説明

電源装置およびその電源装置を備えたシステム手帳、物品カバー

【課題】 時間や天候に係わらず、携帯型電子機器等に電源を供給して、使用しまたは充電することができ、容易に携帯できる携帯用の電源装置等を提供する。
【解決手段】 システム手帳1には、リフィル4とともに、リフィル型電源5が綴じこまれている。リフィル型電源5の本体5aには、その一側縁部に、バインダー部2の綴り輪2bに綴じこんで保持するための保持部5bが形成される。リフィル型電源5の本体5aは、扁平形状の二次電池6と、前記二次電池6を充電する充電回路7と、前記二次電池6の電圧を出力する出力回路8とを、図示しない樹脂製のプリント基板に組みつけてなる電源ユニット9を備え、さらに充電端子11と出力端子12を備える。使用者は、リフィル型電源5の二次電池6を充電しておき、電子機器の内蔵電池が消耗したときに出力端子12に接続して電子機器を駆動または充電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源装置に関し、さらに詳しくは、携帯型の電子機器の使用や充電に用いる携帯用の電源装置と、その電源装置を備えたシステム手帳、ならびに物品カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、携帯型音楽プレーヤ、携帯型電子情報端末等の携帯型電子機器が普及しているが、それらの電源としては二次電池を用いたものが多い。そして、それらを使用中に内蔵している二次電池が消耗してしまった場合、当該二次電池を充電済みの新しい二次電池と交換すればよい。
【0003】
しかしながら、それらの二次電池は単3等の汎用品ではなく電子機器ごとの形状を呈しまた電圧等の特性も異なる専用電池であることが多く、携帯電話と携帯型音楽プレーヤなど複数の機器を所持する場合にはそれぞれにあった専用電池を用意しなければならず、携帯も面倒であった。またもともとそれらの二次電池を本体内に固定的に内蔵したものもあり、その場合には外出先等での二次電池交換は事実上困難であり、その場合には二次電池を充電しなければならず、商用電源を利用できない外出先での充電は困難であった。
【0004】
例えば特許文献1においては、太陽電池を用いて携帯電話等を充電することも提案されているが、この場合には夜間や曇天時の使用は不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−215358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、時間や天候に係わらず、携帯型電子機器等に電源を供給して、使用しまたは充電することができ、また容易に携帯できる携帯用の電源装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、扁平形状の二次電池と、前記二次電池をホルダで保持するための保持部とを備えたことを特徴とする電源装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の電源装置において、前記保持部には、ホルダで保持するための綴じ穴が形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の電源装置において、前記二次電池は樹脂製の外装にて覆われ、前記保持部も樹脂にて形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の電源装置であって、前記電源装置が、充電および/または放電用の回路を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の電源装置と、前記電源装置を保持するホルダとを備えたことを特徴とするシステム手帳である。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5記載のシステム手帳であって、前記電源装置が、充電および/または放電用の端子を備えるとともに、当該端子に接続する接続線を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項6記載のシステム手帳であって、前記接続線を保持する接続線保持部が設けられたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載のシステム手帳であって、光起電力パネルを供え、該光起電力パネルから前記二次電池を充電可能とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、物品を覆うためのカバー本体と、前記カバー本体に内蔵された扁平形状の二次電池と、を備えたことを特徴とする物品カバーである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1乃至4に係る発明によれば、時間や天候に係わらず、携帯型電子機器等に電源を供給して、使用しまたは充電することができ、また容易に携帯できる携帯用の電源装置を提供できる。
【0017】
請求項5乃至7に係る発明によれば、時間や天候に係わらず、携帯型電子機器等に電源を供給して、使用しまたは充電することができ、また容易に携帯できる携帯用のシステム手帳を提供できる。
【0018】
請求項8に係る発明によれば、システム手帳に備えた光起電力パネルによって、そのシステム手帳等に備えられた電源装置の二次電池を充電したり他の機器に給電することができる。
【0019】
請求項9に係る発明によれば、時間や天候に係わらず、携帯型電子機器等に電源を供給して、使用しまたは充電することができ、また容易に携帯できる携帯用の物品カバーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第一の実施形態であるシステム手帳を示す斜視図である。
【図2】この発明の第二の実施形態であるシステム手帳を示す斜視図である。
【図3】この発明の第三の実施形態である物品カバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<<第一の実施の形態>>
【0022】
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の第一の実施形態であるシステム手帳の斜視図である。図1において、システム手帳1は、操作金具2aを操作することにより開閉可能な綴り輪2bが取り付けられたバインダー部2を備え、綴り輪2bにメモ用紙のリフィル4を綴じこんで構成される。リフィル4は縦170mm、横95mmである。綴り輪2bにはメモ用紙のリフィル4とともに、リフィル型電源5が綴じこまれている。バインダー部2は綴り輪2bによってリフィル4とリフィル型電源5を綴じこんで保持するホルダでもある。またシステム手帳1には、バインダー部2を閉じた状態で留めておくための留め部3が設けられる
【0023】
リフィル型電源5の本体5aは、扁平形状で厚みが十分に薄い、例えば厚み2〜5mm程度の二次電池6と、前記二次電池6を充電する充電回路7と、前記二次電池6の電圧を出力する出力回路8とを、図示しない樹脂製のプリント基板に組みつけてなる電源ユニット9を、樹脂製の外装10で覆って形成されている。
【0024】
前記二次電池6は、例えばリチウムイオン二次電池であって、定格電圧3.7V、定格容量2〜4Ah程度のものを使用する。
【0025】
前記充電回路7は、充電端子11に接続した外部電源から二次電池6を充電するものである。前記出力回路8は、出力端子12に接続した外部の電子機器に対して前記二次電池6が放電して供給する電力を、その電子機器に適合した電圧に変換して供給するもので、かかる電力によりその電子機器を使用しまたは電子機器の内蔵電池を充電することができる。充電端子11と出力端子12とは、リフィル型電源5の側面、すなわちリフィル型電源5の厚み方向の端面に形成され、システム手帳1を閉じた状態でもその端面にある充電端子11に外部電源を接続して二次電池6を充電したり、出力端子12に電子機器を接続してその電子機器に電源を供給したりすることができる。リフィル型電源5の厚み方向の端面には、充電端子11の近傍に充電中であることを表示するLEDインジケータ13が、出力端子12の近傍には二次電池6の残容量をその点灯、点滅状態で表示するLEDインジケータ14が、それぞれ設けられている。これらLEDインジケータ13,14も、システム手帳1を閉じた状態でもその端面方向から視認でき、その動作状態を確認できる。
【0026】
リフィル型電源5の本体5aには、その一側縁部に、バインダー部2の綴り輪2bに綴じこんで保持するための保持部5bが形成される。保持部は前記プリント基板の端部の両面を樹脂で固めて必要な幅と強度と厚みを持たせ、綴り輪2bに綴じこむための複数の綴じ穴5cを形成してある。
【0027】
システム手帳1には、前記充電端子11および前記出力端子12に接続するための接続線15が備えられる。接続線15には前記充電端子11および前記出力端子12に接続可能な端子16と、電源供給対象となる電子機器または外部電源に接続するための端子17とが取り付けられる。またシステム手帳1のバインダー部2の表紙部2cの内側側部に沿って、図示しない筆記具等を挟み込んで保持させることができる保持部18が2箇所に取り付けられている。保持部18は筆記具等を保持するための強度と弾性を有する金属または樹脂等の素材からなる。端子16、17は前記保持部18に係合可能な形状に形成されており、接続線15を保持部18に取り付けてシステム手帳1とともに携帯することが容易にできるようになっている。
【0028】
而して、システム手帳1の使用者は、リフィル型電源5の充電端子11に接続線15を接続し、図示しないACアダプタあるいはパソコンのUSB端子などから電源をとって二次電池6を充電しておく。二次電池6の充電は、リフィル型電源5をシステム手帳1から取り外した状態で行なってもよいが、システム手帳1に綴じこんでシステム手帳1を閉じた状態であっても充電端子11に接続線15を接続して充電可能であり、LEDインジケータ13の点灯を視認して充電が正常に行なわれていることを確認することもできる。そして外出時等にあっては、システム手帳1に充電済のリフィル型電源5を1つまたは必要に応じて複数を綴り輪2bに綴じ込み、また前記端子16、17を表紙部2cの内側の保持部18に挟んで係合させて接続線15を取り付けて携帯する。そして、携帯電話などの電子機器の内蔵電池が消耗したときには、出力端子12に接続線15の端子16を接続し、端子17を電子機器に接続して、リフィル型電源5の二次電池6の電力を用いて当該電子機器を駆動したりまた当該電子機器に内蔵されている内蔵電池を充電したりすることができる。リフィル型電源5に内蔵されている二次電池6は携帯電話等に内蔵されている二次電池と比べて十分に容量が大きく、外出先等でも複数の電子機器用電源として安心して使用できるが、複数のリフィル型電源5をシステム手帳1に綴じこんでおくことで、さらに大容量の電源を容易に携帯することができる。
【0029】
<<第二の実施の形態>>
【0030】
以下、この発明の第二の実施形態について説明する。図2は、この発明の第二の実施形態であるシステム手帳の斜視図である。以下、第一の実施形態と同一または対応する部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0031】
システム手帳1の表紙部2cの外側には、光起電力パネルとして、いわゆる太陽電池20が取り付けられている。太陽電池20はその受光面を外側に向けて露出された状態で表紙部2cに内蔵されている。また表紙部2cの内側には出力端子21が取り付けられ、出力端子21は太陽電池20が発生する起電力を出力可能となるよう適宜の回路によって接続されている。
【0032】
そして、システム手帳1の使用者は、リフィル型電源5の充電端子11と出力端子21とを接続線15により接続し、その状態でシステム手帳1を閉じて表紙部2cに設置された太陽電池20に日光等を入射させることにより、太陽電池20の出力でリフィル型電源5を充電することができる。これにより、外出先等でもリフィル型電源5を充電することが可能となる。また、2つ以上のリフィル型電源5をシステム手帳1に綴じこんでおき、使用済のリフィル型電源5を太陽電池20により充電しつつ、他のリフィル型電源5を用いて携帯電話等の電子機器を使用あるいは充電することができる。この場合、太陽電池20の出力電流だけでは駆動できない電子機器をリフィル型電源5を用いて駆動しつつ、同時に他のリフィル型電源5を充電しておくことができる。もちろん、この太陽電池20の出力は、リフィル型電源5の充電以外の用途にももちいることができる。
【0033】
<<第三の実施の形態>>
【0034】
以下、この発明の第三の実施形態について説明する。図3は、この発明の第三の実施形態である物品カバーの斜視図である。以下、第一の実施形態と同一または対応する部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0035】
ブックカバー30は、布または軟質樹脂製のカバー本体30aと、カバー本体30aに内蔵される電源ユニット9とからなる。カバー本体30aは略長方形で、その両側には書籍31の表紙31aを挟み込んで保持するポケット32が形成されている。カバー本体30aの片側は二重構造になっており、二重部分を開閉するためのファスナー33が設けられ、ファスナー33を開くことで二重構造のカバー本体30aの間に電源ユニット9が収納される。またカバー本体30aの内側には、電源ユニット9の充電端子11および出力端子12を露出させる開口34が設けられ、接続線15を接続することができる。なお、図3において、書籍31の表紙31aの一部を切欠して示している。
【0036】
なお、この第三の実施形態においても、第二の実施形態のように、カバー本体30aの外側に、光起電力パネルとしての太陽電池20を臨ませて取り付けて、電源ユニット9の二次電池(図示せず)を充電できるようにしてもよい。また、書籍31以外の物品のカバーとして製作、使用してもよい。
【0037】
<<変形例>>
【0038】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は他の形態に変形して実施することもできる。
【0039】
例えば、充電回路7および充電端子11に代えて、コイルなどを用いて電磁的に外部電源が供給される充電回路を用いてもよい。また出力回路8と出力端子12についても同様に、二次電池6が放電する電力をコイルなどを用いて電磁的に外部に供給するものであってもよい。充電端子11、出力端子12、LEDインジケータ13、14は、例えばリフィル型電源5の上端面や下端面に設けてもよく、リフィル型電源5の厚み方向の端面であればシステム手帳1を閉じたときにも使用可能また視認可能であり望ましいが、他の場所であってもよい。また、充電端子11と出力端子12を個別に設けるのではなく、充放電共通の端子としてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 システム手帳
2 バインダー部
2a 操作金具
2b 綴り輪
2c 表紙部
5 リフィル型電源
5a 本体
5b 保持部
5c 綴じ穴
6 二次電池
7 充電回路
8 出力回路
9 電源ユニット
10 外装
11 充電端子
12 出力端子
20 太陽電池
30 ブックカバー
31 書籍

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平形状の二次電池と、
前記二次電池をホルダで保持するための保持部と
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置において、
前記保持部には、ホルダで保持するための綴じ穴が形成されたことを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2記載の電源装置において、
前記二次電池は樹脂製の外装にて覆われ、前記保持部も樹脂にて形成されていることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電源装置であって、
前記電源装置が、充電および/または放電用の回路を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電源装置と、
前記電源装置を保持するホルダとを備えたことを特徴とするシステム手帳。
【請求項6】
請求項5記載のシステム手帳であって、
前記電源装置が、充電および/または放電用の端子を備えるとともに、
当該端子に接続する接続線を備えたことを特徴とするシステム手帳。
【請求項7】
請求項6記載のシステム手帳であって、
前記接続線を保持する接続線保持部が設けられたことを特徴とするシステム手帳。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載のシステム手帳であって、
光起電力パネルを供え、該光起電力パネルから前記二次電池を充電可能とされていることを特徴とするシステム手帳。
【請求項9】
物品を覆うためのカバー本体と、
前記カバー本体に内蔵された扁平形状の二次電池と、
を備えたことを特徴とする物品カバー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−80574(P2013−80574A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218912(P2011−218912)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】