説明

電球装置および電球点灯装置

【課題】 ランプ装置の接続固定強度の向上、点灯時温度の低下、コストダウンがはかれるとともに、近時、用途が多様化されているランプ装置をプリント配線基板に限らず、種々の箇所において容易に取着することが可能なランプ装置およびランプ点灯装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガラスバルブ2の内部にリード線3,3に接続したフィラメント4を配設し、端部に封止部21を形成したランプ1と、上方側5aの中央部にランプ1のバルブ装着孔52が設けられ、この上方側5aに連設された薄肉の直方体をなす下方側5bを有し、上方側5aまたは下方側5bの対向する外側面の対称位置に係合用凹部56が形成されていて、装着孔52に装着されたランプ1の導出した一対のリード線3,3,を底部57から延出して相反する外側面に添設したソケット5とを備えたランプ装置5およびこのランプ装置5を装着したランプ点灯装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電気機器などのメータパネルや配線基板などに取付け使用される無口金形電球をソケットに装着した電球装置およびこの電球装置を用いた電球点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車輌やAV機器などのメータには照明用や表示用として小形の電球が数多く使われている。これらの使われ方としては、構成部品点数の節減をはかるため無口金の電球を口金とホルダとを兼ねる電気絶縁材料製のソケットに装着した構成の電球装置を造り、この電球装置を回路が形成されたプリント配線基板などに機械的に取付けるとともに電気的に接続された構成としている。
【0003】
この種電球装置において、機械的取付けと電気的接続の手段としては大きく分けて2種類あり、一つはソケットを配線基板などに植設した端子ピンに差込むものと、他にはソケットを配線基板などに開けられた貫通孔に嵌め込むものとがある。
【0004】
この前者形式の従来の電球装置は、例えばソケットの電球装着孔に連設または別に設けられたリード線挿通孔に挿通させたリード線と、このリード線挿通孔に挿入した端子ピンとで電気的接続を行わせるとともに、この端子ピンでソケットを機械的に保持して構成されている。
【0005】
しかし、丸棒状や偏平板状などのピン端子と、リード線挿通孔とが緊締状態であればよいが、両者の関係が緩やかであると長期に亘り振動や衝撃か加わった場合には電気的な接触不良による電球の点滅や、甚だしいときには端子ピンからソケットが脱落するなどの虞があった。
【0006】
また、後者形式の従来の電球装置は、例えばガラスバルブの一端部側に一対のリード線を封着するとともにその外側面に係止用凹部を有する圧潰封止部が形成され、バルブ内に延在したリード線に発光源としてコイル状のフィラメントが継線されているウエッジベース形の小形電球と、この電球の圧潰封止部を両側から挟圧するとともに上記係止用凹部と係止する係止用凸部を有する一対の端子部材と、この端子部材および電球を中央部の装着孔に装着するとともに外周にフランジ部および突起が設けられたソケット本体とで構成されている。
【0007】
この電球装置は、ソケット本体の外周に設けられたフランジ部および突起との間で端子部材を介しプリント配線基板を挟圧する形態で回動して取着され、機械的支持と電気的な接続が行われる。そして、配線基板へ所定の電圧を印加すると、端子部材およびリード線を介しフィラメントに通電され電球が点灯する。
【0008】
しかし、この形態の電球装置は、プリント配線基板への装着をソケット本体の回動により行われることから、回動が不十分であったりすると電気的接触が不安定になって電球が不所望に点滅したり、振動や衝撃を受けた場合には脱落するなどして不点となるなどの問題があった。また、電球装置を回動により配線基板へ装着するには、指先作業で作業がやり難く、また、装着作業を自動化する場合などには複雑な機構を要し、コストアップを招くなどの虞があった。
【0009】
また、上述したのとは異なる構成の電球装置として、直方体形状をなす上方側にバルブの圧潰した封止部を受容する装着孔が、また、薄肉とした下方側に装着部が設けられた合成樹脂製のベースと、上記装着孔にバルブを差込むとともにベースの底面から導出されたリード線を装着部の外側面に沿って折り曲げ配設した電球とからなるものが特許文献1に記載されている。
【0010】
そして、この電球装置はベースの下方側の装着部がソケット内に装着されるものであるが、ベースとソケットとの係合手段についての記載は見当たらない。
【0011】
なお、Fig2中においてベースの上方側の側面に突出部が認められるその作用についての記載はない。しかし、この突出部が例えば凹部内に差し込まれるにしても突出部の上下面は傾斜面をなしていて係止には不安定な形状である。
【特許文献1】米国特許第4,603,278号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した問題や、近時、電球は不活性ガスを高圧封入してより高い明るさを得るようにしていることからバルブ温度が上昇し、電球を保持するソケットなどや周辺部品の耐熱性も考慮する必要があり、これらに対処するものとしてなされたものである。
【0013】
また、プリント配線基板は、導電配線パターンを形成するのに銅箔をエッチング作業により行うことから、環境上にも好ましいものではなかった。
【0014】
本発明は上記事情などに鑑みなされたもので、電球装置の接続固定強度の向上、点灯時温度の低下、コストダウンがはかれるとともに、近時、用途が多様化されている電球装置をプリント配線基板に限らず、種々の箇所において容易に取着することが可能な電球装置および電球点灯装置ならびに照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の請求項1に記載の電球装置は、ガラスバルブの内部にリード線に接続したフィラメントを配設するとともにこのバルブ端部に封止部が形成された電球と、上方側が筒形形状をなし中央部に上記電球のバルブを受容するバルブ装着孔が設けられ、この上方側に連設された上方側より薄肉の直方体をなす下方側を有し、上方側または下方側の対向する外側面の対称位置に係合用凹部が形成されていて、装着孔に上記電球の封止部が装着されるとともに封止部から導出した一対のリード線を底部から延出して相反する外側面に添設した電気絶縁性材料からなるソケットとを具備していることを特徴としている。
【0016】
電球がソケットのバルブ装着孔内に挿入されるとともにソケットを貫通して底面から延出したリード線が折り返される係止によって一体化され、この電球装置はソケットの上方側または下方側の対向する外側面の対称位置に設けられた係合用凹部を利用しての係止によって配線基体などの電球点灯装置への装着が容易に、かつ、強固に行うことができる。
【0017】
なお、本発明および以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0018】
ガラスバルブは無鉛の軟質ガラスや硬質ガラスから形成された管状、球状や長円形状などの形状をなし、バルブ端部には内部にリード線を気密に介在したピンチャーにより圧潰した偏平な封止、ガラスビーズやステムを介在した焼絞り封止などの略円筒状などの形態の封止部が形成してある。
【0019】
例えばガラスバルブの端部にウエッジベース形と呼ばれる外表面に係止用凹部を有する圧潰封止部が形成された電球であって、ソケットのバルブ装着孔内に設けられた係止用凸部と電球の係止用凹部とを凹凸係止することによって、両者は強固に固定される。
【0020】
また、ソケットは例えばガラス繊維入り合成樹脂やシリコンゴムなどから選ばれた合成樹脂あるいはゴムなどの耐熱性電気絶縁材料で形成され、外観は上方側が電球のバルブまたは封止部が装着される装着孔が形成されるため四角形や六角形などの多角筒状または真円などの円筒状の形状をなし、下方側が配線基体などに接続固定と給電が行われる略直方体などの筒状体や柱状体をしている。
【0021】
また、バルブ内においてフィラメントを支持し、バルブ外へと導出されて端子部をなすリード線は、同一線であっても構わないが、発光源を支持する内部リード線部分、封止部内に封着される封止線部分、バルブ外へ延出する外部リード線部分、ソケットの外側面に配設される端子部分と、それぞれあるいは複数か所部分が所定の作用をなす別材質や異なる線径のものが接続され構成したものであってもよい。
【0022】
また、電球の封止部、この封止部と対応するソケットのバルブ装着孔内およびソケットの上下方外側面およびこの上下方外側面と対応する基体の装着孔内に対向(対称的)して形成される係止用や係合用の凹凸部は、正対称位置であっても点対称位置であってもよく、形成箇所も2か所に限らず、電気的な接続などの不具合がなければ片側2か所の対向する合計4か所にそれぞれ設けても構わず、凹凸部において電気的接続がなされる構成であっても差し支えない。
【0023】
例えばソケット下方側の偏平な両外側面の向って右側に係合用凹部が、この係合用凹部と反対側の左側には底面側から延出したリード線が配設されていて、電球装置の下方側が配線基体の凹所内に差し入れられたとき係合用凹部が凹所内や透孔内または給電体に形成した係合突起に係合するとともに左側のリード線が給電体と接触する、ソケット装置の保持固定と電気的な接続がなされる。
【0024】
すなわち、ソケット装置の保持固定と電気的な接続を部分的に分けることにより、それぞれを単独に機能させることができ、固定強度の向上と電気的接続の確実性が高められる。
【0025】
また、係止用や係合用の凹凸部は、少々力を加えることにより着脱自在なものであっても、寿命の長い電球などの場合は抜去が不可能な形状であってもよい。 本発明の請求項2に記載の電球装置は、ソケットの装着孔の内側面と外側面とを貫通して放熱孔が形成されていることを特徴としている。
【0026】
バルブの端部が装着されたソケットの装着孔の側面や底面に内外面を貫通して形成した放熱孔を通じ、発光源からの輻射熱およびリード線やバルブを介しての熱伝導により温度上昇が激しい封止部近傍の熱をソケット外へ放散させて、バルブやソケットの温度を低下させることができる。なお、この放熱孔の形成場所、大きさや個数は、電球の上昇温度などを勘案して決めればよい。
【0027】
本発明の請求項3に記載の電球点灯装置は、電気絶縁性材料からなる基体と、この基体に設けられた凹所または透孔と、この凹所または透孔の内部に臨み設けられた給電体および係合用突起と、この凹所内または透孔内に挿入され上記係合用突起と係合用凹部とが係合して装着されるとともに外側面の一対のリード線と給電体とが電気的接続された上記請求項1または請求項2に記載の電球装置とを具備していることを特徴としている。
【0028】
配線基板などの基体に設けられた凹所または透孔からなる受容部の内部に上記電球装置のソケットの下方側を差し込むことによって、受容部内の係合用突起とソケット下方側に設けられた係合用凹部とが係合して両者が固定されるとともに給電体とソケット下方側の外側面に配設したリード線とが接触して電気的な接続がなされる。
【0029】
そして、上記電球装置が凹所または透孔や給電体から脱落したり電気的接続に不具合を生じることがなく、表示板に向け効率のよい光放射を行わせることができる。
【0030】
また、電球点灯装置は、製造が環境上にも好ましくないプリント配線基板を用いなくても、灯器の樹脂にプレス加工した金属片をインサート成形したものや樹脂成形した灯器フレームに金属片を溶着して配線をしたものなどプリント配線基板のない部分に装着して使用することができるので、使用範囲を広げることが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の請求項1の記載によれば、電球はリード線部分をソケットに折り返えし係止することによって強固な接合固定がなされるとともに、ソケットは外側面に設けた係合用凹部が給電用の基体などに設けられた係合用突起と係合して保持されるとともにリード線が直接に電気的接続をなす、ソケットから電球が抜け出るのを阻止して、不所望な不点などの発生が抑制できる高い接続固定強度が得られる電球装置を提供できる。
【0032】
また、本発明の請求項2の記載によれば、放熱孔から封止部近傍の熱をソケット外へ放散させて、バルブやソケットの温度を低下でき、高出力化した電球などにも対応できるとともに従来より耐熱温度の低いソケット形成材料を用いことができるので電球装置のコストダウンがはかれる。
【0033】
さらに、本発明の請求項3の記載によれば、基体に設けられた凹所または透孔の内部に上記電球装置のソケット下方側を差し込むことによって、係合用突起と係合用凹部とが係合して上記請求項1に記載したと同様な効果を奏する電球点灯装置を提供できる。また、電球点灯装置は、プリント配線基板を用いなくても容易に使用できる、その適用範囲を広げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の電球装置の実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1は照明用や表示用に使われる電球装置を示す分解斜視図、図2は組立てられた電球装置およびこの電球装置が装着される自動車などのメータの配線基板などの基体の一部を示す斜視図、図3は電球装置の底面図、図4は電球点灯装置の一部を示し、(a)図は正面断面図、(b)図は側面断面図である。なお、下記説明において上下方向や左右方向の表現は、図面に対応した説明上のことであって、実使用時には逆転することがある。
【0035】
図において1は無口金の小形電球で、外径が6〜20mmのガラスバルブ2の一端部側に一対のリード線3,3を内部に封着した略偏平な圧潰封止部21が形成されているとともに、バルブ2内に延在したリード線3,3に発光源としてタングステン細線をコイル状に巻回したフィラメント4が継線してある。
【0036】
また、この圧潰封止部21は、点対称的に両外表面の向って右側には係止用の凹部22が、左側には封止部21から導出したリード線3が添設してあるウエッジベース形をなしている。なお、25は排気管である。
【0037】
5はソケットで、耐熱性合成樹脂などの電気絶縁性材料で形成された全体形状としては筒状をした略直方体をなし、上方側5uの中央部に電球1の圧潰封止部21を横断した形状のバルブ装着孔51が、また、筒体を2分して軸方向にスリット52,52が、また、上方側5uより薄肉とした下方側5dの偏平な両側面の向って右側には横方向に溝状の係合用凹部56がそれぞれ点対称的に設けてある。
【0038】
また、上記バルブ装着孔51内部の点対称的位置には横方向に突出した係止用凸部53が、バルブ装着孔51内側面と外側面との間を貫通して放熱孔54aが、バルブ装着孔51の底部とソケット底面57との間を貫通して放熱孔54bおよびリード線挿通孔58,58が、また、底面57にこのリード線挿通孔58,58に連設してリード線案内溝59,59が設けてある。なお、55はリード線3,3先端の係止孔である。
【0039】
そして、上記電球1は端部に上記ソケット5を装着することによって電球装置L1が構成される。なお、この電球装置L1は上記ソケット5に上記電球1を装着することと同じ意味である。
【0040】
両者の組付けは電球1のバルブ2端部から導出している一対のリード線3,3をソケット底面57のリード線挿通孔58,58に通し、バルブ2端部の圧潰封止部21を差し込み、さらに押し込むことによりバルブ装着孔51に装着される。
【0041】
すなわち、この装着は、バルブ装着孔51内部の突出した各係止用凸部53が、圧潰封止部21の両外表面に形成した圧潰面を乗越し係止用の各凹部22内に落ち込むまで押し込んで係止させる。なお、このとき上方側5uの側壁の2か所にソケット軸に沿って形成したスリット52,52は、バルブ2が挿入されるに従い拡開して弾性によりバルブ2の周囲を強く抱持する。
【0042】
この後、ソケット底面57から延出したリード線3,3をリード線案内溝59,59を通し相反する方向に折り曲げ係合用凹部56と隣接した(向って左側)係合用凹部56と反対面の点対称位置の外表面に沿わせるとともにその先端を係止孔55,55内に納めることにより一体化され電球装置L1が完成する。
【0043】
この電球1とソケット5とは、ソケット5を貫通して底面57から延出したリード線3,3が折り返される係止および装着孔51内での両者の凹凸による係止ならびに装着孔51(スリット52,52)による抱持によって電球1とソケット5とは嵌合固定され、ソケット5から電球1の抜け出るのを抑制できる高い接続固定強度が得られる電球装置L1を提供できる。
【0044】
また、上記電球装置L1は図3に示す配線基板などの基体6に設けられた凹所または透孔などからなる受容部61内に装着して点灯される。この基体6は電気絶縁性の合成樹脂材料で形成され、この基体6の中間部分に設けられた受容部61は上記電球装置L1のソケット5の下方側5dが受け入れられる大きさで、電気的に離間した一対の金属板からなる給電体7a,7bが内部にまで配設してあり、この給電体7a,7bは内部の点対称位置または正対称位置において略く字形状ないしは略U字形状に屈曲した係合用突起71,…が形成してある。
【0045】
すなわち、上記電球装置L1の装着は、ソケット5の下方側5dを受容部61内に挿入し、さらに押し込むことによって装着される。この装着は、ソケット5下方側の両外側面が受容部61内部の給電体7a,7b面に沿って差し込まれ、係合用凹部56,56が係合用突起71,71を乗越し、この係合用突起71,71が係合用凹部56,56内に落ち込むまで押し込み、両者を係合させ一体化して電球点灯装置が完成する。
【0046】
この両者の凹凸による係合により電球装置L1が配線基体6の給電体7a,7bに固定されるとともに下方側の係合用凹部56,56の隣接面に添設したリード線3,3が係合用突起71を形成した給電体7aとは異なる側の給電体7bと接触して電気的な接続がなされる。
【0047】
そして、上記の電球装置L1を装着した電球点灯装置は、例えば自動車のメータの照明用や表示用として組み込まれ給電体7a,7bに通電することによって、この一方の給電体7a−電球1の一方のリード線3−フィラメント4−他方のリード線3−他方の給電体7bへと通流し、フィラメント4が発光し、図示しない表示板などを照らし所定の表示が行われる。
【0048】
したがって、この電球点灯装置は、凹所または透孔などからなる受容部61内において係合用突起71,71と係合用凹部56,56との両者の凹凸による係合が行われ、基体6から電球装置L1を引き抜くことが容易に行えない機械的に高い固定強度および確実な電気的接続が得られる。なお、図のようにリード線3,3側にも突起71,71を形成しておくことにより電気的接続が確実となる。
【0049】
また、ソケット5は放熱孔54a,54bを形成しておくことによって電球1からの熱放散が効率よく行われる結果、従来より耐熱性の低い安価な材料でソケット5を形成できるためコストダウンが可能となった。なお、上記筒体の軸方向に形成したスリット52,52も熱放散部としての作用をなす。
【0050】
図5は上記実施の形態に示す定格13.5Vの電球で構成した電球装置L1を水平状態にして点灯した場合の、ソケット5開口部と接するバルブ2上方側位置における温度を示し、横軸は点灯時間(sec)、縦軸は温度(℃)で、図中、実線はソケット5に放熱孔54が両側面に形成された電球装置L1、点線はソケット5の両側面に放熱孔が形成されていない電球装置の状況である。
【0051】
図5のグラフから明らかなように放熱孔54が形成されている電球装置L1はバルブ2の温度を約20℃低下することができ、耐熱温度の低い材質でソケット5を形成できるのでコストダウンが可能となるほか、熱加工により歪みの残存している封止部21のクラック発生を防止できる。
【0052】
なお、装着された電球装置L1の電球1が寿命などで交換をする場合は、電球装置L1を掴み少し強い力を加えて引き抜くことによって外すことができ、ソケット5の下方側5dに添設されたリード線3,3を引き延ばしてからバルブ2を引き抜き、ソケット5に新しい電球1を上述したように装着することによって行うことができる。
【0053】
したがって、電球1とソケット5とはソケット5底面57部でのリード線3,3の折り返しによる係止、装着孔51壁による抱持および装着孔51内での凹凸による係止で、また、ソケット装置L1と基体6とは凹凸56,71による係合で、振動や衝撃などを受けても電球1および電球装置L1が脱落や電気的接触不良などの不具合の発生のない高い接続固定強度が得られる電球点灯装置を提供できる。
【0054】
また、図6ないし図8は本発明電球装置の他の実施の形態を示し、図6は分解斜視図、図7および図8は他の電球装置が装着された他の電球点灯装置の一部を示し、(a)図は正面断面図、(b)図は側面断面図で、図中、図1ないし図3と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0055】
図1ないし図3の電球装置L1においては、電球1のバルブ2端部に圧潰封止部21が形成してあったが、この図6の電球装置L2の電球1は封止部23が内部に例えばビードステムを封着した円筒形状をなしている。
【0056】
この封止部23が装着されるソケット5の上方側5uの外形は、円筒形状や多角形状ここでは円筒形状をなし、中央部に円筒形状をした電球装着孔51が設けられ、また、下方側5dの外形は上記実施の形態と同形の薄肉化した偏平な両側面の向って右側には横方向に溝状の係合用凹部56がそれぞれ点対称的に設けてある。
【0057】
そして、上記電球1の封止部23側がソケット5の電球装着孔51内に装着されるとともに封止部23から導出したリード線3,3を底面57側から延出して相反する方向に折り曲げ係合用凹部56と隣接した(向って左側)係合用凹部56と反対面の点対称位置の外表面に沿わせることにより電球装置L2が完成する。
【0058】
この電球装置L2も、ソケット5の下方側51が基体6の受容部61内部の給電体7a,7b面に沿って差し込まれ、係合用凹部56,56が係合用突起71,71を乗越し、この係合用突起71,71が係合用凹部56,56内に落ち込むまで押し込み、両者を係合させて電球点灯装置が完成される。
【0059】
この電球装置L2の場合は、電球1とソケット5とを一体化する係合が、底面57側から延出したリード線3,3の折り曲げによる手段が主体となるが、リード線3を大径化したり高硬度の材質としたりすることにより固定強度を高めることができる。また、電球1のバルブ2をソケット5の電球装着孔51内に挿入した際両者がきつく嵌合するよう、寸法精度を高めたり、電球装着孔51の内面に複数本のリブ50,…や凹凸面を形成するようにしてもよい。
【0060】
この電球装置L2およびこの電球装置L2を装着した電球点灯装置も、上記実施の形態と同様に、振動や衝撃などを受けても電球1および電球装置L2が脱落や電気的接触不良などの不具合の発生のない高い接続固定強度が得られる。
【0061】
図7に示す電球装置L3は、ソケット5上方側5Uの幅広偏平な対向する外側面中央部に横長の係合用凹部56,56が設けられている。そして、この電球装置L3を基体6の受容部61内に差し込んだとき、この係合用凹部56,56と合致する高さで基体6の受容部61の長辺縁から立脚して係合用突起71,71が設けてある。
【0062】
また、図8に示す電球装置L4は、ソケット5上方側5uの対向する幅狭薄肉の外側面部に係合用凹部56,56が設けられている。そして、この電球装置L4を基体6の受容部61内に差し込んだとき、この係合用凹部56,56と合致する高さで基体6の受容部61の短辺縁から立脚して係合用突起71,71が設けてある。
【0063】
そして、上記電球装置L3およびL4は、ソケット5を基体6の受容部61内に差し込んだとき両者の係合は上方側5uにおいて行われる。このように係合が上方側5uの場合は、延出したリード線3,3,と給電体7a,7bとの電気的接続が確保できれば、係合が上方であるので固定が強固で、受容部61から電球装置L3,L4の脱落をさらに抑制して、不点を確実に防止できる。また、この係合が上方側5uの場合、電球1交換のときは係合用突起71,71を外側に開くよう力を加えて電球装置を引き抜けばよい。
【0064】
なお、上記電球点灯装置は、例えば自動車のメータの照明(表示)用の装置として、基台などに設けられ必要に応じ反射鏡や表示板と組み合わされ、電球1の発光によって表示板を介し所定の表示が行われる。
【0065】
この照明(表示)装置において、装着された電球および電球装置が振動や衝撃などを受けても、電球および電球装置が脱落や電気的接触不良などの発生のない高い接続固定強度が得られ、長期に亘り確実な表示が行われ安全などを確保できる。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されない。例えば照明装置は、表示装置を包含するもので、自動車などの車輌のメータ用、テールライト、ストップライトやサイドマーカー電球などの灯器用などあるいはAV機器や家電製品の照明や表示に適用ができ、装置の構成は上記実施の形態に示す構成に限らない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態を示す照明用や表示用に使われるランプ装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す組立てられたランプ装置およびこのランプ装置が装着される自動車などのメータの配線基板などの基体の一部を示す斜視図である。
【図3】図2に示すランプ装置の底面図である。
【図4】本発明の実施の形態のランプ装置が装着された基体の一部を示し、(a)図は正面断面図、(b)図は側面断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に示すランプ装置を水平状態にして点灯した場合のソケット開口部と接する近傍のバルブ部分の温度上昇曲線を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すランプ装置の分解斜視図である。
【図7】本発明の他の実施の形態のランプ装置が装着された他のランプ点灯装置の一部を示し、(a)図は正面断面図、(b)図は側面断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態のランプ装置が装着された他のランプ点灯装置の一部を示し、(a)図は正面断面図、(b)図は側面断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1:ランプ(白熱ランプ)
2:ガラスバルブ
21:圧潰封止部
22:係止用凹部
3:リード線
4:フィラメント
5:ソケット
5a:上方側
5b:下方側
51:バルブ装着孔
53:係止用凸部
54:放熱孔
56:係合用凹部
7a,7b:給電体
71:係合用突起
L1〜L4:ランプ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブの内部にリード線に接続したフィラメントを配設するとともにこのバルブ端部に封止部が形成された電球と;
上方側が筒形形状をなし中央部に上記電球のバルブを受容するバルブ装着孔が設けられ、この上方側に連設された上方側より薄肉の直方体をなす下方側を有し、上方側または下方側の対向する外側面の対称位置に係合用凹部が形成されていて、装着孔に上記電球の封止部が装着されるとともに封止部から導出した一対のリード線を底部から延出して相反する外側面に添設した電気絶縁性材料からなるソケットと;
を具備していることを特徴とする電球装置。
【請求項2】
ソケットの装着孔の内側面と外側面とを貫通して放熱孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電球装置。
【請求項3】
電気絶縁性材料からなる基体と;
この基体に設けられた凹所または透孔と;
この凹所または透孔の内部に臨み設けられた給電体および係合用突起と;
この凹所内または透孔内に挿入され上記係合用突起と係合用凹部とが係合して装着されるとともに外側面の一対のリード線と給電体とが電気的接続された上記請求項1または請求項2に記載の電球装置と;
を具備していることを特徴とする電球点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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