説明

電波吸収体ユニット

【課題】複数の電波吸収体ユニット同士を隣接配置した際に位置ズレを生じさせない新規な構造を有する電波吸収体ユニットを提供すること。
【解決手段】電波吸収体ユニット10は、+Z方向に突出した電波吸収体20を複数備えている。電波吸収体ユニット10は、−Z方向に沿って電波吸収体ユニット10を見た場合に、ジグザグ形状を有する外形11を有している。外形11は、凹凸形状を有するものであってもよいし、部分的にジグザグ形状又は凹凸形状を有するものであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電波吸収体からなる電波吸収体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電波吸収体ユニットとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の電波吸収体ユニットは、複数の電波導入部(成形体)と、それらを支持するベース部を備えている。特許文献1のベース部には凸部と凹部とが形成されており、ベース部の凸部を他の電波吸収体ユニットのベース部の凹部に嵌合することにより、複数の電波吸収体ユニットを連結可能となっている。
【0003】
なお、特許文献1の電波吸収体ユニットを上方から見ると、ベース部の凸部は電波導入部が設けられている領域の外側に突出している一方、ベース部の凹部は電波導入部が設けられている領域下に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−229691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特許文献1の電波吸収体ユニットとは異なる構造であって、他の電波吸収体ユニットと隣接配置した際に位置ズレを生じさせない構造を有する電波吸収体ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の電波吸収体ユニットとして、
それぞれ所定方向に突出した複数の電波吸収体からなる電波吸収集合体を備える電波吸収体ユニットであって、
前記所定方向の反対方向に沿って前記電波吸収集合体を見た場合に、少なくとも部分的にジグザグ形状又は凹凸形状を有する外形を有している
電波吸収体ユニットを提供する。
【0007】
また、本発明は、第2の電波吸収体ユニットとして、第1の電波吸収体ユニットであって、
前記反対方向に沿って前記電波吸収集合体を見た場合に、前記電波吸収集合体は、ジグザグ形状又は凹凸形状の四辺を有している
電波吸収体ユニットを提供する。
【0008】
また、本発明は、第3の電波吸収体ユニットとして、第1又は第2の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収集合体は、所定数の前記電波吸収体からなる電波吸収体列を複数列備えており、
前記電波吸収体は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、四角形形状を有しており、
前記電波吸収体列は、夫々、前記電波吸収体の前記四角形形状の対角線が同一直線状に位置するように且つ隣接する前記電波吸収体の前記四角形形状の頂点同士が接するように前記所定数の前記電波吸収体を並べてなるものである
電波吸収体ユニットを提供する。
【0009】
また、本発明は、第4の電波吸収体ユニットとして、第1又は第2の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収集合体は、第1所定数の前記電波吸収体からなる第1電波吸収体列と、前記第1所定数よりも1だけ大きい第2所定数の前記電波吸収体からなる第2電波吸収体列とを、夫々、複数列備えており、
前記電波吸収体は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、四角形形状を有しており、
前記第1電波吸収体列は、夫々、前記電波吸収体の前記四角形形状の対角線が同一直線状に位置するように且つ隣接する前記電波吸収体の前記四角形形状の頂点同士が接するように前記第1所定数の前記電波吸収体を並べてなるものであり、
前記第2電波吸収体列は、夫々、前記電波吸収体の前記四角形形状の対角線が同一直線状に位置するように且つ隣接する前記電波吸収体の前記四角形形状の頂点同士が接するように前記第2所定数の前記電波吸収体を並べてなるものであり、
前記第1電波吸収体列と前記第2電波吸収体列とは交互に配列されている
電波吸収体ユニットを提供する。
【0010】
また、本発明は、第5の電波吸収体ユニットとして、第1の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収体は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、四角形形状を有しており、
少なくとも2つ以上の前記四角形形状は、互いに同一方位に向けられた頂点を有しており、
前記同一方位に向けられた頂点は、前記ジグザグ形状の一部を構成している
電波吸収体ユニットを提供する。
【0011】
また、本発明は、第6の電波吸収体ユニットとして、第3乃至第5のいずれかの電波吸収体ユニットであって、
前記四角形形状は正方形形状である
電波吸収体ユニットを提供する。
【0012】
また、本発明は、第7の電波吸収体ユニットとして、第1乃至第6のいずれかの電波吸収体ユニットであって、
板状のベース部と前記ベース部上に設けられた複数の電波導入部とを備えており、
前記電波吸収体は、前記電波導入部と当該電波導入部に対応する前記ベース部の一部とからなるものであり、
前記ベース部は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、前記電波吸収集合体と同一の外周形状を有している
電波吸収体ユニットを提供する。
【0013】
また、本発明は、第8の電波吸収体ユニットとして、第1乃至第6のいずれかの電波吸収体ユニットであって、
板状のベース部と前記ベース部上に設けられた複数の電波導入部とを備えており、
前記電波吸収体は、前記電波導入部と当該電波導入部に対応する前記ベース部の一部とからなるものであり、
前記ベース部は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、前記電波吸収集合体と異なる外周形状を有している
電波吸収体ユニットを提供する。
【0014】
また、本発明は、第9の電波吸収体ユニットとして、第8の電波吸収体ユニットであって、
前記ベース部は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、前記電波吸収集合体を内包し得る最小サイズの四角形として想定される領域に収まっている
電波吸収体ユニットを提供する。
【0015】
また、本発明は、第10の電波吸収体ユニットとして、第1乃至第9のいずれかの電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収体は、夫々、正四角錐形状の電波導入部又は1以上の楔形状の電波導入部を有している
電波吸収体ユニットを提供する。
【0016】
更に、本発明は、第11の電波吸収体ユニットとして、第1乃至第10のいずれかの電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収体の前記所定方向における先端は前記反対方向に凹んでいる
電波吸収体ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の電波吸収体からなる電波吸収集合体の外形(即ち、すべての電波導入部の集合体で構成される外形)を少なくとも部分的にジグザグ形状又は凹凸形状とし、それらジグザグ形状又は凹凸形状の部位を利用して複数の電波吸収体ユニット同士を位置ズレを生じさせることなく隣接配置することができる。かかる構成は、ベース部を有さない電波吸収体ユニットにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図2】図1の電波吸収体ユニットを示す側面図である。
【図3】図1の電波吸収体ユニットを構成する電波吸収体を示す上面図である。
【図4】図3の電波吸収体を示す側面図である。
【図5】図1の電波吸収体ユニットを構成する電波吸収体列を示す上面図である。
【図6】図1の電波吸収体ユニットを複数組み合わせてなる構造体を示す上面図である。図においては各電波吸収体ユニットの外形のみを太い実線で示し、外形以外を破線で示している。
【図7】本発明の第2の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図8】図7の電波吸収体ユニットを構成する第1電波吸収体列を示す上面図である。
【図9】図7の電波吸収体ユニットを構成する第2電波吸収体列を示す上面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図11】図10の電波吸収体ユニットを複数組み合わせてなる構造体を示す上面図である。図においては各電波吸収体ユニットの外形のみを太い実線で示し、外形以外を破線で示している。
【図12】本発明の第4の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図13】図12の電波吸収体ユニットを複数組み合わせてなる構造体を示す上面図である。図においては各電波吸収体ユニットの外形のみを太い実線で示し、外形以外を破線で示している。
【図14】本発明の第5の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図15】図14の電波吸収体ユニットを構成する電波吸収体を示す斜視図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図17】図16の電波吸収体ユニットを構成する電波吸収体を示す斜視図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す上面図である。
【図19】図18の電波吸収体ユニットを示す底面図である。
【図20】図18の電波吸収体ユニットを示す側面図である。
【図21】本発明の第8の実施の形態による電波吸収体ユニットを示す側面図である。
【図22】電波吸収体の変形例を示す上面図である。
【図23】図22の電波吸収体をXXIII--XXIII線に沿って示す断面図である。
【図24】電波吸収体の他の変形例を示す上面図である。
【図25】図24の電波吸収体をXXV--XXV線に沿って示す断面図である。
【図26】電波吸収体の更に他の変形例を示す上面図である。
【図27】図26の電波吸収体をXXVII--XXVII線に沿って示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
図1及び図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10は、それぞれ+Z方向(所定方向)に突出した複数の電波吸収体20からなる電波吸収集合体を備えている。本実施の形態における電波吸収体ユニット10は複数の電波吸収体20のみからなる(即ち、電波吸収集合体のみからなる)ものである。かかる電波吸収体ユニット10(即ち、本実施の形態においては電波吸収集合体)は、−Z方向(所定方向の反対方向)に沿って見た場合にジグザグ形状の四辺(辺12,13,14,15)で構成された外形(外周形状)11を有している。以下においては、電波吸収体ユニット10を床に置いた状態を基本状態とし、その基本状態において電波吸収体20の突出している方向(電波吸収体20の先端22が向いている方向)を上方とする。即ち、所定方向(+Z方向)は上方であり、所定方向の反対方向(−Z方向)は下方である。また、外形11は、本実施の形態においては、電波吸収体ユニット10の底面形状に等しい。
【0020】
詳しくは、図2に示されるように、電波吸収体ユニット10は、板状のベース部30と、ベース部30上に設けられた複数の電波導入部40とを備えている。電波吸収体ユニット10が電波吸収集合体のみからなることから理解されるように、ベース部30は、−Z方向に沿って電波吸収体ユニット10を見た場合に電波吸収集合体(電波吸収体ユニット10)と同一の外周形状を有している。そのため、図1に示されるように、−Z方向に沿って電波吸収体ユニット10を見た場合に、部分的にでもベース部30のみを視認することはできない。また、図2から理解されるように、すべての電波導入部40の下方はベース部30によって支持されている。
【0021】
図2から理解されるように、ベース部30は、+Z方向及び−Z方向と直交する面内(即ち、XY平面内)に延びている。換言すると、ベース部30は、+Z方向及び−Z方向と直交する主面(上面及び下面)を有している。
【0022】
図2乃至図4に示されるように、各電波吸収体20は、正四角錐形状の電波導入部40と、その電波導入部40に対応するベース部30の一部32とからなる。電波吸収体20を構成する材料は、カーボンを含浸した発泡ウレタンであってもよいし、カーボンを混練し発泡させたポリエチレン、ポリスチレン又はポリプロピレンといった各種硬質発泡樹脂であってもよい。更に、電波吸収体20は、上方及び斜め上方から見た場合に図示されたような形状・構造を有している限り、中空であってもよい。
【0023】
電波吸収体20は、上側から見ると(−Z方向に沿って見ると)正方形形状を有している。即ち、電波吸収体20を上側から見ると、電波吸収体20の正方形形状は、4つの頂点24,25を有している。また、電波吸収体20を上側から見ると、正方形形状の対角線26は、電波吸収体20の先端(電波導入部40の頭頂部)22に対応する点(即ち、電波導入部40の底面の重心)を通っている。
【0024】
図1乃至図4から理解されるように、各電波吸収体20は、上方から見た場合に一般的な配置から45度回転させた上で配置されている。即ち、正方形形状の各辺をX方向及びY方向と45度又は−45度をなすように各電波吸収体20は配置されている。
【0025】
本実施の形態による電波吸収体ユニット10の外形(即ち、電波吸収集合体の外形)11をより具体的に表現するため、図5に示される電波吸収体列50という概念を導入する。換言すると、電波吸収体ユニット10(即ち、本実施の形態においては、電波吸収集合体)は、複数列の電波吸収体列50からなるものである。詳しくは、本実施の形態による電波吸収体ユニット10は、6列の電波吸収体列50からなる。
【0026】
図5を参照すると、電波吸収体列50は、複数の電波吸収体20からなる。具体的には、本実施の形態による電波吸収体列50は、数珠つなぎとなるように並べられた3つの電波吸収体20からなる。詳しくは、各電波吸収体列50において、隣接する電波吸収体20は頂点25同士のみで接しており、且つ、その電波吸収体列50を構成する電波吸収体20の対角線26はいずれも同一直線(単一の直線)上に位置している。
【0027】
図1及び図5から理解されるように、電波吸収体ユニット10(即ち、本実施の形態においては、電波吸収集合体)は、Y方向において隣接する電波吸収体列50のX方向中心同士をX方向において電波吸収体20の半分だけずらし、一方の山を他方の谷に合わせるようにして配置してなるものであり、更に具体的には、電波吸収体ユニット10の左右のコブ(山)が同数となるように電波吸収体列50を配置してなるものである。換言すると、本実施の形態における電波吸収体ユニット10は、Y方向において隣接する電波吸収体列50のX方向における中心を電波吸収体20の半分相当の距離だけずらしつつ、複数の電波吸収体列50をY方向においてジグザグに配置してなるものである。
【0028】
本実施の形態において、電波吸収体列50の列数は、一つの電波吸収体列50を構成する電波吸収体20の個数の倍であり、且つ、上述したように電波吸収体列50をジグザグ配置してなることから、本実施の形態による電波吸収体ユニット10は、上方から見た場合に、4つの辺12,13,14,15上に互いに等しい数のコブを有している。具体的には、本実施の形態による電波吸収体ユニット10の左右のコブの数はいずれも3つであり、上下のコブの数もいずれも3つである。但し、辺12上にあるコブの位置と辺13上にあるコブの位置は、X方向において、電波吸収体20の半分相当の距離だけ異なっており、同様に、辺14上にあるコブの位置と辺15上にあるコブの位置は、Y方向において、電波吸収体20の半分相当の距離だけ異なっている。なお、「電波吸収体20の半分相当の距離」は、換言すると、電波吸収体20を−Z方向に沿って見た場合における正方形形状の対角線26の半分の距離、即ち、本実施の形態による電波吸収体20においては、電波吸収体20(又は電波導入部40)の底面の重心から電波吸収体20(又は電波導入部40)の底面の頂点24,25までの距離のことである。
【0029】
なお、電波吸収体ユニット10の形状の説明の都合上、電波吸収体ユニット10を複数の部位に分けて説明してきたが、上述した電波吸収体ユニット10は図示された構造となるように一体成型されたものである。
【0030】
従来の電波吸収体ユニットには一辺600mmの正方形の底面を有しているものがある。このように従来の電波吸収体ユニットは比較的大きな構造体であるにもかかわらず、底面の外形が平坦であるため、運搬時に比較的掴みやすい電波導入部40を掴んでしまい電波導入部を破損したり変形させてしまうといった問題が起きやすい。これに対して、本実施の形態による電波吸収体ユニット10の底面の外形11はジグザグ形状の4つの辺からなるものであるので、本実施の形態による電波吸収体ユニット10は従来品と比較して持ち易く、従って、運搬時における破損・変形を防止することができる。
【0031】
また、従来の電波吸収体ユニットは、例えば、底面サイズが120mm角であるような電波吸収体の場合、計25個の電波吸収体を5行5列に配置してなるような形状を有している。これに対して、本実施の形態による電波吸収体ユニット10の場合、可能な限り電波吸収体20の設けられていない領域を減らしつつ底面サイズが120mm角であるような電波吸収体20を600mm角の領域内に配置することとすると、電波吸収体20の必要個数は計18個となる。ここで、電波吸収体20が設けられていない領域が少ない場合、電波吸収体ユニットの特性に大きな影響を与えるのは、電波吸収体の個数ではなく、主として個々の電波吸収体のサイズである。そのため、本実施の形態によれば、従来品に比較して殆ど遜色ない特性を有する電波吸収体ユニット10を少ない個数の電波吸収体20にて構成することができる。
【0032】
図6を参照すると、複数の電波吸収体ユニット10の外形11同士を嵌め合わせた例が示されている。具体的には、図6において左上の電波吸収体ユニット10の辺15と右上の電波吸収体ユニット10の辺14のジグザグ同士を嵌め合わせ、左下の電波吸収体ユニット10の辺15と右下の電波吸収体ユニット10の辺14のジグザグ同士を嵌め合わせ、更に、左上の電波吸収体ユニット10の辺13と右上の電波吸収体ユニット10の辺13を左下の電波吸収体ユニット10の辺12と右下の電波吸収体ユニット10の辺12のジグザグ同士を夫々嵌め合わせている。そのため、電波吸収体ユニット10同士を隣接配置した後に、それらが位置ズレしてしまうことを防止することができる。
【0033】
特に、本実施の形態による電波吸収体ユニット10においては、−Z方向に沿って見た場合に、辺12上にあるコブの位置と辺13上にあるコブの位置がX方向において電波吸収体20の半分相当の距離だけ異なっており、且つ、辺14上にあるコブの位置と辺15上にあるコブの位置がY方向において電波吸収体20の半分相当の距離だけ異なっていることから、例えば、2つの電波吸収体ユニット10を隣接配置した際に、両者の重心をX方向又はY方向において同じ位置とすることができる。即ち、無駄なスペースを比較的少なくした状態で、複数の電波吸収体ユニット10を配置することができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図7乃至図9を参照すると、本発明の第2の実施の形態による電波吸収体ユニット10aは、第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10の変形例であり、複数の電波吸収体20からなるものである。即ち、本実施の形態による電波吸収体ユニット10aも、第1の実施の形態同様、電波吸収集合体のみからなる。以下においては、本実施の形態による電波吸収体ユニット10aと第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10との相違点のみについて言及することとする。
【0035】
図7乃至図9から理解されるように、電波吸収体ユニット10a(即ち、本実施の形態においては、電波吸収集合体)は、複数列の第1電波吸収体列60と、複数列の第2電波吸収体列70とを備えている。具体的には、本実施の形態による電波吸収体ユニット10aにおいて、第1電波吸収体列60は4列であり、第2電波吸収体列70は3列である。即ち、第2電波吸収体列70は、第1電波吸収体列60と比較して一列少ない。
【0036】
図8を参照すると、第1電波吸収体列60は、第1所定数の電波吸収体20からなる。本実施の形態において、第1所定数は3である。第1電波吸収体列60の夫々において、隣接する電波吸収体20同士は、頂点25同士のみで接しており、その第1電波吸収体列60を構成する電波吸収体20の対角線26はいずれも同一直線(単一の直線)上に位置している。
【0037】
図9を参照すると、本実施の形態による第2電波吸収体列70は、第2所定数の電波吸収体20からなる。ここで、第2所定数は第1所定数よりも1だけ大きい。即ち、第2所定数=第1所定数+1であり、本実施の形態における第2所定数は4である。第2電波吸収体列70の夫々において、隣接する電波吸収体20同士は、頂点25同士のみで接しており、その第2電波吸収体列70を構成する電波吸収体20の対角線26はいずれも同一直線(単一の直線)上に位置している。
【0038】
このように、本実施の形態においては、3つの電波吸収体20からなる第1電波吸収体列60が4列あり、4つの電波吸収体20からなる第2電波吸収体列70が3列ある。即ち、第1所定数より1だけ大きい第2所定数の電波吸収体20からなる第2電波吸収体列70の列数は、第1所定数の電波吸収体20からなる第1電波吸収体列60の列数より一列少ない。
【0039】
図7乃至図9を参照すれば理解されるように、第1電波吸収体列60と第2電波吸収体列70とはY方向に交互に配列されている。これによって、電波吸収体ユニット10aを−Z方向に沿って見た場合に、辺12a及び辺13aにおいては第1電波吸収体列60の電波吸収体20の底面の外形の頂点がコブ(山)を形成し、辺14a及び辺15aにおいては第2電波吸収体列70の電波吸収体20の底面の外形の頂点がコブ(山)を形成している。
【0040】
図1と図7とを比較すれば理解されるように、第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10は、上方から見た場合に、正方形形状の3辺が外形11の一部を構成することとなっているような電波吸収体20(図1の左上及び右下の電波吸収体20′)を有しているが、第2の実施の形態による電波吸収体ユニット10aには、そのような電波吸収体20がない。換言すると、第2の実施の形態による電波吸収体ユニット10aには、一つだけ飛び出ているような電波吸収体20がない。従って、本実施の形態による電波吸収体ユニット10aは、第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10と比較して意図しない外力等により破損する恐れが少ない。一方、本実施の形態による電波吸収体ユニット10aを−Z方向に沿って見た場合に、辺12a上にあるコブの位置と辺13a上にあるコブの位置がX方向において同一であり、且つ、辺14a上にあるコブの位置と辺15a上にあるコブの位置がY方向において同一であることから、複数の電波吸収体ユニット10aを隣接配置しようとすると、両者の重心をY方向において少なくとも電波吸収体20の半分相当の距離だけ異ならせて配置しなければならず、結果として、敷設できないスペースが増える可能性がある。即ち、第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10と第2の実施の形態による電波吸収体ユニット10aには夫々一長一短あるので、使用環境等を考慮して適宜選択すればよい。
【0041】
以上、第1及び第2の実施の形態として、電波吸収体20を45度回転させた上で複数配置してなるような電波吸収体ユニット10,10aについて説明してきたが、辺12〜15,12a〜15aのいずれか又はいくつかを構成する複数の電波吸収体20をそれぞれの先端22を通る面によって半分に切断することで、辺12〜15,12a〜15aを上方から見た場合に、直線状となるように構成してもよい。代わりに、電波吸収体20を上方から見た場合の四角形形状の対角線26と電波吸収体20の先端22とを含む平面に沿って電波吸収体20を半分に切断して得られる部材を上述した第1及び第2の実施の形態による電波吸収体ユニット10,10aに付け加えることで、辺12〜15,12a〜15aを上方から見た場合に、直線状となるように構成しても良い。更に、各辺12〜15,12a〜15aを構成する電波吸収体20のいくつかを半分に切断する又は電波吸収体20の半分の部材をいくつか付け加えることで、各辺12〜15,12a〜15aを部分的に直線状としてもよい。この場合であっても、各辺12〜15,12a〜15aを−Z方向に沿って見た場合に、少なくとも2つ以上の電波吸収体20が互いに同一方位に向けられた頂点(コブ:山)を有しており、且つ、その同一方位に向けられた頂点(コブ:山)が辺12〜15,12a〜15aの一部を構成している点で、上述した第1及び第2の実施の形態と同様である。
【0042】
また、上述した第1及び第2の実施の形態においては、電波吸収体20の正方形形状の各辺がX方向及びY方向と45度の角度をなすように電波吸収体20を斜交配置していたが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
(第3の実施の形態)
図10及び図11を参照すると、本発明の第3の実施の形態による電波吸収体ユニット10bは、電波吸収体20の正方形形状の各辺をX方向及びY方向に沿うように配置してなるものである。但し、本実施の形態による電波吸収体ユニット10bも複数の電波吸収体20からなる電波吸収集合体そのものであり、従って、電波吸収体ユニット10bを上方から見た場合に、ベース部を視認することはできない。なお、電波吸収体20の材料その他については第1の実施の形態と同様である。
【0044】
図10に示されるように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10bは、−Z方向に沿って見た場合に、凹凸形状を有している辺12b及び辺13bと直線形状を有している辺14b及び辺15bとからなる外形11bを有している。
【0045】
このように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10bの外形11bも凹凸形状の辺12b,13bを有していることから、電波吸収体20の先端22を掴んだりせずとも運搬し易く、従って、運搬時に電波吸収体20を破損・変形させてしまう虞を低減することができる。
【0046】
(第4の実施の形態)
図12及び図13を参照すると、本発明の第4の実施の形態による電波吸収体ユニット10cは、第3の実施の形態による電波吸収体ユニット10bと同様に、電波吸収体20の正方形形状の各辺をX方向及びY方向に沿うように配置してなるものである。但し、本実施の形態による電波吸収体ユニット10cも複数の電波吸収体20からなる電波吸収集合体そのものであり、従って、電波吸収体ユニット10cを上方から見た場合に、ベース部を視認することはできない。なお、電波吸収体20の材料その他については第1の実施の形態と同様である。
【0047】
詳しくは、図12に示されるように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10cは、−Z方向に沿って見た場合に、外形11cを構成する4つの辺12c,13c,14c,15cのすべてが凹凸形状を有している。
【0048】
このように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10cも外形11cのすべての辺12c,13c,14c,15cが凹凸形状を有していることから、電波吸収体20の先端22を掴んだりせずとも運搬し易く、従って、運搬時に電波吸収体20を破損・変形させてしまう虞を低減することができる。
【0049】
上述した第1乃至第4の実施の形態において、電波吸収体20は、正四角錐状の電波導入部40を有するものであったが、底面が長方形の長方錐や底面が菱形等の他の四角錐であってもよい。また、電波吸収体は1又は複数の楔状の電波導入部を有するものであってもよい。以下、第5及び第6の実施の形態として、楔状の電波導入部を有する電波吸収体ユニットについて説明する。
【0050】
(第5の実施の形態)
図14及び図15を参照すると、本発明の第5の実施の形態による電波吸収体ユニット10dは、上述した第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10と同様に、−Z方向に沿って見た場合にジグザグ形状の四辺(辺12d,13d,14d,15d)で構成された外形11dを有している。
【0051】
本実施の形態による電波吸収体ユニット10dは、複数の電波吸収体20dからなる電波吸収集合体である。図15に示されるように、各電波吸収体20dは、ベース部30dの一部32d上に形成された楔形状の電波導入部40dを有している。
【0052】
図14から理解されるように、電波吸収体ユニット10d(即ち、本実施の形態においては、電波吸収集合体)は、複数の電波吸収体列50d,50d′からなる電波吸収集合体を備えている。即ち、本実施の形態による電波吸収体ユニット10dは、電波吸収集合体そのものであり、従って、電波吸収体ユニット10dを上方から見た場合に、ベース部を視認することはできない。本実施の形態において、電波吸収体列50d及び電波吸収体列50d′の列数は、いずれも3列である。
【0053】
電波吸収体列50d及び電波吸収体列50d′の夫々を構成する電波吸収体20dの個数は、いずれも3つである。即ち、電波吸収体列50d及び電波吸収体列50d′は、同数の電波吸収体20dにより構成されている。詳しくは、各電波吸収体列50d,50d′において、隣接する電波吸収体20dは頂点25同士のみで接しており、且つ、その電波吸収体列50d,50d′を構成する電波吸収体20dの対角線26d(図14において破線で示す)はいずれも同一直線(単一の直線)上に位置している。
【0054】
本実施の形態による電波吸収体列50dを構成する電波吸収体20dの先端(即ち、楔形状の電波導入部40dの稜線)22dは、図14において左下から右上に向かって延びている。即ち、電波吸収体列50dを構成する電波吸収体20dの先端(即ち、楔形状の電波導入部40dの稜線)22dは、図14において対角線26dを左へ45度回転した方向に延びている。
【0055】
一方、本実施の形態による電波吸収体列50d′を構成する電波吸収体20dの先端(即ち、楔形状の電波導入部40dの稜線)22dは、図14において左上から右下に向かって延びている。即ち、電波吸収体列50dを構成する電波吸収体20dの先端(即ち、楔形状の電波導入部40dの稜線)22dは、図14において対角線26dを左へ135度(右へ−45度)回転した方向に延びている。
【0056】
即ち、電波吸収体列50dを構成する電波吸収体20dと電波吸収体列50d′を構成する電波吸収体20dは、−Z方向に沿って見た場合に、互いに90度異なるように配置されている。
【0057】
更に、電波吸収体列50dと電波吸収体列50d′とは、Y方向において交互に配置されている。このため、各電波吸収体20dは、−Z方向に沿って見た場合に、底面の辺を接するすべての電波吸収体20dと90度異なるように配置されている。
【0058】
(第6の実施の形態)
図16及び図17を参照すると、本発明の第6の実施の形態による電波吸収体ユニット10eは、上述した第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10と同様に、−Z方向に沿って見た場合にジグザグ形状の四辺(辺12e,13e,14e,15e)で構成された外形11eを有している。
【0059】
本実施の形態による電波吸収体ユニット10eは、複数の電波吸収体20eからなる電波吸収集合体である。図17に示されるように、各電波吸収体20eは、ベース部30eの一部32e上に形成された楔形状の電波導入部40eを有している。なお、本実施の形態による電波吸収体ユニット10eは電波吸収集合体そのものであるので、電波吸収体ユニット10eを上方から見た場合に、ベース部30eを視認することはできない。
【0060】
図16から理解されるように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10eは、複数の電波吸収体列50e,50e′を備えている。本実施の形態において、電波吸収体列50e及び電波吸収体列50e′の列数は、いずれも3列である。
【0061】
電波吸収体列50e及び電波吸収体列50e′の夫々を構成する電波吸収体20eの個数は、いずれも3つである。即ち、電波吸収体列50e及び電波吸収体列50e′は、同数の電波吸収体20eにより構成されている。詳しくは、各電波吸収体列50e,50e′において、隣接する電波吸収体20eは頂点25同士のみで接しており、且つ、その電波吸収体列50e,50e′を構成する電波吸収体20eの対角線26e(図16において破線で示す)はいずれも同一直線(単一の直線)上に位置している。
【0062】
本実施の形態による電波吸収体列50eを構成する電波吸収体20eの2つの先端(即ち、楔形状の電波導入部40eの稜線)22eは、図16において左下から右上に向かって延びている。即ち、電波吸収体列50eを構成する電波吸収体20eの2つの先端(即ち、楔形状の電波導入部40eの稜線)22eは、図16において対角線26eを左へ45度回転した方向に延びている。
【0063】
一方、本実施の形態による電波吸収体列50e′を構成する電波吸収体20eの2つの先端(即ち、楔形状の電波導入部40eの稜線)22eは、図16において右下から左上に向かって延びている。即ち、電波吸収体列50eを構成する電波吸収体20eの2つの先端(即ち、楔形状の電波導入部40eの稜線)22eは、図16において対角線26eを左へ135度(右へ−45度)回転した方向に延びている。
【0064】
即ち、電波吸収体列50eを構成する電波吸収体20eと電波吸収体列50e′を構成する電波吸収体20eは、−Z方向に沿って見た場合に、互いに90度異なるように配置されている。
【0065】
更に、電波吸収体列50eと電波吸収体列50e′とは、Y方向において交互に配置されている。このため、各電波吸収体20eは、−Z方向に沿って見た場合に、底面の辺を接するすべての電波吸収体20eと90度異なるように配置されている。
【0066】
上述した第1〜第6の実施の形態による電波吸収体ユニット10,10a〜10eは、複数の電波吸収体20、20d,20eからなる電波吸収集合体そのものであったが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、ベース部30,30d,30eの外周形状を電波吸収集合体の外周形状と異ならせることとしてもよいし、更に、電波吸収体ユニットを上方から見た場合に、ベース部が部分的に視認可能となる(即ち、ベース部が電波吸収集合体からはみ出している)ような外周形状を有していてもよい。その場合において、電波吸収体ユニットを上方から見た場合に、電波吸収集合体を内包し得るような四角形の領域のうち最小のサイズを有するものを想定したとすると、ベース部がその四角形の領域内に収まっていることが好ましい。特許文献1の電波吸収体ユニットのようにベース部のみが大きく外側に張り出した構成では、電波吸収体ユニットの輸送や保管のために必要とされる面積がベース部のみに起因して大きくなってしまうといった問題が生じるが、ベース部が上述した四角形の領域内に収まっているのであれば、電波吸収体ユニットの設置のために必要とされる領域がベース部のみに起因して大きくなってしまうことを避けることができる。
【0067】
(第7の実施の形態)
図18乃至図20を参照すると、本発明の第7の実施の形態による電波吸収体ユニット10fは、第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10の変形例であり、複数の電波吸収体20,20fからなる電波吸収集合体18fを備えている。以下においては、本実施の形態による電波吸収体ユニット10fと第1の実施の形態による電波吸収体ユニット10との相違点のみについて言及することとする。
【0068】
本実施の形態による電波吸収体ユニット10fは、板状のベース部30f上に複数の電波導入部40を設けてなるものである。図18及び図19から理解されるように、ベース部30fの外周形状は、電波吸収集合体18fの外周形状と異なっている。具体的には、図18に示されるように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10fを上方から見ると、ベース部30fの一部34を視認することができる。逆に、図19に示されるように、本実施の形態による電波吸収体ユニット10fを下方から見ると、一部の電波導入部40の底面を視認することができる。
【0069】
換言すると、本実施の形態による電波吸収集合体18fは、電波導入部40の底面を全面的にベース部30fの一部で支持された電波吸収体20と、電波導入部40の底面を部分的にベース部30fの一部で支持された電波吸収体20fとの2種類の電波吸収体からなるものである。
【0070】
図18及び図19から理解されるように、電波吸収集合体18fの外形11fは、第1の実施の形態による電波吸収集合体の外形(即ち、電波吸収体ユニット10の外形)と同様に、ジグザグ形状の4辺を有している。従って、複数の電波吸収体ユニット10fを隣接配置する際に、電波吸収集合体18f同士を組み合わせることができる。
【0071】
本実施の形態において、電波吸収体20fの電波導入部40の底面のうち、ベース部30fにより支持されていない部分(下方から見た場合に電波導入部40の底面のうちの視認可能な部分)の形状と、電波吸収体ユニット10fを上方から見た場合に電波吸収集合体18f外部にはみ出して見えるベース部30fの一部34の形状とは対応している。そのため、複数の電波吸収体ユニット10fを隣接配置して電波吸収集合体18f同士を組み合わせる際に、ベース部30f同士も同時に組み合わせられることになるので、更なる位置ズレ防止の効果を得ることができる。
【0072】
なお、本実施の形態によるベース部30fの一部34は、電波吸収体20fの正方形形状の頂点同士を結ぶ線の内側にある。換言すると、電波吸収体ユニット10fを上方から見た場合に、電波吸収集合体18fを内包し得るような四角形の領域のうち最小のサイズを有するものを想定したとすると、ベース部30fがその四角形の領域内に収まっている。従って、電波吸収体ユニット10fの設置のために必要とされる領域がベース部30fのみに起因して大きくなってしまうことを避けることができる。
【0073】
(第8の実施の形態)
図21を参照すると、本発明の第8の実施の形態による電波吸収体ユニット10gは、上述した第7の実施の形態による電波吸収体ユニット10fの変形例である。従って、以下においては、本実施の形態による電波吸収体ユニット10gと第7の実施の形態による電波吸収体ユニット10fとの相違点のみについて言及することとする。
【0074】
本実施の形態によるベース部30gは、第1の実施の形態によるベース部30(図2参照)と同様の外周形状を有するベース層30g1と、第7の実施の形態によるベース部30fと同様の外周形状を有するベース層30g2とを備えている。ベース部30g2の一部34gは、電波吸収体ユニット10gを上方から見た場合に視認可能となっている(即ち、電波吸収集合体からはみ出して見える)。
【0075】
本実施の形態においては、複数の電波吸収体ユニット10g同士を隣接配置して組み合わせる際に、ベース層30g1が第1の実施の形態によるベース部30と同様の効果を呈すると共にベース層30g2が第7の実施の形態によるベース部30fと同様の効果を呈することから、より一層の位置ズレ防止の効果を得ることができる。
【0076】
なお、上述したベース部30gは2層構造であったが、同様の形状を有するベース部30gを一体形成してもよいし、逆に複数の層に分けて形成してもよい。
【0077】
また、第7及び第8の実施の形態として、特定の形状を有するベース部30f、30gを例示して説明してきたが、ベース部30f、30gの形状には何ら限定はなく、同様の効果を呈する限り、如何なる形状であってもよい。
【0078】
更に、第7及び第8の実施の形態による電波吸収体ユニット10f、10gは、ジグザグ形状の外形を有する電波吸収集合体を備えるものであったが、第7及び第8の実施の形態によって示される概念は、例えば、第3及び第4の実施の形態による電波吸収体ユニット10b,10cのように少なくとも一部が凹凸形状である外形を有する電波吸収体ユニットにも適用可能である。
【0079】
以上、本発明について第1乃至第8の実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【0080】
例えば、一つの電波吸収体ユニットに使用する電波吸収体20の個数は例示されたものには限定されない。
【0081】
また、例えば、先に図示された電波吸収体ユニット10,10a〜10gの電波吸収体20,20d,20e、20f、20gは、いずれも先端22,22d,22eが先鋭なものとして描かれたものであるが、先端22,22d,22eを丸めて(Rをつけて)もよいし、先端22,22d,22eを平坦にして正四角錐台のような角錐台としてもよい。
【0082】
更に、各電波吸収体を図22乃至図27に示されるように変形してもよい。図22及び図23に図示された電波吸収体20hは、略ドーム状に凹んだ凹部が先端22hに形成された電波導入部40hを備えている。図24及び図25に図示された電波吸収体20iは、正四角錐状に凹んだ凹部が先端22iに形成された電波導入部40iを備えている。図26及び図27に図示された電波吸収体20jは、正四角錐台状に凹んだ凹部が先端22jに形成された電波導入部40jを備えている。これら電波吸収体20h〜20jのように、先端22h〜22jを凹ませると、電波導入部40h〜40jの先端部が折損したり変形したりするのを防止した上で、先端22h〜22jにおける反射を抑えることができ、また、反射した場合でも凹部によって散乱・吸収されることから良好な特性を得ることができる。
【符号の説明】
【0083】
10,10a〜10g 電波吸収体ユニット
11,11a〜11f 外形
12,12a〜12f 辺
13,13a〜13f 辺
14,14a〜14f 辺
15,15a〜15f 辺
18f 電波吸収集合体
20,20′,20d〜20j 電波吸収体
22,22d,22e,22h〜22j 先端
24 頂点
25 頂点
26,26d,26e 対角線
30,30d,30e ベース部
32,32d,32e,34,34g 一部
30g1,30g2 ベース層
40,40d〜40e、40h〜40j 電波導入部
50,50d,50d′,50e,50e′ 電波吸収体列
60 第1電波吸収体列
70 第2電波吸収体列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ所定方向に突出した複数の電波吸収体からなる電波吸収集合体を備える電波吸収体ユニットであって、
前記所定方向の反対方向に沿って前記電波吸収集合体を見た場合に、少なくとも部分的にジグザグ形状又は凹凸形状を有する外形を有している
電波吸収体ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の電波吸収体ユニットであって、
前記反対方向に沿って前記電波吸収集合体を見た場合に、前記電波吸収集合体は、ジグザグ形状又は凹凸形状の四辺を有している
電波吸収体ユニット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収集合体は、所定数の前記電波吸収体からなる電波吸収体列を複数列備えており、
前記電波吸収体は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、四角形形状を有しており、
前記電波吸収体列は、夫々、前記電波吸収体の前記四角形形状の対角線が同一直線状に位置するように且つ隣接する前記電波吸収体の前記四角形形状の頂点同士が接するように前記所定数の前記電波吸収体を並べてなるものである
電波吸収体ユニット。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収集合体は、第1所定数の前記電波吸収体からなる第1電波吸収体列と、前記第1所定数よりも1だけ大きい第2所定数の前記電波吸収体からなる第2電波吸収体列とを、夫々、複数列備えており、
前記電波吸収体は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、四角形形状を有しており、
前記第1電波吸収体列は、夫々、前記電波吸収体の前記四角形形状の対角線が同一直線状に位置するように且つ隣接する前記電波吸収体の前記四角形形状の頂点同士が接するように前記第1所定数の前記電波吸収体を並べてなるものであり、
前記第2電波吸収体列は、夫々、前記電波吸収体の前記四角形形状の対角線が同一直線状に位置するように且つ隣接する前記電波吸収体の前記四角形形状の頂点同士が接するように前記第2所定数の前記電波吸収体を並べてなるものであり、
前記第1電波吸収体列と前記第2電波吸収体列とは交互に配列されている
電波吸収体ユニット。
【請求項5】
請求項1記載の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収体は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、四角形形状を有しており、
少なくとも2つ以上の前記四角形形状は、互いに同一方位に向けられた頂点を有しており、
前記同一方位に向けられた頂点は、前記ジグザグ形状の一部を構成している
電波吸収体ユニット。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の電波吸収体ユニットであって、
前記四角形形状は正方形形状である
電波吸収体ユニット。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電波吸収体ユニットであって、
板状のベース部と前記ベース部上に設けられた複数の電波導入部とを備えており、
前記電波吸収体は、前記電波導入部と当該電波導入部に対応する前記ベース部の一部とからなるものであり、
前記ベース部は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、前記電波吸収集合体と同一の外周形状を有している
電波吸収体ユニット。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電波吸収体ユニットであって、
板状のベース部と前記ベース部上に設けられた複数の電波導入部とを備えており、
前記電波吸収体は、前記電波導入部と当該電波導入部に対応する前記ベース部の一部とからなるものであり、
前記ベース部は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、前記電波吸収集合体と異なる外周形状を有している
電波吸収体ユニット。
【請求項9】
請求項8記載の電波吸収体ユニットであって、
前記ベース部は、前記反対方向に沿って前記電波吸収体ユニットを見た場合に、前記電波吸収集合体を内包し得る最小サイズの四角形として想定される領域に収まっている
電波吸収体ユニット。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収体は、夫々、正四角錐形状の電波導入部又は1以上の楔形状の電波導入部を有している
電波吸収体ユニット。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の電波吸収体ユニットであって、
前記電波吸収体の前記所定方向における先端は前記反対方向に凹んでいる
電波吸収体ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−105837(P2013−105837A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247627(P2011−247627)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【特許番号】特許第4988060号(P4988060)
【特許公報発行日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【出願人】(501353052)株式会社トーキンEMCエンジニアリング (13)
【Fターム(参考)】