説明

電磁場抑制組成物

本発明は、テレビ、コンピュータおよび携帯電話などの日用電気製品から発生する電磁場によって生じる被害から皮膚を防御するために皮膚に局所適用する化粧品または医薬組成物に関する。当該組成物には、周囲電磁波を低減する効果的な量の唯一の磁性成分としての少なくとも1種の単磁区磁石と、非磁性イオン成分が含まれる。当該唯一の磁性成分は、グラナタイトを含み、且つ、本発明にかかる組成物が水中油型エマルジョンである場合には、当該組成物中で特によく作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所適用される電磁場遮蔽用の化粧品または医薬組成物に関する。さらに具体的には、本発明は、皮膚に対する電磁場の影響を低減させ得る磁性成分とイオン成分とを含有する前記のような組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会において、テレビ、コンピュータ、電子レンジ、および携帯電話は、日常生活のごくありふれた道具である。しかしながら、これらの電気製品や当該製品への給電ラインは、最も小さな町から最大の国際商業ネットワークへの増加する商取引のための通信において、さらに技術的な輸送手段として有用であるが、欠点がある。これらの装置は、皮膚細胞を始めとする人体の生理系に有害となることが実証されている電磁波を放射する(Oftedal, G., et al., “Long-term Effects on Symptoms by Reducing Electric Fields From visual Display Units", Scand J Work Environ Health, vol. 25, no. 5, pp. 415-21 (1999); Johansson, O., et al., "Cutaneous Mast Cells Are Altered in Normal Healthy Volunteers Sitting in Front of Ordinary TVs/PCs - Results From Open-Field Provocation Experiments", J Cutan Pathol, vol. 28, pp. 513-19 (2001))。例えば、最近、正常な皮膚肥満細胞は、ビデオディスプレイ端末により発生する電磁場(EMF)に曝された後に変化し得ることが判明した。一般に、例えば、テレビ、給電ライン、発電所、ラジオおよび電子レンジの全てが、超長波(VLF)、極低周波(ELF)、および高周波(RF)の電磁波を放射するので、皮膚細胞は、それらによって発生するEMFに曝され得る。携帯電話の周波数範囲にあるマイクロ波は、培養されたヒトリンパ球における染色体異常の増大と、肥満細胞からのヒスタミン放出の増大に関係があることも判明している。
【0003】
VLFおよびELF電磁波への暴露は、軽い皮膚疾患の原因となり得ると認識されている。EMF暴露に対する皮膚反応は、例えば、かゆみ、温覚、痛み、紅斑、丘疹、および小膿疱を始めとする酒さ様症状でみられ得る(Oftedal, G., et al., “Long-term Effects on Symptoms by Reducing Electric Fields From visual Display Units”, Scand J Work Environ Health, vol. 25, no. 5, pp. 415-21 (1999); “Cutaneous Mast Cells Are Altered in Normal Healthy Volunteers Sitting in Front of Ordinary TVs/PCs - Results From Open-Field Provocation Experiments”, J Cutan Pathol, vol. 28, pp. 513-19 (2001))。さらに、皮膚の健康に対して最も脅威をもたらし得る周波数である50〜60HzのEMFが、特定の生物学的作用を示すことも分かっている。特に、この範囲のEMFが、細胞内のカルシウム輸送に悪影響を及ぼし、培養細胞内のカルシウム振動を誘発することが分かっている。したがって、EMFはケラチン生成細胞のカルシウム誘導分化を阻害して、炎症および/または刺激を引き起こす細胞壊死を誘発する可能性がある。
【0004】
特に、EMF暴露に反応し易い一般住民に加えて、個体が高レベルのヒスタミン陽性肥満細胞およびソマトスタチン陽性樹枝状細胞などの特定の組織学的特徴を有するという「スクリーン皮膚炎(screen dermatitis)」として紹介される現象がある。多くの放射源が本質的に有害であるとは信じられていないので、電磁線に対する完全な遮蔽は必ずしも必要でないが、電場への暴露と関係がある皮膚症状は、2種類の基本タイプのフィルターシステムにて低減可能である。第1タイプのフィルターは、放射線の放出をその源で阻止する。第2タイプのフィルターは、防御が必要な対象に適用される。放射線の影響をより多く学ぶにつれて、VLF、ELFまたはRFの強度を遮蔽および/または低減させるために皮膚表面に局所適用され得る製品は、この種の防御を探求する者すべての関心の的である。そのため、VLF、ELFまたはRFを放出する装置に大きく依存する技術的に発展した社会においては、当該防御の必要性が増大するであろう。現在、かかる防御は、例えば、米国特許第5,103,504号に開示されている織布のように電磁線を遮蔽する防護服の形態にて手に入れることができる。装置自体が放出する電磁線を遮蔽することにより、放射線源で電磁線を遮断することも公知である。例えば、米国特許第6,001,282号は、携帯電話、電子レンジ、コンピュータ、コンピュータモニタ、テレビ受像機、ラジオ、その他各種の電子装置に使用するための電磁シールドを開示している。当該シールドには、電磁線を抑制するマイナスイオン(反対場)を生み出す装置に取付けられる多孔質担体中に分配された顆粒状トルマリンが含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
皮膚(特に顔の皮膚)と極めて接近するか、あるいは接触する衣類の必要なしに、皮膚への電磁線暴露を防ぐ必要が依然としてある。本発明は、かかる目的を達成することと、ファンデーションその他の類似スキンケア製品の日常使用にふさわしい方法にて、電磁線から顔の皮膚を防御する必要に応える。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、非磁性カチオン成分と、鉱物に富んだ化合物と、単磁区磁性成分とを含んでなる、皮膚に局所適用するための化粧品または医薬組成物に関する。鉱物化合物、カチオン成分および磁性成分の量は、組み合わせて、放射される周囲電磁場(EMF)強度を少なくとも80%低減することにより、当該EMFから皮膚を遮蔽する量である。したがって、磁性成分の単磁区粒子は、カチオン成分および鉱物化合物との組み合わせで、E-M波低減特性を有し、かかる3種の成分は、化粧品または医薬組成物の形態で存在している。周囲E-M波との共鳴により、これら2成分が、可変E-M場を低減させ、皮膚表面を潜在的な生理学的に不快なものから防御する。
【0007】
鉱物に富んだ化合物および単磁区粒子を含有する磁性成分はともに、E-M波を低減させるのに効果的な量で存在している。カチオン成分には、アルカリもしくはアルカリ土類金属イオン、または水中油型エマルジョンの連続相中のアミノ酸などの両性イオン由来のカチオンが含まれる。鉱物に富んだ化合物と磁性成分を組み合わせたカチオン成分が、皮膚に局所適用された場合には、EMFを低減するまたは遮蔽するという驚くべき効果を与える。したがって、本発明はまた、本発明に係る組成物の使用に関する方法、特に、0.01〜25.0%のマグネタイト、0.1〜20.0%のマラカイトおよび約0.001〜20.0%の塩化ナトリウムを含む組成物を用いて皮膚表面に対する周囲E-M場の影響を低減する方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
驚くべきことに、化粧品または医薬組成物中での鉱物に富んだ磁性成分およびカチオン成分の組み合わせが、周囲電磁場(E-M)波から皮膚を効果的に遮蔽する、および/または、それらの強度を低減することが分かった。したがって、本発明は、周囲E-M波に対する防御のための化粧品または医薬組成物に関する。当該組成物は、周囲環境から入射する放出E-M場の強度を低減させ得る最適量のイオン成分および磁性成分を含む。いかなる特定の理論にも制限されることは望まないが、磁性成分およびイオン成分の存在が、周囲環境における放出E-M波と共鳴し、その結果、振動E-M場の影響を低減すると考えられる。したがって、本発明にかかる組成物は、種々の電子装置からのE-M波の放出と関係があり得る生理学的に不快なものから皮膚を防御する。
【0009】
当該組成物は、カチオン成分と組み合わせて、最適量の鉱物に富んだ磁性成分を含有し、皮膚に曝されるE-M場の強度を少なくとも約80%低減する。カチオン成分は、約0.001〜約20.0%量で存在している。本発明にかかる組み合わされたイオン成分および磁性成分は、あらゆるタイプの水系またはエマルジョン系、例えば、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、トリプルエマルジョン、その他の多相エマルジョン系などに用いることができる。カチオン成分は、あらゆる公知のカチオンであり得る。本発明にかかるカチオン成分に有用なカチオンの例には、塩化ナトリウムその他の塩、アミノ酸などの両性イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン由来のカチオンが含まれるが、これらに制限されるわけではない。好ましくは、カチオンは、エマルジョンの連続相中に存在し、より好ましくは、エマルジョンは、水中油型エマルジョンである。より好ましくは、イオン成分は、塩化ナトリウム由来のカチオンである。
【0010】
本発明の磁性成分は、鉱物タイプの物質と組み合わせた単磁区磁性粒子を含む。単磁区磁石粒子は、約0.01〜約25.0%量で存在する。本明細書中において、単磁区磁石は、その全分子が等方性に配向している固体をいう。一般に、所与の固体内には、分子が等方性に(即ち、同方向に)配向する領域が存在し、これが磁場を生起させ得る。本質的に、単磁区磁石/強磁性体の生成は、元素自体の特性ではなく、寧ろ、電子配置により決定され、その結果各元素は小磁石のように作用し得る。幾つかの物質においては、個々の磁気モーメントが協同して作用し、個々の小磁石がそれ自体同方向に整列する。これらの物質は、各磁区自体が磁界に併せて回転するため、磁界と強く相互に作用し、磁性物質の代表である鉄にちなんで強磁性体と命名されている。その他の磁性金属の例には、コバルト、ニッケル、サマリウム、ジスプロシウム、およびガドリニウムが含まれるが、これらに制限されるわけではなく、磁性合金の例には、銅、マンガン、アルミニウム(例えば、Cu-65%、Mn-25%、およびAl-10%)を含有する非鉄磁性合金、および当業者に公知の強磁性物質が含まれるが、これらに制限されるわけではない。強磁性体の製造方法は、当業者に公知であり、強磁性物質を磁化することにより製造できる。
【0011】
好ましくは、本発明に用いる鉱物成分は、本発明にかかる鉄系磁性成分との組み合わせであり、SPセラミック、SPTセラミック、Cセラミック、コロイド金、フクサイト(マスコバイトの濃緑色変種、「Brazilian Jade」)またはグラナタイト(マラカイトまたはスタウロライト)、すなわちプリズム水晶中で生じる褐色から黒色の鉱物が含まれるが、これらに限定されるわけでない。鉱物成分はまた鉄系成分であってもよく、本明細書中で用いられる当該用語は、鉄を含有し得る鉱物を意味するが、主成分としてではない。したがって、鉄は、鉱物中の他の金属と同程度のレベルで、または少なくとも1種の他の金属よりも少ない量で鉱物中に存在している。好ましくは、本発明の鉱物成分は、単一の単磁区磁石としてのグラナタイト、すなわちアルミニウム、マグネシウム、および鉄のケイ酸塩である。典型的に、鉱物成分の粒径は、50ミクロン未満である。例えば、フクサイト(カリウムアルミニウムケイ酸塩)は、45ミクロン未満である。鉱物成分はまた、異なるセラミックとの組み合わせ、例えば複合形態であってもよい。異なるセラミック複合物の例には、ワード・マーク「Zeropa」(Zeropa S. R. L. Corp., Italy)の下での利用可能な物質がある。より好ましくは、鉱物成分は、マラカイトからなる。鉱物に富んだ化合物は、本発明にかかる組成物中で約0.001〜20.0%量で存在する。
【0012】
本発明は、水性懸濁液またはあらゆる種類のエマルジョン形態であってもよいが、好ましい実施形態において、本発明にかかる組成物は水中油型エマルジョンである。驚くべきことに、水中油型エマルジョンは、本発明にかかる組成物の防護性に対する効果を増大させるということが判明した。水中油型エマルジョンは、周囲E-M波に対する防御のための最適量のイオン成分および磁性成分を含有し、防御は含有物濃度の増加に比例して増加する。当該組成物は、約0.001〜20.0%の磁性成分、約0.05〜20.0%の鉱物に富んだ化合物および約0.001〜20.0%のカチオン成分を含有する。この組み合わせは、化粧品組成物中に局所適用される場合には、交流E-M場から皮膚を防御する。さらに、当該組成物はまた、E-M放射線と紫外線の双方に対しての野外保護用日焼け止め剤も含有することができる。
【0013】
良好な防御(例えば、少なくとも30%の水性懸濁液にて、入射電磁線の強度を80%超低減させる)は、グラナタイト、磁性成分およびNaCl溶液からのナトリウムカチオンを用いて達成される。或いは、リン酸緩衝溶液を用いて、カチオンを提供することもできる。水中油型エマルジョンにおいて、特に、グラナタイトが約0.1〜約5.0%量で存在し、カチオン成分の塩化ナトリウムが約0.01〜2.0%量で存在する。
【0014】
本発明はまた、周囲環境におけるE-M波に対する皮膚表面の遮蔽方法も含む。例えば、米国特許第6,033,655号、第5,358,659号、および第4,046,591号などの磁性粒子を使用する他の方法は公知である。しかしながら、これらの特許において、磁性粒子は、制御され、且つ、個々に方向性を持った磁界と相互作用する。これまで、化粧品または医薬組成物中に、単磁区磁性粒子をランダムに非磁性イオン成分と組み合わせて混入することは知られていなかった。さらに、組成物中での、これら2成分のランダムな組み合わせが皮膚に局所適用された場合に、皮膚のE-M場暴露を低減することによって、E-M波に対する遮蔽防御を提供することは知られていない。暴露の低減率は50〜90%である。
【0015】
カチオン成分と磁性成分との組み合わせの利点は、特に、メーキャップ組成物、例えば、ファンデーション、アイシャドー、ほお紅、パウダー、口紅およびリップグロスなどのあらゆるタイプの局所適用される組成物で得ることができる。好ましい実施形態において、本発明にかかる組成物は、ファンデーションに用いられる。好ましくは、本発明の利点は、局所適用されるアイゲル、固形パウダー、クリームまたはローション組成物(例えば、保湿およびその他のタイプのトリートメント製品)において得ることができ、ここで当該製品は、治療目的として皮膚に適用されるが、周囲環境中のE-M波から皮膚を保護するという新たな利点も有する。最終的に、当該局所製品は、皮膚を保護する目的のためだけに用いてもよい。
【0016】
本発明にかかる組成物はまた、適合性担体を含む。本明細書および特許請求の範囲中の「適合性担体」とは、本発明にかかるイオン成分と磁性成分と適合する、化粧品上許容できる任意の担体を意味する。担体は1または複数の油成分を含んでいてもよい。その油成分は、水に実質的に不溶な製薬上もしくは化粧品上許容できる任意の物質であり得る。これらの物質は例えば、CTFA International Dictionary of Cosmetic Ingredients、およびU.S. Pharmacopoeia、その他の同等な情報源にて見出すことができる。適切な油成分としては、ココナッツ油などの天然油、鉱物油および水素化ポリイソブテンなどの炭化水素、オクチルドデカノールなどの脂肪アルコール、安息香酸C12-15 アルキルなどのエステル、プロピレングリコールジペラルゴネートなどのジエステル、トリオクタン酸グリセリルなどのトリエステル、ラノリンなどのステロール誘導体、蜜ろうなどの動物ろう、カルナウバなどの植物ろう、オゾケライトなどのミネラルワックス、パラフィンろうなどの石油ろう、ポリエチレンなどの合成ろう、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
適切な油成分はシリコーンであってもよい。シリコーンオイルは、揮発性もしくは半揮発性、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。適切な揮発性油には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびデカメチルシクロペンタシロキサン、または揮発性線状ジメチルポリシロキサンなどの環状および線状のシリコーン、もしくはそれらの混合物が含まれる。その他の揮発性シリコーンには、シクロメチコン、ジメチコンなどのシリコーンポリマー、セチルジメチコンおよびラウリルトリメチコンなどのシリコーンポリマーのアルキル化誘導体、ジメチコノールなどのシリコーンポリマーのヒドロキシル化誘導体、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。担体は、組成物全体中に、好ましくは少なくとも約0.5〜約60重量%量で存在するシリコーンオイルからなる。好ましくは、適合性担体は、組成物の柔らかく粉末状の感触を高めるものである。特に好ましい担体は低揮発性のシリコーンオイルである。
【0018】
本発明にかかる組成物は、用いられる製品種に依存するが、1または複数の膜形成剤を含んでもよい。膜形成剤の使用は、組成物の磨耗性を改善することもでき、また転移耐性(transfer resistance)を防御製品に付与することができる。有用な膜形成剤の例には、天然ワックス、ポリエチレンポリマーおよびPVPのコポリマーなどのポリマー、ジメチコンガム、並びにセラック、ポリテルペン、および種々のシリコーン樹脂などの樹脂が含まれる。特に好ましい膜形成剤は全組成物の約0.1〜約20重量%量で用いられるトリメチルシロキシシリケートである。
【0019】
本発明の別の実施形態では、当該組成物は鉱物、カチオン成分、磁性成分を含むリップスティックであり、その場合には組成物中に1または複数のワックス(ろう)も配合することが望ましいであろう。「ワックス(ろう)」の用語は、伝統的な意味でのワックス、すなわち主として高級脂肪酸とアルコールとのエステル、遊離の高級脂肪酸とアルコール、および飽和炭化水素を含む植物、動物、もしくはミネラルワックスだけでなく、ワックス様の、すなわち室温において硬くて、もろく、比較的ベタベタしない質感を有する、例えばシリコーンワックスなどの合成樹脂製品をも包含するとして理解されたい。適切なワックスの例には、カルナウバろう、カンデリラろう、蜜ろう、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン、木ろう、合成ろう、セラックワックス、鯨ろう、ラノリンワックス、オゾケライト、ぬかワックス、セレシンろう、シロヤマモモろう、パラフィン、ライスワックス、ミンクワックス、モンタンワックス、オウリコウリ(ouricoury)ワックス、ホホバワックスなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0020】
本発明にかかる化粧品組成物のさらなる好ましい成分には、1または複数の顔料が含まれる。有機、無機、またはそれらを組み合わせた、化粧的に許容されるいずれの顔料も本発明のメーキャップ組成物に用いることができる。
【実施例】
【0021】
本発明を、以下の限定されない実施例にてさらに説明する。
【0022】
抗E-M場クリーム組成物
物質 重量%
蒸留水 60
ポリワックス 14.4
鉱油 5
NaCl 0.1
マグネタイト 20
グラナタイトおよびフクサイト 0.5
原材料を水中に縣濁させて、2個のガラスカバースリップ間で層状にした。カバースリップを、E-M場源と電位計の間に置いた。ガラスカバースリップが懸濁液その他の配合物を含有する場合の、あるいはブランクである場合の電位計の読み取りにより、E-M場低減の大きさを測定することができ、その結果を防御%として報告した。
【0023】
個体を、化粧品を用いずに、あるいは約2〜5mg/cm2の量で顔の皮膚に局所適用する本願発明の配合物を用いてE-M場源に15分間暴露した。暴露後、皮膚の電気特性を、皮膚表面でのコロナ放電から発生するフォトンを捕獲および分析するガス放電可視化カメラを用いて測定した。局所適用されるクリームの不存在下では、E-M場への暴露は、GDV測定において、50%超の低減を招いた。一方、抗EMFクリームの存在下では、E-M場への暴露により誘発される変化は数%に制限された。したがって、皮膚表面のE-M場暴露は、約50〜90%の範囲で遮蔽された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)粒径が約10〜400nmの少なくとも1種の単磁区磁性成分と、
b)鉱物に富んだ化合物と、
c)イオン性2原子分子を形成できるカチオン
との、周囲電磁波を低減させる効果的な組み合わせを含んでなる、皮膚を電磁場から防御するためのエマルジョン組成物。
【請求項2】
組成物全重量の約0.001〜20.0%量で存在する前記カチオン成分との組み合わせで、前記磁性成分が約0.01〜25.0%量で存在し、前記鉱物に富んだ化合物が約0.05〜20.0%量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記鉱物に富んだ化合物が、SPセラミック、SPTセラミック、Cセラミック、コロイド金、フクサイトおよびマラカイトからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記鉱物に富んだ化合物がマラカイトを含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン成分が、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよび両性イオンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン成分が、水中油型エマルジョンの連続相中に存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物を皮膚に局所適用することを含んでなる、電磁場の皮膚細胞への影響を低減させる方法。
【請求項8】
さらに、皮膚への電磁場暴露を約80%低減させることを含んでなる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
組成物全重量の約0.01〜25.0%のマグネタイト、0.1〜20.0%のマラカイトおよび約0.001〜20.0%の塩化ナトリウムを含む組成物を皮膚に局所適用することを含んでなる、電磁場の皮膚細胞への影響を低減させる方法。
【請求項10】
さらに、皮膚への電磁場暴露を約50〜90%低減させることを含んでなる、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2007−509938(P2007−509938A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538095(P2006−538095)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/034735
【国際公開番号】WO2005/044185
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(598173764)カラー アクセス,インコーポレイティド (14)
【Fターム(参考)】