説明

電源制御装置と画像形成装置

【課題】 装置の使用電力を節約すると共に装置の使用者の利便性を良くする。
【解決手段】 画像形成装置に電力を供給する電源ユニット2と、画像形成装置周囲の光量を検出する光センサ6と、画像形成装置に電力が供給状態の時、検出部19が光センサ6からの光量の信号に基いて画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値未満になった検出信号を出力した場合、電源制御部18に画像形成装置への電力の供給を遮断させ、画像形成装置への電力の供給が遮断状態の時に検出部19が画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になった検出信号を出力した場合、電源制御部18に電力を給電させる主制御部10を備え、主制御部10は、供給遮断状態の時に画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になった検出信号を受信した場合、予め設定された電力の供給を遮断状態に維持する日時範囲では、電力の供給を遮断状態に維持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装置への電源のオンとオフを制御する電源制御装置と、その電源制御装置を有するファクシミリ装置、プリンタ、複写機、並びにそれらの機器の機能を備えた複合機を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ本体に設けたフォトセンサの出力によりプリンタ本体の周囲の明るさが予め設定された明るさよりも暗くなったと判断した場合、電源回路の電源出力の一部又は全部を切断し、CPUがプリンタ本体の周囲の明るさが予め設定された明るさよりも暗くなったと判断してから一定時間内にプリンタ本体へのプリント出力要求がない場合に電源回路の電源出力の一部又は全部を切断する電源制御装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の電源制御装置は、プリンタ本体に対して単に室内の明るさに基いて電源のオンとオフを制御するので、次のような問題があった。
(1)休日の日中に窓からの日差しにより室内が明るくなった場合でもプリンタ本体の電源をオンしてしまうので、電力を浪費してしまう。
(2)夜間に警備員による巡回で室内の照明が点灯された場合でもプリンタ本体の電源をオンしてしまうので、電力を浪費してしまう。
(3)昼休みに室内の照明が消灯されるとプリンタが使用中でもプリンタ本体の電源をオフしてしまうので、利用者にとっての利便性が良くない。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、装置の使用電力を節約すると共に装置の使用者の利便性を良くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は上記の目的を達成するため、装置に電力を供給する電源手段と、装置周囲の光量を検出する検出手段と、装置に電力が供給状態の時に上記検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値未満になったことを検出した場合、電源手段に装置への電力の供給を遮断させ、装置への電力の供給が遮断状態の時に上記検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合、電源手段に装置へ電力を給電させる電源制御手段を備えた電源制御装置であって、電源制御手段は、装置への電力の供給が遮断状態の時に検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合、予め設定された電力の供給を遮断状態に維持する日時範囲では、電源手段に装置への電力の供給を遮断状態に維持させる手段を有する電源制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0005】
この発明による電源制御装置と画像形成装置は、装置の使用電力を節約すると共に装置の使用者の利便性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】発明の一実施形態である画像形成装置の主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像形成装置における電源オン状態の時に電源オフの信号が入力された場合の処理を示すフローチャート図である。
【図3】図1に示す画像形成装置における電源オフ状態の時に電源オンの信号が入力された場合の処理を示すフローチャート図である。
【図4】図1に示す画像形成装置における日時による電源オンと電源オフの制御と画像形成装置の周囲の明るさによる電源オンと電源オフの制御の設定処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、発明の一実施形態である画像形成装置の主要部の機能構成を示すブロック図である。
図1の画像形成装置は、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、及び複合機を含む画像処理装置である。
そして、図1の画像形成装置は、コントローラ1、電源ユニット2、操作パネル3、エンジン4、ソーラ発電部5、及び光センサ6を備えている。
【0008】
また、図1の画像形成装置は、ネットワークを介して、又はケーブルを介して直接にパーソナルコンピュータを含む情報処理装置(PC)21を接続している。
コントローラ1の主制御部10は、CPUや画像形成装置を制御するための回路、印刷データを処理する回路が1チップになったマイクロコンピュータであり、画像処理装置の全ての動作を司る。
ROM11は、主制御部10が実行するファームウェアを含むプログラム、画像形成装置に関する各種の情報を格納するメモリである。
【0009】
RAM12は、主制御部10が各種の処理を実行する際に使用する作業用メモリであり、画像データ、プログラムを含む各種のデータを格納する。
外部インタフェース(I/F)部13は、操作パネル3とのデータのやり取りを司る。
ホストインタフェース(I/F)部14は、PC21とのデータのやり取りを司る。
エンジンインタフェース(I/F)部15は、エンジン4とのデータのやり取りを司る。
【0010】
メカ制御インタフェース(I/F)部16は、エンジンI/F部15を介してエンジン4の通信、印刷、画像読取に係るメカ部とのデータのやり取りを司る。
印刷制御インタフェース(I/F)部17は、エンジンI/F部15を介してエンジン4に対して印刷データのやり取りを司る。
電源制御部18は、画像形成装置の各部への電源ユニット2による電力の供給と遮断を制御する。
【0011】
この電源制御部18は、電源オフ状態の時にも電源ユニット2から給電されて動作状態である。
検出部19は、光センサ6から出力される光量の信号を受信し、その信号のレベルと基準値とを比較し、信号のレベルが基準値以上の場合、画像形成装置の周囲が明から暗に変化したことを示す信号を検出信号として電源制御部18に予め設定した一定時間出力する。
【0012】
また、光センサ6からの信号に基いて信号のレベルが基準値未満の場合、画像形成装置の周囲が暗から明に変化したことを示す信号を検出信号として電源制御部18に予め設定した一定時間出力する。
リアルタイムクロック(RTC)20は、電池により電源オフ時も現在時刻を刻み続ける時計機能を果たす。
また、RTC20は、予め設定した日時になると、それを知らせるトリガ信号を電源制御部18へ出力する。
【0013】
電源ユニット2は、画像形成装置の各部にそれらを動作させるための電力を供給する。
すなわち、電源ユニット2は、装置に電力を供給する電源手段に相当する。
操作パネル3は、ユーザによって入力されたキー操作の信号を出力し、ユーザへの各種のメッセージの表示を行う。
また、操作パネル3の電源スイッチ(SW)7は、ユーザが画像形成装置の電源をオン又はオフする際に入力するキーである。
【0014】
そして、操作パネル3は、電源SW7のオンが入力されると電源オン信号を出力し、電源SW7のオフが入力されると電源オフ信号を出力する。
エンジン4は、画像形成装置の通信、印刷、画像読取に係る各種のメカ部である。
ソーラ発電部5は、太陽光、室内の蛍光灯を含む各種の光を受光し、その受光した光に基いて発電して蓄電し、その蓄電した電力を光センサ6に供給する。
光センサ6は、ソーラ発電部5からの給電によって動作し、画像形成装置の設置場所において、画像形成装置の周辺の光量を検出し、その光量を示す信号を出力する。
【0015】
すなわち、光センサ6は、装置周囲の光量を検出する検出手段の機能を果たす。
この光センサ6として、照度センサを用いても良い。その場合、上記光量に変えて照度を用いる。
上記主制御部10、検出部19、及び電源制御部18は、画像形成装置に電力が供給状態の時に上記検出手段である光センサ6によって画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値未満になったことを検出した場合、上記電源手段である電源ユニット2に画像形成装置への電力の供給を遮断させ、画像形成装置への電力の供給が遮断状態の時に光センサ6によって画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合、電源ユニット2に画像形成装置へ電力を給電させる電源制御手段の機能を果たす。
【0016】
この画像形成装置は、基本動作として、光センサ6は画像形成装置の設置場所の周囲の光の光量を検出し、検出部19は光量が予め設定した基準値以上又は基準値未満に変化した時に、その変化したことを示す信号を一定時間出力する。
そして、電源制御部18に電源ユニット2からの電力を供給させ、その供給を維持するように主制御部10から指示を行う。
【0017】
検出部19からの信号は、周辺の明るさが『明るい→暗い』に変化した時と『暗い→明るい』に状態が変化した時に一定時間信号が出力される。
『暗い→明るい』に変化した時は、変化を検出したことを検知した信号が一定時間出力されている間にコントローラ1を立ち上げる。
そして、主制御部10は、電源ユニット2から電力が供給されている状態を保持するように電源制御部18を制御する。
【0018】
また、『明るい→暗い』となった時は、変化を検知した信号が出力され、その検出信号が変化したことを主制御部10が受信する。
そして、主制御部10は、電源制御部18に電源ユニット2からの電力供給を維持させていることを止め、画像形成装置を電源オフさせる。
また、電源SW7やRTC20からの信号も同様であり、それらの信号により画像形成装置の電源が制御されることになる。
【0019】
次に、この画像形成装置における電源オン状態の時に電源オフの信号が入力された場合の処理について説明する。
図2は、図1に示した画像形成装置における電源オン状態の時に電源オフの信号が入力された場合の処理を示すフローチャート図である。
画像形成装置における電源オン状態の時に、図1の主制御部10はステップ1から8の処理を実行する。
【0020】
ステップ(図中「S」で示す)1では、図1の電源制御部18に電源オフを要求する電源制御信号の入力があったか否かを判断する。
図1の電源制御部18に電源オフを要求する電源制御信号の入力があったと判断した場合(S1でYの場合)はステップ2へ進む。
一方、図1の電源制御部18に電源オフを要求する電源制御信号の入力がなかったと判断した場合(S1でNの場合)はステップ1の判断処理を繰り返す。
【0021】
ステップ2では、図1の電源SW7からの電源オフ信号の入力か否かを判断する。
図1の電源SW7からの電源オフ信号の入力と判断した場合(S2でYの場合)はステップ3へ進む。
一方、図1の電源SW7からの電源オフ信号の入力ではないと判断した場合(S2でNの場合)はステップ8へ進む。
ステップ3では、図1のRTC20からのトリガ信号の入力か否かを判断する。
【0022】
図1のRTC20からのトリガ信号の入力と判断した場合(S3でYの場合)はステップ4へ進む。
一方、図1のRTC20からのトリガ信号の入力ではないと判断した場合(S3でNの場合)はステップ5へ進む。
ステップ4では、トリガ信号が電源オフに移行する日時か否かを判断する。
このトリガ信号は、予め設定された電力を遮断状態にする日時範囲を知らせる信号である。
【0023】
トリガ信号が電源オフに移行する日時と判断した場合(S4でYの場合)はステップ8へ進む。
一方、トリガ信号が電源オフに移行する日時ではないと判断した場合(S4でNの場合)はステップ1へ戻る。
ステップ5では、図1の検出部19からの信号入力か否かを判断する。
図1の検出部19からの信号入力と判断した場合(S5でYの場合)はステップ6へ進む。
【0024】
一方、図1の検出部19からの信号入力ではないと判断した場合(S5でNの場合)はステップ1へ戻る。
ステップ6では、図1の検出部19からの信号入力が明から暗へ変化したことを示す信号入力か否かを判断する。
明から暗へ変化したことを示す信号は、図1の検出部19が光センサ6の出力する光量の信号が基準値以上になった場合、すなわち、夜になって室外からの明かりが暗くなった場合、又は室内の照明が消灯された場合、画像形成装置の設置場所の周囲が暗くなったことを示す信号である。
【0025】
図1の検出部19からの信号入力が明から暗へ変化したことを示す信号入力と判断した場合(S6でYの場合)はステップ7へ進む。
一方、図1の検出部19からの信号入力が明から暗へ変化したことを示す信号入力ではないと判断した場合(S6でNの場合)はステップ1へ戻る。
ステップ7では、光センサ電源オンオフ制御機能は有効か否かを判断する。
【0026】
この光センサ電源オンオフ制御機能とは、画像形成装置の設置場所の周囲が明るくなったことを検出した場合に電源オフのときには電源オンにし、画像形成装置の設置場所の周囲が暗くなったことを検出した場合に電源オンのときには電源オフにする制御機能である。
この光センサ電源オンオフ制御機能は、予めユーザが利用する場合には有効に設定し、利用しない場合には無効を設定する。
【0027】
上記有効と無効の設定は、図1の操作パネル3から行う。
光センサ電源オンオフ制御機能は有効と判断した場合(S7でYの場合)はステップ8へ進む。
一方、光センサ電源オンオフ制御機能は有効ではない(すなわち無効)と判断した場合(S7でNの場合)はステップ1へ戻る。
【0028】
ステップ8では、図1の電源制御部18に電源オフを指示し、この処理を終了する。
このように、図1の主制御部10は、画像形成装置への電力の供給が遮断状態の時に検出部19によって画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合、予め設定された電力の供給を遮断状態に維持する日時範囲では、電源制御部18に画像形成装置への電力の供給を遮断状態に維持させる手段の機能を果たす。
【0029】
上記処理において、主制御部10は、最も優先度が高いのは電源SW7による要求であり、電源SW7が押されたことによる電源制御要求であれば電源オフするための準備を行い、準備が終わり次第、電源制御部18に電力供給を遮断させる。
また、主制御部10は、事前にユーザによって設定された日時になったことを知らせるRTC20からの要求だった場合は、その通知が電源オフへ移行する日時範囲であれば画像形成装置を電源オフするための準備を行い、準備が終わり次第、電源制御部18に電力供給を遮断させる。
【0030】
一方、RTC20からの通知が電源オンにする日時範囲になったことを通知する要求であれば、画像形成装置はすでに別の要因により電源オンされているため、電源制御は行わずその状態を維持させる。
また、RTC20からの要求でもなく、光センサ6から画像形成装置の周辺の明るさが変化したことを知らせる信号であった場合、画像形成装置の周辺が暗くなったことによる通知なのか、画像形成装置の周辺が明るくなったことによる通知なのかを確認する。
【0031】
明るくなったことによる通知であれば、すでに画像形成装置は電源オンされているため、その状態を維持させる。
一方、暗くなったことによる通知であれば、それは電源オフする要求である。
そして、光センサ6による電源制御要求であった場合、事前にユーザが光センサ電源オンオフ制御機能を有効にしているか無効にしているかを確認し、有効であった場合でも、時間毎の設定で無効に設定されている時間か否かを確認する。
【0032】
例えば、昼休みは節電で消灯されるが、画像形成装置は使用される可能性があるため、暗くなっても電源オフさせないように昼休み時間は光センサ電源オンオフ制御機能を無効に設定しておく必要がある。
また、時間設定で無効となっている場合は、画像形成装置の電源制御は行わず、今の状態を維持させる。光センサ6が有効と判断されれば、画像形成装置を電源オフさせる。
【0033】
次に、この画像形成装置における電源オフ状態の時に電源オンの信号が入力された場合の処理について説明する。
図3は、図1に示した画像形成装置における電源オフ状態の時に電源オンの信号が入力された場合の処理を示すフローチャート図である。
画像形成装置における電源オフ状態の時に、図1の主制御部10はステップ11から18の処理を実行する。
【0034】
ステップ11の画像形成装置の電源オンでは、画像形成装置が電源オフの状態の時に何らかの要因で電源オンされると、図1の電源制御部18によって電源ユニット2から電力が供給され、コントローラ1が起動し、ステップ12へ進む。
コントローラ1が起動すると、コントローラ1に実装されている主制御部10は、何の要因で電源オンにされたかを確認する。
ステップ12では、図1の電源SW7からの電源オン信号の入力か否かを判断する。
【0035】
図1の電源SW7からの電源オン信号の入力と判断した場合(S12でYの場合)はステップ17へ進む。
一方、図1の電源SW7からの電源オン信号の入力ではないと判断した場合(S12でNの場合)はステップ13へ進む。
ステップ13では、図1のRTC20からのトリガ信号による電源オンに移行する日時か否かを判断する。
【0036】
図1のRTC20からのトリガ信号による電源オンに移行する日時と判断した場合(S13でYの場合)はステップ17へ進む。
一方、図1のRTC20からのトリガ信号による電源オンに移行する日時ではないと判断した場合(S13でNの場合)はステップ14へ進む。
ステップ14では、図1の検出部19からの信号入力か否かを判断する。
図1の検出部19からの信号入力と判断した場合(S14でYの場合)はステップ15へ進む。
【0037】
一方、図1の検出部19からの信号入力ではないと判断した場合(S14でNの場合)はステップ18へ進む。
ステップ15では、光センサ電源オンオフ制御機能は有効か否かを判断する。
この光センサ電源オンオフ制御機能とは、画像形成装置の設置場所の周囲が明るくなったことを検出した場合に電源オフのときには電源オンにし、画像形成装置の設置場所の周囲が暗くなったことを検出した場合に電源オンのときには電源オフにする制御機能である。
【0038】
この光センサ電源オンオフ制御機能は、予めユーザが利用する場合には有効に設定し、利用しない場合には無効を設定する。
上記有効と無効の設定は、図1の操作パネル3から行う。
光センサ電源オンオフ制御機能は有効と判断した場合(S15でYの場合)はステップ16へ進む。
一方、光センサ電源オンオフ制御機能は有効ではない(すなわち無効)と判断した場合(S15でNの場合)はステップ18へ進む。
【0039】
ステップ16では、図1の検出部19からの信号入力が暗から明へ変化したことを示す信号入力か否かを判断する。
暗から明へ変化したことを示す信号は、図1の検出部19が光センサ6の出力する光量の信号が基準値未満になった場合、すなわち、昼間になった場合や室内の照明が点灯された場合、画像形成装置の設置場所の周囲が明るくなったことを示す信号である。
図1の検出部19からの信号入力が暗から明へ変化したことを示す信号入力と判断した場合(S16でYの場合)はステップ17へ進む。
【0040】
一方、図1の検出部19からの信号入力が暗から明へ変化したことを示す信号入力ではないと判断した場合(S16でNの場合)はステップ18へ進む。
ステップ17では、図1の電源制御部18に電源オン状態を維持させる指示をし、この処理を終了する。
一方、ステップ18では、図1の電源制御部18に電源オフを指示し、この処理を終了する。
【0041】
このように、主制御部10は、画像形成装置に電力が供給状態の時に検出部19によって画像形成装置周囲の光量が予め設定された基準値未満になったことを検出した場合、予め設定された電力の供給を維持する日時範囲では、電源制御部18に画像形成装置への電力の供給を維持させる手段の機能を果たす。
【0042】
上記処理において、主制御部10は、優先度の高い電源SW7による電源投入であった場合、電源オンが継続されるように電源制御部18に制御を行う。
また、電源SW7による電源投入でない場合、事前にユーザが電源を制御する時間を設定しており、その設定時間になったことでRTC20から通知された信号によって起動したか否かを確認する。
【0043】
そして、RTC20の要求であった場合は、その要求が電源オンにする時間になったことで要求されたのか、電源オフする時間になったことを通知するための要求なのかを確認する。
電源オフする要求で通知されたのであれば、画像形成装置を電源オフ状態に戻す。
また、電源オンする要求である場合は、電源オンが継続されるように電源制御部18の制御を行う。
【0044】
さらに、RTC20からの要求でも無かった場合、光センサ6から画像形成装置の周辺の明るさが変化したことを知らせる信号であった場合、周辺が暗くなったことによる通知なのか、明るくなったことによる通知なのかを確認する。
暗くなったことによる要求であった場合、画像形成装置を電源オフ状態へ戻す。
また、明るくなったことによる通知であれば、それは電源オンする要求である。
【0045】
そして、光センサ6による電源制御要求であった場合、事前にユーザが光センサ電源オンオフ制御機能を有効にしているか無効にしているかを確認し、有効であった場合でも、時間毎の設定で無効に設定されている時間か否かを確認する。
例えば、休日の昼間は窓から日が差し込んで画像形成装置の周辺は明るくなるが、基本的には休日に画像形成装置は使用されないため、明るくなっても電源オンさせないように休日は光センサ電源オンオフ制御機能による制御を無効に設定しておく必要がある。
そして、時間設定で無効となっている場合は、画像形成装置を電源オフ状態へ戻す。
また、光センサ6が有効と判断されれば、画像形成装置の電源オン状態が継続されるよう電源制御部18の制御を行う。
【0046】
次に、この画像形成装置における日時による電源オンと電源オフの制御と画像形成装置の周囲の明るさによる電源オンと電源オフの制御の設定処理について説明する。
ユーザは、予めRTC20からのトリガ信号で電源オン又は電源オフする制御機能を有効にするか無効にするかの設定をしておく。この制御機能を、RTC電源オンオフ制御機能という。
図4は、図1に示した画像形成装置における日時による電源オンと電源オフの制御と画像形成装置の周囲の明るさによる電源オンと電源オフの制御の設定処理を示すフローチャート図である。
【0047】
主制御部10は、ステップ21から24の処理を実行する。
ステップ21では、図1の操作パネル3からRTC電源オンオフ制御機能を有効に設定する入力があったか否かを判断する。
このRTC電源オンオフ制御機能では、主制御部10は、予め設定された日時に電源オフ状態の時には自動的に電源オンにし、予め設定された日時に電源オン状態の時には自動的に電源オフにする制御を行う。
【0048】
RTC電源オンオフ制御機能を有効に設定する入力があったと判断した場合(S21でYの場合)はステップ22へ進む。
一方、RTC電源オンオフ制御機能を有効に設定する入力がなかったと判断した場合(S21でNの場合)はステップ23へ進む。
ステップ22では、図1の操作パネル3から入力された電源オン日時と電源オフ日時を設定し、ステップ23へ進む。
【0049】
電源オン日時は予め設定された日時に電源オフ状態の時には自動的に電源オンにする日時である。
また、電源オフ日時は予め設定された日時に電源オン状態の時には自動的に電源オフにする日時である。
上記電源オン日時と電源オフ日時は、RTC20に設定する。
RTC20は上記電源オン日時と電源オフ日時になると、トリガ信号を電源制御部18又は主制御部10へ出力する。
【0050】
そして、電源制御部18又は主制御部10は、RTC20からのトリガ信号に基いて自動的に電源オンと電源オフの制御を実行する。
ステップ23では、図1の操作パネル3から光センサ電源オンオフ制御機能を有効に設定する入力があったか否かを判断する。
図1の操作パネル3から光センサ電源オンオフ制御機能を有効に設定する入力があったと判断した場合(S23でYの場合)はステップ24へ進む。
【0051】
一方、図1の操作パネル3から光センサ電源オンオフ制御機能を有効に設定する入力がなかったと判断した場合(S23でNの場合)は処理を終了する。
この場合、RTC電源オンオフ制御機能による予め設定された日時に電源オフ状態の時には自動的に電源オンにし、予め設定された日時に電源オン状態の時には自動的に電源オフにする機能のみを有効に設定する。
ステップ24では、図1の操作パネル3から入力された電源オン日時範囲と電源オフ日時範囲を設定し、この処理を終了する。
【0052】
電源オン日時範囲は、画像形成装置に電力が供給状態の時に周囲の光量が予め設定された基準値未満になったことを検出した場合でも、電力の供給を維持させる日時範囲である。
例えば、電源オン日時範囲として昼休み時間や夜間の時間を設定すれば、その時間帯に画像形成装置の周辺の明るさが暗くなっても、画像形成装置の電源オン状態を維持することができ、昼休みや残業でも使用したいユーザの利便性を良くすることができる。
【0053】
また、電源オフ日時範囲は、画像形成装置への電力の供給が遮断状態の時に周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合でも、電力の供給を遮断状態に維持させる日時範囲である。
例えば、電源オフ日時範囲として休日を事前に設定すれば、休日は画像形成装置の周辺の明るさの変化にかかわらず電源オフ状態に保つことが可能となる。
【0054】
このように、光センサ6による電源制御機能は、ユーザによって有効あるいは無効の設定が可能であり、その設定により画像形成装置は周辺の明るさ変化に応じて電源制御を変えることができる。
また、RTC電源オンオフ制御機能を無効にして、画像形成装置の周辺の明るさに応じて画像形成装置の電源を制御する光センサ電源オンオフ制御機能を優先するように設定することもできる。
あるいは、光センサ電源オンオフ制御機能を無効にし、図1のRTC20へ設定された時間だけで画像形成装置の電源を制御するように設定することもできる。
【0055】
この実施形態の画像形成装置によれば、時間や曜日を把握して室内の明るさに応じて電源を制御するのか、明るさに関係なく時間や曜日に対する要求で電源制御するかを判断して画像形成装置の電源制御を行うことができる。
このように、休日の昼間に無人であるにもかかわらず電源が投入され無駄に待機電力を消費してしまうことを防止できる。
【0056】
また、昼休みに節電で照明を消灯すると、画像形成装置の電源も連動して遮断してしまい、昼休み中に出力しようとしても受け付けられないなどの不都合が発生してしまうことも防止できる。
したがって、画像形成装置の設置されている室内の明るさだけではなく、現在の時間や曜日などを考慮して電源オンと電源オフの制御を行うので、ユーザが意図しない場面での電源オンと電源オフを回避し、装置の使用電力を節約すると共に装置の使用者の利便性を良くすることができる。
【符号の説明】
【0057】
1:コントローラ 2:電源ユニット 3:操作パネル 4:エンジン 5:ソーラ発電部 6:光センサ 7:電源SW 10:主制御部 11:ROM 12:RAM 13:外部I/F部 14:ホストI/F部 15:エンジンI/F部 16:メカ制御I/F部 17:印刷制御I/F部 18:電源制御部 19:検出部 20:RTC 21:PC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開平9−311597号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に電力を供給する電源手段と、装置周囲の光量を検出する検出手段と、装置に電力が供給状態の時に前記検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値未満になったことを検出した場合、前記電源手段に装置への電力の供給を遮断させ、装置への電力の供給が遮断状態の時に前記検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合、前記電源手段に装置へ電力を給電させる電源制御手段を備えた電源制御装置であって、
前記電源制御手段は、装置への電力の供給が遮断状態の時に前記検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値以上になったことを検出した場合、予め設定された電力の供給を遮断状態に維持する日時範囲では、前記電源手段に装置への電力の供給を遮断状態に維持させる手段を有することを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
前記電源制御手段は、装置に電力が供給状態の時に前記検出手段によって装置周囲の光量が予め設定された基準値未満になったことを検出した場合、予め設定された電力の供給を維持する日時範囲では、前記電源手段に装置への電力の供給を維持させる手段を有することを特徴とする請求項1記載の電源制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電源制御装置を備え、該電源制御装置によって当該画像形成装置への電力の供給を制御することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−33174(P2013−33174A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169944(P2011−169944)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】