説明

電源制御装置

【課題】、障害復旧を速やかに行なうことができるとともに、起動時の待ち時間を短縮できる電源制御装置を提供する。
【解決手段】電源制御装置1がオフされ、全て電源供給端子5からの電源供給が遮断されると、電源供給制御回路2がリセットされるから、電源供給制御回路2の異常により、電源供給に障害が発生した場合には、その復旧を速やかに行なうことができる。また、電源供給制御回路2がリセットされると交流電源供給スタンバイ状態となるから、再起動時のリセット完了待ち時間が無くなり、直ちに電源供給を行なうことができる。さらに、パソコン8のコマンドにより電源供給制御回路2をリセットすることができるから、遠隔操作等が可能となり使い勝手が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用交流電源をブレーカを介して導入し、複数の電源供給端子から所定電圧の電源を供給するようにした電源制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記した電源制御装置では、内部回路である電源供給制御回路のリセットをブレーカの入り切りにより行っていた。この場合、電源制御装置が稼動中は手動でブレーカを操作しない限り内部回路のリセットが行なわれない。また、内部回路の異常により障害が発生したときには、ブレーカを遮断して障害を復旧させるまで、異常状態が継続してしまう。
【0003】
一方、上記電源制御装置等に配設されるブレーカが、外部から簡単に操作できないようにカバー等により隠蔽されている場合には、ブレーカ操作を迅速に行なうことができなく、障害復旧に時間が掛かるという問題点がある。
【特許文献1】無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、障害復旧を速やかに行なうことができるとともに、起動時の待ち時間を短縮できる電源制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するための請求項1に記載の電源制御装置は、商用交流電源をブレーカを介して導入し、複数の電源供給端子から所定電圧の電源を供給するようにした電源制御装置において、該電源制御装置をオン・オフする操作スイッチと、内部回路である電源供給制御回路と、該電源供給制御回路をリセットするリセット手段とを備え、該リセット手段を、前記操作スイッチにより前記電源制御装置をオフして、前記複数の電源供給端子からの電源供給を遮断したとき作動させ、リセットした前記電源供給制御回路をスタンバイ状態とすることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の電源制御装置は、請求項1に記載の構成において、制御用コンピュータを接続し、該制御用コンピュータの前記複数の電源供給端子からの電源供給を遮断する遮断信号により、前記リセット手段を作動させることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の電源制御装置によれば、操作スイッチにより電源制御装置がオフされ、複数の電源供給端子からの電源供給が遮断されると、リセット手段が作動して電源供給制御回路をリセットしてスタンバイ状態とする。従って、電源供給制御回路の異常により、電源供給に障害が発生した場合には、その復旧を速やかに行なうことができる。また、再起動時のリセット完了待ち時間が無くなり、直ちに電源供給を行なうことができる。
【0008】
請求項2に記載の電源制御装置によれば、制御用コンピュータの複数の電源供給端子からの電源供給を遮断する遮断信号により、リセット手段が作動して電源供給制御回路がリセットされスタンバイ状態となるから、遠隔操作等が可能となり使い勝手が向上する。
【実施例】
【0009】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、実施例に係る電源制御装置1の概略のブロック図である。電源制御装置1は、内部回路である電源供給制御回路2に商用交流電源(100V)3をブレーカ4を介して導入し、複数の電源供給端子5から所定電圧(100V)の交流電源を供給する。電源供給制御回路2は、マイクロプロセッサとメモリ等を集積したマイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)6が組み込まれている。マイコン6は、所定の電源供給制御ソフトにより電源供給制御回路2を制御する。
【0010】
電源供給制御回路2には操作スイッチ7が接続され、電源制御装置1のオン・オフを行なう。また、電源供給制御回路2には制御コンピュータであるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)8が、LAN接続用インターフェース9を介して接続されている。パソコン8は、所定の処理ソフトに従い各種コマンドを電源制御回路2のマイコン6に出力して電源供給制御回路2を制御することができる。
【0011】
上記マイコン6の電源供給制御ソフトには、電源供給制御回路2をリセットしてスタンバイ状態とするリセット手段が組み込まれている。リセット手段は、操作スイッチ7若しくはパソコン8のコマンドにより、前記電源制御装置1をオフして、前記複数の電源供給端子5からの電源供給を遮断したとき、電源供給制御回路2をリセットしてスタンバイ状態とする。
【0012】
図2は上記リセット手段のリセット処理の概略を示したフローチャートである。先ず、ステップS10で操作スイッチ7がオフされるか、若しくはステップS15でパソコン8から電源制御装置1をオフするコマンドが出力されると、ステップS20で全ての電源供給端子5からの電源供給を遮断する。続くステップS25では、電源供給制御回路2がリセットされる。そして、ステップS30で電源供給制御回路2を交流電源供給スタンバイ状態とする。
【0013】
上記したように、電源制御装置1がオフされ、全て電源供給端子5からの電源供給が遮断されると、電源供給制御回路2がリセットされるから、電源供給制御回路2の異常により、電源供給に障害が発生した場合には、その復旧を速やかに行なうことができる。また、電源供給制御回路2がリセットされると交流電源供給スタンバイ状態となるから、再起動時のリセット完了待ち時間が無くなり、直ちに電源供給を行なうことができる。さらに、パソコン8のコマンドにより電源供給制御回路2をリセットすることができるから、遠隔操作等が可能となり使い勝手が向上する。
【0014】
その他、上記電源制御装置1によれば、連続稼動状態であっても電源供給制御回路2のリセットにより、実質的な稼動時間を短縮できるとともに、RAM等の揮発性記憶デバイスのリフレッシュが可能となる。さらに、ブレーカが外部から簡単に操作できないようにカバー等により隠蔽されている場合でも、ブレーカ操作を行なうことなしに、障害復旧等を迅速に行なうことができる。そして、リセット手段のリセット処理の実行条件を適格に設定することで、精度良く障害復旧を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例に係る電源制御装置の概略のブロック図である。
【図2】リセット手段のリセット処理の概略を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0016】
1 電源制御装置
2 電源供給制御回路
3 商用交流電源
4 ブレーカ
5 電源供給端子
6 マイコン
7 操作スイッチ
8 マイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用交流電源をブレーカを介して導入し、複数の電源供給端子から所定電圧の電源を供給するようにした電源制御装置において、
該電源制御装置をオン・オフする操作スイッチと、内部回路である電源供給制御回路と、該電源供給制御回路をリセットするリセット手段とを備え、
該リセット手段を、前記操作スイッチにより前記電源制御装置をオフして、前記複数の電源供給端子からの電源供給を遮断したとき作動させ、リセットした前記電源供給制御回路をスタンバイ状態とすることを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
制御用コンピュータを接続し、該制御用コンピュータの前記複数の電源供給端子からの電源供給を遮断する遮断信号により、前記リセット手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−37265(P2007−37265A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215857(P2005−215857)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】