説明

電波受信装置及び信号分析方法

【課題】 電波を分析する際の処理を短縮させることが可能であり、かつ、ハードウェア規模の増大を抑えることが可能な電波受信装置及びこの装置で用いられる信号分析方法を提供する。
【解決手段】 電波受信装置は、アンテナ、RF受信器、IF受信器、検出処理器及び信号分析処理器を具備する。アンテナは、電波を受信する。RF受信器は、前記アンテナで受信した受信信号に対して振幅検波を行い、第1の検波結果を生成すると共に、前記受信信号をIF帯のIF信号へ変換する。IF受信器は、前記RF受信器からのIF信号に対して振幅検波及び位相検波を行い、第2の検波結果を生成する。検出処理器は、前記第1の検波結果をビデオ積分し、前記第2の検波結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行う。信号分析処理器は、前記ビデオ積分の結果と前記FFTの結果とを参照し、前記電波の分析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、飛しょう体に搭載され、受信した電波から目標を検出する電波受信装置及びその装置で用いられる信号分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に存在する電波を検出し、検出した電波から周波数等の諸元を求めようとする場合、受信帯域の異なるアンテナ及び受信器を複数用意し、それぞれを並列に処理する方法がある。
【0003】
ところで、飛しょう体に搭載される電波受信装置は、受信用の広帯域アンテナと、受信帯域を変更可能な受信部とを備える。この種の電波受信装置では、受信した電波の波源の数及び周波数等を求めようとする場合、受信部の受信帯域を、広帯域アンテナで受信した電波の周波数帯域内で順次変化させ、それぞれの受信帯域毎に受信した電波を分析する。
【0004】
しかしながら、受信帯域毎に電波を分析しようとすると、受信帯域の数だけ分析時の処理が増え、電波の分析に時間がかかる。また、周波数変調等がかけられた帯域幅の広い電波が到来する場合には、受信帯域の帯域幅を広く設定する必要があるほか、帯域幅が広い分だけ分析時の処理が増え、電波の分析に時間がかかる。
【0005】
しかしながら、飛しょう体に搭載される電波受信装置では、運用時間の短縮が望まれるため、処理時間を長く取ることはできない。また、受信帯域毎にアンテナ等を設け、受信帯域毎に処理を並列で行うことで処理時間の短縮を図ることも考えられるが、飛しょう体の搭載スペースには制約があるため得策ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−215239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、飛しょう体に搭載させる従来の電波受信装置では、電波の分析に時間がかかるという問題を、ハードウェア規模を増大させずに解消させる必要がある。
【0008】
そこで、目的は、電波を分析する際の処理を短縮させることが可能であり、かつ、ハードウェア規模の増大を抑えることが可能な電波受信装置及びこの装置で用いられる信号分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、電波受信装置は、アンテナ、RF受信器、IF受信器、検出処理器及び信号分析処理器を具備する。アンテナは、電波を受信する。RF受信器は、前記アンテナで受信した受信信号に対して振幅検波を行い、第1の検波結果を生成すると共に、前記受信信号をIF帯のIF信号へ変換する。IF受信器は、前記RF受信器からのIF信号に対して振幅検波及び位相検波を行い、第2の検波結果を生成する。検出処理器は、前記第1の検波結果をビデオ積分し、前記第2の検波結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行う。信号分析処理器は、前記ビデオ積分の結果と前記FFTの結果とを参照し、前記電波の分析を行う。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る電波受信装置を搭載した飛しょう体の構成を示す図である。
【図2】図1の電波受信装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図2の信号分析処理器が電波の変調形式を識別する際に参照するテーブルを示す図である。
【図4】図2の検出処理器によるFFTの第1の結果の例を示す図である。
【図5】図2の検出処理器によるFFTの第2の結果の例を示す図である。
【図6】図2の検出処理器によるFFTの第3の結果の例を示す図である。
【図7】受信パルスの変調形式毎の周波数変化とFFT結果との関係を示す図である。
【図8】図2の電波受信装置の受信部が広帯域検波結果及び狭帯域検波結果を信号処理部へ出力する際のシーケンス図の一例を示す図である。
【図9】図2の電波受信装置の信号処理部が信号分析動作を行う際のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る電波受信装置11を搭載した飛しょう体の構成を示す模式図である。図1に示す飛しょう体は、誘導装置10及び操舵装置20を具備する。
【0013】
誘導装置10は、電波受信装置11及び目標追随装置12を備える。電波受信装置11は、電波を受信し、受信した電波から目標を検出する。目標追随装置12は、検出した目標を追随するように誘導信号を生成し、誘導信号を操舵装置20へ出力する。
【0014】
操舵装置20は、誘導装置10からの誘導信号に従って飛しょう体を目標の方向へ飛しょうさせるように、飛しょう体の姿勢を制御する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る電波受信装置11の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示す電波受信装置11は、受信用広帯域アンテナ111、受信部112及び信号処理部113を備える。
【0017】
広帯域アンテナ111は、例えばUHF〜ミリ波帯の広い周波数帯域で目標からの電波を常時受信する。広帯域アンテナ111は、受信した電波を受信信号として受信部112へ出力する。
【0018】
受信部112は、RF受信器1121、IF受信器1122及び制御部1123を備える。
【0019】
RF受信器1121は、広帯域アンテナ111からの受信信号の帯域を、制御部1123により設定される指定広帯域に従って絞る。RF受信器1121は、帯域を絞った受信信号に対して振幅検波する。ここで、位相検波をするには高速のデータサンプリングが必要となるため、RF受信器1121では、振幅検波のみが行なわれる。RF受信器1121は、振幅検波により得られた広帯域検波結果を信号処理部113へ出力する。なお、指定広帯域については、制御部1123で詳述する。
【0020】
また、RF受信器1121は、指定広帯域に従って帯域を絞った受信信号を、IF帯のIF信号へ変換する。RF受信器1121は、IF信号をIF受信器1122へ出力する。
【0021】
IF受信器1122は、RF受信器1121からのIF信号の帯域を、制御部1123により設定される指定狭帯域に従って絞る。IF受信器1122は、帯域を絞ったIF信号に対して振幅検波及び位相検波する。そして、IF受信器1122は、振幅検波及び位相検波により得られた狭帯域検波結果を信号処理部113へ出力する。なお、指定狭帯域については、制御部1123で詳述する。
【0022】
制御部1123は、指定広帯域をRF受信器1121に対して設定する。ここで、指定広帯域は、広帯域アンテナ111の周波数帯域を所定の帯域幅で分割した帯域のうちから設定される。このとき、所定の帯域幅は、電波にチャープパルス等の広帯域信号が含まれている場合を想定し、この広帯域信号を含むことが可能なように比較的広く設定される。制御部1123は、設定した指定広帯域を予め設定されたタイミングで切り替える。
【0023】
また、制御部1123は、指定狭帯域をIF受信器1122に対して設定する。ここで、指定狭帯域は、RF受信器1121からのIF信号の周波数帯域を所定の帯域幅で分割した帯域のうちから設定される。このとき、所定の帯域幅は、電波に含まれる信号の周波数をサンプリング定理に基づいて一意に求めることが可能なように比較的狭く設定される。制御部1123は、設定した指定狭帯域を予め設定されたタイミングで切り替える。
【0024】
信号処理部113は、信号変換器1131、検出処理器1132及び信号分析処理器1133を備える。
【0025】
信号変換器131は、RF受信器1121からの広帯域検波結果をアナログ−デジタル変換し、広帯域デジタル信号として検出処理器1132へ出力する。また、信号変換器1131は、IF受信器1122からの狭帯域検波結果をアナログ−デジタル変換し、狭帯域デジタル信号として検出処理器1132へ出力する。
【0026】
検出処理器1132は、信号変換器1131からの広帯域デジタル信号を予め設定された数だけ蓄積すると、蓄積した広帯域デジタル信号に対してビデオ積分を行う。また、検出処理器1132は、信号変換器1131からの狭帯域デジタル信号を予め設定された数だけ蓄積すると、蓄積した狭帯域デジタル信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行う。
【0027】
検出処理器1132は、ビデオ積分の積分値が予め設定される第1の閾値を超え、かつ、FFTの振幅値が予め設定される第2の閾値を超えるか否かを判断する。そして、検出処理器1132は、ビデオ積分の積分値が第1の閾値を超え、かつ、FFTの振幅値が第2の閾値を超える場合、目標を検出したとして、そのときのビデオ積分結果及びFFT結果を信号分析処理器1133へ出力する。なお、第1及び第2の閾値は同一の値であっても、異なる値であっても構わない。
【0028】
信号分析処理器1133は、図3に示すテーブルを予め記録している。信号分析処理器1133は、検出処理器1132からのビデオ積分結果及びFFT結果を受信し、図3に示すテーブルを参照して、広帯域アンテナ111が受信した電波の変調形式を識別する。
【0029】
すなわち、信号分析処理器1133は、FFT結果により、図4に示すように指定狭帯域の1〜2バンクで目標が検出され、かつ、ビデオ積分結果の積分値がFFT結果の振幅値よりも低い場合、受信した電波は、単パルスであると判断する。
【0030】
また、信号分析処理器1133は、FFT結果により、図5に示すように指定狭帯域の連続した数バンクで目標が検出され、かつ、ビデオ積分結果の積分値がFFT結果の振幅値よりも高い場合、受信した電波は、チャープパルスであると判断する。
【0031】
また、信号分析処理器1133は、FFT結果により、図6に示すように指定狭帯域の数バンクでランダムに目標が検出され、かつ、ビデオ積分結果の積分値がFFT結果の振幅値よりも高い場合、受信した電波は、単パルス及びチャープパルス以外の変調信号であると判断する。
【0032】
また、信号分析処理器1133は、受信した電波の変調形式を識別すると共に、FFTにおいて目標が検出されたバンク数から、受信した電波の周波数及び変調帯域幅を求める。図7は、受信パルスの変調形式毎の周波数変化とFFT結果との関係の概念図を示す。
【0033】
次に、以上のように構成された電波受信装置11による信号分析動作を図8及び図9を用いて詳細に説明する。なお、図8及び図9においては、制御部1123により、RF受信器1121に対して第1〜第3の指定広帯域が設定され、IF受信器1122に対して指定広帯域毎に第1〜第10の指定狭帯域が設定される場合を例に説明する。
【0034】
図8は、本実施形態に係る電波受信装置11の受信部112が広帯域検波結果及び狭帯域検波結果を信号処理部113へ出力する際のシーケンス図の一例を示す図である。
【0035】
まず、RF受信器1121及びIF受信器1122は、制御部1123により第1の指定広帯域及び第1の指定狭帯域がそれぞれ設定される。アンテナ111で電波が受信されると、受信信号がRF受信器1121へ供給される。RF受信器1121は、第1の指定広帯域に従って受信信号の帯域を絞り(シーケンスS81)、帯域を絞った受信信号に対して振幅検波を行う(シーケンスS82)。振幅検波により取得された広帯域検波結果は、信号処理部113へ出力される。また、RF受信器1121は、帯域を絞った受信信号をIF信号に変換し(シーケンスS83)、IF受信器1122へ出力する。
【0036】
IF受信器1122は、制御部1123により設定される第1の指定狭帯域に従ってIF信号の帯域を絞る(シーケンスS84)。IF受信器1122は、帯域を絞ったIF信号に対して位相検波及び振幅検波を行う(シーケンスS85)。位相検波及び振幅検波により取得された狭帯域検波結果は、信号処理部113へ出力される。
【0037】
制御部1123は、シーケンスS81〜S85の処理が複数回繰り返されると、IF受信器1122に対して第2の指定狭帯域を設定する。そして、RF受信器1121及びIF受信器1122は、シーケンスS81〜S85の処理を複数回繰り返し、得られた広帯域検波結果及び狭帯域検波結果を信号処理器113へそれぞれ出力する。
【0038】
制御部1123は、同様にIF受信器1122に対して第3〜第10の指定狭帯域を設定する。RF受信器1121及びIF受信器1122は、指定狭帯域が設定される度にシーケンスS81〜S85の処理を複数回繰返し、得られた広帯域検波結果及び狭帯域検波結果を信号処理器113へそれぞれ出力する。
【0039】
制御部1123は、IF受信器1122に対して第10の指定狭帯域を設定した後、RF受信器1121に対して第2の指定広帯域を設定する。RF受信器1121、IF受信器1122及び制御部1123は、第2の指定広帯域についても同様の処理を行い、得られた広帯域検波結果及び狭帯域検波結果を信号処理器113へ出力する。
【0040】
制御部1123は、第2の指定広帯域についての第10の指定狭帯域を設定した後、RF受信器1121に対して第3の指定広帯域を設定する。RF受信器1121、IF受信器1122及び制御部1123は、第3の指定広帯域についても同様の処理を行い、得られた広帯域検波結果及び狭帯域検波結果を信号処理器113へ出力する。
【0041】
図9は、本実施形態に係る電波受信装置11の信号処理部113が信号分析動作を行う際のフローチャートの一例を示す図である。
【0042】
まず、信号変換器1131は、第1の指定広帯域で絞られた受信信号の広帯域検波結果をRF受信器1121から受信し、第1の指定狭帯域で絞られたIF信号の狭帯域検波結果をIF受信器1122から受信する。信号変換器1131は、広帯域検波結果を広帯域デジタル信号へ変換し、狭帯域検波結果を狭帯域デジタル信号へ変換する(ステップS91)。
【0043】
検出処理器1132は、ビデオ積分をするのに必要な数の広帯域デジタル信号が供給され、かつ、FFTするのに必要な数の狭帯域デジタル信号が供給されると、広帯域デジタル信号に対してビデオ積分を行い、狭帯域デジタル信号に対してFFTを行う(ステップS92)。
【0044】
続いて、検出処理器1132は、ビデオ積分の積分値が第1の閾値を超え、かつ、FFTの振幅値が第2の閾値を超えるか否かを判断する(ステップS93)。ビデオ積分の積分値が第1の閾値を超え、かつ、FFTの振幅値が第2の閾値を超える場合(ステップS93のYes)、検出処理器1132は、そのビデオ積分結果及びFFT結果を信号分析処理器1133へ出力する。ビデオ積分の積分値が第1の閾値を超えず、又は、FFTの振幅値が第2の閾値を超えない場合、検出処理器1132は、そのビデオ積分結果及びFFT結果を破棄し、処理を終了する。
【0045】
信号分析処理器1133は、検出処理器1132からのビデオ積分結果及びFFT結果に基づき、受信した電波の変調形式を識別すると共に、周波数及び変調帯域幅を求め(ステップS94)、処理を終了させる。
【0046】
信号処理部113は、ステップS91〜S94と同様の処理を、第1〜第3の指定広帯域で絞られた受信信号の広帯域検波結果と、指定広帯域毎の第1〜第10の指定狭帯域で絞られたIF信号の狭帯域検波結果とに対して行い、受信した電波の変調形式を識別すると共に、周波数及び変調帯域幅を求める。
【0047】
以上のように、上記実施形態では、指定広帯域により帯域を絞った受信信号をRF受信器1121で振幅検波し、指定狭帯域により帯域を絞ったIF信号をIF受信器1122で振幅検波及び位相検波するようにしている。このように、位相検波を行うのは、指定狭帯域により帯域を絞ったIF信号についてのみである。このため、広帯域での位相検波を行う必要がなく、RF受信器1121での処理量が抑えられることとなる。これにより、電波受信装置11は、処理時間の短縮を図ることが可能となる。
【0048】
また、上記実施形態では、広帯域検波結果のビデオ積分結果と、狭帯域検波結果のFFT結果とを比較することで、受信した電波の変調形式を識別すると共に、周波数及び変調帯域幅を求めるようにしている。一般的に、FFTでは変調パルスに対しての積分効果が薄い。しかしながら、この手法によれば、変調パルスを受信した場合であっても、受信した電波の変調形式を識別すると共に、周波数及び変調帯域幅を求める可能となる。また、これらの処理は信号処理部113で行われるため、大掛かりなハードウェア構成は不要である。つまり、電波受信装置11は、飛しょう体に適した小さいハードウェア規模で、上記の処理を実現することが可能である。
【0049】
また、上記実施形態では、検出処理器1132は、ビデオ積分の積分値が第1の閾値を超える場合、ビデオ積分結果を信号分析処理器1133へ出力し、FFTの振幅値が第2の閾値を超える場合、FFT結果を信号分析処理部1133へ出力するようにしている。これにより、信号分析処理器1133での分析処理は、目標を検出したとみなされたビデオ積分結果及びFFT結果のみが対象とされる。このため、信号処理部113での処理量が抑えられ、電波受信装置11は、処理時間の短縮を図ることが可能となる。
【0050】
したがって、本実施形態に係る電波受信装置11によれば、電波を分析する際の処理を短縮させることができ、かつ、ハードウェア規模の増大を抑えることができる。
【0051】
なお、上記実施形態では、図3に示すように、受信した電波が単パルス、チャープパルス及びその他の変調信号のいずれかであるかを識別するようにしている。しかしながら、本実施形態はこれに限定される訳ではない。例えば、FFT結果とビデオ積分結果との特徴から識別できる変調信号が他にあれば、その変調信号を分類項目に加えても構わない。
【0052】
また、上記実施形態では、制御部1123により、指定広帯域及び指定狭帯域の設定を予め設定されたタイミングで切り替える例について説明した。しかしながら、本実施形態はこれに限定される訳ではない。例えば、制御部1123は、任意のタイミングで特定の指定広帯域及び指定狭帯域に設定を切り替えるようにしても構わない。
【0053】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
10…誘導装置
11…電波受信装置
111…受信用広帯域アンテナ
112…受信部
1121…RF受信器
1122…IF受信器
1123…制御部
113…信号処理部
1131…信号変換器
1132…検出処理器
1133…信号分析処理器
12…目標追随装置
20…操舵装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した受信信号に対して振幅検波を行い、第1の検波結果を生成すると共に、前記受信信号をIF帯のIF信号へ変換するRF受信器と、
前記RF受信器からのIF信号に対して振幅検波及び位相検波を行い、第2の検波結果を生成するIF受信器と、
前記第1の検波結果をビデオ積分し、前記第2の検波結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行う検出処理器と、
前記ビデオ積分の結果と前記FFTの結果とを参照し、前記電波の分析を行う信号分析処理器と
を具備することを特徴とする電波受信装置。
【請求項2】
前記信号分析処理器は、前記ビデオ積分の結果と前記FFTの結果とを比較することで、前記電波の変調形式を識別すると共に、前記電波の周波数及び変調帯域幅を求めることを特徴とする請求項1記載の電波受信装置。
【請求項3】
電波を予め設定された周波数帯域で受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した受信信号を、前記周波数帯域を分割した帯域のうち設定された指定広帯域により絞り、前記絞った受信信号に対して振幅検波を行って広帯域検波結果を生成すると共に、前記絞った受信信号をIF帯のIF信号へ変換するRF受信器と、
前記RF受信器からのIF信号を、前記IF信号を分割した帯域のうち設定された指定狭帯域により絞り、前記絞ったIF信号に対して振幅検波及び位相検波を行って狭帯域検波結果を生成するIF受信器と、
前記RF受信器に対して、前記周波数帯域を分割した帯域から前記指定広帯域を設定し、前記IF受信器に対して、前記IF信号を分割した帯域から前記指定狭帯域を設定する制御部と、
前記広帯域検波結果をビデオ積分し、前記狭帯域検波結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行い、前記ビデオ積分のビデオ積分結果及び前記FFTのFFT結果を出力する検出処理器と、
前記検出処理器からの前記ビデオ積分結果とFFT結果とを参照し、前記電波の分析を行う信号分析処理器と
を具備することを特徴とする電波受信装置。
【請求項4】
前記信号分析処理器は、指定広帯域と指定狭帯域とが対応するビデオ積分結果とFFT結果とを比較することで、前記電波の変調形式を識別すると共に、前記電波の周波数及び変調帯域幅を求めることを特徴とする請求項3記載の電波受信装置。
【請求項5】
前記信号分析処理器は、
前記指定狭帯域の1〜2バンクで目標が検出され、かつ、前記積分値が前記振幅値よりも低い場合、前記電波は単パルスであると判断し、
前記指定狭帯域の連続した数バンクで目標が検出され、かつ、前記積分値が前記振幅値よりも高い場合、前記電気はチャープパルスであると判断し、
前記指定狭帯域の数バンクでランダムに目標が検出され、かつ、前記積分値が前記振幅値よりも高い場合、前記電波は単パルス及びチャープパルス以外の変調信号であると判断することを特徴とする請求項3記載の電波受信装置。
【請求項6】
前記検出処理器は、前記ビデオ積分の積分値が予め設定した第1の閾値を超え、かつ、前記FFTの振幅値が予め設定した第2の閾値を超えるか否かを判断し、超える場合、前記ビデオ積分結果及び前記FFT結果を信号分析処理器へ出力することを特徴とする請求項3記載の電波受信装置。
【請求項7】
前記周波数帯域を分割した帯域の幅は、広帯域信号を含むことが可能な程度の幅であり、
前記IF信号を分割した帯域の幅は、前記IF信号の位相を一意に求めることが可能な程度の幅であることを特徴とする請求項3記載の電波受信装置。
【請求項8】
RF受信器により、受信した電波に対して振幅検波を行い、第1の検波結果を生成すると共に、前記電波をIF帯のIF信号へ変換し、
IF受信器により、前記RF受信器からのIF信号に対して振幅検波及び位相検波を行い、第2の検波結果を生成し、
検出処理器により、前記第1の検波結果をビデオ積分し、
前記検出処理器により、前記第2の検波結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行い、
信号分析処理器により、前記ビデオ積分の結果と前記FFTの結果とを参照し、前記電波の分析を行うことを特徴とする信号分析方法。
【請求項9】
前記信号分析処理器により、前記ビデオ積分の結果と前記FFTの結果とを比較することで、前記電波の変調形式を識別すると共に、前記電波の周波数及び変調帯域幅を求めることを特徴とする請求項8記載の信号分析方法。
【請求項10】
アンテナにより、予め設定された周波数帯域で電波を受信し、
RF受信器により、前記アンテナで受信した受信信号を、前記周波数帯域を分割した帯域のうち設定された指定広帯域により絞り、
前記RF受信器により、前記絞った受信信号に対して振幅検波を行って広帯域検波結果を生成すると共に、前記絞った受信信号をIF帯のIF信号へ変換し、
IF受信器により、前記RF受信器からのIF信号を、前記IF信号を分割した帯域のうち指示された指定狭帯域により絞り、
前記IF受信器により、前記絞ったIF信号に対して振幅検波及び位相検波を行って狭帯域検波結果を生成し、
検出処理器により、前記広帯域検波結果をビデオ積分し、前記狭帯域検波結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)を行い、
信号分析処理器により、前記ビデオ積分のビデオ積分結果と前記FFTのFFT結果とを比較することで、前記電波の分析を行い、
制御部により、前記指定広帯域及び前記指定狭帯域の設定を順次切り替えることを特徴とする信号分析方法。
【請求項11】
前記信号分析処理器により、指定広帯域と指定狭帯域とが対応するビデオ積分結果とFFT結果とを比較することで、前記電波の変調形式を識別すると共に、前記電波の周波数及び変調帯域幅を求めることを特徴とする請求項10記載の信号分析方法。
【請求項12】
前記信号分析処理器により、
前記指定狭帯域の1〜2バンクで目標が検出され、かつ、前記積分値が前記振幅値よりも低い場合、前記電波は、単パルスであると判断し、
前記指定狭帯域の連続した数バンクで目標が検出され、かつ、前記積分値が前記振幅値よりも高い場合、前記電波は、チャープパルスであると判断し、
前記指定狭帯域の数バンクでランダムに目標が検出され、かつ、前記積分値が前記振幅値よりも高い場合、前記電波は、単パルス及びチャープパルス以外の変調信号であると判断することを特徴とする請求項10に記載の信号分析方法。
【請求項13】
前記検出処理器により、前記ビデオ積分の積分値が予め設定した第1の閾値を超え、かつ、前記FFTの振幅値が予め設定した第2の閾値を超えるか否かを判断し、超える場合、前記ビデオ積分結果及び前記FFT結果を信号分析処理器へ出力することを特徴とする請求項10記載の信号分析方法。
【請求項14】
前記周波数帯域を分割した帯域の幅は、広帯域信号を含むことが可能な程度の幅であり、
前記IF信号を分割した帯域の幅は、前記IF信号の位相を一意に求めることが可能な程度の幅であることを特徴とする請求項10記載の信号分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−58175(P2012−58175A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204120(P2010−204120)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】