説明

電源供給装置及び電源供給方法

【課題】トランジスタ素子を用いて過電流保護を行いつつトランジスタ素子の消費電力量を低減すること。
【解決手段】電源供給装置1は、半導体ヒューズ回路11のトランジスタ素子13に並列接続された自己保護SW12を備え、車両が駐車している際は自己保護SW12を介してECU3a,3b,3cへの電力供給を制御する。これにより、トランジスタ素子13を用いて過電流保護を行いつつトランジスタ素子13の消費電力量を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されている電装品を過電流から保護するための過電流保護機能を備える電源供給装置及び電源供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されている電装品にワイヤーハーネスを介して電力を供給する電源供給装置には、ワイヤーハーネスを過電流による焼損等から保護するために、ヒューズを用いた過電流保護回路が設けられている。ヒューズを用いた過電流保護回路では、過電流が発生した場合、溶断したヒューズの交換等の整備を行う必要がある。このため、ヒューズを用いた過電流保護回路の設置場所が限定され、しいてはワイヤーハーネスレイアウトの自由度が低くなる。また、従来の電源供給装置には、スイッチング素子としてリレーが多く用いられているが、サイズや部品発熱が大きく装置に大型化に繋がるといった課題があった。
【0003】
そこで、近年、ヒューズやリレーの代わりにトランジスタ素子を用いた過電流保護回路が提案されている(特許文献1参照)。この過電流保護回路は、電源と電装品との間に接続されたトランジスタ素子を備え、トランジスタ素子のソース電極とドレイン電極との間の電圧変化に基づいて過電流が発生したか否かを判定する。そして、過電流保護回路は、過電流が発生したと判定した場合、トランジスタ素子をオフすることによって電源と電装品との間の接続を遮断することにより、ワイヤーハーネスを過電流による焼損等から保護する。このような過電流保護回路によれば、過電流が発生した場合であってもトランジスタ素子の整備を行う必要がない。従って、トランジスタ素子を用いた過電流保護回路を備えた電源供給装置は、設置場所が限定されることなく、ワイヤーハーネスレイアウトの自由度が高くなる。また、トランジスタ素子の小型・低損失化によって装置の小型化が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−10471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両用の過電流保護回路では、トランジスタ素子としてNチャネル型電界効果トランジスタ素子が使用され、このNチャネル型電界効果トランジスタ素子をハイサイド(負荷の上流側)で駆動するためにチャージポンプが設けられている。しかしながら、車両駐車時におけるチャージポンプの消費電力は非常に大きい。このため、車両用の過電流保護回路は、ドアロック施錠/解錠のECU、室内イルミネーション駆動等の機能を有しているボディECU、ナビゲーション装置、駐車中にシート位置をメモリしておくためのシートECU、ハンドル周りのスイッチを制御するコンビスイッチECU等、駐車中に通電が必要なシステムには適用することができなかった。
【0006】
また、駐車中に通電が必要なシステムに対して過電流保護回路を設けた場合、車両が駐車状態にある時にノイズ信号が発生した際、過電流が発生したと判断してシステムへの電力供給が遮断されてしまう可能性がある。このため、ノイズ信号によって電力供給が遮断された場合にシステムへの電力供給を再開可能な過電流保護回路の提供が望まれている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、トランジスタ素子を用いて過電流保護を行いつつトランジスタ素子の消費電力量を低減可能な電源供給装置及び電源供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電源供給装置は、車両に搭載されている電装品への電力供給を制御する電源供給装置であって、電源と電源からの電力によって駆動される電装品との間に接続されたトランジスタ素子と、トランジスタ素子に並列接続された、所定値以上の電流が流れた場合に自動的にオフ状態になる自己保護機能を有する自己保護スイッチング素子と、トランジスタ素子と自己保護スイッチング素子とのオン/オフを制御することによって電源から電装品への電力供給を制御する制御部と、を備え、制御部は、車両が駐車状態にある場合、トランジスタ素子及び自己保護スイッチング素子をそれぞれオフ状態及びオン状態に切り替えることによって、自己保護スイッチング素子を介して電源からの電力を電装品に供給する。
【0009】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電源供給方法は、車両に搭載されている電装品への電力供給を制御する電源供給方法であって、車両が駐車状態にあるか否かを判別する判別ステップと、判別ステップにおいて車両が駐車状態にあると判別された場合、電源と電源からの電力によって駆動される電装品との間に接続されたトランジスタ素子をオン状態、トランジスタ素子に並列接続された、所定値以上の電流が流れた場合に自動的にオフ状態になる自己保護機能を有する自己保護スイッチング素子をオフ状態に切り替えることによって、自己保護スイッチング素子を介して電源からの電力を電装品に供給する制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電源供給装置及び電源供給方法によれば、トランジスタ素子に並列接続された自己保護スイッチング素子を備え、車両が駐車している際は自己保護スイッチング素子を介して電装品への電力供給を制御するので、トランジスタ素子を用いて過電流保護を行いつつトランジスタ素子の消費電力量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である電源供給装置の構成を示す回路図である。
【図2】図2は、図1に示す制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態である電力制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の一実施形態である確認処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である電源供給装置の構成及び動作について説明する。
【0013】
〔電源供給装置の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である電源供給装置の構成について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態である電源供給装置の構成を示す回路図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である電源供給装置1は、車両に搭載され、電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を制御するものである。ECU3a,3b,3cは、車両が駐車している際も電力供給が必要な電装品である。具体的には、ECU3a,3b,3cとして、ドアロックを施錠/解錠するためのECU,室内イルミネーション駆動等の機能を有するボディECU,ナビゲーション装置,駐車中にシート位置を記憶しておくためのシートECU,ハンドル周りのスイッチを制御するコンビスイッチECU等を例示することができる。
【0015】
電源供給装置1は、半導体ヒューズ回路11と自己保護スイッチ(SW)12とを備える。半導体ヒューズ回路11は、トランジスタ素子13と制御部14とを備える。トランジスタ素子13は、Nチャネル型電界効果トランジスタ素子によって構成されている。トランジスタ素子13のドレイン電極には電源2が接続され、ソース電極にはECU3a,3b,3cが接続されている。制御部14は、マイクロコンピュータ等の情報処理装置により構成されている。制御部14は、トランジスタ素子13のゲート電極に接続され、トランジスタ素子13をオン/オフすることによって、電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を制御する。
【0016】
具体的には、制御部14は、ECU3a,3b,3cへの通電指示に応じてトランジスタ素子13をオンすることによって、ECU3a,3b,3cに電力を供給する。また、制御部14は、トランジスタ素子13の通電電流を検出し、検出された通電電流が所定値以上である場合、トランジスタ素子13をオフすることによって、ECU3a,3b,3cに過電流が流れることを抑制する。また、制御部14は、電気配線L1を介してECU3a,3b,3cとの間で相互に情報通信する機能も有する。
【0017】
自己保護SW12は、過電流が発生した場合に自身で通電を遮断する自己保護機能を有するPチャネル型電界効果トランジスタ素子により構成され、半導体スイッチング13に並列接続されている。自己保護SW12は、電気配線L2を介した制御部14からの制御信号によってオン/オフされることにより、電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を制御する。詳しくは後述するが、自己保護SW12は、車両が駐車している際にECU3a,3b,3cが必要とする電流(暗電流)を供給するためにオンされるものである。従って、自己保護SW12は、数十mA程度の暗電流を流せる程度のトランジスタ素子13と比較して小型のものを用いればよい。
【0018】
〔制御部の内部構成〕
次に、図2を参照して、制御部14の内部構成について説明する。
【0019】
図2は、制御部14の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御部14は、第1駆動制御部110、第2駆動制御部120、及びマイコン130を備える。第1駆動制御部110、第2駆動制御部120、及びマイコン130には、図示しないバッテリから降圧した電力が供給される。
【0020】
第1駆動制御部110は、レギュレータ111、トランジスタ素子オン/オフ(ON/OFF)入力部112、トランジスタ素子駆動部113、チャージポンプ114、電流モニタ出力部115、及び電流検出アンプ(AMP)116を備える。レギュレータ111は、図示しない電源の電圧安定化を図る。トランジスタ素子オン/オフ入力部112は、車両が駐車状態となった情報をマイコン130のトランジスタ素子オン/オフ(ON/OFF)出力部132から受け取り、車両が駐車状態以外の動作状態である場合、チャージポンプ114によってトランジスタ素子駆動部113を駆動させ、トランジスタ素子13を作動状態にする。電流検出アンプ116は、トランジスタ素子13の両端に接続され、トランジスタ素子13の作動時に例えばショート(短絡)等によって生じる異常電流が流れると、電流モニタ出力部115を介してマイコン130の電線保護部133に電流異常の発生を伝える。
【0021】
マイコン130は、多重通信部131、トランジスタ素子オン/オフ出力部132、電線保護部133、及び自己保護SWオン/オフ(ON/OFF)出力部134を備える。多重通信部131は、図示しない複数のECU間の通信を行う役目を果たしている。トランジスタ素子オン/オフ出力部132は、マイコン130に接続されたECUからの情報に基づいて車両が通常の動作状態から駐車状態へと移行したことを検出し、この情報を第1駆動制御部110に伝えたり、車両が駐車状態からイグニッションオンとなり通常の動作状態に移行したことを検出して、この情報を第1駆動制御部110に伝えたりする。自己保護SWオン/オフ出力部134は、トランジスタ素子オン/オフ出力部132のオン/オフと反転する情報を同期して出力するようになっており、車両が駐車状態においてこの出力を第2駆動制御部120の自己保護SWオン/オフ(ON/OFF)入力部122に入力させて、自己保護SW駆動部123を駆動させ、自己保護SW12を駆動させるようになっている。この際、自己保護SW12のゲートに印加される電圧は電源電圧より小さければよく、GNDラインから得られる0Vであってもよい。また、自己保護オン/オフ出力部134は、マイコン130に接続されたECUからの情報に基づいて車両が通常の動作状態から駐車状態へと移行したことを検出し、この情報を第2駆動制御部120に伝えたり、車両が駐車状態から通常の動作状態へと移行したことを検出して、この情報を第2駆動制御部120に伝えたりする。電線保護部133は、トランジスタ素子13の作動時に車両走行中に加わった振動等から車両の電線が短絡するような状態になるのを第1駆動制御部110の電流検出アンプ116と電流モニタ出力部115を介して監視する。
【0022】
このような構成を有する電源供給装置1は、以下に示す電力制御処理を実行することによって、トランジスタ素子13を用いて過電流保護を行いつつトランジスタ素子13の消費電力量を低減する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、この電力制御処理を実行する際の電源供給装置1の動作について説明する。
【0023】
〔電力制御処理〕
図3は、本発明の一実施形態である電力制御処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、電装品がバッテリに接続されたタイミングで開始となり、電力制御処理はステップS1の処理に進む。なお、制御部14は、電装品がバッテリに接続されることで、トランジスタ素子13をオフ状態からオン状態に切り替えることにより半導体スイッチング13を介して電源2からECU3a,3b,3cに電力を供給する。また、このとき、制御部14は、自己保護SW12をオフ状態に保持する共に、トランジスタ素子13の通電電流を常時監視する。
【0024】
ステップS1の処理では、制御部14が、車両が駐車状態に移行したか否かを判定する。車両が駐車状態に移行したか否かは、例えばスマートキーによってドアの施錠が行われたか否かやドアの施錠と共にスマートキーが所定の検出範囲から外れたか否かを検出することによって判定することができる。判定の結果、車両が駐車状態に移行した場合、制御部14は電力制御処理をステップS2の処理に進める。
【0025】
ステップS2の処理では、制御部14が、電気配線L1を介してECU3a,3b,3cと通信することによってECU3a,3b,3cが通常の動作状態における消費電力量より消費電力量が少ない動作状態である消費電力低減モードに移行したか否かを判定する。判定の結果、消費電力低減モードに移行した場合、制御部14は電力制御処理をステップS3の処理に進める。
【0026】
ステップS3の処理では、制御部14が、電気配線L2を介して自己保護SW13に制御信号を入力することによって自己保護SW13をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、ステップS3の処理は完了し、電力制御処理はステップS4の処理に進む。
【0027】
ステップS4の処理では、制御部14が、トランジスタ素子13をオフ状態に切り替えることにより、トランジスタ素子13を介した電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を停止する。この処理によって、消費電力低減モードに対応する少ない電力量が自己保護SW12を介して電源2からECU3a,3b,3cに供給される。なお、自己保護SW12をオン状態に切り替えてからトランジスタ素子13をオフする理由は、ECU3a,3b,3cには常時電力を供給し続けなければならないためである。これにより、ステップS4の処理は完了し、電力制御処理はステップS5の処理に進む。
【0028】
ステップS5の処理では、制御部14が、通常の動作状態における消費電力量より消費電力量が少ない動作状態である休止モードに移行する。これにより、ステップS5の処理は完了し、電力制御処理はステップS6の処理に進む。
【0029】
ステップS6の処理では、制御部14が、車両が駐車状態であるか否かを判定する。車両が駐車状態であるか否かは、例えばスマートキーによってドアの解錠が行われたか否かやドアの解錠と共にスマートキーが所定の検出範囲内に入ったか否かを検出することによって判定することができる。判定の結果、車両が駐車状態でない場合、制御部14は電力制御処理をステップS7の処理に進める。
【0030】
ステップS7の処理では、制御部14が、通常の動作状態であるアクティブモードに移行する。これにより、ステップS7の処理は完了し、電力制御処理はステップS8の処理に進む。
【0031】
ステップS8の処理では、制御部14が、トランジスタ素子13をオフ状態からオン状態に切り替えることにより、トランジスタ素子13を介した電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を開始する。これにより、ステップS8の処理は完了し、電力制御処理はステップS9の処理に進む。
【0032】
ステップS9の処理では、制御部14が、電気配線L2を介して自己保護SW13に制御信号を入力することによって自己保護SW13をオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、ステップS9の処理は完了し、電力制御処理はステップS10の処理に進む。
【0033】
ステップS10の処理では、制御部14が、電気配線L1を介してECU3a,3b,3cと通信することによってECU3a,3b,3cに対し通常の動作状態に移行することを指示する。この処理により、ECU3a,3b,3cは、トランジスタ素子13を介して供給される電源2からの電力を利用して通常動作を実行する。なお、トランジスタ素子13をオン状態及び自己保護SW12をオフ状態に切り替えてからECU3a,3b,3cを通常の動作状態に戻す理由は、トランジスタ素子13がオフ状態である時にECU3a,3b,3cが通常の動作状態に戻ると、自己保護SW12に保護閾値以上の電流が流れることによって電力供給が遮断されてしまうためである。これにより、ステップS10の処理は完了し、電力制御処理はステップS1の処理に戻る。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である電源供給装置1は、半導体ヒューズ回路11のトランジスタ素子13に並列接続された自己保護SW12を備え、車両が駐車している際は自己保護SW12を介してECU3a,3b,3cへの電力供給を制御するので、駐車状態でも過電流保護を行いつつ電源供給装置1の消費電力量を低減することができる。
【0035】
なお、車両が駐車状態にある時にノイズ信号が発生した場合、過電流が発生したと判断して自己保護SW12が電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を遮断してしまう可能性がある。そこで、車両が駐車状態にある際、制御部14は以下に示す確認処理を実行することが望ましい。このような確認処理によれば、ノイズ信号によって電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給が遮断された場合であっても、電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を再開することができる。以下、図4に示すフローチャートを参照して、この確認処理を実行する際の電源供給装置1の動作について説明する。
【0036】
〔確認処理〕
図4は、本発明の一実施形態である確認処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、ステップS3の処理において自己保護SW12がオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、確認処理はステップS21の処理に進む。なお、この確認処理は自己保護SW12がオン状態である間、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
【0037】
ステップS21の処理では、制御部14が、自己保護SW12の通電電流を検出することによって自己保護オフSW12がオフ状態であるか否かを判定する。判定の結果、自己保護SW12がオフ状態である場合、制御部14は確認処理をステップS22の処理に進める。
【0038】
ステップS22の処理では、制御部14が、トランジスタ素子13をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、ステップS22の処理は完了し、制御部14は確認処理をステップS23の処理に進める。
【0039】
ステップS23の処理では、制御部14が、トランジスタ素子13の通電電流を検出し、検出された通電電流の大きさに基づいて過電流が発生しているか否かを判定する。判定の結果、過電流が発生していない場合、制御部14は確認処理をステップS25の処理に進める。一方、過電流が発生している場合には、制御部14は確認処理をステップS24の処理に進める。
【0040】
ステップS24の処理では、制御部14が、自己保護SW12がオフ状態になった原因は過電流のためであると判断し、トランジスタ素子13をオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、ステップS25の処理は完了し、一連の確認処理は終了する。
【0041】
ステップS25の処理では、制御部14が、自己保護SW12がオフ状態になった原因はノイズ信号のためであると判断し、自己保護SW12をオフ状態からオン状態に切り替える。このような処理によれば、ノイズ信号によって電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給が遮断された場合であっても、電源2からECU3a,3b,3cへの電力供給を再開することができる。これにより、ステップS25の処理は完了し、確認処理はステップS26の処理に進める。
【0042】
ステップS26の処理では、制御部14が、トランジスタ素子13をオン状態からオフ状態に切り替える。これにより、ステップS26の処理は完了し、一連の確認処理は終了する。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 電源供給装置
2 電源
3a,3b,3c ECU
11 半導体ヒューズ回路
12 自己保護SW
13 トランジスタ素子
14 制御部
L1,L2 電気配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されている電装品への電力供給を制御する電源供給装置であって、
電源と該電源からの電力によって駆動される電装品との間に接続されたトランジスタ素子と、
前記トランジスタ素子に並列接続された、所定値以上の電流が流れた場合に自動的にオフ状態になる自己保護機能を有する自己保護スイッチング素子と、
前記トランジスタ素子と前記自己保護スイッチング素子とのオン/オフを制御することによって前記電源から前記電装品への電力供給を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記車両が駐車状態にある場合、前記トランジスタ素子及び前記自己保護スイッチング素子をそれぞれオフ状態及びオン状態に切り替えることによって、前記自己保護スイッチング素子を介して前記電源からの電力を前記電装品に供給することを特徴とする電源供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記自己保護スイッチング素子が前記自己保護機能によってオン状態からオフ状態になった場合、前記トランジスタ素子をオン状態に切り替えることによって該トランジスタ素子の通電電流を検出し、検出された通電電流が所定値以下である場合、前記自己保護スイッチング素子をオン状態に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電源供給装置。
【請求項3】
前記トランジスタ素子はNチャネル型電界効果トランジスタ素子であり、前記自己保護スイッチング素子はPチャネル型電界効果トランジスタ素子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源供給装置。
【請求項4】
車両に搭載されている電装品への電力供給を制御する電源供給方法であって、
前記車両が駐車状態にあるか否かを判別する判別する判別ステップと、
前記判別ステップにおいて前記車両が駐車状態にあると判別された場合、電源と該電源からの電力によって駆動される電装品との間に接続されたトランジスタ素子をオフ状態、前記トランジスタ素子に並列接続された、所定値以上の電流が流れた場合に自動的にオン状態になる自己保護機能を有する自己保護スイッチング素子をオフ状態に切り替えることによって、前記自己保護スイッチング素子を介して前記電源からの電力を前記電装品に供給する制御ステップと、
を含むことを特徴とする電源供給方法。
【請求項5】
前記制御ステップは、
前記自己保護スイッチング素子が前記自己保護機能によってオン状態からオフ状態になったか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにおいて自己保護スイッチング素子が前記自己保護機能によってオン状態からオフ状態になったと判別された場合、前記トランジスタ素子をオン状態に切り替えることによってトランジスタ素子の通電電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおいて検出された通電電流が所定値以下であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにおいて前記通電電流が所定値以下であると判別された場合、前記自己保護スイッチング素子をオン状態に切り替える制御ステップと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の電源供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−205865(P2011−205865A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73479(P2010−73479)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】