説明

電源接続器の保持及び離脱力の制御のための方法及び装置

【課題】プラグ及びソケットのような電源接続器の接続を分離するのに必要とする離脱力を予め決定する方法及び装置を提供すること。プラグのような電源接続器のソケットからの分離を予防するための方法及び装置に関する。また、電力を医療装置に供給するためのソケットから、プラグの不注意であるか意図的でない分離を防止するための方法及び装置を提供すること。
【解決手段】プラグ保持アセンブリであって、プラグと、前記プラグと連結されるソケットと、保持クリップとを備え、前記プラグは、ラグを備え、前記保持クリップは、所定の解除力で分離するのに適合したラグ係合機構を備えることを特徴とするプラグ保持アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグ及びソケットのような電源接続器の接続の分離に必要な離脱/解除力を前もって決定する方法及び装置に関する。本発明は、プラグのような電源接続器のソケットからの分離を防止するための方法及び装置に関する。さらに、本発明は、医療装置への電力の供給のためのソケットから、不注意であるか意図的でないプラグの分離を防止するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源接続器は、電気器具又は他の器具へのコードの接続及び分離を任意に可能にし、二つのパーツ即ちコネクタと器具インレットから成る。器具インレットはソケットという形をとり、コネクタはプラグという形をとる場合が多い。一般的に、コードは、AC又はDC電流のような電力を器具に分配することを目的とする。選択的に、コードは、データの伝送用の導体としての役割をすることを目的とすることもできる。
【0003】
電気接続がプラグ及びソケットの利用によって遂行される場合、一般的な手動操作によって容易に発揮され得る強度即ち力のみの使用により、プラグをソケットに嵌入及びソケットから離脱させることにより、上記プラグ及びソケットの組合は、接続及び分離され得るべきであることが普遍的である。プラグとソケットの分離に必要な最小限の力は、離脱力と称してもよい。離脱力は、プラグ及びソケットの組合に印加される、接続を分離するのに使用される力である引力として使われる。プラグがソケットから容易に分離され得るにもかかわらず、装置の動作の際、プラグが離脱力よりかなり大きい引力に耐えることを必要とする状況があり得る。対立するこれらの必要条件は、他の普遍的なプラグ及びソケット組合によって成し遂げられる保持効果とは独立的に作動する保持構成品の供給によって満たされることができる。
【0004】
通常、プラグ及び対応ソケットは、互いに摺動可能に係合するように構成され、ソケットは、少なくともピンの長さの深さを有するスロットを備える。該ピンは、支持構造から突き出るか又は支持構造と一体化されることができる。該ピンは、金属のような導体又は伝導成分を有する支持構造の一部組合から造られることができる。スロットは、一般に絶縁特性を有する構造内に収容される。通常、ピンとその対応するスロットとの間に摩擦保持力が存在する。又、一部のプラグ及びソケット装置において、各プラグ及びソケットの各々の筐体は、摩擦保持力を提供する。この摩擦保持力は、引力に対抗する傾向があって、プラグ及びソケットの分離に必要となる離脱力のレベルの決定に寄与する。
【0005】
オーストラリアにおいて、コンセントとコード間の電力の伝送用に共通に使用される形式において、関連した標準は、プラグで一組の3本のピンを使用することである。1本のピンは接地として使われ、他の2本のピンはそれぞれ"アクティブ"と"ニュートラル"であり得る。ピンは、一般に平坦で矩形であり、略厚さ1.5mmx長さ20mmx幅5mmの寸法を有する。ピンは、中心位置の周辺に配置される。接地ピンは、中心位置にほぼ放射状に配置され、他の2本のピンは、一般に接して配置される。ソケット内のスロットは、各ピンによって対応するスロットがあって、プラグのピンを収容するように配列される。このような方式で、プラグ及びソケットをともに係合するためのユニークな配置方向が存在する。オーストラリアにおいて電力の伝送向けに普遍的に使用される他の方式においては、接地ピンが省略されて2本のピンのみが使われる。一部のヨーロッパの国においては、2本の円筒形のピンの一組が使われる。米国においては、略円筒形の接地ピン及び2本の略平坦な矩形のピンを備えるプラグが普遍的に使われる。ピン及びソケットの他の配列は公知されている。
【0006】
コードと電気器具間の接続の位置に関する国際規格が存在する。それらの標準は、しばしばプラグ及びソケット組合のための指定された離脱力を含む。
【0007】
電力コードの他の形態において、コードは、一端にコンセント係合プラグ、及び他端に装置係合筐体を備えている。図1は、周知のディバイス係合筐体10を示す。ディバイス係合筐体10は、一般に矩形であり、コードに接続している第1端及び装置との接続のための第2端12を備える。第2端12には、一般に不規則な六角形の"押し出された"プロファイルがある。該"突出部"の長さは、略19mmであり、ディバイス係合筐体10の長さは、略55mmである。使用の際、ディバイス係合筐体10が負の六角形の形状を有するソケット20の前に配置され、ソケット20は、装置5の外側に配置され、その内部に面をつける。図2は、公知のソケットを示す。ディバイス係合筐体10は、一般に六角形のプロファイルの長さ、即ち略19mm程嵌入されることができる。ディバイス係合筐体10内の対応スロット15内に摺動する装置のソケット20内の3本の平坦な矩形のピン25が存在する。コードのディバイス係合筐体10と装置のソケットとの間の保持力は、(i)ディバイス係合筐体10の第2端の外壁17及び装置内のソケット20の内壁27、及び(ii)ピン25の外表面及びスロット15の内壁のような係合面間の摩擦力によって提供される。図1及び2に示されているプラグ及びソケットの場合、保持力のみがプラグ及びソケット間の摩擦に寄与するので、離脱力は比較的低い。
【0008】
他の分野においても、プラグ及びソケットの装置を使用する。例えば電話網を経たデータ通信の分野においても、保持装置を備えるプラグ及び対応ソケットの集合を提供することが公知されている。このような装置は、図3及び図4に示されている。図3a、3b及び3cは、周知のプラグ30の各々正面図、側面図及び平面図である。図4a及び4bは、周知のソケット40の各々正面図及び側面図である。このようなプラグ及びソケット組合は、一般にRJシリーズコネクタとして公知されている。
【0009】
プラグ30は、カンチレバーで支持されたアーム32を備え、力を受ける際に、ピボット位置についてピボットすることが可能である。アーム32は、上の位置において弾性的にバイアスされる。図3cに示されるように、アーム32は広い部分34及び狭い部分36を備える。広い部分34と狭い部分36間の接合領域には、一対の肩部38がある。
【0010】
ソケット40は、その内部で摺動しながらプラグ30を収容するのに適し、よってソケット40は、一般にプラグ30と相補的な形状を取る。ソケット40は、プラグ30の肩部38を係合するのに適している肩部48を備える。プラグ30がソケット40に嵌入されている間、カンチレバーで支持されたアーム32は、下の位置にピボットしなければならない。一旦プラグ30が完全にソケット40内に嵌入されると、アーム32は上の位置に跳ね返って、それぞれの肩部30及び48はお互いを係合する。従って、プラグ30はソケット40内に保持される。プラグ30及びソケット40は、アームが下の位置に押し下げられるまで、そして二つの肩部38及び48が解除されるまで、分離されない。極端な引力がケーブル又はプラグ30に印加される状況において、アーム32は、永久の変形によって折れるか損傷を受けることができる。
【0011】
プラグ及びソケットをともに保持するためのデータ通信分野における他の公知装置は、図5及び6に示される。この装置において、プラグ50内に位置するピン54は、ソケット60内のスロット64と摺動しながら係合するように配置される。この装置において、プラグ50及びソケット60は、主にネジ52と相補的なスレッドを備える対応スロット62と係合するのに適しているプラグ50のネジ52を経て保持される。又、ピン及びスロット、並びにソケット60のシース55及び対応内面の間に摩擦の適合性がある。このプラグ及びソケット組合について、各々のネジを抜くことなく分離することは、ネジ又はそれらの相互交換のねじ切りされた孔又はプラグ及びソケットの一体性又は取付けられた装置に対するソケットの治具に損傷を与える。
【0012】
コネクタ及び器具インレットをともに保持するための周知の装置に関する問題は、操作環境においてしばしば接することになる力を受けるとき、離脱力があまりに低いので、コネクタを器具インレットから分離する操作状況を満たさないことである。あるいは、コネクタが器具インレットから分離される前に、離脱力が大き過ぎて、コネクタ及び器具インレットに物理的な損傷が発生することができる。例えば、ネジがコネクタ及び器具インレットをともに保つために使用される場合には、ネジが離れる前に、コネクタ及び器具インレットの他の一部は壊れることができる。このような装置が電力ケーブルに使用される場合、ネジが離れる前に、電気の通じた電線が破壊されるか、環境に露出され、又は器具が損害を受けることができる。更なる望ましくない結果として、コネクタが取付けられた電力コードから分離されるか、器具インレットが器具の残りの部分から分離されることができる。各々の例において、構成要素の分離により、回路が短絡されるか生の電気リードが環境に露出され、よって器具の損傷、感電死、アーク発生、及び点火が発生することができる。尚、電力コード、コネクタ、器具インレット、又は保持装置は、更なる使用に不適当である状態において損害を受けることができる。
【0013】
電源接続器の一般標準に加えて、国際的又は国家的標準機構、或いはセクションボディ(例えば、医学的な装置標準をセットする役割を果たす機構)によって宣言される追加的な標準は、特定分野において具現されるユニークな離脱力を必要とすることができる。例えば、2001年7月8日付、国際標準化機構(ISO)によって発表されたラングベンチレータ及び関連装置という題名の提案された標準であるISO/TC121/SC3N1066を参照する。
【0014】
他の例において、一組のコードが直列に配置され、互いに係合している相補型のプラグ及びソケットによって接続される場合、係合した相補型のプラグ及びソケットは、接続の分離なく指定された制限まで引力に耐えることが可能であることが望ましい。このような接続が提供され得ると共に、被接続ピンとソケットを分離させる最大の力が存在することを確実にしないことによって、十分に高い引力によって構成要素への損害が生じるという危険がある。本発明は、コードの集合の接続に使われることができる。
【0015】
上記したような周知のプラグ及びソケットに関連した、図1及び図2に図示する実施形態のみによる課題は、対応する補完的な摺動しながら係合した表面間の摩擦によるプラグ及びソケット間の保持力が、接続の分離前、産業又は装置特定の標準力、例えば、約100乃至300ニュートンの力に耐える監査機関必要条件を満たさないことである。この実施形態は単に例示するだけであって、異なる装置及び/又は産業は、異なる標準を有することができることを認識すべきである。この例においては、例えば、不注意な接続の分離を予防するために標準力を最低限でセットする。一部の産業において、これは、例えば100ニュートンの設定標準を有することができる。これは、それらの分離が手動で印加される合理的な力の印加によって起こることを許すと共に、プラグ及びソケット組合が通常の使用の際、接続の維持を目的とするからである。即ち、プラグ及びソケット組合は、援助なくユーザによって合理的に適用される力より大きい力の行使を必要とすることなく、接続及び分離せざるを得ない。
【0016】
さらに、離脱力がプラグ及び関連する導線の強さの限度を上回るように、プラグは設計されてはならない。よって、例えば、最大の離脱力は、300ニュートンでセットされることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、プラグを備える着脱可能なコードが、例えば100以上、300ニュートン以下の大きさの引力(軸方向の引力として定義)に耐えるが、まだユーザによって医療器具から容易に分離されるという要求条件を満たすことである。
【0018】
上記のような図1及び図2に示す周知のプラグ及びソケットに関連した他の問題は、対応する補完的な摺動しながら係合した表面間の摩擦によるプラグ及びソケット間の保持力が、大量に生成された部品においては予測できないことである。
【0019】
プラグ及びソケット組合にあてはまることができる安全性及び標準化の重複性により、異なる器具応用又は異なる国における異なる離脱力の標準を満たす単一のプラグ及びソケット組合の達成が特に困難になる。又、標準によって器具への電力コード又は他の電気導体コードの永久付属が許容されると共に、製造業者の観点から、多くの標準を満たすシステムの生成及び配布を容易にするように、電源接続器の採択を通じて電力コードの互換性を許すことが望ましい。
【0020】
本発明の態様は、従来技術の解決策による課題を克服するか少なくとも部分的に改善することである。
【0021】
本明細書において、"備える"という用語は、排他的でなく使われる。即ち、"特徴a、b及びcを備える"装置は、特徴a、b及びcに加えて特徴を備える可能性を有すると理解される。
【0022】
本明細書において、"解除力"という用語は、コネクタ及び器具インレットが保持装置を経てともに維持される間、コネクタ及び器具インレットを解除するのに必要とする力を示すために用いる。
【0023】
本明細書において、プラグ及びソケットの参照は、一般に電源接続器を含むと理解される。
【0024】
この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一態様によると、予め定められた解除力で分離される保持クリップを構成する方法が、提供される。
【0026】
本発明の実施形態によると、予め定められた解除力で分離される電源接続器用の保持クリップが、提供される。
【0027】
本発明の一つの形態は、プラグ及びソケット・アセンブリのための離脱力を予め決める手段を提供する。
【0028】
本発明の他の形態は、プラグ及びソケット・アセンブリのための不注意であるか意図的でない解除力を予め決める手段を提供する。
【0029】
本発明の更なる態様によると、プラグ及びソケットを係合するのに適している保持クリップが、提供される。
【0030】
本発明の別の実施形態によると、プラグ、ソケット及び保持クリップを備えるプラグ保持アセンブリが、提供される。ここで、プラグ及び保持クリップは、予め定められた解除力で分離するのに適応されるそれぞれの相補的な係合機構を含む。
【0031】
本発明の別の実施形態によると、プラグ、ソケット及び保持クリップを備えるプラグ保持アセンブリが、提供される。ここで、プラグは、ラグを含み、保持クリップは、予め定められた解除力で分離するのに適応されるラグ係合機構を含む。
【0032】
本発明の別の実施形態によると、プラグ、ソケット及び保持クリップを備えるプラグ保持アセンブリの解除力を変化させる方法が、提供される。ここで、プラグは、ラグを含み、保持クリップは、予め定められた解除力で分離するのに適応されるウェッジアングルを有するラグ係合機構を含む。この方法は、ウェッジアングルを変えることを含むことができる。
【0033】
本発明の別の実施形態によると、プラグ、ソケット及び保持クリップを備えるプラグ保持アセンブリの解除力を変化させる方法が、提供される。ここで、プラグは、ラグを含み、保持クリップは、予め定められた解除力で分離するのに適応されるウェッジアングルを有するラグ係合機構を含む。この方法は、保持クリップの弾性を変えることを含むことができる。
【0034】
予め定められた解除力でプラグがソケットから分離されるプラグ保持アセンブリを構成する方法は、プラグが、少なくとも解除力によって分離された後、ソケットに再接続され、再び解除力を受けるまでソケットに接続されている状態を維持できるように、プラグ保持アセンブリを再構成する能力を含むことが望ましい。
【0035】
プラグ保持アセンブリを構成する方法は、保持クリップの使用の際、プラグをソケットから分離するのに必要な解除力より少ない離脱力の適用によって、ユーザがプラグをソケットから分離する能力を含むことが望ましい。
【0036】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0038】
本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明による一つの形態の装置は、三つの構成要素、即ち(i)ソケット、(ii)プラグ、及び(iii)保持クリップから成る。以下、これらの各構成要素について説明する。
【0039】
主電力を医療装置に供給するためのコードに使用するのに適している本発明の実施形態によるソケットは、図7に示すように着脱自在に挿入可能なカートリッジ70の一部として構成されることができる。カートリッジ70は、医療装置(図示せず)の筐体の開口に嵌入されるか固着される。カートリッジ70は、カートリッジ70が筐体に嵌入されるとき、一般に筐体の表面と同一平面上である表面71を有する。カートリッジの表面からカートリッジ70の内部にのびている、略D形の一対のスロット74がある。スロット74は、この例においては標準の測定値である約16mmの深さを有する。各々のD形のスロット74は、約9mmの直径を有する。D形の一対のスロット74は、互いにそれらの後部によって並んで配列される。各スロットの中心には、スロットの長さ、すなわち略9mm程延長される略円筒形のピン76がある。該プラグは、嵌入の際、プラグとの電気接触を提供する。本発明の他の形態によると、ソケットは、図7(a)に図示するような一対のD形スロットの代わりに単一の略台形のスロットを備える。円筒形の孔78を各々有する一対のラグ72が、スロット74の両側に、そして、カートリッジ70の表面71に配置される。ラグ72は、保持クリップと係合してピボットするのに適している。孔78は、約4.5mmの直径を有する。尚、孔78は、その機能が図10(b)に関連して後述するノッチ78aを備える。好ましい実施形態によると、ラグ72が一般にD形であるが、他の形態が保持クリップ90(図9(a)−9(d))を支持するのに充分な力を有すると仮定するならば、矩形のような他の形態も使用することができる。明らかにするため、図7のカートリッジが一対のD形スロット74及び二つの略正方形の凹部75を備える一対のスロット74を含むことに注意する。
【0040】
明らかにするため、図7(a)−7(c)のカートリッジが一対のD形スロット74及び二つの略正方形の凹部を備える一対のスロットを表現することに注意する。
【0041】
本発明の他の実施形態によると、一対のスロット74は、分極化のために丸くなった各正方形の一つの角を有する二つの略正方形の凹部を備える。二つの凹部の間には、薄い分割壁が存在する。
【0042】
本発明の実施形態によるプラグ80は、端面図、上面図、及び斜視図として、各々図8(a)、8(b)、8(c)及び8(d)に示される。プラグ80は、カートリッジ70のピン76を受けるのに適応した一対のラグ82、及び一対のピン収容スロット84を備える。プラグ80の端86は、カートリッジ70のソケットのスロット74内に摺動可能に挿入されるのに適している。このような方式で、プラグ80の長さの一部がカートリッジ70内に収容される。しかし、保持クリップ傾斜面95が保持クリップ90と係合できるように、ラグ82はスロット74の外部に残る。本発明の他の形態において、カートリッジ70が一対のスロット74の代わりに単一の略台形のスロットを備える場合、プラグ80は、略台形のスロット内に挿入できるように対応する形状を有する。本発明の他の形態において、プラグ80上には、ただ一つのラグ82のみが存在する。
【0043】
本発明の実施形態による保持クリップ90は、端面図、上面図、側面図、及び斜視図として、各々図9(a)、9(b)、9(c)及び9(d)に示される。保持クリップ90は、一対のピン92及び一対のタブ94を含み、一つのタブ94は、一対のアーム96の各端のそれぞれに位置される。一つ又は二つのピンは、その機能が図10(b)に関連して後述するカム又は突出部を備える。アーム96は、図9(b)上の矢の方向に弾性的に屈曲可能であり、一対のピン92の反対側の長さの端においてアーチ99によって結ばれる。ピン92は、図10(a)−12に図示するように、カートリッジ70のラグ72の孔78内に挿入されるのに適している。一旦ピン92が嵌入されると、保持クリップ90は、図10(b)に図示するように、ピン92についてピボットすることが可能である。一つの形態において、プラグ80がカートリッジ70に嵌入されないときのみ、保持クリップ90はカートリッジ70に挿入可能である。保持クリップ90は、図10(b)の水平位置に示されている。しかし、一旦保持クリップ90が図11及び12に示すように垂直位置にピボットされるならば、タブ94は、プラグ80のラグ82と係合するのに適している。保持クリップ90は、プラグ80又はコードの上部88をその内部に収容するのに適合したグルーブ98をそのアーチ99内に備える。保持クリップ90は、一対の傾斜面95を含む。
【0044】
図10(a)及び10(b)は、非係止位置におけるソケット70、プラグ80及び保持クリップ90のアセンブリを示す。保持クリップ90は、プラグ80の摺動可能な挿入の前に、カートリッジ70のラグ72の適正の位置に配置される。適正の位置においてプラグ80を係止するため、保持クリップ90は、図10(b)に示される位置から図11及び12に示される位置に約90度回転されなければならない。保持クリップ90を回転させてプラグ80と係合する過程において、アーム96は、タブ94がプラグ80のラグ82を通り過ぎるのを可能にするように僅かに変形される。一旦タブ94がラグ82を通り過ぎると、保持クリップ90は、回転が防止され、このような方式でプラグが取り外されるまで、その位置に係止される。
【0045】
図10(b)に示すように、クリップ90が矢印"C"の方向に回転されるとき、ノッチ78a及びカム又は突出部92a(両方、上に記載されている)は、整列配置するように設計されている。カム又は突出部92aは、78(図7(c))の内面と接合されることにより、クリップ(上又は下)を垂直に保つようにする摩擦を提供する。これによって、クリップによるプラグ接続が維持され、よってより簡単なアセンブリを考慮できる。ノッチ及びカム/突出部は、クリップがアセンブリの間、他の一時的な位置に維持されるように、例示される典型的な位置の代わりに他の位置に形成されることができる。
【0046】
プラグ80は、図11及び12に示される矢印Aの方向に離脱されることによってアセンブリから取り外されることができる。その方向にプラグ80を離脱させる過程に、保持クリップ90のアーム96は、矢印Bの方向に僅かに変形されてラグ82の分離を可能にする。尚、矢印Aの方向にプラグ80を離脱させる過程に、ラグ82は、対応するそれぞれの傾斜面95を通り過ぎる。アセンブリからプラグ80を離脱させるのに必要とする力は、(i)アーム96の弾性力、(ii)ラグ82及びタブ94間の摩擦、及び(iii)ラグ82及び傾斜面95間の摩擦を含む多くの要因に依る。従って、アセンブリからプラグ80を離脱させるのに必要とする力を調整するために、各々のこれらの要因(i)、(ii)及び(iii)は、個々に又は別々に調整されることができる。
【0047】
一旦プラグがソケットに接続され、保持クリップがソケットに接続しているプラグを保持するように配置されると、プラグは、二つの内どちらの方式によってソケットからの離脱によって分離されることができる。第1の方式において、プラグの離脱は、順次的な方式の二つのステップによって起こる。先ず、保持クリップがプラグから分離され、後でプラグがソケットから離脱させる。第2の方式において、保持クリップの分離及び少なくともソケットからのプラグの部分的な離脱は、同時に起こる。
【0048】
ソケットからプラグを離脱させる第1の方式は、概してプラグ又はその取付けられたコード又は装置に印加される不注意であるか意図的でない離脱力のない場合に起こる方式である。これは、二つのステップの方式として考慮されることができる。最初に、保持クリップは、プラグがソケットに接続されるときに、保持クリップが配置される方式の反対の方法でプラグから解除される。この過程の一部として、タブ94がラグ82を通り過ぎるときに、アーム96を変形させるように、充分な力が保持クリップに印加される。保持クリップ90は、プラグから自由になる。すなわち、保持クリップは、図11及び図12に示される位置から図10に示される位置に回転される。一旦保持クリップがプラグから解除されると、プラグは、プラグ及びソケット組合に適した通常の方法でソケットから離脱され得る。現段階において、プラグの離脱に必要な力は、プラグ及び保持クリップ・アセンブリを生成する解除力より少ない。
【0049】
ソケットからプラグを離脱させる第2の方式は、不注意であるか意図的でない離脱力がプラグ又はその取付けられたコード又は装置に印加されるとき、起こることができる方式である。第2の方法において、保持クリップの分離及び少なくともソケットからのプラグの部分的な離脱は、同時に起こる。これは、一つのステップの方式として考慮されることができる。
【0050】
保持クリップの利用の際、プラグをソケットから離脱させるのに必要な力に影響を及ぼす多くの要因を調整する能力のため、上記した順次方式(二つのステップ)及び上記した同時方式(一つのステップ)を達成するのに必要な力を制御することが可能である。本発明は、二つのステップの方式を実行する際に保持クリップの単純な分離を許容しながらも、一つのステップの方式においてプラグ離脱のための高い臨界解除力を達成、すなわち、被接続プラグ及びソケット組合が100乃至300ニュートンのような大きい規模の不注意であるか意図的でない離脱力に抵抗するように、実施されることができる。本実施形態において、これは、プラグ及びソケット組合に対して略垂直である力の加圧によって、保持クリップがプラグから離脱されるのを許すことによって達成される。一般的に、プラグ及びソケットに対して略垂直である力は、いかなる典型的なユーザの一つの手によって容易に加え得るような大きさである。
【0051】
プラグ、ソケット及び保持クリップ組合のための適当な解除力を決定する方法は、印加できる標準、例えば1分間300ニュートンの離脱力に耐えるコネクタを必要とするブリージング装置標準のような外部の決定要素を考慮することである。一旦最小限の離脱力の全ての外部の決定要素が満たされると、実際の解除力の問題が決定され得る。
【0052】
解除力が決定される方法は、保持クリップが使用される装置の他の態様の考慮によって行われる。例えば、コードを経て伝導される引力の方向に装置を動かすのに必要な力は、決定要素として使われることができる。典型的な状況においては、装置を動かすための充分な引力を装置に印加するより、却って保持クリップを解除するようにするレベルで最大の解除力をセットすることが望ましい。このような配置は、装置に送られる引力の結果として、一つのレベルから下部の平面レベルまで装置が移動するのを防止するのに役立つ。本発明の利点は、装置がトロリー又はスタンドの端に移動するように充分な引力が送られる前に、解除クリップが解除され、プラグが装置インレットからの離脱によって分離されるので、トロリー又は他のスタンド上において止まらない装置がトロリー又はスタンドの端に移動するおそれ及び人又は床上へ落下する危険がないことである。同様に、このような配置は、別の方法で接続の分離を行う方向に装置を移動することにより、装置が他の臨界システムから分離されるのを防止するように採用されることができる。例えば、本発明によれば、ブリージング装置は、該ブリージング装置が予備のバッテリ・ソースのような補助電力源に接続している間、主電力コードを通じて供給される引力によって主電力プラグ保持クリップが解除され、主電力プラグが本発明による所定の力で装置から分離されるように、構成されることができる。同様に、ブリージング装置が主電力源から離れる方向に移動する場合なら、本発明は、主電力コードについての解除力が予備の電力源及びブリージング装置間の接続に供給される解除力より小さい場合に予備の電力プラグが分離される前に、主電力プラグが分離されるようにする。このような方式で、解除力は、接続される装置を動かのに必要とする力、及び装置が移動する装置面を参考にして決定されることができる。平面の移動は、装置の重量、及び対向する表面と接する装置接点によって生じる平面に沿う動きに対する抵抗の考慮によって影響されることができる。それで、離脱力の決定において、接触材料及び対向表面の装置接点について考慮することができる。これらの表面は、装置用のゴムフィートのような同じ又は異なる材料及び対向表面用の類似又は相違の表面処理によって形成され得る。これらの表面は、平らであるか、装置の移動に影響する非平面構成であり得る。例えば、装置は、通常の使用の際、それが載せられるフィートを備える。それが移動する表面を接触させているフィートは、コードを通じて引力を供給しなければならない。フィートは、装置の周囲の表面として一つの部分で作られ得る。例えば、フィートは、装置金属ケース用にスタンプされるか装置プラスチックケースからモールドされる突出マウンドである。あるいは、フィートは、装置ケース、又はケースの開口を貫通する装置構成要素に取り付けられることができる。フィートの治具は、その内部構成要素に対して適切な位置に装置ケースを保持するのに役立つことができるか役立つことができない。装置のフィートは、平らな対向面を接触させるか、装置のフィートを収容するように構成されるインデンテーションのような対向面の係合位置と係合することができる。あるいは、対向面は、装置フィート又はケースと係合するリッジを備え得る。同様に、装置は、対向面から保持突出部を収容するように凹部を備えることができる。
【0053】
このような構成は、対向面に関連するいかなる所望の方向に装置を動かすのに必要とする力に影響を及ぼす。
【0054】
本発明の保持クリップ及びプラグ組合は、又、保持クリップが水平面から垂直面に移動する場合、プラグが水平面の保持クリップを受け入れ、以前に説明した実施形態においてよりむしろその平面のまわりにおいて角のある方式で移動するように、構成されることができる。
【0055】
一つの好ましい形態において、ソケットは、ガラスで満たされているNylon66から造られ、保持クリップは、Nylon66から造られ、プラグは、ケーブル及びターミナルアセンブリ上に過多モールドされた可撓性PVCを使用する。
【0056】
他の形態において、本発明は、クリップ上に適切に位置するタブを更に備えて、不注意であるか偶然である方式で適用される解除力に応答して解除クリップを生成すべきであり、タブは、イベントの出現の視覚的な標示を提供するように変形される。この態様は、このようなイベントの発生を形式的に示すのに有用である。プラグがソケットに再挿入され、保持クリップの効果が再設定され得るにもかかわらず、タブを不可逆性の方法で変形させることによって、不注意であるか偶然であるプラグの離脱の発生を視覚的に標示できることになる。
【0057】
図13(a)乃至18は、図7乃至12に示される本発明の他の形態を示す。同じ参照番号は同じ特徴を表現する。
【0058】
ソケットアセンブリは、1.6mmの角半径と40mmx27mmの寸法を有する厚さ2.5mmのシートメタルパネルのケース穴の医療装置に適合する。ソケットは、330ニュートンの引外に耐えることができる。アセンブリは、二重ポールの単一スロースイッチ、IEC320の主接続、及び特別DCソケットを含む。主及びDCプラグは、保持クリップの使用によってソケットに保持される。100+ニュートンの解除力がケーブル上に印加される時、保持クリップはプラグから解除され、プラグはソケットから分離される。プラグ、ソケット及びスイッチアセンブリは、IEC320標準に応ずる。
【0059】
ソケットは、例えばガラス強化材を有するNylon66から作られることができる。四つのスナップ及び四つのクリップ保持ループは、解除力に耐えることができる。ここで、4は実例である。四つのスナップの長さは、良い適合性を保証するように調整されることができる。DCプラグ及びソケットのプロフィール及び形状は、IEC320プラグがDCソケットに嵌入されることができなく、DC接続が分極されるように設計される。DC接触は、ひどく凹部を作るので、使用(又は標準の試験指)によって接近されることができない。
【0060】
鋳型IEC320プラグ:該鋳型IEC320プラグは、追加的なグリップラグを備えることは別として標準IEC320プラグと同一である。これらのラグは、二つの目的を有する。識別ロゴ及び部品番号とともに、それらはプラグの挿入及び除去のためのプラグの握持に有効である。それらは、プラグ保持装置の係合及び作動にも用いる。
【0061】
鋳型特別DCプラグ(図19及び20を参照):鋳型特別DCプラグの形状は、プロフィールが異なることは別として標準IEC320プラグに基づく。それはより長くて、追加的なグリップラグを供える。このプラグの電力必要条件は、2.5アンペアに対して30VDCであり、接続は、標準によって特定される挿入の数ほど信頼することができ、接触抵抗は、10mΩを上回らない。プラグは、特定の色を有する。プラグは、示したように識別ロゴ及び部品番号も有する。
【0062】
プラグ保持クリップ(図21、22、23、24、25、26、27、28、29、30及び31を参照):AC及びDCプラグを保持するように二つの保持クリップが存在する。それらは、ナイロン、例えばNylon66から作られる。要求されるプラグ離脱力を変化させるため、ランプ角度100(図27を参照)及び保持ラグ101(図28及び31を参照)を調整することができる。保持クリップの厚みを調整することができる。
【0063】
ソケットの後部の終端:この例において、ソケットの後部の終端及び配線は、レスメッド社によって製造された流れ生成プログラム"S6"及び"S7"によって行われる。
【0064】
本発明の実施形態は、電磁気エネルギーの伝達のために構成される電力コード、コネクタ及び器具インレットを参照として記載されていた。しかし、本発明は、他のシステムにおける意図された機能を提供するのにも適していることを認識することである。
【0065】
例えば、他のシステムは、光ファイバ及び端末を含む他の伝達システムを含むことができる。
【0066】
尚、本発明は、換気医療装置に使用されるように適応されることができる。
【0067】
医療ベンチレータ技術(即ち、ブリージング装置)において、ガス・コンジット・システムは、呼吸できるガスの供給源を患者のインタフェースに接続するか、センサ・ポートを圧力又は他のシステム・パラメータの検出のための変換器に接続するのに役立つことができる。
【0068】
非侵入の肯定的な圧力換気の吐出又は鼻の持続的で肯定的な圧力治療に適しているブリージング装置において、必要な構成要素は、呼吸できるガスの供給のためのアウトレットを備える流れ発生器、呼吸できるガスを流れ発生器から移動させるガス・コンジット、及び呼吸できるガスをユーザに配送するためのガス・コンジットに接続されるマスクのような患者のインタフェースである。ブリージング装置において、増湿装置又はインライン・フィルタのような他の構成要素が、ブリージング回路内に含まれることもできる。増湿装置は、ユーザに伝達される呼吸できるガスの湿度を補充するためにブリージング装置に使われる。一般的に、増湿装置は、呼吸できるガス源及び患者のインタフェース間のブリージング回路に置かれる。インライン増湿装置の実施例は、米国特許第6338473号及び米国意匠第419658号に表されている。流れ発生器と統合されているインライン増湿装置の実施例は、国際特許出願第PCT/AU02/00155号及び国際特許出願第PCT/AU02/00156号に表されている。あるいは、増湿装置は、米国特許出願第09/099665号に図示するように、流れ発生器及び患者のインタフェース間のインライン以外に位置することができる。各々の引用された文書の内容は、参照として完全に採用される。
【0069】
一般的に、ブリージング回路において、流れ発生器、インライン・フィルタ、増湿装置及び患者インタフェースのような全ての主な構成要素ブロックは、ゴム摩擦フィットカラーによって各長さ方向のガス・コンジットに接続される各部品とともに、長さ方向のガス・コンジットによって流動的に接続される。
【0070】
ブリージング回路における本発明の使用上の利点は、回路が解除力を受けると、保持ディバイスは、解除力を受ける回路の部分が意図された位置でブリージング回路の残りの部分から分離されるように、解除されることである。意図された位置は、適切なコネクタ及び保持クリップを用いて互いに接続している二つの構成要素の間にあるように概して決定される。本発明によって、ブリージング回路は、流れ発生器、増湿装置又は患者インタフェースのようなシステムの構成要素への損害を最小化するように構成されることができる。又、本発明は、ユーザ又は他の人々が損傷を受ける機会を減らすことができる。例えば、解除力を上回る引力がガス・コンジットに適用され、ガス・コンジットを増湿装置から分離した後、引力がその操作の位置から外れた増湿装置に導かなくてユーザ又は床上へ落下することによって負傷又は損傷を受けない。同様に、流れ発生器は、その操作の位置から外れて、負傷又は損傷を受けるのを防止されることができる。保持クリップの露出によって引力が患者のインタフェースに全く印加されるのを予防することにより、本発明は、患者インタフェースを着用しているユーザがインタフェースによる不快又は損傷を経験するのと、引力の方向に引かれているストラップを保つのを防止する。同様に、ブリージング装置は、インライン・フィルタが引力に応答して除去される前に、保持クリップの解除によって汚染から保護されることができる。
【0071】
本発明を使用する利点は、ブリージング回路が少なくとも解除力ほどの大きさの引力を受け受けると、解除力を受ける回路の部分が意図された位置で回路の残りの部分から分離されるように、保持ディバイスが算出されることである。分離の地点は、引力を受ける部品と、保持ディバイスを経て接続させる引力源から流れの下にある次の部品との間に位置する。
【0072】
回路は、グレーデッド解除力システムを用いて"簡潔なシステム崩壊"を考慮するように構成されることができる。簡潔なシステム崩壊は、構成要素の制御分解を意味する。例えば、引力が回路に動作するとき、最も低い力で解除されるようにに設計される接続は、引力を受ける第1接続であり、よって引力源に最も近い構成要素又は構成要素ら(即ち、関連解除ディバイスの上流にある構成要素ら)が残りの構成要素から分離されるようになる。このような方式で、残りの構成要素は、破壊的な引力から切り離される。
【0073】
相互接続可能なブリージング回路の構成要素が階層の重要度によってスケールされる場合、グレーデッド解除力接続の使用は、システム統合への特定の利点によって採用されることができる。例えば、増湿装置をインライン・フィルタに相互接続するガス・コンジット用の接続に適用され得る解除力及び流れ発生器を動かすのに必要とする力より低い解除力を有することは、患者インタフェースと相互接続する増湿装置及びガス・コンジット間の接続についての解除力特性の安全性から有利である。この構成は、引力が増湿装置と患者インタフェースを相互接続するガス・コンジットに印加される場合、ガス・コンジット及び増湿装置間の接続が引力を受け、よって増湿装置がユーザの方へ引っ張られるのを防止するように、動作する。好ましくは、増湿装置を動かすのに必要とする力が、増湿装置を移動させる機会を減らすために解除力より大きい。増湿装置を動かすのに必要とする力は、その意図された位置で増湿装置を保持するクリップのような保持システム、又は増湿装置及びそれが置かれる表面間に摩擦グリップを起こすベース又はゴムフィートの採択によって決定されるかもしれない。
【0074】
尚、流れ発生器をブリージング回路のユーザ・インタフェース端から起因される汚染から保護することを目的とするインライン・フィルタを回路が含む場合、最も低い解除力を有する接続の好適な配置は、インライン・フィルタ及び流れ発生器間のガス経路を連結している接続又は接続らの位置よりユーザ・インタフェースに近い位置である。解除ディバイスの動作によって、関連接続が少なくとも関連解除力と同じ大きさの引力を受けて、システム汚染防止システムは、完全にそのままである。
【0075】
流れ発生器及びインライン・フィルタ間の接続又は接続らのための最大の解除力を決定するときに、決定は、流れ発生器の移動力以上であるレベルでセットされるように行われ得る。その決定をするときに、判定は、引力の好ましい結果について行われることができる。流れ発生器が動く前又は逆に引力を受けるのが、インライン・フィルタ及び流れ発生器間の接続のためのシステムの完全性に好ましいかどうかに関して考慮され得る。いかなる構成も、本発明の採用によって達成されることができる。
【0076】
本発明の他の特徴は、保持クリップ及びプラグ組が符号化される色であり得る。ここで、色は一組の特徴を表す。例えば、特徴は、所定の大きさの解除力であり得る。マッチされたプラグが対応するクリップとともに使われるときに、所望の予め定められた解除力は、組合を特徴づける。
【0077】
色符号化に加えて、トング及びグルーブ効果のような他のガイドモールディングは、正しい組のマッチングを許容し、マッチしない組の付着を予防するように、保持クリップ及びプラグに採用されることができる。保持クリップをプラグと一組になることにするこのような使用方式は、例えばそれらのピン及び各々のソケットに関する同じ構成の二つのプラグが近い位置において使われる場合、ソケットに対するプラグの意図的でない不一致の防止のための複数プラグ・ソケット・システムに役立つこともできる。色保持クリップ及び同様の色プラグの採択は、保持クリップが関連されるソケットとプラグの正しい組に対する視覚的標示を提供するのに役立つ。第2のソケットは、異なる色の保持クリップを付着する。ここで、色は、指定されたソケットとの接続用である同様の色プラグを識別するのに使用される。
【0078】
保持クリップ及びプラグ組合を横切るロゴの配置は、部品らの正しい組立てについての視覚的ガイドとしての役割をする。
【0079】
上記に基づいて、発明者が効果的にプラグ・システムを取り外すのに必要とする力を正確に予測することができるモデルを開発したことが分かる。この例においては、"力"は、ソケットからのプラグの離脱に必要な離脱力及び/又はクリップをプラグから分離させるのに必要な解除力を意味する。一般的に、解除力は、離脱力より大きく設計される。従って、予測できるモデルは、一実施形態において、離脱力よりむしろ解除力に集中する。しかし、予測できるモデルは、例えばクリップがないか解除力が離脱力より大きいのを簡単に保証する場合には、離脱力のみを予測するのに使用されることもできる。
【0080】
異なって述べているが、発明者は、上で定められる様々なパラメータを操作することにより、プラグ・システムを設計することができ、設計されたプラグ・システムが解除力/離脱力の標準範囲、例えば所定の応用に対して100乃至300ニュートンを満たすことが可能であるかどうかを予測することができる。
【0081】
所望の解除力を達成するプラグ/クリップを設計するときに、発明者が識別するいくつかの考慮事項がある。図32及び33に示すプラグ80及びクリップ90の場合、これらは、例えば、タブ幅、材料剛性及びランプ角度を含む。後述する好適なモデルが弾性的/プラスチック分析に基づいて分析的解決策を提供するにもかかわらず、モデリング技術は、そのようなものに限られていない。例えば、モデルは、有限要素分析(FEA)を使用して公式化されることができる。
【0082】
タブ幅。プラグ80は、アームの両側において一対のオーバーバイトタブを介してクリップによって固定されることが望ましい。図34を参照。プラグの解除のため、クリップの両端におけるアームは、量Dで偏向されるべきである。よって、プラグは、接触時Ftabという力を受ける。
【0083】
単純なビーム偏向の適用:D=Fxtab*L^3/3*E*I。ここで、D=プラグを解除するのに必要な偏向。Fxtab=ビームを偏向させるのに必要な力。L=アームの長さ。E=材料のヤングの係数。I=慣性モーメント。D,L及びEが定数であると仮定すると、慣性モーメントIの増加は、プラグを解除するのに必要な力、Fxtabを増やす。この場合、タブ幅の増加は、Iを増加させ、よってFxtab増加させる。矩形の断面に対して、I=幅*高さ^3/12。これは、幅の増加がプラグを解除するのに必要な力を線形に増加させるのを意味する。
【0084】
材料の剛性。材料の剛性は、ガラス含有量の量に依存する。チャールズエイ.ハーパーによる付録C.20の"現代のプラスチックハンドブック"から、相違の量のガラス繊維は、Nylon66に入れられた。
【0085】
【表1】

【0086】
ガラス繊維含有量及び曲げ強度との関係は、図35においてプロットされる。該プロット線は、下部のガラス含有量における特性を推定するために指数的に外挿される。
【0087】
ランプ角度。ランプの量は、垂直にクリップをタブから解除するのに十分な力を達成するためにプラグがどれくらい引かれるかを決定する。図36を参照する。ここで、N=選択されたランプ角度においてクリップとプラグ間の接触力、Fytab=クリップタブを通じてプラグが受ける力(これは、多少垂直であると仮定される。)、及びFpull=プラグをコードクリップから抜くのに必要な力である。
【0088】
それらの力を図37のフリーボディ線図にアセンブルすると、それらの力の和=0、Fytab/Fpull=TanXとなる。ここで、X=角度である。それでは、Fpull=Fytab/TanX(方程式B)。ここで、Fytabは、定数である(タブ又は材料に対する変化がない)。
【0089】

【0090】
パラメータ:接触状態におけるタブ幅=1.7mm、X=45度、材料=10%ガラスを有するNylon66、得られた結果:Fpull=31.7N(平均)。図38は、上記の値を方程式(B)に適用することによって得られた。この結果から、予測された解除力があまりに低いということを知られる。モデルに基づいて、三つの典型的なパラメータのうちの一つ以上は、プラグ・システムが少なくとも100Nの最小限の解除力を有するように変更されることを必要とする。
【0091】
第2の試みにおいて、ランプ角度は45度から60度、即ちX=60度(45度から上昇)まで変更され、この値は予測された解除力を得るために方程式(B)に適用された。図38から、この予測は、タブ幅及びガラス含有量が同じである条件で〜54Nである。もちろん、この力はあまりに低いので、他のパラメータが変わった:即ち、タブ幅=2.2mm(1.7mmから上昇)−29.5%の長さの増加 、及びガラス含有量=15%(10%から上昇)−これは400から480psiまで増加、即ち20%増加する。これらの全ての変化を考慮すると、予測された解除力=54*1.295*1.2=83.9N。45.35Nのソケット端子引力を加えると、129.25Nの予測された解除力が期待される。
【0092】
ソケット端子によって貢献される力と共に得られる実際の引力は、143.75Nであった。従って、129.25Nの予測された値と比較すると、これは14.5N即ち11%の差である。偏差の可能な原因:タブ幅の増加によって、プラグは、実際にクリップアームのより大きい剛性を受けることにより、アームが偏向されるのをより難しくする。これは、タブ幅がクリップのより固い図形部分の方へ増加されるからである。これによって、単純なビーム偏向以外のアームのより複雑な偏向機構が与えられる。しかし、これは、ビーム偏向モデルを後者の事項を考慮するより包括的なモデルに単に変えることによって考慮されることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、プラグのような電源接続器のソケットからの分離を予防するための方法及び装置に適用可能である。また、電力を医療装置に供給するためのソケットから、プラグの不注意であるか意図的でない分離を防止するための方法及び装置にも適用可能である。
【0094】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】従来技術のプラグを示す。
【図2】従来技術のソケットを示す。
【図3】従来技術のプラグを示す。
【図4】従来技術のソケットを示す。
【図5】従来技術のプラグを示す。
【図6】従来技術のソケットを示す。
【図7】(a),(b),(c)は、本発明の実施形態によるカートリッジを示す。
【図8】(a),(b),(c),(d)は、本発明の実施形態によるプラグの異なる図面を示す。
【図9】(a),(b),(c),(d)は、本発明の実施形態による保持クリップを示す。
【図10】(a),(b)は、本発明の実施形態によるプラグ、保持クリップ及びカートリッジ・アセンブリを示す。
【図11】本発明の実施形態によるプラグ、保持クリップ及びカートリッジ・アセンブリを示す。
【図12】本発明の実施形態によるプラグ、保持クリップ及びカートリッジ・アセンブリを示す。
【図13】(a),(b),(c)は、本発明の実施形態によるカートリッジを示す。
【図14】(a),(b),(c)は、本発明の実施形態によるプラグを示す。
【図15】(a),(b),(c),(d)は、本発明の実施形態による保持クリップを示す。
【図16】(a),(b)は、本発明の実施形態によるプラグ、保持クリップ及びカートリッジ・アセンブリを示す。
【図17】本発明の実施形態によるプラグ、保持クリップ及びカートリッジ・アセンブリを示す。
【図18】本発明の実施形態によるプラグ、保持クリップ及びカートリッジ・アセンブリを示す。
【図19】本発明の実施形態によって保持クリップ及びソケットに接続しているプラグを示す。
【図20】図19に示されているプラグの更なる図面を示す。
【図21】図19に示されているプラグ、本発明の実施形態によるソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図22】図19に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図23】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図24】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図25】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図26】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図27】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図28】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図29】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図30】図22に示されているプラグ、ソケット及び保持クリップの更なる図面を示す。
【図31】図22に示されている保持クリップ(一つのみ)の更なる図面を示す。
【図32】本発明の一実施形態によるプラグの斜視図を示す。
【図33】本発明の一実施形態によるクリップの斜視図を示す。
【図34】接続状態のプラグ及びクリップを示し、力線図を含む。
【図35】屈曲及び剛性に対するガラス含有量をプロットしているグラフを示す。
【図36】プラグによって遭遇される力の力線図を示す。
【図37】図36に例示される力の力線図を示す。
【図38】引力に対するランプ角度をプロットしているグラフを示す。
【符号の説明】
【0096】
70 カートリッジ
72 ラグ
74 スロット
75 凹部
76 ピン
78a ノッチ
80 プラグ
82 ラグ
90 クリップ
92a 突出部
94 タブ
96 アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ保持アセンブリであって、
プラグと、
前記プラグと連結されるソケットと、
保持クリップとを備え、前記プラグは、ラグを備え、前記保持クリップは、所定の解除力で分離するのに適合したラグ係合機構を備えることを特徴とするプラグ保持アセンブリ。
【請求項2】
前記プラグは、予め決定された解除力でソケットからの接続を分離するように構成され、前記プラグ保持アセンブリは、前記プラグが少なくとも解除力を受けることによって分離された後、前記プラグがソケットに再接続され、再び解除力を受けるまでソケットに接続されているように構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラグ保持アセンブリ。
【請求項3】
使用の際、前記プラグは、保持クリップが使用される場合、プラグをソケットから分離するのに必要とする解除力より実質的に少ない離脱力の印加によってソケットから分離されることを特徴とする請求項1に記載のプラグ保持アセンブリ。
【請求項4】
プラグ保持アセンブリの解除力を変更する方法であって、
プラグを備えるプラグ保持アセンブリと、プラグと連結されるソケットと、保持クリップとを提供する段階と、前記プラグは、ラグを備え、前記保持クリップは、所定の解除力で分離するのに適合したウェッジアングルを有するラグ係合機構を備え、
前記ウェッジアングルを変更する段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
予め決定された解除力でプラグをソケットから分離させるようにし、前記プラグが少なくとも解除力を受けることによって分離された後、前記プラグがソケットに再接続され、再び解除力を受けるまでソケットに接続されているように前記プラグ保持アセンブリを構成する能力を含む前記プラグ保持アセンブリを構成する段階を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記保持クリップが使用される場合、プラグをソケットから分離するのに必要とする解除力より実質的に少ない離脱力の印加によって使用者が前記プラグをソケットから分離できる能力を含む前記プラグ保持アセンブリを構成する段階を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
プラグ保持アセンブリの解除力を変更する方法であって、
プラグを備えるプラグ保持アセンブリと、プラグと連結されるソケットと、保持クリップとを提供する段階と、前記プラグは、ラグを備え、前記保持クリップは、所定の解除力で分離するのに適合したウェッジアングルを有するラグ係合機構を備え、
前記保持クリップの弾性度を変更する段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
予め決定された解除力でプラグをソケットから分離させるよようにし、前記プラグが少なくとも解除力を受けることによって分離された後、前記プラグがソケットに再接続され、再び解除力を受けるまでソケットに接続されているように前記プラグ保持アセンブリを構成する能力を含む前記プラグ保持アセンブリを構成する段階を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記保持クリップが使用される場合、プラグをソケットから分離するのに必要とする解除力より実質的に少ない離脱力の印加によって使用者が前記プラグをソケットから分離できる能力を含む前記プラグ保持アセンブリを構成する段階を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2010−80451(P2010−80451A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−281366(P2009−281366)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【分割の表示】特願2003−180143(P2003−180143)の分割
【原出願日】平成15年6月24日(2003.6.24)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】