説明

電磁トランスポンダによる端末の認証

【課題】本発明は、トランスポンダが、通信する必要がある端末にデータを送信する前に、端末を認証できる方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る電圧を生成する発振回路を備えたトランスポンダにより、磁場を生成する端末を認証する方法によれば、前記トランスポンダと前記端末との結合により決まる少なくとも1つの値を、少なくとも1つの基準値と比較し、比較結果に基づき、前記端末を認証する。具体的には、前記少なくとも1つの値に相当する前記発振回路により生成される電圧の値を測定し、前記測定された値と、前記トランスポンダ及び前記端末の結合の最適結合係数に関して前記発振回路により生成される電圧により決まる前記基準値とを比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、電子システムに関し、より具体的には、電磁トランスポンダ、すなわち、読出し及び/又は書込み端末によって非接触且つ無線で応答され得るトランシーバを用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの通信システムは、端末によって生成される電磁場の変調に基づいている。前記通信システムは、盗難防止装置として使用される最も簡素な電子タグから、トランスポンダが端末の電磁場内に存在するときに端末と通信するためのトランスポンダが、計算機能(例えば、電子財布)又はデータ処理機能を備えているより複雑なシステムまで多岐にわたっている。
【0003】
電磁トランスポンダを備えたシステムは、アンテナを形成する巻線を備えた発振回路のトランスポンダ側及び端末側での使用に基づいている。このような発振回路は、トランスポンダが端末の電磁場内に入ったとき、近傍の磁場によって結合される。端末の発振回路及びトランスポンダの発振回路は、一般的には、端末の発振回路の励起周波数に相当する同一の周波数に同調される。
【0004】
トランスポンダは、ほとんどの場合、自己電源を有しておらず、端末のアンテナによって発せられる高周波磁場から自身の回路に必要な電力を取り出す。
【0005】
トランスポンダが端末と通信する必要があるとき、トランスポンダは、データ交換を行う前に、端末を認証しなければならない。例えば、トランスポンダが(金銭又は勘定単位での)支払い手段として使用される適用例では、トランスポンダは、ある端末に対する支払額を蓄えておく場合がある。別の適用例によれば、電子機器(例えば、PDA又は携帯電話)に関連付けられているチップカード型のトランスポンダは、他の電子機器(例えば、ラップトップ型又はデスクトップ型コンピュータ)と通信して、ユーザを識別又は認証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0857981号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、認証処理は、暗号化アルゴリズムと、端末及びトランスポンダ間のデータ交換とに基づいている。このような認証処理では、電力及び時間が著しく必要とされる計算が行われる。更に、あらゆる暗号化処理は、認証の秘密を見つけてシステムに不正侵入しようとする攻撃に対して、多かれ少なかれ反応し易い。
【0008】
トランスポンダが、通信する必要がある端末にデータを送信する前に、端末を認証できることが好ましい。
【0009】
また、暗号化とは無関係に認証処理を行うことが好ましい。
【0010】
また、高速で、消費電力及び計算が少ない認証処理を行うことが好ましい。
【0011】
更に、認証毎に端末及びトランスポンダ間のデータ交換を行うことなく、端末を認証することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的及び他の目的の全て又は一部を達成するために、本発明は、電圧を生成する発振回路を備えたトランスポンダにより、磁場を生成する端末を認証する方法であって、前記トランスポンダと前記端末との結合により決まる少なくとも1つの値を、少なくとも1つの基準値と比較し、比較結果に基づき、前記端末を認証することを特徴とする方法を提供する。
【0013】
本発明によれば、前記少なくとも1つの値に相当する前記発振回路により生成される電圧の値を測定し、前記測定された値と、前記トランスポンダ及び前記端末の結合の最適結合係数に関して前記発振回路により生成される電圧により決まる前記基準値とを比較する。
【0014】
本発明によれば、前記最適結合係数に関する前記基準値を、予め推定しておく。
【0015】
本発明によれば、前記発振回路と並列に配置された前記トランスポンダの回路によって形成される抵抗性負荷の第1の値に関して、前記電圧の第1の値を測定し、前記抵抗性負荷の第2の値に関して、前記電圧の第2の値を測定し、前記少なくとも1つの値に相当する前記電圧の第1の値及び第2の値の比率を、一又は複数の前記基準値と比較する。
【0016】
本発明によれば、前記基準値は、前記抵抗性負荷の第1の値及び第2の値により決まる。
【0017】
本発明によれば、前記抵抗性負荷の第1の値及び第2の値を、前記トランスポンダに備えられているプロセッサの消費電力を変更することにより得る。
【0018】
本発明によれば、前記抵抗性負荷の第1の値及び第2の値を、前記トランスポンダに備えられている切替可能な抵抗性逆変調要素を切り替えることにより得る。
【0019】
本発明によれば、前記トランスポンダが前記端末を認証しない場合、前記トランスポンダは、意図的に間違ったデータを前記端末に送信する。
【0020】
本発明は、更に、電磁トランスポンダが端末の磁場内にある場合、直流電圧を与えられ得る整流器の上流側に設けられた発振回路と、前記方法を実施することが可能な少なくとも1つのプロセッサとを備えていることを特徴とする電磁トランスポンダを提供する。
【0021】
本発明の前述及び他の目的、特徴及び利点を、添付図面を参照して本発明を限定するものではない特定の実施形態について以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明が一例として適用されるタイプの電磁トランスポンダ通信システムを非常に簡略化して示す図である。
【図2】電磁トランスポンダ通信システムの端末及びトランスポンダを示すブロック略図である。
【図3】結合係数に応じたトランスポンダの発振回路の電圧の変動の一例を示す図である。
【図4】トランスポンダが端末を認証する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】テスト段階の実施形態を示すブロック図である。
【図6】端末を認証することが可能なトランスポンダの実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
同一の構成要素は、異なる図面において同一の参照番号で示されている。明瞭化のために、本発明の理解に有用なステップ及び構成要素のみが示され、説明されている。具体的には、トランスポンダと端末との通信の符号化及び変調については詳述されておらず、本発明は、あらゆる通常の通信に適合する。更に、トランスポンダによる認証以外の端末又は前記トランスポンダによって実施され得る機能も詳述されておらず、本発明は、ここでもまた、端末又はトランスポンダのあらゆる通常の機能に適合する。
【0024】
図1は、電磁トランスポンダ通信システムのブロック図である。端末1は、(例えば、近距離無線通信(NFC:near field communication)プロトコルに応じて、離れた構成要素、すなわち、トランスポンダと近距離で通信することが可能である。
【0025】
端末1は、様々な形態、例えば、輸送チケット確認端末、電子パスポートリーダ、ラップトップ型コンピュータ、移動通信機器(GSM電話、PDA等)、自動車を始動させる電子制御ユニット等の形態から構成され得る。
【0026】
同様に、トランスポンダ2は、様々な形態、例えば、チップカード、電子輸送チケット、電子パスポート、通信端末(GSM電話、PDA等)、電子タグ等の形態から構成され得る。
【0027】
図2は、端末1及びトランスポンダ2の実施例を非常に概略的に示す。
【0028】
端末1は、コンデンサ(容量性素子)C1及び抵抗器R1と直列のインダクタンス(誘導性素子)L1から構成された一般的には直列の発振回路L1−C1を備えている。図2に示された実施例では、この直列発振回路は、増幅器すなわちアンテナカプラ14の出力端子12と、基準電圧を有する端子13(一般的には、アース)との間に接続されている。発振回路内の電流を測定する測定素子15が、例えば、容量性素子C1とアース13との間に設けられている。測定素子15は、後述する位相調整ループに属している。増幅器14は変調器(MOD)16から与えられる高周波伝送信号を受取り、変調器16は、例えば、水晶発振器(図示せず)から基準周波数信号(OSC)を受取る。変調器16は、必要に応じて、伝送を制御して利用するための回路11から与えられる信号Txを受取る。回路11は、一般的には、制御及びデータ処理マイクロプロセッサを備えており、図示しない様々な入力/出力回路(キーボード、ディスプレイ、サーバと通信する要素等)及び/又は処理回路と通信する。端末1の構成要素は、ほとんどの場合、その動作に必要な電力を電源回路(図示せず)から取り出しており、電源回路は、例えば、電源供給ライン配電システム(コンセント)又はバッテリ(例えば、自動車、携帯電話又はコンピュータのバッテリ)に接続されている。変調器16は、(例えば、13.56MHzの)高周波搬送波(信号)Txを直列発振回路L1−C1に供給し、該発振回路は磁場を生成する。
【0029】
容量性素子C1は、例えば、信号CTRLにより制御可能な可変容量性素子である。この容量性素子C1は、基準信号に関するアンテナ(インダクタンス)L1の電流I1の位相調整に関与する。この調整は、高周波信号の調整、すなわち、送信されるべきデータTxがないとき増幅器14に与えられる信号に相当する搬送波の信号の調整である。該調整は、基準信号と一定の位相関係でアンテナL1の電流I1を維持するように、端末1の発振回路のキャパシタンスを変化させることによって行われる。この基準信号は、例えば、変調器16に供給される基準周波数信号OSCに相当する。信号CTRLは、比較器17から与えられる。比較器17は、前記基準信号に関する位相間隔を検出する機能と、検出に応じて容量性素子C1のキャパシタンスを変更する機能とを有する。この比較器17は、測定素子15(例えば、強度変圧器又は抵抗器)によって検出される発振回路の電流I1に関するデータMESを受取る。
【0030】
端末1と協働可能なトランスポンダ2は、発振回路を備えており、該発振回路は、例えば、2つの端子21及び端子22間のコンデンサ(容量性素子)C2と並列なインダクタンス(誘導性素子)L2から並列に構成されている。(受信共振回路と呼ばれる)並列発振回路L2−C2は、端末1の発振回路L1−C1によって生成される磁場を取り込むように設けられている。発振回路L2−C2及び発振回路L1−C1は、同一の共振周波数(例えば、13.56MHz)に同調される。端子21及び端子22は、(ほとんどの場合、全波の)整流ブリッジ23の2つの交流入力端子に接続されている。整流ブリッジ23の整流出力端子が、正端子24及び基準端子25を夫々画定する。コンデンサCaが、整流電圧を平滑化するために、端子24及び端子25間に接続されている。回収された電力が、図示しないバッテリを再充電するために用いられる。
【0031】
トランスポンダ2が端末1の磁場内にあるとき、高周波電圧が、共振回路L2−C2に生成される。整流ブリッジ23によって整流されてコンデンサCaによって平滑化されるこの電圧は、電圧調整器(REG)26を介してトランスポンダ2の電子回路に供給電圧として与えられる。このような電子回路は、一般的には、記憶装置(図示せず)と関連付けられた処理部(例えば、マイクロコントローラμC、プロセッサ)27と、端末1から受信される信号を復調する復調器(DEM)28と、データを端末1に送信するための変調器(MOD)29とを含んでいる。トランスポンダ2は、一般的には、整流前に端子21及び端子22の一方から回収される高周波信号から回路20によって取り出されるクロック(CLK)を用いて同期される。ほとんどの場合、トランスポンダ2の全ての電子回路は、同一のチップにまとめられている。
【0032】
端末1からトランスポンダ2にデータを送信するために、変調器16は、信号Txに応じて搬送波の信号(OSC)を変調(一般に、振幅変調)する。トランスポンダ2側では、これらのデータは、電圧VCaに基づいて復調器28によって復調される。復調器28は、復調されるべき信号を整流ブリッジ23の上流側でサンプリングする。
【0033】
トランスポンダ2から端末1へデータを送信するために、変調器29は、端末1により生成される磁場内でトランスポンダの回路によって形成される負荷の変調(逆変調)段30を制御する。この変調(逆変調)段30は、一般的には、端子24及び端子25間で直列な電子スイッチK30(例えば、トランジスタ)及び抵抗器R30(又は、コンデンサ)から構成されている。スイッチK30は、端末1の発振回路の励起信号の周波数より十分低い(一般的には、少なくとも10分の1の)いわゆる副搬送波周波数(例えば、847.5kHz)で制御される。スイッチK30がオンのとき、トランスポンダ2が高周波磁場から大量の電力をサンプリングするように、トランスポンダ2の発振回路は、回路20、調整器26、処理部27、復調器28及び変調器29によって形成される負荷に関して追加の減衰を受ける。端末1側では、増幅器14は高周波励起信号の振幅を一定に維持する。その結果、トランスポンダ2の電力変動が、アンテナL1の電流I1の振幅及び位相変動として変換される。この変動は、端末1の振幅又は位相復調器によって検出される。図2に示された実施形態では、比較器17は、トランスポンダ2から与えられる信号を復調するためにも用いられる位相復調器と一体化されている。従って、比較器17は、回路11に返す信号Rxに、トランスポンダ1から受信したデータの起こり得る逆変調をもたらす。他の復調回路、例えば、コンデンサC1の電圧の測定を利用する回路を設けてもよい。
【0034】
トランスポンダと端末との通信を符号化/復号して変調/復調するための多くの変形例が存在する。
【0035】
位相調整ループの応答時間が、トランスポンダからの起こり得る逆変調の妨害を避けるために十分長く、且つトランスポンダが端末の磁場内を通過する速度と比較して十分短い。これは、変調周波数(例えば、遠隔電力供給搬送波の13.56MHzの周波数、及びトランスポンダから端末へデータを送信するために用いられる847.5kHzの逆変調周波数)に対する静的調整ということもできる。
【0036】
位相調整端末の一例が、欧州特許出願公開第0857981号明細書に記載されている。
【0037】
端末側で位相が調整されることにより、トランスポンダが端末の磁場内にあるとき、トランスポンダの発振回路における電流及び電圧を測定して、測定結果から、トランスポンダの結合に関する情報を導き出すことが可能になる。端末の発振回路とトランスポンダの発振回路との結合係数は、実質的には、トランスポンダと端末との距離によって決まる。kで示される結合係数は、常に0と1との間にある。結合係数は、次の式で定義され得る。
k = M/√(L1・L2) (式1)
尚、Mは、端末の発振回路のインダクタンスL1と、トランスポンダの発振回路のインダクタンスL2との相互インダクタンスを表す。
【0038】
最適結合が、トランスポンダの発振回路の電圧VC2が最大である位置にあるとして定義される。kopt で示される最適結合係数は、以下に示すように表現されてもよい。
kopt = √(L2/L1・R1/R2) (式2)
尚、R2は、トランスポンダの発振回路と並列に設けられた構成要素によって形成される負荷の抵抗と等価な抵抗を表す。
【0039】
換言すれば、抵抗R2は、コンデンサC2及びインダクタンスL2と(整流ブリッジ23の前又は後ろで)並列に配置されたトランスポンダ2の全ての回路の抵抗と等価な抵抗を表わす。トランスポンダの回路によるコンダクタンスが、「抵抗性負荷」と呼ばれる。この負荷のレベルが、発振回路に並列な抵抗R2によって表される。式2では、インダクタンスL1(端末のアンテナ)の直列抵抗は無視されている。また、この直列抵抗の値が、簡素化のために、抵抗器R1の値に含まれているとみなされ得る。
【0040】
式2は、端末とトランスポンダとの結合特徴を表す。同一のトランスポンダ及び所与の動作条件(負荷R2)では、最適結合係数は、インダクタンスL1の値及び抵抗器R1の値を調整する端末に応じて変化する。
【0041】
このような特徴を利用して、トランスポンダが、前記結合特徴を間接的に確認することにより、トランスポンダが配置されている範囲内で端末を認証することが可能になる。
【0042】
図3は、最適結合係数に関して標準化された結合係数k/kopt に応じてトランスポンダ側で回収される電圧VC2の変動の一例を示す。この曲線は、ゼロ結合に相当する座標軸の原点(ゼロ電圧)から開始する。ゼロ結合は、トランスポンダによって信号が検出されないようなトランスポンダから端末までの距離に相当する。電圧VC2は、最適結合係数kopt のとき(k/kopt =1であるとき)最大値VC2opt に達し、結合係数kが1に等しいとき中間値VC2(1) に減少する。
【0043】
トランスポンダ側で、トランスポンダと端末との結合を評価するために、トランスポンダの発振回路の容量性素子C2の電圧VC2が用いられる。この電圧VC2は、以下の関係式により得られる。
VC2 = I2/ω・C2 (式3)
尚、I2は、トランスポンダの発振回路の電流を表し、ωは、信号のパルスを表す。
【0044】
電流I2は、以下の関係式により得られる。
I2 = M・ω・I1/Z2 (式4)
尚、I1は、端末の発振回路の電流を表し、Z2は、トランスポンダのインピーダンスを表す。
【0045】
トランスポンダのインピーダンスZ2は、以下の関係式により得られる。
Z22 = X22+(L2/R2・C2)2 (式5)
尚、X2は、発振回路のインピーダンスの虚数部を表す(X2=ω・L2-1/ω・C2)。
【0046】
更に、端末の発振回路の電流I1は、以下の関係式により得られる。
I1 = Vg/Z1app (式6)
尚、Vgは、端末の発振回路を励起するいわゆる発電電圧を示し、Z1app は、発振回路の見掛けインピーダンスを表す。
【0047】
端末の発振回路の位相を調整することにより、トランスポンダに形成される負荷の虚数部を変調周波数に関して静的に変更する傾向がある全ての変動が、この位相調整ループによって補償され得る。従って、静的動作では、見掛けインピーダンスZ1app の虚数部は確実にゼロである。従って、見掛けインピーダンスZ1app は、見掛け抵抗R1app (インピーダンスの実数部)に等しくなり、以下に示すように表現されてもよい。
Z1app = R1app = R1+(k2・ω2・L1・L22)/(Z22・R2・C2) (式7)
【0048】
発振回路は同調されるので、インピーダンスZ2の虚数部X2は、第一近似としてゼロに近いとみなされ得る。その結果、インピーダンスZ2の値は、以下の関係式により得られる。
Z2 = L2/R2・C2 (式8)
【0049】
この単純化した式8を式4及び式7に挿入し、式4を式3に挿入することにより、トランスポンダの発振回路で回収される電圧VC2について、以下の式が得られる。
VC2 = k・√(L1/L2)・{Vg/(R1/R2+k2・L1/L2)} (式9)
【0050】
式9は、所与の端末(発電電圧Vg、抵抗器R1及びインダクタンスL1の一定値)及びインダクタンスL2の一定値(従って、コンデンサC2の一定値)では、電圧VC2は、結合係数kと、トランスポンダの回路によって形成されて発振回路と並列に設けられる(抵抗R2と等価な)抵抗性負荷とによってのみ決まることを示している。
【0051】
式9は、トランスポンダの発振回路L2−C2が、同調周波数、すなわち、ω・√(L2・C2)=1に設定されているとみなされている場合にのみ適用可能であることに留意すべきである。
【0052】
最適結合係数kopt の位置では、最大電圧VC2opt が、(式2及び式9を組み合わせた)以下の式により得られる。
VC2opt = Vg/2・√(R2/R1) (式10)
【0053】
式10は、所与の端末に関して、トランスポンダが端末と関連付けられるテスト段階で、トランスポンダ及び端末の最適結合における抵抗値R20に関する電圧VC2opt]R20 の値を記憶できることを示している。このためには、発電電圧Vgの値及び抵抗器R1の値を知っておき、電圧VC2を測定するだけで十分である。
【0054】
その後、動作中に、抵抗R2の抵抗値R20に関する電圧VC2]R20の現在値を、最適結合係数kopt の位置における抵抗値R20に関する電圧VC2opt]R20 の値と比較することにより認証処理が行われてもよい。現在値は、記憶されている電圧VC2opt]R20 の値以下でなければならない。現在値が、記憶されている電圧VC2opt]R20 の値より大きい場合、端末が、規定されている磁場より大きな磁場を生成すべく設定されていることを意味する。従って、端末は、正当ではない(又は、不適切に構成されている)とみなされる。実際には、端末が変造された端末である危険性がある。
【0055】
式9及び式10を組み合わせて、最適結合係数kopt に関して標準化された結合係数(k/kopt )を表現することにより、電圧VC2が以下に式により得られる。
VC2 = 2・VC2opt・[(k/kopt)/{1+(k/kopt)2}] (式11)
【0056】
所与の結合係数kでは、端末の発振回路のインピーダンスが変動せず、発振回路は同調されたままであるとすると、抵抗R2の抵抗値R21及び抵抗値R20に関する電圧VC2の夫々の値VC2]R21及び値VC2]R20の比率が、式11に従って、以下の式により得られる。
VC2]R21/VC2]R20= {(k/kopt]R20)2+1}/{(k/kopt]R20)2+R20/R21} (式12)
【0057】
式12は、抵抗R2の抵抗値を、第1の値R20から、より大きな第2の値R21に増加させることにより(これは、発振回路L2−C2と並列に設けられたトランスポンダの回路の負荷を減少させることを意味する)、電圧VC2]R21が、電圧VC2]R20より大きくなることを示している。逆に、抵抗R2の抵抗値を減少させることにより、回収される電圧VC2は減少する。
【0058】
従って、同調状態の所与の端末(発電電圧Vg及び抵抗器R1の一定値)及びトランスポンダでは、(抵抗値R20及び抵抗値R21に等しい)2つの抵抗性負荷に関して得られる電圧が比較され得る。抵抗R2の抵抗値R20が、(抵抗性負荷を減少させることにより)抵抗値R21まで増加するとき、抵抗値R21に関して得られた電圧VC2]R21は、最初の抵抗値R20に関する電圧VC2]R20以下になる。これは、端末が、予想される電流より小さい電流Vg/R1を生成するように設定されており、端末及びトランスポンダの結合が、予想される結合特徴を順守していないことを意味する。
【0059】
抵抗R2の抵抗値R20から、より大きな抵抗値R21への切替に相当する抵抗性負荷の変動に関して、式12より、以下の式が得られる。
(k/kopt]R20)2= (1-VC2]R21/VC2]R20・R20/R21)/(VC2]R21/VC2]R20-1)(式13)
【0060】
式11及び式13を組み合わせることにより、以下の式が得られる。
VC2]R20/VC2opt]R20= [2・√{(VC2]R20/VC2]R21-R20/R21)・(1-VC2]R20/VC2]R21)}]/(1-R20/R21) (式14)
【0061】
抵抗R2の抵抗値R20から、より小さな抵抗値R21への変動では、式13及び式14は、夫々以下の式13′及び式14′になる。
(k/kopt]R20)2= (VC2]R21/VC2]R20・R20/R21-1)/(1-VC2]R21/VC2]R20)
(式13′)
VC2]R20/VC2opt]R20= [2・√{(R20/R21-VC2]R20/VC2]R21)・(VC2]R20/VC2]R21-1)}]/(R20/R21-1) (式14′)
【0062】
従って、電圧VC2]R20の現在値も確認され得る。抵抗R2の変動の方向に応じて、この電圧VC2]R20の現在値が、式14及び式14′の内の一方に当てはまらない場合、端末は、規定されている端末及びトランスポンダの結合に適合しているとみなされない。
【0063】
実際には、トランスポンダの発振回路の電圧VC2が直接測定されるわけではなく、整流ブリッジ23の出力におけるコンデンサCaの平滑化された電圧VCaが測定される。電圧VCaは、電圧VC2に比例する。電圧比が評価されるので、電圧VC2と電圧VCaとの比例定数を知る必要がない。特定の実施形態では、測定は、マイクロプロセッサによって行われる。測定された電圧値が、アナログ手段により、又は、選択的な数ビット以上のディジタル処理により記憶され、該ビット数は、所望の分析精度により決まる。
【0064】
図4は、その磁場内にトランスポンダが存在する端末の認証を確認する方法の実施形態を示すフローチャートである。図4に関する説明を簡略化するために、実際には、電圧VCaの値VCa]R20及び値VCa]R21を測定する方が容易であり、このことは、値の比較に対して何も変更がないことが分かっているので、値VC2]R20及び値VCa]R21について説明する。
【0065】
抵抗R2の第1の値R20に関するコンデンサC2の電圧を測定して記憶することにより開始する(ステップ41)。次に、抵抗R2の値を、より大きな値(例えば、抵抗値R21)に変更する(ステップ42)。
【0066】
次いで、抵抗値R21に関する電圧VC2が測定されて記憶される(ステップ43)。
【0067】
抵抗値R20に関して得られた電圧VC2]R20の現在値が、最適結合係数kopt における抵抗値R20に関する電圧VC2opt]R20 の値と比較されて、電圧VC2]R20の現在値が電圧VC2opt]R20 の値以下であるか否かが判断される(ステップ44)。最適結合係数kopt における電圧VC2opt]R20 の値は、トランスポンダが認証リーダの磁場内に存在するとみなされているテスト段階中にトランスポンダに予め記憶されている。ステップ44は、電圧VC2]R20が測定されるとすぐに(ステップ41の後に)行われてもよい。
【0068】
ステップ44により、電圧VC2]R20の現在値が電圧VC2opt]R20 の値以下でないと判断された場合(ステップ44の出力N)、トランスポンダの処理部27は、例えば、エラー処理を行う(ステップ49)。このエラー処理は、例えば、トランザクション拒否、トランスポンダのリセット、(操作された情報に関する重要な機能を実行しない)フェールソフト動作等に相当する。また、トランスポンダが、意図的に間違った情報で端末を誤解又は混乱させるメッセージ、例えば、ランダムデータを含むメッセージを端末に送信してもよい。その他の様々な処理が想定されてもよい。例えば、通常、暗号化メカニズムにより認証されない場合のあらゆるエラー処理が想定されてもよい。
【0069】
ステップ44により、電圧VC2]R20の現在値が電圧VC2opt]R20 の値以下であると判断された場合(ステップ44の出力Y)、図4に示された実施形態では、電圧VC2]R20と電圧VC2]R21との比率に関して連続した2つの判定が行われる。
【0070】
このために、抵抗R2の抵抗値R20及び抵抗値R21と等しい抵抗性負荷に関して測定された電圧の比率rV が計算されて記憶される(ステップ45)。
【0071】
その後、この比率rV が1より大きいか否かが判断される(ステップ46)。比率rV が1以下であると判断された場合(ステップ46の出力N)、エラー処理(ステップ49)に進む。
【0072】
比率rV が1より大きいと判断された場合(ステップ46の出力Y)、この比率rV が、抵抗値R21と抵抗値R20との比率より小さいか否かが判断される(ステップ47)。比率rV が、抵抗値R21と抵抗値R20との比率以上であると判断された場合(ステップ47の出力N)、端末が、予測される磁場より大きな磁場を生成していることを意味する。従って、端末は認証されない(ステップ49)。
【0073】
最後に、電圧VC2]R20の値が式14に当てはまるか否かが判断される(ステップ48)。電圧VC2]R20の値が式14に当てはまらないと判断された場合(ステップ48の出力N)、エラー処理が行われる(ステップ49)。逆に、電圧VC2]R20の値が式14に当てはまると判断された場合(ステップ48の出力Y)、その磁場内にトランスポンダが存在する端末は認証されて(ステップ50)、トランザクション又は通信を開始され得る。
【0074】
上述された処理は、上述された順序と異なる順序で行われてもよい。しかし、処理が、計算の複雑さが増す順序で優先的に行われることにより、トランスポンダに適合しない端末を更に迅速に拒絶することが可能になる。
【0075】
更に、様々な中間値(例えば、比率rV 又は比率R21/R20)が記憶されて、連続する処理で再利用されてもよく、又は逆に、処理中に計算されてもよい。
【0076】
更に、実行される判定の数は、用途、所望の認証の信頼性、トランスポンダの計算電力、利用可能なデータ等により決まる。例えば、抵抗値R20及び抵抗値R21を判断できないが、抵抗値R21が抵抗値R20より大きいことのみが分かっている簡略化された実施形態では、ステップ46だけで十分である。この簡略化された実施形態では、テスト段階が必要ではないことに留意すべきである。しかし、確認は、抵抗R2の2つ以上の抵抗値に関して複数回行うことにより向上し得る。また評価は、抵抗R2の抵抗値を減少させることにより行われてもよい。従って、抵抗R2の抵抗値は、トランスポンダの回路への電力の供給を確保するために、電圧VC2の必要な値VC2]R21を維持するだけで十分である。更に、ステップ46及びステップ47の関係は逆でなければならない(rV <1、及びrV >R21/R20)。
【0077】
端末の動作の際の起こり得るドリフトを考慮して、許容値の許容誤差又は範囲が処理に導入されてもよく、又は、認可された端末群の場合には、この端末群の間の許容可能な分散が導入されてもよい。
【0078】
従って、トランスポンダの発振回路の2つの抵抗値に関して測定された2つの電圧値に基づいて、端末を認証することが可能である。
【0079】
この認証の信頼性は、テスト段階によって判断される関係を利用することによって改善され得る。
【0080】
図5は、トランスポンダ2が端末(図示せず)の磁場内にあるとき、前記端末を認証するか否かを自動的に判断すべく設けられたトランスポンダ2の実施形態を示すブロック図である。図5の表示は、図2の表示と比べて簡略化されている。具体的には、復調及び逆変調の手段、並びにクロック周波数を得るための構成要素が図示されていない。
【0081】
前述したように、トランスポンダ2は、その端子21及び22が、整流ブリッジ23の入力端子に接続されている並列発振回路L2−C2に基づいている。処理部27のために電流Icを測定する要素が調整器26の出力側に設けられてもよい。更に、整流ブリッジ23の端子24及び端子25間に、切替可能な抵抗性回路40が設けられている。例えば、2つの抵抗器R43及び抵抗器R45が並列に接続されており、夫々の抵抗器43、45は、夫々のスイッチK43、K45と直列に接続されている。スイッチK43及びスイッチK45(例えば、MOSトランジスタ)は、結合位置を判断する方法を実施するために切り替えられる。処理部(PU、プロセッサ)27は、入力MESで電圧VCaに関する情報を受取り、上述した方法を実施する。図5に示された実施形態では、両方の抵抗器R43及び抵抗器R45が機能的に接続されているとき、抵抗R2(トランスポンダの回路の負荷)は抵抗値R20を示す。抵抗器R43及び抵抗器R45の内の一方(例えば、抵抗器R43)の接続が切られると、抵抗R2の抵抗値が抵抗値R21に増加する。前記方法の変形例に応じて他の接続及び切替が設定されてもよい。例えば、抵抗R2の2つの抵抗値の内の一方が、他のトランスポンダの回路の抵抗性負荷に相当するとみなして、単一の切替可能な抵抗器が用いられてもよい。
【0082】
好適な実施形態によれば、切替可能な抵抗器は、抵抗性逆変調に用いられる抵抗器に相当する。例えば、逆変調抵抗器が回路で機能するように、逆変調抵抗器を切り替えること(図2に示された実施例におけるスイッチK30がオンの状態)により、電圧VC2]R20の値が測定される。次に、スイッチK30がオフされて、電圧VC2]R21の値が測定される。
【0083】
変形例として、等価な抵抗R2の抵抗値の増加又は減少が、トランスポンダの回路、一般的には処理部27の消費電力を変動させることによって引き起こされる。例えば、抵抗R2の抵抗値を減少させるために(消費電力を増加させるために)、処理部27による計算又は処理の実行が開始される。等価な抵抗R2の抵抗値の増加は、ある計算の割込みによる処理部27の消費電力の減少によって引き起こされてもよい。変形例として、クロックにより調整される実行速度が回路20を用いて低減されてもよい。処理部27によって実行されるべき様々なタスクに関する消費電力が分かる時点から、抵抗R2における変動も分かる。
【0084】
端末を認証するために必要な計算は、計算の実行時間が、端末の前方でのトランスポンダの変位速度(ひいては結合係数の変動速度)に対して無視し得る程十分に簡単である。これは特に、マイクロコントローラを備えたトランスポンダが暗号機能を実行する場合であり、この場合、このような計算を駆使する機能自体は、結合が変化しないとみなされ得る期間中に実行される。他の場合では、トランスポンダが端末の受信面に載置されている場合、トランスポンダと端末との結合が更に長い期間変動しない。
【0085】
認証は、端末との通信の確立を必要とすることなく行われることに留意すべきである。従って、要求の復調(ひいては、トランスポンダの通信機能の始動)が、端末が認証されるときのみ認められるので、トランスポンダに含まれているデータの保護が保証される。
【0086】
図6は、テスト段階中に端末を認証することが可能なトランスポンダの実施形態を示すフローチャートである。
【0087】
このようなテスト段階は、端末が、トランスポンダ又はトランスポンダ群と適合されていることが望まれるときに実施される。例えば、このようなテスト段階は、製造の終了の際のトランスポンダの較正段階で実施される。別の実施例によれば、値は、サンプルに基づいて決定されて、一連の製造の際に、トランスポンダの不揮発性メモリに記録される。また別の実施例によれば、トランスポンダと端末との適合は、最終ユーザが選択する電磁気装置(例えば、最終ユーザの携帯電話及びラップトップ型コンピュータ)間のデータ交換を認証したときのみ最終ユーザにより行われる。トランスポンダで使用可能な発電電圧Vg及び抵抗器R1の値は、このテスト段階で実際の端末によってトランスポンダに通信されてもよい。
【0088】
テスト段階は、トランスポンダを、端末との公称結合に関して設定することによって開始する(ステップ61)。例えば、このような関係は、チップカード又は別のタイプのトランスポンダを、適合されることが望まれる端末に載置することを含む。
【0089】
次に、トランスポンダの所与の抵抗性負荷に関する電圧VC2]R20が測定される(ステップ62)。
【0090】
最後に、測定された電圧VC2]R20の値、対応する抵抗の抵抗値R20、及び端末の対応する抵抗器R1及び発電電圧Vgの値が記憶される。これらの値は、端末の製造者から得てもよく、又は、端末の適合された検出要素によって測定されて、例えば、テスト段階中に特定の通信を開始することによって、トランスポンダに通信されてもよい。トランスポンダは、様々な値を記憶するのではなく、式10を用いて電圧VC2opt]R20 を直接計算して、計算結果を記憶してもよい(ステップ63)。
【0091】
異なる変形例を有する様々な実施形態について説明している。当業者は、あらゆる進歩性を示すことなく、様々な実施形態及び変形例の様々な構成要素を組み合わせることができることに留意すべきである。具体的には、実行される処理の選択及び順序は、用途、例えば、認証を実行するために利用可能な時間、トランスポンダの計算容量等によって決まる。
【0092】
このような変更、修正及び改良は、本開示の一部であることが意図され、また、本発明の意図及び範囲内にあることが意図されている。従って、上記の説明は、単に例示的なものであり、限定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に定義されていること、及び特許請求の範囲に対する等価物によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0093】
1 端末
2 トランスポンダ
23 整流器、整流ブリッジ
27 プロセッサ、処理部
30 抵抗性逆変調要素、変調(逆変調)段
C2 発振回路、コンデンサ、容量性素子
L2 発振回路、インダクタンス、誘導性素子
R2 抵抗性負荷、抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧を生成する発振回路を備えたトランスポンダにより、磁場を生成する端末を認証する方法であって、
前記トランスポンダと前記端末との結合により決まる少なくとも1つの値を、少なくとも1つの基準値と比較し、
比較結果に基づき、前記端末を認証することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの値に相当する前記発振回路により生成される電圧の値を測定し、
前記測定された値と、前記トランスポンダ及び前記端末の結合の最適結合係数に関して前記発振回路により生成される電圧により決まる前記基準値とを比較することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最適結合係数に関する前記基準値を、予め推定しておくことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発振回路と並列に配置された前記トランスポンダの回路によって形成される抵抗性負荷の第1の値に関して、前記電圧の第1の値を測定し、
前記抵抗性負荷の第2の値に関して、前記電圧の第2の値を測定し、
前記少なくとも1つの値に相当する前記電圧の第1の値及び第2の値の比率を、一又は複数の前記基準値と比較することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記基準値は、前記抵抗性負荷の第1の値及び第2の値により決まることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記抵抗性負荷の第1の値及び第2の値を、前記トランスポンダに備えられているプロセッサの消費電力を変更することにより得ることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記抵抗性負荷の第1の値及び第2の値を、前記トランスポンダに備えられている切替可能な抵抗性逆変調要素を切り替えることにより得ることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記トランスポンダが前記端末を認証しない場合、前記トランスポンダは、意図的に間違ったデータを前記端末に送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
電磁トランスポンダが端末の磁場内にある場合、直流電圧を与えられ得る整流器の上流側に設けられた発振回路と、
請求項1乃至8のいずれかに記載の方法を実施することが可能な少なくとも1つのプロセッサと
を備えていることを特徴とする電磁トランスポンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−10299(P2011−10299A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141949(P2010−141949)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509096153)エス テ マイクロエレクトロニクス(ローセット)エス アー エス (15)
【Fターム(参考)】