説明

電源装置

【課題】小型かつ低コストでありながら、リレーの溶着を検出するとともに、その溶着時においても十分な安全性を確保した電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置1Aは、一対の電源ラインL1、L2を介して入力電源2から電力供給を受けるメイン電源3と、各電源ラインに配置されたトランスファー接点型のリレーTRL1、TRL2と、制御部4と、検出回路5Aとを備える。各リレーの共通接点cは入力電源に接続され、各常閉接点aはメイン電源に接続されている。各リレーにおいて、制御部から送られてくるリレーオン/オフ信号によって、それぞれ、共通接点と常閉接点が接続され、共通接点と常開接点が接続される。検出回路は、各常開接点間に接続され、入力電源から供給される電圧または電流に基づく検出信号を出力する。制御部は、リレーオフ信号を送っているにもかかわらず検出信号の出力がない場合に、リレーの溶着が生じていると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、待機電力を低減させた電源装置として、例えば特許文献1に記載された電源装置が知られている。
図4に示すように、この電源装置1Xは、メイン電源3と、リレーRL1、RL2と、制御部4Xと、待機電源6を備える。
【0003】
メイン電源3は、一対の電源ラインL1、L2を介して入力電源2から電力供給を受けて、図示しない主要な機器を駆動させるものである。
リレーRL1、RL2は、一対の電源ラインL1、L2にそれぞれ介装され、入力電源2に接続された一方の接点と、メイン電源3に接続された他方の接点とをそれぞれ有する。リレーRL1、RL2は、制御部4Xからリレー駆動コイル(誘導コイル)に送られてくるリレーオン/オフ信号(リレー駆動信号)によって、同時に導通状態/非導通状態となる。
制御部4Xは、リレーRL1、RL2、およびメイン電源3の各動作を制御するものである。
待機電源6は、待機時(メイン電源3が機器を駆動させていない時)に、必要最小限の回路等(例えば、制御部4X)に電力を供給するものである。
【0004】
この電源装置1Xによれば、待機時に、制御部4Xがリレーオフ信号を送ってリレーRL1、RL2を非導通状態とすることにより、メイン電源3が入力電源2から電気的に切り離され、該メイン電源3での消費電力がゼロとなり、待機電力が低減される。
しかしながら、この電源装置1Xでは、何らかの原因(例えば、過電流等)でリレーRL1、RL2のいずれか一方で溶着が生じると、制御部4Xがリレーオフ信号を送っても、メイン電源3が入力電源2から電気的に切り離されない場合があり、その安全性が十分確保されていなかった。
具体的には、リレーRL1、RL2の両方が一度に溶着した場合には、メイン電源3をオフすることができず、故障を検知することが可能である。しかしながら、リレーRL1、RL2の一方だけが溶着した場合には、入力電源2の極性(ライブ/ニュートラル)のうちニュートラル側のリレーの開閉により、ライブ側のリレーの溶着を検知できずに使用する場合があり、安全性を十分確保することができない。すなわち、一方のリレーだけで開閉する場合には、必ずライブ側のリレーの開閉が必要であるが、入力電源2がAC100[V]の2極コンセントのような場合、特に、コンセントに極性がない場合や、コンセントに接続される電源コードのプラグに極性がない場合においては、リレーRL1、RL2のどちら側がライブ側になるか不明となるため、リレーRL1、RL2の一方だけが溶着した場合には、安全性が十分確保されていなかった。
【0005】
ところで、日本電気協会の系統連系規定「JEAC9701」の第2章「連系に必要な設備対策」において、例えば「機械的な開閉箇所1箇所と内部コンタクタを利用した開放信号により、ゲートブロックする(メイン電源等を動作停止させる)」と記載され、電源装置の異常時の安全性に対する設備対策が規定されている。この規定はあくまでも太陽光発電や蓄電に関連する電源装置に対するものであるが、これ以外の一般的な電源装置に対しても同様の設備対策が求められることは言うまでもない。
このため、近年では、リレーの溶着を検出するとともに、その溶着時においてもメイン電源を動作停止させて十分な安全性を確保した電源装置が求められている。
【0006】
なお、リレーの溶着を検出可能な電源装置としては、例えば特許文献2に記載された電源装置が知られている。
図5に示すように、この電源装置1Yは、リレーRL1、RL2と、補助リレーRL3と、検出回路(異常検出回路)5Yとを備える。なお、説明の簡略化のため、同図において、リレーRL2側に配置される補助リレーおよび検出回路等は省略している。
【0007】
補助リレーRL3は、リレーRL1側に配置され、補助接点を有する。補助リレーRL3は、制御部4Yからリレー駆動コイル(誘導コイル)に送られてくるリレーオン/オフ信号に基づいて、リレーRL1、RL2と連動して導通状態/非導通状態となる。
検出回路5Yは、抵抗RYと電圧検出部8からなる。抵抗RYの一方側は低電圧電源(図示略)に接続され、その他方側は電圧検出部8および補助リレーRL3の一方の接点に接続されている。補助リレーRL3の他方の接点はGNDに接続されている。
【0008】
この電源装置1Yでは、正常時(リレーRL1、RL2の溶着がない時)には、制御部4Yがリレー駆動コイルにリレーオン信号を送ると、リレーRL1、RL2と補助リレーRL3が導通状態となり、低電圧電源が抵抗RYを介してGNDに接続され、検出回路5Yの電圧検出部8からLレベルの検出信号が出力される。一方、制御部4Yがリレー駆動コイルにリレーオフ信号を送ると、リレーRL1、RL2と補助リレーRL3が非導通状態となり、電圧検出部8からHレベルの検出信号が出力される。
一方、この電源装置1Yは、リレーRL1、RL2の一方または両方で溶着が生じた異常時には、補助リレーRL3も開閉することができない構造になっている。このため、異常時に、制御部4Yがリレーオフ信号を送っても、リレーRL1、RL2および補助リレーRL3のすべてが非導通状態とならないため、検出回路5Yから検出信号が出力されなくなる。
したがって、この電源装置1Yによれば、リレーRL1、RL2に連動する補助リレーRL3の導通/非導通状態における検出回路5Yからの検出信号、および、制御部4Yからのリレー駆動信号に基づいて、リレーRL1、RL2の溶着の有無を検出することができる。
【0009】
しかしながら、この電源装置1Yでは、補助リレーRL3とリレー駆動コイルからなる2次側部品と、リレーRL1、RL2からなる1次側部品との間の距離を、1次側部品−2次側部品間に適用される安全規格を満足するように、十分確保する必要がある。このため、補助接点を有しないリレーを用いた電源装置と比べて、大型化および高コスト化する点が問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005-295632号
【特許文献2】特開2005−295698号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の課題は、小型かつ低コストでありながら、リレーの溶着を検出するとともに、その溶着時においても十分な安全性を確保した電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、(1)一対の電源ラインを介して入力電源から電力供給を受けるメイン電源と、前記一対の電源ラインのそれぞれに配置されたトランスファー接点型のリレーであって、常開接点と、前記メイン電源に接続された常閉接点と、前記入力電源に接続された共通接点とをそれぞれ有し、制御部から送られてくるリレーオン信号によって前記共通接点と前記常閉接点が接続され、かつ、前記制御部から送られてくるリレーオフ信号によって前記共通接点と前記常開接点が接続されるリレーと、前記各リレーの前記常開接点間に接続され、前記入力電源から供給される電圧または電流に基づく検出信号を出力する検出回路と、を備え、前記制御部は、前記リレーに前記リレーオフ信号を送っているにもかかわらず前記検出回路からの前記検出信号の出力がない場合に、前記リレーの溶着が生じていると判定することを特徴とする電源装置としたものである。
この構成によれば、トランスファー接点型のリレーが、入力電源とメイン電源の間の一対の電源ラインのそれぞれに配置され、リレーの各接点の接続状態が、制御部からのリレーオン信号およびリレーオフ信号によって切り替えられ、該リレーのうちの少なくとも1つに溶着が生じた時に、検出回路が入力電源に接続されなくなる(検出回路から検出信号が出力されなくなる)ことを利用して、制御部が、リレーに送ったリレーオフ信号と検出回路からの検出信号とに基づいて、リレーの溶着の有無を判定する。したがって、トランスファー接点型のリレーを用いることにより、補助接点を有する補助リレーを不要とすることができるので(より詳しくは、従来の補助接点を有する補助リレーに対し、2次側部品がリレー駆動コイルのみとなって、リレー駆動コイル以外をすべて1次側部品とすることができ、1次側部品と2次側部品の間の距離をさらに短くすることができるので)、従来の電源装置と比べてはるかに小型かつ低コストで、リレーの溶着を検出する電源装置を実現することができる。
【0013】
また、上記構成(1)において、(2)前記制御部は、前記リレーの溶着が生じていると判定した時、前記メイン電源を動作停止させるためのメイン電源停止信号を前記メイン電源に送ることが好ましい。
この構成によれば、リレーの溶着時に入力電源とメイン電源が接続されていても、制御部がメイン電源停止信号を送ってメイン電源を動作停止させるので、十分な安全性を確保した電源装置を実現することができる。
【0014】
また、上記構成(1)または(2)において、(3)前記検出回路は、前記各リレーの前記常開接点間に接続された検出用抵抗と、前記検出用抵抗の両端間の電圧の多寡に基づいて前記検出信号を出力する電圧検出部とからなることが好ましい。
この構成によれば、検出回路が検出用抵抗と電圧検出部のみからなっているので、極めて簡単な構成の電源装置を実現することができる。
【0015】
また、上記構成(1)または(2)において、(4)前記各リレーの前記常開接点間に接続された発光素子と、前記発光素子に流れる電流による発光に基づいて前記検出信号を出力する受光素子とからなることが好ましい。
この構成によれば、検出回路が発光素子と受光素子のみからなっている上、発光を利用した検出信号は一般的にノイズの影響を受けにくいため、極めて簡単な構成で、より正確にリレーの溶着を判定しうる電源装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小型かつ低コストでありながら、リレーの溶着を検出するとともに、その溶着時においても十分な安全性を確保した電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施例に係る電源装置を示すブロック図である。
【図2】電源装置の各部の動作を示すグラフであり、(a)はリレー駆動信号(リレーオン/オフ信号)の時間波形、(b)は検出信号の時間波形、(c)はメイン電源停止信号の時間波形を示す。
【図3】本発明の第2実施例に係る電源装置を示すブロック図である。
【図4】従来の電源装置を示すブロック図である。
【図5】従来の他の電源装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例に係る電源装置を示すブロック図である。
この電源装置1Aは、メイン電源3と、トランスファー接点型のリレーTRL1、TRL2と、制御部4と、検出回路5Aとを備える。
【0020】
メイン電源3は、一対の電源ラインL1、L2を介して入力電源2から電力供給を受けて、図示しない主要な機器を駆動させるものである。
【0021】
トランスファー接点型のリレーTRL1、TRL2は、一対の電源ラインL1、L2にそれぞれ介装され、常閉接点a、常開接点b、および共通接点cをそれぞれ有する。各常閉接点aはメイン電源3に接続されている。各常開接点bは後述する検出回路5Aに接続されている。各共通接点cは入力電源2に接続されている。
これらのリレーTRL1、TRL2は、制御部4からリレー駆動コイル(誘導コイル)に送られるリレーオン/オフ信号(リレー駆動信号)によって各接点a、b、cの接続状態が切り替えられるようになっている。すなわち、リレーオン信号によって共通接点cと常閉接点aが接続され、かつ、リレーオフ信号によって共通接点cと常開接点bが接続される。
なお、リレーオン/オフ信号は、トランジスタ等から構成されるリレー駆動回路(図示略)を介して、制御部4からリレーTRL1、TRL2に送られるようになっている。
【0022】
制御部4は、リレーTRL1、TRL2、およびメイン電源3の各動作を制御するものである。
また、制御部4は、リレーTRL1、TRL2に送るリレーオフ信号と、後述するような検出回路5Aからの検出信号とに基づいて、該リレーの溶着の有無を判定するものである。制御部4は、リレーオフ信号を送っているにもかかわらず検出信号の出力がない場合に、該リレーの溶着が生じていると判定する。
さらに、制御部4は、該リレーの溶着が生じていると判定した時、メイン電源3を動作停止させるためのメイン電源停止信号をメイン電源3に送るようになっている。
【0023】
検出回路5Aは、入力電源2から供給される電圧または電流に基づく検出信号を制御部4に対して出力する構成のものである。検出回路5Aは、この実施例においては、検出用抵抗RAと電圧検出部7とからなる。
検出用抵抗RAの両端は、各リレーTRL1、TRL2の常開接点b間に接続されている。
電圧検出部7は、検出用抵抗RAに並列接続され、検出用抵抗RAの両端間の電圧の多寡に基づいて検出信号を出力する。電圧検出部7は、例えば、検出用抵抗RAの両端間の電圧Vが基準電圧Vth以上の時に検出信号を出力し、電圧Vが基準電圧Vth未満のときは検出信号を出力しない構成となっている。
【0024】
次に、本発明の電源装置1Aの動作について、図2を参照して以下に簡単に説明する。
【0025】
まず、リレーTRL1、TRL2の溶着が生じていない正常時には、時刻t1〜t2の期間において制御部4がリレーオフ信号をリレーTRL1、TRL2に送ると、図1に示すように、各リレーの共通接点cと常閉接点aが非導通状態となって、メイン電源3が入力電源2から電気的に切り離されるとともに、各共通接点cと常開接点bが導通状態となって、入力電源2と検出回路5Aが接続される。これにより、検出用抵抗RAに入力電源2からの電流が流れ、検出用抵抗RAの両端間の電圧Vが基準電圧Vth以上となり、電圧検出部7が検出信号を出力する。
この期間においては、リレーオフ信号と検出信号が同時に出力されているため、制御部4は、リレーTRL1、TRL2の溶着が生じていないと判定する。
そして、時刻t2〜t3の期間において制御部4がリレーオン信号をリレーTRL1、TRL2に送ると、各リレーの共通接点cと常閉接点aが導通状態となって、メイン電源3が入力電源2と接続されるとともに、各共通接点cと常開接点bが非導通状態となって、検出回路5Aが入力電源2から切り離される。これにより、検出用抵抗RAに電流が流れず、検出用抵抗RAの両端間の電圧Vがゼロとなって基準電圧Vth未満となり、電圧検出部7は検出信号を出力しない。
【0026】
次に、リレーTRL1、TRL2のうちの少なくとも1つにおいて溶着が生じているような異常時には、時刻t3〜t4の期間において制御部4がリレーオフ信号をリレーTRL1、TRL2に送ったとしても、各リレーの少なくとも1つにおいて共通接点cと常開接点bが非導通状態となるため、検出回路5Aは入力電源2と電気的に接続されなくなる。このため、検出用抵抗RAに電流が流れず、電圧検出部7は検出信号を出力しない。
すなわち、この期間においては、制御部4がリレーオフ信号を送っているにもかかわらず検出信号の出力がないため、制御部4は、リレーTRL1、TRL2の少なくとも1つにおいて溶着が生じていると判定する。
また、リレーTRL1、TRL2のうちの一方のみに溶着が生じている場合には、メイン電源3に電力が供給されず、メイン電源3は動作停止するが、リレーTRL1、TRL2の両方に溶着が生じている場合には、制御部4は、メイン電源3を動作停止させるためのメイン電源停止信号をメイン電源3に送る。これにより、メイン電源3が動作停止する。
さらに、時刻t3において制御部4が一旦メイン電源停止信号をメイン電源3に送ると、当該信号は、例えば制御部4とメイン電源3の間に配置されたラッチ回路(図示略)等によってその出力が時刻t3以降保持されるようになっている(リレーオフ信号がオフとなる時刻t4以降も保持されたままとなる)。なお、当該信号は、制御部4からのリセット信号によりリセットされるようになっている。
【0027】
この電源装置1Aによれば、トランスファー接点型のリレーTRL1、TRL2が、入力電源2とメイン電源3の間の一対の電源ラインL1、L2のそれぞれに介装され、該リレーの各接点a、b、cの接続状態が、制御部4からのリレーオン信号およびリレーオフ信号によって切り替えられ、該リレーのうちの少なくとも1つに溶着が生じた時に、検出回路5Aが入力電源2に接続されなくなる(検出回路5Aから検出信号が出力されなくなる)ことを利用して、制御部4が、リレーTRL1、TRL2に送ったリレーオフ信号と検出回路5Aからの検出信号とに基づいて、該リレーの溶着の有無を判定するように構成されている。
したがって、トランスファー接点型のリレーTRL1、TRL2を用いることにより、従来の補助接点を有する補助リレーを不要とすることができるので(より詳しくは、従来の補助接点を有する補助リレーに対し、2次側部品がリレー駆動コイルのみとなって、リレー駆動コイル以外をすべて1次側部品とすることができ、1次側部品と2次側部品の間の距離をさらに短くすることができるので)、従来の電源装置と比べてはるかに小型かつ低コストで、リレーの溶着を検出することができる。
また、リレーTRL1、TRL2の溶着時に入力電源2とメイン電源3が接続されていても、制御部4がメイン電源停止信号を送ってメイン電源3を動作停止させるので、十分な安全性を確保することができる。
さらに、検出回路5Aが検出用抵抗RAと電圧検出部7のみからなっているので、極めて簡単な構成の電源装置を実現することができる。
【0028】
(第2実施例)
第2実施例の電源装置1Bは、検出回路の構成が第1実施例の電源装置1Aと異なるだけである。したがって、この点に関してのみ説明する。
【0029】
検出回路5Bは、発光素子と受光素子で構成され、発光素子に流れる電流による発光に基づいて受光素子が検出信号を出力する構成となっている。
図3に示すように、検出回路5Bは、例えば、発光ダイオード(発光素子)Dとフォトトランジスタ(受光素子)TrからなるフォトカプラPCで構成される。発光ダイオードDは、各リレーTRL1、TRL2の常開接点b間に接続されている。また、フォトトランジスタTrは、発光ダイオードDに流れる電流による発光に基づいて検出信号を制御部4に出力するようになっている。
したがって、この電源装置1Bによれば、検出回路5Bが入力電源2と接続された時に、発光ダイオードDが発光し、検出信号が制御部4に出力されるので、第1実施例の電源装置1Aと同様、小型かつ低コストでありながら、リレーの溶着を検出するとともに、その溶着時においても十分な安全性を確保することができる。
しかも、この電源装置1Bによれば、検出回路5Bが発光ダイオードDおよびフォトトランジスタTrのみからなっている上、発光を利用した検出信号は一般的にノイズの影響を受けにくいため、極めて簡単な構成で、より正確にリレーの溶着を判定することができる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、検出回路5A、5Bはあくまでも一例に過ぎない。検出回路は、入力電源と電気的に接続された時に検出信号を出力する構成のものであればよい。
【符号の説明】
【0031】
1A、1B、1X、1Y 電源装置
2 入力電源
3 メイン電源
4、4X、4Y 制御部
5A、5B、5Y 検出回路
6 待機電源
7、8 電圧検出部
a 常閉接点
b 常開接点
c 共通接点
D 発光ダイオード
PC フォトカプラ
RA 検出用抵抗
RY 抵抗
RL1、RL2 リレー
RL3 補助リレー
TRL1,TRL2 トランスファー接点型のリレー
Tr フォトトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電源ラインを介して入力電源から電力供給を受けるメイン電源と、
前記一対の電源ラインのそれぞれに介装されたトランスファー接点型のリレーであって、常開接点と、前記メイン電源に接続された常閉接点と、前記入力電源に接続された共通接点とをそれぞれ有し、制御部から送られてくるリレーオン信号によって前記共通接点と前記常閉接点が接続され、かつ、前記制御部から送られてくるリレーオフ信号によって前記共通接点と前記常開接点が接続されるリレーと、
前記各リレーの前記常開接点間に接続され、前記入力電源から供給される電圧または電流に基づく検出信号を出力する検出回路と、を備え、
前記制御部は、前記リレーに前記リレーオフ信号を送っているにもかかわらず前記検出回路からの前記検出信号の出力がない場合に、前記リレーの溶着が生じていると判定することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記リレーの溶着が生じていると判定した時、前記メイン電源を動作停止させるためのメイン電源停止信号を前記メイン電源に送ることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記検出回路は、前記各リレーの前記常開接点間に接続された検出用抵抗と、前記検出用抵抗の両端間の電圧の多寡に基づいて前記検出信号を出力する電圧検出部とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記検出回路は、前記各リレーの前記常開接点間に接続された発光素子と、前記発光素子に流れる電流による発光に基づいて前記検出信号を出力する受光素子とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−73824(P2013−73824A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212743(P2011−212743)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】