説明

電波確認装置及び物品管理装置

【課題】 簡易な構成により確実に電波を検知してLEDを点灯することにより、アンテナから電波が放射されていることを容易に判断することができる物品管理装置を提供する。
【解決手段】 この物品管理装置300は図3に記載の電波確認装置30と、アンテナ31を介して物品のICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC50と、複数の電波確認装置30a〜30nの何れか一つを選択する切替装置60とを備えて構成される。尚、本実施形態では各電波確認装置30a〜30nはそれぞれ什器61a〜61nに備えられているものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波確認装置及び物品管理装置に関し、例えば、書類ファイルを管理する手段としてICタグとリーダライタを使用したファイル管理システムにおいて、ICタグを付したファイルを複数収納する什器に電波確認装置を備えることにより、複数の什器を1台のリーダライタにより制御するときに切替装置と電波確認装置との接続状態を確認する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から役所、会社等、大量の書類を管理、保管する機関、施設においては、書類を整理して収納するためのファイルを人為的なミスなく正確、効率的且つ自動的に管理、収納するために、各ファイル毎にICタグを付し、そのICタグに当該ファイルの管理情報を記録してファイル管理を自動化する試みがなされている。そして複数のファイルを収納する什器には、少なくとも一つ以上のアンテナが備えられリーダライタと接続されている。このとき什器が複数必要な場合は、各什器に備えられたアンテナに対してリーダライタを専用に備える必要が生じる。しかし、リーダライタとアンテナとのアクセス時間は瞬時であるため、必ずしもリーダライタとアンテナを1対1に設置する必要はない。
そこで、一般的には、1台のリーダライタに対して複数のアンテナを制御するために、通信対象とするアンテナを順次切替える切替装置が使用される。図10は従来のファイル管理システムの構成を示すブロック図である。このファイル管理システム500は、アンテナを介してICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC50と、複数のアンテナ145a〜145nの何れか一つを選択する切替装置60とを備えて構成される。この切替装置60はPC50により制御され、切替装置60で接続されたアンテナ145a〜145nに対して電波を送信してICタグの情報を読み取るものである。しかしながら電波は目では見えないため、アンテナが正しく切替装置60と接続されているか否かを確認することが困難であった。
特開2004−78725公報には、外部にあるデータ読み書き装置との間で、非接触でデータの送受信を行う非接触ICタグであって、支持体に少なくとも非接触でデータの送受信に用いるアンテナとICチップ、及び、少なくとも目視で光学的な効果を呈するOVD層を備えている非接触ICタグについて開示されている。
【特許文献1】特開2004−78725公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の切替装置を備えたファイル管理システムは、システムの検査段階で接続が正しいか否かを検査する場合、その什器に収納されているファイルの情報を予め確認しておき、その情報が正しく読めるか否かで確認していた。そのため、検査の手順が複雑となり、検査時間が長くなるといった問題がある。
また特許文献1に開示されている従来技術は、非接触ICタグにOVD層を備えるため、ICタグのコストが高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、簡易な構成により確実に電波を検知してLEDを点灯することにより、アンテナから電波が放射されていることを容易に判断することができる物品管理装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、アンテナの近傍にアンテナ番号とIDを記録したダミーICタグを備えることにより、切替装置とアンテナの誤接続を発見することが可能な物品管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナから放射される電波と電磁結合するループコイルと、該ループコイルにより電磁結合した電波を整流して直流電力に変換する電力生成回路と、該電力生成回路から生成される電力に基づいて発光するLEDと、を備えたことを特徴とする。
リーダライタから出力した搬送波はアンテナから電磁波(電波)として空間に放射される。しかし、電波は目に見えないため、間違いなくアンテナから電波が放射していることを判別し易い方法で表示できれば、人間にとって便利である。従来から表示方法の一つとして外部から他の電力を供給して回路的に電波を検出する方法があるが、回路が複雑となり且つ他の電力が必要となるといった問題がある。そこで本発明では、アンテナの近傍にループコイルを配置させ、アンテナから放射される電波パワーの一部をループコイルで電磁結合して利用して、その電力を整流してLEDを点灯させる。従って、電波の強弱によりLEDの光量が変化する。
請求項2は、前記ループコイルは、少なくとも前記アンテナから放射される電波により前記LEDを目視可能な光量にて発光させる位置に配設されることを特徴とする。
アンテナとループコイルの距離は近いほど電磁結合が強くなる。即ち、通常のパワーでLEDが発光するようにアンテナとループアンテナの距離を設定することが重要である。
【0005】
請求項3は、物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報を読み書きするリーダライタと、該リーダライタを制御する制御装置と、前記アンテナについての情報を記録するダミーICタグと、を備えたことを特徴とする。
本発明の特徴は、アンテナから電波が放射されると、必ずリーダライタと交信を開始できるようにアンテナの近傍にダミーICタグを備えた点である。そしてこのダミーICタグには、アンテナの番号とIDを記録しておく。例えば、アンテナ番号1にはIDが「AAA」のダミーICタグを備えるように予め決めておけば、アンテナ番号とIDを対応付けて管理することができる。
請求項4は、前記ダミーICタグは、当該ダミーICタグのIDと共に、当該ダミーICタグと交信するアンテナに付された識別番号を記録することを特徴とする。
本発明のダミーICタグの特徴は、アンテナから電波が放射されていることについての検証のみならず、ダミーICタグと交信して受信した情報により、ICタグと正常に交信が可能か否かについて検証できることにある。そのために、ダミーICタグに当該ダミーICタグのIDと、当該ダミーICタグと交信するアンテナの番号を記録しておく。
請求項5は、前記ダミーICタグは少なくとも前記アンテナを介して前記リーダライタとの交信が可能となる位置に配設されることを特徴とする。
アンテナとダミーICタグの距離は近いほど電磁結合が強くなる。即ち、通常のパワーでダミーICタグとの交信が可能なようにアンテナとダミーICタグの距離を設定することが重要である。
【0006】
請求項6は、什器内の物品を管理する物品管理装置であって、請求項1又は2に記載の電波確認装置と、前記アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報を読み書きするリーダライタと、該リーダライタを制御する制御装置と、複数の前記電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置と、を備え、前記制御装置は、前記切替装置により前記電波確認装置を順次選択し、選択した電波確認装置に対して電波を送信することにより、当該電波確認装置のLEDが点灯するか否かを確認し、前記切替装置と複数の電波確認装置との接続状況を確認することを特徴とする。
本発明の物品管理装置は、各什器に備えられたアンテナに電波確認装置を取り付け、更に複数の電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置を備えたものである。そして選択された電波確認装置にリーダライタから電波を送信する。電波を受信したループコイルはその電力を整流してLEDを点灯させる。これにより、目視によりどのアンテナに電波が送信されたかを確認することができる。
請求項7は、什器内の物品を管理する物品管理装置であって、請求項3、4又は5に記載の電波確認装置と、複数の前記電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置と、を備え、前記制御装置は、前記切替装置により前記電波確認装置を選択し、選択した電波確認装置に対して電波を送信することにより、当該電波確認装置のダミーICタグに記録されている記録情報を読み取り、前記選択した電波確認装置に対応するアンテナに付された識別番号であることを確認すると、前記切替装置と電波確認装置とが正常に接続されていると判断することを特徴とする。
本発明の物品管理装置は、各什器に備えられたアンテナに電波確認装置を取り付け、更に複数の電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置を備えたものである。そして選択された電波確認装置にリーダライタから電波を送信する。電波を受信したダミーICタグは、リーダライタに対してアンテナ番号とIDを返送する。リーダライタはその情報を受信して制御装置により正しいIDであるか否かを検証する。正しければ指定したアンテナ番号であるか否かを確認し、切替装置と電波確認装置との接続状態を検証するものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、アンテナとループコイルにより電磁結合してその電力を整流してLEDを点灯するので、実際にアンテナから放射される電波を目視により検出することができる。
また請求項2では、ループコイルとアンテナとの距離が、LEDが目視可能な程度に発光する位置に配設するので、電波を効率良くループコイルで電磁結合することができる。
また請求項3では、アンテナの近傍にアンテナについての情報を記録するダミーICタグを配設するので、アンテナからダミーICタグの記録情報を読み取ることができ、アンテナに関する詳しい情報を取得することができる。
また請求項4では、ダミーICタグに記録する情報が、アンテナの番号とIDなので、アンテナとダミーICタグとの対応付けを確実に行うことができる。
また請求項5では、ダミーICタグをリーダライタとの交信が可能となる位置に配設するので、同じアンテナでダミーICタグの情報を読み取ることができる。
また請求項6では、LEDを備えた電波確認装置を物品管理装置に備えるので、リーダライタから送信した電波がどの什器のアンテナに送信されたかを目視により確認することができる。
また請求項7では、アンテナについての情報を記録するダミーICタグを備えた電波確認装置を物品管理装置に備えるので、リーダライタから送信した電波がどの什器のアンテナに送信されたかをダミーICタグの記録情報により確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、一般的なICタグ用リーダライタの構成を示すブロック図である。このICタグ用リーダライタ(以下、単にリーダライタと呼ぶ)100は、リーダライタ100との間でデータの授受を行ってシステム全体を制御するPC50によって制御される。リーダライタ100は、外部のPC50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICタグとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9とを備えて構成されている。
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、ICタグの構成を先に説明しておく。図2は、一般的なICタグの構成を示すブロック図である。本実施形態のICタグ200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICタグ200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
【0009】
次に、図1と図2を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICタグ200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を交互に電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。次に、ICタグ200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、ICタグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICタグ200が規格に合致したタグであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICタグ200の間でポーリングが行われる。
【0010】
図3は本発明の第1の実施形態に係る電波確認装置の構成図である。本実施形態では、例えば什器内の物品を管理するために、什器内にアンテナを配設して物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きする物品管理装置等に本実施形態の電波確認装置を備えた場合について説明する。この電波確認装置30は、物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナ31と、このアンテナ31から放射される電波と電磁結合を行うループコイル32と、このループコイル32により電磁結合した電波を整流して直流電力に変換する電力生成回路33と、この電力生成回路33から生成される電力に基づいて光を発光するLED34とを備えて構成される。またアンテナ31には物品のICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC(制御装置)50が接続されている。尚、本実施形態では発光手段としてLEDを使用したが、他の発光手段でも構わない。
次に本実施形態の概略動作について説明する(詳細は後述する)。PC50からリーダライタ100に対して読取のコマンドが発行される。するとリーダライタ100はアンテナ31に搬送波を送信する。その搬送波は電磁波35となってアンテナ31から放射され、近接しているループコイル32と電磁結合してループコイル32に起電力が発生する。その起電力は電力生成回路33により整流されて直流電力となり、所定の電圧以上になるとLED34のアノードからカソードに電流が流れてLED34を点灯させる。即ち、搬送波がアンテナ31から放射されている間LED34は点灯を継続する。
このように本実施形態は目に見えない電波を目視化する一つの手段である。即ち、アンテナ31の近傍にループコイル32を配置させ、アンテナ31から放射される電波パワーの一部をループコイル32で電磁結合して利用して、その電力を電力生成回路33により整流してLED34を点灯させるものである。これにより実際にアンテナから放射される電波を目視により検出することができる。またアンテナ31とループコイル32の距離は近いほど電磁結合が強くなる。即ち、通常のパワーでLED34が発光するようにアンテナ31とループコイル32の距離を設定することにより、電波を効率良くループコイル32で電磁結合することができる。
【0011】
図4は本発明の第2の実施形態に係る電波確認装置の構成図である。図3ではアンテナ31から電波が放射されていることは確認できるが、その電波が正しい情報であるか否かについては確認することはできない。この電波確認装置40は、物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナ41と、このアンテナ41を介してICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC50と、アンテナ41についての情報を記録するダミーICタグ200とを備えて構成される。
次に本実施形態の概略動作について説明する(詳細は後述する)。PC50からリーダライタ100に対して読取のコマンドが発行される。するとリーダライタ100はアンテナ41に搬送波を送信する。その搬送波は電磁波42となってアンテナ41から放射され、近接しているダミーICタグ200と電磁結合されてダミーICタグ200を起動する。これによりリーダライタ100とダミーICタグ200が交信可能となり、ダミーICタグ200に記録されている記録情報をリーダライタ100が読取ることができる。
本実施形態の特徴は、アンテナ41から電波が放射されると、必ずリーダライタ100と交信を開始できるようにアンテナ41の近傍にダミーICタグ200を備えた点である。そしてこのダミーICタグ200には、アンテナ41の番号とダミーICタグ200自身のIDを記録しておくので、アンテナ41からダミーICタグ200の記録情報を読み取ることができ、アンテナ41に関する詳しい情報を取得することができる。また本実施形態のダミーICタグ200の役目は、アンテナ41から電波が放射されていることについての検証だけではなく、ダミーICタグ200と交信して受信した情報により、実際の物品に付されたICタグとの間で正常に交信できるか否かという点まで検証できることである。そのために、ダミーICタグ200にダミーICタグ200自身のIDと、ダミーICタグ200と交信するアンテナの番号を記録しておくものである。これによりアンテナ41とダミーICタグ200との対応付けを確実に行うことができる。またアンテナ41とダミーICタグ200の距離は近いほど電磁結合が強くなる。即ち、通常のパワーでダミーICタグ200との交信が可能なようにアンテナ41とダミーICタグ200の距離を設定することが重要である。
【0012】
図5は本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置の構成図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。この物品管理装置300は図3に記載の電波確認装置30と、アンテナ31を介して物品のICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC50と、複数の電波確認装置30a〜30nの何れか一つを選択する切替装置60とを備えて構成される。尚、本実施形態では各電波確認装置30a〜30nはそれぞれ什器61a〜61nに備えられているものとする。そして図5では切替装置60が什器61bを選択して電波確認装置30bのLED34bが点灯している場合を示している。また切替装置60はPC50により制御線62により制御される。
図6は本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置300の動作フローチャートである。図5を参照して説明する。まずPC50から制御線62により切替装置60に対して、例えば電波確認装置30bを選択するように指示する。切替装置60はその指示に基づいてリーダライタ100と電波確認装置30bを接続し、アンテナ31に電波を出力する(S1)。次に操作者は什器61bに備えられたLED34bが点灯しているかを確認し(S2)、他の什器のLEDが点灯してなくLED34bだけが点灯していれば切替装置60と什器との接続が正常と判断する(S3)。またステップS2でLED34bが点灯していない場合(S2でNOのルート)、他の什器のLEDが点灯しているか否かを確認し(S4)、他の什器のLEDが点灯していれば(S4でYESのルート)、接続が間違っていると判断する(S5)。ステップS4で他の什器のLEDが点灯していなければ(S4でNOのルート)、断線か故障と判断する(S6)。以下、PC50は順次切替装置60を切替えて全ての什器に電波が正しく出力されるか否かをチェックする。
本実施形態の物品管理装置300は、各什器に備えられたアンテナに電波確認装置を取り付け、更に複数の電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置60を備えたものである。そして選択された電波確認装置にリーダライタ100から電波を送信する。電波を受信したループコイルはその電力を整流してLEDを点灯させる。これにより、目視によりどの什器のアンテナに電波が送信されたかを確認することができる。
【0013】
図7は本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置の構成図である。同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。この物品管理装置400は図4に記載の電波確認装置40と、アンテナ41を介して物品のICタグとダミーICタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタ100と、このリーダライタ100を制御するPC50と、複数の電波確認装置40a〜40nの何れか一つを選択する切替装置60とを備えて構成される。尚、本実施形態では各電波確認装置40a〜40nはそれぞれ什器61a〜61nに備えられているものとする。また切替装置60はPC50により制御線62により制御される。
図8は本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置400の動作フローチャートである。図7を参照して説明する。まずPC50から制御線62により切替装置60に対して、例えば電波確認装置40bを選択するように指示する。切替装置60はその指示に基づいてリーダライタ100と電波確認装置40bを接続し、アンテナ41に電波を出力する(S11)。次にダミーICタグ200bに対して応答したか否かをチェックする(S12)。その結果、応答があると(S12でYESのルート)ダミーICタグ200bに記録されているアンテナ番号(この例ではアンテナ番号は2番)を読取る(S13)。ここでアンテナ番号とダミーICタグのIDとの対応関係を図9に示す。IDは各ダミーICタグが固有に有するものであり、全て異なるように決められている。従って、予め所定のダミーICタグをアンテナに近接して配設した場合、そのダミーICタグにアンテナの番号を対応付けて記録しておく。例えば、図9ではアンテナ番号1にはIDが「ABC」のダミーICタグが配設されていることを表している。ステップS14では、読取ったアンテナ番号をチェックし(S14)、ステップS11で指定したアンテナ番号であれば(S14でYESのルート)正常な接続であると判断する(S15)。ステップS14でステップS11で指定したアンテナ番号でなければ(S14でNOのルート)接続間違いであると判断する(S16)。またステップS12でダミーICタグが応答しなければ(S12でNOのルート)、ダミーICタグの故障とみなして終了する(S17)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一般的なICタグ用リーダライタの構成を示すブロック図である。
【図2】一般的なICタグの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電波確認装置の構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る電波確認装置の構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置の構成図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る物品管理装置300の動作フローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る物品管理装置400の動作フローチャートである。
【図9】アンテナ番号とダミーICタグのIDとの対応関係を示す図である。
【図10】従来のファイル管理システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0015】
30 電波確認装置、31 アンテナ、32 ループコイル、33 電力生成回路、34 LED、50 PC、60 切替装置、61 什器、100 リーダライタ、200 ダミーICタグ、300 物品管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナから放射される電波と電磁結合するループコイルと、該ループコイルにより電磁結合した電波を整流して直流電力に変換する電力生成回路と、該電力生成回路から生成される電力に基づいて発光するLEDと、を備えたことを特徴とする電波確認装置。
【請求項2】
前記ループコイルは、少なくとも前記アンテナから放射される電波により前記LEDを目視可能な光量にて発光させる位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の電波確認装置。
【請求項3】
物品に付されたICタグに対して管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナと、該アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報を読み書きするリーダライタと、該リーダライタを制御する制御装置と、前記アンテナについての情報を記録するダミーICタグと、を備えたことを特徴とする電波確認装置。
【請求項4】
前記ダミーICタグは、当該ダミーICタグのIDと共に、当該ダミーICタグと交信するアンテナに付された識別番号を記録することを特徴とする請求項3に記載の電波確認装置。
【請求項5】
前記ダミーICタグは少なくとも前記アンテナを介して前記リーダライタとの交信が可能となる位置に配設されることを特徴とする請求項3又は4に記載の電波確認装置。
【請求項6】
什器内の物品を管理する物品管理装置であって、
請求項1又は2に記載の電波確認装置と、前記アンテナを介して前記ICタグに対して前記管理情報を読み書きするリーダライタと、該リーダライタを制御する制御装置と、複数の前記電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置と、を備え、
前記制御装置は、前記切替装置により前記電波確認装置を順次選択し、選択した電波確認装置に対して電波を送信することにより、当該電波確認装置のLEDが点灯するか否かを確認し、前記切替装置と複数の電波確認装置との接続状況を確認することを特徴とする物品管理装置。
【請求項7】
什器内の物品を管理する物品管理装置であって、
請求項3、4又は5に記載の電波確認装置と、複数の前記電波確認装置の何れか一つを選択する切替装置と、を備え、
前記制御装置は、前記切替装置により前記電波確認装置を選択し、選択した電波確認装置に対して電波を送信することにより、当該電波確認装置のダミーICタグに記録されている記録情報を読み取り、前記選択した電波確認装置に対応するアンテナに付された識別番号であることを確認すると、前記切替装置と電波確認装置とが正常に接続されていると判断することを特徴とする物品管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−40037(P2006−40037A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220399(P2004−220399)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】