電源装置及びそれを用いた照明器具
【課題】回路部品の共通化を図ることで、回路部品の種類を削減した電源装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】電源装置2は、複数の回路モジュール1a〜1nを組み合わせて構成され、交流電源3から電源が供給され、複数の発光ダイオードからなる負荷回路4に所望の電力を供給する。回路モジュール1a〜1nは同様の回路構成を有し、第1〜第4の外部接続端子T1〜T4をそれぞれ備えている。第1及び第2の外部接続端子T1,T2間にはインダクタ11とスイッチング素子13との直列回路が接続されている。またインダクタ11及びスイッチング素子13の接続点にはダイオード12のアノードが接続され、このダイオード12のカソードは第3の外部接続端子T3に接続されている。またスイッチング素子13のゲートには第4の外部接続端子T4が接続されている。
【解決手段】電源装置2は、複数の回路モジュール1a〜1nを組み合わせて構成され、交流電源3から電源が供給され、複数の発光ダイオードからなる負荷回路4に所望の電力を供給する。回路モジュール1a〜1nは同様の回路構成を有し、第1〜第4の外部接続端子T1〜T4をそれぞれ備えている。第1及び第2の外部接続端子T1,T2間にはインダクタ11とスイッチング素子13との直列回路が接続されている。またインダクタ11及びスイッチング素子13の接続点にはダイオード12のアノードが接続され、このダイオード12のカソードは第3の外部接続端子T3に接続されている。またスイッチング素子13のゲートには第4の外部接続端子T4が接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及びそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(発光ダイオード)を点灯させる点灯装置として、LED素子からなる負荷回路をモジュール化したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図13は上記特許文献1に開示された点灯装置の回路図である。この点灯装置は整流ブリッジ101と定電流電源回路102とLEDモジュール103とで構成される。整流ブリッジ101は、交流電源100の交流電圧を全波整流して定電流電源回路102に出力する。定電流電源回路102は、整流ブリッジ101の整流出力を平滑する平滑コンデンサ105と、直流電圧変換回路106と、電流検出手段107を備える。この定電流電源回路102では、整流ブリッジ101の整流出力を平滑コンデンサ105で平滑した後、LEDモジュール103に定電流が流れるようにLEDモジュール103への出力電圧を直流電圧変換回路106が調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−142137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された電源装置では、例えば使用用途に応じて必要な個数だけLED素子を実装基板に実装することでLEDモジュール103を構成しており、そのため、LED素子の個数が異なる複数種類のLEDモジュール103が存在する。ここで、LED素子の個数が異なる複数種類のLEDモジュール103に対して1つの定電流電源回路102で対応できるのは、電源容量が負荷容量よりも大きい場合である。電源容量が負荷容量よりも小さい場合には、不足分を補うために定電流電源回路102を追加したり、定電流電源回路102の回路構成を変更する必要があり、回路部品の共通化が図りにくいという問題があった。また直流電圧変換回路106として、昇圧チョッパ、降圧チョッパ、昇降圧チョッパといった様々な回路が存在するため、回路部品の共通化が図りにくいという問題もあった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、回路部品の共通化を図ることで、回路部品の種類を削減した電源装置及びそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電源装置は、回路モジュールを複数組み合わせて構成され、電源電圧を所望の電圧に変換して負荷へ出力することを特徴とする。各回路モジュールは第1〜第4の外部接続端子を備える。第1及び第2の外部接続端子間にはインダクタとスイッチング素子との直列回路が接続される。インダクタ及びスイッチング素子の接続点にはダイオードのアノードが接続され、ダイオードのカソードは第3の外部接続端子に接続される。第4の外部接続端子にはスイッチング素子の制御端子が接続されている。
【0008】
この電源装置において、回路モジュールが、インダクタ及びダイオードの接続点に接続された第5の外部接続端子を備えることも好ましい。
【0009】
この電源装置において、回路モジュールが、第4の外部接続端子と制御端子の間に接続され、第4の外部接続端子に外部から入力される制御信号に応じてスイッチング素子をオン/オフさせる駆動回路を備えることも好ましい。
【0010】
この電源装置において、回路モジュールが第6乃至第10の外部接続端子のうち少なくとも1つを備えることも好ましい。第6の外部接続端子は、ダイオードのカソードに一端が接続されるコンデンサの他端に接続される。第7の外部接続端子は、インダクタの二次側に設けられ一端が第2の外部接続端子に接続された二次巻線の他端に接続される。第8の外部接続端子は、スイッチング素子と第2の外部接続端子の間に接続された第1の抵抗におけるスイッチング素子側の端子に接続される。第9の外部接続端子は、第1の外部接続端子と第2の外部接続端子の間に直列接続された第2の抵抗と第3の抵抗との接続点に接続される。第10の外部接続端子は、第3の外部接続端子と第2の外部接続端子の間に直列接続された第4の抵抗と第5の抵抗との接続点に接続される。
【0011】
この電源装置において、回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、第1制御回路および第2制御回路を備えることも好ましい。第1制御回路は、第1回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する。第2制御回路は、第2回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する。
【0012】
この電源装置において、N個(Nは2以上の整数)の回路モジュールが並列的に接続されている。そして、この電源装置は、各々の回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する制御回路を備え、制御回路は、各々の回路モジュールが備えるスイッチング素子について、スイッチングの位相を(360/N)度ずつ、ずらすことも好ましい。
【0013】
この電源装置において、回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、第1回路モジュールが備える第1の外部接続端子と第2の外部接続端子間に入力電源を接続し、第2回路モジュールが備える第3の外部接続端子と第1の外部接続端子間に負荷を接続するとともに、第1、第2回路モジュールが備える第3の外部接続端子同士を接続し、且つ、第1、第2回路モジュールが備える第2の外部接続端子同士を接続したことも好ましい。
【0014】
この電源装置において、負荷が固体発光素子であることも好ましい。
【0015】
本発明の照明器具は、上述した何れかの電源装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電源装置によれば、同じ回路構成を有する回路モジュールを複数組み合わせて構成されているので、回路モジュールの共通化を図ることで、電源装置を構成する回路部品の種類を削減することができる。
【0017】
また本発明の照明器具によれば、回路部品の共通化を図ることで、回路部品の種類を削減した照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は実施形態1の電源装置のブロック図、(b)は電源装置に用いられる回路モジュールの回路図である。
【図2】同上の電源装置の回路図である。
【図3】実施形態2の電源装置の回路図である。
【図4】実施形態3の電源装置に用いられる回路モジュールの回路図である。
【図5】同上の電源装置に用いられる、別の回路モジュールの回路図である。
【図6】同上の電源装置に用いられる、また別の回路モジュールの回路図である。
【図7】実施形態4の電源装置のブロック図である。
【図8】同上の電源装置の回路図である。
【図9】(a)〜(g)は同上の電源装置の各部の波形図である。
【図10】同上の電源装置に用いられる回路モジュールの接続方法を説明する概略的な分解斜視図である。
【図11】同上の電源装置のブロック図である。
【図12】実施形態5の照明器具に電源装置を組み込む前の状態を示す外観斜視図である。
【図13】従来の点灯装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜図2を参照して説明する。
【0021】
図1(a)に電源装置2の概略的なブロック図を示す。この電源装置2は、交流電源3から電源供給を受け、負荷回路4に応じた電圧、電流に変換し、負荷回路4に供給するものである。この電源装置2は複数の回路モジュール1a,1b,…,1nを備え、複数の回路モジュール1a,1b,…,1nの間を適宜接続することによって、所望の機能を有する回路が構成される。尚、複数の回路モジュール1a,1b,…,1nは同様の構成を有しており、回路モジュール全般の説明を行う場合は回路モジュール1と表記し、個々の回路モジュールについて説明する場合は回路モジュール1a,1b,…,1nと表記する。
【0022】
図1(b)は回路モジュール1の回路構成を示し、各回路モジュール1は、第1〜第5の外部接続端子(以下、外部接続端子と略称する。)T1〜T5とインダクタ11とダイオード12とスイッチング素子13を主要な構成として備える。第1及び第2の外部接続端子T1,T2間にはインダクタ11とスイッチング素子13との直列回路が接続される。インダクタ11及びスイッチング素子13の接続点にはダイオード12のアノードが接続され、ダイオード12のカソードには第3の外部接続端子T3が接続されている。スイッチング素子13は例えばMOS型電界効果トランジスタからなり、スイッチング素子13の制御電極(ゲート電極)には第4の外部接続端子T4が接続されている。またインダクタ11及びダイオード12の接続点には第5の外部接続端子T5が接続されている。尚、第2の外部接続端子T2は入力側および出力側の回路が接続しやすいように、2端子構成とするのが好ましい。
【0023】
このような回路モジュール1を最小単位とし、複数の回路モジュール1を用い、各回路モジュール1が備える外部接続端子T1〜T5の間を適宜接続することで、入力電源を所望の電圧、電流に変換して負荷回路4に供給することができる。尚、この回路モジュール1は、インダクタ11及びダイオード12の接続点に接続された外部接続端子T5を備えているが、少なくとも第1〜第4の外部接続端子T1〜T4を備えていればよい。
【0024】
上述のように電源装置2は、同じ回路構成の回路モジュール1を複数組み合わせて構成されるので、電源装置2を構成する回路部品の種類を低減でき、回路構成が簡単になるとともに、部品の種類を削減することでコストダウンを図ることができる。
【0025】
また電源装置2の主要部分は、基本的な回路構成をモジュール化した回路モジュール1を複数組み合わせて実現され、足りない部品を付加することによって電源装置2が構成される。すなわち、複数の回路モジュール1を組み合わせ、これに適宜必要な回路部品を追加することで、昇圧チョッパや降圧チョッパといった回路を実現できるから、別々の機能を実現する回路の主要部(回路モジュール1)を共通化することができる。また、回路モジュール1にわずかな回路部品を追加するだけで済むから、回路構成を簡略化できる。そして、個々の回路モジュール1が小型且つ薄型に実装できれば、電源装置2全体でも小型化や薄型化を実現できる。尚、各回路モジュール1は、それぞれ独立した回路基板に部品を実装して構成されており、同一の回路モジュール1を複数組み合わせて電源装置2を実現しているので、量産効果によって回路モジュール1の製造コストを低減することもできる。
【0026】
また回路モジュール1として、入力側の第1回路モジュール1と出力側の第2回路モジュール1を備える場合に、第1回路モジュール1と第2回路モジュール1とで各回路部品の定数が同じ値となるように設計すれば、入力側(電源側)に接続される回路モジュール1と出力側(負荷側)に接続される回路モジュール1とを共通化することができ、更に量産効果を高めることができる。また、全ての回路モジュール1を1枚の基板上に組み込むことも可能であり、その場合は各々の回路モジュール1に外部接続端子を設けなくて済むから、電源装置の小型化を図ることができる。
【0027】
次に、電源装置の具体構成を図2の回路図に基づいて説明する。この電源装置2は、整流器DB1と、上述の回路モジュール1a,1bと、コンデンサC1,C2と、制御回路5a,5bと、駆動回路6a,6bを主要な構成として備えている。
【0028】
ここで、2つの回路モジュール1a,1bのうち、回路モジュール1aにより電源側に接続される第1回路モジュールが、回路モジュール1bにより負荷側に接続される第2回路モジュールが構成される。
【0029】
第1制御回路たる制御回路5aは、回路モジュール1a(第1回路モジュール)のスイッチング素子13aをオン/オフさせる制御信号を出力する。第2制御回路たる制御回路5bは、回路モジュール1b(第2回路モジュール)のスイッチング素子13bをオン/オフさせる制御信号を出力する。駆動回路6a,6bは、それぞれ制御回路5a,5bからの制御信号に応じて、スイッチング素子13a,13bをオン/オフ駆動する。
【0030】
整流器DB1はダイオードブリッジからなり、交流電源3を全波整流する。尚、図示は省略しているが、交流電源3と整流器DB1の間にはローパスフィルタが接続されるのが一般的であり、入力電流の高調波成分を除去している。
【0031】
2個の回路モジュール1a,1bは直列的に接続されている。前段(電源側)の回路モジュール1aでは、外部接続端子T1aが整流器DB1の高圧側の直流出力端子に接続され、外部接続端子T2aが整流器DB1の低圧側の直流出力端子に接続されている。また回路モジュール1aの外部接続端子T3a,T2a間に電解コンデンサよりなる平滑コンデンサC1が接続され、外部接続端子T4aには駆動回路6aの出力端子が接続されている。ここで、前段の回路モジュール1aから所謂昇圧チョッパが構成され、整流器DB1の整流出力を昇圧した略一定の直流電圧を発生する。
【0032】
後段(負荷側)の回路モジュール1bでは、外部接続端子T3b,T2b間に平滑コンデンサC1が接続されている。また回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T1b間には、電解コンデンサよりなるコンデンサC2と、2個の発光ダイオードが直列接続された負荷回路4aがそれぞれ接続されている。また回路モジュール1bの外部接続端子T4bには駆動回路6bの出力端子が接続されている。ここで、後段の回路モジュール1bから所謂降圧チョッパが構成され、回路モジュール1aの出力電圧を降圧した直流電圧を負荷回路4aに出力する。
【0033】
尚、回路モジュール1aの外部接続端子T3a,T2a間、回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T2b間には共にコンデンサC1が接続されているが、このコンデンサC1の静電容量を2分割し、予め各回路モジュール1a,1bの基板上に配置してもよい。すなわち、回路モジュール1aでは外部接続端子T3a,T2aの間に、回路モジュール1bでは外部接続端子T3b,T2bの間に、それぞれ、静電容量がコンデンサC1の静電容量の約半分であるコンデンサが接続されることになる。
【0034】
この電源装置の動作を以下に簡単に説明する。入力側の回路モジュール1aでは、駆動回路6aがスイッチング素子13aを高周波でオン/オフさせる。スイッチング素子13aのオン時には、交流電源3→整流器DB1→インダクタ11a→スイッチング素子13a→整流器DB1→交流電源3の経路で電流が流れ、インダクタ11aにエネルギが蓄積される。スイッチング素子13aのオフ時には、インダクタ11a→ダイオード12a→コンデンサC1→整流器DB1→インダクタ11aの経路で電流が流れ、オン時にインダクタ11aに蓄積されたエネルギが放出される。上記の動作が電源周期に応じて繰り返され、制御回路5aではスイッチング周波数やオン時間を適宜調整することによって、コンデンサC1の両端間に略一定の直流電圧が発生する。
【0035】
出力側の回路モジュール1bは、コンデンサC1の両端間に発生する略一定の直流電圧を電源として動作し、スイッチング素子13bは駆動回路6bによって高周波でオン/オフされる。スイッチング素子13bのオン時には、コンデンサC1→コンデンサC2→インダクタ11b→スイッチング素子13b→コンデンサC1の経路で電流が流れ、インダクタ11bにエネルギを蓄積するとともに、コンデンサC2を充電する。スイッチング素子13bのオフ時には、インダクタ11b→ダイオード12b→コンデンサC2→インダクタ11bの経路で電流が流れ、オン時にインダクタ11bに蓄積されたエネルギが放出される。上記の動作を繰り返すことによって、コンデンサC2の両端電圧は、コンデンサC1の両端電圧よりも低い一定電圧に制御される。その結果、コンデンサC2のプラス側→負荷回路4a→コンデンサC2のマイナス側の経路で負荷回路4aに一定電流が流れ続けることになり、均一な光出力を得ることができる。
【0036】
ここで、インダクタ11a,11b、ダイオード12a,12b、スイッチング素子13a,13bにそれぞれ同じ部品を採用すれば、入力側および出力側の回路モジュール1a,1bを同じものにでき、電源装置2を構成する回路部品の種類を削減できる。また入力側の回路モジュール1aからなる昇圧チョッパで定電圧制御を行い、出力側の回路モジュール1bからなる降圧チョッパで定電流制御を行うことによって、入力電流を正弦波状にして入力電流歪みを低減することができる。また、電源電圧が変動した場合でも、昇圧チョッパにより出力電圧が一定値に制御されるから、負荷回路4aへの出力電流を略一定に制御でき、均一な光出力を得ることができる。
【0037】
また本実施形態の電源装置2は、複数の回路モジュール(電源側の第1回路モジュール1aと負荷側の第2回路モジュール1b)を接続して構成されており、定電圧制御を行う回路モジュール1aと、定電流制御を行う回路モジュール1bを別々に備えている。そして、各々の回路モジュール1a,1bについて、スイッチング素子13a,13bを制御する制御回路5a,5bがそれぞれ設けられているので、定電圧制御と定電流制御を独立して制御することができる。よって、入力側の回路モジュール1a及びその制御回路5aと、出力側の回路モジュール1b及びその制御回路5bを、定電圧制御のための回路と定電流制御のための回路とに機能を分離することができる。尚、図2の回路では、各回路モジュール1a,1bが第2の外部接続端子T2a,T2bを2個ずつ備えているが、回路モジュール1a,1bを実装する装置内で入力側及び出力側の回路が接続可能であれば、各回路モジュール1a,1bには第2の外部接続端子T2a,T2bを1端子のみとしてもよく、この場合は端子数が減ることでコストダウンを図ることができる。
【0038】
また、2つの制御回路5a,5bで発振器を共用するなどすれば、回路構成をさらに簡略化できる。
【0039】
また、図2の電源装置では、各回路モジュール1a,1bに設けられた第5の外部接続端子T5a,T5bを回路間の接続に使用していないが、この外部接続端子T5a,T5bを用いてインダクタ、ダイオード、スイッチング素子と並列に回路部品を追加できる。例えば外部接続端子T5a,T1a間に別のインダクタを、外部接続端子T5a,T3a間に別のダイオードを、外部接続端子T5a,T2a間に別のスイッチング素子を接続することで、回路モジュール1a自体を変更することなく、後から回路部品を並列的に追加できる。これにより、電流容量を増やしたい場合には、インダクタ11aと並列に別のインダクタ(図示せず)を接続して電流を分流させるとともに、スイッチング素子13aと並列に別のスイッチング素子(図示せず)を接続して電流を分流させればよい。
【0040】
このように、第5の外部接続端子T5a,T5bを用いて、後からインダクタ、ダイオード又はスイッチング素子と並列的に回路部品を追加できるから、回路モジュール1を構成するインダクタ、ダイオード又はスイッチング素子の定格容量を小さくでき、回路モジュール1のコストダウンを図ることができる。そして、定格容量を増やす場合には、インダクタ、ダイオード又はスイッチング素子と並列的に回路部品を追加することで容易に対応できる。
【0041】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図3に基づいて説明する。尚、電源装置2の構成は実施形態1と略同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0042】
電源装置2は2つの回路モジュール1a,1bを備え、入力側(電源側)の第1回路モジュール1aで昇圧チョッパを構成し、出力側(負荷側)の回路モジュール1bで降圧チョッパを構成している。
【0043】
回路モジュール1a,1bの基本的な構成は実施形態1で説明したものと同様であるが、本実施形態では各回路モジュール1a,1bにおいて回路動作を検出するための検出点を増やしてある。
【0044】
回路モジュール1aは、実施形態1の構成に加えて、インダクタ11aに磁気結合された二次巻線14aを備え、この二次巻線14aの一端を第2の外部接続端子T2aに接続するとともに、二次巻線14aの他端を第7の外部接続端子T7aに接続してある。また回路モジュール1aは、スイッチング素子13aのソースと外部接続端子T2aの間に接続される第1の抵抗15aを備えるとともに、抵抗15aにおけるスイッチング素子13a側の端子に接続された第8の外部接続端子T8aを備えている。また回路モジュール1aは、外部接続端子T1aと外部接続端子T2aの間に接続された第2の抵抗16aと第3の抵抗17aの直列回路を備えるとともに、抵抗16a,17aの接続点に接続された第9の外部接続端子T9aを備えている。また回路モジュール1aは、外部接続端子T3aと外部接続端子T2aの間に接続された第4の抵抗18aと第5の抵抗19aの直列回路を備えるとともに、抵抗18a,19aの接続点に接続された第10の外部接続端子T10aを備えている。この回路モジュール1aの外部接続端子T1a,T2a間には整流器DB1の直流出力端子が接続され、外部接続端子T3a,T2aの間にコンデンサC1が接続されている。第6〜第10の外部接続端子T6a〜T10aの信号は、回路モジュール1aの動作を制御する制御回路5aに入力されており、外部接続端子T10aの信号は、回路モジュール1bの動作を制御する制御回路5bにも入力されている。
【0045】
また回路モジュール1bは、実施形態1の構成に加えて、インダクタ11bに磁気結合された二次巻線14bを備え、この二次巻線14bの一端を第2の外部接続端子T2bに接続するとともに、二次巻線14bの他端を第7の外部接続端子T7bに接続してある。また回路モジュール1bは、スイッチング素子13bと外部接続端子T2bの間に接続される第1の抵抗15bを備え、抵抗15bにおけるスイッチング素子13b側の端子に接続された第8の外部接続端子T8bを備えている。また回路モジュール1bは、外部接続端子T1bと外部接続端子T2bの間に接続された第2の抵抗16bと第3の抵抗17bの直列回路を備えるとともに、抵抗16b,17bの接続点に接続された第9の外部接続端子T9bを備えている。この回路モジュール1bでは、第2の外部接続端子T2bに加えて、第3の外部接続端子T3bも2端子構成としてある。そして、回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T2b間にコンデンサC1が接続されるとともに、外部接続端子T3b,T1b間にコンデンサC2と負荷回路4bを並列接続してある。第6〜第9の外部接続端子T6a〜T9aの信号は、回路モジュール1bの動作を制御する制御回路5bに入力されている。
【0046】
この電源装置2の動作は、実施形態1で説明した電源装置2と同様であるので、その動作について詳細な説明は省略する。この電源装置2では、入力側の回路モジュール1aからなる昇圧チョッパで定電圧制御を行い、出力側の回路モジュール1bからなる降圧チョッパで定電流制御を行うことによって、入力電流を正弦波状にして入力電流歪みを低減している。また、電源電圧が変動した場合でも、昇圧チョッパにより出力電圧が一定値に制御されるから、負荷回路4aへの出力電流を略一定に制御でき、均一な光出力を得ることができる。
【0047】
また本実施形態では、実施形態1の電源装置に比べて、各回路モジュール1a,1bにおいて回路動作を検出するための検出点(第6〜第10の外部接続端子)を追加してあるので、これらの検出点の検出信号に基づいて、より細かい制御を行うことができる。
【0048】
例えば回路モジュール1aでは、抵抗16a,17aの両端間に整流器DB1の整流出力が印加され、抵抗16a,17aの接続点には整流出力に比例した電圧が発生する。したがって、制御回路5aでは、外部接続端子T9aから入力された信号をもとに整流器DB1の出力電圧を検出でき、この出力電圧が予め設定した電圧以下であれば制御動作を停止する機能(この機能を低電圧停止機能と言う。)を設けることができる。また制御回路5aでは、外部接続端子T9aから入力される信号を、整流器DB1からの入力電流波形を正弦波状にするためのリファレンス電圧として利用することもできる。
【0049】
また、スイッチング素子13aのソースに接続された抵抗15aの両端間には、スイッチング素子13aに流れる電流に比例した電圧が発生する。したがって、制御回路5aでは、外部接続端子T8aを介して入力される抵抗15aの両端電圧が所定の基準値を超えると、スイッチング素子13aをオフ制御することで、スイッチング素子13aに余分なストレスが加わるのを防止できる。また制御回路5aでは、外部接続端子T8aから入力される抵抗15aの両端電圧を、外部接続端子T7aから入力される巻線電圧と組み合わせることで、インダクタ11aに流れる電流を後述の臨界モードに制御でき、回路効率を向上させることができる。
【0050】
また制御回路5aには、外部接続端子T7aを介してインダクタ11aの二次巻線14aに発生する電圧が入力されており、この電圧信号からインダクタ11aに流れる電流を検出できる。これにより制御回路5aでは、スイッチング素子13aのオフ時にインダクタ11aに流れる電流がゼロになった時点を、外部接続端子T7aの信号から検出できる。制御回路5aでは、インダクタ11aに流れる電流がゼロになるタイミングでスイッチング素子13aをオンさせることによって、インダクタ11aに流れる電流を臨界モードに維持でき、インダクタ11aに電流が流れない期間が発生する不連続モードに比べて、入力電流のピーク値を低減できる。また、電源装置2の起動後において制御回路5aの動作電源を、外部接続端子T7aから入力される二次巻線14aの電圧から得ることもできる。
【0051】
また抵抗18a,19aの両端間にはコンデンサC1の両端電圧が印加されるため、抵抗18a,19aの接続点にはコンデンサC1の両端電圧に比例した電圧が発生する。したがって、制御回路5aでは、外部接続端子T10aを介して入力される抵抗19aの両端電圧が略一定となるように、スイッチング素子13aのオンデューティを制御することで、コンデンサC1の両端電圧を一定値に制御することができる。すなわち回路モジュール1aを昇圧チョッパとして使用する場合に、制御回路5aでは、外部接続端子T10aから入力される電圧をもとに出力電圧を検出でき、定電圧制御のためのフィードバック信号として利用できる。また制御回路5aでは、抵抗18aの両端電圧が所定の基準値を超えるとスイッチング素子13aをオフさせており、外部接続端子T10aから入力される電圧信号を過電圧検出に利用できる。なお抵抗18a,19aの両端電圧は回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T2b間の電圧と同じになるので、本回路では外部接続端子T10aを介して入力される電圧信号を制御回路5bにも入力している。制御回路5bでは、外部接続端子T10aから入力される電圧信号が予め設定された基準値以下になると、スイッチング素子13bをオフさせており、入力電圧が不足している状態で降圧チョッパが動作しないように制御できる。本回路では回路モジュール1aの外部接続端子T10aから入力される電圧を、回路モジュール1bの入力電圧として制御回路5bに入力させることで、抵抗18a,19aからなる分圧回路を両回路モジュール1a,1bで共用することができる。尚、回路モジュール1a,1bの構成を同じにするためには、回路モジュール1b側でも外部接続端子T3b,T2bの間に第2,第3の抵抗を直列に接続し、第2及び第3の抵抗の接続点に第10の外部接続端子を接続すればよい。この場合は第10の外部接続端子の信号を制御回路5bに入力させることができる。また、何れの回路モジュール1a,1bでも第3の外部接続端子と第2の外部接続端子の間に抵抗18a,19aに相当する抵抗を接続せず、後付けでコンデンサC1と並列に分圧回路を接続し、その分圧電圧を制御回路5a,5bに入力させてもよい。
【0052】
また、回路モジュール1bの動作を制御する制御回路5bでは、スイッチング素子13bに直列に接続された抵抗15bの両端電圧を、負荷に流れる電流を制御するのに利用することができる。また制御回路5bは、抵抗15bの両端電圧からスイッチング素子13bに流れる電流を検出し、この電流が一定値を超えるとスイッチング素子13bをオフさせることで、抵抗15bの両端電圧を異常状態の検出に利用することもできる。
【0053】
また制御回路5bでは、インダクタ11bの二次側に設けられた二次巻線14bの両端電圧から、インダクタ11bに流れる電流を検出でき、出力側においても臨界モードでスイッチング素子13bを動作させることで、効率を向上させることができる。また二次巻線14bの両端電圧から、制御回路5bを動作させるのに必要な電源の一部を得ることもできる。
【0054】
また制御回路5bでは、外部接続端子T1b,T2b間に接続された抵抗16b,17bの分圧電圧を、制御のためのフィードバックや、負荷回路の異常検出に利用することができる。
【0055】
尚、本実施形態の回路モジュール1a又は1bでは、実施形態1の回路モジュール1に対し、検出点として第7〜第10の外部接続端子T7〜T10を追加してあるが、これらを全て追加する必要はなく、これらのうちの1乃至複数を追加しても良い。
【0056】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図4〜図6に基づいて説明する。本実施形態の回路モジュール1は、実施形態1の電源装置を構成する回路モジュール1に、更に回路部品を追加したものである。尚、実施形態1で説明した回路モジュール1と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0057】
図4は回路モジュール1のみの回路図であり、スイッチング素子13の制御端子(ゲート)と第4の外部接続端子T4の間に駆動回路6が接続されている。また、ダイオードD1のカソードにコンデンサ20の一端を接続するとともに、コンデンサ20の他端に第6の外部接続端子T6を接続してある。
【0058】
この回路モジュール1では、駆動回路6も内蔵しているので、外部接続端子T6への入力信号は、制御のための小信号で済み、例えばマイコンなどから回路モジュール1を直接制御することが可能になる。
【0059】
また、ダイオード12のカソードに一端側が接続されたコンデンサ20を他の回路要素には接続せず、外部接続端子T6のみに接続しているので、回路形態に応じて外部接続端子T6の接続先を変更することで、回路モジュール1としては共通のものを使用できる。
【0060】
例えば回路モジュール1で昇圧チョッパを構成する場合は、第6の外部接続端子T6を第2の外部接続端子T2に接続すればよい。また回路モジュール1で降圧チョッパを構成する場合は、第6の外部接続端子T6を第1の外部接続端子T1に接続すればよい。このように回路モジュール1内にコンデンサ20を予め接続しておくことで、部品の追加なしに、昇圧チョッパや降圧チョッパなどの電源回路を構成することができる。また入力側や出力側で全体の容量を増やす場合には入力側、出力側の回路モジュール1を増やすことになるが、回路モジュール1自体がコンデンサ20を備えているので、入力側や出力側で全体の容量を増やす場合でも新たにコンデンサを追加する必要がない。ここで、昇圧チョッパとしての回路モジュール1の動作や、降圧チョッパとしての回路モジュール1の動作は実施形態1で説明したのと同様であるので、その説明は省略する。
【0061】
尚、本実施形態では、実施形態1で説明した回路モジュール1に駆動回路6とコンデンサ20を追加してあるが、何れか一方のみを追加するようにしてもよい。
【0062】
また実施形態2で説明した回路モジュール1a,1bにおいて、スイッチング素子13の制御端子(ゲート)と第4の外部接続端子T4の間に駆動回路6を接続しても良い。この場合、実施形態2で説明した回路モジュール1a,1bは、実施形態1の回路モジュール1に検出点として第7〜第10の外部接続端子T7〜T10を追加してあるが、これらの検出点を全て追加する必要はなく、それらの内の1乃至複数を追加しても良い。
【0063】
例えば図5に示す回路モジュール1では、実施形態1の回路モジュール1に対して、スイッチング素子13のゲートと外部接続端子T4の間に駆動回路6を接続するとともに、検出点として第7及び第8の外部接続端子T7,T8が設けられている。インダクタ11の二次側に設けられた二次巻線14の一端が外部接続端子T2に接続されるとともに、二次巻線14の他端が外部接続端子T8に接続されている。また、スイッチング素子13と外部接続端子T2の間に抵抗15が接続されるとともに、スイッチング素子13及び外部接続端子T2の接続点に外部接続端子T8が接続されている。
【0064】
また、図6に示す回路モジュール1では、実施形態1の回路モジュール1に対して、スイッチング素子13のゲートと外部接続端子T4の間に駆動回路6を接続するとともに、検出点として第9及び第10の外部接続端子T9,T10が設けられている。すなわち、この回路モジュール1では、外部接続端子T1,T2間に直列接続された抵抗16,17の接続点に外部接続端子T9が接続されるとともに、外部接続端子T3,T2間に直列接続された抵抗18,19の接続点に外部接続端子T10が接続されている。
【0065】
また実施形態2で説明した回路モジュール1a,1bにおいて、ダイオードD1のカソードにコンデンサ20の一端を接続するとともに、コンデンサ20の他端に第6の外部接続端子T6を接続してもよい。この場合、回路モジュール1a,1bは検出点として第6〜第10の外部接続端子T6〜T10を備えることになるが、これらの検出点を全て備える必要はなく、これらのうちの1乃至複数を備えるものでもよい。
【0066】
ところで、図4〜図6には回路モジュール1のみの回路構成が示されているが、回路モジュール1が備える外部接続端子は、回路モジュール1を組み合わせて電源装置2を構成する際に出来る限り短い配線で接続できるように、基板上に配置されることが好ましい。そのため、同一の外部接続端子を複数個、配置を変えて設けたり、回路モジュール1の対向する辺まで配線パターンを延長して外部接続端子を基板の端部に配置してもよく、外部接続端子の個数や配置を適宜設計することで、追加の配線を減らすことができる。
【0067】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図7〜図11に基づいて説明する。実施形態1〜3で説明した電源装置2では、入力側の第1回路モジュールと出力側の第2回路モジュールをそれぞれ1つの回路モジュール1a,1bで構成している。それに対して、本実施形態の電源装置2では、図7のブロック図に示されるように、出力側の第2回路モジュールが1つの回路モジュール1Aで構成され、入力側の第1回路モジュールが複数の回路モジュール1a〜1nで構成されている。尚、本実施形態では入力側の第1回路モジュールには、1a,1b,…,1nのように小文字のアルファベットを付けて表記し、出力側の第2回路モジュールには1Aのように大文字のアルファベットを付けて表記してある。
【0068】
図8は、本実施形態の電源装置2の具体回路を示す回路図である。この電源装置2では、図2に示す電源装置2と同様、入力側の第1回路モジュールで昇圧チョッパを、出力側の第2回路モジュールで降圧チョッパを構成しているが、入力側の第1回路モジュールを複数の回路モジュールで構成した点が図2の回路と相違する。
【0069】
入力側の複数の回路モジュール1a,1b,…,1nは同じ構成を有しているので、回路モジュール1aで回路構成を説明し、他の回路モジュール1b,…,1nについては説明を省略する。入力側の回路モジュール1aは、実施形態1で説明した回路モジュール1に対し、スイッチング素子13aと外部接続端子T4aの間に駆動回路6aが追加され、さらに外部接続端子T3a,T2a間にコンデンサ20aが追加されている。また出力側の回路モジュール1Aは、実施形態1で説明した回路モジュール1に対し、スイッチング素子13Aと外部接続端子T4Aの間に駆動回路6Aが追加されている。尚、追加された駆動回路及びコンデンサ以外の構成は実施形態1の回路モジュール1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0070】
この電源装置2は、入力側に、それぞれ昇圧チョッパを構成する回路モジュール1a,1b,…,1nを複数備えており、各回路モジュール1a,1b,…,1nは互いに並列接続されている。そして、制御回路5aから各回路モジュール1a,1b,…,1nの外部接続端子T4a,T4b,…,T4nに制御信号S1a,S1b,…,S1nをそれぞれ送信することで、各回路モジュール1a,1b,…,1nの動作が個別に制御されている。
【0071】
次に、入力側の回路モジュールの数を3個とした場合の電源装置2の動作について図9(a)〜(g)の波形図を参照して説明する。尚、図9(a)〜(c)は、それぞれ、駆動回路6a,6b,6cに入力される制御信号S1a,S1a,S1cの波形図である。図9(d)〜(f)は、それぞれ、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流の波形図であり、図9(g)は整流器DB1から入力される入力電流I1の波形図である。
【0072】
制御回路5aは、各回路モジュール1a,1b,1cのオン/オフを個別に切り替える制御信号S1a,S1b,S1cを出力し、この制御信号S1a,S1b,S1cに応じて駆動回路6a…がスイッチング素子13a…をオン/オフさせる。そして、各回路モジュール1a〜1cでは、スイッチング素子13a…がオン/オフすることによって、実施形態1で説明したように昇圧チョッパとして動作する。尚、昇圧チョッパとしての回路動作は実施形態1で説明したのと同様であるから、その説明は省略する。
【0073】
ここで、制御回路5aは、各回路モジュール1a,1b,1cに出力する制御信号S1a,S1b,S1cの位相をずらして発生しており、これによりインダクタ11a,11b,11cに流れる電流のピーク値を分散させることができる。整流器DB1からの入力電流I1は、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流の合成電流となるので、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流のピーク値をずらすことで、合成電流I1が平均的な電流値となる。このため、例えば図9(g)の電流波形は、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流波形を単純にn倍した波形とはならず、ピーク値が低減されるとともに、交流電源3からの入力電流に含まれるリップル成分を低減できる。また、入力電流のピーク値やリップル成分を低減することで、回路部品に加わるストレスを低減でき、また図示しない入力フィルタや整流器DB1の定格を小さくできるから、回路の小型化を図ることができる。
【0074】
ここにおいて、入力電流に含まれるリップル成分を最小にするためには、回路モジュールの数がN個の場合、スイッチング素子のオン/オフの1周期に対して、各回路モジュールに与える制御信号の位相を、(360/N)度ずつずらせばよい。ここで、制御信号の位相をずらすタイミングは、例えば制御回路5aを構成するマイコンのタイマ機能を利用すれば、容易に決定することができる。尚、回路モジュールの個数が3個の場合は、制御信号S1a,S1b,S1cの位相を、360/3=120(度)ずつずらせばよい。図9に示すように、制御信号S1a,S1b,S1cの立ち上がりのタイミングt1,t2,t4や、立ち下がりのタイミングt3,t5,t7は、位相を約120度ずれるように設定されている。
【0075】
ここで、図10は入力側の回路モジュール1a,1b,1cと出力側の回路モジュール1Aの実装方法を説明する分解斜視図である。入力側の回路モジュール1a〜1c及び出力側の回路モジュール1Aは、共に、矩形板状の回路基板30を備え、回路基板30の一面にインダクタ11,ダイオード12,スイッチング素子13などの回路部品が実装されている。そして、各回路基板30の4辺のうち、互いに対向する2辺には、上述した外部接続端子T1〜T5のうち何れかの外部接続端子を構成する端子32が配置されている。
【0076】
各回路モジュール1a〜1c,1Aの端子32は互いに連結可能となっており、図10に矢印で示した端子32同士を接続することで、複数の回路モジュール1a〜1c及び1Aの間が電気的に接続されることになる。尚、入力側の回路モジュール1a〜1cと出力側の回路モジュール1Aは、例えば回路基板30の接続方向を反対向きにすることで、同一の回路モジュールを使用できるように設計することも可能である。
【0077】
この電源装置2が、光源として有機ELを用いる薄型の照明器具に使用される場合、光出力(負荷容量)を増加させるためには、面状光源の面積を増やす必要があり、照明器具が平面方向に広がることになる。負荷容量を増やすためには、電源装置2を構成する回路モジュールの数を増やす必要があるが、図10に示すように回路モジュール1を平面方向に増設することで、負荷容量の増加に対応できるので、器具本体が平面方向に広がる場合には好適であり、照明器具の薄型化を実現できる。尚、光源が発光ダイオードのような固体発光素子の場合でも、発光ダイオードの個数を増やすことで光出力を増加させる場合には、器具本体が平面方向に広がることになるので、回路モジュール1を平面方向に増設することによって、薄型でありながら光出力を増大させた照明器具を実現できる。
【0078】
ところで、上述の電源装置2では第1回路モジュールを複数の回路モジュールで構成しているが、図11に示すように、電源側の第1回路モジュールは1つの回路モジュール1aで構成し、負荷側の第2回路モジュールを複数の回路モジュール1A,1B,…,1Nで構成しても良い。この場合にも、出力側の制御回路5bが、各回路モジュール1A,1B,…,1Nの駆動回路に出力する制御信号S2A,S2B,…S2Nの位相をずらすことで、電源側からの入力電流を平均化できる。したがって、入力電流のピーク値やリップル成分が低減されるから、入力フィルタ(図示せず)や整流器DB1の定格を小さくでき、回路の小型化を図ることができる。ここにおいて、入力電流のピーク値やリップル成分を最小にするためには、第2回路モジュール1A,1B,…,1Nの数がN個の場合、スイッチング素子のオン/オフの1周期に対して、各回路モジュール1A,1B,…,1Nに与える制御信号の位相を、(360/N)度ずつずらせばよい。
【0079】
尚、出力側の制御回路5bでは、外部から入力される調光信号に応じて、各回路モジュール1A,1B,…,1Nが備えるスイッチング素子のオン/オフ期間を制御するようにしてもよい。
【0080】
(実施形態5)
本発明に係る照明器具の実施形態を図12に基づいて説明する。
【0081】
この照明器具は、縦横の寸法に比べて厚み寸法が小さい直方体状の器具本体40を有し、器具本体40の厚み方向における一面に、有機ELのような面状光源41が縦横に一定の間隔を開けて配置されている。この器具本体40には、実施形態1〜4で説明した電源装置2の何れかが収納されており、電源装置2により面状光源41を点灯させることができる。上述のように電源装置2は回路モジュール1を共通化することで、回路部品の種類を削減しているので、回路部品の種類を削減した照明器具を実現できる。また、上述のように電源装置2を薄型にできることから、薄型の照明器具を提供することができる。
【0082】
尚、本実施形態では光源が有機ELのような面状光源41で構成されているが、負荷である固体発光素子は有機ELに限定されるものではなく、発光ダイオードのような固体発光素子を光源としても良い。
【符号の説明】
【0083】
1a〜1n 回路モジュール
2 電源装置
3 交流電源
4 負荷回路
11 インダクタ
12 ダイオード
13 スイッチング素子
T1 第1の外部接続端子
T2 第2の外部接続端子
T3 第3の外部接続端子
T4 第4の外部接続端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及びそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(発光ダイオード)を点灯させる点灯装置として、LED素子からなる負荷回路をモジュール化したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図13は上記特許文献1に開示された点灯装置の回路図である。この点灯装置は整流ブリッジ101と定電流電源回路102とLEDモジュール103とで構成される。整流ブリッジ101は、交流電源100の交流電圧を全波整流して定電流電源回路102に出力する。定電流電源回路102は、整流ブリッジ101の整流出力を平滑する平滑コンデンサ105と、直流電圧変換回路106と、電流検出手段107を備える。この定電流電源回路102では、整流ブリッジ101の整流出力を平滑コンデンサ105で平滑した後、LEDモジュール103に定電流が流れるようにLEDモジュール103への出力電圧を直流電圧変換回路106が調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−142137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された電源装置では、例えば使用用途に応じて必要な個数だけLED素子を実装基板に実装することでLEDモジュール103を構成しており、そのため、LED素子の個数が異なる複数種類のLEDモジュール103が存在する。ここで、LED素子の個数が異なる複数種類のLEDモジュール103に対して1つの定電流電源回路102で対応できるのは、電源容量が負荷容量よりも大きい場合である。電源容量が負荷容量よりも小さい場合には、不足分を補うために定電流電源回路102を追加したり、定電流電源回路102の回路構成を変更する必要があり、回路部品の共通化が図りにくいという問題があった。また直流電圧変換回路106として、昇圧チョッパ、降圧チョッパ、昇降圧チョッパといった様々な回路が存在するため、回路部品の共通化が図りにくいという問題もあった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、回路部品の共通化を図ることで、回路部品の種類を削減した電源装置及びそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電源装置は、回路モジュールを複数組み合わせて構成され、電源電圧を所望の電圧に変換して負荷へ出力することを特徴とする。各回路モジュールは第1〜第4の外部接続端子を備える。第1及び第2の外部接続端子間にはインダクタとスイッチング素子との直列回路が接続される。インダクタ及びスイッチング素子の接続点にはダイオードのアノードが接続され、ダイオードのカソードは第3の外部接続端子に接続される。第4の外部接続端子にはスイッチング素子の制御端子が接続されている。
【0008】
この電源装置において、回路モジュールが、インダクタ及びダイオードの接続点に接続された第5の外部接続端子を備えることも好ましい。
【0009】
この電源装置において、回路モジュールが、第4の外部接続端子と制御端子の間に接続され、第4の外部接続端子に外部から入力される制御信号に応じてスイッチング素子をオン/オフさせる駆動回路を備えることも好ましい。
【0010】
この電源装置において、回路モジュールが第6乃至第10の外部接続端子のうち少なくとも1つを備えることも好ましい。第6の外部接続端子は、ダイオードのカソードに一端が接続されるコンデンサの他端に接続される。第7の外部接続端子は、インダクタの二次側に設けられ一端が第2の外部接続端子に接続された二次巻線の他端に接続される。第8の外部接続端子は、スイッチング素子と第2の外部接続端子の間に接続された第1の抵抗におけるスイッチング素子側の端子に接続される。第9の外部接続端子は、第1の外部接続端子と第2の外部接続端子の間に直列接続された第2の抵抗と第3の抵抗との接続点に接続される。第10の外部接続端子は、第3の外部接続端子と第2の外部接続端子の間に直列接続された第4の抵抗と第5の抵抗との接続点に接続される。
【0011】
この電源装置において、回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、第1制御回路および第2制御回路を備えることも好ましい。第1制御回路は、第1回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する。第2制御回路は、第2回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する。
【0012】
この電源装置において、N個(Nは2以上の整数)の回路モジュールが並列的に接続されている。そして、この電源装置は、各々の回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する制御回路を備え、制御回路は、各々の回路モジュールが備えるスイッチング素子について、スイッチングの位相を(360/N)度ずつ、ずらすことも好ましい。
【0013】
この電源装置において、回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、第1回路モジュールが備える第1の外部接続端子と第2の外部接続端子間に入力電源を接続し、第2回路モジュールが備える第3の外部接続端子と第1の外部接続端子間に負荷を接続するとともに、第1、第2回路モジュールが備える第3の外部接続端子同士を接続し、且つ、第1、第2回路モジュールが備える第2の外部接続端子同士を接続したことも好ましい。
【0014】
この電源装置において、負荷が固体発光素子であることも好ましい。
【0015】
本発明の照明器具は、上述した何れかの電源装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電源装置によれば、同じ回路構成を有する回路モジュールを複数組み合わせて構成されているので、回路モジュールの共通化を図ることで、電源装置を構成する回路部品の種類を削減することができる。
【0017】
また本発明の照明器具によれば、回路部品の共通化を図ることで、回路部品の種類を削減した照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は実施形態1の電源装置のブロック図、(b)は電源装置に用いられる回路モジュールの回路図である。
【図2】同上の電源装置の回路図である。
【図3】実施形態2の電源装置の回路図である。
【図4】実施形態3の電源装置に用いられる回路モジュールの回路図である。
【図5】同上の電源装置に用いられる、別の回路モジュールの回路図である。
【図6】同上の電源装置に用いられる、また別の回路モジュールの回路図である。
【図7】実施形態4の電源装置のブロック図である。
【図8】同上の電源装置の回路図である。
【図9】(a)〜(g)は同上の電源装置の各部の波形図である。
【図10】同上の電源装置に用いられる回路モジュールの接続方法を説明する概略的な分解斜視図である。
【図11】同上の電源装置のブロック図である。
【図12】実施形態5の照明器具に電源装置を組み込む前の状態を示す外観斜視図である。
【図13】従来の点灯装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜図2を参照して説明する。
【0021】
図1(a)に電源装置2の概略的なブロック図を示す。この電源装置2は、交流電源3から電源供給を受け、負荷回路4に応じた電圧、電流に変換し、負荷回路4に供給するものである。この電源装置2は複数の回路モジュール1a,1b,…,1nを備え、複数の回路モジュール1a,1b,…,1nの間を適宜接続することによって、所望の機能を有する回路が構成される。尚、複数の回路モジュール1a,1b,…,1nは同様の構成を有しており、回路モジュール全般の説明を行う場合は回路モジュール1と表記し、個々の回路モジュールについて説明する場合は回路モジュール1a,1b,…,1nと表記する。
【0022】
図1(b)は回路モジュール1の回路構成を示し、各回路モジュール1は、第1〜第5の外部接続端子(以下、外部接続端子と略称する。)T1〜T5とインダクタ11とダイオード12とスイッチング素子13を主要な構成として備える。第1及び第2の外部接続端子T1,T2間にはインダクタ11とスイッチング素子13との直列回路が接続される。インダクタ11及びスイッチング素子13の接続点にはダイオード12のアノードが接続され、ダイオード12のカソードには第3の外部接続端子T3が接続されている。スイッチング素子13は例えばMOS型電界効果トランジスタからなり、スイッチング素子13の制御電極(ゲート電極)には第4の外部接続端子T4が接続されている。またインダクタ11及びダイオード12の接続点には第5の外部接続端子T5が接続されている。尚、第2の外部接続端子T2は入力側および出力側の回路が接続しやすいように、2端子構成とするのが好ましい。
【0023】
このような回路モジュール1を最小単位とし、複数の回路モジュール1を用い、各回路モジュール1が備える外部接続端子T1〜T5の間を適宜接続することで、入力電源を所望の電圧、電流に変換して負荷回路4に供給することができる。尚、この回路モジュール1は、インダクタ11及びダイオード12の接続点に接続された外部接続端子T5を備えているが、少なくとも第1〜第4の外部接続端子T1〜T4を備えていればよい。
【0024】
上述のように電源装置2は、同じ回路構成の回路モジュール1を複数組み合わせて構成されるので、電源装置2を構成する回路部品の種類を低減でき、回路構成が簡単になるとともに、部品の種類を削減することでコストダウンを図ることができる。
【0025】
また電源装置2の主要部分は、基本的な回路構成をモジュール化した回路モジュール1を複数組み合わせて実現され、足りない部品を付加することによって電源装置2が構成される。すなわち、複数の回路モジュール1を組み合わせ、これに適宜必要な回路部品を追加することで、昇圧チョッパや降圧チョッパといった回路を実現できるから、別々の機能を実現する回路の主要部(回路モジュール1)を共通化することができる。また、回路モジュール1にわずかな回路部品を追加するだけで済むから、回路構成を簡略化できる。そして、個々の回路モジュール1が小型且つ薄型に実装できれば、電源装置2全体でも小型化や薄型化を実現できる。尚、各回路モジュール1は、それぞれ独立した回路基板に部品を実装して構成されており、同一の回路モジュール1を複数組み合わせて電源装置2を実現しているので、量産効果によって回路モジュール1の製造コストを低減することもできる。
【0026】
また回路モジュール1として、入力側の第1回路モジュール1と出力側の第2回路モジュール1を備える場合に、第1回路モジュール1と第2回路モジュール1とで各回路部品の定数が同じ値となるように設計すれば、入力側(電源側)に接続される回路モジュール1と出力側(負荷側)に接続される回路モジュール1とを共通化することができ、更に量産効果を高めることができる。また、全ての回路モジュール1を1枚の基板上に組み込むことも可能であり、その場合は各々の回路モジュール1に外部接続端子を設けなくて済むから、電源装置の小型化を図ることができる。
【0027】
次に、電源装置の具体構成を図2の回路図に基づいて説明する。この電源装置2は、整流器DB1と、上述の回路モジュール1a,1bと、コンデンサC1,C2と、制御回路5a,5bと、駆動回路6a,6bを主要な構成として備えている。
【0028】
ここで、2つの回路モジュール1a,1bのうち、回路モジュール1aにより電源側に接続される第1回路モジュールが、回路モジュール1bにより負荷側に接続される第2回路モジュールが構成される。
【0029】
第1制御回路たる制御回路5aは、回路モジュール1a(第1回路モジュール)のスイッチング素子13aをオン/オフさせる制御信号を出力する。第2制御回路たる制御回路5bは、回路モジュール1b(第2回路モジュール)のスイッチング素子13bをオン/オフさせる制御信号を出力する。駆動回路6a,6bは、それぞれ制御回路5a,5bからの制御信号に応じて、スイッチング素子13a,13bをオン/オフ駆動する。
【0030】
整流器DB1はダイオードブリッジからなり、交流電源3を全波整流する。尚、図示は省略しているが、交流電源3と整流器DB1の間にはローパスフィルタが接続されるのが一般的であり、入力電流の高調波成分を除去している。
【0031】
2個の回路モジュール1a,1bは直列的に接続されている。前段(電源側)の回路モジュール1aでは、外部接続端子T1aが整流器DB1の高圧側の直流出力端子に接続され、外部接続端子T2aが整流器DB1の低圧側の直流出力端子に接続されている。また回路モジュール1aの外部接続端子T3a,T2a間に電解コンデンサよりなる平滑コンデンサC1が接続され、外部接続端子T4aには駆動回路6aの出力端子が接続されている。ここで、前段の回路モジュール1aから所謂昇圧チョッパが構成され、整流器DB1の整流出力を昇圧した略一定の直流電圧を発生する。
【0032】
後段(負荷側)の回路モジュール1bでは、外部接続端子T3b,T2b間に平滑コンデンサC1が接続されている。また回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T1b間には、電解コンデンサよりなるコンデンサC2と、2個の発光ダイオードが直列接続された負荷回路4aがそれぞれ接続されている。また回路モジュール1bの外部接続端子T4bには駆動回路6bの出力端子が接続されている。ここで、後段の回路モジュール1bから所謂降圧チョッパが構成され、回路モジュール1aの出力電圧を降圧した直流電圧を負荷回路4aに出力する。
【0033】
尚、回路モジュール1aの外部接続端子T3a,T2a間、回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T2b間には共にコンデンサC1が接続されているが、このコンデンサC1の静電容量を2分割し、予め各回路モジュール1a,1bの基板上に配置してもよい。すなわち、回路モジュール1aでは外部接続端子T3a,T2aの間に、回路モジュール1bでは外部接続端子T3b,T2bの間に、それぞれ、静電容量がコンデンサC1の静電容量の約半分であるコンデンサが接続されることになる。
【0034】
この電源装置の動作を以下に簡単に説明する。入力側の回路モジュール1aでは、駆動回路6aがスイッチング素子13aを高周波でオン/オフさせる。スイッチング素子13aのオン時には、交流電源3→整流器DB1→インダクタ11a→スイッチング素子13a→整流器DB1→交流電源3の経路で電流が流れ、インダクタ11aにエネルギが蓄積される。スイッチング素子13aのオフ時には、インダクタ11a→ダイオード12a→コンデンサC1→整流器DB1→インダクタ11aの経路で電流が流れ、オン時にインダクタ11aに蓄積されたエネルギが放出される。上記の動作が電源周期に応じて繰り返され、制御回路5aではスイッチング周波数やオン時間を適宜調整することによって、コンデンサC1の両端間に略一定の直流電圧が発生する。
【0035】
出力側の回路モジュール1bは、コンデンサC1の両端間に発生する略一定の直流電圧を電源として動作し、スイッチング素子13bは駆動回路6bによって高周波でオン/オフされる。スイッチング素子13bのオン時には、コンデンサC1→コンデンサC2→インダクタ11b→スイッチング素子13b→コンデンサC1の経路で電流が流れ、インダクタ11bにエネルギを蓄積するとともに、コンデンサC2を充電する。スイッチング素子13bのオフ時には、インダクタ11b→ダイオード12b→コンデンサC2→インダクタ11bの経路で電流が流れ、オン時にインダクタ11bに蓄積されたエネルギが放出される。上記の動作を繰り返すことによって、コンデンサC2の両端電圧は、コンデンサC1の両端電圧よりも低い一定電圧に制御される。その結果、コンデンサC2のプラス側→負荷回路4a→コンデンサC2のマイナス側の経路で負荷回路4aに一定電流が流れ続けることになり、均一な光出力を得ることができる。
【0036】
ここで、インダクタ11a,11b、ダイオード12a,12b、スイッチング素子13a,13bにそれぞれ同じ部品を採用すれば、入力側および出力側の回路モジュール1a,1bを同じものにでき、電源装置2を構成する回路部品の種類を削減できる。また入力側の回路モジュール1aからなる昇圧チョッパで定電圧制御を行い、出力側の回路モジュール1bからなる降圧チョッパで定電流制御を行うことによって、入力電流を正弦波状にして入力電流歪みを低減することができる。また、電源電圧が変動した場合でも、昇圧チョッパにより出力電圧が一定値に制御されるから、負荷回路4aへの出力電流を略一定に制御でき、均一な光出力を得ることができる。
【0037】
また本実施形態の電源装置2は、複数の回路モジュール(電源側の第1回路モジュール1aと負荷側の第2回路モジュール1b)を接続して構成されており、定電圧制御を行う回路モジュール1aと、定電流制御を行う回路モジュール1bを別々に備えている。そして、各々の回路モジュール1a,1bについて、スイッチング素子13a,13bを制御する制御回路5a,5bがそれぞれ設けられているので、定電圧制御と定電流制御を独立して制御することができる。よって、入力側の回路モジュール1a及びその制御回路5aと、出力側の回路モジュール1b及びその制御回路5bを、定電圧制御のための回路と定電流制御のための回路とに機能を分離することができる。尚、図2の回路では、各回路モジュール1a,1bが第2の外部接続端子T2a,T2bを2個ずつ備えているが、回路モジュール1a,1bを実装する装置内で入力側及び出力側の回路が接続可能であれば、各回路モジュール1a,1bには第2の外部接続端子T2a,T2bを1端子のみとしてもよく、この場合は端子数が減ることでコストダウンを図ることができる。
【0038】
また、2つの制御回路5a,5bで発振器を共用するなどすれば、回路構成をさらに簡略化できる。
【0039】
また、図2の電源装置では、各回路モジュール1a,1bに設けられた第5の外部接続端子T5a,T5bを回路間の接続に使用していないが、この外部接続端子T5a,T5bを用いてインダクタ、ダイオード、スイッチング素子と並列に回路部品を追加できる。例えば外部接続端子T5a,T1a間に別のインダクタを、外部接続端子T5a,T3a間に別のダイオードを、外部接続端子T5a,T2a間に別のスイッチング素子を接続することで、回路モジュール1a自体を変更することなく、後から回路部品を並列的に追加できる。これにより、電流容量を増やしたい場合には、インダクタ11aと並列に別のインダクタ(図示せず)を接続して電流を分流させるとともに、スイッチング素子13aと並列に別のスイッチング素子(図示せず)を接続して電流を分流させればよい。
【0040】
このように、第5の外部接続端子T5a,T5bを用いて、後からインダクタ、ダイオード又はスイッチング素子と並列的に回路部品を追加できるから、回路モジュール1を構成するインダクタ、ダイオード又はスイッチング素子の定格容量を小さくでき、回路モジュール1のコストダウンを図ることができる。そして、定格容量を増やす場合には、インダクタ、ダイオード又はスイッチング素子と並列的に回路部品を追加することで容易に対応できる。
【0041】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図3に基づいて説明する。尚、電源装置2の構成は実施形態1と略同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0042】
電源装置2は2つの回路モジュール1a,1bを備え、入力側(電源側)の第1回路モジュール1aで昇圧チョッパを構成し、出力側(負荷側)の回路モジュール1bで降圧チョッパを構成している。
【0043】
回路モジュール1a,1bの基本的な構成は実施形態1で説明したものと同様であるが、本実施形態では各回路モジュール1a,1bにおいて回路動作を検出するための検出点を増やしてある。
【0044】
回路モジュール1aは、実施形態1の構成に加えて、インダクタ11aに磁気結合された二次巻線14aを備え、この二次巻線14aの一端を第2の外部接続端子T2aに接続するとともに、二次巻線14aの他端を第7の外部接続端子T7aに接続してある。また回路モジュール1aは、スイッチング素子13aのソースと外部接続端子T2aの間に接続される第1の抵抗15aを備えるとともに、抵抗15aにおけるスイッチング素子13a側の端子に接続された第8の外部接続端子T8aを備えている。また回路モジュール1aは、外部接続端子T1aと外部接続端子T2aの間に接続された第2の抵抗16aと第3の抵抗17aの直列回路を備えるとともに、抵抗16a,17aの接続点に接続された第9の外部接続端子T9aを備えている。また回路モジュール1aは、外部接続端子T3aと外部接続端子T2aの間に接続された第4の抵抗18aと第5の抵抗19aの直列回路を備えるとともに、抵抗18a,19aの接続点に接続された第10の外部接続端子T10aを備えている。この回路モジュール1aの外部接続端子T1a,T2a間には整流器DB1の直流出力端子が接続され、外部接続端子T3a,T2aの間にコンデンサC1が接続されている。第6〜第10の外部接続端子T6a〜T10aの信号は、回路モジュール1aの動作を制御する制御回路5aに入力されており、外部接続端子T10aの信号は、回路モジュール1bの動作を制御する制御回路5bにも入力されている。
【0045】
また回路モジュール1bは、実施形態1の構成に加えて、インダクタ11bに磁気結合された二次巻線14bを備え、この二次巻線14bの一端を第2の外部接続端子T2bに接続するとともに、二次巻線14bの他端を第7の外部接続端子T7bに接続してある。また回路モジュール1bは、スイッチング素子13bと外部接続端子T2bの間に接続される第1の抵抗15bを備え、抵抗15bにおけるスイッチング素子13b側の端子に接続された第8の外部接続端子T8bを備えている。また回路モジュール1bは、外部接続端子T1bと外部接続端子T2bの間に接続された第2の抵抗16bと第3の抵抗17bの直列回路を備えるとともに、抵抗16b,17bの接続点に接続された第9の外部接続端子T9bを備えている。この回路モジュール1bでは、第2の外部接続端子T2bに加えて、第3の外部接続端子T3bも2端子構成としてある。そして、回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T2b間にコンデンサC1が接続されるとともに、外部接続端子T3b,T1b間にコンデンサC2と負荷回路4bを並列接続してある。第6〜第9の外部接続端子T6a〜T9aの信号は、回路モジュール1bの動作を制御する制御回路5bに入力されている。
【0046】
この電源装置2の動作は、実施形態1で説明した電源装置2と同様であるので、その動作について詳細な説明は省略する。この電源装置2では、入力側の回路モジュール1aからなる昇圧チョッパで定電圧制御を行い、出力側の回路モジュール1bからなる降圧チョッパで定電流制御を行うことによって、入力電流を正弦波状にして入力電流歪みを低減している。また、電源電圧が変動した場合でも、昇圧チョッパにより出力電圧が一定値に制御されるから、負荷回路4aへの出力電流を略一定に制御でき、均一な光出力を得ることができる。
【0047】
また本実施形態では、実施形態1の電源装置に比べて、各回路モジュール1a,1bにおいて回路動作を検出するための検出点(第6〜第10の外部接続端子)を追加してあるので、これらの検出点の検出信号に基づいて、より細かい制御を行うことができる。
【0048】
例えば回路モジュール1aでは、抵抗16a,17aの両端間に整流器DB1の整流出力が印加され、抵抗16a,17aの接続点には整流出力に比例した電圧が発生する。したがって、制御回路5aでは、外部接続端子T9aから入力された信号をもとに整流器DB1の出力電圧を検出でき、この出力電圧が予め設定した電圧以下であれば制御動作を停止する機能(この機能を低電圧停止機能と言う。)を設けることができる。また制御回路5aでは、外部接続端子T9aから入力される信号を、整流器DB1からの入力電流波形を正弦波状にするためのリファレンス電圧として利用することもできる。
【0049】
また、スイッチング素子13aのソースに接続された抵抗15aの両端間には、スイッチング素子13aに流れる電流に比例した電圧が発生する。したがって、制御回路5aでは、外部接続端子T8aを介して入力される抵抗15aの両端電圧が所定の基準値を超えると、スイッチング素子13aをオフ制御することで、スイッチング素子13aに余分なストレスが加わるのを防止できる。また制御回路5aでは、外部接続端子T8aから入力される抵抗15aの両端電圧を、外部接続端子T7aから入力される巻線電圧と組み合わせることで、インダクタ11aに流れる電流を後述の臨界モードに制御でき、回路効率を向上させることができる。
【0050】
また制御回路5aには、外部接続端子T7aを介してインダクタ11aの二次巻線14aに発生する電圧が入力されており、この電圧信号からインダクタ11aに流れる電流を検出できる。これにより制御回路5aでは、スイッチング素子13aのオフ時にインダクタ11aに流れる電流がゼロになった時点を、外部接続端子T7aの信号から検出できる。制御回路5aでは、インダクタ11aに流れる電流がゼロになるタイミングでスイッチング素子13aをオンさせることによって、インダクタ11aに流れる電流を臨界モードに維持でき、インダクタ11aに電流が流れない期間が発生する不連続モードに比べて、入力電流のピーク値を低減できる。また、電源装置2の起動後において制御回路5aの動作電源を、外部接続端子T7aから入力される二次巻線14aの電圧から得ることもできる。
【0051】
また抵抗18a,19aの両端間にはコンデンサC1の両端電圧が印加されるため、抵抗18a,19aの接続点にはコンデンサC1の両端電圧に比例した電圧が発生する。したがって、制御回路5aでは、外部接続端子T10aを介して入力される抵抗19aの両端電圧が略一定となるように、スイッチング素子13aのオンデューティを制御することで、コンデンサC1の両端電圧を一定値に制御することができる。すなわち回路モジュール1aを昇圧チョッパとして使用する場合に、制御回路5aでは、外部接続端子T10aから入力される電圧をもとに出力電圧を検出でき、定電圧制御のためのフィードバック信号として利用できる。また制御回路5aでは、抵抗18aの両端電圧が所定の基準値を超えるとスイッチング素子13aをオフさせており、外部接続端子T10aから入力される電圧信号を過電圧検出に利用できる。なお抵抗18a,19aの両端電圧は回路モジュール1bの外部接続端子T3b,T2b間の電圧と同じになるので、本回路では外部接続端子T10aを介して入力される電圧信号を制御回路5bにも入力している。制御回路5bでは、外部接続端子T10aから入力される電圧信号が予め設定された基準値以下になると、スイッチング素子13bをオフさせており、入力電圧が不足している状態で降圧チョッパが動作しないように制御できる。本回路では回路モジュール1aの外部接続端子T10aから入力される電圧を、回路モジュール1bの入力電圧として制御回路5bに入力させることで、抵抗18a,19aからなる分圧回路を両回路モジュール1a,1bで共用することができる。尚、回路モジュール1a,1bの構成を同じにするためには、回路モジュール1b側でも外部接続端子T3b,T2bの間に第2,第3の抵抗を直列に接続し、第2及び第3の抵抗の接続点に第10の外部接続端子を接続すればよい。この場合は第10の外部接続端子の信号を制御回路5bに入力させることができる。また、何れの回路モジュール1a,1bでも第3の外部接続端子と第2の外部接続端子の間に抵抗18a,19aに相当する抵抗を接続せず、後付けでコンデンサC1と並列に分圧回路を接続し、その分圧電圧を制御回路5a,5bに入力させてもよい。
【0052】
また、回路モジュール1bの動作を制御する制御回路5bでは、スイッチング素子13bに直列に接続された抵抗15bの両端電圧を、負荷に流れる電流を制御するのに利用することができる。また制御回路5bは、抵抗15bの両端電圧からスイッチング素子13bに流れる電流を検出し、この電流が一定値を超えるとスイッチング素子13bをオフさせることで、抵抗15bの両端電圧を異常状態の検出に利用することもできる。
【0053】
また制御回路5bでは、インダクタ11bの二次側に設けられた二次巻線14bの両端電圧から、インダクタ11bに流れる電流を検出でき、出力側においても臨界モードでスイッチング素子13bを動作させることで、効率を向上させることができる。また二次巻線14bの両端電圧から、制御回路5bを動作させるのに必要な電源の一部を得ることもできる。
【0054】
また制御回路5bでは、外部接続端子T1b,T2b間に接続された抵抗16b,17bの分圧電圧を、制御のためのフィードバックや、負荷回路の異常検出に利用することができる。
【0055】
尚、本実施形態の回路モジュール1a又は1bでは、実施形態1の回路モジュール1に対し、検出点として第7〜第10の外部接続端子T7〜T10を追加してあるが、これらを全て追加する必要はなく、これらのうちの1乃至複数を追加しても良い。
【0056】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図4〜図6に基づいて説明する。本実施形態の回路モジュール1は、実施形態1の電源装置を構成する回路モジュール1に、更に回路部品を追加したものである。尚、実施形態1で説明した回路モジュール1と共通する構成要素には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0057】
図4は回路モジュール1のみの回路図であり、スイッチング素子13の制御端子(ゲート)と第4の外部接続端子T4の間に駆動回路6が接続されている。また、ダイオードD1のカソードにコンデンサ20の一端を接続するとともに、コンデンサ20の他端に第6の外部接続端子T6を接続してある。
【0058】
この回路モジュール1では、駆動回路6も内蔵しているので、外部接続端子T6への入力信号は、制御のための小信号で済み、例えばマイコンなどから回路モジュール1を直接制御することが可能になる。
【0059】
また、ダイオード12のカソードに一端側が接続されたコンデンサ20を他の回路要素には接続せず、外部接続端子T6のみに接続しているので、回路形態に応じて外部接続端子T6の接続先を変更することで、回路モジュール1としては共通のものを使用できる。
【0060】
例えば回路モジュール1で昇圧チョッパを構成する場合は、第6の外部接続端子T6を第2の外部接続端子T2に接続すればよい。また回路モジュール1で降圧チョッパを構成する場合は、第6の外部接続端子T6を第1の外部接続端子T1に接続すればよい。このように回路モジュール1内にコンデンサ20を予め接続しておくことで、部品の追加なしに、昇圧チョッパや降圧チョッパなどの電源回路を構成することができる。また入力側や出力側で全体の容量を増やす場合には入力側、出力側の回路モジュール1を増やすことになるが、回路モジュール1自体がコンデンサ20を備えているので、入力側や出力側で全体の容量を増やす場合でも新たにコンデンサを追加する必要がない。ここで、昇圧チョッパとしての回路モジュール1の動作や、降圧チョッパとしての回路モジュール1の動作は実施形態1で説明したのと同様であるので、その説明は省略する。
【0061】
尚、本実施形態では、実施形態1で説明した回路モジュール1に駆動回路6とコンデンサ20を追加してあるが、何れか一方のみを追加するようにしてもよい。
【0062】
また実施形態2で説明した回路モジュール1a,1bにおいて、スイッチング素子13の制御端子(ゲート)と第4の外部接続端子T4の間に駆動回路6を接続しても良い。この場合、実施形態2で説明した回路モジュール1a,1bは、実施形態1の回路モジュール1に検出点として第7〜第10の外部接続端子T7〜T10を追加してあるが、これらの検出点を全て追加する必要はなく、それらの内の1乃至複数を追加しても良い。
【0063】
例えば図5に示す回路モジュール1では、実施形態1の回路モジュール1に対して、スイッチング素子13のゲートと外部接続端子T4の間に駆動回路6を接続するとともに、検出点として第7及び第8の外部接続端子T7,T8が設けられている。インダクタ11の二次側に設けられた二次巻線14の一端が外部接続端子T2に接続されるとともに、二次巻線14の他端が外部接続端子T8に接続されている。また、スイッチング素子13と外部接続端子T2の間に抵抗15が接続されるとともに、スイッチング素子13及び外部接続端子T2の接続点に外部接続端子T8が接続されている。
【0064】
また、図6に示す回路モジュール1では、実施形態1の回路モジュール1に対して、スイッチング素子13のゲートと外部接続端子T4の間に駆動回路6を接続するとともに、検出点として第9及び第10の外部接続端子T9,T10が設けられている。すなわち、この回路モジュール1では、外部接続端子T1,T2間に直列接続された抵抗16,17の接続点に外部接続端子T9が接続されるとともに、外部接続端子T3,T2間に直列接続された抵抗18,19の接続点に外部接続端子T10が接続されている。
【0065】
また実施形態2で説明した回路モジュール1a,1bにおいて、ダイオードD1のカソードにコンデンサ20の一端を接続するとともに、コンデンサ20の他端に第6の外部接続端子T6を接続してもよい。この場合、回路モジュール1a,1bは検出点として第6〜第10の外部接続端子T6〜T10を備えることになるが、これらの検出点を全て備える必要はなく、これらのうちの1乃至複数を備えるものでもよい。
【0066】
ところで、図4〜図6には回路モジュール1のみの回路構成が示されているが、回路モジュール1が備える外部接続端子は、回路モジュール1を組み合わせて電源装置2を構成する際に出来る限り短い配線で接続できるように、基板上に配置されることが好ましい。そのため、同一の外部接続端子を複数個、配置を変えて設けたり、回路モジュール1の対向する辺まで配線パターンを延長して外部接続端子を基板の端部に配置してもよく、外部接続端子の個数や配置を適宜設計することで、追加の配線を減らすことができる。
【0067】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図7〜図11に基づいて説明する。実施形態1〜3で説明した電源装置2では、入力側の第1回路モジュールと出力側の第2回路モジュールをそれぞれ1つの回路モジュール1a,1bで構成している。それに対して、本実施形態の電源装置2では、図7のブロック図に示されるように、出力側の第2回路モジュールが1つの回路モジュール1Aで構成され、入力側の第1回路モジュールが複数の回路モジュール1a〜1nで構成されている。尚、本実施形態では入力側の第1回路モジュールには、1a,1b,…,1nのように小文字のアルファベットを付けて表記し、出力側の第2回路モジュールには1Aのように大文字のアルファベットを付けて表記してある。
【0068】
図8は、本実施形態の電源装置2の具体回路を示す回路図である。この電源装置2では、図2に示す電源装置2と同様、入力側の第1回路モジュールで昇圧チョッパを、出力側の第2回路モジュールで降圧チョッパを構成しているが、入力側の第1回路モジュールを複数の回路モジュールで構成した点が図2の回路と相違する。
【0069】
入力側の複数の回路モジュール1a,1b,…,1nは同じ構成を有しているので、回路モジュール1aで回路構成を説明し、他の回路モジュール1b,…,1nについては説明を省略する。入力側の回路モジュール1aは、実施形態1で説明した回路モジュール1に対し、スイッチング素子13aと外部接続端子T4aの間に駆動回路6aが追加され、さらに外部接続端子T3a,T2a間にコンデンサ20aが追加されている。また出力側の回路モジュール1Aは、実施形態1で説明した回路モジュール1に対し、スイッチング素子13Aと外部接続端子T4Aの間に駆動回路6Aが追加されている。尚、追加された駆動回路及びコンデンサ以外の構成は実施形態1の回路モジュール1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0070】
この電源装置2は、入力側に、それぞれ昇圧チョッパを構成する回路モジュール1a,1b,…,1nを複数備えており、各回路モジュール1a,1b,…,1nは互いに並列接続されている。そして、制御回路5aから各回路モジュール1a,1b,…,1nの外部接続端子T4a,T4b,…,T4nに制御信号S1a,S1b,…,S1nをそれぞれ送信することで、各回路モジュール1a,1b,…,1nの動作が個別に制御されている。
【0071】
次に、入力側の回路モジュールの数を3個とした場合の電源装置2の動作について図9(a)〜(g)の波形図を参照して説明する。尚、図9(a)〜(c)は、それぞれ、駆動回路6a,6b,6cに入力される制御信号S1a,S1a,S1cの波形図である。図9(d)〜(f)は、それぞれ、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流の波形図であり、図9(g)は整流器DB1から入力される入力電流I1の波形図である。
【0072】
制御回路5aは、各回路モジュール1a,1b,1cのオン/オフを個別に切り替える制御信号S1a,S1b,S1cを出力し、この制御信号S1a,S1b,S1cに応じて駆動回路6a…がスイッチング素子13a…をオン/オフさせる。そして、各回路モジュール1a〜1cでは、スイッチング素子13a…がオン/オフすることによって、実施形態1で説明したように昇圧チョッパとして動作する。尚、昇圧チョッパとしての回路動作は実施形態1で説明したのと同様であるから、その説明は省略する。
【0073】
ここで、制御回路5aは、各回路モジュール1a,1b,1cに出力する制御信号S1a,S1b,S1cの位相をずらして発生しており、これによりインダクタ11a,11b,11cに流れる電流のピーク値を分散させることができる。整流器DB1からの入力電流I1は、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流の合成電流となるので、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流のピーク値をずらすことで、合成電流I1が平均的な電流値となる。このため、例えば図9(g)の電流波形は、インダクタ11a,11b,11cに流れる電流波形を単純にn倍した波形とはならず、ピーク値が低減されるとともに、交流電源3からの入力電流に含まれるリップル成分を低減できる。また、入力電流のピーク値やリップル成分を低減することで、回路部品に加わるストレスを低減でき、また図示しない入力フィルタや整流器DB1の定格を小さくできるから、回路の小型化を図ることができる。
【0074】
ここにおいて、入力電流に含まれるリップル成分を最小にするためには、回路モジュールの数がN個の場合、スイッチング素子のオン/オフの1周期に対して、各回路モジュールに与える制御信号の位相を、(360/N)度ずつずらせばよい。ここで、制御信号の位相をずらすタイミングは、例えば制御回路5aを構成するマイコンのタイマ機能を利用すれば、容易に決定することができる。尚、回路モジュールの個数が3個の場合は、制御信号S1a,S1b,S1cの位相を、360/3=120(度)ずつずらせばよい。図9に示すように、制御信号S1a,S1b,S1cの立ち上がりのタイミングt1,t2,t4や、立ち下がりのタイミングt3,t5,t7は、位相を約120度ずれるように設定されている。
【0075】
ここで、図10は入力側の回路モジュール1a,1b,1cと出力側の回路モジュール1Aの実装方法を説明する分解斜視図である。入力側の回路モジュール1a〜1c及び出力側の回路モジュール1Aは、共に、矩形板状の回路基板30を備え、回路基板30の一面にインダクタ11,ダイオード12,スイッチング素子13などの回路部品が実装されている。そして、各回路基板30の4辺のうち、互いに対向する2辺には、上述した外部接続端子T1〜T5のうち何れかの外部接続端子を構成する端子32が配置されている。
【0076】
各回路モジュール1a〜1c,1Aの端子32は互いに連結可能となっており、図10に矢印で示した端子32同士を接続することで、複数の回路モジュール1a〜1c及び1Aの間が電気的に接続されることになる。尚、入力側の回路モジュール1a〜1cと出力側の回路モジュール1Aは、例えば回路基板30の接続方向を反対向きにすることで、同一の回路モジュールを使用できるように設計することも可能である。
【0077】
この電源装置2が、光源として有機ELを用いる薄型の照明器具に使用される場合、光出力(負荷容量)を増加させるためには、面状光源の面積を増やす必要があり、照明器具が平面方向に広がることになる。負荷容量を増やすためには、電源装置2を構成する回路モジュールの数を増やす必要があるが、図10に示すように回路モジュール1を平面方向に増設することで、負荷容量の増加に対応できるので、器具本体が平面方向に広がる場合には好適であり、照明器具の薄型化を実現できる。尚、光源が発光ダイオードのような固体発光素子の場合でも、発光ダイオードの個数を増やすことで光出力を増加させる場合には、器具本体が平面方向に広がることになるので、回路モジュール1を平面方向に増設することによって、薄型でありながら光出力を増大させた照明器具を実現できる。
【0078】
ところで、上述の電源装置2では第1回路モジュールを複数の回路モジュールで構成しているが、図11に示すように、電源側の第1回路モジュールは1つの回路モジュール1aで構成し、負荷側の第2回路モジュールを複数の回路モジュール1A,1B,…,1Nで構成しても良い。この場合にも、出力側の制御回路5bが、各回路モジュール1A,1B,…,1Nの駆動回路に出力する制御信号S2A,S2B,…S2Nの位相をずらすことで、電源側からの入力電流を平均化できる。したがって、入力電流のピーク値やリップル成分が低減されるから、入力フィルタ(図示せず)や整流器DB1の定格を小さくでき、回路の小型化を図ることができる。ここにおいて、入力電流のピーク値やリップル成分を最小にするためには、第2回路モジュール1A,1B,…,1Nの数がN個の場合、スイッチング素子のオン/オフの1周期に対して、各回路モジュール1A,1B,…,1Nに与える制御信号の位相を、(360/N)度ずつずらせばよい。
【0079】
尚、出力側の制御回路5bでは、外部から入力される調光信号に応じて、各回路モジュール1A,1B,…,1Nが備えるスイッチング素子のオン/オフ期間を制御するようにしてもよい。
【0080】
(実施形態5)
本発明に係る照明器具の実施形態を図12に基づいて説明する。
【0081】
この照明器具は、縦横の寸法に比べて厚み寸法が小さい直方体状の器具本体40を有し、器具本体40の厚み方向における一面に、有機ELのような面状光源41が縦横に一定の間隔を開けて配置されている。この器具本体40には、実施形態1〜4で説明した電源装置2の何れかが収納されており、電源装置2により面状光源41を点灯させることができる。上述のように電源装置2は回路モジュール1を共通化することで、回路部品の種類を削減しているので、回路部品の種類を削減した照明器具を実現できる。また、上述のように電源装置2を薄型にできることから、薄型の照明器具を提供することができる。
【0082】
尚、本実施形態では光源が有機ELのような面状光源41で構成されているが、負荷である固体発光素子は有機ELに限定されるものではなく、発光ダイオードのような固体発光素子を光源としても良い。
【符号の説明】
【0083】
1a〜1n 回路モジュール
2 電源装置
3 交流電源
4 負荷回路
11 インダクタ
12 ダイオード
13 スイッチング素子
T1 第1の外部接続端子
T2 第2の外部接続端子
T3 第3の外部接続端子
T4 第4の外部接続端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の外部接続端子間に接続されたインダクタとスイッチング素子との直列回路と、前記インダクタ及び前記スイッチング素子の接続点にアノードが接続されるとともに、第3の外部接続端子にカソードが接続されたダイオードと、前記スイッチング素子の制御端子に接続された第4の外部接続端子とをそれぞれ具備した回路モジュールを複数組み合わせて構成され、電源電圧を所望の電圧に変換して負荷へ出力することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記回路モジュールは、前記インダクタ及び前記ダイオードの接続点に接続された第5の外部接続端子を備えることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記回路モジュールは、前記第4の外部接続端子と前記制御端子の間に接続され、前記第4の外部接続端子に外部から入力される制御信号に応じて前記スイッチング素子をオン/オフさせる駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項4】
前記回路モジュールは第6乃至第10の外部接続端子のうち少なくとも1つを備え、
前記第6の外部接続端子は、前記ダイオードのカソードに一端が接続されるコンデンサの他端に接続され、
前記第7の外部接続端子は、前記インダクタの二次側に設けられ一端が前記第2の外部接続端子に接続された二次巻線の他端に接続され、
前記第8の外部接続端子は、前記スイッチング素子と前記第2の外部接続端子の間に接続された第1の抵抗における前記スイッチング素子側の端子に接続され、
前記第9の外部接続端子は、前記第1の外部接続端子と前記第2の外部接続端子の間に直列接続された第2の抵抗と第3の抵抗との接続点に接続され、
前記第10の外部接続端子は、前記第3の外部接続端子と前記第2の外部接続端子の間に直列接続された第4の抵抗と第5の抵抗との接続点に接続されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電源装置。
【請求項5】
前記回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、前記第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、前記第1回路モジュールが備える前記スイッチング素子のオン/オフを制御する第1制御回路と、前記第2回路モジュールが備える前記スイッチング素子のオン/オフを制御する第2制御回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電源装置。
【請求項6】
N個(Nは2以上の整数)の前記回路モジュールが並列的に接続されており、
各々の前記回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、各々の前記回路モジュールが備える前記スイッチング素子について、スイッチングの位相を(360/N)度ずつ、ずらしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電源装置。
【請求項7】
前記回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、前記第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、
前記第1回路モジュールが備える前記第1の外部接続端子と前記第2の外部接続端子間に入力電源を接続し、前記第2回路モジュールが備える前記第3の外部接続端子と前記第1の外部接続端子間に負荷を接続するとともに、前記第1、第2回路モジュールが備える前記第3の外部接続端子同士を接続し、且つ、前記第1、第2回路モジュールが備える前記第2の外部接続端子同士を接続したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電源装置。
【請求項8】
前記負荷が固体発光素子であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電源装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の電源装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
第1及び第2の外部接続端子間に接続されたインダクタとスイッチング素子との直列回路と、前記インダクタ及び前記スイッチング素子の接続点にアノードが接続されるとともに、第3の外部接続端子にカソードが接続されたダイオードと、前記スイッチング素子の制御端子に接続された第4の外部接続端子とをそれぞれ具備した回路モジュールを複数組み合わせて構成され、電源電圧を所望の電圧に変換して負荷へ出力することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記回路モジュールは、前記インダクタ及び前記ダイオードの接続点に接続された第5の外部接続端子を備えることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記回路モジュールは、前記第4の外部接続端子と前記制御端子の間に接続され、前記第4の外部接続端子に外部から入力される制御信号に応じて前記スイッチング素子をオン/オフさせる駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項4】
前記回路モジュールは第6乃至第10の外部接続端子のうち少なくとも1つを備え、
前記第6の外部接続端子は、前記ダイオードのカソードに一端が接続されるコンデンサの他端に接続され、
前記第7の外部接続端子は、前記インダクタの二次側に設けられ一端が前記第2の外部接続端子に接続された二次巻線の他端に接続され、
前記第8の外部接続端子は、前記スイッチング素子と前記第2の外部接続端子の間に接続された第1の抵抗における前記スイッチング素子側の端子に接続され、
前記第9の外部接続端子は、前記第1の外部接続端子と前記第2の外部接続端子の間に直列接続された第2の抵抗と第3の抵抗との接続点に接続され、
前記第10の外部接続端子は、前記第3の外部接続端子と前記第2の外部接続端子の間に直列接続された第4の抵抗と第5の抵抗との接続点に接続されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電源装置。
【請求項5】
前記回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、前記第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、前記第1回路モジュールが備える前記スイッチング素子のオン/オフを制御する第1制御回路と、前記第2回路モジュールが備える前記スイッチング素子のオン/オフを制御する第2制御回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電源装置。
【請求項6】
N個(Nは2以上の整数)の前記回路モジュールが並列的に接続されており、
各々の前記回路モジュールが備えるスイッチング素子のオン/オフを制御する制御回路を備え、
前記制御回路は、各々の前記回路モジュールが備える前記スイッチング素子について、スイッチングの位相を(360/N)度ずつ、ずらしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電源装置。
【請求項7】
前記回路モジュールが、電源側に接続される第1回路モジュールと、前記第1回路モジュールよりも負荷側に接続される第2回路モジュールを含み、
前記第1回路モジュールが備える前記第1の外部接続端子と前記第2の外部接続端子間に入力電源を接続し、前記第2回路モジュールが備える前記第3の外部接続端子と前記第1の外部接続端子間に負荷を接続するとともに、前記第1、第2回路モジュールが備える前記第3の外部接続端子同士を接続し、且つ、前記第1、第2回路モジュールが備える前記第2の外部接続端子同士を接続したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電源装置。
【請求項8】
前記負荷が固体発光素子であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電源装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の電源装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−75201(P2012−75201A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216168(P2010−216168)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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