説明

電源スイッチ押下装置、電源スイッチ押下方法およびプログラム

【課題】電源オン/オフ機能を実現するソフトウェアを具備しないメインボードに対して、加工を必要とせずに、起動および停止の繰り返しを行う際の検査者の負担を軽減することができるようにする。
【解決手段】USB通信部130が、被検査コンピュータ300のシャットダウンを検出し、このシャットダウン検出に基づいて、スイッチ押アーム200が電源スイッチ359を押下する。これにより、電源オン/オフ機能を実現するソフトウェアを具備しないメインボード(処理部350)に対して、加工を必要とせずに、被検査コンピュータ300の起動および停止を自動で繰り返すことができるので、検査者の負担を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータの電源スイッチを押下する電源スイッチ押下装置、当該電源スイッチ押下装置の電源スイッチ押下方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)などコンピュータのメインボード(Main Board;M/B)の修理が完了した際の出荷検査において、間欠的に発生する起動時障害の検出確率を高めるために、コンピュータの起動および停止を繰り返す方法が考えられる。
【0003】
また、特許文献1では、キーボード信号線が配設された印刷配線基板の検査に際し、リレー等のスイッチ回路がキーボード上のキースイッチに並列に接続された状態で、スイッチ回路のオン/オフによってキースイッチの押下をシミュレートしてキーコードを生成させ、このキーコードを用いて印刷配線基板の検査を行う印刷配線基板検査装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−367018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したコンピュータの起動および停止の繰り返しを、手動でコンピュータの電源スイッチをオン(入)/オフ(切)することによって行うと、検査者の作業工数が増大し、検査者の負担となってしまう。
ここで、一部のメインボードは電源オン/オフ機能をソフトウェアにて実現している。かかるメインボードに対しては、電源オン/オフ機能を制御することによりメインボードの起動および停止(コンピュータの起動および停止)の繰り返しを自動で行う方法が考えられる。
しかし、電源オン/オフ機能を実現するソフトウェアを具備しないメインボードに対しては、かかる方法は適用できない。
また、電源オン/オフ機能を実現するソフトウェアを具備するソフトウェアであっても、電源オン/オフをスイッチ操作によって行う場合とソフトウェア動作によって行う場合とで、メインボード内部の処理手順が異なり、間欠的に発生する起動時障害の検出確率が異なる可能性がある。かかる場合(特に、スイッチ操作にて電源オン/オフすると発生する障害が、ソフトウェア動作によって電源オン/オフすると発生しない場合)、出荷される修理品の品質を確保できないおそれがある。
【0006】
また、特許文献1と同様に、電源スイッチと並行に、あるいは電源スイッチに置き換えて、電気的に制御可能なスイッチ回路を設け、このスイッチ回路を制御することによってメインボードの起動および停止の繰り返しを自動で行う方法が考えられる。
しかし、電源スイッチがメインボード上(例えばメインボードのプリント配線基板(Print Wiring Board;PWB)上)に設けられている場合、スイッチ回路を設置する工数が発生し、また、メインボードに加工を行うことによる二次障害のおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決することのできる電源スイッチ押下装置、電源スイッチ押下方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による電源スイッチ押下装置は、コンピュータのシャットダウンを検出するシャットダウン検出部と、前記シャットダウン検出部による前記コンピュータのシャットダウン検出に基づいて、前記コンピュータの電源スイッチを押下する押下操作部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様による電源スイッチ押下方法は、コンピュータの電源スイッチを押下する電源スイッチ押下装置の電源スイッチ押下方法であって、コンピュータのシャットダウンを検出するシャットダウン検出ステップと、前記シャットダウン検出ステップによる前記シャットダウン検出に基づいて、前記コンピュータの電源スイッチを押下する押下操作ステップと、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様によるプログラムは、コンピュータの電源スイッチを押下する電源スイッチ押下装置としてのコンピュータに、コンピュータのシャットダウンを検出するシャットダウン検出ステップと、前記シャットダウン検出ステップによる前記シャットダウン検出に基づいて、前記コンピュータの電源スイッチを押下する押下操作ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電源オン/オフ機能を実現するソフトウェアを具備しないメインボードに対して、加工を必要とせずに、起動および停止の繰り返しを行う際の検査者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態における電源スイッチ押下装置の外形の概略を示す外観図である。
【図2】同実施形態における電源スイッチ押下装置の概略構成を示す構成図である。
【図3】同実施形態におけるスイッチ押アームの外形の概略を示す外観図である。
【図4】同実施形態におけるスイッチ押アームの電源スイッチ押下動作の概略を示す説明図である。
【図5】同実施形態における油圧ダンパの概略構成を示す構成図である。
【図6】同実施形態における電源スイッチ押下装置の動作例を示すシーケンス図である。
【図7】同実施形態における被検査コンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態におけるシステムコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における電源スイッチ押下装置1の外形の概略を示す外観図である。同図において、電源スイッチ押下装置1は、システムコントローラ100と、スイッチ押アーム200とを具備する。システムコントローラ100は、電源スイッチ111と、電源オフ時間設定スイッチ112と、試験回数設定スイッチ113とを有する操作入力部(電源オフ時間上限値受付部、試験回数上限値受付部)110と、パイロットランプを有する表示部120と、を具備する。
なお、以下では、被検査コンピュータ300が起動してシャットダウンし、電源オフ時間経過後に再び被検査コンピュータ300が起動するまでの1周期の間に、電源スイッチ押下装置1および被検査コンピュータ300が行う処理を「試験」と称し、繰り返し行われる試験の全体を通じて電源スイッチ押下装置1および被検査コンピュータ300が行う処理を「検査」と称する。
【0014】
ここで、電源スイッチ111は、システムコントローラ100の電源スイッチである。電源オフ時間設定スイッチ112は、被検査コンピュータ300のシャットダウンを検出してから次に被検査コンピュータ300を起動させるまでの待ち時間である電源オフ時間上限値を設定するスイッチである。試験回数設定スイッチ113は、被検査コンピュータ300の起動回数またはシャットダウン回数である試験回数上限値を設定するスイッチである。なお、本実施形態では、試験回数上限値としてシャットダウン回数を用いる。
また、表示部120のパイロットランプは、システムコントローラ100と被検査コンピュータ300との間に通信が確立しているときに点灯する。
【0015】
システムコントローラ100とスイッチ押アーム200とは、予め信号ケーブル502で接続されている。また、システムコントローラ100は、検査者によって予め、被検査コンピュータ300とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル501にて接続されている。また、スイッチ押アーム200は、検査者によって予め、被検査コンピュータ300の電源スイッチ359上(電源スイッチ359を押下可能な位置)に設置されている。
【0016】
図2は、電源スイッチ押下装置1の概略構成を示す構成図である。同図において、電源スイッチ押下装置1は、システムコントローラ100と、スイッチ押アーム(押下操作部)200とを具備する。システムコントローラ100は、操作入力部110と、表示部120と、USB通信部(シャットダウン検出部)130と、テストプログラム記憶部141と、電源オフ時間測定部151と、試験回数管理部152と、アーム制御部153と、通信処理部154とを具備する。また、システムコントローラ100のアーム制御部153と、スイッチ押アーム200とは、信号ケーブル502で接続されている。
また、被検査コンピュータ300は、USB通信部330と、記憶部340と、処理部350と、電源部390とを具備する。処理部350は電源スイッチ359を具備する。また、システムコントローラ100のUSB通信部130と、被検査コンピュータ300のUSB通信部330とは、USBケーブル501で接続されている。
【0017】
被検査コンピュータ300は、検査対象のメインボードを格納するコンピュータであり、電源スイッチ359が押下される毎に起動してOS(Operating System)やテストプログラムを実行し、所定時間経過後に停止する。被検査コンピュータ300は、検査対象のメインボードの種類毎に用意される。
USB通信部330は、USBケーブル501にてUSB通信部130と接続されて通信を行う。
【0018】
記憶部340は、記憶デバイスにより実現され、OSや検査用アプリケーションソフトウェアなど、処理部350が実行するプログラムがインストールされている。また、記憶部340は、被検査コンピュータ300の動作のログなど各種データを記憶する。
なお、以下では、記憶部340にインストールされている検査用アプリケーションソフトウェアを「クライアントソフトウェア」と称する。クライアントソフトウェアは、OSが起動すると処理部350に読み込まれて自動実行され、USB通信部330を制御してシステムコントローラ100と通信を行い、システムコントローラ100からテストプログラムを読み出して実行する。
【0019】
電源部390は、被検査コンピュータ300の各部に電源を供給する。
処理部350は、修理されて検査対象となっているメインボードによって構成され、当該メインボードのCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部340からOS(Operating System)やクライアントソフトウェアを読み出して実行することにより、被検査コンピュータ300の各部を制御する。特に、処理部350は、電源スイッチ359を具備し、電源スイッチ359が押下されると、被検査コンピュータ300の各部に電力が供給されるように電源部390を制御し、記憶部340からOSを読み出して実行する等の起動処理を行う。また、処理部350は、USB通信部330を介してシステムコントローラ100と通信し、システムコントローラ100からテストプログラムを読み出して実行する。
【0020】
スイッチ押アーム200は、被検査コンピュータ300の電源スイッチ359を押下可能な位置に設置されており、システムコントローラ100の制御に従って電源スイッチ359を押下する。スイッチ押アーム200の構成については後述する。
システムコントローラ100は、被検査コンピュータ300の状態を検出し、スイッチ押アーム200の電源スイッチ押下動作を制御する。
【0021】
操作入力部110は、検査者による操作入力を受け付ける。具体的には、図1で説明したように、操作入力部110は、電源スイッチ111にて、システムコントローラ100の電源オン/オフの切換を受け付け、電源オフ時間設定スイッチ112にて、電源オフ時間上限値の設定を受け付け、試験回数設定スイッチ113にて、試験回数上限値の設定を受け付ける。
表示部120は、図1で説明したように、システムコントローラ100と被検査コンピュータ300との間に通信が確立していることを示すパイロットランプを具備する。
【0022】
USB通信部130は、USBケーブル501にてUSB通信部330と接続されて通信を行う。
特に、USB通信部130は、被検査コンピュータ300のシャットダウンを検出する。例えば、USB通信部130は、USB通信部330との通信の切断を検出することによって、被検査コンピュータ300のシャットダウンを検出する。
また、USB通信部130は、通信処理部154の制御に従ってテストプログラム記憶部141の記憶するテストプログラムをUSB通信部330に送信する。
なお、USB通信部130とUSB通信部330との間の通信方式はUSBに限らず、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)など、他の通信方式によって通信を行うようにしてもよい。
【0023】
テストプログラム記憶部141は、被検査コンピュータ300に送信するテストプログラムを記憶する。
電源オフ時間測定部151は、タイマを具備し、被検査コンピュータ300がシャットダウンしてからの経過時間を測定し、操作入力部110にて設定された電源オフ時間上限値の経過を検出する。
試験回数管理部152は、カウンタを具備し、試験回数(被検査コンピュータ300の起動回数またはシャットダウン回数。本実施形態では、シャットダウン回数を用いる)を計数し、操作入力部110にて設定された試験回数上限値に到達したか否かを判定する。
アーム制御部153は、スイッチ押アーム200と信号ケーブル502にて接続されており、電源オフ時間測定部151および試験回数管理部152の判定結果に基づいて、スイッチ押アーム200の電源スイッチ押下動作を制御する制御信号を送信する。
なお、アーム制御部153とスイッチ押アーム200との間の通信方式としては、様々なものを用いることができる。例えば、USBにて通信を行うようにしてもよいし、RS−232C(Recommended Standard 232 version C)にて通信を行うようにしてもよい。
【0024】
通信処理部154は、USB通信部130の行う通信を制御する。また、通信処理部154は、通信が確立している状態にあることをUSB通信部130が検出すると、表示部120のパイロットランプを点灯させる。
なお、システムコントローラ100は、二次電池を具備してシステムコントローラ100の各部に電力を供給する。USBにより被検査コンピュータ300から電力供給を受けて二次電池が電力を蓄えることにより、システムコントローラ100は、被検査コンピュータ300がシャットダウンしている間も、他から電力供給を受けずに動作することができる。
【0025】
次に、図3および図4を参照してスイッチ押アーム200の構成および電源スイッチ押下動作について説明する。
図3は、スイッチ押アーム200の外形の概略を示す外観図である。
また、図4は、スイッチ押アーム200の電源スイッチ押下動作の概略を示す説明図である。
図3において、スイッチ押アーム200は、サーボモーター210と、スイングアーム220と、プッシュロッド230と、油圧ダンパ240と、コンタクトピース260と、アームベース290とを具備する。また、油圧ダンパ240は、プッシュロッド250を具備する。
【0026】
サーボモーター210は、アームベース290に固定されており、検査者によって、コンタクトピース260が電源スイッチ359を押下可能な位置に予め設置されている。
そして、サーボモーター210の出力軸には、該出力軸の径方向外側に向かって延びるスイッチ押アーム200の一端側が固定されている。また、スイッチ押アーム200の他端側には、電源スイッチ359の押下方向(鉛直方向)に伸びるプッシュロッド230の一端が回動可能に接続されており、該プッシュロッド230の他端は、油圧ダンパ240の後端に接続されている。さらに、油圧ダンパ240の先端(プッシュロッド250の先端)にはコンタクトピース260が固定されている。コンタクトピース260は、シリコンゴムなど電源スイッチ359に接触した際に傷を付けにくい素材で作られている。
【0027】
これによって、図4に示すように、アーム制御部153(図2)から出力される制御信号に従って、サーボモーター210の出力軸が所定角度範囲(例えば約90度)を往復回転した際には、スイングアーム220が当該所定角度範囲を旋回し、これに伴ってプッシュロッド230、油圧ダンパ240およびコンタクトピース260が電源スイッチ359の押下方向に往復移動する。そして、コンタクトピース260が電源スイッチ359に接触し押下する。
【0028】
ここで、サーボモーター210とスイッチ押アーム200とプッシュロッド230とは、推力生成部の一具体例を構成する。すなわち、サーボモーター210の出力軸の回転を、スイングアーム220およびプッシュロッド230が推力に変換することにより、推力を生成する。
また、コンタクトピース260は、接触部の一具体例であり、油圧ダンパ240およびプッシュロッド250によって伝達される上記推力に基づいて、電源スイッチ359を押下する。
また、油圧ダンパ240は、伝達部の一具体例であり、上記推力をコンタクトピース260に伝達する。その際、コンタクトピース260が電源スイッチ359から受ける応力に従って、油圧ダンパ240は上記推力を減衰させ、減衰された推力をコンタクトピース260に伝達する。
【0029】
次に、図5を参照して油圧ダンパ240の構成について説明する。
図5は、油圧ダンパ240の概略構成を示す構成図である。なお、油圧ダンパ240は、コンタクトピース260が電源スイッチ359から受ける応力に従ってコンタクトピース260に伝達する推力を減衰させるものであればよく、一般的な油圧ダンパなど様々なダンパを用いることができる。
【0030】
図5において、油圧ダンパ240のシリンダ249内には、作動オイル241が満たされており、作動オイル241中にオリフィス付き可動ピストン243が設けられている。また、オリフィス付き可動ピストン243の一方の面中央部分にはコイルバネ242の一端が固定されており、他方の面中央部分にはプッシュロッド250の一端が固定されている。
そして、シリンダ249に、プッシュロッド230(図3)からの推力が加わると、当該推力は、作動オイル241、オリフィス付き可動ピストン243およびプッシュロッド250を介してコンタクトピース260に伝達される。
【0031】
ここで、コンタクトピース260が電源スイッチ359に接触し、電源スイッチ359からの応力を受けると、当該応力は、プッシュロッド250を介してオリフィス付き可動ピストン243に伝達される。そして、伝達された応力により、オリフィス付き可動ピストン243がコイルバネ242側に移動することによりコンタクトピース260に伝達される推力が減衰される。このとき、オリフィス付き可動ピストン243のオリフィス(穴)を流れる作動オイル241の粘性抵抗により、オリフィス付き可動ピストン243がコイルバネ242側に移動に対して抵抗力が発生する。この抵抗力により、一定の推力がコンタクトピース260に伝達される。
【0032】
このように、オリフィス付き可動ピストン243が移動することにより、コンタクトピース260に伝達される推力が減衰されるので、電源スイッチ359に加わる押下力を抑えることができ、電源スイッチ359の破壊を防止できる。ここで、電源スイッチ359の押下に必要な推力やストローク長(押し込む量)は、電源スイッチ359の種類(被検査コンピュータ300の種類)により異なるが、油圧ダンパ240が余分な推量を吸収する(コンタクトピース260に伝達される推力を減衰させる)ことにより、様々な種類の電源スイッチ359に対応することができる。
【0033】
なお、オリフィス付き可動ピストン243が移動する際、コイルバネ242が縮む。そして、スイングアーム220(図4)が上方向(図4の矢印と反対方向)に旋回し、シリンダ249にプッシュロッド230からの推力が加わらなくなると、コイルバネ242が伸張する(元の状態に戻る)。このコイルバネ242の伸張により、オリフィス付き可動ピストン243は初期位置(電源スイッチ359からの応力により移動する前の位置)に復帰する。
【0034】
次に、図6〜図8を参照して電源スイッチ押下装置1および被検査コンピュータ300の動作について説明する。
図6は、電源スイッチ押下装置1の動作例を示すシーケンス図である。処理部350(メインボード)が被検査コンピュータ300にセットされ、スイッチ押アーム200が電源スイッチ359を押下可能な位置に設置され、システムコントローラ100とスイッチ押アーム200とが接続され、システムコントローラ100と被検査コンピュータ300とが接続された状態で、電源スイッチ押下装置1は同図の処理を開始する。
なお、スイッチ押アーム200を設置する際、検査者は、コンタクトピース260が電源スイッチ359に上からまっすぐに当たるように、アームベース290の位置および角度を調整し、アームベース290を(ネジ等で壁に固定するなど)しっかり固定する。
【0035】
図6の処理において、まず、システムコントローラ100の電源がオンされ、システムコントローラ100は動作状態となる(シーケンスS101)。
そして、操作入力部110は、電源オフ時間上限値の入力操作(図1スイッチ112による選択)を受け付ける(シーケンスS103)。電源オフ時間は、例えば、「0」(待ち時間無し)、「5分」、「10分」、「20分」、「60分」の中から選択される。
また、操作入力部110が、試験回数上限値の入力操作(図1のスイッチ113による選択)を受け付ける(シーケンスS102)。
【0036】
次に、検査者が手動にて電源スイッチ359を押下する(シーケンスS111)。この初回の電源スイッチ359押下は検査者が手動で行い、以後のスイッチ押下は、後述するように電源スイッチ押下装置1が自動で行う。
なお、初回の電源スイッチ359押下(シーケンスS111)の方法は、図6に示す手動で行う方法に限らない。例えば、試験回数上限値の設定(シーケンスS102)および電源オフ時間上限値の設定(シーケンスS103)が完了したことを契機として、電源スイッチ押下装置1が自動的に電源スイッチ359を押下するようにしてもよい。
【0037】
シーケンスS111にて電源をオンされた被検査コンピュータ300の処理部350は、記憶部340からOSを読み出して実行する(OSを起動させる。シーケンスS112)。さらに、処理部350が、POST(Power On Self Test、電源投入時の動作テスト)などの起動処理を行うようにしてもよい。
なお、OSの起動に失敗した場合は、失敗時の状態がOSのイベントログに記録される。検査者はこのイベントログを確認することにより、OS起動失敗の原因を調べることができる。
【0038】
OSが起動すると、処理部350は、記憶部340から試験用ソフトウェア(以下では、「クライアントソフトウェア」と称する)を読み出して実行する(自動でクライアントソフトウェアを起動させる。シーケンスS113)。また、処理部350は、シャットダウンのタイミングを判定する際に用いる試験時間の測定を開始する。
以降、処理部350は、後述するシーケンスS133までの間、クライアントソフトウェアに従って動作する。
【0039】
次に、処理部350は、USB通信部130とUSB通信部330との間で通信を確立するよう、USB通信部330を制御する(シーケンスS121)。
この通信の確立は、例えば、USB通信部130とUSB通信部330とがUSBにて接続されている場合、USB通信部330が、USB通信部130に対してコントロール転送(USBに規定される、相手側に機器を認識させるための通信)を行うことによって行われる。
【0040】
具体的には、まず、ホストに相当する被検査コンピュータ300のUSB通信部330が、ターゲットに相当するシステムコントローラ100のUSB通信部130に対して、コントロール転送によりディスクリプタ(ターゲットの特性や属性を示す情報)を要求する。
このディスクリプタ要求にUSB通信部130が応答してコンフィグディスクリプタ(ターゲットのUSB構成情報)を送信する。このコンフィグディスクリプタにより、OSとしての処理部350がターゲットを認識する。
【0041】
さらに、クライアントソフトウェアとしての処理部350がターゲット(システムコントローラ100)のインタフェースディスクリプタ(インタフェースの特性や属性を示す情報)およびエンドポイントディスクリプタ(エンドポイント(End Point、通信に用いられるバッファ)の特性や属性を示す情報)を取得して通信を開始することにより、通信が確立される。
なお、通信の確立に失敗した場合(ターゲットが応答しない場合)は、処理部350が、USBポート障害またはメインボードの故障と判断して通信失敗を記憶部340の記憶するログに書き込み、被検査コンピュータ300はそのままの状態を保持する。
【0042】
通信が確立すると、被検査コンピュータ300は、通信が確立したことを示す表示を行う旨の指示を、システムコントローラ100に対して送信し(シーケンスS122)、システムコントローラ100は、表示部120のパイロットランプを点灯させる(シーケンスS123)。
具体的には、クライアントソフトウェアを実行する処理部350が、通信の確立を検出し、USB通信部330およびUSB通信部130を介して、通信が確立したことを示す表示を行う旨の指示を通信処理部154に送信し、通信処理部154が表示部120のパイロットランプを点灯させる。
【0043】
その後、被検査コンピュータ300の処理部350は、システムコントローラ100のテストプログラム記憶部141からテストプログラムをダウンロードする(シーケンスS131)。
例えば、シーケンスS121において、システムコントローラ100はマスストレージクラス(Mass Storage Class、ターゲットを記憶装置として認識すること)にて被検査コンピュータ300と接続される。そして、処理部350は、テストプログラム記憶部141がテストプログラムのファイルを格納するディレクトリを指定して、テストプログラムのファイルを読み出すことにより、テストプログラムを取得する。
なお、テストプログラムのダウンロードに失敗した場合は、処理部350が、テストプログラム取得失敗を記憶部340の記憶するログに書き込み、被検査コンピュータ300はそのままの状態を保持する。
【0044】
そして、処理部350は、取得したテストプログラムを実行して機能検査を行う。機能検査でエラーが検出されなければ、処理部350は、クライアントソフトウェア起動時に測定を開始した試験時間が、予め定められた試験時間上限値に達したか否かを判定し、試験時間上限値に達するまで機能試験を継続する(シーケンスS132)。
なお、機能検査でエラーを検出した場合は、処理部350は、エラーを記憶部340の記憶するログに書き込み、被検査コンピュータ300はそのままの状態を保持する。
試験時間が試験時間上限値に達すると、処理部350がシャットダウン処理を行い、被検査コンピュータ300は停止する(シーケンスS133)。
【0045】
被検査コンピュータ300の停止によって、システムコントローラ100と被検査コンピュータ300との通信が切断されると、USB通信部130が通信の切断を検出し、通信処理部154は、表示部120のパイロットランプを消灯させる(シーケンスS141)。また、通信処理部154は、通信が切断されたことを示す情報を電源オフ時間測定部151および試験回数管理部152に出力する。
なお、被検査コンピュータ300がシャットダウンに失敗するなどにより通信が切断されない場合は、表示部120のパイロットランプが点灯したままの状態となり、検査者は異常を検知できる。
【0046】
通信が切断されると、試験回数管理部152は、カウンタ値(試験回数)に1を加算する(シーケンスS142)。また、電源オフ時間測定部151は、タイマにて待ち時間を測定し、電源オフ時間上限値の経過を待つ(シーケンスS143)。
電源オフ時間上限値の示す時間が経過すると、電源オフ時間測定部151は、電源オフ時間上限値経過を示す情報を試験回数管理部152に出力し、試験回数管理部152は、試験回数が試験回数上限値に達しているか否かを判定する。
【0047】
試験回数上限値に達していないと判定した場合、試験回数管理部152は、電源スイッチ359押下を指示する情報をアーム制御部153に出力し、アーム制御部153は、電源スイッチ359を押下するようスイッチ押アーム200を制御する(シーケンスS151)。
これにより、スイッチ押アーム200が電源スイッチ359を押下し(シーケンスS152)、被検査コンピュータ300の電源がオンされる。
以下、試験回数が試験回数上限値に達するまで、シーケンスS112〜S161の処理を繰り返す。
【0048】
図7は、被検査コンピュータ300の処理手順を示すフローチャートである。被検査コンピュータ300は、電源スイッチ359が押下されると同図の処理を開始する。
まず、電源スイッチ359押下により、電源部390が各部への電力供給を開始し、処理部350は、記憶部340からOSを読み出して実行する(OSを起動させる。ステップS201)。
そして、処理部350はOSの起動に成功したか否かを判定する(ステップS202)。
OSの起動に失敗したと判定した場合(ステップS202:NO)、処理部350は、記憶部340の記憶するイベントログに失敗時の状態を書き込む(ステップS211)。そして、被検査コンピュータ300は、そのままの状態を保持して同図の処理を終了する。
【0049】
一方、OSの起動に成功したと判定した場合(ステップS202:YES)、処理部350は、記憶部340からクライアントソフトウェアを読み出して実行する(クライアントソフトウェアを起動させる。ステップS221)。
また、処理部350は、シャットダウンのタイミングを判定する際に用いる試験時間の測定を開始する(ステップS222)。
【0050】
そして、USB通信部330は、処理部350の制御に従って、USB通信部130との間の通信を確立する処理(図6のシーケンスS121で説明した処理)を行う(ステップS223)。その後、処理部350は、USB通信部130とUSB通信部330との間に通信が確立されたか否かを判定する(ステップS224)。
通信が確立されていないと判定した場合(ステップS224:NO)、処理部350は、記憶部340の記憶するログに通信失敗を書き込む(ステップS231)。そして、被検査コンピュータ300は、そのままの状態を保持して同図の処理を終了する。
【0051】
一方、ステップS224において、通信が確立されていると判定した場合(ステップS224:YES)、処理部350は、USB通信部330およびUSB通信部130を介して、通信が確立したことを示す表示を行う旨の指示を、通信処理部154に送信する(ステップS241)。
また、処理部350は、システムコントローラ100のテストプログラム記憶部141が記憶するテストプログラムをダウンロードし(ステップS242)。ダウンロードに成功したか否かを判定する(ステップS243)。
ダウンロードに失敗したと判定した場合(ステップS243:NO)、処理部350は、記憶部340の記憶するログにテストプログラム取得失敗を書き込む(ステップS251)。そして、被検査コンピュータ300は、そのままの状態を保持して同図の処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS243において、ダウンロードに成功したと判定した場合(ステップS243:YES)、処理部350は、ダウンロードしたテストプログラムを実行することにより機能試験を行う(ステップS261)。
そして、処理部350は、機能試験においてエラーを検出したか否かを判定する(ステップS262)。
エラーを検出したと判定した場合(ステップS262:YES)、処理部350は、記憶部340の記憶するログにエラーを書き込む(ステップS271)。そして、被検査コンピュータ300は、そのままの状態を保持して同図の処理を終了する。
【0053】
一方、ステップS262において、エラーを検出しなかったと判定した場合(ステップS262:NO)、処理部350は、ステップS222にて測定を開始した試験時間と
、予め定められた試験時間上限値とを比較して、試験時間上限値に達したか否かを判定する(ステップS281)。
試験時間上限値に達していないと判定した場合(ステップS281:NO)、ステップS261に戻ってテストプログラムの実行を継続する。
一方、ステップS281において、試験時間上限値に達したと判定した場合(ステップS281:YES)、処理部350は、シャットダウン処理を行う(ステップS291)。これにより、被検査コンピュータ300の電源がオフとなり、同図の処理を終了する。
【0054】
図8は、システムコントローラ100の処理手順を示すフローチャートである。システムコントローラ100は、操作入力部110のスイッチ111(図1)の操作によって電源がオンされると、同図の処理を開始する。
まず、操作入力部110は、スイッチS113(図1)の操作による試験回数上限値の設定を受け付け、試験回数管理部152は、試験回数を計数するカウンタ値を0リセットする(ステップS401)。
また、操作入力部110は、スイッチS112(図1)の操作による電源オフ時間上限値の設定を受け付ける(ステップS402)。
【0055】
また、通信処理部154は、通信が確立したことを示す表示を行う旨の指示を、USB通信部130が受信したか否かを判定する(ステップS411)。未だ受信していないと判定した場合(ステップS411:NO)、ステップS411に戻って当該指示を待ち受ける。
一方、通信が確立したことを示す表示を行う旨の指示を受信したと判定した場合(ステップS411:YES)、通信処理部154は、表示部120のパイロットランプを点灯させる(ステップS421)。
【0056】
そして、通信処理部154は、USB通信部130がUSB通信部330との通信切断を検出したか否かを判定する(ステップS422)。通信切断を未だ検出していないと判定した場合(ステップS422:NO)、ステップS422に戻って通信切断を待ち受ける。
一方、通信切断を検出したと判定した場合(ステップS422:YES)、通信処理部154は、表示部120のパイロットランプを消灯させ、また、通信切断を示す情報を電源オフ時間測定部151と試験回数管理部152とに出力する。
そして、通信切断を示す情報を受けた試験回数管理部152は、試験回数のカウンタ値に1を加算する(ステップS431)。また、通信切断を示す情報を受けた電源オフ時間測定部151は、電源オフ時間の測定を開始する(ステップS432)。
【0057】
そして、電源オフ時間測定部151は、電源オフ時間が電源オフ時間上限値(ステップS402で設定された値)に達したか否かを判定する(ステップS433)。未だ電源オフ時間上限値に達していないと判定した場合(ステップS433:NO)、ステップS433に戻って電源オフ時間上限値の経過を待ち受ける。
一方、電源オフ時間に達したと判定した場合(ステップS433:YES)、電源オフ時間測定部151は、電源オフ時間上限値に達したことを示す情報を試験回数管理部152に出力し、試験回数管理部152は、試験回数が試験回数上限値(ステップS401で設定された値)以下か否かを判定する(ステップS441)。
試験回数上限値以下であると判定した場合(ステップS441:YES)、試験回数管理部152は、試験回数上限値以下であることを示す信号をアーム制御部153に出力し、アーム制御部153は、電源スイッチ359を押下するようスイッチ押アーム200を制御する(ステップS451)。その後、ステップS411に戻る。
一方、ステップS441において、試験回数が試験回数上限値より大きいと判定した場合(ステップS441:NO)、同図の処理を終了する。
【0058】
以上のように、USB通信部130が、通信切断の検出により被検査コンピュータ300のシャットダウンを検出し、スイッチ押アーム200が、当該シャットダウン検出に基づいて電源スイッチ359を押下するので、被検査コンピュータ300の起動および停止の繰り返しによるメインボード(処理部350)の検査を自動で行うことができる。これにより、電源オン/オフ機能を実現するソフトウェアを具備しないメインボードに対して、加工を必要とせずに、起動および停止の繰り返しを行う際の検査者の負担を軽減することができる。
【0059】
また、被検査コンピュータ300のシャットダウンから、電源オフ時間上限値の示す時間が経過したことを電源オフ時間測定部151が検出し、当該時間経過後にスイッチ押アーム200が電源スイッチ359を押下するので、被検査コンピュータ300のシャットダウンから次に被検査コンピュータ300の電源を投入するまでの待ち時間を、メインボードの種類や検査の種類に応じた待ち時間とすることができる。
【0060】
また、被検査コンピュータ300のシャットダウン回数を示す試験回数を試験回数管理部152が計数し、試験回数が試験回数上限値以下の場合にスイッチ押アーム200が電源スイッチ359を押下するので、試験回数(被検査コンピュータ300の電源オンおよびオフの繰り返し回数)を、メインボードの種類や検査の種類に応じた回数とすることができる。
【0061】
また、スイッチ押アーム200が電源スイッチ359を押下する際、電源スイッチ359からの応力におうじて、電源スイッチ359を押下する推力を油圧ダンパ240が減衰させるので、電源スイッチ359を傷付けずに様々種類のメインボードの検査を行うことができる。
【0062】
ここで、メインボードの検査方法として、メインボードへの通電を切ることなくOSの起動と停止を繰り返す方法がある。しかし、この方法では、通電初期の不安定な状態や、通電による電気的ないし物理的なストレスの再現が出来ず、メインボードに起動時のストレスをかける必要のある起動時障害等の検査には適さない。
また、ソフトウェア処理によってメインボード内蔵のタイマを操作して電源投入を行う方法や、ネットワーク(LAN等)を経由して電源のオン/オフを行う方法も知られているが、それらに対応する機能が検査対象のメインボードに搭載されていない場合には、これらの検査を行うことはできない。
【0063】
さらには、起動完了や動作中の状況は事後にOSのログから確認可能であるのに対し、上記の電源オン/オフ機能を備えないメインボードの検査に際しては、電源スイッチ操作を検査者がリアルタイムで行う必要があったため、検査者の負担となり、検査時間を確保が困難な場合もあった。
加えて、場所や設備が他の作業と干渉する等の理由で夜間に検査を行う必要がある場合、検査者の負担がさらに増大してしまっていた。
【0064】
一方、本願発明者等は、メインボードの検査において、試験時間の長さのエラー検出確率への影響は少なく、一方、電源オン/オフの繰り返しの実行時間が所定時間を超えると障害の再現率が上昇することを検知した。
このため、再現性の低いメインボードの起動系障害に対しては、電源投入からOS起動、テスト実施、遮断までの繰り返し検査を所定時間以上行い、障害の再現性を高めて検査品質を向上させることが望まれる。
そこで、本願発明を用いると、メインボード(を格納したコンピュータ)の電源オン/オフを自動で行って上記繰り返し試験を所定時間以上行い、かつ、起動および停止の繰り返しを行う際の検査者の負担を軽減することができる。
【0065】
なお、システムコントローラ100の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0066】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1 電源スイッチ押下装置
100 システムコントローラ
110 操作入力部
120 表示部
130 USB通信部
141 テストプログラム記憶部
151 電源オフ時間測定部
152 試験回数管理部
153 アーム制御部
154 通信処理部
200 スイッチ押アーム
300 被検査コンピュータ
330 USB通信部
340 記憶部
350 処理部
390 電源部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのシャットダウンを検出するシャットダウン検出部と、
前記シャットダウン検出部による前記コンピュータのシャットダウン検出に基づいて、前記コンピュータの電源スイッチを押下する押下操作部と、
を具備することを特徴とする電源スイッチ押下装置。
【請求項2】
前記シャットダウン検出部が前記コンピュータのシャットダウンを検出してから前記押下操作部が前記電源スイッチを押下するまでの待ち時間である電源オフ時間上限値の入力を受け付ける電源オフ時間上限値受付部と、
前記シャットダウン検出部が前記コンピュータのシャットダウンを検出してからの経過時間を測定し、前記電源オフ時間上限値の示す時間の経過を検出する電源オフ時間測定部と、
を具備し、
前記押下操作部は、前記電源オフ時間測定部が前記時間の経過を検出すると、前記コンピュータの電源スイッチを押下する、ことを特徴とする請求項1に記載の電源スイッチ押下装置。
【請求項3】
前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数の上限値である試験回数上限値の入力を受け付ける試験回数上限値受付部と、
前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数を計数する計数部と、
を具備し、
前記押下操作部は、前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数が前記試験回数上限値以下であるときに前記コンピュータの電源スイッチを押下する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源スイッチ押下装置。
【請求項4】
前記押下操作部は、
推力を生成する推力生成部と、
前記推力生成部の生成する前記推力に基づいて前記コンピュータの電源スイッチを押下する接触部と、
前記推力生成部の生成する前記推力を前記接触部に伝達する伝達部であって、前記接触部が前記コンピュータの電源スイッチから応力を受けると、当該応力に従って前記推力を減衰させて前記伝達部に伝達する伝達部と、
を具備することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電源スイッチ押下装置。
【請求項5】
コンピュータの電源スイッチを押下する電源スイッチ押下装置の電源スイッチ押下方法であって、
コンピュータのシャットダウンを検出するシャットダウン検出ステップと、
前記シャットダウン検出ステップによる前記シャットダウン検出に基づいて、前記コンピュータの電源スイッチを押下する押下操作ステップと、
を具備することを特徴とする電源スイッチ押下方法。
【請求項6】
前記シャットダウン検出ステップにて前記コンピュータのシャットダウンを検出してから前記押下操作ステップにて前記電源スイッチを押下するまでの待ち時間である電源オフ時間上限値の入力を受け付ける電源オフ時間上限値受付ステップと、
前記シャットダウン検出ステップにて前記コンピュータのシャットダウンを検出してからの経過時間を測定し、前記電源オフ時間上限値の示す時間の経過を検出する電源オフ時間測定ステップと、
を具備し、
前記押下操作ステップでは、前記電源オフ時間測定ステップにて前記時間の経過を検出すると、前記コンピュータの電源スイッチを押下する、ことを特徴とする請求項5に記載の電源スイッチ押下方法。
【請求項7】
前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数の上限値である試験回数上限値の入力を受け付ける試験回数上限値受付ステップと、
前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数を計数する計数ステップと、
を具備し、
前記押下操作ステップでは、前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数が前記試験回数上限値以下であるときに前記コンピュータの電源スイッチを押下する、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電源スイッチ押下方法。
【請求項8】
コンピュータの電源スイッチを押下する電源スイッチ押下装置としてのコンピュータに、
コンピュータのシャットダウンを検出するシャットダウン検出ステップと、
前記シャットダウン検出ステップによる前記シャットダウン検出に基づいて、前記コンピュータの電源スイッチを押下する押下操作ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
前記シャットダウン検出ステップにて前記コンピュータのシャットダウンを検出してから前記押下操作ステップにて前記電源スイッチを押下するまでの待ち時間である電源オフ時間上限値の入力を受け付ける電源オフ時間上限値受付ステップと、
前記シャットダウン検出ステップにて前記コンピュータのシャットダウンを検出してからの経過時間を測定し、前記電源オフ時間上限値の示す時間の経過を検出する電源オフ時間測定ステップと、
を具備し、
前記押下操作ステップでは、前記電源オフ時間測定ステップにて前記時間の経過を検出すると、前記コンピュータの電源スイッチを押下する、ことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数の上限値である試験回数上限値の入力を受け付ける試験回数上限値受付ステップと、
前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数を計数する計数ステップと、
を具備し、
前記押下操作ステップでは、前記コンピュータの起動回数またはシャットダウン回数が前記試験回数上限値以下であるときに前記コンピュータの電源スイッチを押下する、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−98856(P2012−98856A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245064(P2010−245064)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】