説明

電源装置、システム、及び処理方法

【課題】 蓄電池の電解液漏れが発生すると、蓄電池の容量が劣化するという問題と、漏れ出した電解液の拡散により短絡等の危険が発生するという問題が発生するが、これらの問題を同時に解決できないこと。
【解決手段】 電源装置19は、交流電力を直流電力に整流する整流回路15と、整流された直流電力により充電される蓄電池13と、整流回路15と蓄電池13の直流電力を交流電力に変換し変換した交流電力を電子機器30に供給するインバータ16と、蓄電池13からの漏液を溜めて漏れないように構成される収納ケース11と、収納ケース11に設置されて漏液を検出する漏液センサ12とを有し、漏液センサ12で漏液を検出すると電子機器30に漏液発生通知を送ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源装置、システム、及び処理方法に関し、特に、蓄電池の漏液対策の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータをはじめとする電子機器や情報処理システムの信頼性や運用性を向上させるために種々の手段が考慮されている。無停電電源装置のような電源装置もそのような手段の1つとして効果の著しいもので、電力供給がシステム稼働に必要不可欠であることから、システムの信頼性や運用性の向上に大いに寄与している。
【0003】
無停電電源装置は蓄電池を有しており、入力される交流電源が停電となった場合でも、蓄電池に蓄えた電力を電子機器に供給することができる。従って、停電時間が短ければ、停電が復旧するまで電子機器に電力を供給することができ、停電時間が長ければ蓄電池の電力量を考慮して電子機器を再開できる状態で停止させる(シャットダウンという)こともできる。
【0004】
この無停電電源装置の蓄電池として、メンテナンスフリー化、小型化、低価格化等の要求の高まりを背景として制御弁式鉛蓄電池が広く使用されている。制御弁式鉛蓄電池に使用される正極板は鉛合金からなる正極格子に活物質として二酸化鉛が充填される。充電によって格子体表面は酸化腐食されて体積が膨張し、活物質の脱落や内部応力の発生をもたらし、容量の劣化とともに格子体を伸長させるという劣化が進む。そのため蓄電池を長期間使用し続けると、この格子体の伸長が原因で蓄電池の電槽に亀裂が生じ、電解液が漏れ出す危険がある。
【0005】
また、蓄電池電槽の亀裂や割れは上記経年変化による劣化の場合だけではなく、電槽をはじめとした蓄電池の製造不良や、落下による衝撃が原因で漏液が生じることもある。ここで漏液とは液体が漏れること又は漏れ出した液体のことである。蓄電池の製造不良の例として、蓄電池電槽底部のモールド樹脂流し込み用の穴部を形成する際の偶発故障に起因するものがある。この偶発故障から、輸送中の振動などにより微小亀裂が発生し、蓄電池の充電により蓄電池電槽内部圧力が上昇すると、微小亀裂から蓄電池の電解液が漏れ出すことが知られている。
【0006】
例えば、特許文献1には液漏れを検出することが記載されている。また、特許文献2にはバッテリ(蓄電池)を収容するバッテリケースが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−296127号公報
【特許文献2】特開平10−145984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
蓄電池の電解液漏れが発生すると、蓄電池の容量が劣化するという問題と、漏れ出した電解液の拡散により短絡等の危険が発生するという問題がある。容量劣化問題に対する技術として、特許文献1の発明は、燃料電池のエタノールの液漏れを検出すると給電先の電子機器に通知してシャットダウン処理をさせる。
【0009】
これにより、特許文献1の発明は、蓄電池の容量が劣化した状態で停電が発生しても、シャットダウン処理の途中で電力供給を停止してしまい、シャットダウン処理が失敗するという障害が発生する問題を解決している。
【0010】
しかしながら、鉛蓄電池の電解液のように強い腐食性と導電性を持つ場合、電解液の漏れ出しにより無停電電源装置内部の構造物を腐食させたり、電源とグランド(接地)間の短絡を発生させたりする危険性がある。短絡の影響が筐体外部に及ぶ場合は感電事故となる危険性もある。特許文献1の発明は、電解液ではないエタノールの漏れ出しを対象としており、上記危険性を防止する技術については考慮されていない。
【0011】
特許文献2の発明は、滑合状態で本体ケースに脱着できるようにしたバッテリケースにバッテリを搭載するよう構成されている。しかしながら、特許文献2の発明は、バッテリの脱着の容易化を課題としておりが、バッテリの液漏れ対策については全く考慮されていない。
【0012】
このように、蓄電池の電解液漏れが発生すると、蓄電池の容量が劣化するという問題と、漏れ出した電解液の拡散により短絡等の危険が発生するという問題が発生するが、特許文献1や特許文献2の発明では、これらの問題を同時に解決できないという課題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述の課題を解決する電源装置、システム、及び処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の電源装置は、交流電力を直流電力に整流する整流回路と、整流された直流電力により充電される蓄電池と、前記整流回路と前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換し変換した交流電力を電子機器に供給するインバータと、前記蓄電池からの漏液を溜めて漏れないように構成される収納ケースと、前記収納ケースにて漏液を検出する漏液センサと、前記漏液センサで漏液を検出すると前記電子機器に漏液発生通知を送る制御回路とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明のシステムは、電源装置が電子機器に電力供給を供給するシステムであって、前記電源装置は、交流電力を直流電力に整流する整流回路と、整流された直流電力により充電される蓄電池と、前記整流回路と前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換し前記電子機器に交流電力を供給するインバータと、前記蓄電池からの漏液を溜めて漏液が外に漏れない構造を持つ収納ケースと、前記収納ケース内部に設置されて漏液を検出する漏液センサと、前記漏液センサで漏液を検出すると前記電子機器に漏液発生通知を送る制御回路とを有し、前記電子機器は、漏液発生通知を受けるとシャットダウン処理を実行することを特徴とする。
【0016】
本発明の処理方法は、交流電力を直流電力に整流する整流回路と、整流された直流電力により充電される蓄電池と、前記整流回路と前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換し変換した交流電力を電子機器に供給するインバータを有する電源装置における処理方法であって、前記電源装置は、前記蓄電池からの漏液を溜めて漏液が外に漏れない構造を持つ収納ケースと、前記収納ケース内部に設置されて漏液を検出する漏液センサとを有し、前記漏液センサで漏液を検出すると前記電子機器に漏液発生通知を送り、前記電子機器から停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断して電力供給を停止するとともに、前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、蓄電池から漏液が発生しても、蓄電池の容量が劣化に伴う障害の発生を防止するとともに、短絡等が発生した場合の危険範囲を収納ケース内に限定して安全性を高めるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の電源装置19の構成を示したブロック図である。図2は本発明の第1の実施の形態のシステム20の構成を示したブロック図である。システム20は図1に示す電源装置19を無停電電源装置10とし、さらに電子機器30と交流電源29を含む構成である。
【0019】
電源装置19は、無停電電源装置10で示した構成を含む電源装置であるものとし、無停電電源装置の機能と他の機能とを結合した複合装置であってもよい。また、電源装置19の用途は停電時の電力補償に限定されるものでもない。例えば、電源装置19は、雑音が少なく安定した交流電力を音響機器に供給するための電源装置19でもよい。この場合の電源装置19は音響機器の音質を向上させるという用途を持つ。なお、本発明の第2、第3の実施の形態においても電源装置19を無停電電源装置81、91とした構成を示している。本発明のブロック図において、太線で示した結線は交流電力又は直流電力の経路を示し、太線でない結線は信号線の経路を示している。
【0020】
本発明の第1の実施の形態のシステム20の構成について説明する。交流電源29は、例えば、商用電源であり、無停電電源装置10は交流電源29から交流電力を受電し、これを安定した交流にして電子機器30へ供給する。また、無停電電源装置10は蓄電池13を搭載し、交流電源29の電圧が低下し十分な電力を供給できなくなった場合(以降この状態を停電という)でも、蓄電池13に充電された電力を電子機器30に供給することにより、電子機器30に安定した電力を供給する。
【0021】
無停電電源装置10は、収納ケース11と漏液センサ12と蓄電池13と制御回路14と整流回路15とインバータ16とを含む。整流回路15は交流電源29を受電して全波整流し、全波整流した直流をインバータ16が安定した交流に変換して電子機器30に供給する。停電の際は蓄電池13の出力をインバータ16が安定した交流に変換して電子機器30に供給する。
【0022】
収納ケース11は、蓄電池13と漏液センサ12を収納するとともに蓄電池13から漏れ出した電解液を外部へ漏れ出さないように溜める構造を持った構造体である。図2に示す収納ケース11は、蓄電池13を包む様子を示したものであり、形状はこの通りである必要はなく、蓄電池13の形状に応じて決めればよい。
【0023】
収納ケース11は、蓄電池13から漏れ出す電解液を全て溜められる容量を有することにより安全性を向上できる。また、収納ケース11の材質は、電解液による腐食に耐性を有し、高い電気的絶縁性を有し、長時間、漏れ出した電解液を安定して溜めておけるものが望ましい。以降の説明では、収納ケース11は十分な容量・耐腐性・絶縁性を持つものとする。
【0024】
また、収納ケース11は安定した姿勢で漏液センサ12と蓄電池13と一緒に無停電電源装置10外に取り出せるように実装されることが望ましい。例えば収納ケース11の下側にレールを設けて、引き出せるような構造を設けると、交換が容易に行える。例えば、収納ケース11は天井面に蓋を付け、移動したときに底部に溜まった電解液が漏れ出さないような構造としてもよい。また、収納ケース11は蓄電池13から漏れ出す電解液以外にも、蓄電池13からこぼれ落ちる固体・液体状の物質も溜め込み、拡散を防止することができるものとする。
【0025】
漏液センサ12は、蓄電池13から漏れ出した電解液を検出するセンサであり、出力は信号線L23を介して制御回路14に接続される。漏液センサ12は、蓄電池13からの漏液を素早く検出できるようにするため、蓄電池13の下又はその近傍に設置される。漏液センサ12は、例えば、一対の導電線間に電解液が付着した吸水部材を配し、一対の導電線間の電気抵抗に基づいて漏液を検知することができる。他にも、漏液センサ12として、電気絶縁性を有する線状の心材の表面に沿って、互いに隔離して螺旋状に巻きつけられた一対の導電線間に、電解液が付着したときに両導電線に電流が流れることで漏液を検知することができる。本発明においては、漏液センサ12の構成は限定しない。
【0026】
蓄電池13は、繰り返し充電可能な2次電池である。蓄電池13は、整流回路15の出力により充電される。また、停電の際は充電した電力をインバータ16に出力する。本発明では蓄電池13として鉛蓄電池を例にして説明するが、内部に電解液を含む2次電池であれば他の種類の蓄電池13としてもよい。
【0027】
図2の例では特に充電回路を設けていないが、充電回路を設けてもよい。特に蓄電池13がニッカド電池やリチウムイオン電池等の場合は通常、高電圧、高電流を発生させたり過充電を防止したりできる充電回路を設ける必要がある。蓄電池13は内部に電極や電解液を含み、これらをケースで包み込む構造をしている。何らかの要因で電解液が漏れ出すと、電解液が外側の収納ケース11に溜められる。
【0028】
整流回路15は交流電源29から受電した交流を全波整流する。図3は整流回路15の一例を示した回路図である。図3において、交流電源29からの非安定交流電力は、過電流保護器51、スイッチ52、全波整流ダイオードブリッジ53を介して全波整流される。図3ではさらに、昇圧用インダクタ54と高速スイッチング素子でできたMOSFET55と昇圧ダイオード56と平滑コンデンサ57を設けている。これらを設けたことにより無停電電源装置10は、交流電力を昇圧して安定した直流電力に変換するとともに、入力電流波形を入力電圧波形と相似形になるように制御することにより、力率を改善するとともに安定した直流電力を出力する。
【0029】
インバータ16は、直流を交流に変換する回路であり、図示しないが、例えば、MOSFETとトランスと、リアクトル及びコンデンサを含むACフィルタ回路と出力スイッチを有し構成される。MOSFETを開閉制御することにより入力される直流電圧を断続させる。このMOSFETの開閉制御によりトランスの2次側に誘起される所定の断続電圧は、ACフィルタ回路に与えられる。ACフィルタ回路ではこの断続電圧を平滑して安定した所定の交流出力電圧を生成する。出力スイッチは制御回路14からの指示(信号線L22)によりACフィルタ回路で生成された交流電力の出力を接続或いは切断する。
【0030】
制御回路14は、無停電電源装置10を制御する回路であり、それぞれ信号線L21〜L23を介して整流回路15、インバータ16、漏液センサ12と接続されるとともに、通信線L24を介して電子機器30と通信を行う。L21〜L24は1又は複数の信号線で構成される。
【0031】
図4は、制御回路14の一例の構成を示すブロック図である。制御回路14はプログラムを実行するプロセッサ41と、プログラムや設定情報のようなデータを記憶する記憶部42と、IO回路43と、通信線L24を介して電子機器30との通信を制御する通信回路44を含む。なお、制御回路14の構成は、図4以外の構成であってもよい。例えば、プロセッサ41の代わりにプログラムの実行手順をフリップフロップや論理ゲートで構成した電子回路で実現することも可能である。
【0032】
記憶部42は、プログラムやデータを保持する不揮発性の記憶手段であり、無停電電源装置10自身の電源が切断されても内容を保持できるものとする。記憶部42は、例えば、ROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリや、電池でバックアップされたRAM(Random Access Memory)で実現できる。ただし、設定情報やデータはROM以外で実現する。
【0033】
プログラムは、後述するように本発明の特徴となる漏液や停電の動作を実行するプログラムと、その他の無停電電源装置10の動作を実行するプログラムを含む。また、設定情報は、停電後に復電したとき電子機器30を自動的に立ち上げるか否かを指定する自動再起動モードを含む。
【0034】
IO回路43は、信号線L21により整流回路15と接続され、信号線L21の内で信号線L21−1を受けて電圧を計測する回路を含み、入力電圧の低下(停電)を検出するとプロセッサ41に通知する。通知の方法としては、IO回路43からプロセッサ41へ割込を行う方法と、IO回路43が停電を検出したことを状態値に反映しこれをプロセッサ41がポーリングして検出する方法がある。IO回路43は入力電圧が復旧して正常な電圧に戻った(復電という)ときもプロセッサ41に通知する。
【0035】
IO回路43は、信号線L22を介してインバータ16と接続され、プロセッサ41の指示によりインバータ16の出力を切断して電力供給を停止する。IO回路43は、信号線L23を介して漏液センサ12と接続され、漏液センサ12が漏液を検出したことを信号線L23によって検出し、プロセッサ41に通知する。通知方法は停電の場合と同じである。
【0036】
この他の機能として、IO回路43は、信号線L21に含まれる投入/切断指示信号(信号線L21−2)や開閉制御信号(信号線L21−3)を出力する。またIO回路43は、信号線L22に含まれるインバータ16の出力を受けて出力電圧を計測してもよいし図示しないが、蓄電池13の電圧の計測や温度情報の読み取る機能を含んでいてもよい。ただしこれらの機能は本発明の説明には不用であるため、説明は省略する。
【0037】
通信回路44は、プロセッサ41の指示により、電子機器30との間の通信を制御する回路である。通信インターフェースは特に限定しないが、例えば、RS232Cのような通信インターフェースや、電子機器30が接続されるLAN(Local Area Network)に接続するための通信インターフェース等で実現できる。
【0038】
電子機器30は、無停電電源装置10から電力を受けて動作し、プログラムによって情報処理を実行する機能を有し、無停電電源装置10と通信可能な装置である。例えば、コンピュータや通信機器や複写装置のような事務機器や工作機械や家電製品など多くの装置が電子機器30として適用可能である。本発明では、電子機器30は電源を切断する前にシャットダウン処理を実行するものについて説明するが、シャットダウン処理を実行しない電子機器30に対しても本発明は適用できる。
【0039】
ここで、シャットダウン処理とは、電子機器30を再起動した際に、正常に立ち上げるために必要な処理である。シャットダウン処理は、実行中のプログラムをシャットダウン前の状態(データの内容を含む)から、利用者が継続して実行できるようにする処理を含む。
【0040】
例えば、実行中のアプリケーションプログラムがあれば、アプリケーションプログラムを再開可能な状態で終了させ、処理した結果のデータを主記憶装置から補助記憶装置に書き戻す処理を含む。主記憶容量の増大により、書き戻しが必要なデータ量も増大するので、シャットダウン処理も増大する傾向にある。例えば、家電機器やファクシミリ装置のように、補助記憶を持たない電子機器30のシャットダウン処理では、上記の書き戻しは不要である。
【0041】
図5は、電子機器30の構成例を示したブロック図である。電子機器30は、主記憶32上のプログラムを実行し主記憶32上のデータを演算するCPU31と、プログラムやデータを記憶する補助記憶33と、必要に応じてデータやプログラムを補助記憶33から読み出して一時的に記憶する主記憶32と、無停電電源装置10との間の通信を制御する通信回路34を含む。シャットダウン処理において、主記憶32上のデータが、CPU31の制御により補助記憶33へ書き戻される。
【0042】
図5は電子機器30の一例であって、これ以外の構成(例えば、マルチプロセッサ構成や二重化構成等)であってもよい。電子機器30は、図示しないが、キーボードやマウス等の入力装置や、表示装置や、印刷装置等を含んでもよい。通信回路34は、通信回路44との間で定められた通信プロトコルに従って通信を制御する。
【0043】
次に、本発明の第1の実施の形態のシステム20の動作を説明する。本発明の特徴を説明するために、漏液が発生した場合と停電が発生した場合の無停電電源装置10と電子機器30の動作について、図6と図7を参照して説明する。無停電電源装置10と電子機器30の動作の内、本発明と関係しない動作(例えば正常時の動作)については説明を省略する。
【0044】
図6は無停電電源装置10の動作を示したフローチャートであり、図7は電子機器30の動作を示したフローチャートである。制御回路14はIO回路43からの通知に従って漏液を検出したか否か判断する(S61)。制御回路14は漏液を検出しなかった場合(S61/No)、IO回路43からの通知に従って停電を検出したか否か判断する(S70)。制御回路14は、停電を検出しなければ(S70/No)、S61へ戻り、漏液の検出と停電の検出の監視を繰り返す。
【0045】
漏液と停電の検出方法はすでに説明したように割込とポーリングがあり、制御回路14はいずれかの方法で漏液と停電を検出する。漏液も停電も検出されない場合、制御回路14はこれら以外の処理を実行することができる。制御回路14は、漏液と停電の処理を他の処理より優先して実行する。
【0046】
まず、漏液を検出した際の動作について説明する。制御回路14は、漏液を検出すると(S61/Yes)、無停電電源装置10が電子機器30へ電力供給中か否か判断する(S62)。制御回路14は、電子機器30へ電力供給中であれば(S62/Yes)、電子機器30に対して漏液発生通知を送り(S63)、電子機器30からの指示を待つ。
【0047】
電子機器30は、常時、漏液発生通知を受けたか否かを判断するとともに(S35)、停電発生通知を受けたか否かを判断している(S36)。電子機器30は、漏液発生通知を受けると(S35/Yes)、予め決められた開始条件でシャットダウン処理を実行する(S37)。シャットダウン処理終了時に電子機器30は、無停電電源装置10に停止指示を通知し(S38)、その後、自身の電源を切断する(S39)。
【0048】
電子機器30は、シャットダウン処理の中で、漏液発生通知を受けたことを動作履歴として記録したり、図示しない表示装置に無停電電源装置10に漏液が発生したことを表示してもよい。シャットダウン処理の開始条件は、即座に起動するという条件でもよいし、所定時間だけ復電するのを待ち合わせた後という条件でもよい。国内の商用電源は長時間停電することは少なく、多くの場合電圧低下は1秒以内で回復する。従って、1秒程度復電を待ち合わせる設定は有効である。ただし、特別な運転状況下においては電力供給を停止することにより電子機器30に大きな不利益が発生することもある。このとき、電子機器30は特別な状況が解除されるまで停止指示の送信を待たせて動作を継続する必要がある。このために、電子機器30は無停電電源装置10に中止指示を送って、タイムアウト監視を中止して電力供給が停止されないようにすることができる。
【0049】
制御回路14は、電子機器30から停止指示を受けると(S64/Yes)、信号線L22によりインバータ16の出力スイッチ(前述、図示しない)を切断し、電力供給を停止する(S66)。制御回路14は、予め決められた時間が経過しても電子機器30から停止指示がない場合、すなわちタイムアウトとなった場合も(S65/Yes)、インバータ16を制御して、電力供給を停止する(S66)。続いて、制御回路14は信号線L21を介して整流回路15のスイッチ52を切断する(S67)。
【0050】
制御回路14は漏液発生通知を送った時刻からの経過時間を図示しないタイマや時計を用いて監視することによりタイムアウトを検出できる。ここで、タイムアウトを検出するためのタイムアウト時間は、例えば、電力供給先の電子機器30が正常時にシャットダウンを完了するために要する最大時間又は最大時間にマージンを加えた時間とすることができる。タイムアウト時間を設定して監視することにより、電子機器30に異常が発生し停止指示を送信できない場合でも、電力供給を停止することができる。
【0051】
なお、タイムアウト監視中に電子機器30からタイムアウト監視の中止指示を受けた場合は、タイムアウト監視を中止するような処理を行うこともできる。このとき、ステップS65は常にNoとなり、制御回路14は停止指示を待ち続ける。
【0052】
制御回路14は漏液が発生したことをシステム管理者に知らせるために、図示しない表示装置に漏液が発生したことを表示したり、図示しない通信手段により所定の通知先に漏液の発生を通知したりすることができる。或いは、電子機器30を経由して漏液の発生を所定の通知先に通知することもできる。制御回路14は、その後、液漏れにより自身の破壊を防止するために、自身の電源を切断してもよい。
【0053】
システムの管理者は、漏液の発生を知ると、漏液の発生した蓄電池13を交換する準備を進めることができる。蓄電池13は、収納ケース11、漏液センサ12と一緒に交換できる構造としてもよい。システムの管理者は、蓄電池13を交換した後に無停電電源装置10の電源を投入し、電子機器30への電力供給を再開することができる。
【0054】
次に、停電を検出した際の動作について説明する。制御回路14は、IO回路43に従って停電を検出すると(S70/Yes)、電子機器30へ電力供給中の場合(S71/Yes)、電子機器30に対して停電発生通知を送り(S72)、電子機器30からの指示を待つ。電子機器30へ電力供給中でない場合(S71/No)、制御回路14はステップS61へ戻り漏液の監視を続ける。
【0055】
電子機器30は、停電発生通知を受けると(S36/Yes)、漏液発生通知を受けたときと同様に、予め決められた開始条件でシャットダウン処理を実行する(S37)。シャットダウン処理終了時に電子機器30は、無停電電源装置10に停止指示を通知し(S38)、その後、自身の電源を切断する(S39)。
【0056】
停電発生通知を受けた場合、復電しない限り途中で電力供給が停止するので、長時間シャットダウンを待ち合わせるような設定は避けるべきである。電子機器30は、シャットダウン処理の中で、停電発生通知を受けたことを動作履歴として記録したり、図示しない表示装置に無停電電源装置10に停電が発生したことを表示してもよい。
【0057】
制御回路14は、電子機器30から停止指示を受けると(S73/Yes)、信号線L22によりインバータ16を制御して、電力供給を停止する(S75)。制御回路14は、予め決められた時間が経過しても電子機器30から停止指示がない場合、すなわちタイムアウトとなった場合も(S74/Yes)、電力供給を停止する(S75)。
【0058】
続いて、制御回路14は信号線L21を監視しているIO回路43から復電(入力電圧の復旧)の通知を待ち合わせる。この間に漏液が検出されると(S76/Yes)、制御回路14は信号線L21を介して整流回路15のスイッチ52を切断し(S67)、この状態で停止する。漏液が検出されず(S76/No)、復電が検出されると(S77/Yes)、制御回路14は記憶部42から設定情報を読み出して、設定情報が自動再起動モードに設定されているか否か判断する(S78)。
【0059】
設定情報が自動再起動モードに設定されていれば(S78/Yes)、制御回路14は信号線L22によりインバータ16の出力スイッチを制御して、電子機器30への電力供給を開始する(S79)。設定情報が自動再起動モードに設定されていなければ(S78/No)、制御回路14は電子機器30への電力供給を停止したままステップS61へ戻り、漏液の監視を続ける。
【0060】
このように、第1の実施の形態は、蓄電池13からの漏れた電解液を全て収納ケース11に溜められるようにしたので短絡等の危険部位を収納ケース11内に限定でき、安全性を高めることができる。また、漏液センサ12により漏液を検出することにより蓄電池13の容量劣化を予測し、電力供給先の電子機器30に漏液発生通知を送ることにより安全にシャットダウンさせることができる。従って、本発明は、蓄電池13からの電解液漏れに対して、蓄電池13の容量劣化に起因する障害の発生防止とともに、短絡に対する安全性を高めることができる。
【0061】
また、第1の実施の形態は漏液が発生しても、無停電電源装置10は電子機器30と交流電源29とから切断されるので、漏液により発生する短絡の影響範囲が電子機器30や交流電源29へ及ぶのを防止できる。また、第1の実施の形態は、短絡等を起こす危険範囲を収納ケース11内に限定できるので、短絡の影響が筐体外面に及び感電事故が発生することも回避できる。
【0062】
以上の説明では、電子機器30がシャットダウン処理をする場合について説明したが、電子機器30がシャットダウン処理を実行しない場合について説明する。漏液を検出した場合、制御回路14はステップS63〜S65をスキップして、ステップS66以降を実行する。停電を検出した場合、制御回路14はステップS72〜S74をスキップして、ステップS75以降を実行する。こうすることにより、電子機器30のシャットダウン処理をせずに、制御回路14は出力と入力を切断することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は第2の実施の形態のシステム80の構成を示したブロック図である。システム80は交流電源29と無停電電源装置81と電子機器30を含む。図9は無停電電源装置81の制御回路82の構成を示したブロック図である。
【0064】
無停電電源装置81は、無停電電源装置10に比べて、蓄電池13と整流回路15及びインバータ16との間にスイッチ17を挿入した点が異なる。また、無停電電源装置81は、スイッチ17を制御する機能を制御回路14に追加して、制御回路14を制御回路82と置き換えた点で異なる。以下、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0065】
スイッチ17は、制御回路82の制御に従って蓄電池13を整流回路15及びインバータ16と接続したり切断したりする。制御回路82は漏液フラグ83をスイッチ17の数に応じて設ける。無停電電源装置81の場合、スイッチ17は1つのみなので、漏液フラグ83も1つとなる。
【0066】
漏液フラグ83は、制御回路82の制御によってオン/オフされる。漏液フラグ83の出力は信号線L25としてスイッチ17の接続/切断を制御する。漏液フラグ83がオンのときにスイッチ17は接続され、漏液フラグ83がオフのときにスイッチ17は切断される。漏液フラグ83は、蓄電池13を正常な状態で収納ケース11内に設置できた時点で、システム管理者の操作によりオンにセットされるものとする。このときの操作手順については特に限定しない。
【0067】
漏液フラグ83は、無停電電源装置81の電源が切断状態でも値を保持できる構成を持つ。例えば、漏液フラグ83は不揮発性の記憶装置や図示しない独立した電池等でバックアップされる構成で実現できる。例えば、漏液フラグ83は通常のフリップフロップで構成し、自身の電源を切断する際に値を記憶部42に保存しておき、自身の電源を投入した後に記憶部42から値を復元するという方法でも実現できる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について説明する。図10は第2の実施の形態の動作を示したフローチャートである。図10のフローチャートは第1の実施の形態の動作を示した図6のフローチャートと比べてステップS84とS85が追加されている点で異なる。ステップS84とS85以外の動作は図6と同じなので、図10において図6と同じ符号(S61〜S79)を付けている。以下、ステップS84とS85の動作について説明する。なお、制御回路82の動作は記憶部42に保持されるプログラムをプロセッサ41が実行することにより実現される。
【0069】
漏液を検出した場合について説明する。制御回路82は漏液を検出すると(S61/Yes)、漏液フラグ83をオフする(S84)。例えば後述の図11のように収納ケース11を複数設けた構成では、漏液を検出した収納ケース11に対応する漏液フラグ83のみをオフする。漏液フラグ83がオフとなると、対応するスイッチ17が切断される。
【0070】
次に、記憶部42から設定情報に含まれる運転条件を読み出し、運転条件を満足するか否か判断する(S85)。運転条件とは、電子機器30で必要とされる電力供給量を確保するための正常な蓄電池13の数を規定した情報である。第2の実施の形態では蓄電池13は1つしかなく、運転条件は「蓄電池数≧1」と設定される。制御回路82は蓄電池13が異常となると正常な蓄電池13の数が「0」となってしまうため、運転条件を満足できなくなり(S85/No)、ステップS62に進む。
【0071】
以降は第1の実施の形態と同様に、制御回路82はステップS62以降を実行し、第1の実施の形態と同様に電力供給を停止し(S66)入力を切断する(S67)。
【0072】
次に、停電を検出した場合について説明する。制御回路82はステップS70〜S79を第1の実施の形態と同様に実行する。ただし、復電を待つ間に漏液を検出した場合(S76/Yes)、制御回路82は対応する漏液フラグ83をオフし(S84)、運転条件を満足するか判断し(S85/Noとなる)、入力を切断する(S67)。
【0073】
このように、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に蓄電池13からの電解液漏れに対して、蓄電池13の容量劣化に起因する障害の発生防止とともに、短絡に対する安全性を高めることができる。第2の実施の形態では、さらに、漏液を検出した時点で蓄電池13をスイッチ17によって整流回路15及びインバータ16と切り離すことができる。従って、第2の実施の形態では、収納ケース11内で漏液量が増えて短絡等が発生しても、整流回路15及びインバータ16に短絡の影響が及ぶことはなく、整流回路15及びインバータ16の回路が破壊されることを回避できる。
【0074】
また、漏液フラグ83は無停電電源装置81の電源が切断されても内容が保持される。従って、漏液を検出して漏液フラグ83を一旦オフとしておけば、漏液したままの状態で誤って無停電電源装置81の電源を投入しても、漏液の影響が収納ケース11の外部に及ぶことは回避できる。システム管理者は、漏液の発生した蓄電池13を正常な蓄電池13と交換した後に所定の操作により漏液フラグ83をオンとし、無停電電源装置81に組み込むことができる。
【0075】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は第3の実施の形態のシステム90の構成を示したブロック図である。システム90は交流電源29と無停電電源装置91と電子機器30を含む。図12は無停電電源装置91の制御回路92の構成を示したブロック図である。
【0076】
無停電電源装置91の構成は、機能的には第2の実施の形態の無停電電源装置81の構成と同じであるが、収納ケース11と漏液センサ12と蓄電池13とスイッチ17を組として、これを3組設けた(それぞれの符号の後に−1、−2、−3を付して各組を表示、信号線L23とL25も同様)構成としている点で異なる。図11では、収納ケース11と漏液センサ12と蓄電池13とスイッチ17からなる組は3組としているが、2組でも4組以上でも本発明を容易に適用することができる。
【0077】
さらに、無停電電源装置91は電子機器30がシャットダウン処理を実行するのに必要とされる電力量を2組で供給できる冗長構成とし、1組が故障により使用不能となっても残りの2組で正常な電力供給ができるものとする。ただし、各組の蓄電池13の容量は同じものとする。全体を2組で構成する場合、無停電電源装置91は、1組で必要とされる電力量を供給できるものとし、N(4以上の整数)組の場合は少なくとも1組を除いても必要とされる電力量を供給できるものとする。
【0078】
図11では、蓄電池13と漏液センサ12は、蓄電池13−1と漏液センサ12−1のみを図示しているが、残りの2つも図示しないがそれぞれ対応する収納ケース11−2と収納ケース11−3の中に設置されている。制御回路92は第2の実施の形態の制御回路82と比べて、漏液フラグ83をスイッチ17−1〜17−3に対応して3つ(漏液フラグ83−1〜83−3)設けている点で異なる。この他の第3の実施の形態の構成要素は第2の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
【0079】
次に、第3の実施の形態の動作について説明する。図11では、電子機器30で要求される電力供給量を2つの蓄電池13で満足できるように構成している。このため、記憶部42の設定情報に含まれる運転条件は「蓄電池数≧2」と設定される。
【0080】
この構成で、1つの蓄電池13−1で漏液が発生した場合の動作について図10のフローチャートと図11及び図12のブロック図を用いて説明する。制御回路92の動作は記憶部42に保持されるプログラムをプロセッサ41が実行することにより実現される。また、漏液フラグ83は全てオンで運転されているものとする。
【0081】
蓄電池13−1で漏液が発生すると、漏液センサ12−1が漏液を検出して、これを信号線L23−1によりIO回路43へ通知する。IO回路43は、漏液を検出するとプロセッサ41に漏液センサ12−1が漏液を検出したことを通知する。制御回路92は漏液を検出すると(S61/Yes)、漏液センサ12−1に対応する漏液フラグ83−1をオフする(S84)。
【0082】
このとき、漏液フラグ83−2と漏液フラグ83−3はオンのままである。すなわち、蓄電池13−1はスイッチ17−1が切断され、電子機器30への電力供給ができなくなるが、蓄電池13−2と蓄電値13−2は電子機器30への電力供給が可能である。この状態で停電が発生しても、蓄電池13−2と蓄電池13−3によって電子機器30へ十分な電力供給ができるので、電子機器30は運転を継続することができる。
【0083】
制御回路92は運転条件を記憶部42の設定情報から読み出して判断する(S85)。この場合、正常な蓄電池13が2つあるので運転条件の「蓄電池数≧2」を満足する(S85/Yes)。従って、制御回路92はスイッチ17−1を切断して蓄電池13−1を切り離した状態で運転を継続する。ただし、漏液が発生したことをシステム管理者に知らせるために、図示しない表示装置に漏液が発生したことを表示したり、図示しない通信手段により所定の通知先に漏液の発生を通知したりしてもよい。或いは、電子機器30を経由して漏液の発生を所定の通知先に通知することもできる。
【0084】
蓄電池13−1はスイッチ17−1で切り離されているため、システム管理者は、通知を受けて漏液の発生した蓄電池13−1を漏液センサ12−1と収納ケース11−1と一緒に正常なものに交換することができる。システム管理者は、交換後に、所定の操作をして漏液フラグ83−1をオンとし、交換後の蓄電池13−1を組み込むことができる。
【0085】
なお、安全のため、無停電電源装置91は、漏液フラグ83−1をオンとする操作において、漏液センサ12−1が漏液を検出していないことを確認できた場合のみ漏液フラグ83−1をオンするようにしてもよい。これにより、システム管理者が誤操作した場合の障害発生を防止できる。
【0086】
蓄電池13−1を正常なものに交換する前に、蓄電池13−2で漏液が発生した場合の動作を説明する。制御回路92は漏液センサ12−2により漏液を検出し(S61/Yes)、漏液フラグ83−2をオフとする。このとき、正常な蓄電池13は蓄電池13−3のみとなる。制御回路92は、蓄電池数≧2という運用条件を満足できないと判断し(S85/No)、以降は第2の実施例と同様に動作し、電力供給を停止し(S66)入力を切断する(S67)。この後、システム管理者は、蓄電池13−1か蓄電池13−2の少なくとも一方を正常なものに交換して組み込むことにより、正常運転を開始することができる
一方、停電を検出した場合の動作については、第2の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0087】
このように、本発明の第3の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に蓄電池13からの電解液漏れに対して、蓄電池13の容量劣化に起因する障害の発生防止とともに、短絡に対する安全性を高めることができる。第3の実施の形態では、さらに、1つの蓄電池13で漏液が発生して使用不能となっても、残りの蓄電池13を使用して電子機器30に電力を供給し続けることができ、電子機器30の可用性を向上できる。
【0088】
また、電解液が全て漏れ出したとしても危険範囲が収納ケース11に限定されるため、安全に電子機器30の運転を継続することができる。従って、漏液の発生した蓄電池13を急いで交換しなくてもよく、システム管理者又は保守員は都合のよい時期に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の概要の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の詳細な構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の整流回路15の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の制御回路14の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の電子機器30の構成を示したブロック図である。
【図6】本発明の無停電電源装置10の動作を示したフローチャートである。
【図7】本発明の電子機器30の動作を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態の詳細な構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の制御回路82の構成を示したブロック図である。
【図10】本発明の無停電電源装置81の動作を示したフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態の詳細な構成を示したブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の制御回路92の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0090】
10 無停電電源装置
11 収納ケース
12 漏液センサ
13 蓄電池
14 制御回路
15 整流回路
16 インバータ
17 スイッチ
19 電源装置
20 システム
29 交流電源
30 電子機器
31 CPU
32 主記憶
33 補助記憶
34 通信回路
41 プロセッサ
42 記憶部
43 IO回路
44 通信回路
51 過電流保護器
52 スイッチ
53 全波整流ダイオードブリッジ
54 昇圧用インダクタ
55 MOSFET
56 昇圧ダイオード
57 平滑コンデンサ
80 システム
81 無停電電源装置
82 制御回路
83 漏液フラグ
90 システム
91 無停電電源装置
92 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を直流電力に整流する整流回路と、整流された直流電力により充電される蓄電池と、前記整流回路と前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換し変換した交流電力を電子機器に供給するインバータと、前記蓄電池からの漏液を溜めて漏れないように構成される収納ケースと、前記収納ケースにて漏液を検出する漏液センサと、前記漏液センサで漏液を検出すると前記電子機器に漏液発生通知を送る制御回路とを有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記整流回路及び前記インバータと前記蓄電池との間にスイッチを有することを特徴とする請求項1の電源装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記漏液センサで漏液を検出すると、前記スイッチを切断することを特徴とする請求項2の電源装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記電子機器から前記漏液発生通知に対する停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断して電力供給を停止するとともに、前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする請求項1、2又は3の電源装置。
【請求項5】
前記蓄電池と前記漏液センサと前記収納ケースと前記スイッチとを組として、前記電子機器に対して必要とされる電力量を確保できる数の前記組より1以上多い数の前記組を有し、
前記制御回路は、前記の漏液センサの1つで漏液を検出すると、漏液を検出した前記漏液センサと同じ組の前記スイッチを切断することを特徴とする請求項2の電源装置。
【請求項6】
前記電子機器で必要とする最小の蓄電池数を規定する運転条件を記憶手段に保持し、
前記制御回路は、前記の漏液センサの1つで漏液を検出すると、前記記憶手段から運転条件を読み出して正常な前記蓄電池の数と比較し、
正常な前記蓄電池の数が運転条件の蓄電池数以上のとき前記漏液発生通知を抑止し、
正常な前記蓄電池の数が運転条件の蓄電池数未満のとき前記漏液発生通知を送り、前記停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断するとともに前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする請求項5の電源装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記スイッチの切断或いは接続を制御する漏液フラグを前記スイッチ毎に有し、前記フラグは電源切断された後も値を保持し、電源が再投入された後も前記スイッチの切断或いは接続状態を保持することを特徴とする請求項5又は6の電源装置。
【請求項8】
電源装置が電子機器に電力供給を供給するシステムであって、
前記電源装置は、交流電力を直流電力に整流する整流回路と、整流された直流電力により充電される蓄電池と、前記整流回路と前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換し前記電子機器に交流電力を供給するインバータと、前記蓄電池からの漏液を溜めて漏液が外に漏れない構造を持つ収納ケースと、前記収納ケース内部に設置されて漏液を検出する漏液センサと、前記漏液センサで漏液を検出すると前記電子機器に漏液発生通知を送る制御回路とを有し、
前記電子機器は、漏液発生通知を受けるとシャットダウン処理を実行することを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記電源装置は、前記整流回路及び前記インバータと前記蓄電池との間にスイッチを有し、前記制御回路は、前記漏液センサで漏液を検出すると、前記スイッチを切断することを特徴とする請求項8のシステム。
【請求項10】
前記電子機器は前記シャットダウン処理の後に停止指示を返し、
前記電源装置は停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断して電力供給を停止するとともに、前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする請求項8又は9のシステム。
【請求項11】
前記電源装置は、前記蓄電池と前記漏液センサと前記収納ケースと前記スイッチとを組として、前記電子機器に対して必要とされる電力量を確保できる数の前記組より1以上多い数の前記組を有し、前記制御回路は、前記の漏液センサの1つで漏液を検出すると、漏液を検出した前記漏液センサと同じ組の前記スイッチを切断することを特徴とする請求項9のシステム。
【請求項12】
前記電源装置は、前記電子機器で必要とする最小の蓄電池数を規定する運転条件を記憶手段に保持し、
前記制御回路は、前記の漏液センサの1つで漏液を検出すると、前記記憶手段から運転条件を読み出して正常な前記蓄電池の数と比較し、
正常な前記蓄電池の数が運転条件の蓄電池数以上のとき前記漏液発生通知を抑止し、
正常な前記蓄電池の数が運転条件の蓄電池数未満のとき前記漏液発生通知を送り、前記停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断するとともに前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする請求項11のシステム。
【請求項13】
交流電力を直流電力に整流する整流回路と、整流された直流電力により充電される蓄電池と、前記整流回路と前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換し変換した交流電力を電子機器に供給するインバータを有する電源装置における漏液処理方法であって、
前記電源装置は、前記蓄電池からの漏液を溜めて漏液が外に漏れない構造を持つ収納ケースと、前記収納ケース内部に設置されて漏液を検出する漏液センサとを有し、
前記漏液センサで漏液を検出すると前記電子機器に漏液発生通知を送り、
前記電子機器から停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断して電力供給を停止するとともに、前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする処理方法。
【請求項14】
前記電源装置は、前記整流回路及び前記インバータと前記蓄電池との間に設けたスイッチと前記蓄電池と前記漏液センサと前記収納ケースとを組として、前記電子機器に対して必要とされる電力量を確保できる数より多い数の前記組を有し、
前記電子機器で必要とする蓄電池数を規定する運転条件を記憶手段に保持し、
前記漏液センサで漏液を検出すると、前記記憶手段から運転条件を読み出して正常な前記蓄電池の数と比較し、
正常な前記蓄電池の数が運転条件の蓄電池数以上のとき前記漏液発生通知を抑止し、
正常な前記蓄電池の数が運転条件の蓄電池数未満のとき前記漏液発生通知を送り、前記停止指示を受けると、前記インバータの出力を切断するとともに前記整流回路と交流電力の入力側とを切断することを特徴とする処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−284687(P2009−284687A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135005(P2008−135005)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】