説明

電球形電灯及びその筐体

【課題】強度及び生産性が共に高い電球形電灯及びその筐体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電球形電灯10の筐体13は、電球形電灯10の基端部から先端部に向かって拡径してその大径側端部の内側に放熱部材40が嵌め込まれる金属製筐体20と、電球形電灯10の基端部から先端部に向かって拡径して金属製筐体20の内側に嵌合しかつ大径側端部が放熱部材40に突き合わされるインナー嵌合筒部31を有する樹脂製筐体30とを備え、インナー嵌合筒部31のうち軸方向の中間位置P1より口金17側の部分を、金属製筐体20に固着された状態で金属製筐体20を内側から支持する固着支持筒部31Aとする一方、インナー嵌合筒部31のうち中間位置P1より放熱部材40側の部分を、金属製筐体20に固着されていない状態で金属製筐体20を内側から支持する非固着支持筒部31Bとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子実装基板を有する電球形電灯及びその筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
電球形電灯の筐体として、テーパー筒形の金属製筐体の内側に、樹脂製筐体が有するテーパー筒形のインナー嵌合筒部を嵌合して、金属製筐体の内側から補強したものが知られている。また、このような構造の電球形電灯の筐体として、従来より、インナー嵌合筒部全体を金属製筐体の内面に接着剤にて固着したものと(例えば、特許文献1参照)、固着せずに、単にインナー嵌合筒部を金属製筐体の内面に重ねただけのものとがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−129275号公報(段落[0026])
【0004】
【特許文献2】実用新案登録第3156685号公報(段落[0033])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、金属製筐体の外面が局所的に加圧されるような負荷に対しては、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着されていない補強構造でも、インナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着された補強構造と同様に、金属製筐体の一部の陥没変形を防ぐという効果は奏する。
【0006】
しかしながら、電球形電灯の筐体全体が捻られるトーション負荷や、筐体全体が曲げられるモーメント負荷や、筐体全体が挟持されて潰される挟持負荷を受けた場合には、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着されていない補強構造では、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着された補強構造に比べて容易に、筐体全体が変形する。具体的には、金属製筐体及びインナー嵌合筒部が、共に正規の断面形状(例えば、円形)から歪んだ断面形状(例えば、楕円形状)になるようなトーション負荷、モーメント負荷又は挟持負荷を受けた場合、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着された補強構造では、インナー嵌合筒部と金属製筐体との間に剪断応力(剪断抵抗)が作用する一方、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着していない補強構造では、当初からインナー嵌合筒部と金属製筐体との間が離れているので、インナー嵌合筒部と金属製筐体との間に剪断応力(剪断抵抗)は作用しない。即ち、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着していない補強構造では、トーション負荷、モーメント負荷又は挟持負荷に対して補強が十分ではないという問題がある。
【0007】
一方、上記したインナー嵌合筒部と金属製筐体とが固着された補強構造では、発光素子実装基板を含む内蓋体を金属製筐体の大径側端部の内側に嵌め込む構造とした場合に、内蓋体の形状のばらつきを金属製筐体の大径側端部の変形によって吸収することが困難になり、NG品が発生したり、組み立てに手間がかかったりして、生産性が低くなるという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、強度及び生産性が共に高い電球形電灯及びその筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る電球形電灯の筐体は、電球形電灯の口金側の基端部から口金と反対側の先端部に向かって拡径した筒状をなし、その大径側端部の内側に、発光素子実装基板を含む内蓋体が嵌め込まれる金属製筐体と、電球形電灯の基端部から先端部に向かって拡径した筒状をなして金属製筐体の内側に嵌合しかつ大径側端部が内蓋体に突き合わされるインナー嵌合筒部を有する樹脂製筐体とを備えた電球形電灯の筐体において、インナー嵌合筒部のうち軸方向の中間位置より口金側部分を、金属製筐体に固着された状態で金属製筐体を内側から支持する固着支持筒部とする一方、インナー嵌合筒部のうち中間位置より内蓋体側部分を、金属製筐体に固着されていない状態で金属製筐体を内側から支持する非固着支持筒部としたところに特徴を有する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電球形電灯の筐体において、固着支持筒部と金属製筐体との間に接着剤層を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電球形電灯の筐体において、樹脂製筐体は、金属製筐体に対するインサート成形品であり、接着剤層は、金属製筐体に塗布されたホットメルト層であるところに特徴を有する。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の電球形電灯の筐体において、固着支持筒部の外面と非固着支持筒部の外面とが面一であるところに特徴を有する。
【0013】
請求項5の発明に係る電球形電灯は、請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の電球形電灯の筐体を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
[請求項1,2及び5の発明]
請求項1及び5の発明に係る電球形電灯の筐体では、口金側の基端部から口金と反対側の先端部に向かって拡径した筒状の金属製筐体のうち大径側端部の内側に内蓋体が嵌め込まれる。また、樹脂製筐体のうち金属製筐体と同様に基端部から先端部に向かって拡径した筒状のインナー嵌合筒部は、金属製筐体の内側に嵌合して内蓋体に突き合わされる位置まで延びている。
【0015】
これにより、金属製筐体のうち内蓋体より口金側全体は、インナー嵌合筒部によって内側から支持されると共に、金属製筐体のうちインナー嵌合筒部より先の大径側端部は、内蓋体によって内側から支持され、金属製筐体の外面が局所的に加圧されるような負荷を受けても、その負荷による金属製筐体の陥没変形を防ぐことができる。
【0016】
また、インナー嵌合筒部のうち軸方向の中間位置より口金側部分は、金属製筐体に固着された状態で金属製筐体を内側から支持する固着支持筒部になっている。これにより、電球形電灯の筐体全体にトーション負荷やモーメント負荷や挟持負荷がかかっても、金属製筐体の小径側端部及び、金属製筐体の軸方向の中間部の変形が防がれる。さらに、上記したように金属製筐体の大径側端部は、内蓋体によって内側から支持されているので、上記トーション負荷等による金属製筐体の大径側端部の変形も防がれる。即ち、本発明によれば、金属製筐体にインナー嵌合筒部を固着せずに組み付けただけの従来のものに比べて強度が高い電球形電灯及びその筐体を提供することが可能になる。
【0017】
そして、本発明では、インナー嵌合筒部のうち軸方向の中間位置より内蓋体側部分を、金属製筐体に固着されていない状態で金属製筐体を内側から支持する非固着支持筒部としたので、金属製筐体の大径側端部は、内蓋体を嵌め込む前の状態では、正規の断面形状から歪んだ断面形状へと容易に変形する。これにより、内蓋体の形状のばらつきを金属製筐体の大径側端部の変形によって容易に吸収することができ、NG品の発生を抑えて生産性を高くすることができる。即ち、本発明によれば、金属製筐体にインナー嵌合筒部の全体を固着して組み付けた従来のものに比べて生産性が共に高い電球形電灯及びその筐体を提供することが可能になる。
【0018】
ここで、固着支持筒部と金属製筐体との間は接着剤層によって固着されていてもよいし(請求項2の発明)、金属製筐体の内面の凹凸に樹脂製筐体を構成する樹脂が入り込んで係止した、所謂、「アンカー効果」によって固着されていてもよい。
【0019】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、金属製筐体にホットメルトを塗布してインサート成形を行うことで、インナー嵌合筒部の成形及びインナー嵌合筒部の固着支持筒部と金属製筐体との固着を同一工程で行うことができる。また、筐体の製造に際して、金属製筐体とは別に樹脂製筐体を用意しておく必要が無いから、部品の調達、保管、在庫管理等に係る負荷を軽減することができる。
【0020】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、インナー嵌合筒部のうち、固着支持筒部の外面と非固着支持筒部の外面とを面一にすることで、インナー嵌合筒部を成形するための金型形状を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る電球形電灯の側面図
【図2】電球形電灯の側断面図
【図3】伝熱プレート及び発光素子実装基板の平面図
【図4】金属製筐体の平面図
【図5】電球形電灯の筐体を大径側端部から見た斜視図
【図6】筐体の平面図
【図7】図6におけるX−X切断面における断面図
【図8】図6におけるY−Y切断面における断面図
【図9】筐体の大径側端部における拡大断面図
【図10】筐体の成形金型を型開き状態にしたときの側断面図
【図11】筐体の成形金型を型閉め状態にしたときの側断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11に基づいて説明する。図1及び図2には、本発明に係る電球形電灯10の全体が示されている。この電球形電灯10は、一般的に「LED電球」と称されるものであって、透光カバー12と筐体13とで構成されたボディ11の内側に、「発光素子」としてのLED14が実装された発光素子実装基板15と、LED14を駆動するためのドライバモジュール16とを収容している。
【0023】
透光カバー12は、透明又は半透明な樹脂又はガラスで構成されており、筐体13から膨出したドーム形となっている。これに対し、筐体13は、口金17側の基端部から透光カバー12側の先端部に向かってテーパー状に拡径している。そして、図2に示すように、筐体13の大径側端部に発光素子実装基板15が配置されており、その発光素子実装基板15が筐体13の大径側端部に装着された透光カバー12によって覆われている。図2及び図3に示すように、発光素子実装基板15は、例えば、矩形平板状をなしており、透光カバー12との対向面に複数のLED14,14・・・が分散配置され、その裏面にはコネクタ15Cが実装されている。また、発光素子実装基板15の裏面には、LED14,14・・・から発生した熱を筐体13に逃がすために、金属製(例えば、アルミニウム製)の放熱部材40が宛がわれており、その放熱部材40が筐体13の大径側端部の内側に嵌合装着されている。なお、発光素子実装基板15と放熱部材40とで、本発明の「内蓋体」が構成されている。
【0024】
筐体13は、金属製筐体20と樹脂製筐体30とから構成されている。金属製筐体20は、ヒートシンクとして機能するように熱伝導性のよい金属(例えば、アルミニウム)で構成されている。一方、樹脂製筐体30は、筐体13内に収容したドライバモジュール16と金属製筐体20とを電気的に絶縁するために絶縁性の樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂)で構成されている。なお、金属製筐体20及び樹脂製筐体30は、熱伝導性のよいその他の金属及び樹脂で構成してもよい。
【0025】
金属製筐体20は、プレス成形品であって、口金17から発光素子実装基板15に向かってテーパー状に拡径した筒状(漏斗形)をなすと共に、その小径側端部の開口縁を内側に屈曲させて円環状の結合鍔部22が形成されている。また、図4に示すように、結合鍔部22には、その内周縁を、例えば、矩形状に切り欠いた切り欠き部24が周方向に間隔を開けて複数形成されている。本実施形態では、結合鍔部22の周方向で互いに180度離れた2カ所に切り欠き部24,24が形成されている。
【0026】
結合鍔部22の内縁部は、樹脂製筐体30を構成する樹脂に埋設されている。また、その埋設部分において、結合鍔部22の内縁部に形成された切り欠き部24,24と樹脂製筐体30とが凹凸係合している。
【0027】
樹脂製筐体30は、金属製筐体20の内側に嵌合したインナー嵌合筒部31と、金属製筐体20の小径側端部から金属製筐体20の外側に突出した外側突出部32とを備えている。インナー嵌合筒部31は、金属製筐体20の内面形状に対応した形状、具体的には、発光素子実装基板15に向かってテーパー状に拡径した筒状(漏斗形)をなし、金属製筐体20のテーパー内面に宛がわれている。また、図5及び図7に示すように、インナー嵌合筒部31の大径側端部は、金属製筐体20の大径側端部よりも小径側に一定幅でずらされている。即ち、金属製筐体20の大径側端部には、樹脂製筐体30に覆われることなく内側に露出した内面露出部23が全周に亘って設けられている。
【0028】
図7に示すように、インナー嵌合筒部31の小径側端部からは円環状の鍔被覆部33が内側に向かって突出しており、その鍔被覆部33が金属製筐体20の結合鍔部22の内面を覆っている。
【0029】
図5及び図6に示すように、鍔被覆部33には、周方向で等間隔に複数の鍔部露出孔33A,33Aが形成されている。鍔部露出孔33A,33Aは、鍔被覆部33を金属製筐体20の軸方向で貫通している(図2参照)。そして、これら鍔部露出孔33A,33Aによって、結合鍔部22の内面の一部が樹脂製筐体30の内側に露出している。
【0030】
鍔部露出孔33A,33Aが設けられたことで、筐体13内に籠もった熱(ドライバモジュール16から発生した熱)が金属製筐体20に伝わって、金属製筐体20から放熱される。例えば、口金17を上にした状態で電球形電灯10を使用した場合には、筐体13内の暖気が鍔部露出孔33A,33Aのある上方へと移動するので、鍔部露出孔33A,33Aが特に効果的である。
【0031】
図7に示すように、樹脂製筐体30の外側突出部32は、インナー嵌合筒部31と同軸の円筒形をなしている。外側突出部32は鍔被覆部33の内縁部から起立しており、それら鍔被覆部33と外側突出部32との境界部分には、金属製筐体20における結合鍔部22の内縁部が埋設されている。
【0032】
外側突出部32は、鍔被覆部33(インナー嵌合筒部31)に近い方から順に、大径筒部32A、中径筒部32B、小径筒部32Cとなっており、その順に段階的に外径が小さくなっている。鍔被覆部33から最も離れた小径筒部32Cの外周面にはねじ山が形成されており(図1及び図2参照)、ここに一端有底筒形のねじ式口金17(E形口金)が螺合されている。そして、口金17の開口端寄り部分が、中径筒部32Bの外側に嵌合してカシメ固定されている。
【0033】
図2に示すように、外側突出部32(中径筒部32B及び小径筒部32C)の外側に装着された口金17の開口端は、中径筒部32Bと大径筒部32Aとの間の段差面32Dに突き当てられており、それ以上、金属製筐体20に接近することが禁止される。つまり、口金17と金属製筐体20とが大径筒部32Aの軸長分だけ離して配置され、口金17と金属製筐体20との間を電気的に絶縁することができる。
【0034】
樹脂製筐体30の内側にはドライバモジュール16が収容されている。ドライバモジュール16は、例えば、コンデンサやスイッチング素子等の複数の電気部品16E,16E・・・を回路基板16Kに実装した構造をなし、商用電源の交流を直流に変換してLED14,14・・・に定電流の直流電流を供給する。図2に示すように、回路基板16Kは、樹脂製筐体30の軸方向に延びた縦長平板状をなしており、インナー嵌合筒部31と外側突出部32とに跨って収容されている。また、回路基板16Kは、インナー嵌合筒部31に収容された部分が外側突出部32に収容された部分に対して幅広となっている(図7参照)。さらに、回路基板16Kに実装された電気部品16E,16E・・・は、樹脂製筐体30及び放熱部材40から離されている。
【0035】
図2に示すように、ドライバモジュール16からは複数本のリード線16A,16Bが延びている。ドライバモジュール16の出力部から延びたリード線16A,16Aは、発光素子実装基板15のコネクタ15Cに接続されている。
【0036】
一方、ドライバモジュール16の入力部から延びたリード線16B,16Bは、口金17に接続(ハンダ付け)されている。詳細には、外側突出部32の筒壁を貫通したリード線挿通孔32Eと、外側突出部32の末端開口32Fとからリード線16B,16Bが引き出されて、それぞれ口金17の筒壁及び底壁に接続されている。
【0037】
図2に示すように、樹脂製筐体30のうち外側突出部32の内側には、ドライバモジュール16を保持するための保持部38が形成されている。保持部38は、外側突出部32の筒壁内面から張り出しかつ挿通孔38Cを挟んで配置された1対の基板突当壁38A,38Aと、両基板突当壁38A,38Aからそれぞれドライバモジュール16側に起立した基板挟持壁38B,38Bとを備えている(図6参照)。
【0038】
図2及び図7に示すように、ドライバモジュール16の回路基板16Kは、その長手方向の一端部が基板突当壁38A,38Aに突き当てられかつ、その一端部が基板挟持壁38B,38Bのスリット部38S,38Sに挿入されている。
【0039】
図5に示すように、樹脂製筐体30のうちインナー嵌合筒部31の内面には、複数の補強リブ34,34・・・が形成されている。補強リブ34,34・・・は、インナー嵌合筒部31の内面から突出しかつ軸方向と平行に延びている。補強リブ34,34・・・は、インナー嵌合筒部31の大径側端部及び小径側端部から共に離れた軸方向の中間部に形成されている。また、補強リブ34,34・・・のうち、樹脂製筐体30の内側を向いた内側辺は樹脂製筐体30の軸方向と平行であり、大径側端部の方を向いた先端面は、樹脂製筐体30の軸方向と直交した同一平面で揃えられている(図7及び図8参照)。
【0040】
本実施形態では、図6に示すように、補強リブ34,34・・・が全部で8つ設けられており、隣同士になった2つの補強リブ34,34が対をなしている。そして、対をなした2つの補強リブ34,34を間に挟んで、発光素子実装基板15及び放熱部材40を固定支持する固定支持柱35,35・・・が設けられている。
【0041】
固定支持柱35,35・・・は、インナー嵌合筒部31の内面から樹脂製筐体30の軸方向と平行に大径側端部に向かって起立しかつ、軸心部にビス締結孔を備えた円柱構造をなしている。ここで、固定支持柱35,35・・・の先端面は、補強リブ34の先端面よりもインナー嵌合筒部31の大径側端部の方に突出しかつ、インナー嵌合筒部31の大径側端部よりも小径側端部の方に位置している(図8参照)。
【0042】
インナー嵌合筒部31の内面には位置決めリブ37が形成されている。図7に示すように、位置決めリブ37は、補強リブ34と同様にインナー嵌合筒部31の内面から突出しかつ軸方向と平行に延びている。また、位置決めリブ37は、補強リブ34よりも厚肉であり、補強リブ34の先端面よりもインナー嵌合筒部31の大径側端部の方に突出している(図6及び図7参照)。
【0043】
インナー嵌合筒部31の内面には、補強リブ34,34に加えて1対の補強壁36,36が形成されている。これら補強壁36,36は、インナー嵌合筒部31の内面から樹脂製筐体30の軸方向と平行に起立しており、インナー嵌合筒部31の径方向、より詳細には、基板突当壁38A,38Aの並び方向で対向配置されている(図6参照)。そして、各補強壁36,36は、2つの固定支持柱35,35とそれら2つの固定支持柱35,35の間で対をなした2つの補強リブ34,34とを連結している。
【0044】
筐体13の大径側端部に嵌合装着された放熱部材40は、円板形の底壁41と、底壁41の外周縁から曲げ起こされた円環状の周壁42とから構成されている。
【0045】
放熱部材40の底壁41には、前記固定支持柱35,35の数及び配置と一致するように複数(本実施形態では、4つ)のビス孔41A,41A・・・が貫通形成されており、その底壁41上に載置された発光素子実装基板15にも、固定支持柱35,35の数及び配置と一致するように複数(本実施形態では、4つ)のビス孔15A,15A・・・が貫通形成されている(図3参照)。そして、発光素子実装基板15と放熱部材40は、それぞれのビス孔15A,41Aを貫通したビス(図示せず)によって固定支持柱35,35・・・の先端、即ち、筐体13の大径側端部に固定支持されている。なお、図3には、発光素子実装基板15に貫通形成された4つのビス孔15A,15A・・・のうちの3つと、放熱部材40に貫通形成された4つのビス孔40A,40A・・・のうちの1つが示されている。また、図示しないが、放熱部材40の底壁41には、コネクタ用開口が貫通形成され、そのコネクタ用開口に発光素子実装基板15のコネクタ15Cが挿通されている。
【0046】
図2に示すように、放熱部材40の周壁42は、底壁41から離れるに従って拡径している。詳細には、周壁42は、底壁41の外周縁からテーパー状に拡径した第1拡径部42Aと、第1拡径部42Aの大径側端部から径方向外側に張り出した環状段差部42Bと、環状段差部42Bの外周縁からテーパー状に拡径した第2拡径部42Cとを有している。そして、図9に示すように、第1拡径部42Aが樹脂製筐体30の大径側端部の内側に遊嵌すると共に、第2拡径部42Cが金属製筐体20の大径側端部における内面露出部23に接触状態で嵌合し、環状段差部42Bにインナー嵌合筒部31の大径側端部が突き合わされている。そして、第2拡径部42Cと内面露出部23とがカシメ固定されて、両者が接触状態に保持されている。
【0047】
これにより、金属製筐体20のうち放熱部材40より口金17側の全体が、インナー嵌合筒部31によって内側から支持されると共に、金属製筐体20のうちインナー嵌合筒部31より先の大径側端部が、放熱部材40によって内側から支持され、金属製筐体20の外面が局所的に加圧されるような負荷を受けても、その負荷による金属製筐体20の陥没変形を防ぐことが可能となっている。
【0048】
また、発光素子実装基板15と金属製筐体20との間が放熱部材40によって連絡され、LED14,14・・・から発生した熱を金属製筐体20に伝えて放熱することが可能となっている。ここで、口金17を下にした状態で電球形電灯10を使用した場合には、樹脂製筐体30内の暖気が放熱部材40のある上方へと移動するので、放熱部材40が特に効果的となる。
【0049】
図3に示すように、放熱部材40には、その外縁部の一部を長孔状に切除した位置決め凹部43が形成されている。放熱部材40を筐体13の大径側端部に嵌合装着する際に、位置決め凹部43と樹脂製筐体30に形成された位置決めリブ37(図6参照)とを凹凸係合させると、放熱部材40の各ビス孔41A,41A・・・と、樹脂製筐体30の固定支持柱35,35・・・とが同軸線上に位置決めされるようになっている。
【0050】
さて、樹脂製筐体30におけるインナー嵌合筒部31は、金属製筐体20のテーパー内面に対して、熱伝導性のよい接着剤層(図示せず)を介して固着されている。即ち、図9に示すように、インナー嵌合筒部31は、その軸方向の中間位置P1より口金17側の部分(以下、「固着支持筒部31A」という)が、接着剤層によって金属製筐体20と固着した状態で金属製筐体20を内側から支持している。
【0051】
これにより、例えば、電球形電灯10を照明器具のソケットにねじ込む際に筐体13全体にトーション負荷がかかったり、ソケットに対して斜めに傾いた状態で挿し込むことで筐体13にモーメント負荷がかかったり、筐体13を強く握り過ぎて挟持負荷がかかったりしても、金属製筐体20の小径側端部及び、金属製筐体20の軸方向の中間部の変形が防がれる。さらに、上記したように金属製筐体20の大径側端部は、放熱部材40によって内側から支持されているので、上記トーション負荷等による金属製筐体20の大径側端部の変形も防がれる。
【0052】
ここで、中間位置P1は、インナー嵌合筒部31の大径側の端面から小径端端部の側に所定距離L1だけ離れた放熱部材40(内面露出部23)寄りの位置であり、本実施形態では、補強リブ34の先端面と略同一位置、具体的には、インナー嵌合筒部31の大径側の端面から約5[mm]離れた位置となっている。
【0053】
そして、インナー嵌合筒部31はその大径側端部、詳細には、中間位置P1より放熱部材40(内面露出部23)側の部分(以下、「非固着支持筒部31B」という)が、金属製筐体20に固着されていない状態で金属製筐体20のテーパー内面に宛がわれて、金属製筐体20を内側から支持している。この非固着支持筒部31Bを設けたことにより、金属製筐体20の大径側端部は、放熱部材40を嵌め込む前の状態では、正規の断面形状から歪んだ断面形状へと容易に変形可能となる。
【0054】
以上が、本実施形態の電球形電灯10及びその筐体13の構成であって、次に、電球形電灯10及び筐体13の製造方法について説明する。筐体13の製造方法は以下のようである。
【0055】
まずは、板金をプレス加工して金属製筐体20を成形する。次いで、成形された金属製筐体20の内面に接着剤(ここでは、ホットメルト)を塗布する。その際にはマスキングを行って、上記した中間位置P1を越えて大径側端部の方に接着剤が塗布されないようにしておく。なお、ホットメルトは、電球形電灯10を通常使用したときの発熱で軟化しないものを使用する。
【0056】
ホットメルトが乾燥したら、成形金型60(図10及び図11参照)に金属製筐体20をインサートして射出成形(インサート成形)を行う。即ち、図11に示すように、成形金型60のキャビティ60A内に金属製筐体20を固定保持した状態で、そのキャビティ60A内に、樹脂製筐体30を構成する樹脂を射出し、金属製筐体20と樹脂製筐体30とが一体に結合した筐体13を成形する。
【0057】
成形金型60は、例えば、筐体13の外面形状に対応した凹形成形面を有する第1ブロック61と、筐体13の内面形状に対応した凸形成形面を有する第2ブロック62とを含む複数の金型ブロック61〜64から構成されている。そして、図10に示すように、型開き状態で第1ブロック61の凹形成形面に金属製筐体20をインサートして成形金型60を型閉め状態にすると、図11に示すように、第1ブロック61と第2ブロック62との間で、金属製筐体20の大径側端部が全周に亘って挟持される。
【0058】
また、第2ブロック62の凸形成形面のうち鍔被覆部33の内面を成形する部分からは、型閉め方向に複数の押えピン62T,62Tが突出しており、それら複数の押えピン62T,62Tと第1ブロック61の凹形成形面との間で結合鍔部22が挟持される。このように、金属製筐体20の大径側端部と結合鍔部22とを挟持することで、金属製筐体20がキャビティ60A内で固定される。
【0059】
この状態でキャビティ60Aに樹脂製筐体30を構成する樹脂を射出すると、キャビティ60A内に充填された樹脂によって樹脂製筐体30が成形されると共に、その樹脂の熱で金属製筐体20の内面に塗布されたホットメルトが溶融し、樹脂製筐体30のインナー嵌合筒部31(より詳細には、固着支持筒部31A)と金属製筐体20とがホットメルト層(接着剤層)によって固着する。つまり、樹脂製筐体30の成形及びインナー嵌合筒部31と金属製筐体20との固着が、同一工程で行われる。
【0060】
上記インサート成形によって成形された樹脂製筐体30のうち、インナー嵌合筒部31の外面は、金属製筐体20のテーパー内面によって成形されるので、金属製筐体20に固着している固着支持筒部31Aの外面と、金属製筐体20に固着していない非固着支持筒部31Bの外面とは面一となる。
【0061】
また、第1ブロック61と第2ブロック62との間で挟持された金属製筐体20の大径側端部には、樹脂製筐体30で被覆されずに内側に露出した内面露出部23が形成される。また、結合鍔部22の内面が鍔被覆部33で覆われると共に、押えピン62T,62Tが突き当てられた部分には、鍔被覆部33を貫通した鍔部露出孔33A,33Aが形成される。
【0062】
また、図11に示す型閉め状態において、金属製筐体20における結合鍔部22の内縁部は、第1ブロック61の凹形成形面からキャビティ60A内に張り出しており、その張り出した結合鍔部22の内縁部が樹脂製筐体30を構成する樹脂に埋設される。即ち、上記したように、樹脂製筐体30における鍔被覆部33と外側突出部32との境界部分に、結合鍔部22の内縁部が全周に亘って埋設される(図7及び図8参照)。これにより、樹脂製筐体30と金属製筐体20とが抜け止め状態で結合される。
【0063】
さらに、結合鍔部22の内縁部に形成された切り欠き部24,24(図4参照)に、樹脂製筐体30を構成する樹脂が入り込んで硬化することにより、樹脂製筐体30と金属製筐体20とが周方向で係合して、両者の相対回転が禁止(回り止め)される。
【0064】
キャビティ60A内の樹脂製筐体30及びホットメルト層が固まったら、成形金型60を型開きして筐体13を抜き取る。以上が筐体13の製造方法である。
【0065】
電球形電灯10の製造方法は以下のようである。まずは、筐体13(樹脂製筐体30)の内側にドライバモジュール16を組み付ける。具体的には、筐体13の大径側端部からドライバモジュール16を挿入し、基板挟持壁38B,38Bのスリット部38S,38Sに回路基板16Kを挿入して挟持させる。このとき、回路基板16Kの長手方向に延びた両側辺を基板支持壁39,39に摺接させながら挿入することで、回路基板16Kをスムーズにスリット部38S,38Sに挿入することができる。
【0066】
次に、ドライバモジュール16から延びた入力側のリード線16B,16Bを、外側突出部32の末端開口32F及びリード線挿通孔32Eから引き出す。次いで、外側突出部32の外側に口金17を装着する共に、リード線16B,16Bを口金17の所定部位に接続(ハンダ付け)する。
【0067】
次に、放熱部材40及び発光素子実装基板15を筐体13に取り付ける。具体的には、ドライバモジュール16の出力側のリード線16A,16Aを、放熱部材40のコネクタ用開口(図示せず)に通して発光素子実装基板15のコネクタ15Cに接続しておき、放熱部材40の位置決め凹部43と樹脂製筐体30の位置決めリブ37とを凹凸係合させて、放熱部材40を筐体13(金属製筐体20)の大径側端部の内側に嵌め込む。
【0068】
ここで上記したように、金属製筐体20の大径側端部は、放熱部材40を嵌め込む前の状態では、正規の断面形状から歪んだ断面形状へと容易に変形する。これにより、放熱部材40の形状のばらつきを金属製筐体20の大径側端部の変形によって容易に吸収することができる。
【0069】
次に、放熱部材40及び発光素子実装基板15を樹脂製筐体30にビス止めする。即ち、放熱部材40上に発光素子実装基板15を載置して、両者のビス孔15A,41Aの位置を合わせ、それらビス孔15A,41Aに挿入したビスを固定支持柱35,35に締め付ける。
【0070】
放熱部材40及び発光素子実装基板15を筐体13に固定したら、放熱部材40の周壁42(第2拡径部42C)と金属製筐体20の大径側端部とをかしめて、両者を接触状態のまま固定する。最後に、筐体13の大径側端部に透光カバー12を装着する。以上が電球形電灯10の製造方法である。
【0071】
このように、本実施形態によれば、金属製筐体20は、インナー嵌合筒部31と放熱部材40とによって、小径側端部から大径側端部まで全体に亘って内側から支持されるので、金属製筐体20の外面が局所的に加圧されるような負荷を受けても、その負荷による金属製筐体20の陥没変形を防ぐことができる。
【0072】
また、インナー嵌合筒部31のうち軸方向の中間位置P1より口金17側の固着支持筒部31Aが、金属製筐体20に固着した状態で金属製筐体20を内側から支持するので、電球形電灯10の筐体13全体に、トーション負荷やモーメント負荷や挟持負荷がかかっても、金属製筐体20の小径側端部及び、金属製筐体20の軸方向の中間部の変形が防がれる。また、金属製筐体20の大径側端部は、放熱部材40によって内側から支持されているので、上記トーション負荷等による金属製筐体20の大径側端部の変形も防がれる。即ち、金属製筐体20にインナー嵌合筒部31を固着せずに組み付けただけの従来のものに比べて強度が高い電球形電灯10及びその筐体13を提供することが可能になる。
【0073】
そして、インナー嵌合筒部31のうち軸方向の中間位置P1より放熱部材40側の非固着支持筒部31Bが、金属製筐体20に固着されていない状態で金属製筐体20を内側から支持するので、金属製筐体20の大径側端部は、放熱部材40を嵌め込む前の状態では、正規の断面形状から歪んだ断面形状へと容易に変形する。これにより、放熱部材40の形状のばらつきを金属製筐体20の大径側端部の変形によって容易に吸収することができ、NG品の発生を抑えて生産性を高くすることができる。即ち、本実施形態によれば、金属製筐体20にインナー嵌合筒部31の全体を固着して組み付けた従来のものに比べて、生産性が高い電球形電灯10及びその筐体13を提供することが可能になる。
【0074】
また、樹脂製筐体30は、金属製筐体20に対するインサート成形品であるから、筐体13の製造に際して、金属製筐体20とは別に樹脂製筐体30を用意しておく必要が無くなり、部品の調達、保管、在庫管理等に係る負荷(手間やコスト)を軽減することができる。
【0075】
また、インナー嵌合筒部31のうち固着支持筒部31Aの外面と非固着支持筒部31Bの外面とを面一にしたので、インナー嵌合筒部31を成形するための金型形状を簡素化することができる。換言すれば、固着支持筒部31Aと非固着支持筒部31Bとで外面形状をあえて異ならせなくても、接着剤の塗布範囲をインナー嵌合筒部31の軸方向の中間位置P1より口金17側の部分に限定することで、固着支持筒部31Aと非固着支持筒部31Bとに分けることができる。
【0076】
なお、本実施形態のように、金属製筐体20とインナー嵌合筒部31とを固着させた筐体13は、固着させていない筐体に比べて、電球形電灯10の内部の温度上昇を抑える(効果的に放熱を行う)ことが可能になる。
【0077】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0078】
(1)上記実施形態では、樹脂製筐体30のインナー嵌合筒部31の外面と金属製筐体20の内面とを接着剤によって固着していたが、金属製筐体20の内面に細かな凹凸面を形成してインサート成形を行い、樹脂製筐体30を構成する樹脂が金属製筐体20の内面の凹凸に入り込んで固化することによるアンカー効果によって、インナー嵌合筒部31の外面と金属製筐体20の内面とを固着させてもよい。
【0079】
(2)上記実施形態では、筐体13を構成する金属製筐体20と樹脂製筐体30とがインサート成形によって一体化されていたが、金属製筐体20と樹脂製筐体30とを別々に製造しておき、金属製筐体20の大径側端部から樹脂製筐体30を挿入して金属製筐体20の内側にインナー嵌合筒部31とを嵌合させると共に、これらを接着剤によって固着させてもよい。この場合の接着剤は、ホットメルトに限定するものではなく、樹脂製筐体30の材質等に応じて適宜選択すればよい。
【0080】
(3)上記実施形態では、インナー嵌合筒部31の筒壁の肉厚がほぼ一定であったが、非固着支持筒部31Bの内面側を段付き状に凹ませて、その肉厚を固着支持筒部31Aの肉厚よりも薄くしてもよい。
【0081】
(4)上記実施形態では、発光素子実装基板15の裏面に放熱部材40を宛がって、その放熱部材40の外縁部を金属製筐体20の内面露出部23に接触させていたが、発光素子実装基板15をセラミックス基板や金属ベース基板(例えば、アルミベース基板)等の高熱伝導性の基板で構成してその外縁部を直接、金属製筐体20の大径側端部(内面露出部23)に接触させた構成でもよい。即ち、本発明に係る「内蓋体」は、発光素子実装基板15のみで構成されていてもよい。
【0082】
(5)上記実施形態では、金属製筐体20に結合鍔部22を形成して、その結合鍔部22を樹脂製筐体30を構成する樹脂に埋設していたが、金属製筐体20と樹脂製筐体30(インナー嵌合筒部31)との固着強度が十分に確保できれば、このような埋設構造を備えていなくてもよい。
【0083】
(6)上記実施形態では、金属製筐体20と樹脂製筐体30とを回り止めするために、結合鍔部22の内縁部に切り欠き部24,24を形成していたが、金属製筐体20と樹脂製筐体30(インナー嵌合筒部31)との固着強度が十分に確保できれば、切り欠き部を設けなくてもよい。
【0084】
(7)上記実施形態では、樹脂製筐体30のうち鍔被覆部33に鍔部露出孔33Aを貫通形成して金属製筐体20における結合鍔部22を筐体13の内側に露出させていたが、樹脂製筐体30のうちインナー嵌合筒部31を貫通した露出孔を設けて金属製筐体20のテーパー内面を筐体13の内側に露出させてもよい。
【0085】
(8)上記実施形態では、金属製筐体20及びインナー嵌合筒部31がテーパー形状(円錐形)になっていたが、これに限定するものではなく、小径側端部から大径側端部に向かって湾曲しながら拡径したラッパ形又は砲弾形でもよい。
【0086】
(9)上記実施形態では、本発明に係る発光素子としてLED14を例示したが、発光素子はLEDに限定するものではなく、例えば、エレクトロルミネッセンスであってもよい。
【0087】
(10)上記施形態の樹脂製筐体30の内部に形成された補強リブ34や固定支持柱35の配置や形状及び、ドライバモジュール16の配置や保持構造は、上記実施形態の構成に限定するものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 電球形電灯
13 筐体
14 LED(発光素子)
15 発光素子実装基板
17 口金
20 金属製筐体
23 内面露出部
30 樹脂製筐体
31 インナー嵌合筒部
31A 固着支持筒部
31B 非固着支持筒部
40 放熱部材
P1 中間位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電球形電灯の口金側の基端部から前記口金と反対側の先端部に向かって拡径した筒状をなし、その大径側端部の内側に、発光素子実装基板を含む内蓋体が嵌め込まれる金属製筐体と、
前記電球形電灯の前記基端部から前記先端部に向かって拡径した筒状をなして前記金属製筐体の内側に嵌合しかつ大径側端部が前記内蓋体に突き合わされるインナー嵌合筒部を有する樹脂製筐体とを備えた電球形電灯の筐体において、
前記インナー嵌合筒部のうち軸方向の中間位置より前記口金側部分を、前記金属製筐体に固着された状態で前記金属製筐体を内側から支持する固着支持筒部とする一方、前記インナー嵌合筒部のうち前記中間位置から前記内蓋側部分を、前記金属製筐体に固着されていない状態で前記金属製筐体を内側から支持する非固着支持筒部としたことを特徴とする電球形電灯の筐体。
【請求項2】
前記固着支持筒部と前記金属製筐体との間に接着剤層を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電球形電灯の筐体。
【請求項3】
前記樹脂製筐体は、前記金属製筐体に対するインサート成形品であり、
前記接着剤層は、前記金属製筐体に塗布されたホットメルト層であることを特徴とする請求項2に記載の電球形電灯の筐体。
【請求項4】
前記固着支持筒部の外面と前記非固着支持筒部の外面とが面一であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の電球形電灯の筐体。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の電球形電灯の筐体を備えたことを特徴とする電球形電灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−4439(P2013−4439A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137021(P2011−137021)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】