説明

電源装置及び画像形成装置

【課題】オートオフ信号が有効である場合、ACスイッチオフ後の電源再供給を即可能にし、アラーム信号が有効である場合、ACスイッチオフ後の電源再供給時間に、ユーザへ装置故障を認識させるため所望の待ち時間を確保する。
【解決手段】電源装置20Aは、ACスイッチ21aと、変換部26と、オートオフ信号AUT−OFF−P及びアラーム信号ALM−Pに基づいて電源電力を遮断すると共に、電源電力を遮断した信号の種類によって、電源再供給時間を切り替える制御部(30,70〜73)とを備えている。これにより、オートオフ信号が有効である場合、ACスイッチオフ後の電源再供給を即可能にし、アラーム信号が有効である場合、ACスイッチオフ後の電源再供給時間を所定の待ち時間とすることにより、ユーザへ装置故障を認識させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源である電源装置と、この電源装置及び画像形成部を備えた画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電源スイッチを介して入力される交流電力を所望の直流電力に変換する電源装置と、その直流電力により駆動される負荷側の装置(例えば、画像形成装置本体としてのプリンタ本体)と、を備えた画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、プリンタ本体に異常が発生すると、このプリンタ本体側からアラーム信号が出力されて電源装置側がオフ状態になる構成になっている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、負荷側の装置に異常が発生すると、電源装置側をオフ状態にする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−27072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像形成装置において、低消費電力化を図るために、プリンタ本体を一定時間使用しない時に、電源装置を自動でオフ状態にさせるオートオフ(Auto OFF)機能を付加する場合、次のような課題があった。
【0006】
プリンタ本体に異常が発生すると、このプリンタ本体側からアラーム信号が出力されて電源装置側がオフ状態になる。その後、電源スイッチをオフ状態にし、再度、電源スイッチをオン状態にして交流電力を再供給する場合、ユーザへ装置故障を認識させるため、一定のラッチ解除時間(例えば、数分程度)が経過しなければ、電源スイッチをオン状態にしても、交流電力が再供給されない構成になっている。
【0007】
このような構成に、オートオフ機能を付加した場合、このオートオフ機能が働いて電源装置がオフ状態になった後、電源スイッチをオン状態にして交流電力を再供給しても、前記ラッチ解除時間が経過しなければ、交流電力の再供給ができない。そのため、交流電力再供給におけるユーザの待ち時間が発生し、不利不便である。
【0008】
そこで、電源スイッチオフ後の前記ラッチ解除時間を短縮することが考えられる。しかし、ラッチ解除時間を短くすれば、ユーザへ装置故障を認識させられなくなるので、安易に電源スイッチオフ後のラッチ解除時間を短縮することができず、前記の不利不便さを解決することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のうちの第1の発明の電源装置は、オン状態の時に電源電力を供給し、オフ状態の時に前記電源電力の供給を遮断する電源スイッチと、前記電源スイッチにより供給された前記電源電力を変換し所望の出力電力を出力する変換部と、故障を通知するアラーム信号又は省電力を指示する省電力信号に基づいて前記電源電力の供給を遮断し、前記電源スイッチをオフ状態にした後に再度オン状態にして前記電源電力の再供給を行う場合において、前記アラーム信号に基づいて前記電源電力の供給を遮断した場合は、前記電源電力の再供給を所定時間だけ制限し、前記省電力信号に基づいて前記電源電力の供給を遮断した場合は、前記所定時間を短くして前記電源電力を再供給するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明の画像形成装置は、前記第1の発明の電源装置と、前記電源装置の前記出力電力により駆動され、記録媒体に画像を形成する画像形成装置本体と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電源装置及び画像形成装置によれば、省電力信号が有効である場合、電源スイッチオフ後の電源再供給が即可能となる。更に、アラーム信号が有効である場合、電源スイッチオフ後の電源再供給時間に、ユーザへ装置故障を認識させるため所望の待ち時間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の実施例1における電源装置の構成ブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施例1におけるプリンタ本体の構成を示す概略の斜視図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の比較例を示す電源装置20の構成ブロック図である。
【図4】図4は図3の電源装置20の構成例を示す回路図である。
【図5】図5は図3及び図4中のアラーム信号処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6はACスイッチ21aのオフ後の図4中の電解コンデンサ25aの残電圧についての説明図である。
【図7】図7は図1の電源装置20Aの構成例を示す回路図である。
【図8】図8は図1及び図7の電源装置20Aにおける全体の動作を示す概略のフローチャートである。
【図9】図9は図8中のステップS23のオートオフ信号処理の動作を示す電源装置20Aの構成ブロック図である。
【図10】図10は図8中のステップS23のオートオフ信号処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は図8中のステップS24のアラーム信号処理の動作を示す電源装置20Aの構成ブロック図である。
【図12】図12は図8中のステップS24のアラーム信号処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13はACスイッチ21aのオフ後の図7中のコンデンサ23cの残電圧についての説明図である。
【図14】図14は図7中のフォトカプラの発光部72e、73dの点灯条件を示す図である。
【図15】図15は図7中のフォトトランジスタ32a、71gのオン/オフと、IC30の動作状態及びユーザによる電源再立ち上げ時間との関係を示す図である。
【図16】図16は本発明の実施例2における電源装置20Bの構成ブロック図である。
【図17】図17は図16の電源装置20Bの構成例を示す回路図である。
【図18】図18は図16及び図17の電源装置20Bにおける全体の動作を示す概略のフローチャートである。
【図19】図19は図18中のステップS73のオートオフ信号処理の動作を示す電源装置20Bの構成ブロック図である。
【図20】図20は図18中のステップS73のオートオフ信号処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1における画像形成装置は、電源スイッチを介して入力される交流(以下「AC」という。)電力を所望の直流(以下「DC」という。)電力に変換するフライバック方式のスイッチング電源である電源装置と、そのDC電力により駆動される負荷側の画像形成装置本体としてのプリンタ本体と、を備えている。以下、プリンタ本体と電源装置の構成及び動作を説明する。
【0015】
(実施例1のプリンタの構成)
図2は、本発明の実施例1におけるプリンタ本体の構成を示す概略の斜視図である。
【0016】
このプリンタ本体10は、例えば、ドットインパクト方式のシリアルプリンタ本体であり、キャリッジユニット11を備えている。キャリッジユニット11は、キャリッジシャフト11aにより上下方向を固定され、用紙等の印刷媒体に印字するための印字ヘッド11bが搭載されている。キャリッジユニット11には、ベルト12が固定されている。ベルト12は、プーリ13とスペースモータ14のギヤ部との間に張設されている。ベルト12には、スペースモータ14のギヤ部と噛み合うように凹凸が形成され、プーリ13により水平に張られている。プーリ13は、スペースモータ14とキャリッジユニット11の支点となり、ベルト12の移動に合わせて回転する。スペースモータ14のギヤ部には、ベルト12と噛み合う凹凸が形成されている。キャリッジユニット11は、スペースモータ14のギヤ部が回転することにより、ベルト12を介して左右水平方向に移動する構成になっている。
【0017】
このような構成において、印字ヘッド11b及びスペースモータ14は、図示しない制御部側の印字指令に基づき動作するドライバにより駆動される。印字ヘッド11bが動作すると、インクを吸着させた図示しないインクリボンに、その印字ヘッド11bが叩き付けられ、図示しない印刷媒体に印刷される。このプリンタ本体10では、印刷媒体としての複写用紙への重ね印刷等ができるという特徴がある。
【0018】
(比較例の電源装置の構成)
図3は、本発明の実施例1の比較例を示す電源装置の構成ブロック図である。
【0019】
この電源装置20は、プリンタ本体10内のスペースモータ14及び印字ヘッド11bの動作を制御する制御部50に対してDC電力を供給する装置であり、例えば、図示しない電源基板上に搭載されている。
【0020】
電源装置20は、ACスイッチ部21を有し、このACスイッチ部21に対して、AC入力部22、1次フィルタ部23、整流部24、及び平滑部25が縦続接続されている。
【0021】
ACスイッチ部21は、電源スイッチとしてのACスイッチ21aを有し、このACスイッチ21aのオン/オフ操作により、AC電力の入力を通電/遮断するものであり、AC入力部22のコネクタに接続されている。AC入力部22は、商用AC電力が入力される前記コネクタを有し、このコネクタに、1次フィルタ部23が接続されている。1次フィルタ部23は、1次側のノイズを除去する回路であり、この回路に、整流部24が接続されている。整流部24は、入力されたAC電力を全波整流する回路であり、この回路に、平滑部25が接続されている。平滑部25は、整流部24で全波整流された波形を平滑する回路である。平滑部25には、変圧器(以下「トランス」という。)26が接続されている。
【0022】
トランス26は、1次側と2次側を絶縁し、且つ2次側にエネルギを供給するフライバック型のトランスであり、1次巻線26a、補助巻線26b、及び2次巻線26cにより構成されている。1次巻線26aには、回生部27、スイッチング部28、電流検出部29、及び、スイッチング制御用の集積回路(以下「IC」という。)で構成された制御IC30が接続されている。補助巻線26bは、制御IC30の電源供給用の巻線であり、これには整流/平滑部33を介して制御IC30が接続されている。制御IC30には、フィードバック部31、及び動作停止通知部32が接続されている。更に、2次巻線26cには、整流部34、平滑部35、ブリーダ抵抗部36、平滑部37、2次側出力部38、フィードバック用基準電圧部39、フィードバック部40、及び動作停止通知部41が接続されている。
【0023】
回生部27は、1次巻線26aに並列接続され、スイッチング部28をオフした際に、1次巻線26aより発生する逆起電圧の回生ルートを形成する回路である。スイッチング部28は、1次巻線26aに流す電流をスイッチングするためのスイッチング素子(例えば、電界効果トランジスタ、以下「FET」という。)を有し、このFETに、電流検出部29が接続されている。電流検出部29は、スイッチング部28内のFETに流れる電流値を電圧値に変換する回路であり、この出力側に、制御IC30が接続されている。整流/平滑部33は、補助巻線26bの出力電圧を整流/平滑する回路であり、この整流/平滑された電圧が制御IC30に供給される。
【0024】
フィードバック部31は、トランス26の2次側のフィードバック部40が動作することにより連動して動作する回路であり、この出力側が、制御IC30に接続されている。動作停止通知部32は、トランス26の2次側の動作停止通知部41が動作することにより連動して動作する回路であり、この出力側が、制御IC30に接続されている。
【0025】
制御IC30は、フィードバック部31の出力電圧と電流検出部29の出力電圧とを比較し、スイッチング部28のオン/オフ時間を制御し、更に、動作停止通知部32の出力電圧を監視し、この出力電圧が制御IC30内で予め定められた電圧値以上となった場合、スイッチング部28のスイッチングを強制的に停止させ、且つ、平滑部25の出力電圧が、制御IC30内で予め定められた電圧値以下とならない限り、スイッチング部28のスイッチング停止を継続させる機能を有している。
【0026】
2次巻線26cに接続された整流部34は、その2次巻線26cの出力電力を整流する回路であり、この出力側に、平滑部35及び動作停止通知部41が接続されている。平滑部35は、整流部34で整流された出力電力を平滑する回路であり、この出力側に、ブリーダ抵抗部36及びフィードバック部40が接続されている。ブリーダ抵抗部36は、出力電圧が無負荷時に上がりすぎないように常時電流を流すための抵抗を有する回路(即ち、2次側出力軽負荷時の2次巻線電圧低下防止用の抵抗を有する回路)であり、この出力側に、平滑部37が接続されている。平滑部37は、ブリーダ抵抗部36の出力電流を再度平滑し、ブリーダ抵抗部36から出力される2次側出力電圧の安定化を図る回路であり、この出力側に、2次側出力部38及びフィードバック用基準電圧部39が接続されている。
【0027】
フィードバック用基準電圧部39は、平滑部37から出力される2次側出力電圧を分圧した基準電圧を生成する回路であり、この出力側に、フィードバック部40が接続されている。フィードバック部40は、フィードバック用基準電圧部39で生成される基準電圧を監視し、このフィードバック部40内の基準電圧よりも、フィードバック用基準電圧部39の基準電圧が大きい場合に動作する回路である。フィードバック部40が動作することにより、1次側のフィードバック部31が動作する。動作停止通知部41は、整流部34の出力電圧を監視し、ある一定電圧以上の過電圧を検出した場合、又は、制御部50から送信されるアラーム信号ALM−Pにより、動作する回路である。2次側の動作停止通知部41が動作することにより、1次側の動作停止通知部32が動作する。
【0028】
平滑部37の出力側に接続された2次側出力部38は、電源装置20の2次側出力電力であるDC電力を出力するコネクタを有し、このコネクタに、制御部50が接続されている。
【0029】
制御部50は、プリンタ本体10の動作を制御するものであり、例えば、制御基板上に搭載されている。この制御部50は、2次側入力部51、演算/処理部52、スペースモータ用ドライバ53、印字ヘッド用ドライバ54、及びドライバアラーム検出部55等を有している。
【0030】
2次側入力部51は、2次側出力部38から出力されるDC電力を制御部50内の各回路に供給するためのコネクタを有している。演算/処理部52は、制御部50を制御するものであり、中央処理装置(以下「CPU」という。)や大規模集積回路(以下「LSI」という。)等により構成されている。スペースモータ用ドライバ53は、演算/処理部52から出力される制御信号に基づき、スペースモータ14を回転動作させるための駆動信号を出力する回路である。印字ヘッド用ドライバ54は、演算/処理部52から出力される制御信号に基づき、印字ヘッド11bを動作させるための駆動信号を出力する回路である。更に、ドライバアラーム検出部55は、印字ヘッド用ドライバ54が故障した場合に、アラーム信号ALM−Pを電源装置20内のアラーム部41へ送信する回路である。
【0031】
図4は、図3の電源装置20の構成例を示す回路図である。
図3中のACスイッチ部21に接続されたAC入力部22は、AC電力が入力されるコネクタ22aを有している。コネクタ22aは、電源線AC−L,AC−N及び接地線FGに接続され、その電源線AC−Lに、1次側の過電流保護を行うためのヒューズ22bの一方の電極が接続されている。ヒューズ22bの他方の電極、電源線AC−N、及び接地線FGには、ノイズ除去用の1次フィルタ部23が接続されている。
【0032】
1次フィルタ部23は、ヒューズ22bの他方の電極と電源線AC−Nとの間に直列に接続された抵抗23a,23bと、この抵抗23a,23bに並列に接続されたコンデンサ23cと、電源線AC−L,AC−Nに直列に接続されたチョークコイル23dと、このチョークコイル23dの出力電極間に直列に接続されたコンデンサ23e,23fと、接地線FGに直列に接続されたコンデンサ23gとにより構成されている。コンデンサ23eとコンデンサ23fとの接続点は、接地線FGに接続されている。抵抗23a,23bは、コンデンサ23cの放電用の抵抗である。この1次フィルタ部23の出力側には、整流部24が接続されている。
【0033】
整流部24は、1次フィルタ部23から出力されたAC電力を整流するための全波整流ダイオードにより構成され、この全波整流ダイオードの一方の出力電極に、平滑部25が接続されている。平滑部25は、全波整流後の電流を平滑する電解コンデンサ25aを有している。電解コンデンサ25aには、抵抗25b,25cが並列に接続されている。抵抗25b,25cは、直列に接続され、電解コンデンサ25aを放電するための抵抗である。整流部24を構成する全波整流ダイオードの他方の出力電極と、電解コンデンサ25aの−側電極との間には、AC入力オン時の突入電流防止用のパワーサーミスタ25dが接続されている。平滑部25の出力側には、トランス26が接続されている。
【0034】
トランス26において、1次巻線26aにおける巻き初め端子1Pinと巻き終わり端子3Pinとの間には、回生部27が接続され、更に、その巻き初め端子1Pinに、スイッチング部28が接続されている。
【0035】
回生部27は、1次巻線26aの巻き終わり端子3Pinに直列に接続された抵抗27a,27bと、この抵抗27a,27bに並列に接続されたコンデンサ27cと、その抵抗27bと1次巻線26aの巻き初め端子1Pinとの間に逆方向に接続されたダイオード27dとにより、構成されている。スイッチング部28は、1次巻線26aの巻き初め端子1Pinに直列に接続されたFET28aと、このFET28aのドレイン・ソース間に接続された寄生容量28bと、そのFET28aのゲートにコイル28cを介して接続された抵抗28dとにより、構成されている。FET28aは、1次巻線26aに流れる電流をスイッチングする電界効果トランジスタである。FET28aをオフした際に、1次巻線26aから発生する逆起電圧は、回生部27により回生される。
【0036】
FET28aのソースと平滑部25との間には、電流検出部29を構成する電流検出用の抵抗29aが接続されている。コイル28cと抵抗28dとの接続点は、並列接続された抵抗28e及びダイオード28fを介して、制御IC30に接続されている。抵抗28eとパワーサーミスタ25dとの間には、ダイオード28gが接続されている。FET28aのソースは、直列接続された抵抗29b,29cを介して、制御IC30に接続されている。
【0037】
トランス26の補助巻線26bにおける巻き終わり端子5Pin及び巻き初め端子6Pinは、整流/平滑部33を介して、制御IC30の電源端子に接続されている。整流/平滑部33は、補助巻線26bの巻き初め端子6Pinに順方向に接続された整流用のダイオード33aと、このダイオード33aに並列に接続されたコンデンサ33bと、そのダイオード33aのカソードに直列に接続された抵抗33c及びコイル33dと、このコイル33dと補助巻線26bの巻き終わり端子5Pinとの間に接続された平滑用の電解コンデンサ33eとを有している。補助巻線26bの出力電力は、整流用ダイオード33aで整流された後、抵抗33c及びコイル33dを介して、制御IC30用の電解コンデンサ33eにより平滑され、制御IC30の電源端子に供給される。
【0038】
電解コンデンサ33eには、ツェナーダイオード33f、及び外付け用の抵抗33hがそれぞれ並列に接続されている。電解コンデンサ33eの−側電極と、電解コンデンサ25aの−側電極とは、例えば、抵抗値が0Ωの抵抗33gにより接続され、0Vが同電位になるように構成されている。コイル33dは、コンデンサ33iを介して、制御IC30に接続されている。抵抗29cは、コンデンサ33jを介して、補助コイル26bの巻き終わり端子5Pinに接続されている。
【0039】
制御IC30は、FET28aのオン/オフを制御する素子(例えば、富士電機製のスイッチング電源制御用IC)であり、ゼロ電流検出入力(ZCD)端子1Pin、フィードバック(FB)端子2Pin、電流センス(IS)端子3Pin、グランド(GND)端子4Pin、出力(OUT)端子5Pin、電源(VCC)端子6Pin、未使用(NC)端子7Pin、及び高電圧入力(VH)端子を有している。
【0040】
制御IC30において、ZCD端子1Pinには、動作停止通知部32を構成するフォトカプラの受光側トランジスタ32aのエミッタと、抵抗32cの一方の電極と、コンデンサ32dの一方の電極とが接続されている。受光側トランジスタ32aのコレクタは、抵抗32b、コイル33d、抵抗33c、及び逆方向の整流用ダイオード33aを介して、補助巻線26bの巻き初め端子6Pinに接続されている。抵抗32cの他方の電極は、補助巻線26bの巻き初め端子6Pinに接続されている。更に、コンデンサ32dの他方の電極は、補助巻線26bの巻き終わり端子5Pinに接続されている。
【0041】
FB端子2Pinは、フィードバック部31を構成するフォトカプラの受光側トランジスタ31aのコレクタに接続されている。受光側トランジスタ31aのエミッタは、補助巻線26bの巻き終わり端子5Pinに接続されている。受光側トランジスタ31aのコレクタ及びエミッタ間には、コンデンサ31bが並列に接続されている。IS端子3Pinは、抵抗29c,29bを介して、FET28aのソースに接続されると共に、コンデンサ33jを介して、補助巻線26bの巻き終わり端子5Pinに接続されている。GND端子4Pinは、補助巻線26bの巻き終わり端子5Pinに接続され、更に、コンデンサ33i、コイル33d、抵抗33c、及び逆方向の整流用ダイオード33aを介して、補助巻線26bの巻き初め端子6Pinに接続されている。
【0042】
OUT端子5Pinは、抵抗28e及びコイル28cを介して、FET28aのゲートに接続されている。VCC端子6Pinは、コイル33d、抵抗33c、及び逆方向の整流用ダイオード33aを介して、補助巻線26bの巻き初め端子6Pinに接続されている。更に、VH端子8Pinは、抵抗25eを介して、電解コンデンサ25aの+側電極に接続されている。
【0043】
このような制御IC30は、次のような機能を有している。
動作停止通知部32を構成するフォトカプラの受光側トランジスタ32aがオンすると、ZCD端子1Pinの電位が上昇し、ZCD端子1Pin内に予め設定されているFETスイッチングのオフ基準電圧よりも、ZCD端子1Pinの電位が大きくなることにより、FET28bのスイッチングを強制的に停止させラッチする機能を有している。スイッチング停止のラッチを解除する条件として、VH端子8Pin内に予め設定されているスイッチング停止解除の基準電圧値よりも、VH端子8Pinの電位が低くなれば、スイッチング停止のラッチ状態を解除する機能を有している。なお、フォトカプラの受光側トランジスタ31aが接続されている制御IC30におけるFB端子2Pinの電位と、FET28aに流れる電流を電圧に変換する抵抗29aの電位とを比較し、FET28aのオン時間を調整するようになっている。
【0044】
トランス26の2次巻線26cは、巻き初め端子9Pin及び巻き終わり端子11Pinを有している。巻き終わり端子11Pinは、コンデンサ26dを介して、抵抗33gの一方の電極に接続されている。巻き初め端子9Pinには、整流部34が接続されている。整流部34は、2次巻線26の出力電流を整流する回路であり、並列接続された整流用ダイオード34a,34bと、この整流用ダイオード34a,34bにそれぞれ並列接続されたコンデンサ34c,34dと、により構成されている。この整流部34の出力側には、平滑部35、ブリーダ抵抗部36、平滑部37、及び2次側出力部38が縦続接続されている。
【0045】
平滑部35は、整流部34で整流された電流を平滑する回路であり、整流用ダイオード34a,34bのカソードと、2次巻線26の巻き終わり端子11Pinと、の間に並列に接続された電解コンデンサ35a,35bにより構成されている。ブリーダ抵抗部36は、2次側軽負荷時の出力電圧低下を抑制する回路であり、電解コンデンサ35a,35bに並列接続された複数のブリーダ抵抗36a,36b,36c,36dにより構成されている。平滑部37は、2次側出力電圧の平滑化(安定化)を行う回路であり、コイル37a、電解コンデンサ37b、及びコンデンサ37cにより構成されている。2次側出力部38は、平滑された2次側出力電圧(例えば、DC24V)を図3中の制御部50へ出力するための出力コネクタ38aを有している。出力コネクタ38aの0V側電極は、コンデンサ38b,38cを介してグランドGNDに接続されている。
【0046】
平滑部37の出力側には、フィードバック用基準電圧部39が接続され、平滑部35の出力側にも、フィードバック部40が接続されている。更に、整流部34の出力側にも、動作停止通知部41が接続されている。
【0047】
フィードバック用基準電圧部39は、平滑部37のDC出力電圧を分圧して基準電圧を生成し、この基準電圧をフィードバック部40に与える回路である。このフィードバック用基準電圧部39は、分圧用の抵抗39a、可変抵抗39b、及び抵抗39cを有し、これらの抵抗39a,39b,39cが、電解コンデンサ37bの+側電極と動作停止通知部41との間に、直列に接続されている。
【0048】
フィードバック部40は、電圧を一定にするシャントレギュレータ40a、抵抗40b,40c,40d、外付け用コンデンサ40e、コンデンサ40f、及びフォトカプラの発光部40gを有している。
【0049】
シャントレギュレータ40aのリファレンス電極には、フィードバック用基準電圧部39で生成された基準電圧が入力される。シャントレギュレータ40aのアノードは、電解コンデンサ37bの−側電極に接続されている。シャントレギュレータ40aのカソードは、フォトカプラの発光部40gのカソードに接続され、この発光部40gのアノードが、抵抗40bを介して、コイル37aの入力側電極に接続されている。シャントレギュレータ40aのリファレンス電極と、発光部40gのアノードとの間には、直列接続された抵抗40d及び外付け用コンデンサ40eが、並列に接続されている。抵抗40dと外付け用コンデンサ40eとの接続点は、発光部40gのカソードに接続されている。シャントレギュレータ40aのリファレンス電極とカソードとの間には、直列接続された抵抗40c及びコンデンサ40fが、並列に接続されている。
【0050】
フィードバック部40において、電解コンデンサ37bの+側電極における2次側出力電圧が上昇し、シャントレギュレータ40a内の基準電圧よりも、分圧用抵抗39cの電位が高くなった場合、シャントレギュレータ40aのアノード及びカソード間が導通する。これにより、発光部40gに電流が流れてこの発光部40gが発光する。逆に、2次側出力電圧が低くなり、シャントレギュレータ40a内の基準電圧よりも、分圧用抵抗39cの電位が低くなった場合、シャントレギュレータ40aのアノード及びカソード間が導通せず、発光部40gも発光しない構成になっている。
【0051】
動作停止通知部41は、ツェナーダイオード41a、抵抗41b,41c,41d、ダイオード41e、及びフォトカプラの発光部41fを有している。ツェナーダイオード41aのカソードは、電解コンデンサ35aの+側電極に接続されている。ツェナーダイオード41aのアノードは、抵抗41b及び発光部41fを介して、電解コンデンサ37bの−側電極に接続されている。発光部41fのアノード及びカソード間には、抵抗41cが並列に接続されている。異常状態であることを示すアラーム信号ALM−Pは、抵抗41d及びダイオード41eを介して、ツェナーダイオード41aのアノードに入力される。
【0052】
動作停止通知部41において、2次側出力電圧がツェナーダイオード41aのツェエナー電位を超える過電圧状態、又は、アラーム信号ALM−Pが抵抗41d及びダイオード41eを介してツェナーダイオード41aのアノードに入力されると、フォトカプラの発光部41fが発光するようになっている。
【0053】
(比較例の動作)
図3及び図4に示す画像形成装置における全体の概略動作を説明する。
【0054】
電源装置20において、商用AC電力がACスイッチ部21を介してAC入力部22に入力される。入力されたAC電力は、1次フィルタ部23でノイズが除去され、整流部24で全波整流された後、平滑部25で平滑される。平滑されたDC電圧は、制御IC30のPWM制御により、スイッチング部28でオン/オフされ、トランス26の1次巻線26aに供給される。すると、トランス26の2次巻線26cから、1次巻線26aと2次巻線26cの巻数比に応じたAC電圧が出力される。このAC電圧は、整流部34で整流された後、平滑部35で平滑される。平滑されたDC電圧は、ブリーダ抵抗部36を介して、平滑部37で再度平滑される。再度平滑されたDC電圧は、2次側出力部38から出力される。
【0055】
2次側出力部38から出力されたDC電圧は、制御部50内の2次側入力部51に入力され、演算/処理部52にて所定の演算及び処理が行われ、プリンタ本体10を駆動するための制御信号が生成される。生成された制御信号は、スペースモータ用ドライバ53及び印字ヘッド用ドライバ54によりそれぞれ駆動される。この駆動信号により、プリンタ本体10側のスペースモータ14が回転すると共に、印字ヘッド11bが動作し、図示しない印刷媒体に印字される。
【0056】
電源装置20内の平滑部37から出力されるDC出力電圧が、フィードバック用基準電圧部39内の基準電圧よりも大きくなると、フィードバック部40内のフォトカプラの発光部40gが発光する。すると、1次側のフィードバック部31内におけるフォトカプラの受光側トランジスタ31aがオンし、制御IC30におけるFB端子2Pinの電位が引き下げられる。スイッチング部28内のFET28aに流れる電流は、抵抗29aにより電圧に変換され、この変換された電圧が、抵抗29b,29cを介して、制御IC30のIS端子3Pinに印加される。
【0057】
制御IC30では、FB端子2Pinの電位とIS端子3Pinの電位とを比較し、この比較結果に基づき、PWM制御により、FET28aのオン時間が短くなるように調整したスイッチ切替信号をOUT端子5Pinから出力する。出力されたスイッチ切替信号は、抵抗28e及びコイル28cを介して、FET28aのゲートに印加され、FET28aのオン時間が短くなる。これにより、平滑部37から出力されるDC出力電圧が小さくなる。
【0058】
平滑部37から出力されるDC出力電圧が、フィードバック用基準電圧部39内の基準電圧よりも小さくなると、フィードバック部40内のフォトカプラの発光部40gが発光しない。そのため、1次側のフィードバック部31内におけるフォトカプラの受光側トランジスタ31aがオフし、制御IC30におけるFB端子2Pinの電位が上昇する。すると、制御IC30は、FET28aのオン時間が長くなるように調整したスイッチ切替信号をOUT端子5Pinから出力するので、FET28aのオン時間が長くなる。これにより、平滑部37から出力されるDC出力電圧が大きくなる。このようにしてDC出力電圧の変動が抑制される。
【0059】
図5は、図3及び図4中のアラーム信号処理の動作を示すフローチャートである。
ステップS1において、電源装置20が前述したように通常の動作をしている。ステップS2において、制御部50内のドライバ53,54等が故障した場合、これがドライバアラーム検出部55により検出され、このドライバアラーム検出部55からアラーム信号ALM−Pが出力され、電源装置20へ送信される。ステップS3において、アラーム信号ALM−Pが電源装置20に入力されると、動作停止通知部41内のフォトカプラの発光部41fが発光する。
【0060】
ステップS4において、発光部41fが発光すると、動作停止通知部32内のフォトカプラの受光側トランジスタ32aがオンする。ステップS5において、トランス26における補助巻線26bの巻き終わり端子5Pin及び巻き初め端子6Pin間の巻線電圧が、ダイオード33a、抵抗33c、コイル33d、抵抗32b、及び受光側トランジスタ32aを介して、制御IC30のZCD端子1Pinに掛かる。ステップS6において、制御IC30は、ZCD端子1Pinの電圧と、制御IC30内に予め設定されているFETスイッチングオフ基準電圧とを比較する。
【0061】
(ZCD端子1Pinの電圧)≧(制御IC30内のFETスイッチングオフ基準電圧)の場合(Yes)、ステップS7へ進む。ステップS7において、制御IC30は、OUT端子5Pinをオフし、抵抗28e、コイル28c及びFET28aのゲートを介して、FET28aのスイッチングを停止させる。(ZCD端子1Pinの電圧)<(制御IC30内のFETスイッチングオフ基準電圧)の場合(No)、ステップS5に戻る。この場合は、制御IC30は、ZCD端子1Pinの電圧が上昇するまで、FET28aのスイッチングを停止させない。
【0062】
ステップS8において、制御IC30は、VH端子8Pinの電圧(=電解コンデンサ25aの+側電極の電圧)と、制御IC30内に予め設定されているFET28aのスイッチング停止解除の基準電圧とを比較する。(VH端子8Pinの電圧)>(FET28aのスイッチング停止解除の基準電圧)の場合(No)、ステップS9へ進み、(VH端子8Pinの電圧)≦(FET28aのスイッチング停止解除の基準電圧)の場合(Yes)、ステップS12へ進む。
【0063】
ステップS9において、AC入力電力を電源装置20に供給するためのACスイッチ部21のACスイッチ21aがオフされていない場合(No)、ステップS10へ進み、ACスイッチ21aがオフされた場合(Yes)、ステップS11へ進む。ステップS10において、電解コンデンサ25aに電圧が供給され続けるため、電解コンデンサ25aの電圧が垂下しない。そのため、ACスイッチ21aをオフしない限り、FET28aのスイッチング停止動作が継続される(即ち、ラッチされる)。その後、ステップS8へ戻る。
【0064】
ステップS11において、ACスイッチ21aがオフされているので、AC入力電力が電源装置20に供給されなくなる。そのため、電解コンデンサ25aに電圧が供給されなくなり、この電解コンデンサ25aの電圧が、抵抗25b,25cで放電されて垂下し始める。電解コンデンサ25aの電圧は、この電解コンデンサ25aと抵抗25b,25cの時定数により、垂下していく。その後、ステップS8へ戻る。
【0065】
再び、ステップS8において、制御IC30は、VH端子8Pinの電圧と、制御IC30内に設定されているFET28aのスイッチング停止解除の基準電圧とを比較する。(VH端子8Pinの電圧)≦(FET28aのスイッチング停止解除の基準電圧)の場合(Yes)、ステップS12へ進む。ステップS12において、制御IC30は、FET28aのスイッチング停止のラッチを解除する。そのため、ステップS13において、処理が終了し、電源再供給が可能状態になる。
【0066】
次に、制御部50から電源装置20へ、アラーム信号ALM−Pを送信した際のFETスイッチング停止の意義を説明する。
【0067】
制御部50がアブノーマル状態(異常状態)である場合に、電源装置20へアラーム信号ALM−Pを送信し、電源装置20内の1次側FET28aのスイッチングを停止させ、電源装置20の2次側出力電力を遮断させる(これにより、画像形成装置の電源が切れる状態になる)。且つ、FET28aのスイッチング停止動作において、ACスイッチ21aがオン状態の時は、継続してFET28aのスイッチング停止が保持されるが、ACスイッチ21aがオフ状態においても、約数分間程度(即ち、電解コンデンサ25aの+側電極の電圧が、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧まで低下するまで)、FET28aのスイッチング停止を保持し、その後、ACスイッチ21aのオンにより、AC電力再供給を可能にする必要がある。
【0068】
これは、ACスイッチ21aのオフ後、約数分間程度経過しなければ(即ち、電解コンデンサ25aの+側電極の電圧が、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧まで低下しなければ)、ACスイッチ21aをオンしても、電源装置20はFET28aのスイッチング停止状態を保持し、電源装置20の2次側出力電力が制御部50に入らない状態になるからである。
【0069】
ACスイッチ21aのオフ状態においても、約数分間程度、FET28aのスイッチング停止を保持するのは、ユーザへ装置故障を認識させるためである。
【0070】
つまり、何らかの不具合でFET28aのスイッチング停止動作となり、電源装置20の2次側出力電力が遮断し、画像形成装置の電源がオフした場合、多くのユーザは、先ず初めにACスイッチ21aをオフ状態にし、直ぐにオン状態にすると考えられるが、画像形成装置の電源が入らなければ、“故障した”と考えるためである。
【0071】
図6は、ACスイッチ21aのオフ後の図4中の電解コンデンサ25aの残電圧についての説明図である。
【0072】
図6の横軸は時間(秒)、縦軸は電圧(V)である。この図6では、ACスイッチ21aのオフ後の電解コンデンサ25aに蓄えられた電荷に基づく残電圧の電圧曲線60と、FET28aのスイッチング停止解除の基準電圧線61とが図示されている。
【0073】
電解コンデンサ25aは、通常、電源装置20の2次側負荷の変動に対しても2次側出力電力を満足するエネルギを供給できるように、電解コンデンサ25aの容量を選定し、放電用抵抗25b,25cは、消費電力を小さくする観点から大きな値を選定する。例えば、以下の定数とした場合、
電解コンデンサ25a:330μF
放電用抵抗25b:100kΩ
放電用抵抗25c:100kΩ
異常事態が発生し、電源装置20にアラーム信号ALM−Pが入力された場合を考えると、ACスイッチ21aのオフ後、約2分37秒経過後に、制御IC30のVH端子8Pinの電圧60が、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧61まで下がり、スイッチング停止のラッチ状態が解除され、ACスイッチ21aの電源再供給可能となる。
【0074】
例えば、AC入力電圧を230V設定とし、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧を30Vとした場合、ACスイッチ21aのオフ後の電解コンデンサ25aの電圧は、電圧曲線60となる。電解コンデンサ25aの電圧が30Vとなり、ACスイッチ21aのオフ後約2分37秒(=157秒)となった時点で、FET28aのスイッチング停止が解除され、ACスイッチ21aの電源再供給可能となる。
【0075】
(比較例の問題)
近年、画像形成装置の低電力化が推進され、更に、ヨーロッパの低電力規制(ErP指令)にて、画像形成装置を一定時間使用しない場合は、画像形成装置の電源を自動でオフさせるオートオフ機能を持つ必要性が出てきている。このオートオフ機能を満足させるために、例えば、図4の回路のアラーム信号ALM−P、又は、過電圧検出で駆動する回路を使用して、電源装置20の1次側FET28aをスイッチング停止させ、2次側出力電力を遮断し、オートオフ機能を対応させることが考えられる。
【0076】
この場合、画像形成装置としては電源がオフしている状態となるが、ACスイッチ21aのオフ後のAC電力再供給において、ACスイッチ21aをオフした状態にて約数分間程度経過しなければ(即ち、電解コンデンサ25aの+側電極の電圧が、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧まで低下しなければ)、ACスイッチ21aをオンしても、FET28aのスイッチングが停止しているため、電源が供給できず、AC電力再供給におけるユーザの待ち時間が長いという問題がある。
【0077】
そこで、図4の回路のアラーム信号ALM−P、又は、過電圧検出で駆動する回路のACスイッチ21aのオフ後のラッチ解除時間を短くすれば問題がないが、本回路の目的は、前述したように、ユーザへ装置故障を認識させるためであり、安易にACスイッチ21aのオフ後のスイッチング停止のラッチ解除時間を短くすることができない。
このような問題を、以下の実施例1、2にて解決している。
【0078】
(実施例1の電源装置の構成)
図1は、本発明の実施例1における電源装置の構成ブロック図であり、比較例を示す図3中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0079】
本実施例1の電源装置20Aでは、比較例の電源装置20におけるトランス26の1次側に、電圧供給部70及び放電回路切り替え部71が追加され、トランス26の2次側の動作停止通知部41に代えて、動作停止通知部41とは異なる動作停止通知部73と放電回路切り替え部72が追加されている。更に、本実施例1の制御部50Aでは、比較例の制御部50における演算/処理部52に代えて、これとは機能の異なる演算/処理部52Aが設けられている。
【0080】
本実施例1における1次側の電圧供給部70は、1次フィルタ部23の出力側と制御IC30のVH端子との間に接続され、1次フィルタ部23内のコンデンサに蓄えられた電荷に基づく電圧(以下「コンデンサの電圧」という。)を、制御IC30のVH端子へ供給する回路である。1次側の放電回路切り替え部71は、平滑部25の出力側と制御IC30のVH端子との間に接続され、2次側の放電回路切り替え部72の出力光を受光して動作し、平滑部25内のコンデンサの電圧を、制御IC30のVH端子へ供給する回路である。2次側の放電回路切り替え部72は、整流部34の出力側に接続され、整流部34の出力電圧を監視し、ある一定電圧以上の過電圧を検出した場合、又は、制御部50A内のドライバアラーム検出部55から送信されるアラーム信号ALM−Pにより発光し、1次側の放電回路切り替え部71を動作させる回路である。1次側の放電回路切り替え部71、2次側の放電回路切り替え部72及び制御IC30により、電源再供給時の電源供給を制限する所定時間を定める所定時間決定手段が構成されている。
【0081】
2次側の動作停止通知部73は、放電回路切り替え部72が発光した場合又はオートオフ信号AUTO−OFF−Pにより発光し、1次側の動作停止通知部32を動作させる回路である。
【0082】
制御部50A内の演算/処理部52Aは、制御部50Aを制御するものであり、CPUやLSI等により構成され、スペースモータ用ドライバ53及び印字ヘッド用ドライバ54を制御するための制御信号を出力すると共に、省電力信号としてのオートオフ信号AUTO−OFF−Pを動作停止通知部73に出力する機能を有している。オートオフ信号AUTO−OFF−Pは、ユーザが画像形成装置を一定時間使用しない場合に、画像形成装置の電源を自動でオフさせる機能を動作させるトリガとなる信号であり、このオートオフ信号AUTO−OFF−Pが電源装置20Aに入力された場合、電源装置20Aの2次側出力電力をオフし、且つ電源スイッチとしてのACスイッチ21aを再供給する場合は、即AC供給可能にするための信号である。その他の構成は、図3の比較例の構成と同様である。
【0083】
図7は、図1の電源装置20Aの構成例を示す回路図であり、比較例を示す図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0084】
本実施例1で追加された1次側の電圧供給部70は、1次フィルタ部23内のコンデンサ23cの電圧を制御IC30のVH端子8Pinへ供給する回路であり、ダイオード70a、抵抗70b、及び複数のツェナーダイオード70c,70d,70eを有している。これらのダイオード70a、抵抗70b、及び複数のツェナーダイオード70c,70d,70eは、コンデンサ23eの+側電極と制御IC30のVH端子8Pinとの間に直列に接続されている。制御部としての制御IC30と、スイッチング素子としてのFET28aとにより、スイッチング手段が構成されている。コンデンサ33eは、トランス補助巻線26bの出力を半波整流した電圧をIC30のVCC端子に出力して充電される。又、制御IC30は、制御IC30のVH端子に印加される電圧により動作する。
【0085】
1次側の放電回路切り替え部71は、2次側の放電回路切り替え部72の出力光を受光して動作し、平滑部25内の電解コンデンサ25aの電圧を制御IC30のVH端子8Pinへ供給する回路であり、抵抗71a、コンデンサ71b、ダイオード71c、抵抗71d,71e,71f、及びフォトトライアックカプラの受光側トライアック71gを有している。受光側トライアック71gは、放電回路切り替え部72の出力光を受光するとオン状態になる素子であり、この受光側トライアック71gのアノードが、平滑部25内の電解コンデンサ25aの+側電極に接続されている。受光側トライアック71gのカソードは、ダイオード71c及び抵抗71dを介して、制御IC30のVH端子8Pinに接続されている。受光側トライアック71gのカソードと、ダイオード71cのアノードとの間には、抵抗71a及びコンデンサ71bが並列に接続されている。更に、受光側トライアック71gのカソードと、電解コンデンサ25aの−側電極との間には、抵抗71e,71fが直列に接続されている。
【0086】
2次側の放電回路切り替え部72は、ツェナーダイオード72a、抵抗72b,72c、ダイオード72d、及びフォトトライアックカプラの発光部72eを有している。アラーム信号ALM−Pを入力する抵抗72cは、ダイオード72d及び抵抗72bを介して、発光部72eのアノードに接続されている。ダイオード72dと抵抗72bとの接続点は、ツェナーダイオード72aを介して、整流部34の+側出力端子に接続されている。フォトトライアックカプラの発光部72eは、電圧の印加によって発光し、フォトカプラの受光側トランジスタ71gをオンさせる。フォトトライアックカプラの特性として、発光部72eの発光がなくなっても、受光側トライアック71gがオンし続ける特性を持つ。
【0087】
2次側の動作停止通知部73は、抵抗73a,73b、ダイオード73c、及びフォトカプラの発光部73dを有している。オートオフ信号AUTO−OFF−Pを入力する抵抗73bは、ダイオード73cを介して、発光部73dのアノードに接続されている。発光部73dのアノード及びカソード間には、抵抗73aが並列に接続されている。フォトカプラの発光部73dは、フォトカプラの発光部72eの発光による電圧の印加、又はオートオフ信号AUTO−OFF−Pによる電圧の印加によって発光し、フォトカプラの受光側トランジスタ32aをオンさせる。その他の構成は、図4の比較例の構成と同様である。
【0088】
(実施例1の動作)
図8は、図1及び図7の電源装置20Aにおける全体の動作を示す概略のフローチャートである。
【0089】
本実施例1の電源装置20Aでは、ステップS21において、動作が開始されると、ステップS22において、制御部50Aからのオートオフ信号AUTO−OFF−P又はアラーム信号ALM−Pの受信待ち状態になる。この受信待ち状態において、電源装置20Aは、比較例の電源装置20と同様に、AC電力をACスイッチ部21及びAC入力部22を介して入力し、2次側出力部38から安定したDC電力を出力する。すると、制御部50A内のスペースモータ用ドライバ53及び印字ヘッド用ドライバ55により、図2のプリンタ本体10側のスペースモータ14及び印字ヘッド11bがそれぞれ駆動され、印刷媒体に印字される。
【0090】
ステップS22において、電源装置20Aは、制御部50A内の演算/処理部52Aから出力されたオートオフ信号AUTO−OFF−Pを受信すると、ステップS23へ進み、オートオフ信号処理を行った後、動作を終了する。又、電源装置20Aは、制御部50A内のドライバアラーム検出部55から出力されたアラーム信号ALM−Pを受信すると、ステップS24へ進み、アラーム信号処理を行った後、動作を終了する。
【0091】
図9は、図8中のステップS23のオートオフ信号処理の動作を示す電源装置20Aの構成ブロック図であり、図1の構成ブロック図に対応している。
【0092】
この図9では、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが有効となり、電源装置20Aをオートオフする場合の信号の流れが太い実線で示されている。
【0093】
図10は、図8中のステップS23のオートオフ信号処理の動作を示すフローチャートである。
【0094】
この図10では、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが有効となり、電源装置20Aをオートオフする場合の動作が示されている。
【0095】
以下、図7及び図9を参照しつつ、図10のフローチャートの処理を説明する。
図10のステップS31において、電源装置20Aが通常動作をしている。ステップS32において、画像形成装置を使用しない期間が一定時間経過すると、制御部50A内の演算/処理部52Aがオートオフ信号AUTO−OFF−Pを送信する。ステップS33において、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが電源装置20A内の2次側の動作停止通知部73に入力されると、この動作停止通知部73内のフォトカプラの発光部73dが発光する。ステップS34において、フォトカプラの発光部73dが発光することにより、1次側の動作停止通知部32内の受光側トランジスタ32aがオンする。
【0096】
ステップS35において、トランス26の補助巻線26bにおける巻き終わり端子5Pin及び巻き初め端子6Pin間の巻線電圧が、整流/平滑部33内のダイオード33a、抵抗33c、コイル33d、及びアラーム部32内のフォトカプラの受光側トランジスタ32aを介して、制御IC30のZCD端子1Pinに掛かる。ステップS36において、制御IC30は、ZCD端子電圧と、この制御IC30内に予め設定されているFETスイッチングオフ基準電圧とを比較する。制御IC30は、例えば、スイッチング停止基準電圧条件としてZCD端子電圧が7.2V以上でかつ57μs以上継続で、制御IC30のOUT出力パルスを停止する。(ZCD端子電圧)≧(制御IC30内のFETスイッチングオフ基準電圧)の場合(Yes)は、ステップ37へ進む。ステップS37において、制御IC30は、OUT端子5Pinをオフし、抵抗28eを介して、スイッチング部28内のFET28aのスイッチングを停止させる。スイッチング停止で補助巻線26bからのコンデンサC33eの充電が停止する。(ZCD端子電圧)<(制御IC30内のFETスイッチングオフ基準電圧)の場合(No)は、ステップS35に戻り、制御IC30は、ZCD端子の電圧が上昇するまで、FET28aのスイッチングを停止させない。
【0097】
ステップS38において、制御IC30は、VCC端子電圧と、この制御IC30内に予め設定されているFET28aのスイッチング停止解除の基準電圧値とを比較する。(VCC端子電圧)>(制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧)例えば7Vより高い場合(No)は、ステップS39へ進む。ステップS39において、AC入力電力を電源装置20Aに供給するACスイッチ部21のACスイッチ21aがオフされていない場合(No)は、ステップS40へ進む。ステップS40において、制御IC30のVH端子にダイオード70aによるAC入力半波整流(抵抗70b及びツェナーダイオード70c,70d,70eによる分圧)電圧が供給され、制御IC30のVCC端子に接続するC33eを充電し続けるため、IC30のVCC端子の電圧がスイッチング停止解除の基準電圧まで垂下しない。そのため、ステップS38に戻りACスイッチ21aをオフしない限り、FET28aのスイッチング停止動作
が継続される(即ち、ラッチされる。)
【0098】
ステップS39において、ACスイッチ21aがオフされた場合(Yes)は、ステップS41へ進む。ステップS41において、ACスイッチ21aをオフすることにより、コンデンサ23cの電圧は抵抗23a、23bにより、垂下、制御IC30のVCC端子に接続するコンデンサC33eの充電が停止し、コンデンサC33eの電圧はIC30で消費され、制御IC30のVCCの電圧がスイッチング停止解除の基準電圧まで(7V以下まで)垂下する。その後、ステップS38に戻る。ステップS38において、(VCC端子電圧)≦(制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧)例えば7V以下に垂下した場合(Yes)は、ステップS42へ進む。ステップS42において、制御IC30により、FET28aのスイッチング停止のラッチが解除される。ステップS43において、動作が終了し、電源再供給可能となる。
【0099】
図11は、図8中のステップS24のアラーム信号処理の動作を示す電源装置20Aの構成ブロック図であり、図1の構成ブロック図に対応している。
【0100】
この図11では、アラーム信号ALM−Pが有効となり、電源を遮断する場合の信号の流れが太い実線で示されている。
【0101】
図12は、図8中のステップS24のアラーム信号処理の動作を示すフローチャートである。
【0102】
この図12では、アラーム信号ALM−Pが有効となり、電源を遮断する場合の動作が示されている。
【0103】
以下、図7及び図11を参照しつつ、図12のフローチャートの処理を説明する。
図12のステップS51において、電源装置20Aが通常動作をしている。ステップS52において、制御部50A内のドライバ53,54等が故障すると、ドライバアラーム検出部55からアラーム信号ALM−Pが送信される。ステップS53において、アラーム信号ALM−Pが電源装置20Aに入力されると、2次側の放電回路切り替え部72内のフォトトライアックカプラの発光部72eが発光し、ステップS54−1へ進む。
【0104】
ステップS54−1において、2次側の放電回路切り替え部72内のフォトカプラの発光部72eが発光すると、フォトカプラの発光部73dのアノードに電圧が印加されるので、フォトカプラの発光部73dが発光し、1次側の動作停止通知部32内のフォトカプラの受光側トランジスタ32aがオンし、ステップS55−1へ進む。ステップS55−1において、トランス26の補助巻線26bにおける巻き終わり端子5Pin及び巻き初め端子6Pin間の巻線電圧が、整流/平滑部33及び受光側トランジスタ32aを介して、制御IC30のZCD端子1Pinに掛かり、ステップS56へ進む。
【0105】
ステップS56において、制御IC30は、ZCD端子電圧と、この制御IC30内に予め設定されているFETスイッチングオフ基準電圧とを比較する。(ZCD端子電圧)<(制御IC30内のFETスイッチングオフ基準電圧)の場合(No)は、ステップS55−1へ戻り、制御IC30は、ZCD端子電圧が上昇するまで、FET28aのスイッチングを停止させない。ステップS56において、(ZCD端子電圧)≧(制御IC30内のFETスイッチングオフ基準電圧)の場合(Yes)は、ステップS57へ進む。ステップS57において、制御IC30は、OUT端子5Pinをオフし、抵抗28eを介して、スイッチング部28内のFET28aのスイッチングを停止させる。FET28aのスイッチングが停止すると補助巻線26bからコンデンサC33eへの充電が停止する。そしてステップS54へ進む。
【0106】
ステップS54において、フォトカプラの発光部72eが発光することにより、1次側の放電回路切り替え部71内のフォトカプラの受光側トライアック71gがオンし、ステップS55へ進む。ステップS55において、1次フィルタ部23内のコンデンサ23cの電圧が、電圧供給部70を介して、制御IC30のVH端子8Pinに掛かると共に、平滑部25内の電解コンデンサ25aの電圧が、電圧切り替え部71を介して、制御IC30のVH端子8Pinに掛かり、ステップS58へ進む。
【0107】
ステップS58において、制御IC30は、VH端子電圧と、この制御IC30内に予め設定されているFETスイッチング停止解除の基準電圧とを比較する。(VH端子電圧)>(制御IC30内に予め設定されているFETスイッチング停止解除の基準電圧)の場合(No)は、ステップS59へ進む。ステップS59において、AC入力電力を電源装置20Aに供給するACスイッチ21aがオフされていない場合(No)は、ステップS60へ進む。ステップS60において、制御IC30はVH端子の電圧によりVCC端子を経由してC33eを充電するため、コンデンサC33eの電圧が垂下しない。そのため、ACスイッチ21aをオフしない限り、FET28aのスイッチング停止動作が継続される(即ち、ラッチされる)。
【0108】
ステップS59において、ACスイッチ21aがオフされた場合(Yes)、ステップS61へ進む。ステップS61において、ACスイッチ21aをオフすることにより、AC入力電力が電源装置20Aに供給されなくなり、コンデンサ23cの電圧は抵抗23a、23bにより垂下しダイオード70aによるAC入力半波整流による電圧供給は短時間で垂下する。そして、コンデンサ25aによる電圧供給はコンデンサ25a、抵抗25b及び抵抗26cの時定数によりダイオード70aによる供給より長い時間スイッチング停止解除基準電圧より高い電位を維持した後で垂下する。そして、制御IC30のVCC端子に接続するコンデンサC33eの充電が停止し、コンデンサC33eの電圧はIC30で消費されて、制御IC30のVCC端子の電圧が垂下する。その後、ステップS58へ戻る。
【0109】
ステップS58において、(VCC端子電圧)≦(制御IC30内に予め設定されているFETスイッチング停止解除の基準電圧)例えば7Vの場合(Yes)は、ステップS62へ進む。ステップS62において、制御IC30により、FET28aのスイッチング停止のラッチが解除され、ステップS63において、動作が終了して電源再供給可能となる。なお、ステップS54−1、S55−1、S56及びS57の処理はステップS54とパラレルに処理しても良い。
【0110】
図13は、ACスイッチ21aのオフ後の図7中のコンデンサ23cの残電圧についての説明図である。
【0111】
図13の横軸は時間(秒)、縦軸は電圧(V)である。この図13では、ACスイッチ21aのオフ後のコンデンサ23cの電圧曲線80と、FET28aのスイッチング停止が解除されるコンデンサ23cの電圧曲線81とが図示されている。この図13を参照しつつ、図7中のACスイッチ21aのオフ後の1次フィルタ部23内のコンデンサ23cの残電圧について説明する。
【0112】
図7において、1次フィルタ部23内のコンデンサ23c及び放電用抵抗23a,23bは、通常、イミュニティー試験の規格、及び国際規格であるIEC60950の安全規格に定められている残電圧時間を満足しなければならない。そのため、放電時間を速く設定し、且つノイズ除去を満足する定数を選定する。
【0113】
図1中の電圧供給部70に該当する図7中のツェナーダイオード70c,70d,70eにより、制御IC30のVH端子8Pinに掛かる電圧値をかさ上げしているため、例えば、以下の定数とした場合、
1次フィルタ部23内のコンデンサ23c:0.47μF
1次フィルタ部23内の抵抗23a:470kΩ
1次フィルタ部23内の抵抗23b:470kΩ
電圧供給部70内の各ツェナーダイオード70c,70d,70e:27V品
ACスイッチ21aのオフ後、約0.47秒経過後に制御IC30のVH端子8Pinの電圧が、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧まで垂下し、スイッチング停止のラッチ状態が解除され、ACスイッチ21aの電源再供給可能となる。
【0114】
例えば、AC入力電圧を230V設定とし、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧を30Vとした場合、ACスイッチ21aのオフ後のコンデンサ23cの電圧は、曲線80の垂下曲線となる。コンデンサ25aの電圧が111Vとなり、ACスイッチ21aのオフ後、0.47秒となった時点で、FET28aのスイッチング停止が解除され、ACスイッチ21aの電源再供給可能となる。
【0115】
又、ACスイッチ21aのオフ後の平滑部25内の電解コンデンサ25aの残電圧は、図6で説明したように、例えば、AC入力電圧を230V設定とし、制御IC30内のFETスイッチング停止解除の基準電圧を30Vとした場合、ACスイッチ21aのオフ後の電解コンデンサ25aの電圧は、曲線60の垂下曲線となる。電解コンデンサ25aの電圧が30Vとなり、ACスイッチ21aのオフ後約2分37秒(=157秒)となった時点で、FET28aのスイッチング停止が解除され、ACスイッチ21aの電源再供給可能となる。
【0116】
このように、ACスイッチ21aのオフ後のコンデンサ23cの電圧は、FET28のスイッチング停止解除電圧まで即垂下(例えば、0.47秒程度)するため、ACスイッチ21aのオフ後の電源再供給が即可能である。これに対し、電解コンデンサ25aの電圧は、約2分37秒程度待たなければ、FET28aのスイッチング停止解除電圧まで垂下しないため、ACスイッチ21aのオフ後、AC電力再供給可能となるまで、前記時間、ユーザが待つ必要がある。
【0117】
図14は、図7中のフォトカプラの発光部72e、73dの点条件を示す図であり、図15は、図7中のフォトトランジスタ32a、71gのオン/オフと、IC30の動作状態及びユーザによる電源再立ち上げ時間との関係を示す図である。
【0118】
図1、図7、図14及び図15により、本実施例1の動作を総括する。
放電回路切り替え部72中のフォトカプラの発光部72eは、ツェナーダイオード72aがオン状態の場合又はアラーム信号ALM−PがHレベル(例えば、6V)の場合、点灯し、ツェナーダイオード72aがオフ状態且つアラーム信号ALM−PがLレベル(例えば、0V)の場合、消灯することが、図14に示されている。放電回路切り替え部72中のフォトカプラの発光部72eが点灯すると、フォトトランジスタ71gがオンし、時定数の長い放電回路が選択されるので、ユーザによる電源の再立ち上げ時の立ち上がり時間が長くなることが、図15に示されている。
【0119】
図14において、ツェナーダイオード72aがオフ状態且つアラーム信号ALM−PがLレベル(例えば、0V)であり、且つオートオフ信号AUTO−OFF−PがHレベル(例えば、1.9V)の場合は、動作停止通知部73中のフォトカプラの発光部73dのみが発光するので、フォトトランジスタ71gはオフ状態のままであり、時定数の短い放電回路が選択されるので、ユーザによる電源の再立ち上げ時の立ち上がり時間が短くなることが、図15に示されている。
【0120】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、画像形成装置の電源を自動でオフさせるオートオフ信号AUTO−OFF−Pと、画像形成装置の異常状態を示すアラーム信号ALM−Pと、を設け、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが有効である場合、電源装置20Aの1次フィルタ部23内のコンデンサ23cの電圧を使用することにより、ACスイッチ21aのオフ後の電源再供給を即可能としている。
【0121】
更に、アラーム信号ALM−Pが有効である場合、図7中のフォトトライアックカプラの発光部72e及び受光側トライアック71gにより、整流部24によるAC電力の全波整流後に平滑部25で平滑した電解コンデンサ25aの電圧に切り替えることにより、比較例と同様に、ACスイッチ21aのオフ後の電源再供給時間に、ユーザへ装置故障を認識させるため数分間の待ち時間を確保することができる。
【実施例2】
【0122】
(実施例2の電源装置の構成)
図16は、本発明の実施例2における電源装置の構成ブロック図であり、比較例を示す図3中の要素、及び実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0123】
本実施例2の電源装置20Bでは、実施例1の電源装置20Aにおけるトランス26の1次側の電圧供給部70及び放電回路切り替え部71に代えて、これらとは構成の異なるリレー回路動作部90及びB接点リレー回路91を設け、トランス26の2次側の動作停止通知部73及び放電回路切り替え部72に代えて、これらとは構成の異なる動作停止通知部41及びリレー回路動作部92を設けている。動作停止通知部41は、比較例を示す図3中の動作停止通知部41と同一のものである。
【0124】
本実施例2における1次側のリレー回路動作部90は、整流部24の出力側に接続され、2次側のリレー回路動作部92の出力光を受光して動作し、1次側のB接点リレー回路91を動作させる回路である。B接点リレー回路91は、整流部24と平滑部25との間を電気的に接続又は遮断する回路であり、通常はオン状態となって整流部24と平滑部25との間を接続し、リレー回路動作部90が動作すると、オフ状態となって整流部24と平滑部25との間を遮断する回路である。2次側のリレー回路動作部92は、制御部50A内の演算/処理部52Aから送信されるオートオフ信号AUTO−OFF−Pにより動作して発光し、1次側のリレー回路動作部90を動作させる回路である。
【0125】
1次側の動作停止通知部32及び2次側の動作停止通知部41により、遮断手段が構成されている。1次側のリレー回路動作部90、B接点リレー回路91、及び2次側のリレー回路動作部92により、オートオフ手段が構成されている。その他の構成は、図3の比較例及び図1の実施例1の構成と同様である。
【0126】
図17は、図16の電源装置20Bの構成例を示す回路図であり、比較例を示す図4中の要素、及び実施例1を示す図7中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0127】
本実施例2における1次側のリレー回路動作部90は、2次側のリレー回路動作部92の出力光を受光してオンするフォトトライアックカプラの受光側トライアック90a、抵抗90b,90e、励磁用コイル90c、コンデンサ90d、及びツェナーダイオード90fを有している。受光側トライアック90aのアノードは、整流部24の出力側に接続されている。受光側トライアック90aのカソードは、抵抗90b及び励磁用コイル90cを介して、平滑部25内の電解コンデンサ25aの−側電極に接続されている。
【0128】
受光側トライアック90aのカソード側には、コンデンサ90d及び抵抗90eが並列に接続されている。励磁用コイル90cは、B接点リレー回路91を動作させるコイルである。励磁用コイル90cには、ツェナーダイオード90fが並列に接続されている。ツェナーダイオード90fは、励磁用コイル90cに掛かる電圧をクランプするものである。
【0129】
B接点リレー回路91は、整流部24の出力側と平滑部25の入力側との間に接続され、励磁用コイル90cに電流が流れず、励磁用コイル90cが励磁されない場合は、スイッチがオン状態になっており、励磁用コイル90cに電流が流れ、励磁用コイル90cが励磁された場合は、スイッチがオフ状態になる回路である。
【0130】
2次側のリレー回路動作部92は、オートオフ信号AUTO−OFF−Pを入力する抵抗92aと、フォトトライアックカプラの発光部92bとを有している。発光部92bは、抵抗92aと、アラーム部41内のフォトカプラの発光部41fとの間に接続され、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが入力されると、発光して受光側トライアック90aをオンさせる素子である。フォトトライアックカプラの特性として、発光部92bの発光がなくなっても、受光側トライアック90aはオンし続ける特性を持つ。その他の構成は、図4の比較例及び図7の実施例1の構成と同様である。
【0131】
(実施例2の動作)
図18は、図16及び図17の電源装置20Bにおける全体の動作を示す概略のフローチャートである。
【0132】
本実施例2の電源装置20Bでは、実施例1と同様に、ステップS71において、動作が開始されると、ステップS72において、制御部50Aからのオートオフ信号AUTO−OFF−P又はアラーム信号ALM−Pの受信待ち状態になる。この受信待ち状態において、電源装置20Bは、実施例1の電源装置20Aと同様に、AC電力をACスイッチ部21のACスイッチ21a及びAC入力部22を介して入力し、2次側出力部38から安定したDC電力を出力する。すると、制御部50A内のスペースモータ用ドライバ53及び印字ヘッド用ドライバ54により、図2のプリンタ本体10側のスペースモータ14及び印字ヘッド11bがそれぞれ駆動され、印刷媒体に印字される。
【0133】
ステップS72において、電源装置20Bは、制御部50A内の演算/処理部52Aから出力されたオートオフ信号AUTO−OFF−Pを受信すると、ステップS73へ進み、オートオフ信号処理を行った後、動作を終了する。又、電源装置20Bは、制御部50A内のドライバアラーム検出部55から出力されたアラーム信号ALM−Pを受信すると、ステップS74へ進み、比較例の図5と同様のアラーム信号処理を行った後、動作を終了する。
【0134】
図19は、図18中のステップS73のオートオフ信号処理の動作を示す電源装置20Bの構成ブロック図であり、図16の構成ブロック図に対応している。
【0135】
この図19では、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが有効となり、電源装置20Bをオートオフする場合の信号の流れが太い実線で示されている。
【0136】
図20は、図18中のステップS73のオートオフ信号処理の動作を示すフローチャートである。
【0137】
この図20では、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが有効となり、電源装置20Bをオートオフする場合の動作が示されている。
【0138】
以下、図17及び図19を参照しつつ、図20のフローチャートの処理を説明する。
図20のステップS81において、電源装置20Bが通常動作をしている。ステップS82において、画像形成装置を使用しない期間が一定時間経過すると、制御部50A内の演算/処理部52Aがオートオフ信号AUTO−OFF−Pを送信する。ステップS83において、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが、電源装置20B内の2次側のリレー回路動作部92に入力されると、このリレー回路動作部92内のフォトトライアックカプラの発光部92bが発光する。ステップS84において、フォトトライアックカプラの発光部91bが発光することにより、1次側のリレー回路動作部90内の受光側トライアック90aがオンする。
【0139】
ステップS85において、励磁用コイル90cに電流が流れてこの励磁用コイル90cが励磁され、B接点リレー回路91のスイッチがオフして、整流部24と平滑部25との間が遮断される。ステップS86において、B接点リレー回路91以降の回路に電圧が供給されなくなり、電源装置20Bの2次側出力電力が遮断され、ステップS87へ進む。
【0140】
ステップS87において、AC入力電力を電源装置20Bに供給するACスイッチ部21のACスイッチ21aがオフされていない場合(No)、ステップS88へ進む。ステップS88において、フォトトライアックカプラの受光側トライアック90aに電流が流れ続け、励磁用コイル90cが励磁され続けるため、B接点リレー回路91のスイッチがオフ状態を持続する。そのため、B接点リレー回路91以降の回路に電圧が供給されないので、2次側出力電力の遮断状態を持続する。その後、ステップS87へ戻る。
【0141】
ステップS87において、ACスイッチ21aがオフされた場合(Yes)、ステップS89へ進む。ステップS89において、ACスイッチ21aをオフすることにより、1次フィルタ部23内のコンデンサ23cの電圧が、放電用抵抗23a,23bにより即垂下し、フォトトライアックカプラの受光側トライアック90aに電流が流れなくなり、受光側トライアック90aがオフする。これにより、励磁用コイル90cが励磁されないため、B接点リレー回路91のスイッチがオンする。その後、ステップS89において、動
作を終了し、電源再供給可能状態となる。
【0142】
又、アラーム信号ALM−Pが有効となった場合や、その他の動作については、比較例や実施例1と同様である。
【0143】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、画像形成装置の電源装置20Bを自動でオフさせるオートオフ信号AUTO−OFF−Pと、画像形成装置の異常状態を示すアラーム信号ALM−Pと、を設け、オートオフ信号AUTO−OFF−Pが有効である場合、B接点リレー回路91のスイッチをオフさせ、リレー回路動作部90により、そのスイッチのオフ状態を維持し、整流部24による1次側全波整流後の平滑部25への電力供給を遮断している。これにより、電源装置20Bによる2次側出力電力の遮断状態を持続させ、ACスイッチ21aのオフ後は、実施例1と同様に、電源再供給を即可能とすることができる。即ち、制御IC30のラッチ機能に介入しないため、オートオフ時の電源再供給を即可能とすることができる。
【0144】
更に、アラーム信号ALM−Pが有効である場合は、比較例や実施例1と同様に、ACスイッチ21aのオフ後の電源再供給時間に、ユーザへ装置故障を認識させるため数分間の待ち時間を確保することができる。
【0145】
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)、(b)のようなものがある。
【0146】
(a) 電源装置20A,20Bは、図示以外の構成に変更しても良い。
(b) 図2のプリンタ本体10は、電子写真プリンタ等の他の形式のプリンタ本体にも適用できる。又、本発明の画像形成装置は、プリンタ以外の複写機、ファクシミリ装置、複合機(MFP)等にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0147】
10 プリンタ本体
20,20A,20B 電源装置
21a ACスイッチ
26 トランス
28 スイッチング部
28a FET
30 制御IC
32 動作停止通知部
50,50A 制御部
70 電圧供給部
41,72 動作停止通知部
71,72 放電回路切り替え部
90,92 リレー回路動作部
91 B接点リレー回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オン状態の時に電源電力を供給し、オフ状態の時に前記電源電力の供給を遮断する電源スイッチと、
前記電源スイッチを介して供給された前記電源電力を変換し所望の出力電力を出力する変換部と、
故障を通知するアラーム信号又は省電力を指示する省電力信号に基づいて前記電源電力の供給を遮断し、前記電源スイッチをオフ状態にした後に再度オン状態にして前記電源電力の再供給を行う場合において、前記アラーム信号に基づいて前記電源電力の供給を遮断した場合は、前記電源電力の再供給を所定時間だけ制限し、前記省電力信号に基づいて前記電源電力の供給を遮断した場合は、前記所定時間を短くして前記電源電力を再供給するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置は、
前記電源スイッチと前記制御部との間に配設された整流ダイオードと、
前記電源スイッチと前記整流ダイオードとの間に配設され、第1のコンデンサを含んで構成された前記電源電力のノイズを除去する1次フィルタと、
前記電源スイッチから前記1次フィルタ及び前記整流ダイオードを通して電荷を充電する第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1のコンデンサに蓄えられた残電圧を出力する電圧供給部と、
前記アラーム信号に基づいて、前記第1のコンデンサに蓄えられた第1の残電圧を、前記第2のコンデンサに蓄えられた第2の残電圧に切り替えて出力する放電回路切り替え部と、
前記第1の残電圧又は前記第2の残電圧と、前記電源電力の再供給を許可する所定電圧と、を比較して、前記第1の残電圧又は前記第2の残電圧が前記所定電圧になるまでの時間によって前記所定時間を定める所定時間決定手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記省電力信号を受けると、前記第2のコンデンサに蓄えられた電荷の放電を促進する放電部を有することを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項5】
前記制御部は、更に、
前記省電力信号を受けると、前記アラーム信号発生時より短時間で前記電源電力の供給を遮断することを特徴とする請求項4記載の電源装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記整流ダイオードで整流し、前記コンデンサが平滑した出力電圧をスイッチングするスイッチング部と、を有し
前記制御部は、前記スイッチングを制御するパルス信号を出力するパルス信号出力端子を有することを特徴とする請求項3記載の電源装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記アラーム信号を受けると、前記パルス信号出力端子から前記変換部に前記出力電力を低下させる制御信号としてパルス信号を停止した状態とし、且つ、前記第1の残電圧、又は前記第2の残電圧が前記所定電圧に低下するまで、前記パルス信号の停止した状態を維持することを特徴とする請求項6記載の電源装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記所望の出力電力を出力するために、前記パルス信号出力端子の出力パルスをパルス幅変調して前記スイッチング部を制御することを特徴とする電源装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項記載の電源装置と、
前記電源装置の前記出力電力により駆動され、記録媒体に画像を形成する画像形成装置本体と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置本体は、
前記印字部を制御する演算処理部と、
記録媒体に印字を行う印字部と、
前記印字部の故障を検知し前記アラーム信号を出力する故障検知部と、を有し、
前記演算処理部は、
前記印字部による画像形成動作が所定時間行われないと前記省電力を指示する信号を出力することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−191835(P2012−191835A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22680(P2012−22680)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】