説明

電着塗膜の形成方法及び積層塗膜の形成方法

【課題】 電着塗装を2度行うことにより、自動車用の外板塗膜が得られる電着塗膜の形成方法を提供する。
【解決方法】 導電性基材に第1のカチオン電着塗料を用いてカチオン電着塗装を施した後、第2のカチオン電着塗料を用いてさらにカチオZン電着塗装を施し、前記第1及び第2のカチオン電着塗料から得られた未硬化塗膜を同時に焼き付けて硬化塗膜を得る電着塗膜の形成方法において、前記第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜が白色であることを特徴とする電着塗膜の形成方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着塗膜の形成方法及び積層塗膜の形成方法、特に、2種類のカチオン電着塗料を用いて電着塗装を2度行う電着塗膜の形成方法及びそれから得られる塗膜に上塗りを施す積層塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の外板塗膜は、一般に、電着塗膜、中塗り塗膜、上塗り塗膜を順次形成した積層塗膜である。これらは、通常、それぞれの塗膜を別々に形成するものであるが、近年、省エネルギーや低コスト化の観点から、塗装工程短縮の必要性が高まってきている。積層塗膜の防食性のための電着塗膜、及び、塗膜外観のための上塗り塗膜は、必須の要件と見なされ、そのため、工程の短縮化としては、中塗り塗膜を省くことが主に行われてきた。
【0003】一方、電着塗装を2度行う方法が特開平6−173089号公報に開示されている。この方法は、エッジ部分の防錆性や電着膜の仕上がり外観を改善することを目的としたものである。ここで得られた電着塗膜の上には、さらに中塗り塗膜や上塗り塗膜が形成されることが開示されており、この方法は塗装工程を短縮するためのものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電着塗装を2度行うことにより、自動車用の外板塗膜が得られる電着塗膜の形成方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電着塗膜の形成方法は、導電性基材に第1のカチオン電着塗料を用いてカチオン電着塗装を施した後、第2のカチオン電着塗料を用いてさらにカチオン電着塗装を施し、これら第1及び第2のカチオン電着塗料から得られた未硬化塗膜を同時に焼き付けて硬化塗膜を得る電着塗膜の形成方法において、先の第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜が白色であることを特徴とするものである。この白色は、マンセル値で8.5〜9.5であってよい。また、ここで、先の第1のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜の膜厚は10〜30μmであってよく、第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜の膜厚は10〜30μmであってよい。
【0006】また、本発明の積層塗膜の形成方法は、先の方法により得られた電着塗膜の上に上塗り塗料を用いて上塗りを施すものであり、この上塗り塗料は、例えば、白色以外の色調を有するものであったり、機能性クリヤー塗料であったりすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の電着塗膜の形成方法は、導電性基材に対して電着塗装を2度行うものである。このような導電性基材は、特に限定されないが、自動車の外板に用いられる鋼板などを具体例として挙げることができる。
【0008】本発明の電着塗膜の形成方法における最初の電着塗装には第1のカチオン電着塗料を用いる。この第1のカチオン電着塗料から得られる塗膜は、基材に直接接するため、防食性を有している必要がある。このようなカチオン電着塗料としては、エポキシ樹脂をアミンやスルフィドで開環し、酸で中和することによって水分散性を付与したカチオン変性エポキシ樹脂を基体樹脂とし、これにブロックイソシアネート硬化剤を基本的な成分として配合したものを挙げることができる。
【0009】上記カチオン変性エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂が有するエポキシ環を1級アミン、2級アミン、3級アミン酸塩等のアミン類あるいはスルフィドとの反応によって開環したものを用いることができる。上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を挙げることができる。また、この他に、特開平5−306327号公報に記載されたオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を用いることができる。このエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネート化合物のNCO基をメタノール、エタノール等の低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られるものである。
【0010】出発原料となる上記エポキシ樹脂は、先の開環反応の前に、2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等により鎖延長して用いることができる。また、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0011】エポキシ環を開環し、アミノ基を導入する際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩などの1級、2級または3級アミン酸塩を挙げることができる。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンの様なケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンも使用することができる。これらのアミン類は、全てのエポキシ環を開環させるために、エポキシ環に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
【0012】一方、エポキシ環とスルフィドとの反応は、特開平11−209663号公報記載の製造方法に従って行うことができる。
【0013】上記カチオン変性エポキシ樹脂の数平均分子量は、1500〜5000の範囲が好ましい。数平均分子量が1500未満の場合は、得られる塗膜の耐溶剤性及び耐食性等の物性が劣ることがある。反対に5000を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が難しく合成が困難なばかりか、得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難となることがある。さらに高粘度であるがゆえに加熱・硬化時のフロー性が悪く塗膜外観を損ねる場合がある。
【0014】また、上記カチオン変性エポキシ樹脂は、ヒドロキシル価が50〜250の範囲となるように分子設計することが好ましい。ヒドロキシル価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、反対に250を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存する結果、耐水性が低下することがある。
【0015】一方、上記ブロックイソシアネート硬化剤としては、ポリイソシアネートを封止剤でブロック化したものを用いることができる。上記ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0016】一方、上記封止剤の例としては、n−ブタノール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(または芳香族)アルコール類、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等のセロソルブ類、フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール類、ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、及びε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム類が好ましく用いられる。とくにオキシム類及びラクタム類の封止剤は低温で解離するため、樹脂硬化性の観点から好適である。
【0017】上記ブロックイソシアネート硬化剤は封止剤の単独あるいは複数種の使用によってあらかじめブロック化しておくことが望まれる。ブロック化率については、あらかじめ樹脂成分と反応させる目的がなければ、塗料の貯蔵安定性確保のためにも100%にしておくことが好ましい。
【0018】上記ブロックイソシアネート硬化剤の基体樹脂成分に対する配合比は、硬化塗膜の利用目的などで必要とされる架橋度に応じて異なるが、塗膜物性等を考慮すると15〜40重量%の範囲が好ましい。この配合比が15重量%未満では塗膜硬化不良を招くおそれがある。一方、40重量%を超えると、逆に硬化剤過剰となって、耐衝撃性等の塗膜物性不良などを招くことがある。なお、ブロックイソシアネート硬化剤は、塗膜物性や硬化度の調節等の都合により、複数種を組み合わせて使用しても良い。
【0019】本発明の電着塗膜の形成方法に用いられる第1のカチオン電着塗料は、各樹脂中のアミノ基を中和できる量の酢酸、蟻酸、乳酸等の有機酸で中和処理し、カチオン化エマルションとして水中に乳化分散させる。この乳化分散の工程では、少なくともいずれかの樹脂エマルションに硬化剤を内包させることが望ましい。
【0020】この第1のカチオン電着塗料は、さらに顔料を含んでいてよい。この顔料としては、通常塗料に使用されるものならば特に制限なく使用することができる。その例としては、カーボンブラック、二酸化チタン、グラファイト等の着色顔料、カオリン、珪酸アルミ(クレー)、タルク等の体質顔料、リンモリブデン酸アルミ、珪酸鉛、硫酸鉛、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート等の防錆顔料が挙げられる。とくに二酸化チタンは着色顔料として隠蔽性が高く、しかも安価であることから、電着塗膜用に最適である。なお、上記顔料は単独で使用することもできるが、目的に合わせて複数使用するのが一般的である。
【0021】上記顔料第1のカチオン電着塗料における含有量は、塗膜中において、全顔料重量(P)に対する、塗膜を形成する顔料以外の全ビヒクル成分の重量(V)の比率P/Vで表わすと1/10〜1/3の範囲であることが好ましい。ここで顔料以外の全ビヒクル成分とは、顔料以外の塗料を構成する全固形成分(樹脂、硬化剤及び顔料分散樹脂等)を意味する。上記P/Vが1/10未満では、顔料不足により塗膜に対する光線及び水分などの腐食要因の遮断性が過度に低下し、実用レベルでの耐候性や耐食性を発現できないことがある。また、P/Vが1/3を超えると、顔料過多により硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観が著しく悪くなることがある。
【0022】この他、上記第1のカチオン電着塗料は、顔料分散樹脂、有機スズ化合物等の硬化促進剤、非鉛系防錆添加剤(亜鉛あるいはセリウム、ネオジム等の希土類金属の有機酸塩、具体例としては酢酸亜鉛、酢酸セリウムあるいは酢酸ネオジム等)、界面活性剤、酸化防止剤、塗膜表面平滑剤、紫外線吸収剤などの通常カチオン電着塗料に用いられる成分を含んでいてもよい。また、ゲル粒子を含ませることにより、得られる電着塗膜を空隙の多い、通電性に優れた塗膜とすることができる。このような塗膜にすることにより、後述する第2の電着塗装を容易に行うことができ、最終的に得られる電着塗膜に必要な膜厚を確保することができる。
【0023】上記第1のカチオン電着塗料を用いた電着は、固形分濃度を5〜40重量%、好ましくは、15〜25重量%となるように設定する。固形分濃度の調節には、水単独かまたは水と親水性有機溶剤との混合物である水性媒体を使用して行うことができる。
【0024】このように調整された第1のカチオン電着塗料は、pHを5.5〜8.5の範囲内に調整した電着浴に満たされ、通常、浴温20℃〜35℃に調整され、負荷電圧100〜350Vの条件で行うことができる。ここで膜厚が10〜30μmになるように上記電着塗装条件を調整して行われることが好ましい。10μm未満であると、得られる塗幕の防食性が十分でなく、30μmを上回ると、2度目の電着塗装を行うことが困難となる恐れがある。より好ましい範囲は、15〜25μmである。
【0025】このようにして、第1のカチオン電着塗料を用いてカチオン電着塗装を施された導電性基材は、必要に応じて水洗及び乾燥を行った後、第2のカチオン電着塗料を用いてさらにカチオン電着塗装が施される。本発明の電着塗膜の形成方法においては、上記第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜は白色である。よって、この第2のカチオン電着塗料は、電着可能な基体樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤以外に、白色を与える顔料及び顔料分散樹脂を含んでいる。なお、本明細書における白色とは、マンセル値で8.5〜9.5の値を示すものを意味する。このマンセル値は、通常の色差計により測定することが可能である。
【0026】第2の電着塗料中で白色を与える着色顔料として、特に二酸化チタンが最適である。なお、得られる塗膜が白色の色調である限り、第1のカチオン電着塗料のところで述べた他の着色顔料やクレー等の体質顔料等をそれ以外の目的に合わせて複数種使用することができる。また、顔料分散樹脂としては、一般にカチオン電着塗料に用いられているものを使用することができる。
【0027】上記顔料の第2のカチオン電着塗料における含有量は、塗膜中において、全顔料重量(P)に対する、塗膜を形成する顔料以外の全ビヒクル成分の重量(V)の比率P/Vで表わすと1/5〜1/1の範囲であることが好ましい。ここで顔料以外の全ビヒクル成分とは、顔料以外の塗料を構成する全固形成分(樹脂、硬化剤及び顔料分散樹脂等)を意味する。上記P/Vが1/5未満では、顔料不足により塗膜に対する光線及び水分などの腐食要因の遮断性が過度に低下し、実用レベルでの耐候性を発現できないことがある。また、P/Vが1/1を超えると、顔料過多により硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観が著しく悪くなることがある。
【0028】上記第2のカチオン電着塗料に含まれる電着可能な基体樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤としては、第1のカチオン電着塗料のところで挙げたものを用いることができる。これ以外に基体樹脂として、エポキシ基を有するアクリル樹脂をアミンやスルフィドで開環したものを酸で中和することによって水分散性を付与したものを使用することができる。
【0029】上記エポキシ基を有するアクリル樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基含有アクリルモノマー(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、あるいは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基含有(メタ)アクリルエステルとε−カプロラクトンとの付加生成物)と、その他のアクリル系及び/または非アクリルモノマーとを共重合することによって得られる。
【0030】その他のアクリル系モノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、非アクリルモノマーの例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド及び酢酸ビニルを挙げることができる。
【0031】上記のグリシジル(メタ)アクリレートに基づくエポキシ基を有するアクリル樹脂は、エポキシ樹脂のオキシラン環の全部を1級アミン、2級アミン、3級アミン酸塩またはスルフィドとの反応によって開環し、カチオン変性アクリル樹脂とすることができる。
【0032】また、基体樹脂として、アミノ基を有するアクリル樹脂を酸で中和することによって水分散性を付与したものを使用することができる。このアミノ基を有するアクリル樹脂は、上記のグリシジル(メタ)アクリレートの代りにN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有アクリルモノマーを使用し、これをヒドロキシル基含有アクリルモノマー及び他のアクリル系及び/または非アクリル系モノマーと共重合することによって得ることができる。
【0033】このようにして得られるカチオン変性アクリル樹脂は、必要に応じてハーフブロックジイソシアネート化合物との付加反応によってブロックイソシアネート基を導入し、自己架橋型カチオン変性アクリル樹脂とすることもできる。
【0034】さらに、第2の電着塗料の基体樹脂として用いることのできる耐候性に優れたカチオン変性樹脂として、カチオン変性ポリエーテルウレタン樹脂及びカチオン変性ポリエステルウレタン樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド等のポリエーテル、あるいは分子鎖の両末端に水酸基を有するポリε−カプロラクトン等のポリエステルポリオールの両末端に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ−ト等のジイソシアネートをウレタン結合させ、鎖延長したものをカチオン変性したものである。このカチオン性基の導入は、例えば、分子鎖の途中にN−メチルジエタノールアミンとジイソシアネートを結合させる方法、また、ジエチレントリアミンメチルイソブチルケチミンの様なケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミンを分子のイソシアネート末端に反応させた後、樹脂の水分散工程においてケチミンブロック部分を加水分解させることによって1級アミノ基を導入する方法等がある。こうして、アミノ基を導入したウレタン樹脂は、酸中和してカチオン変性される。
【0035】上記のカチオン変性アクリル樹脂、カチオン変性ポリエーテルウレタン樹脂及びカチオン変性ポリエステルウレタン樹脂は、ヒドロキシル価が50〜150の範囲となるように分子設計することが好ましい。ヒドロキシル価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、反対に150を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存する結果、耐水性が低下することがある。また、数平均分子量は1000〜20000の範囲であれば好適である。数平均分子が1000未満では硬化形成塗膜の耐溶剤性等の物性が劣る。反対に20000を超えると、樹脂溶液の粘度が高いために得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難なばかりか、得られた電着塗膜の膜外観が著しく低下してしまうことがある。なお、樹脂成分は1種のみ使用することもできるが、塗膜性能のバランス化を計るために、2種あるいはそれ以上の種類を使用することもできる。
【0036】なお、後述するように、本発明の電着塗膜の形成方法で得られた白色塗膜上に白色以外の色調を有する上塗り塗料を用いて積層塗膜を形成する場合には、この第2のカチオン電着塗料から得られる塗膜は中塗りとしての要件である、対チッピング性を有することが好ましい。このような機能は、柔らかい成分であるポリエステル樹脂などを含ませることによって付与することが可能となる。ポリエステル樹脂がアニオン性の場合には、別途上記の各種カチオン変性樹脂あるいはカチオン性界面活性剤を用いて分散した乳化物を調製し、電着塗料中に配合することが望ましい。
【0037】また、第2のカチオン電着塗料は、第1のカチオン電着塗料と同様に、硬化促進剤、非鉛系防錆添加剤、界面活性剤、酸化防止剤、塗膜表面平滑剤、紫外線吸収剤などの通常カチオン電着塗料に用いられる成分を含んでいてよい。
【0038】第2のカチオン電着塗料を用いたカチオン電着塗装は、必要に応じて水洗後乾燥させた第1のカチオン電着塗料から得られた塗膜の上に行われる。このカチオン電着塗装は、上記第1のカチオン電着塗料を用いた電着条件に準じて行うことができる。なおこの第2の電着塗装は、通常第1の電着塗装より50〜150V高い負荷電圧にて行うこのが好ましい。
【0039】第2の電着塗装で得られる膜厚は10〜30μmであることが好ましく、15〜25μmがさらに好ましい。10μm未満だと、第1の電着塗装で得られた膜を隠ぺいすることが困難となり、白色塗膜として用いることができない。また複層塗膜に十分な耐候性を付与することが困難になる。一方、30μmを上回ってもさらなる効果は得られず経済的でない。また膜外観を保持しながら、厚膜に電着することは困難になる。
【0040】本発明の電着塗膜の形成方法では、このようにして第1及び第2のカチオン電着塗料から得られた未硬化塗膜を同時に焼き付けることにより、電着塗膜を得ることができる。焼き付け条件は、第1及び第2のカチオン電着塗料がそれぞれ有する硬化条件に基づいて決定することができ、通常、120〜200℃で10〜30分である。
【0041】このようにして得られた電着塗膜は、そのままで自動車外板用の白色の塗膜として使用することが可能である。この場合、本発明の電着塗膜の形成方法では、中塗りを省略し、上塗りの工程を電着塗装で行うことになる。
【0042】一方、本発明の積層塗膜の形成方法は、先の電着塗膜の形成方法で得られた電着塗膜の上に上塗り塗料を用いて上塗りを施すものである。この上塗り塗料としては、白色以外の色調を有するもの及び機能性クリヤー塗料を用いることができる。この白色以外の色調を有する上塗り塗料は、一般的に自動車の上塗り塗料として用いられている白色以外のソリッド塗料を適用することができる。
【0043】この上塗り塗料に含まれる基体樹脂は、耐候性が良好な水溶解性、水分散性あるいは有機溶剤溶解性のものであり、具体的には水性塗料あるいは油性塗料のビヒクルとして通常に使用されるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂あるいはウレタン樹脂等である。また、上塗り塗料に含まれる硬化剤としては、上記基体樹脂を架橋硬化させるに適したものであり、具体的にはメラミン、ベンゾグアナミン、尿素等とホルムアルデヒドとの縮合もしくは共縮合または、さらに低級1価アルコールでエーテル化するなどして得られるアミノ樹脂、先述の各種ブロック化イソシアネート(ウレタン架橋系)等が好ましく用いられる。
【0044】さらに、上塗り塗料に含まれる顔料は、メタリック顔料として、例えば、アルミニウムフレーク、銅ブロンズフレーク等を挙げることができる。また着色顔料として、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、カーボンブラック等のような無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、アントラピリミジンイエロー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダンスロンブルー、キナクリドンバイオレット等のような有機顔料を挙げることができる。その他、必要に応じてクレー、タルクあるいはカオリンのような体質顔料を含んでいてもよい。
【0045】その他、通常の上塗り塗料に配合するに適した添加剤、例えば、ミクロゲル等のレオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属ドライヤーあるいは有機錫化合物等の硬化触媒の他、水性塗料ならば各種分散安定剤や乳化剤等の適量を含んでいてもよい。
【0046】一方、上記機能性クリヤー塗料としては、透明性を損なわない程度に着色顔料や光輝性顔料を通常のクリヤー塗料に含有させた、いわゆるカラークリヤー塗料や濁りクリア塗料などを用いることができる。これらの上塗り塗料は、それらが通常用いられている塗装条件に基づいて塗装することができる。これを所定条件で焼き付けることにより、積層塗膜を得ることができる。
【0047】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。各例中の「部」は「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
製造例1 第1のカチオン電着塗料用樹脂エマルションの製造攪拌機、デカンター、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)2400部とメタノール141部、メチルイソブチルケトン168部、ジラウリン酸ジブチル錫0.5部を仕込み、40℃で攪拌し均一に溶解させた後、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(80/20重量比混合物)320部を30分間かけて滴下したところ発熱し、70℃まで上昇した。これにN,N−ジメチルベンジルアミン5部を加え、系内の温度を120℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエポキシ当量が500になるまで120℃で3時間反応を続けた。さらに、メチルイソブチルケトン644部、ビスフェノールA341部、2−エチルヘキサン酸413部を加え、系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が1070になるまで反応させた後、系内の温度が110℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)241部とN−メチルエタノールアミン192部の混合物を添加し110℃で1時間反応させることによりカチオン変性エポキシ樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量は2100、水酸基価は160であった。赤外吸収スペクトル等の測定から、樹脂中にオキサゾリドン環(吸収波数1750cm-1)を有していることが確認された。
【0048】こうして得られたカチオン変性エポキシ樹脂中へ、イソホロンジイソシアネートとメチルエチルケトオキシムとを等しい当量で付加させて得られたブロックドポリイソシアネート硬化剤1834部及び酢酸90部を加えた。これをイオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E−1と記す)を得た。
【0049】製造例2 第2のカチオン電着塗料用樹脂エマルションの製造攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。そこへ2−ヒドロキシエチルメタクリレート22.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート57.3部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート20部、ラウリルメタクリレート24.9部及びt−ブチルパーオクトエート4部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、その後t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下して115℃で1.5時間保持した。得られたアミノ基を有するアクリル樹脂は、固形分65%、数平均分子量6400、ヒドロキシル価は98であった。
【0050】この樹脂溶液に対してイソホロンジイソシアネートとメチルエチルケトオキシムとを等しい当量で付加させて得られたブロックドポリイソシアネート硬化剤46部を加えて30分間攪拌した後、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル10部、酢酸3部を加え、イオン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性アクリル樹脂を主体とする水性エマルション(以下、E−2と記す)を得た。
【0051】製造例3 顔料分散樹脂の製造攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にエポキシ当量198のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名エポン829、シェル化学社製)710部、ビスフェノールA289.6部を仕込んで、窒素雰囲気下150〜160℃で1時間反応させ、ついで120℃まで冷却後、2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)406.4部を加えた。反応混合物を110〜120℃で1時間保持した後、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル1584.1部を加えた。そして85〜95℃に冷却して均一化させた。
【0052】上記反応物の製造と平行して、別の反応容器に2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)384部にジメチルエタノールアミン104.6部を加えたものを80℃で1時間攪拌し、ついで75%乳酸水141.1部を仕込み、さらにエチレングリコールモノn−ブチルエーテル47.0部を混合、30分攪拌し、4級化剤(固形分85%)を製造しておいた。そしてこの4級化剤620.46部を先の反応物に加え酸価1になるまで混合物を85から95℃に保持し、顔料分散樹脂(樹脂固形分56%、平均分子量2200)を得た。
【0053】製造例4 顔料分散樹脂の製造攪拌機、冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲気下115℃に加熱保持した。そこへ2−ヒドロキシエチルメタクリレート22.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート57.3部、グリシジルメタクリレート20部、ラウリルメタクリレート24.9部及びt−ブチルパーオクトエート4部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、その後t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下して115℃で1.5時間保持した。
【0054】上記反応物の製造と平行して、別の反応容器に2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)384部にジメチルエタノールアミン104.6部を加えたものを80℃で1時間攪拌し、ついで75%乳酸水141.1部を仕込み、さらにエチレングリコールモノn−ブチルエーテル47.0部を混合、30分攪拌し、4級化剤(固形分85%)を製造しておいた。そしてこの4級化剤20部を先の反応物に加えて、混合物を85から95℃に保持し、顔料分散樹脂(樹脂固形分56%、平均分子量3200)を得た。
【0055】製造例5 第1のカチオン電着塗料用顔料分散ペーストの製造サンドミルを用いて、下記配合の顔料ペースト(以下、P−1と記す)を調製した。
配合 部 製造例3の顔料分散樹脂 53.6 二酸化チタン 87.0 カーボンブラック 3.0 リンモリブデン酸アルミ 7.0 珪酸鉛 3.0
【0056】製造例6 第2のカチオン電着塗料用顔料分散ペーストの製造サンドミルを用いて、下記配合の顔料ペースト(以下、P−2と記す)を調製した。
配合 部 製造例4の顔料分散樹脂 53.6 二酸化チタン 100.0
【0057】実施例1 電着塗膜の形成製造例1で得られた水性エマルションE−1と製造例5で得られた顔料分散ペーストP−1とを5/2の固形分比で混合し、第1のカチオン電着塗料を得た。また、製造例2で得られた水性エマルションE−2と製造例6で得られた顔料分散ペーストP−2とを1/1の固形分比で混合し、第2のカチオン電着塗料を得た。なお、各塗料中には硬化促進剤としてジブチル錫オキシドの乳化エマルションペーストを錫量にして塗料固形分量の1.5%になるように配合した。この2種の塗料の固形分濃度は20%、顔料/樹脂ビヒクル(硬化剤重量を含む全ビヒクル重量)の比率P/Vは1/5であった。
【0058】リン酸亜鉛処理鋼板に対して、第1のカチオン電着塗料を膜厚が表1に示した値になるような電圧で電着塗装した。これを水洗し、オーブン中で90℃において5分間乾燥したものに対し、第2のカチオン電着塗料を膜厚が表1に示した値になるような電圧で電着塗装した。これらの第1及び第2のカチオン電着塗料から得られた未硬化塗膜を160℃で15分間同時に焼付けた。得られた電着塗膜に対し、下記の評価を行った結果を表1に示す。
【0059】
【表1】


【0060】<塗膜色>得られた電着塗膜表面のマンセル値を色差計(S&MカラーコンピューターモデルSM−4、スガ試験機社製)を用いて測定した。
<防錆性(SDT)>得られた電着塗膜にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塩水噴霧試験(5%食塩水、55℃)を480時間行い、粘着テープによってカット部両側から剥離した剥離部の最大幅で示した。
<表面粗度(Ra値)>得られた電着塗膜の表面粗度を簡易型表面粗度計(Surtest−211、ミツトヨ社製)を用いて測定した。
【0061】実施例7 積層塗膜の形成(メタリック塗料+クリア塗料)実施例1〜6で得られた硬化電着塗膜上に、メタリックベース塗料(「スーパーラックM−115シルバー」、日本ペイント社製)及び耐酸性雨クリヤー塗料(「ニッペマックフローO−380」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚にしてそれぞれ15μm及び30μmになるように塗装して、電気炉中で140℃、30分間焼き付けた。このようにして得られた積層塗膜に対し、下記の評価を行った結果を表2に示す。
<上塗りゴバン目密着性>得られた積層塗膜に、カッターナイフを用いて1mm×1mmのゴバン目100個を作り、その表面にセロハンテープを粘着し、急激に剥離した後の塗面に残ったゴバン目の数を記録した。
<鮮映性>得られた積層塗膜の鮮映性を、携帯式写像鮮明度測定器(HA−NSIC、スガ試験機株式会社製)により測定した。
<促進耐候性>得られた積層塗膜をサンシャインウエザオメーターへ取り付け、1000時間照射後60度グロスを測定し、初期値に対する保持率を求めた。
【0062】実施例8 積層塗膜の形成(機能性クリア塗料)実施例1〜6で得られた硬化電着塗膜上に、機能性クリヤー塗料として、フッソ樹脂含有クリヤー塗料(「ニッペスーパーフロン」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚にして30μmになるように塗装して、電気炉中で140℃、30分間焼き付けた。このようにして得られた積層塗膜に対し、実施例5と同様に鮮映性を評価した。その結果を表2に示す。
【0063】
【表2】


【0064】表1及び表2から、本発明により得られる電着塗膜は、第1のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜の膜厚が10μm以上であれば、防錆性を満たすことがわかる。また、さらに上塗りを施して積層塗膜を得る場合には、第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜の膜厚が10μm以上であれば、積層塗膜としての性能を満たしている。
【0065】
【発明の効果】本発明の電着塗膜の形成方法は、2種類のカチオン電着塗料を用いて電着塗装を2度行うことにより、中塗り塗膜を省くことができ、電着塗装だけで自動車外板に用いることができる白色塗膜を得ることができるため、塗装工程が短縮でき、省エネルギーや低コスト化を実現することができる。
【0066】さらに、本発明の積層塗膜の形成方法では、このように形成された電着塗膜の上にさらに白色以外の色調を有する上塗り塗料や機能性クリヤー塗料を塗装することにより、さらに優れた外観を有する積層塗膜を得ることができる。これは、2度に渡る電着塗装であるがゆえに着色機能を持った中塗りあるいは上塗り塗膜の塗着膜厚均一性にすぐれているためであると考えられる。
【0067】なお、上塗り塗料が白色以外の色調を有するものであるときには、先の電着塗膜の形成方法において、第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜に中塗りとしての特性を持たせることで、物性面においてさらに優れた積層塗膜を有することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】導電性基材に第1のカチオン電着塗料を用いてカチオン電着塗装を施した後、第2のカチオン電着塗料を用いてさらにカチオン電着塗装を施し、前記第1及び第2のカチオン電着塗料から得られた未硬化塗膜を同時に焼き付けて硬化塗膜を得る電着塗膜の形成方法において、前記第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜が白色であることを特徴とする電着塗膜の形成方法。
【請求項2】前記白色がマンセル値で8.5〜9.5である請求項1記載の電着塗膜の形成方法。
【請求項3】前記第1のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜の膜厚が10〜30μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電着塗膜の形成方法。
【請求項4】前記第2のカチオン電着塗料を用いて得られる塗膜の膜厚が10〜30μmであることを特徴とする請求項1ないし3記載のいずれかに記載の電着塗膜の形成方法。
【請求項5】請求項1ないし4記載のいずれか1つの方法により得られた電着塗膜の上に上塗り塗料を用いて上塗りを施すことを特徴とする積層塗膜の形成方法。
【請求項6】前記上塗り塗料が、白色以外の色調を有するものである請求項5記載の積層塗膜の形成方法。
【請求項7】前記上塗り塗料が、機能性クリヤー塗料である請求項6記載の積層塗膜の形成方法。

【公開番号】特開2001−123296(P2001−123296A)
【公開日】平成13年5月8日(2001.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−304270
【出願日】平成11年10月26日(1999.10.26)
【出願人】(000230054)日本ペイント株式会社 (626)
【Fターム(参考)】