、この順に閉じるとともに、第3蓋部89、左蓋部66および右蓋部69を閉じると電池モジュールMが完成する。
(本実施形態の作用、効果)
以下、本実施形態の作用および効果について説明する。
【0130】
本実施形態においては、第2保持ユニット31Bのバスバー挿入部34(開放端34)からバスバー21が露出していたとしても、開放端34側の端部には、バスバー21の全周縁を包囲する包囲壁84が設けられた第2保持部83を有する第1保持ユニット31Aが配置される。したがって、本実施形態によれば、保持ユニット31(31A,31B)からバスバー21が露出しないので、バスバー21と単電池11周辺に配される部材との接触による短絡を防止することができる。
【0131】
また、本実施形態によれば、端部に配される第1保持ユニット31A以外は、バスバー21を単電池11の並び方向(横方向)に沿って挿入するバスバー挿入部34が設けられた保持部32を有する第2保持ユニット31Bであるから、バスバー21が単電池11の上面11A(電極端子形成面)や電極端子12に衝突することにより生じるバスバー21の脱落が起こりにくいので、単電池群10への組み付け作業の効率が向上する。
【0132】
また、本実施形態によれば、バスバー21は、第1保持ユニット31Aの第2保持部83に挿入可能で、かつ、第2保持ユニット31Bのバスバー挿入部34から挿入可能であるから、2種の保持ユニット31A,31Bにおいて同じ形状のバスバー21を用いることができ、歩留まりがよい。
【0133】
また、本実施形態において、第1保持ユニット31Aの第2保持部83の包囲壁84には、第2保持部83に対してバスバー21を抜け止めする第2抜け止め片87が設けられ、第2保持部83の外側には、第2抜け止め片87と対応して、バスバー21の絶縁状態を保持する絶縁保持部として機能する前側溝壁部96Bが形成されている。その結果、本実施形態によれば、バスバー21を抜け止めする第2抜け止め片87を設けるために包囲壁84にスリット87A等を形成したとしても、バスバー21の絶縁状態が保持されるので、抜け止めを図りつつ、バスバー21と単電池11周辺に配される部材との接触による短絡を防止することができる。
【0134】
また、本実施形態においては、第1保持ユニット31Aの第2保持部83には、バスバー21とともに、電圧検知端子25が収容可能とされ、第1保持ユニット31Aの包囲壁84の内壁側には、電圧検知端子25を係止することによりバスバー21を抜け止めする端子係止部86が突設されている。その結果、本実施形態によれば、電圧検知端子25を第1保持ユニット31Aの包囲壁84に形成した端子係止部86に係止することでバスバー21が第1保持ユニット31Aに対して抜け止めされるので、一部材に二つの機能を備えることができる。加えて、本実施形態によれば、端子係止部86は包囲壁84の内壁側に突設されており、包囲壁84からバスバー21および電圧検知端子25が露出しないので、絶縁性も保持される。
【0135】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第1保持ユニット31Aの第2保持部83に接続するバスバー21と、第2保持ユニット31Bの保持部に接続するバスバー21を同じ形状としたが、2つのバスバーは相違する形状のものであってもよい。
(2)上記実施形態では第2電線収容部95の前側溝壁部96Bが第1保持ユニット31Aの包囲壁84の第2抜け止め片87と対応して形成された絶縁保持部として機能する例を示したが、電線収容部とは別の絶縁板を第2抜けとめ片に対応して配置してもよい。
(3)上記実施形態では、包囲壁84の内壁側に突設した端子係止部86を示したが、包囲壁の一部を貫通しない程度にくりぬく等により端子係止部を形成してもよい。また、第1保持ユニットは端子係止部のない保持部を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0136】
M…電池モジュール
10…単電池群
11…単電池
11A…上面(端子形成面)
12…電極端子
12A…正極端子
12B…負極端子
20…電池配線モジュール
21…バスバー(接続部材)
23…貫通孔
25…電圧検知端子
27…挿通孔
28B…第2突片
W…検知電線
31…保持ユニット
31A…第1保持ユニット
31B…第2保持ユニット
32…保持部
33…壁部
33C…右側壁
34…開放端(接続部材挿入部)
35…抜け止め部
37…端子係止片
38…係止突部
39A…弾性係合片
60…第1保持部
80…外部接続バスバー
83…第2保持部
84…包囲壁
84A…前壁
84B…後壁
841…右後壁
842…左後壁
84C…左側壁
84D…右側壁
86…端子係止部
87…抜け止め片
87A…スリット
95…第2電線収容部
96…溝壁部
96A…後側溝壁部
96B…前側溝壁部(絶縁保持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、
前記電極端子に接続される複数の接続部材、および前記接続部材を保持する保持部を有する複数の絶縁樹脂製の保持ユニットを備え、
複数の前記保持ユニットは、端部に配される第1保持ユニットと、前記第1保持ユニット以外の第2保持ユニットとからなり、
前記第2保持ユニットの保持部には、前記接続部材を前記単電池の並び方向に沿って挿入する接続部材挿入部が設けられる一方、
前記第1保持ユニットの保持部には、前記接続部材の全周縁を包囲する包囲壁が設けられ、前記接続部材を前記第1保持ユニットの前記単電池群への組み付け方向に挿入可能とされる電池配線モジュール。
【請求項2】
前記接続部材は、前記第1保持ユニットの保持部に挿入可能で、かつ、前記第2保持ユニットの前記接続部材挿入部から挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記第1保持ユニットの前記包囲壁には、前記第1保持ユニットの保持部に対して前記接続部材を抜け止めする抜け止め部が設けられ、
前記第1保持ユニットの前記包囲壁の外側には、前記抜け止め部と対応して、前記接続部材の絶縁状態を保持する絶縁保持部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記第1保持ユニットの保持部には、前記接続部材とともに、電圧検知端子が収容可能とされ、
前記第1保持ユニットの前記包囲壁の内壁側には、前記電圧検知端子を係止することにより前記接続部材を抜け止めする端子係止部が突設または凹設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電池配線モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105584(P2013−105584A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247648(P2011−247648)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】