説明

電波吸収体の製造方法

【課題】非導電性粒子と導電性粒子との混合物を所定形状に成形して電波吸収体を製造する際に、非導電性粒子と導電性粒子との分散性の低下を抑えることができるようにし、もって、そのような分散性の低下に起因する電波吸収性能の悪化を回避できるようにする。
【解決手段】非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、各粒径Dn,Dcが非導電性粒子の平均粒径Dnaの±40%(Dna×〔100%−40%〕≦Dn,Dc≦Dna×〔100%+40%)の範囲内であるもの、又は導電性粒子の平均粒径Dcaの±40%(Dca×〔100%−40%〕≦Dn,Dc≦Dca×〔100%+40%)の範囲内であるものを用いるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非導電性粒子と導電性粒子との混合物を所定形状に成形して電波吸収体を得るようにした電波吸収体の製造方法に関し、特に非導電性粒子と導電性粒子との分散不良を抑える対策に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されているように、電波吸収体の製造方法として、非導電性粒子と、この非導電粒子に導電性が付与されてなる導電性粒子とを均一に混合し、この混合物を金型などにより所定形状に成形するようにすることが知られている。
【特許文献1】特開平4−56298号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の場合には、混合時には均一であっても、混合後に振動が加えられたり金型内への充填に伴って非導電性粒子と導電性粒子との分散性が低下しやすく、その結果、電波吸収性能に悪影響が及ぶという問題がある。
【0004】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、非導電性粒子と導電性粒子との混合物を所定形状に成形して電波吸収体を製造する際に、非導電性粒子と導電性粒子との分散性の低下を抑えることができるようにし、もって、そのような分散性の低下に起因する電波吸収性能の悪化を回避できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明では、非導電性粒子および導電性粒子の粒径のばらつきを一定の範囲内に収めることで、それら非導電性粒子および導電性粒子の分散性が低下しにくくなるようにした。
【0006】
具体的には、本発明では、非導電性粒子と、導電性粒子とを混合し、この非導電性粒子および導電性粒子の混合物を所定形状に成形して電波吸収体を得る電波吸収体の製造方法を前提としている。
【0007】
そして、上記の非導電性粒子および導電性粒子としては、それぞれ、各粒径Dn,Dcが上記非導電性粒子の平均粒径Dnaの±40%の範囲内(Dna×〔100%−40%〕≦Dn,Dc≦Dna×〔100%+40%〕)であるものを用いるようにした。尚、非導電性粒子に代えて、導電性粒子の平均粒径Dcaの±40%の範囲内(Dca×〔100%−40%〕≦Dn,Dc≦Dca×〔100%+40%〕)であるものを用いるようにしてもよい。ここで、導電性粒子とは、元々、導電性を有する粒子であってもよいし、非導電性を有する粒子に導電性が付与されてなるものであってもよい。また、その「非導電性を有する粒子」についても、上記の非導電性粒子と同じ種類(材質,形状,粒径など)のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。
【0008】
尚、上記の構成において、非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、各粒径Dn,Dcが上記非導電性粒子の平均粒径Dnaの±15%の範囲内(Dna×〔100%−15%〕≦Dn,Dc≦Dna×〔100%+15%〕)であるもの、又は、上記導電性粒子の平均粒径Dcaの±15%の範囲内(Dca×〔100%−15%〕≦Dn,Dc≦Dca×〔100%+15%〕)であるものを用いるようにすることができる。
【0009】
また、非導電性粒子および導電性粒子として、上記非導電性粒子の平均密度Mnaに占める非導電性粒子および導電性粒子間の平均密度差(Mna−Mca)の割合Mdr(={〔Mna−Mca〕/Mna}×100%)が、±40%の範囲内(100%−40%≦Mdr≦100%+40%)、又は±20%の範囲内(100%−20%≦Mdr≦100%+20%)となるものを用いるようにすることもできる。
【0010】
また、非導電性粒子として、非導電性を有する発泡粒子からなり、かつ平均密度Mnaが0.01〜0.2mg/mm(0.01mg/mm≦Mna≦0.2mg/mm)であるものを用いる一方、導電性粒子として、導電性を有する発泡粒子からなり、かつ平均密度Mcaが同じく0.01〜0.2mg/mm(0.01mg/mm≦Mca≦0.2mg/mm)であるものを用いることができる他、非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、平均粒径Dna,Dcaが1〜4mmの範囲内(1mm≦Dna,Dca≦4mm)、又は2〜3mmの範囲内(2mm≦Dna,Dca≦3mm)であるものを用いることもできる。
【0011】
さらに、非導電性粒子と導電性粒子とを混合した後、該非導電性粒子および導電性粒子の混合物を所定形状に成形するまでの間、その混合物を収容するために用いる容器として、内壁面に帯電防止層を有する容器を用いることができる。
【0012】
また、非導電性粒子と導電性粒子とを混合した後、該非導電性粒子および導電性粒子の混合物を所定形状に成形する前に、該混合物に帯電防止剤を散布するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非導電性粒子と導電性粒子との混合物を所定形状に成形して電波吸収体を製造する際に、非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、各粒径が上記非導電性粒子の平均粒径の±40%の範囲内であるものを用いるようにしたので、非導電性粒子と導電性粒子との分散性の低下を抑えることができ、もって、そのような分散性の低下に起因する電波吸収性能の悪化を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態における電波吸収体の製造過程を示すブロック図である。そして、図2は、その製造過程により得られた電波吸収体を模式的に示す斜視図であり、この電波吸収体は、例えば電波暗室用の電波吸収体として使用される。
【0016】
本電波吸収体は、非導電性発泡粒子である白ビーズ(非導電性粒子)と、導電性発泡粒子である黒ビーズ(導電性粒子)とを混合し、その混合物をホッパーから金型内に供給し、その金型により所定の形状に成形して得られたものである。
【0017】
本電波吸収体の製造過程における工程♯1では、先ず、白ビーズを作製する。その際に、黒ビーズを得るための中間材料としての白ビーズと、黒ビーズに混合される白ビーズとは、互いに同じ材料からなるものであってもよいし、互いに異なる材料からなるものであってもよいが、両者を加熱により融着させる場合には、一般に、互いに同じ材料からなるものである方が好ましい。
【0018】
次に、工程♯2では、白ビーズに導電性を付与する処理(導電処理)を行って黒ビーズを得る。具体的には、導電性粉体を含有してなる導電液を白ビーズに添加して撹拌し、それを乾燥させることで、白ビーズの表面に、導電性粉体からなる導電層を形成する。尚、上記の導電液としては、接着剤や難燃剤などが添加されたものであってもよく、また、上記の導電層に有機高分子のラテックスを添加して撹拌し、それを乾燥させることで、導電層中の導電性粉体の剥落を防止するコーティング層を設けるようにしてもよい。
【0019】
工程♯3では、工程♯1で得た白ビーズと、工程♯2で得た黒ビーズとを、所定の混合比(例えば、白ビーズ重量:黒ビーズ重量=1:0.5)でもって混合する。その際に、白ビーズと黒ビーズとを必要な程度に十分に分散させる。
【0020】
工程♯4では、上記の混合物をホッパーからホースを経由して金型内に供給し、水蒸気加熱して白ビーズおよび黒ビーズを融着させ、その後、冷却することにより所定形状に成形する。
【0021】
以上の工程♯1〜♯4により、例えば、基板上に複数の四角錐が立設してなる電波吸収体(図2参照)が得られることとなる。尚、電波吸収体としては、四角錐形状のものが立設してなるものに限定されず、円錐,円錐台などのような他の形状のものが立設してなるものであってもよいし、求められる電波吸収特性によっては、平板状であってもよい。
【0022】
そして、本実施形態では、上記の白ビーズとして、粒径Dn〔単位:mm〕が白ビーズの平均粒径Dnaの±15%の範囲内(Dna×〔100%−15%〕≦Dn≦Dna×〔100%+15%〕)であるものを用い、これにより、粒径Dnのばらつきが少なくなるようにした。また、黒ビーズについても、その粒径Dc〔単位:mm〕が白ビーズの平均粒径Dnaの±15%の範囲内(Dna×〔100%−15%〕≦Dc≦Dna×〔100%+15%〕)であるものを用いることとした。
【0023】
また、本実施形態では、白ビーズとして、平均密度Mna〔単位:mg/mm〕が0.01〜0.2mg/mm(0.01mg/mm≦Mna≦0.2mg/mm)であるものを用いる一方、黒ビーズとしては、平均密度Mcaが同じく0.01〜0.2mg/mm(0.01mg/mm≦Mca≦0.2mg/mm)であるものを用いるようにした。尚、その際に、白ビーズの平均密度Mnaに対する白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差(Mna−Mca)の割合Mdr(={〔Mna−Mca〕/Mna}×100%)が±20%の範囲内(100%−20%≦Mdr≦100%+20%)に収まるようにした。つまり、白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差(Mna−Mca)の程度が小さくなるようにした。
【0024】
さらに、本実施形態では、図3に示すように、容器本体20の内壁面に、例えば、ゴム材などからなる帯電防止層30が設けられてなる容器10を用い、この容器10に白ビーズと黒ビーズとの混合物を収容してホッパーに供給するようにした。
【0025】
また、ホッパー内の混合物を金型内に供給する際に、その金型の直前の位置で混合物に帯電防止剤(例えば、界面活性剤系,シリコーン系,有機ホウ素系に分類されるものの中から適宜選択したもの又はそれらを適宜混合したもの)を供給するようにした。尚、帯電防止剤としては、水であってもよい。
【0026】
ここで、第1工程において得られる白ビーズおよび第2工程において得られる黒ビーズについて、それぞれ、互いに平均粒径Dnaおよび平均密度Mnaの異なる複数種類の白ビーズと、各白ビーズの表面に導電層同互いに平均密度Mcaの異なる複数種類の黒ビーズとを組み合わせ、その分散性を判定するようにしたテストについて説明する。尚、組合せは、4種類とした。また、本テストでは、黒ビーズとして、白ビーズの表面に導電層を形成してなるものを用いた。
【0027】
先ず、各組合せ毎に100粒の白ビーズを取り出し、各白ビーズの粒径Dnと重量とを測定するとともに、平均粒径Dnaおよび平均密度Mnaを算出した。次いで、上記の白ビーズに帯電処理を施してなる黒ビーズについても、各組合せ毎に100粒の黒ビーズを取り出し、各黒ビーズの粒径Dcと重量とを測定して平均密度Mcaを算出した。
【0028】
そして、先ず、各組合せ毎に、粒径Dnの最大値Dnmaxと最小値Dnminとを抜き出すとともに、平均粒径Dnaに占める最大値Dnmaxの比率DmaxR〔単位:%〕および最小値Dnminの比率DminR〔単位:%〕を、それぞれ、次式1),2)により算出した。
【0029】
DmaxR=〔(最大値Dnmax−平均値Dna)/平均値Dna〕×100 ......... 1)
DminR=〔(最小値Dnmin−平均値Dna)/平均値Dna〕×100 ......... 2)
尚、本テストでは、黒ビーズの導電層が膜厚が数μmのオーダーであって粒径への影響は無視できる程度であるので、黒ビーズの前段階である白ビーズの粒径Dnでもって、黒ビーズの粒径Daに代えることとした。
【0030】
次に、各組合せ毎に、白ビーズの平均密度Mnaに占める白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差(Mna−Mca)の割合MdR〔単位:%〕を、次式3)により算出した。
【0031】
MdR=〔(Mna−Mca)/Mna〕×100 ......... 3)
以上の結果、白ビーズの粒径Dnの最大値Dnmax,最小値Dnmin,平均粒径Dnaは、組合せ1の場合には、Dnmax=3.80mm,Dnmin=2.78mm,Dna=3.23mmであり、組合せ2の場合には、Dnmax=3.04mm,Dnmin=2.43mm,Dna=2.72mmであった。また、組合せ3の場合には、Dnmax=3.00mm,Dnmin=1.33mm,Dna=2.28mmであり、組合せ4の場合には、Dnmax=2.90mm,Dnmin=1.10mm,Dna=2.05mmであった。
【0032】
また、平均粒径Dnaに占める最大値Dnmaxの比率DmaxRおよび最小値Dnminの比率DminRは、組合せ1の場合には、DmaxR=+15%およびDminR=−14%であり、組合せ2の場合には、DmaxR=+12%およびDminR=−11%である。また、組合せ3の場合には、DmaxR=+32%およびDminR=−42%であり、組合せ4の場合には、DmaxR=+41%およびDminR=−46%であった。
【0033】
また、白ビーズおよび黒ビーズの各平均密度Mna,Mcaと、白ビーズの平均密度Mnaに占める白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差の割合MdR〔単位:%〕(={〔Mca−Mna〕/Mna}×100)とについては、それぞれ、組合せ1の場合には、Mna=0.017g/cm,Mca=0.019g/cm,MdR=11.8%であり、組合せ2の場合には、Mna=0.035g/cm,Mca=0.042g/cm,MdR=20%である。また、組合せ3の場合には、Mna=0.096g/cm,Mca=0.132g/cm,MdR=37.5%であり、組合せ4の場合には、Mna=0.123g/cm,Mca=0.178g/cm,MdR=44.7%であった。
【0034】
次いで、各組合せ毎に、白ビーズと黒ビーズとを、1:0.5の重量比(白ビーズ重量:黒ビーズ重量)でもってビーカーに入れて混合し、白ビーズと黒ビーズとが4つの組合せ間において外観上同じ混合状態になるようによく撹拌して分散させ、しかる後、各組合せ毎に、ビーカーを手で揺すったりして1分間に亘り振動を与え、白ビーズと黒ビーズとの分散状態を判定するようにした。
【0035】
以上の組合せ1〜組合せ4の結果を各データとともに、次表に併せて示す。尚、各評価は、「◎(当初の分散性が略維持されているレベル)」,「○(当初の分散性は低下しているものの性能上は問題ないレベル)」,「△(当所の分散性はかなり低下しているもの実用に供し得るレベル)」,「×(当初の分散性が大幅に低下していて使用不可のレベル)」の4段階とした。
【0036】
【表1】

【0037】
上記の表から判るように、組合せ2では「◎」の評価であり、組合せ1でも「○」の評価であったが、これらに対し、組合せ3および組合せ4の評価は,共に「×」であった。これらから判るのは、先ず、組合せ1および組合せ2では、粒径Dn,Dcのばらつき度合いについては共に平均粒径Dna,Dcaの±15%以内であり、また、白ビーズの平均密度に占める白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差の割合Mdが共に±20%であるものの、白ビーズおよび黒ビーズの平均粒径Dna,Dcaについては、組合せ2の場合には2〜3mmの範囲であるのに対し、組合せ1の場合には、その2〜3mmの範囲を外れていることが要因として考えられる。
【0038】
一方、組合せ3および組合せ4では、白ビーズおよび黒ビーズの平均粒径Dna,Dcaについては共に2〜3mmの範囲内であり、また、組合せ3では、白ビーズの平均密度Mnaに占める白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差(Mna−Mca)の割合MdRが±40%の範囲に収まってはいるものの、粒径Dn,Dcのばらつき度合いについては何れの場合も平均粒径Dna,Dcaの±15%の範囲を大きく外れていて、±40%の範囲でさえ外れており、この点が大きく響いて「×」という評価になったものと考えられる。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、白ビーズと、該白ビーズに導電性が付与されてなる黒ビーズとを混合し、この白ビーズおよび黒ビーズの混合物を所定形状に成形して電波吸収体を製造するに当り、白ビーズおよび黒ビーズとして、それぞれ、粒径Dn,Dcが白ビーズの平均粒径Dnaの±15%の範囲内であるものを用いるようにしたので、混合物内における白ビーズおよび黒ビーズ間の分散性の低下を抑えることができ、もって、そのような分散性の低下に起因する電波吸収性能の悪化を回避することができる。
【0040】
また、その際に、白ビーズおよび黒ビーズの各平均粒径Dna,Dcaを2〜3mmの範囲内に抑えるとともに、白ビーズの平均密度Mnaに占める白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差の割合MdRを±20%以内に抑えるとともに、平均密度Mna,Mcaが共に0.01〜0.2mg/mmであるものを用い、さらには、白ビーズと黒ビーズとを混合した後、該白ビーズおよび黒ビーズの混合物を所定形状に成形するまでの間、収容しておくために用いる容器10として、内壁面に帯電防止層30を有するものを用いるとともに、ホッパーから金型に移送されるまでの間に帯電防止剤を散布するようにしたので、白ビーズおよび黒ビーズが帯電して金型内のキャビティ表面に付着するということに起因する分散性の低下を防止することができる。
【0041】
尚、上記の実施形態では、白ビーズおよび黒ビーズとして、白ビーズの平均密度Mnaに対する白ビーズおよび黒ビーズ間の平均密度差(Mna−Mca)の割合が±20%の範囲内となるものを用いるようにしているが、±20%の範囲内に代えて、±40%の範囲内となるものを用いるようにしてもよい。
【0042】
また、上記の実施形態では、白ビーズおよび黒ビーズとして、それぞれ、粒径Dn,Dcが白ビーズの平均粒径Dnaの±15%の範囲内であるものを用いるようにしているが、本発明では、白ビーズの平均粒径Dnaの±40%の範囲内のものであればよく、さらには、白ビーズの平均粒径Dnaに代えて、黒ビーズの平均粒径Dcaの±15%又は±40%の範囲内であるものを用いるようにすることもできる。
【0043】
また、上記の実施形態では、非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、非導電性を有する発泡粒子(白ビーズ)と、その発泡粒子の表面に導電処理が施されてなるもの(黒ビーズ)とを用いるようにしているが、本発明では、そのような発泡粒子の他、ガラスや樹脂などからなる粒子を用いる場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る電波吸収体を模式的に示す斜視図である。
【図2】図2は、電波吸収体の製造過程を示すブロック図である。
【図3】図3は、白ビーズと黒ビーズとの混合物を収容するのに使用した容器の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 容器
30 帯電防止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性粒子と、導電性粒子とを混合し、この非導電性粒子および導電性粒子の混合物を所定形状に成形して電波吸収体を得る電波吸収体の製造方法であって、
上記非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、各粒径が上記非導電性粒子又は導電性粒子のうちの何れか一方の平均粒径の±40%の範囲内であるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、各粒径が上記非導電性粒子又は導電性粒子のうちの何れか一方の平均粒径の±15%の範囲内であるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子および導電性粒子として、上記非導電性粒子の平均密度に占める非導電性粒子および導電性粒子間の平均密度差の割合が±40%の範囲内となるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項4】
請求項1,2又は3のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子および導電性粒子として、上記非導電性粒子の平均密度に占める非導電性粒子および導電性粒子間の平均密度差の割合が±20%の範囲内となるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子として、非導電性を有する発泡粒子からなり、かつ平均密度が0.01〜0.2mg/mmであるものを用い、
導電性粒子として、導電性を有する発泡粒子からなり、かつ平均密度が0.01〜0.2mg/mmであるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項6】
請求項1,2,3,4又は5のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子および導電性粒子として、それぞれ、平均粒径が1〜4mmの範囲内であるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5又は6のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子および導電整粒子として、それぞれ、平均粒径が2〜3mmの範囲内であるものを用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項8】
請求項1,2,3,4,5,6又は7のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子と導電性粒子とを混合した後、該非導電性粒子および導電性粒子の混合物を所定形状に成形するまでの間、収容するために用いる容器として、
内壁面に帯電防止層を有する容器を用いることを特徴とする電波吸収体の製造方法。
【請求項9】
請求項1,2,3,4,5,6,7又は8のうちの何れか1項に記載の電波吸収体の製造方法において、
非導電性粒子と導電性粒子とを混合した後、該非導電性粒子および導電性粒子の混合物を所定形状に成形する前に、該混合物に帯電防止剤を散布することを特徴とする電波吸収体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−294183(P2008−294183A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137522(P2007−137522)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】