説明

電源供給制御装置およびヘッドホン

【課題】リセットスイッチを設けずに、少ない部品点数でもって、情報処理装置の暴走に対処する。
【解決手段】電源を情報処理装置に対して供給する場合に一の状態を継続するスイッチを有し、スイッチが一の状態とされると、電源が情報処理装置に供給されると共に、情報処理装置の第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、第1のポートが所定の論理レベルとされたことを情報処理装置が検出して第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとする。スイッチが一の状態から他の状態となると、第1のポートが所定の論理レベルと異なる論理レベルとされ、情報処理装置が第1のポートの論理レベルの変化を検出して終了処理を行い、終了処理の後に第2のポートを所定の論理レベルと異なる論理レベルとして、電源供給がオフとされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置例えばマイクロコンピュータに対する電源の供給を制御するのに適用される電源供給制御装置および電源供給制御装置が搭載されたヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器では、搭載しているコンピュータの操作ができなくなること、所謂暴走が発生することがある。暴走を止めるためには、リセットキーを押したり、電池を取り外してコンピュータをリセットし、正常状態に戻している。しかしながら、この方法は、リセットキーを別個に設ける必要があり、電池を取り外すことができることが必要とされる。リセットキーを設けることは、構成を複雑とし、製品のコストを高くする問題がある。さらに、ユーザが電池を取り外せない構成の電子機器には、電池を取り外す方法を適用できない問題がある。
【0003】
例えば特許文献1には、マイクロコンピュータが暴走中であるか否かを示す信号を出力するポートを有し、このポートの出力からNORゲートによってマイクロコンピュータの暴走を検出し、リセットICを駆動することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−316477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、マイクロコンピュータの暴走を検出するために、NORゲートを設け、さらに、マイクロコンピュータのリセット用のポートにリセット信号を供給するためのリセットICを設けている。したがって、リセットのために付加する部品数が比較的多く、コストの上昇を生じさせる問題があった。さらに、切りキーが設けられているが、切りキーによって電源供給のオン、オフをどのように制御するかの記載がなく、電源供給の制御とリセットとが別個の構成とされており、部品点数の増大を招くおそれがある。
【0006】
したがって、本開示は、付加する構成の部品数が少なくてすみ、コストの上昇を抑えることが可能な電源供給制御装置およびヘッドホンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本開示は、第1および第2のポートを有する情報処理装置と、
情報処理装置に対する電源と、
情報処理装置に対する電源の供給を制御するスイッチ部と、
電源を情報処理装置に対して供給する場合に一の状態を継続するスイッチと、
スイッチが一の状態とされると、スイッチ部を介して電源が情報処理装置に供給されると共に、第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、
第1のポートが所定の論理レベルとされたことを情報処理装置が検出して第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとする電源供給制御装置である。
【0008】
本開示は、情報処理装置と、情報処理装置に対する電源を発生する電池と、情報処理装置に対する電源供給を制御する電源供給制御用のスイッチ部と、使用状態では、一の状態を継続し、不使用状態では、他の状態を継続するスイッチとを有し、
スイッチが一の状態とされると、スイッチ部を介して電源が情報処理装置に供給されると共に、情報処理装置の第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、
第1のポートが所定の論理レベルとされたことを検出して情報処理装置が第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとするヘッドホンである。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、スイッチによって電源供給をオフとする場合に、情報処理装置が暴走によって正常に終了しないことをポートの出力を利用して検出し、電源供給をオフする。したがって、電源スイッチと別にリセットスイッチを設ける必要がなく、部品点数の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示による電源供給制御装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】本開示を適用できるヘッドホンの外観を示す斜視図である。
【図3】本開示による電源供給制御装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図4】第2の実施の形態の具体的構成を示す接続図である。
【図5】第2の実施の形態の動作説明に用いるフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態の動作説明に用いるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施の形態は、本開示の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本開示の範囲は、以下の説明において、特に限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0012】
「電源供給制御装置の第1の実施の形態」
本開示の第1の実施の形態について図1を参照して説明する。情報処理装置例えばマイクロコンピュータ1に対して電池2の電圧が電源として供給される。マイクロコンピュータ以外に、DSP(Digital Signal Processor)等に対しても本開示を適用することができる。電池2は、例えばリチウムイオン二次電池であり、電子機器に組み込まれており、ユーザ自身が容易に取り外しできないものである。マイクロコンピュータ1と電池2との間に、電源供給のオン/オフを制御するためのスイッチ部3が挿入されている。
【0013】
電源を供給する期間では、一の状態例えばオン状態を継続するスイッチ4が設けられている。電池2の負極と接地との間にスイッチ4が挿入されている。スイッチ4のオン/オフの状態に対応する信号が制御信号生成部5に供給される。スイッチ4のオン/オフとマイクロコンピュータ1のポートの状態に応じて制御信号生成部5がスイッチ部3を制御する制御信号を発生する。
【0014】
マイクロコンピュータ1は、第1のポートP1および第2のポートP2を有する。ポートP1は、制御信号生成部5からの信号が入力されるポートであり、ポートP2は、制御信号生成部5に対する信号を発生する出力ポートである。
【0015】
スイッチ4がオンとされると、制御信号生成部5が発生する制御信号によってスイッチ部3がオンとされ、電池2からマイクロコンピュータ1に対して電源が供給され、マイクロコンピュータ1が起動処理を行う。同時に、制御信号生成部5がポートP1に対してローレベルの信号を出力し、マイクロコンピュータ1がポートP1がローレベルとなったことを検出してポートP2をハイレベルとする。
【0016】
次に、スイッチ4がオンからオフに切り替わると、制御信号生成部5がポートP1に対してハイレベルの信号を出力する。ポートP1がハイレベルとなると、マイクロコンピュータ1が終了処理を行ってからポートP2をローレベルとする。ポートP2がローレベルとなったことを制御信号生成部5が検出して、スイッチ部3をオフとする制御信号を発生する。この制御信号によって、マイクロコンピュータ1に対する電源供給が断たれる。このような正常終了の場合、マイクロコンピュータ1の終了処理に要する時間は、1秒以下の短時間である。
【0017】
スイッチ4がオンからオフとされる終了処理の場合、マイクロコンピュータ1の暴走によって、終了処理が正常に実行されず、ポートP2がハイレベルからローレベルに直ぐに変化しないでハイレベルのままとなる。制御信号生成部5は、ポートP2が所定時間以上、ローレベルに変化しない場合、スイッチ部3をオフとする制御信号を発生する。スイッチ部3のオフによって、マイクロコンピュータ1に対する電源供給が断たれる。ある程度の時間の後で、スイッチ4をオンとしてマイクロコンピュータ1に対して電源を供給すれば、マイクロコンピュータ1が正常動作に復帰する。
【0018】
上述したように、本開示の第1の実施の形態では、マイクロコンピュータ1の暴走によって、レベル変化が直ぐに生じないことを利用して電源供給をオフする制御信号を形成する。したがって、リセット用スイッチを設ける必要がない。さらに、暴走の検出のための回路およびリセットIC等を設けるのと比較して追加する回路素子数を少なくできる利点がある。
【0019】
「電源供給制御装置の第2の実施の形態」
第2の実施の形態は、図2に示すようなヘッドホン100の電源供給制御装置に対して本開示を適用したものである。ヘッドホン100は、デジタルサラウンドヘッドホン、ワイヤレスデジタルサラウンドヘッドホン、ノイズキャンセリングヘッドフォン等である。これらのヘッドホンは、信号処理が比較的複雑となるために、マイクロコンピュータ等の情報処理装置を内蔵している。
【0020】
ヘッドホン100は、2つのハウジング101L,101Rがヘッドバンド102によって連結されている。ヘッドバンド102の内側に装着時にヘッドホンを支持するためのサスペンダ103が設けられている。ヘッドバンド102およびサスペンダ103は、ユーザの頭部に沿うように湾曲状に形成されており、ヘッドホン装着状態においてユーザの頭頂部にサスペンダ103が接することによりヘッドホン100全体を支持するものである。ハウジング101L,101Rに対してイヤパッド104L,104Rが取り付けられている。イヤパッド104L,104Rは、ウレタンなどの柔軟性を有する素材とそれを被覆する合成皮革などにより高い気密性および柔軟性を有する。
【0021】
ハウジング101L,101Rには、それぞれヘッドホンユニットおよび信号処理部が収納されている。信号処理部には、マイクロコンピュータ、DSP等の情報処理装置が含まれ、デジタルサラウンド処理、ノイズキャンセリング処理、ワイヤレス通信の処理等を情報処理装置が制御する。さらに、ハウジング101L,101R内に電源としてのリチウムイオン二次電池が格納されている。リチウムイオン二次電池は、外部からACアダプタによって充電可能であるが、ユーザが交換のために取り外すことができないように収納されている。
【0022】
さらに、ハウジング101L,101Rの側面に、音量調整つまみ、切り替えスイッチ、電池残量表示等のためのLED(Light Emitting Diode)等が設けられる。ヘッドホンに対しては、ケーブルまたはワイヤレスで、プロセッサまたはトランスミッタからの信号が供給される。かかるヘッドホンにおいて、頭部に装着した場合に、自動的に電源がオンとなるように、サスペンダ103の動きと連動するスイッチ(以下、切りキーと称する)が設けられている。
【0023】
図3は、第2の実施の形態のブロック図を示し、図4は、第2の実施の形態のより具体的接続を示す接続図である。図3および図4において、20がサスペンダ103の動きと連動する切りキーである。
【0024】
マイクロコンピュータ10には、電源IC(Integrated Circuit)60から所定の直流電圧例えば3.3Vの直流電圧が電源として供給される。電源IC60は、リチウムイオン二次電池からなる電源70の出力電圧を安定化するレギュレータである。例えば電池の電圧が3.7V〜4.2Vの範囲の場合に、電池が使用可能とされる。電源IC60によって生成された電圧がマイクロコンピュータ10に電源として供給される。
【0025】
マイクロコンピュータ10は、ヘッドホンにとって必要とされる信号処理例えばデジタルサラウンド信号の生成処理、レベル調整処理、ノイズキャンセリング処理、ワイヤレス通信処理等を行う。マイクロコンピュータ10がポートP11およびポートP12を有する。ポートP11に対してキー検出回路50の出力信号が供給される。
【0026】
切りキー20がスイッチング回路40およびキー検出回路50に接続されている。例えばヘッドホン100を装着すると、切りキー20がオフからオンし、スイッチング回路40は、電源IC60のポートP13をハイレベルとする。これによって、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対して電源の供給が開始される。これと共に、切りキー20がオンすると、キー検出回路50からポートP11に対してローレベルの信号が供給される。マイクロコンピュータ10がポートP11がローレベルが入力されたことを検出して、ポートP12がハイレベルを出力する。
【0027】
ヘッドホン100が頭部から取り外されると、切りキー20がオンからオフとなる。キー検出回路50からポートP11に対してハイレベルの出力が供給される。マイクロコンピュータ10は、ポートP11がハイレベルとされると、終了処理を行った後に、ポートP12をハイレベルからローレベルとする。スイッチング回路40は、ポートP12がハイレベルからローレベルになると、電源IC60のポートP13をハイレベルからローレベルとし、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源供給をオフする。
【0028】
若し、マイクロコンピュータ10が暴走すると、切りキー20がオフとなった時に、キー検出回路50からポートP11に対してハイレベルの出力が供給されても、マイクロコンピュータ10がポートP11がローレベルからハイレベルとなったことを検出することができない。したがって、ポートP12をローレベルとすることができない。このため、スイッチング回路40は、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源の供給をオフする制御信号を発生することができない。
【0029】
暴走の対策のために、電源制御回路30が設けられている。電源制御回路0は、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源供給がオフされないことを検出してポートP13をハイレベルからローレベルに切り替える。それによって、マイクロコンピュータ10に対する電源供給がオフとされる。
【0030】
上述した第2の実施の形態は、切りキー20がオフとされた時に、マイクロコンピュータ10が暴走していれば、電源制御回路30がマイクロコンピュータ10に対する電源供給をオフとする。したがって、マイクロコンピュータ10が切りキーの状態を直接判定する構成のように、切りキーがオフされたことをマイクロコンピュータが判定することができず、電源をオフとすることができないといった不都合を回避することができる。しかも、切りキー20が暴走時の電源制御用キーを兼ねているので、リセット専用のキーを別途設ける必要がなく、キーの増加による部品点数の増加、コストの上昇を生じない利点がある。
【0031】
図4は、本開示の第2の実施の形態の具体的接続の一例である。さらに、第2の実施の形態の動作開始処理の流れが図5のフローチャートに示され、動作終了処理の流れが図6のフローチャートに示されている。さらに、各動作における信号レベルを表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
図4に示すように、キー検出回路50が逆流防止用ダイオード51、抵抗52および小容量のコンデンサ53によって構成される。抵抗52およびコンデンサ53の接続点がダイオード51(順方向)およびオン状態の切りキー20を介して接地される。さらに、この接続点がマイクロコンピュータ10のポートP11と接続される。したがって、動作開始処理時に切りキー20がオンとされると、ポートP11がローレベルとなり、動作終了時に切りキー20がオフされると、ポートP11がハイレベルとなる。
【0034】
スイッチング回路40は、電源70とエミッタが接続されるPNP型トランジスタ41を有する。電源70と接地間に抵抗42、43および切りキー20の直列回路が挿入され、トランジスタ42および43の接続点がトランジスタ41のベースと接続される。トランジスタ41のコレクタが抵抗44および45を介して接地される。トランジスタ41のコレクタおよび抵抗44の接続点47が逆流防止用ダイオード13を介してマイクロコンピュータ10のポートP12に接続される。抵抗44および抵抗45の接続点46が電源IC60のポートP13に接続される。
【0035】
電源制御回路30は、電源IC60のポートP13とそのドレインが接続され、ソースが接地されたMOSFET31を有する。MOSFET以外のスイッチング素子を使用しても良い。電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源供給路と接地間に抵抗33およびコンデンサ34の直列回路が挿入される。抵抗33およびコンデンサ34の時定数によって、暴走時の電源がオフされるまでの時間が決定される。
【0036】
抵抗33とコンデンサ34の接続点がMOSFET31のゲートと接続される。さらに、MOSFET31のゲートと接地間に、逆流防止用ダイオード32および切りキー20の直列回路が挿入される。電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源供給路とポートP11との間に抵抗52が挿入される。
【0037】
なお、電源供給がオン状態では、切りキー20がオンしているので、ダイオード32および切りキー20を通じて電流が流れ、コンデンサ34が充電されない。この場合、抵抗33の値が大きいので、流れる電流値は、極めて小さな値である。さらに、切りキー20をオフする正常終了処理時には、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対して電源供給がなされる期間は、マイクロコンピュータ10の終了処理のための短時間であるため、コンデンサ34が充電されても、その端子電圧は、MOSFET31をオンするまでの値に到達しない。
【0038】
「動作開始処理」
図5のフローチャートを参照して動作開始処理について説明する。ステップS1において、ヘッドホン100を頭部に装着すると、切りキー20がオンする。したがって、ポートP11がローレベルとなる。ステップS2に示すように、同時にトランジスタ41がオンする。電源70および接地間に電流が流れ、接続点46および47が電圧が発生する。したがって、ステップS3で示すように、ポートP13がハイレベルとなり、電源IC60がオンし、ステップS4で示すように、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源供給がオンとなる。
【0039】
マイクロコンピュータ10がステップS5において、ポートP11がローレベルか否かを判定する。切りキー20をオンすることによって、ポートP11がローレベルとなるので(ステップS1)、ステップS5の判定結果が肯定となり、ステップS6において、マイクロコンピュータ10がポートP12をハイレベルとする。そして、動作開始処理が終了する。なお、動作開始処理では、ダイオード32および切りキー20のバイパス経路によって、MOSFET31がオフ状態とされる。
【0040】
「動作終了処理」
図6のフローチャートを参照して動作開始処理について説明する。ステップS11は、動作開始処理後の状態(動作状態)を示している。すなわち、切りキー20がオンし、ポートP11がローレベルであり、トランジスタ41がオンであり、ポートP13がハイレベルであり、電源IC60がオンし、マイクロコンピュータ10に対する電源供給がオンしている。
【0041】
ステップS12において、ヘッドホンを頭部から外すと、切りキー20がオフし、ポートP11がハイレベルとなる。切りキー20のオフによってトランジスタ41がオフする(ステップS13)。
【0042】
マイクロコンピュータ10が暴走していない場合には、ステップS14において、マイクロコンピュータ10がポートP11がハイレベルか否かが検出される。切りキー20がオフされると、ステップS12において、ポートP11がハイレベルとなるので、ステップS14の判定結果が肯定となる。
【0043】
マイクロコンピュータ10は、ポートP11がハイレベルであることを検出すると、ステップS15において、ポートP12をハイレベルからローレベルとする。そして、ステップS16において、電源IC60のポートP13がローレベルとなり、ステップS17において、マイクロコンピュータ10に対する電源供給がオフとなる。
【0044】
マイクロコンピュータ10が暴走状態であると、ステップS14の処理(ポートP11がハイレベルか否かの検出処理)を行うことができない。その結果、ポートP12をローレベルとするステップS12の処理を行うことができず、ポートP12がハイレベルのままとなる。
【0045】
電源IC60がマイクロコンピュータ10に対して電源供給をオンしているので、抵抗33を通じてコンデンサ34が充電され、抵抗33およびコンデンサ34の接続点の電圧が徐々に上昇する。この電圧が所定の値となると、MOSFET31がオンする(ステップS18)。したがって、ステップS16で示すように、ポートP13がローレベルとなり、電源IC60からマイクロコンピュータ10に対する電源供給がオフされる。このように、マイクロコンピュータ10が暴走する場合も、電源供給をオフすることができる。
【0046】
第2の実施の形態においては、マイクロコンピュータ10の暴走の対策として、電源制御回路30(MOSFET31、ダイオード32、抵抗33、コンデンサ34)を新たに付加する必要がある。しかしながら、リセット用のスイッチを設ける必要がなく、例えばヘッドホンのハウジングを簡略なものとでき、電源IC60のポートが増加せず、部品点数の増大を防止でき、コスト的に有利である。
【0047】
なお、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
第1および第2のポートを有する情報処理装置と、
前記情報処理装置に対する電源と、
前記情報処理装置に対する前記電源の供給を制御するスイッチ部と、
前記電源を前記情報処理装置に対して供給する場合に一の状態を継続するスイッチと、
前記スイッチが一の状態とされると、前記スイッチ部を介して前記電源が前記情報処理装置に供給されると共に、前記第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、
前記第1のポートが前記所定の論理レベルとされたことを前記情報処理装置が検出して前記第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとする電源供給制御装置。
(2)
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされ、
前記情報処理装置が前記第1のポートの論理レベルの変化を検出して終了処理を行い、
前記終了処理の後に前記第2のポートを前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとして、前記電源供給がオフとされる(1)に記載の電源供給制御装置。
(3)
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされた場合に、前記情報処理装置が暴走状態では、
前記第2のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとならないことを検出し、
該検出によって、前記電源供給をオフする(2)に記載の電源供給制御装置。
(4)
前記検出は、所定時間以上、前記第2のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとならないことを検出するものである(3)に記載の電源供給制御装置。
(5)
前記電源が電池であり、前記スイッチ部が前記電池の出力電圧を一定にすると共に、制御入力によって、出力をオン、オフする安定化回路である(1)乃至(4)の何れかに記載の電源供給制御装置。
(6)
情報処理装置と、前記情報処理装置に対する電源を発生する電池と、前記情報処理装置に対する電源供給を制御する電源供給制御用のスイッチ部と、使用状態では、一の状態を継続し、不使用状態では、他の状態を継続するスイッチとを有し、
前記スイッチが前記一の状態とされると、前記スイッチ部を介して前記電源が前記情報処理装置に供給されると共に、前記情報処理装置の第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、
前記第1のポートが前記所定の論理レベルとされたことを検出して前記情報処理装置が第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとするヘッドホン。
(7)
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされ、
前記情報処理装置が前記第1のポートの論理レベルの変化を検出して終了処理を行い、
前記終了処理の後に前記第2のポートを前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとして、前記電源供給がオフとされる(6)に記載のヘッドホン。
(8)
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされた場合に、前記情報処理装置が暴走状態では、
前記第2のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとならないことを検出し、
該検出によって、前記電源供給をオフする(7)に記載のヘッドホン。
【0048】
「変形例」
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、各ポートの論理レベル(ローレベルまたはハイレベル)は、一例であって、上述した論理レベルに限定されるものではない。さらに、上述した実施の形態におけるヘッドホンは、電子機器の一例であって、他の電子機器に対しても本開示を適用できる。さらに、サスペンダと連動するスイッチ以外に、マニュアル操作されるスライドスイッチ等を使用しても良い。
【符号の説明】
【0049】
P1,P2,P11,P12,P13・・・ポート
1,10・・・マイクロコンピュータ
2・・・電池
3・・・スイッチ部
4・・・スイッチ
5・・・制御信号生成部
20・・・切りキー
30・・・電源制御回路
40・・・スイッチング回路
50・・・キー検出回路
60・・・電源IC
70・・・電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2のポートを有する情報処理装置と、
前記情報処理装置に対する電源と、
前記情報処理装置に対する前記電源の供給を制御するスイッチ部と、
前記電源を前記情報処理装置に対して供給する場合に一の状態を継続するスイッチと、
前記スイッチが一の状態とされると、前記スイッチ部を介して前記電源が前記情報処理装置に供給されると共に、前記第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、
前記第1のポートが前記所定の論理レベルとされたことを前記情報処理装置が検出して前記第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとする電源供給制御装置。
【請求項2】
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされ、
前記情報処理装置が前記第1のポートの論理レベルの変化を検出して終了処理を行い、
前記終了処理の後に前記第2のポートを前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとして、前記電源供給がオフとされる請求項1に記載の電源供給制御装置。
【請求項3】
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされた場合に、前記情報処理装置が暴走状態では、
前記第2のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとならないことを検出し、
該検出によって、前記電源供給をオフする請求項2に記載の電源供給制御装置。
【請求項4】
前記検出は、所定時間以上、前記第2のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとならないことを検出するものである請求項3に記載の電源供給制御装置。
【請求項5】
前記電源が電池であり、前記スイッチ部が前記電池の出力電圧を一定にすると共に、制御入力によって、出力をオン、オフする安定化回路である請求項1に記載の電源供給制御装置。
【請求項6】
情報処理装置と、前記情報処理装置に対する電源を発生する電池と、前記情報処理装置に対する電源供給を制御する電源供給制御用のスイッチ部と、使用状態では、一の状態を継続し、不使用状態では、他の状態を継続するスイッチとを有し、
前記スイッチが前記一の状態とされると、前記スイッチ部を介して前記電源が前記情報処理装置に供給されると共に、前記情報処理装置の第1のポートが予め設定された所定の論理レベルとされ、
前記第1のポートが前記所定の論理レベルとされたことを検出して前記情報処理装置が第2のポートを予め設定された所定の論理レベルとするヘッドホン。
【請求項7】
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされ、
前記情報処理装置が前記第1のポートの論理レベルの変化を検出して終了処理を行い、
前記終了処理の後に前記第2のポートを前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとして、前記電源供給がオフとされる請求項6に記載のヘッドホン。
【請求項8】
前記スイッチが一の状態から他の状態となると、前記第1のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとされた場合に、前記情報処理装置が暴走状態では、
前記第2のポートが前記所定の論理レベルと異なる論理レベルとならないことを検出し、
該検出によって、前記電源供給をオフする請求項7に記載のヘッドホン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−80438(P2013−80438A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221247(P2011−221247)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】