説明

電源制御方法および電源制御装置並びに画像形成装置

【課題】画像形成装置などに異常が生じた場合に、省エネルギー化を図りながら異常状態であることをできるだけ的確に外部や周辺に知らせること。
【解決手段】外部電源36から供給される電力により動作する画像形成装置1の電源制御方法であって、画像形成装置1は外部電源とは独立して電力を供給可能な補助電源37を備え、画像形成装置の状態を監視し、画像形成装置が異常状態であると判断した場合には、外部電源36から供給される電力を用いて、画像形成装置が異常状態であることを示す異常信号を通信手段81により外部機器に対して出力し、異常信号の出力後に外部電源からの電力の供給を遮断し、補助電源37から供給される電力を用いて、画像形成装置が異常状態であることを警告手段82により周辺に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御方法および装置並びに画像形成装置に関する。本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、およびこれらの複合機などの電子写真方式の画像形成装置の電源制御などに利用される。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置には、商用電源から供給される電力を受けて動作する主電源の他に、二次電池などの補助電源を備えたものがある。補助電源を備えることによって、停電により主電源が動作しなくなった場合でも、補助電源によってメモリのバックアップなどを行うことができる。
【0003】
また、画像形成装置には、省エネルギー化のために補助電源を備えることがある。つまり、画像形成装置のスタンバイ状態において定着装置の温度を下げて節電モードとし、定着装置をヒートアップする際に商用電源に加えて補助電源からも電力を供給する。これによってヒートアップ時間の短縮と省エネルギー化が図られる。
【0004】
さて、画像形成装置に何らかの異常が生じた場合に、LAN等の通信手段を介して異常状態である旨を外部に対して通知することが知られている(特許文献1)。外部機器に対して通知を行うことにより、画像形成装置が異常状態であることを利用者および管理者などが的確に認知することが可能である。
【0005】
また、特許文献1によると、外部電源からの電力の供給が停止したときに、画像形成装置がデータの受信を行っていて受信が完了していなければ、補助電源からの電力によって受信を完了させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−68548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年において、画像形成装置における省エネルギー化の要求が高まっており、上に述べたような方策を含めて種々の対策がなされている。
【0008】
特許文献1に示された画像形成装置については、電力の供給を担保することを主眼としており、異常状態となった場合の通知やデータの受信を補助電源からの電力によって遂行する。
【0009】
しかし、例えば、画像形成装置が異常状態となった場合に、電源に対してどのような制御を行えばより効果的な省エネルギー化が図れるかについては示されていない。
【0010】
すなわち、従来の画像形成装置では、異常状態となって利用が不可能な状況になった場合でも、画像形成装置への電力の供給は継続されてそれ相応の電力が無駄に消費されている。
【0011】
また、画像形成装置が異常状態となった場合に、その旨を外部や周辺の利用者に的確に通知して異常状態からの早期の復旧を図れるようにすることが好ましい。
【0012】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、画像形成装置などに異常が生じた場合に、省エネルギー化を図りながら異常状態であることをできるだけ的確に外部や周辺に知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電力制御方法は、外部電源から供給される電力により動作する画像形成装置の電源制御方法であって、前記画像形成装置は前記外部電源とは独立して電力を供給可能な補助電源を備え、前記画像形成装置の状態を監視し、前記画像形成装置が異常状態であると判断した場合には、前記外部電源から供給される電力を用いて、前記画像形成装置が異常状態であることを示す異常信号を通信手段により外部機器に対して出力し、前記異常信号の出力後に前記外部電源からの電力の供給を遮断し、前記補助電源から供給される電力を用いて、前記画像形成装置が異常状態であることを警告手段により周辺に通知する。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、外部電源から供給される電力により動作する画像形成装置であって、前記外部電源とは独立して電力を供給可能な補助電源と、前記外部電源からの電力の供給を制御する第1スイッチ手段と、前記補助電源からの電力の供給を制御する第2スイッチ手段と、異常状態を検出する異常検出手段と、異常状態であることを示す異常信号を外部機器に対して出力可能な通信手段と、異常状態であることを周辺に通知する警告手段と、前記第1スイッチ手段、前記第2スイッチ手段、前記通信手段、および前記警告手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記異常検出手段が異常状態を検出した際に、前記外部電源からの電力を用いて前記通信手段に前記警告信号を出力させ、前記警告信号が出力された後に前記第1スイッチ手段により前記外部電源からの電力を遮断し、かつ前記第2スイッチ手段により前記補助電源からの電力を前記警告手段に供給させ、前記警告手段に前記異常状態であることを通知させるよう制御を行う。
【0015】
好ましくは、前記異常状態であることを示す異常信号を前記外部機器に対して出力可能で前記通信手段よりも消費電力の小さい低電力通信手段を備え、前記制御手段は、前記異常検出手段が前記異常状態を検出した際に、前記低電力通信手段を前記補助電源から供給される電力によって動作させ、外部機器から前記低電力通信手段を介して当該画像形成装置への要求があった場合に、前記異常状態であることを示す異常信号を前記低電力通信手段を介して前記外部機器に対して出力させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、画像形成装置などに異常が生じた場合に、省エネルギー化を図りながら異常状態であることをできるだけ的確に外部や周辺に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略の内部構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の電源制御に関係する部分を説明するためのブロック図である。
【図3】第1スイッチおよび第2スイッチのオンオフのタイミングを示す図である。
【図4】画像形成装置の実施例1の動作を示すフローチャートである。
【図5】画像形成装置の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【図6】画像形成装置の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【図7】画像形成装置の実施例4の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の電源制御に関係する部分を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る画像形成装置1の一実施形態について説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構成の例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1はタンデム型のプリントエンジンを内蔵した電子写真方式のフルカラー画像形成装置である。画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)と呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、およびスキャナなどの機能を集約した装置である。
【0021】
画像形成装置1は、画像形成部20および給紙部60などを備える。給紙部60は、各サイズの用紙YSを収納するための給紙カセット61、および、給紙カセット61に収納された用紙YSを1枚ずつ取り出して搬送路HRへと送るローラー群62〜66を備える。給紙カセット61から搬送路HRへと送られた用紙YSは、矢印M1方向に進む。
【0022】
ローラー群62〜66は、具体的には、ピックアップローラー62、給紙ローラー63、分離ローラー64、搬送ローラー対65、およびレジストローラー対66である。ピックアップローラー62は、給紙カセット61から用紙YSを取り出す。給紙ローラー63は、取り出された用紙YSを搬送路HRへと送る。分離ローラー64は、給紙ローラー63に対して用紙YSを挟んで対向する位置に配置されている。分離ローラー64は、複数枚重なったままの用紙YSが搬送路HRに送られることがないよう、用紙YSを一枚ずつに分離する。搬送ローラー対65は、一枚ずつ送られてくる用紙YSを搬送路HRに沿って送る。レジストローラー対66は、用紙YSを一時待機させた後、所定のタイミングで中間転写部40に供給する。
【0023】
画像形成部20は、電子写真方式によって用紙上に画像を形成するものであって、イメージングユニットU、中間転写部40、および定着部50を備えている。
【0024】
イメージングユニットUは、Y(イエロー)、M(マジェンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色にそれぞれ対応するイメージングユニットUY、UM、UC、UKから構成されている。各イメージングユニットUY、UM、UC、UKは、この順で中間転写ベルト41に沿って配置されている。各イメージングユニットUY、UM、UC、UKは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電チャージャー22、感光体ドラム21の表面を露光して静電潜像を形成する露光部23、静電潜像を各色のトナーで現像してトナー像を形成する現像部24、トナー像を中間転写ベルト41に転写(一次転写)するための転写チャージャー25、感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーナー26、および、図示しない転写ローラーなどを備えている。イメージングユニットUにより、矢印M2方向に走行している中間転写ベルト41上に各色のトナー像(トナー画像)が、順次、転写位置が合うように重なって転写される。
【0025】
中間転写部40には、トナー像が転写される中間転写ベルト41と、複数のローラー42、43、44と、二次転写ローラー45とが設けられている。中間転写ベルト41は、ローラー42〜44により支持されていて、これらが回転駆動することにより矢印M2方向に走行する。二次転写ローラー45は、中間転写ベルト41を介してローラー44に対向するように配置されている。二次転写ローラー45は、中間転写ベルト41に対して接離可能であり、二次転写ローラー45が中間転写ベルト41に圧接されることで二次転写ローラー45とローラー44との間に転写ニップ部が形成される。
【0026】
用紙YSは中間転写ベルト41の走行と同期して搬送され、転写ニップ部においてトナー像が形成された中間転写ベルト41と接する。二次転写ローラー45にバイアス電圧が加えられることで、中間転写ベルト41上に形成されたトナー像が用紙YS上に転写(二次転写)される。二次転写によってトナー像が転写された用紙YSは定着部50に搬送される。
【0027】
定着部50には、内部に熱源を有する加熱ローラー51、加熱ローラー51との間にニップ部を形成する加圧ローラー52、および用紙搬送ガイド53が設けられる。トナー像が形成された用紙YSは定着部50に搬送される。用紙YSは、用紙搬送ガイド53に案内されて搬送路HR上を搬送されて、加熱ローラー51および加圧ローラー52により形成されたニップル部において加熱される。加熱によりトナーが溶融し、トナー像が用紙YSに定着する。トナー像が定着された用紙YSは、搬送路HR上を搬送されてトレイ70上に排出される。
【0028】
次に、画像形成装置1における電源制御について説明する。
【0029】
本発明の画像形成装置1は商用電源からの電力により動作し、さらに蓄電装置を備えていて、異常状態であると判断された場合には商用電源からの電力を用いて外部に異常信号を出力し、異常信号を出力した後は消費電力の削減のために商用電源を遮断し、蓄電装置からの電力によって表示装置に警告表示を行う。
【0030】
なお、画像形成装置において、異常状態であると判断された場合に、蓄電装置を使うことなく、外部に異常信号を出力した後も画像形成装置を待機状態として商用電源による電力を供給するようにしてもよい。しかし、その場合には待機電力が相応に必要であるので、省エネルギー化の点で十分とはいえない。
【0031】
また、画像形成装置において、異常状態であると判断された時点で商用電源を遮断し、蓄電装置の電力によって外部へ異常信号を出力し、さらに表示装置による警告表示を行うようにしてもよい。しかし、外部への異常信号の出力には相応の大きな消費電力が必要であるため、それによって蓄電装置の電力を大幅に消費してしまい、表示装置による警告表示の時間が短くなってしまうという問題がある。
【0032】
図2には画像形成装置1の電源制御に関係する部分の説明のためのブロック図が示されている。
【0033】
図2に示すように、画像形成装置1には、電源部30、蓄電装置37、通信部81、表示装置82、機能部83、および異常検出部84などが設けられる。
【0034】
商用電源36は、AC100ボルトまたはAC200ボルトなどの交流電力を、外部から画像形成装置1に供給する。
【0035】
蓄電装置37は、商用電源36から供給される電力を蓄えることができる。具体的には、商用電源36から供給された交流電力Psを直流電力Pscに変換し、蓄電装置37を充電することによって電力を蓄電する。蓄電装置37を補助電源として使用する際には、電力Pbを放電する。
【0036】
蓄電装置37は、商用電源36とは独立して必要な機器に電力を供給することが可能である。つまり、蓄電装置37は、商用電源36の状態に関係なく電力を供給することができる。
【0037】
蓄電装置37としては、例えば、二次電池やコンデンサが用いられる。二次電池は、例えばニッカド電池、ニッケル水素電池、またはリチウムイオン電池などである。また、コンデンサは、電気二重層キャパシタなどの大容量コンデンサである。なお、蓄電装置37は電力を蓄えて放電する機能を有していればよく、これら以外で構成されていてもよい。また、例えば燃料電池などのように、燃料または原料を供給することにより継続的に電力を出力できるものを蓄電装置として用いることが可能である。
【0038】
電源部30は、画像形成装置1における電源機能を司る部分であり、商用電源36から供給される交流電力Psを直流電力Pscに変換し、また交流電力Psをそのまままたはスイッチング手段による位相制御などを行って、負荷である各機器に供給する。
【0039】
また、電源部30は、商用電源36による電力の供給と蓄電装置37による電力の供給とを切り替える「電源切り替え手段」としての機能を備える。
【0040】
例えば、画像形成装置1が正常な状態のとき、つまり異常状態検出信号Saが出力されていない通常状態のときは、商用電源36からの交流電力Psを受けて動作するように切り替える。
【0041】
また、異常状態検出信号Saが出力されたとき、つまり異常状態のときは、異常状態であることを外部へ通知(報知)するために、通信部81によって異常信号Saaを外部機器に出力する。このときの通信部81の動作は、商用電源36からの電力によって行われる。異常信号Saaを外部機器に出力した後で、商用電源36を遮断して切り離す。これによって、異常状態となった画像形成装置1による商用電源36からの電力の消費がゼロとなる。商用電源36を遮断した後は、蓄電装置37によって表示装置82を動作させ、画像形成装置1が異常状態であることを周辺に通知(警告)する。また、蓄電装置37によって音声警報回路を動作させ、画像形成装置1が異常状態であることをブザーやスピーカーなどによる音で周辺に警告する。
【0042】
通信部81は、有線LAN、無線LAN、または電話回線などの通信設備を利用して、画像形成装置1の外部に設置された情報機器90との間で信号またはデータの送受信が可能である。また通信部81として、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access )や携帯電話網を利用した通信方式により、情報機器90との間で信号の送受信が可能なものを用いてもよい。
【0043】
情報機器90は、通常、画像形成装置1の周辺ではなく、画像形成装置1から離れた位置に設置されている。情報機器90の設置される場所は、例えば画像形成装置1のサービスマンが常駐しているサービス拠点、画像形成装置1のユーザー、特に管理担当者の常駐場所などである。
【0044】
なお、情報機器90は、例えば、通信端末、パーソナルコンピュータ、サーバ、または他の画像形成装置などであってもよい。これらの情報機器90は、画像形成装置1に対して、印刷指示や状態確認などを行うことも可能である。
【0045】
また、図示していないが、通信部81と情報機器90との間に、通信部81と情報機器90との間で送受信される信号を中継する中継装置または中継基地を設け、通信部81を高速通信装置として、通信を高速で行えるようにしてもよい。
【0046】
通信部81は、電源制御装置31からの通信制御信号Stに基づいて、画像形成装置1が異常状態であり利用が困難であることを通知するための異常信号Saaを、外部機器である情報機器90に出力する。このとき、画像形成装置1は、情報機器90が複数の場合に、そのうちの一部に対して選択的に異常信号Saaを出力することが可能である。また、通信部81は、情報機器90から異常信号Saaに対する受信応答があったときに、その旨を伝える通信完了信号Sfを電源制御装置31に出力する。
【0047】
情報機器90は、異常信号Saaに応じて、画像形成装置1が異常状態であることを管理担当者などに通知するための処理を行う。例えば、異常状態であることを管理担当者の視認可能な表示装置の画面に表示する。これにより、管理担当者またはサービスマンなどが、当該画像形成装置1が異常状態であることを早期に認識することができ、サービスマンなどによる迅速な対応が可能となる。
【0048】
また、通信制御信号Stには、画像形成装置1が異常状態で停止しているという情報以外にも、異常が生じている個所、異常の種類、および画像形成装置1の製造番号などの個体情報なども含まれる。そのため、サービスマンやユーザーが画像形成装置1から離れた遠隔地にいたとしても、画像形成装置1の異常状態および画像形成装置1の個体情報について、情報機器90を介して確実に把握できる。
【0049】
なお、通信部81から異常信号Saaを出力する処理では、画像形成装置1から離れた情報機器90と通信を行うことから、電力消費量は比較的大きい。しかし、この処理が行われるとき、およびこの処理の待機状態では、第1スイッチ33がオンであり、商用電源36からの交流電力Psが供給されていることから、蓄電装置37の蓄電量は減少することはない。
【0050】
なお、上に述べたように、情報機器90が異常信号Saaを受信した場合に受信応答を通信部81に送信する。通信部81は、異常信号Saaを出力した後、情報機器90からの受信応答を受けた後に、通信完了信号Sfを電源制御装置31に出力する。このようにすることにより、情報機器90において異常信号Saaの受信エラーがあった場合に、商用電源36が遮断されることが防がれる。したがって、サービスマンやユーザーが異常信号を認識できない状態で商用電源36が遮断されてしまうことがなく、サービスマンやユーザーへの異常状態の通知が遅れることがない。
【0051】
また、仮に情報機器90からの受信応答がない場合であっても、予め決められた所定時間が経過した場合には、商用電源36を遮断することとしてもよい。なお所定時間の計測には電源制御装置31のタイマ機能や、その他の部材のタイマ機能を用いればよい。所定時間を予め電源制御装置31に記憶させておき、通信制御信号Stの通知後から所定時間の計測を開始し、所定時間内に通信完了信号Sfが出力されなければ、商用電源36を遮断することとしてもよい。なお、所定の時間tyの起点を、異常信号Saaが出力された時点としてよい。
【0052】
これにより、情報機器90からの受信応答を待っている間に画像形成装置1が消費する待機電力が大きくなることがなく、消費電力を減少させることができる。
【0053】
また、情報機器90から受信応答がない場合であっても予め決められた所定時間が経過したときには商用電源36が遮断されることとした場合には、受信応答がないことを示す受信非完了フラグを電源制御装置31がオンすることとしてもよい。つまり、この場合には、電源制御装置31は情報機器90からの受信応答がないことをフラグとして記憶する。
【0054】
これにより、情報機器90からの受信応答がないにもかかわらず商用電源36が遮断され、その後にユーザーによって画像形成装置1の主電源が再投入された場合に、再び通信部81が異常信号Saaを出力するように構成することができる。
【0055】
なお、画像形成装置1には、ユーザーが手動の操作によって主電源を投入するためのメインスイッチが設けられている。メインスイッチがオンになると、主電源が投入され、商用電源36の交流電力Psが電源部30に供給される。このときには、第1スイッチ33はオン、第2スイッチ34はオフの状態である。
【0056】
主電源が投入されたときに受信非完了フラグがオンである場合は、電源制御装置31によって通信制御信号Stが通信部81に出力され、通信部81が再び異常信号Saaを出力する。これにより、ユーザーまたはサービスマンなどに画像形成装置1が異常状態であることを認識させることの信頼性が向上する。
【0057】
表示装置82は、メモリ性液晶パネルまたは電子ペーパーとよばれる省電力型の表示デバイスなどにより構成され、表示内容を画像形成装置1の周辺のユーザーに通知する警告手段としての機能を有する。
【0058】
なお、警告手段として、表示装置82に代えて、またはこれとともに、LEDなどを点灯させまたは点滅させ、上に述べたようにスピーカーまたはブザーによって音(警報音)を発するようにしたものであってもよい。そのような警報音は間欠的であってよい。
【0059】
画像形成装置1が通常の運転状態である場合に、表示装置82には、交流電力PsをAC/DC変換部32で変換した直流電力Pscが、ダイオード35を介して供給される。異常状態検出信号Saに応じて、表示装置82に警告表示を行うように指示するために警告制御信号Swが、電源制御装置31から出力される。
【0060】
しかし、機能部83が異常状態となった後に商用電源36が遮断された後は、AC/DC変換部32からは表示装置82への直流電力Pscの供給が行われない。その場合に、表示装置82には、蓄電装置37からの電力Pbが供給される。
【0061】
なお、表示装置82への表示内容は、CPU(MPU)、ROM、RAM、その他の周辺素子などによるデータ処理によって書き替えられる。したがって、画像形成装置1が異常状態となったときに、蓄電装置37からの電力Pbは、警告表示を行うために必要なそれらの周辺回路に対しても供給される。
【0062】
また、外部機器に通知するための省電力通信手段を設けた場合に、そのような省電力通信手段にも蓄電装置37からの電力Pbを供給するようにしてもよい。
【0063】
すなわち、表示装置82の消費電力は比較的小さいことから、蓄電装置37の電力Pbによっても長時間動作させることが可能である。画像形成装置1の周辺にいるユーザーに対し、画像形成装置1が異常状態であることの警告を長時間に渡って発することができ、ユーザーによる認識確率を高めて画像形成装置1の早期復旧が図られることが期待できる。
【0064】
なお、表示装置82は、画像形成装置1における通常の動作状態やメッセージを示したり操作のための入力画面を示すための表示パネルと兼用とすることも可能である。
【0065】
機能部83は、画像形成装置1において所定の機能を有する各部の総称である。例えば、画像形成部20、給紙部60、および電源部30などが機能部83に含まれる。異常検出部84はこれら各部の状態を監視し、異常を検出した場合に異常状態検出信号Saを電源制御装置31に出力する。
【0066】
例えば、画像形成装置1に備えられる搬送用の種々のローラーは、機能部83に含まれる。図示していないが、画像形成装置1には、これらのローラーにおいて用紙YSがジャミングを起こしていないかを検出する光学センサーが設けられている。異常検出部84には、このような光学センサー、および光学センサーの出力信号を処理する回路などが含まれる。
【0067】
画像形成装置1の動作中に用紙YSがローラーにおいてジャミングを起こした場合に、それを光学センサーが検出し、異常検出部84から電源制御装置31に異常状態検出信号Saが出力される。
【0068】
なお、異常検出部84は、電源部30の異常状態をも検出し、電源部30が異常状態となったときに電源制御装置31に異常状態検出信号Saを出力する。例えば、商用電源36から正常に電力が供給されているか否かを検出する電力センサーが設けられる。これにより、商用電源36の電圧、電流、周波数、画像形成装置1で消費される電力などについて監視が行われる。
【0069】
これら以外の機能部83に対しても、それぞれの機能に対応した検出方式で異常状態を検出する異常検出部84が設けられている。異常検出部84が異常状態を検出した場合には、電源制御装置31に異常状態検出信号Saを出力する。
【0070】
また、異常検出部84は、画像形成装置1のハードウェアの故障、イメージングユニットUの交換時期、中間転写ベルト41の交換時期、トナーの要補給時期、および廃トナーボトルの交換時期などについての監視しており、これらに対するアラート信号も異常状態検出信号Saとして処理される。
【0071】
次に、電源部30についてさらに詳しく説明する。
【0072】
電源部30は、電源制御装置31、AC/DC変換部32、第1スイッチ33、第2スイッチ34、ダイオード35などを備える。
【0073】
電源制御装置31は、第1スイッチ33、第2スイッチ34、その他の電源部30の全体の動作を制御する。電源制御装置31によって、間接的にではあるが、通信部81および表示装置82の動作も制御される。
【0074】
電源制御装置31は、例えばCPU、ROM、RAM、インターフェース回路、その他の周辺回路またはハードウェア回路などを用いて構成されるが、これらは、画像形成装置1における他の制御装置と共用することも可能である。
【0075】
電源制御装置31は、異常検出部84から異常状態検出信号Saが出力されたときに、通信部81に対して通信制御信号Stを出力し、異常信号Saaを外部機器に出力するように通信部81を制御する。
【0076】
電源制御装置31は、通信部81が異常信号Saaを出力した後に、第1電源制御信号Ss1によって第1スイッチ33をオフし、商用電源36から画像形成装置1を切り離す。商用電源36から画像形成装置1を切り離すことによって、画像形成装置1が異常状態で使用できないにもかかわらず商用電源36の交流電力Psが消費されることが防止され、省エネルギー化の点で効果的である。
【0077】
これと同時に、第2電源制御信号Ss2によって第2スイッチ34をオンし、蓄電装置37の電力Pbを表示装置82などに供給する。表示装置82は、補助電源である蓄電装置37から供給される電力Pbを用いて、画像形成装置1が異常状態であることを表示し、これにより周辺に通知する。
【0078】
表示装置82による警告表示は、例えば、電源制御装置31が表示装置82に警告制御信号Swを出力することによって実行される。また、通常の動作の表示のための制御部から表示のためのデータを取得してこれを電源制御装置31の制御によって表示してもよい。
【0079】
AC/DC変換部32は、商用電源36の交流電力Psを直流電力Pscに変換する。直流電力Pscは、電源制御装置31、機能部83、蓄電装置37、通信部81、および表示装置82などに供給される。
【0080】
AC/DC変換部32として、例えば、スイッチングレギュレータ、整流装置などが用いられる。例えば、電圧を降下させるためのトランス、チョッパ回路、整流のためのダイオードまたはダイオードブリッジ、平滑用のコンデンサ、チョークコイルなど、必要な電子部品を組み合わせて構成することができる。
【0081】
なお、図示は省略したが、画像形成装置1には、商用電源36の交流電力Psに対し、スイッチング手段による位相制御などを行って負荷である機能部83に供給するための位相制御部が設けられる。位相制御部は、例えば、定着部50におけるヒーターに適正な交流電力を供給する。
【0082】
第1スイッチ33および第2スイッチ34は、リレー(継電器)またはFET(Field effect transistor )などのスイッチング素子によって構成され、電源制御装置31の制御によってオンオフが切り替えられる。
【0083】
なお、AC/DC変換部32からの直流電力Pscはダイオード35を介して表示装置82に供給されるので、第1スイッチ33がオンである限りは、第2スイッチ34のオンオフに関係なく表示装置82への電力の供給が行われる。
【0084】
このように、主電源であるAC/DC変換部32から補助電源である蓄電装置37への切り替えは、通信部81が異常信号Saaを出力したタイミングで行われる。これが最も早い切り替えのタイミングであるが、外部機器への通知を確実なものとするために、切り替えのタイミングをこれとは異ならせてもよい。次にそのいくつかの例を説明する。
【0085】
図3は第1スイッチ33および第2スイッチ34のオンオフのタイミングを示す図である。
【0086】
図3において、画像形成装置1の通常の運転時には、第1スイッチ33がオンで第2スイッチ34がオフであり、商用電源36からの交流電力Psで動作する。この状態で、時間t1において、機能部83で何らかの異常が発生し、異常検出部84が異常状態検出信号Saを出力したとする。電源制御装置31は、異常状態検出信号Saに基づいて、通信部81に通信制御信号Stを出力する。時間t2において、通信部81は、外部の情報機器90に異常信号Saaを出力する。
【0087】
情報機器90は、異常信号Saaに基づいて、ユーザーまたはサービスマンに当該画像形成装置1が異常状態であることを通知する。これは、例えば、サービスセンターに設置されたコンピュータで制御された監視画面上に、異常信号Saaに基づいたメッセージが表示され、これをサービスマンが見ることによって行われる。
【0088】
また、情報機器90は、異常信号Saaを受信したことを示す受信応答信号を通信部81に送信する。通信部81は、受信応答信号を受信すると、その旨を電源制御装置31に伝えるための通信完了信号Sfを出力する。
【0089】
電源制御装置31は、通信完了信号Sfを受信した時間t3において、第1スイッチ33および第2スイッチ34を制御して切り替える。
【0090】
このように、外部機器である情報機器90からの受信応答信号を確認した後に第1スイッチ33および第2スイッチ34を切り替えることにより、外部機器への通知の遅れを防止することができる。例えば、所定の時間ty1を経過しても受信応答信号が受信できなかった場合に、異常信号Saaを情報機器90に再度送信すればよい。
【0091】
また、通信部81が情報機器90に異常信号Saaを出力した後、所定の時間ty2を経過しても受信応答信号を受信しなかった場合に、所定の時間ty2を経過した時点で第1スイッチ33および第2スイッチ34を制御して切り替えてもよい。このようにすると、第1スイッチ33および第2スイッチ34の切り替えのタイミングが無駄に遅くなることが防止される。
【0092】
次に、上に述べた画像形成装置1の動作の実施例1〜4について、フローチャートを用いて説明する。
【0093】
図4は画像形成装置1の実施例1の動作を示すフローチャートである。
【0094】
図4において、機能部83において異常が発生した場合は(#11でYes)、通信制御信号Stが出力され、電源制御装置31から通信部81に異常状態が生じたことが通知される(#12)。
【0095】
電源制御装置31から第1スイッチ33および第2スイッチ34にそれぞれ第1電源制御信号Ss1および第2電源制御信号Ss2が出力され、電源の切り替えが行われる(#13)。
【0096】
図5は画像形成装置1の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【0097】
図5において、機能部83において異常が発生した場合は(#21でYes)、通信制御信号Stが出力され、電源制御装置31から通信部81に異常状態が生じたことが通知される(#22)。
【0098】
情報機器90から異常信号Saaを受信した旨の応答があったことを伝える通信完了信号Sfが出力された場合に(#23でYes)、電源制御装置31から第1スイッチ33および第2スイッチ34にそれぞれ第1電源制御信号Ss1および第2電源制御信号Ss2が出力され、電源の切り替えが行われる(#24)。
【0099】
図6は画像形成装置1の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【0100】
図6において、機能部83において異常が発生した場合は(#31でYes)、通信制御信号Stが出力され、電源制御装置31から通信部81に異常状態が生じたことが通知される(#32)。
【0101】
情報機器90から異常信号Saaを受信した旨の応答があったことを伝える通信完了信号Sfが出力された場合に(#33でYes)、電源制御装置31から第1スイッチ33および第2スイッチ34にそれぞれ第1電源制御信号Ss1および第2電源制御信号Ss2が出力され、電源の切り替えが行われる(#35)。
【0102】
上記通信完了信号Sfが出力されていない場合であっても(#33でNo)、通信制御信号Stの通知後、所定の時間tyが経過した場合に(#34でYes)、電源の切り替えが行われる(#35)。
【0103】
図7は画像形成装置1の実施例4の動作を示すフローチャートである。
【0104】
図7において、機能部83において異常が発生した場合は(#41でYes)、通信制御信号Stが出力され、電源制御装置31から通信部81に異常状態が生じたことが通知される(#42)。
【0105】
情報機器90から異常信号Saaを受信した旨の応答があったことを伝える通信完了信号Sfが出力された場合に(#43でYes)、電源制御装置31から第1スイッチ33および第2スイッチ34にそれぞれ第1電源制御信号Ss1および第2電源制御信号Ss2が出力され、電源の切り替えが行われる(#46)。
【0106】
上記通信完了信号Sfが出力されていない場合であっても(#43でNo)、通信制御信号Stの通知後、所定の時間tyが経過した場合に(#44でYes)、電源制御装置31において受信非完了フラグがオンされ(#45)、その後、電源の切り替えが行われる(#46)。
【0107】
#46で電源の切り替えが行われた後、ユーザーにより主電源が投入された場合は、電源が復帰する(#47でYes)。つまり、商用電源36の交流電力Psの画像形成装置1への供給が再開される。
【0108】
電源復帰後、受信非完了フラグがオンである場合は(#48でYes)、通信制御信号Stが出力され、電源制御装置31から通信部81に異常状態が生じたことが再び通知され(#49)、再び異常信号Saaが出力される。このとき、受信非完了フラグをリセットしておけばよい。
【0109】
次に、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置1Bについて説明する。
【0110】
図8は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置1Bの電源制御に関係する部分の説明のためのブロック図である。
【0111】
図8において、画像形成装置1Bは、上に述べた画像形成装置1に低電力通信部85が追加された構成である。また、低電力通信部85は画像形成装置1Bの外部に設置された装置である情報機器91との間で信号の送受信が可能である。
【0112】
低電力通信部85以外の要素については、画像形成装置1における要素と同様の機能を有することから、同一の符号を付して説明を省略しまたは簡略化する。
【0113】
なお、情報機器91は、上に述べた情報機器90とは異なるものであってもよく、また全部または一部が共通のものであってもよい。
【0114】
低電力通信部85は、Bluetooth Low、ZigBee、Bluetooth、ANT、またはRFなどの低消費電力無線通信規格に基づいて情報機器91との間で信号またはデータの送受信が可能な装置である。なお「Bluetooth」は登録商標である。また、Wifiなどの通信方式などにおいても、交信間隔または1回の交信データ量を抑えて低消費電力化を図ることにより、低電力通信部85として用いることができる。
【0115】
つまり低電力通信部85は、通信部81に比べて低消費電力化されている。そのため、主電源から電力を供給されているときの電力消費が抑えられるとともに、蓄電装置37から電力の供給を受けている場合でも長時間の動作が可能である。
【0116】
そして、低電力通信部85から情報機器91に対して異常信号Sabを送信することができる。ただし、情報機器91の設置場所は、情報機器90の設置場所とは異なり、低電力で低電力通信部85と信号の送受信ができる範囲となることがある。
【0117】
画像形成装置1Bが通常の運転状態であれば、低電力通信部85には、主電源であるAC/DC変換部32からの直流電力Pscが供給される。
【0118】
画像形成装置1に異常状態が生じると、電源制御装置31は、異常状態検出信号Saに基づいて、低電力通信部85に異常信号Sabを出力するように指示するための通信制御信号Slを出力する。これとともに、第1スイッチ33および第2スイッチ34によって電源の切り替えが行われる。これにより、低電力通信部85は、蓄電装置37からの電力Pbのみによって動作し、情報機器91に対して異常信号Sabを出力する。
【0119】
低電力通信部85の消費電力は比較的小さいので、蓄電装置37の電力Pbの消費が抑えられ、低電力通信部85を長時間に渡って動作状態とすることができる。また、表示装置82による警告表示を長時間に渡って行うことが可能である。
【0120】
例えば、画像形成装置1Bに異常が発生し、商用電源36が遮断されている状態で、ユーザーは、情報機器91を介して、画像形成装置1Bに対する印刷指示、状態確認、または電源の復帰指示など、種々の要求をネットワークなどを介して行うことができる。そのような要求があった場合に、画像形成装置1は、情報機器91を介して、画像形成装置1が異常状態であることをそのユーザーに通知(返信)することが可能である。
【0121】
これによって、商用電源36による電力の供給に切り替えることなく、異常状態であることをユーザーに通知することが可能となり、不必要な電力の消費を抑えることができる。
【0122】
上に述べた実施形態によると、画像形成装置1、1Bは、機能部83に異常が発生すると、商用電源36から供給された電力により通信部81が情報機器90に異常信号Saaを出力し、ユーザーまたはサービスマンなどに画像形成装置1、1Bが異常状態であることを通知する。また、異常信号Saaを出力後に商用電源36が遮断される。
【0123】
サービスマンが常駐しているサービス拠点に異常状態であることを通知することから、サービスマンに画像形成装置1が異常状態であることを迅速に通知することができる。これにより、画像形成装置1、1Bの異常状態に対する迅速な対応が可能となり、画像形成装置1、1Bを使用できない時間を短縮することができる。
【0124】
また、商用電源36の遮断後は、蓄電装置37からの電力Pbにより表示装置82が警告表示を行う。表示装置82による警告表示は継続して表示することから、画像形成装置1の近辺にいるユーザーなどは画像形成装置1、1Bが異常であることを容易に認識することができる。また、画像形成装置1、1Bは、異常状態において待機電力の消費を削減でき、省エネルギー化が実現できる。
【0125】
なお、機能部83に異常が発生した後、通信部81から異常信号Saaを出力するまでの間に、停電などにより商用電源36からの電力供給が不可能となった場合には、通信部81から異常信号Saaを出力する処理についても、蓄電装置37からの電力Pbにより行うこととすればよい。
【0126】
上に述べた実施形態において、電源部30、電源制御装置31、通信部81、表示装置82、または画像形成装置1、1Bの全体または各部の構成、構造、形状、回路、処理内容、処理順序、処理タイミングなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0127】
1,1B 画像形成装置
30 電源部(電源制御装置、制御手段)
31 電源制御装置(制御手段)
32 AC/DC変換部(主電源)
33 第1スイッチ(第1スイッチ手段)
34 第2スイッチ(第2スイッチ手段)
35 ダイオード
36 商用電源(外部電源、主電源)
37 蓄電装置(補助電源)
81 通信部
82 表示装置(警告手段)
83 機能部
84 異常検出部
85 低電力通信部
90、91 情報機器(外部機器)
Pb 電力
Ps 交流電力
Psc 直流電力
Sa 異常状態検出信号
Saa、Sab 異常信号
Sf 通信完了信号
Sw 警告制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給される電力により動作する画像形成装置の電源制御方法であって、
前記画像形成装置は前記外部電源とは独立して電力を供給可能な補助電源を備え、
前記画像形成装置の状態を監視し、前記画像形成装置が異常状態であると判断した場合には、前記外部電源から供給される電力を用いて、前記画像形成装置が異常状態であることを示す異常信号を通信手段により外部機器に対して出力し、
前記異常信号の出力後に前記外部電源からの電力の供給を遮断し、
前記補助電源から供給される電力を用いて、前記画像形成装置が異常状態であることを警告手段により周辺に通知する、
ことを特徴とする電源制御方法。
【請求項2】
前記外部電源からの電力の供給の遮断を、前記外部機器が前記異常信号を受信したことの確認がなされた後に行う、
請求項1記載の電源制御方法。
【請求項3】
前記外部機器が前記異常信号を受信したことの確認が、前記異常信号の出力後に所定の時間を経過してもなされないときは、前記所定の時間を経過したときに前記外部電源からの電力の供給の遮断を行う、
請求項2記載の電源制御方法。
【請求項4】
前記外部機器が前記異常信号を受信したことの確認がなされていないにもかかわらず前記外部電源からの電力の供給を遮断した場合には、前記外部電源からの電力の供給を再開した際に、前記外部電源から供給される電力を用いて、前記異常信号を前記通信手段により前記外部機器に出力する、
請求項3記載の電源制御方法。
【請求項5】
前記通信手段は、前記外部機器に対して高速で通信を行うことのできる高速通信手段である、
請求項1ないし4のいずれかに記載の電源制御方法。
【請求項6】
前記通信手段よりも消費電力が低い低電力通信手段を備え、
前記画像形成装置が異常状態であると判断した場合に、前記低電力通信手段を前記補助電源から供給される電力によって動作させ、
外部機器から前記低電力通信手段を介して当該画像形成装置への要求があった場合に、 異常状態であることを示す異常信号を前記低電力通信手段を介して前記外部機器に対して出力する、
請求項1ないし5のいずれかに記載の電源制御方法。
【請求項7】
外部電源から供給される電力を制御する電源制御装置であって、
前記外部電源とは独立して電力を供給可能な補助電源と、
前記外部電源からの電力の供給を制御する第1スイッチ手段と、
前記補助電源からの電力の供給を制御する第2スイッチ手段と、
異常状態を検出する異常検出手段と、
異常状態であることを示す異常信号を外部機器に対して出力可能な通信手段と、
異常状態であることを周辺に通知する警告手段と、
前記第1スイッチ手段、前記第2スイッチ手段、前記通信手段、および前記警告手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記異常検出手段が異常状態を検出した際に、前記外部電源からの電力を用いて前記通信手段に前記警告信号を出力させ、前記警告信号が出力された後に前記第1スイッチ手段により前記外部電源からの電力を遮断し、かつ前記第2スイッチ手段により前記補助電源からの電力を前記警告手段に供給させ、前記警告手段に前記異常状態であることを通知させるよう制御を行う、
ことを特徴とする電源制御装置。
【請求項8】
外部電源から供給される電力により動作する画像形成装置であって、
前記外部電源とは独立して電力を供給可能な補助電源と、
前記外部電源からの電力の供給を制御する第1スイッチ手段と、
前記補助電源からの電力の供給を制御する第2スイッチ手段と、
異常状態を検出する異常検出手段と、
異常状態であることを示す異常信号を外部機器に対して出力可能な通信手段と、
異常状態であることを周辺に通知する警告手段と、
前記第1スイッチ手段、前記第2スイッチ手段、前記通信手段、および前記警告手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記異常検出手段が異常状態を検出した際に、前記外部電源からの電力を用いて前記通信手段に前記警告信号を出力させ、前記警告信号が出力された後に前記第1スイッチ手段により前記外部電源からの電力を遮断し、かつ前記第2スイッチ手段により前記補助電源からの電力を前記警告手段に供給させ、前記警告手段に前記異常状態であることを通知させるよう制御を行う、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記外部電源からの電力の供給の遮断を、前記外部機器が前記異常信号を受信したことの確認がなされた後に行う、
請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記外部機器が前記異常信号を受信したことの確認が、前記異常信号の出力後に所定の時間を経過してもなされないときは、前記所定の時間を経過したときに前記外部電源からの電力の供給の遮断を行う、
請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記外部機器が前記異常信号を受信したことの確認がなされていないにもかかわらず前記外部電源からの電力の供給を遮断した場合には、前記外部電源からの電力の供給を再開した際に、前記外部電源から供給される電力を用いて、前記異常信号を前記通信手段により前記外部機器に出力させる、
請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記通信手段は、前記外部機器に対して高速で通信を行うことのできる高速通信手段である、
請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記異常状態であることを示す異常信号を前記外部機器に対して出力可能で前記通信手段よりも消費電力の小さい低電力通信手段を備え、
前記制御手段は、前記異常検出手段が前記異常状態を検出した際に、前記低電力通信手段を前記補助電源から供給される電力によって動作させ、外部機器から前記低電力通信手段を介して当該画像形成装置への要求があった場合に、前記異常状態であることを示す異常信号を前記低電力通信手段を介して前記外部機器に対して出力させる、
請求項8ないし12のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−111862(P2013−111862A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260485(P2011−260485)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】