電磁干渉遮蔽装置
【課題】電子装置を電磁干渉から遮蔽することに関し、また特に、有効な電磁シ−ルを行うのに必要な導電材料の量を最少にするガスケットに関するものである。
【解決手段】電磁放射を遮蔽するガスケット装置は一方が導電性である2個の異なるエラストマー材料30a、30b、30c、30dから成る数個の交互の区域で構成されている。導電材料の区域30a、30b、30c、30dは他の区域、即ち非導電材料の区域より著しく薄く、ガスケットの一側から他側に導電路を生じている。
【解決手段】電磁放射を遮蔽するガスケット装置は一方が導電性である2個の異なるエラストマー材料30a、30b、30c、30dから成る数個の交互の区域で構成されている。導電材料の区域30a、30b、30c、30dは他の区域、即ち非導電材料の区域より著しく薄く、ガスケットの一側から他側に導電路を生じている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置を電磁干渉から遮蔽することに関し、また特に、有効な電磁シ−ルを行うのに必要な導電材料の量を最少にするガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特にコンピュータ産業のための電磁干渉を遮蔽する分野において、一つの問題が生じている。図1において、代表的なパーソナルコンピュータ、又はビジネス小形ワークステーション2の裏側に、例えばマウス、キーボード、プリンタ、電話線等の必要な接続部を収容するための比較的大きな開口を設け、パネル4でカバーしている。このパネルが電磁干渉遮蔽技術について、異常な問題を起こしている。それは種々の開口、又は継目のため、装置内からエネルギーを周囲に放射する可能性があるためである。
【0003】
図2は代表的なコンピュータの裏側の上部を除去した図である。マザーボード17とインタフェイス関係にあるコネクタ10と、ケース14のフレームとの間に、通常、軽量規格の不銹鋼である中間板7をサンドイッチ状に挟んでいる。フレーム14、不銹鋼の板7、及びコネクタ10自身の不規則性のため、多数の間隙、及び溝孔開口が生じており、そのため、電磁エネルギーを室内に漏出させる傾向がある。最近の数年間、放射の周波数が次第に高くなっており、これ等の間隙、及び溝孔開口を遮蔽する必要性が増大している。このような区域に対する通常のニックネームは入力(input )/出力(output)プレーンであり、本明細書中、以後、この区域を「I/Oバックプレーン」と称するものとする。
【0004】
現在、最も普通の方法は図3〜図5に示す形式のガスケットによって、この区域をシ−ルすることである。このガスケットは導電編成組織21を巻き付けた熱可塑性発泡体18から成る。このガスケットはI/Oバックプレーンの開口の幅にほぼ相当する幅を有するストリップ状である。このガスケットの厚さはほぼ3.2mm(1 /8インチ) であり、即ち、コネクタと、中間不銹鋼板との間を接触させるには十分である。図4に示す編成ストリップの孔24はダイスにより切除してあり、最終使用者がコネクタに接近することが可能である。大地への終端は編成組織21によって行う。この編成組織21はコネクタベースに接触しており、中間板7に接地している。中間板7はフレーム14に接触していなければならず、通常、この接触は数個の不銹鋼指片15によって達成できる。この指片は中間板7の端縁から突出しており、フレーム14の内壁を摩擦する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題を解決する現在の方法には次のような問題点、即ち欠点がある。
1.中間板とガスケットとの間の接地により、エネルギーはインタフェイスに沿って流れ、開口溝孔を有するガスケットの端部に達することができる。いずれの端部においても、エネルギーが漏出し、エネルギーの集中、又はアンテナ効果を生ずる。多分、このことはダイスで切除した孔の部分にも生じており、これは孔が非導電性発泡心部を露出させるからである。即ち、ダイスで切除した孔が他のアンテナ作用を行っているのである。
【0006】
2.熱可塑性発泡体上の編成組織の構造はその物理的性能特性が明瞭であるに過ぎない。発泡体心部は特にウレタン発泡体の場合、圧縮により変形してしまう傾向がある。圧縮状態で、僅か30日後に、ウレタンは常温で、50%まで変形してしまう。更に、編成組織はストリップに剛性を与えるから、ガスケットを圧縮するために必要な変形のための力を増大してしまう。
【0007】
3.更に製造のために、多数の工程が必要である。即ち、編成組織を編成し、次に、導電金属をめっきする。次の編成組織に適切な幅にスリットを設けなければならない。また、ガスケットの発泡部は多くの製造業者において、別個の工程で造らなければならない。通常、接着剤を使用して、別個に発泡体の周りに、編成組織を巻き付ける。次に、最終使用者がガスケットを中間板に取り付ける手段になるよう、ガスケットに外圧感知接着剤を加えることが必要である。
【0008】
4.中間板はフレームへの取付けと、安定性とを与える役割を果たしている。しかし、具合が悪いことには、中間板自身は若干、脆弱であり、ガスケットの圧縮負荷のための最善の支持とはならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要約
本発明によれば、導電エラストマー材料の薄いストリップ、即ちバーを第1ガスケット材料内に介挿し、導電バーが露出しているガスケットの両側の導電表面間に導電路を生ぜしめる。
【0010】
本発明の他の態様によれば、ガスケットをほぼ平坦なものにし、第1ガスケット材料の一部を切除し、I/Oバックプレーンのために、ガスケットにおいて望ましいように、コネクタを貫通し得るようにする。切除部は導電バーをコネクタに対し露出し、これにより、接地のための導電路を提供する。
【0011】
従って、本発明の目的は有効な電磁干渉の遮蔽を達成すると共に、使用する高価な導電材料を最少にする可撓性導電ガスケットを得るにある。
【0012】
本発明の他の目的は従来の技術の上述の欠点を解消した可撓性導電ガスケットを得るにある。
【0013】
本発明の他の目的を明らかにすると共に、本発明を一層良く理解し得るようにするため、添付図面を参照して、本発明の実施例を次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】代表的なパーソナルコンピュータ、又はビジネス小形ワークステーションの裏側の正面図である。
【図2】代表的なパーソナルコンピュータ、又はビジネス小形ワークステーションの断面平面図である。
【図3】先行技術のガスケットの平面図である。
【図4】コネクタ収容切除部を有する図3の先行技術のガスケットの平面図である。
【図5】図4の先行技術のガスケットの断面端面図である。
【図6】本発明の一実施例の平面図である。
【図7】コネクタ収容切除部を有する図6の本発明ガスケットの平面図である。
【図8】図7の本発明ガスケットの断面端面図である。
【図9】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図10】包囲体内にある図9のガスケットの断面側面図である。
【図11A】本発明の他の実施例の断面斜視図である。
【図11B】本発明の更に他の実施例の断面斜視図である。
【図11C】本発明の他の実施例の断面斜視図である。
【図12A】図11Aの変形の断面斜視図である。
【図12B】図11Bの変形の断面斜視図である。
【図12C】図11Cの変形の断面斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例の断面斜視図である。
【図14】包囲体内にある図13のガスケットの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明 図6〜図8において、本発明によりガスケットは容易に圧縮できる押出発泡体、即ちスポンジ27から基本的に製造されており、間けつ的に離間する導電バー30a、30b、30c、30dを有している。熱可塑性発泡体の上述の欠点にかんがみ、基本的なガスケット材料は圧縮変形に対する優れた抵抗を呈するシリコーンのような非導電性の熱硬化性ゴムであるのが好適である。圧縮変形に対する優れた抵抗性は長期にわたる性能を助ける。これは、それぞれの大部分の電磁干渉ガスケット構造は最高性能を発揮するため、圧縮負荷に依存しているからである。適切なシリコーン材料としてはWacker Chemie 社から入手できるC−1492のような市販されている入手でき、熱でキュアし得るスポンジシリコーンがある。次に示すのはC−1492を使用する基本ガスケット材料としての例示の配合である。
Wacker C−1492 97.5〜99重量%
ジクミルペルオキシド 1〜2重量%
ターブチルペルベンゾエ−ト 0〜0.5 重量%
【0016】
代案として、信越社から入手できるKE−76BSのような低ビニルシリコーンからの適切な基本ガスケット材料を示すことができる。この材料に、Ritchem 社から入手できるアゾジカルボンアミドのような発泡剤を加える。これ等の材料を使用する配合を次に示す。
KE−76BS 80重量%
Ritchem ブローフォーム CF-910 2〜4重量%
ジクミルペルオキシド 0.8 〜1.6 重量%
Cab-O-Sil(Cabot)M-350 14.4〜17.2重量%
【0017】
基本的ガスケット材料として利用し得る他の熱硬化性材料にはフルオロシリコーン、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマ)、ニトリル、エピクロロヒドリン、ナチュラル、クロロプレン、イソプレン、及びブチルエラストマーがある。特定の用途の要求に応じて、上述の材料のいずれかをスポンジ材料、又は発泡材料として使用することができる。その場合のスポンジは中間密度の範囲であり、発泡材料は低密度の範囲である。また、使用し得る可能性があるのは、軟質PVC、特に発泡状態にあるポリウレタン、及びサントプレンのような熱可塑性材料である。
【0018】
非常に薄い導電ゴムバー30a、30b、30c、30dを使用して、ガスケットを通ずる中間板への接地を達成する。図8に示すように、導電バーは頂部から底部までの接地をするよう、横断面に貫通して、突出しており、これにより圧縮可能な押出発泡体、又はスポンジ27のセグメントを相互に分離している。押出発泡体の厚さは中間板とコネクタハウジングとの間の接地部への代表的な通路の長さであり、これにより導電路を最小にし、シールド効果値を改善する。図3〜図5の先行技術のシステムにおいては、電磁波が大地に達するためには、ガスケットの周縁の周りに完全に迂回移動し、反射、放射、屈折、及び他の表面へのエスケープを許してしまう。これに反し、本発明のこの導電バーは、更に導電クロスの形式の製品に比較した時、優れた遮蔽効果を発揮する。
【0019】
この導電バーは良好な電気的性能を発揮し、しかも可撓性であるゴム引き導電金属であるのが好適である。いかなるゴム結合剤も十分であり、金属としては銀、ニッケル、アルミニウム、銅、及び不銹鋼がある。導電性の銀、又はニッケル粒子を有するシリコーン結合剤は良好に作用することがわかった。次に配合を例示する。
General ElectricゴムNo.SE-33 重量部100に対して100
Technic Silver flake No.135 250 〜1000pph 、通常300 〜350
Cabot Cab-O-Sil M-5 5〜30pph 、通常8〜12
Union Carbide オルガノシラン A174 0.5 〜5pph 、通常1〜3
ジクミルペルオキシド 0.5 〜5pph 、通常1〜2
【0020】
好適な実施例では、導電バーの間の距離、即ち押出発泡体、即ちスポンジセグメント27の幅はコネクタ孔34a、34b、34c、34dの寸法の関数である。一例に過ぎないが、複数個の孔が複数個のバーに渡っているように、約12.7mm(1/2インチ) の離間測定値のように、これ等バーを離間する。図7において、コネクタ孔34aは導電バー30a、30dに渡っており、コネクタ孔34b、34c、34dはそれぞれ導電バー30a、30bに渡っており、コネクタ孔34eは導電バー30c、30dに渡っている。このように、コネクタ孔が導電バーに渡っていることは、コネクタ入口区域から逸出する恐れがあるいかなるエミッションもトラップし、接地することができる。また、このように、コネクタ孔が導電バーに渡っていることは低周波から中間周波までの多くの放射を最少にする付加的利点を有する。これは、多くの場合、この間隔は移動する電磁波の振幅を減らすからである。
【0021】
導電バーの幅を最小にすれば圧縮性を向上し、コストを減らすことができる。2〜6ミルが好適である0.5 〜20ミルの範囲にある幅は可撓性と、導電性との良好なバランスが得られる。
【0022】
ストリップガスケット38a、38bの端部に薄い導電性の層のコーティングを加えることにより、非常に高い周波数の放射がバーと、バーとの間から逸出するのを防止することにより、本発明の電磁シールド性が向上する。これにより、x軸線、y軸線、及びz軸線方向の漂遊放射を捕捉するシュミレートされた「ケージ」効果が得られる。
【0023】
導電バーは単一の通過操作で、ガスケットの残部と共に、同時に押し出されるのが好適である。そのようなシステムにおいては、2つの材料、即ち導電材料と、非導電材料とを原料の未加硫(熱可塑性融解状態の場合)の状態で、合体させるマスタダイホルダを利用する。基本材料、即ち非導電材料は通常、単一の押出物になるように押し出される。即ち非常に粘性が高い材料をポンプ作用で,押出器に通して、そのヘッド帯域に入れ、次にマスターホルダ内に押し出す。形成造形ダイスの最初の組は既知の単一ダイプレート押出技術で,使用するものと基本的に同一であり、ここでのダイスの形状、即ちパターンは間に間隙を有する一連の長方形である。Versa-Davis Standard and Troester 社のような数社の押出器製造業者は単一ダイプレート押出しをどのように達成するかの文献を刊行している。
【0024】
基本非導電材料を高圧の押出作用の許に、造形し、混練領域、即ち遷移領域に押し出す。代表的な圧力は約105.5kg/cm2(1500psi)であるが、21.1〜703kg/cm2(300 〜10000psi) の範囲にすることもできる。短い遷移領域内に、第2導電材料を導入する。この材料を遷移帯域の厳密な区域に、送給するには第2導電材料を希望する位置に指向させる一連の湯道を使用して、この送給を成し遂げる。頂部、及び底部から、この材料を第1材料が少ない区域に射出する。第1非導電材料の長方形の上面は前部出口板と相互にロックされた一連のブロックによって、保護されているのが好適である。このように相互にロックすることによって、非導電素子の良好で、汚れのない表面が確実に得られる。
【0025】
上に述べた湯道には、プラスチック産業で「ゲート」として知られている付加的制御弁を設けてもよい。仕上がったバーに得られた幅、及び形状、及び応力を多少とも変更することができる。混練遷移帯域の後に、ここで一緒になった流体は出口板に入る。この出口板は高さと、幅との寸法において、仕上がった部片に類似する。この出口板はスポンジ、及び発泡体に関連する熱収縮、応力の解放、及び寸法定めを考慮することができる。使用するスポンジ化反応化学に関するこの部片の膨張と収縮をも考慮すべきである。均一に、又は帯域によって加熱されたマスターダイホルダを採用してもよい。この加熱により、押出しの際の加圧状態下で、架橋反応を開始させ、でき上がった物品の導電性を向上させる。例えば、医療用押出共同体のための剥離工具を製造し、設計する同時押出しの分野の当業者には上述の同時押出技術は良く知られている。
【0026】
代わりの製造方法として、セグメントを個々に製造する方法がある。導電セグメントを薄い導電性ストリップとして押出し、非導電セグメントを長方形体として押出す。この長方形体の幅はコネクタの配置にマッチするのに必要な離間距離を決定する。次に、これ等セグメント、即ち導電セグメントと、非導電セグメントとを交互に積層し、コネクタの配置にマッチする形態を得る。
【0027】
他の代案の製造方法は広い範囲の形式の2個の材料のシートをカーレンダ加工し、次に、これ等シートを交互に積層する。次に、積層の方向を横切って、この積層体をスライスし、即ち薄切りして、希望する構造にする。例えば、この実際の幅の良好なカレンダミルが得られれば、導電材料のカレンダシートを希望する厚さに製造することができる。このシートをロールになるように巻いて、保管する。その後、同一のカレンダミルを使用して、導電シートの幅にマッチする希望する厚さに非導電スポンジ材料、又は非導電発泡材料を製造することができる。再び、このシートをロールになるように巻いて、保管する。次に、これ等シートを交互に積層し、「ログロール(log roll)」にする。次に、このログロールを幅の寸法に垂直にスライスする。このスライス片はI/Oバックプレーンにおけるコネクタと板との間の間隙を充たすような寸法である。この方法は、例えば100万〜200万個を製造する大量生産の用途に有用である。
【0028】
更にその他の製造方法は非導電セグメントを長尺に、又はリール状に押し出す方法である。導電バーの希望する幅に相当する距離だけ、この押出体の間に距離をあけ、非導電押出体をテンプレート、又はベッドに並べて配置する。このベッドの長さは僅かに数フィートで、このベッドを使用して、低粘度の導電材料のスラリーを自動的に分配し、空いている区域を埋める。この方法では、この製品を製造するのに、半自動ロボットシステムを利用することができる。次に、仕上がった部片を適正な寸法に切断する。
【0029】
コンピュータのI/Oバックプレーンの特定の問題点を解決するようにしたガスケットに関して、本発明を説明したが、D字状バルブ、又はP字状バルブのような古くからのガスケットに代わり、形状の中心に貫通する1個の導電バーを有するストリップとしての一層小さなシ−ルガスケットにも本発明を使用することができる。本発明は米国特許第4968854 号に記載されている従来の導電ガスケットよりもコストを節約することができる。これは、所定の形状の高価な金属の量を更に最少にするからである。本発明のこの実施例を図9、及び図10に示す。
【0030】
図9はガスケットの全長に延びている導電バー55を有する長方形の横断面のストリップガスケット41を示す。第1ガスケット材料52は導電バー55の両側にある。図10はガスケット41のための溝状受容器58を有する電子包囲体45内のガスケット41を示す。このガスケットは包囲体45から蓋48に接地する。
【0031】
従来の横断面を有する導電ガスケットも本発明を使用して製造することができる。図11A、図11B、及び図11Cはほぼ第1ガスケット材料88からそれぞれ製造された横断面がそれぞれD字状、P字状、及びO字状のガスケットを示し、導電性の第2材料から成る薄いバー90はガスケットをその頂部から底部まで二分している。例えばD字状、及びO字状の数個の共通な横断面形状では、好ましいことに2つの等しい横断面に二分されているが、本発明の実施例はそれに限定しようとするものでない。例えば50ミルから25.4mm(1インチ)までの代表的な全体の厚さを有するガスケットの場合、この薄いバー90は通常、0.5 〜20ミルの厚さの範囲内にあり、2〜10ミルの厚さの範囲が好適である。このガスケットの頂面、及び底面(即ち、導電包囲体に接触しようとする表面)で、第2材料の区域92が表面から僅かに突出しているのが好適であり、良好な電気的接触区域を得るためには、この第2材料の区域92はバー90の厚さより一層広いのが好適である。第2材料の表面の突出部92はその高さが4ミル程度で、幅は少なくとも20ミルであり、50ミルより広いのが好適であり、このようにすれば十分な電気的接触区域が確保される。通常の横断面を有する本発明ガスケットの代案の実施例を図12A、図12B、及び図12Cに示す。図12AのD字状ガスケット、図12BのP字状ガスケット、及び図12CのO字状ガスケットはそれぞれ、このバルブの全長に沿って圧縮孔95を有する。密度の高いシリコーンのような一層密度が高いエラストマーを第1材料として使用した時、通常、この圧縮孔95が使用される。このような密度の高いシリコーンはショアーA硬度で、30〜80の硬度範囲にあり好適にはショアーA硬度で50の硬度である。
【0032】
広い用途範囲を有する本発明の他の実施例を図13、及び図14に示す。図13は「T字状ワイパ」ガスケットの形態の断面斜視図を示す。この形態は第1ガスケット材料62の平坦ストリップから成り、この平坦ストリップの中心付近から、或る角度に、好適にはほぼ90度の角度に突出する指片、即ちワイパ65を有する。第2材料68の層をワイパ65の頂部、及び少なくとも一方の側面にコーティングする。平坦ストリップ71からワイパが突出する点で、又はこの点の付近で、第2材料68が平坦ストリップをガスケットの底面75まで二分している。ガスケットの底面の第2材料68の区域は僅かに突出しているのが好適であり、図11A、図11B、及び図11Cを参照して説明したガスケットの表面の第2材料92と同様に、平坦ストリップを二分している層の厚さよりもこの第2材料の区域が一層広い。第2材料68の層の寸法も、図11A、図11B、及び図11Cに示したガスケットに関連して説明したものに類似する。この結果、導電路を短くて、良好に電気的に接触する区域を有し、閉合力が小さいガスケットが得られる。任意適当な形状(例えば平坦面を有する形状)の本発明の実施例に加えることができる圧力感知接着ストリップ77によりこのガスケットを包囲体に取り付けることができる。図14は溝形受容器81と導電電子包囲体の蓋78との間に使用されている図13のT字状ワイパの実施例の断面図である。
【0033】
図11〜図14に関連して図示し、説明した各実施例は上述の同時押出製造方法を使用して形成することができる。
【0034】
数個の例の実施例につき本発明を説明したが、これ等の実施例は本発明の範囲を限定するものでない。本発明は特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者は種々の変更を加えることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は電子装置を電磁干渉から遮蔽することに関し、また特に、有効な電磁シ−ルを行うのに必要な導電材料の量を最少にするガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特にコンピュータ産業のための電磁干渉を遮蔽する分野において、一つの問題が生じている。図1において、代表的なパーソナルコンピュータ、又はビジネス小形ワークステーション2の裏側に、例えばマウス、キーボード、プリンタ、電話線等の必要な接続部を収容するための比較的大きな開口を設け、パネル4でカバーしている。このパネルが電磁干渉遮蔽技術について、異常な問題を起こしている。それは種々の開口、又は継目のため、装置内からエネルギーを周囲に放射する可能性があるためである。
【0003】
図2は代表的なコンピュータの裏側の上部を除去した図である。マザーボード17とインタフェイス関係にあるコネクタ10と、ケース14のフレームとの間に、通常、軽量規格の不銹鋼である中間板7をサンドイッチ状に挟んでいる。フレーム14、不銹鋼の板7、及びコネクタ10自身の不規則性のため、多数の間隙、及び溝孔開口が生じており、そのため、電磁エネルギーを室内に漏出させる傾向がある。最近の数年間、放射の周波数が次第に高くなっており、これ等の間隙、及び溝孔開口を遮蔽する必要性が増大している。このような区域に対する通常のニックネームは入力(input )/出力(output)プレーンであり、本明細書中、以後、この区域を「I/Oバックプレーン」と称するものとする。
【0004】
現在、最も普通の方法は図3〜図5に示す形式のガスケットによって、この区域をシ−ルすることである。このガスケットは導電編成組織21を巻き付けた熱可塑性発泡体18から成る。このガスケットはI/Oバックプレーンの開口の幅にほぼ相当する幅を有するストリップ状である。このガスケットの厚さはほぼ3.2mm(1 /8インチ) であり、即ち、コネクタと、中間不銹鋼板との間を接触させるには十分である。図4に示す編成ストリップの孔24はダイスにより切除してあり、最終使用者がコネクタに接近することが可能である。大地への終端は編成組織21によって行う。この編成組織21はコネクタベースに接触しており、中間板7に接地している。中間板7はフレーム14に接触していなければならず、通常、この接触は数個の不銹鋼指片15によって達成できる。この指片は中間板7の端縁から突出しており、フレーム14の内壁を摩擦する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題を解決する現在の方法には次のような問題点、即ち欠点がある。
1.中間板とガスケットとの間の接地により、エネルギーはインタフェイスに沿って流れ、開口溝孔を有するガスケットの端部に達することができる。いずれの端部においても、エネルギーが漏出し、エネルギーの集中、又はアンテナ効果を生ずる。多分、このことはダイスで切除した孔の部分にも生じており、これは孔が非導電性発泡心部を露出させるからである。即ち、ダイスで切除した孔が他のアンテナ作用を行っているのである。
【0006】
2.熱可塑性発泡体上の編成組織の構造はその物理的性能特性が明瞭であるに過ぎない。発泡体心部は特にウレタン発泡体の場合、圧縮により変形してしまう傾向がある。圧縮状態で、僅か30日後に、ウレタンは常温で、50%まで変形してしまう。更に、編成組織はストリップに剛性を与えるから、ガスケットを圧縮するために必要な変形のための力を増大してしまう。
【0007】
3.更に製造のために、多数の工程が必要である。即ち、編成組織を編成し、次に、導電金属をめっきする。次の編成組織に適切な幅にスリットを設けなければならない。また、ガスケットの発泡部は多くの製造業者において、別個の工程で造らなければならない。通常、接着剤を使用して、別個に発泡体の周りに、編成組織を巻き付ける。次に、最終使用者がガスケットを中間板に取り付ける手段になるよう、ガスケットに外圧感知接着剤を加えることが必要である。
【0008】
4.中間板はフレームへの取付けと、安定性とを与える役割を果たしている。しかし、具合が悪いことには、中間板自身は若干、脆弱であり、ガスケットの圧縮負荷のための最善の支持とはならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要約
本発明によれば、導電エラストマー材料の薄いストリップ、即ちバーを第1ガスケット材料内に介挿し、導電バーが露出しているガスケットの両側の導電表面間に導電路を生ぜしめる。
【0010】
本発明の他の態様によれば、ガスケットをほぼ平坦なものにし、第1ガスケット材料の一部を切除し、I/Oバックプレーンのために、ガスケットにおいて望ましいように、コネクタを貫通し得るようにする。切除部は導電バーをコネクタに対し露出し、これにより、接地のための導電路を提供する。
【0011】
従って、本発明の目的は有効な電磁干渉の遮蔽を達成すると共に、使用する高価な導電材料を最少にする可撓性導電ガスケットを得るにある。
【0012】
本発明の他の目的は従来の技術の上述の欠点を解消した可撓性導電ガスケットを得るにある。
【0013】
本発明の他の目的を明らかにすると共に、本発明を一層良く理解し得るようにするため、添付図面を参照して、本発明の実施例を次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】代表的なパーソナルコンピュータ、又はビジネス小形ワークステーションの裏側の正面図である。
【図2】代表的なパーソナルコンピュータ、又はビジネス小形ワークステーションの断面平面図である。
【図3】先行技術のガスケットの平面図である。
【図4】コネクタ収容切除部を有する図3の先行技術のガスケットの平面図である。
【図5】図4の先行技術のガスケットの断面端面図である。
【図6】本発明の一実施例の平面図である。
【図7】コネクタ収容切除部を有する図6の本発明ガスケットの平面図である。
【図8】図7の本発明ガスケットの断面端面図である。
【図9】本発明の他の実施例の斜視図である。
【図10】包囲体内にある図9のガスケットの断面側面図である。
【図11A】本発明の他の実施例の断面斜視図である。
【図11B】本発明の更に他の実施例の断面斜視図である。
【図11C】本発明の他の実施例の断面斜視図である。
【図12A】図11Aの変形の断面斜視図である。
【図12B】図11Bの変形の断面斜視図である。
【図12C】図11Cの変形の断面斜視図である。
【図13】本発明の他の実施例の断面斜視図である。
【図14】包囲体内にある図13のガスケットの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明 図6〜図8において、本発明によりガスケットは容易に圧縮できる押出発泡体、即ちスポンジ27から基本的に製造されており、間けつ的に離間する導電バー30a、30b、30c、30dを有している。熱可塑性発泡体の上述の欠点にかんがみ、基本的なガスケット材料は圧縮変形に対する優れた抵抗を呈するシリコーンのような非導電性の熱硬化性ゴムであるのが好適である。圧縮変形に対する優れた抵抗性は長期にわたる性能を助ける。これは、それぞれの大部分の電磁干渉ガスケット構造は最高性能を発揮するため、圧縮負荷に依存しているからである。適切なシリコーン材料としてはWacker Chemie 社から入手できるC−1492のような市販されている入手でき、熱でキュアし得るスポンジシリコーンがある。次に示すのはC−1492を使用する基本ガスケット材料としての例示の配合である。
Wacker C−1492 97.5〜99重量%
ジクミルペルオキシド 1〜2重量%
ターブチルペルベンゾエ−ト 0〜0.5 重量%
【0016】
代案として、信越社から入手できるKE−76BSのような低ビニルシリコーンからの適切な基本ガスケット材料を示すことができる。この材料に、Ritchem 社から入手できるアゾジカルボンアミドのような発泡剤を加える。これ等の材料を使用する配合を次に示す。
KE−76BS 80重量%
Ritchem ブローフォーム CF-910 2〜4重量%
ジクミルペルオキシド 0.8 〜1.6 重量%
Cab-O-Sil(Cabot)M-350 14.4〜17.2重量%
【0017】
基本的ガスケット材料として利用し得る他の熱硬化性材料にはフルオロシリコーン、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマ)、ニトリル、エピクロロヒドリン、ナチュラル、クロロプレン、イソプレン、及びブチルエラストマーがある。特定の用途の要求に応じて、上述の材料のいずれかをスポンジ材料、又は発泡材料として使用することができる。その場合のスポンジは中間密度の範囲であり、発泡材料は低密度の範囲である。また、使用し得る可能性があるのは、軟質PVC、特に発泡状態にあるポリウレタン、及びサントプレンのような熱可塑性材料である。
【0018】
非常に薄い導電ゴムバー30a、30b、30c、30dを使用して、ガスケットを通ずる中間板への接地を達成する。図8に示すように、導電バーは頂部から底部までの接地をするよう、横断面に貫通して、突出しており、これにより圧縮可能な押出発泡体、又はスポンジ27のセグメントを相互に分離している。押出発泡体の厚さは中間板とコネクタハウジングとの間の接地部への代表的な通路の長さであり、これにより導電路を最小にし、シールド効果値を改善する。図3〜図5の先行技術のシステムにおいては、電磁波が大地に達するためには、ガスケットの周縁の周りに完全に迂回移動し、反射、放射、屈折、及び他の表面へのエスケープを許してしまう。これに反し、本発明のこの導電バーは、更に導電クロスの形式の製品に比較した時、優れた遮蔽効果を発揮する。
【0019】
この導電バーは良好な電気的性能を発揮し、しかも可撓性であるゴム引き導電金属であるのが好適である。いかなるゴム結合剤も十分であり、金属としては銀、ニッケル、アルミニウム、銅、及び不銹鋼がある。導電性の銀、又はニッケル粒子を有するシリコーン結合剤は良好に作用することがわかった。次に配合を例示する。
General ElectricゴムNo.SE-33 重量部100に対して100
Technic Silver flake No.135 250 〜1000pph 、通常300 〜350
Cabot Cab-O-Sil M-5 5〜30pph 、通常8〜12
Union Carbide オルガノシラン A174 0.5 〜5pph 、通常1〜3
ジクミルペルオキシド 0.5 〜5pph 、通常1〜2
【0020】
好適な実施例では、導電バーの間の距離、即ち押出発泡体、即ちスポンジセグメント27の幅はコネクタ孔34a、34b、34c、34dの寸法の関数である。一例に過ぎないが、複数個の孔が複数個のバーに渡っているように、約12.7mm(1/2インチ) の離間測定値のように、これ等バーを離間する。図7において、コネクタ孔34aは導電バー30a、30dに渡っており、コネクタ孔34b、34c、34dはそれぞれ導電バー30a、30bに渡っており、コネクタ孔34eは導電バー30c、30dに渡っている。このように、コネクタ孔が導電バーに渡っていることは、コネクタ入口区域から逸出する恐れがあるいかなるエミッションもトラップし、接地することができる。また、このように、コネクタ孔が導電バーに渡っていることは低周波から中間周波までの多くの放射を最少にする付加的利点を有する。これは、多くの場合、この間隔は移動する電磁波の振幅を減らすからである。
【0021】
導電バーの幅を最小にすれば圧縮性を向上し、コストを減らすことができる。2〜6ミルが好適である0.5 〜20ミルの範囲にある幅は可撓性と、導電性との良好なバランスが得られる。
【0022】
ストリップガスケット38a、38bの端部に薄い導電性の層のコーティングを加えることにより、非常に高い周波数の放射がバーと、バーとの間から逸出するのを防止することにより、本発明の電磁シールド性が向上する。これにより、x軸線、y軸線、及びz軸線方向の漂遊放射を捕捉するシュミレートされた「ケージ」効果が得られる。
【0023】
導電バーは単一の通過操作で、ガスケットの残部と共に、同時に押し出されるのが好適である。そのようなシステムにおいては、2つの材料、即ち導電材料と、非導電材料とを原料の未加硫(熱可塑性融解状態の場合)の状態で、合体させるマスタダイホルダを利用する。基本材料、即ち非導電材料は通常、単一の押出物になるように押し出される。即ち非常に粘性が高い材料をポンプ作用で,押出器に通して、そのヘッド帯域に入れ、次にマスターホルダ内に押し出す。形成造形ダイスの最初の組は既知の単一ダイプレート押出技術で,使用するものと基本的に同一であり、ここでのダイスの形状、即ちパターンは間に間隙を有する一連の長方形である。Versa-Davis Standard and Troester 社のような数社の押出器製造業者は単一ダイプレート押出しをどのように達成するかの文献を刊行している。
【0024】
基本非導電材料を高圧の押出作用の許に、造形し、混練領域、即ち遷移領域に押し出す。代表的な圧力は約105.5kg/cm2(1500psi)であるが、21.1〜703kg/cm2(300 〜10000psi) の範囲にすることもできる。短い遷移領域内に、第2導電材料を導入する。この材料を遷移帯域の厳密な区域に、送給するには第2導電材料を希望する位置に指向させる一連の湯道を使用して、この送給を成し遂げる。頂部、及び底部から、この材料を第1材料が少ない区域に射出する。第1非導電材料の長方形の上面は前部出口板と相互にロックされた一連のブロックによって、保護されているのが好適である。このように相互にロックすることによって、非導電素子の良好で、汚れのない表面が確実に得られる。
【0025】
上に述べた湯道には、プラスチック産業で「ゲート」として知られている付加的制御弁を設けてもよい。仕上がったバーに得られた幅、及び形状、及び応力を多少とも変更することができる。混練遷移帯域の後に、ここで一緒になった流体は出口板に入る。この出口板は高さと、幅との寸法において、仕上がった部片に類似する。この出口板はスポンジ、及び発泡体に関連する熱収縮、応力の解放、及び寸法定めを考慮することができる。使用するスポンジ化反応化学に関するこの部片の膨張と収縮をも考慮すべきである。均一に、又は帯域によって加熱されたマスターダイホルダを採用してもよい。この加熱により、押出しの際の加圧状態下で、架橋反応を開始させ、でき上がった物品の導電性を向上させる。例えば、医療用押出共同体のための剥離工具を製造し、設計する同時押出しの分野の当業者には上述の同時押出技術は良く知られている。
【0026】
代わりの製造方法として、セグメントを個々に製造する方法がある。導電セグメントを薄い導電性ストリップとして押出し、非導電セグメントを長方形体として押出す。この長方形体の幅はコネクタの配置にマッチするのに必要な離間距離を決定する。次に、これ等セグメント、即ち導電セグメントと、非導電セグメントとを交互に積層し、コネクタの配置にマッチする形態を得る。
【0027】
他の代案の製造方法は広い範囲の形式の2個の材料のシートをカーレンダ加工し、次に、これ等シートを交互に積層する。次に、積層の方向を横切って、この積層体をスライスし、即ち薄切りして、希望する構造にする。例えば、この実際の幅の良好なカレンダミルが得られれば、導電材料のカレンダシートを希望する厚さに製造することができる。このシートをロールになるように巻いて、保管する。その後、同一のカレンダミルを使用して、導電シートの幅にマッチする希望する厚さに非導電スポンジ材料、又は非導電発泡材料を製造することができる。再び、このシートをロールになるように巻いて、保管する。次に、これ等シートを交互に積層し、「ログロール(log roll)」にする。次に、このログロールを幅の寸法に垂直にスライスする。このスライス片はI/Oバックプレーンにおけるコネクタと板との間の間隙を充たすような寸法である。この方法は、例えば100万〜200万個を製造する大量生産の用途に有用である。
【0028】
更にその他の製造方法は非導電セグメントを長尺に、又はリール状に押し出す方法である。導電バーの希望する幅に相当する距離だけ、この押出体の間に距離をあけ、非導電押出体をテンプレート、又はベッドに並べて配置する。このベッドの長さは僅かに数フィートで、このベッドを使用して、低粘度の導電材料のスラリーを自動的に分配し、空いている区域を埋める。この方法では、この製品を製造するのに、半自動ロボットシステムを利用することができる。次に、仕上がった部片を適正な寸法に切断する。
【0029】
コンピュータのI/Oバックプレーンの特定の問題点を解決するようにしたガスケットに関して、本発明を説明したが、D字状バルブ、又はP字状バルブのような古くからのガスケットに代わり、形状の中心に貫通する1個の導電バーを有するストリップとしての一層小さなシ−ルガスケットにも本発明を使用することができる。本発明は米国特許第4968854 号に記載されている従来の導電ガスケットよりもコストを節約することができる。これは、所定の形状の高価な金属の量を更に最少にするからである。本発明のこの実施例を図9、及び図10に示す。
【0030】
図9はガスケットの全長に延びている導電バー55を有する長方形の横断面のストリップガスケット41を示す。第1ガスケット材料52は導電バー55の両側にある。図10はガスケット41のための溝状受容器58を有する電子包囲体45内のガスケット41を示す。このガスケットは包囲体45から蓋48に接地する。
【0031】
従来の横断面を有する導電ガスケットも本発明を使用して製造することができる。図11A、図11B、及び図11Cはほぼ第1ガスケット材料88からそれぞれ製造された横断面がそれぞれD字状、P字状、及びO字状のガスケットを示し、導電性の第2材料から成る薄いバー90はガスケットをその頂部から底部まで二分している。例えばD字状、及びO字状の数個の共通な横断面形状では、好ましいことに2つの等しい横断面に二分されているが、本発明の実施例はそれに限定しようとするものでない。例えば50ミルから25.4mm(1インチ)までの代表的な全体の厚さを有するガスケットの場合、この薄いバー90は通常、0.5 〜20ミルの厚さの範囲内にあり、2〜10ミルの厚さの範囲が好適である。このガスケットの頂面、及び底面(即ち、導電包囲体に接触しようとする表面)で、第2材料の区域92が表面から僅かに突出しているのが好適であり、良好な電気的接触区域を得るためには、この第2材料の区域92はバー90の厚さより一層広いのが好適である。第2材料の表面の突出部92はその高さが4ミル程度で、幅は少なくとも20ミルであり、50ミルより広いのが好適であり、このようにすれば十分な電気的接触区域が確保される。通常の横断面を有する本発明ガスケットの代案の実施例を図12A、図12B、及び図12Cに示す。図12AのD字状ガスケット、図12BのP字状ガスケット、及び図12CのO字状ガスケットはそれぞれ、このバルブの全長に沿って圧縮孔95を有する。密度の高いシリコーンのような一層密度が高いエラストマーを第1材料として使用した時、通常、この圧縮孔95が使用される。このような密度の高いシリコーンはショアーA硬度で、30〜80の硬度範囲にあり好適にはショアーA硬度で50の硬度である。
【0032】
広い用途範囲を有する本発明の他の実施例を図13、及び図14に示す。図13は「T字状ワイパ」ガスケットの形態の断面斜視図を示す。この形態は第1ガスケット材料62の平坦ストリップから成り、この平坦ストリップの中心付近から、或る角度に、好適にはほぼ90度の角度に突出する指片、即ちワイパ65を有する。第2材料68の層をワイパ65の頂部、及び少なくとも一方の側面にコーティングする。平坦ストリップ71からワイパが突出する点で、又はこの点の付近で、第2材料68が平坦ストリップをガスケットの底面75まで二分している。ガスケットの底面の第2材料68の区域は僅かに突出しているのが好適であり、図11A、図11B、及び図11Cを参照して説明したガスケットの表面の第2材料92と同様に、平坦ストリップを二分している層の厚さよりもこの第2材料の区域が一層広い。第2材料68の層の寸法も、図11A、図11B、及び図11Cに示したガスケットに関連して説明したものに類似する。この結果、導電路を短くて、良好に電気的に接触する区域を有し、閉合力が小さいガスケットが得られる。任意適当な形状(例えば平坦面を有する形状)の本発明の実施例に加えることができる圧力感知接着ストリップ77によりこのガスケットを包囲体に取り付けることができる。図14は溝形受容器81と導電電子包囲体の蓋78との間に使用されている図13のT字状ワイパの実施例の断面図である。
【0033】
図11〜図14に関連して図示し、説明した各実施例は上述の同時押出製造方法を使用して形成することができる。
【0034】
数個の例の実施例につき本発明を説明したが、これ等の実施例は本発明の範囲を限定するものでない。本発明は特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者は種々の変更を加えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さと、頂面と、底面とを有し、電磁放射を遮蔽するガスケット装置において、
第1エラストマー材料と、
この第1エラストマー材料を頂面から底面まで二分する導電性の第2エラストマー材料の薄いバーとを具え、前記頂面と底面との間に、前記ガスケット装置を通じて導電路が存在していることを特徴とするガスケット装置。
【請求項2】
前記頂面と底面とから前記第2エラストマー材料の前記薄いバーが突出している請求項1のガスケット装置。
【請求項3】
前記第2エラストマー材料の突出している部分の幅が前記薄いバーの幅より一層大きい請求項2のガスケット装置。
【請求項4】
前記薄いバーの幅が0.5 〜20ミルの範囲内にある請求項1のガスケット装置。
【請求項5】
前記薄いバーの幅が2〜10ミルの範囲内にある請求項1のガスケット装置。
【請求項6】
前記ガスケット装置がその全長に沿って、前記第1エラストマー材料内に圧縮孔を有している請求項1のガスケット装置。
【請求項7】
前記ガスケット装置の横断面がD字状である請求項1のガスケット装置。
【請求項8】
前記ガスケット装置の横断面がP字状である請求項1のガスケット装置。
【請求項9】
前記ガスケット装置の横断面がO字状である請求項1のガスケット装置。
【請求項10】
前記第1エラストマー材料が熱硬化性ゴムから成る請求項1のガスケット装置。
【請求項11】
前記熱硬化性ゴムはシリコーン材料である請求項10のガスケット装置。
【請求項12】
前記第1エラストマー材料が熱可塑性材料から成る請求項1のガスケット装置。
【請求項13】
前記第2エラストマー材料が熱硬化性ゴム結合剤と、導電金属とから成る請求項1のガスケット装置。
【請求項14】
前記熱硬化性結合剤がシリコーン材料である請求項13のガスケット装置。
【請求項15】
前記導電金属が銀である請求項13のガスケット装置。
【請求項16】
電磁放射を遮蔽するガスケット装置において、
頂面と底面とを有し、第1エラストマー材料から成る比較的平坦なストリップと、
前記ガスケット装置がほぼT字状の横断面になるよう、前記平坦なストリップの前記頂面から或る角度で外方に突出する前記第1エラストマー材料から成る指部と、
前記指部が突出する点の近くに、前記頂面から前記底面まで前記比較的平坦なストリップを二分し、前記指部の少なくとも一側にある導電性の第2エラストマー材料の層とを具え、
前記指部の少なくとも一側から、前記ガスケット装置の前記底面まで導電路が存在することを特徴とするガスケット装置。
【請求項17】
前記ガスケット装置の前記底面上に圧力感知接着ストリップを更に具える請求項16のガスケット装置。
【請求項18】
前記第2エラストマー材料の前記層が0.5〜20ミルの厚さの範囲内にある請求項16のガスケット装置。
【請求項19】
前記第2エラストマー材料の前記層が2〜10ミルの厚さの範囲内にある請求項16のガスケット装置。
【請求項20】
前記第2エラストマー材料の前記層が前記底面から突出している請求項16のガスケット装置。
【請求項21】
前記第2エラストマー材料の突出している部分の幅の寸法が前記第2エラストマー材料の層の厚さより一層大きい請求項20のガスケット装置。
【請求項22】
前記第1エラストマー材料が熱硬化性ゴムから成る請求項16のガスケット装置。
【請求項23】
前記熱硬化性ゴムがシリコーン材料である請求項22のガスケット装置。
【請求項24】
前記第1エラストマー材料が熱可塑性材料から成る請求項16のガスケット装置。
【請求項25】
前記第2エラストマー材料が熱硬化性ゴム結合剤と、導電金属とから成る請求項16のガスケット装置。
【請求項26】
前記熱硬化性結合剤がシリコーン材料である請求項25のガスケット装置。
【請求項27】
前記導電金属が銀である請求項25のガスケット装置。
【請求項1】
長さと、頂面と、底面とを有し、電磁放射を遮蔽するガスケット装置において、
第1エラストマー材料と、
この第1エラストマー材料を頂面から底面まで二分する導電性の第2エラストマー材料の薄いバーとを具え、前記頂面と底面との間に、前記ガスケット装置を通じて導電路が存在していることを特徴とするガスケット装置。
【請求項2】
前記頂面と底面とから前記第2エラストマー材料の前記薄いバーが突出している請求項1のガスケット装置。
【請求項3】
前記第2エラストマー材料の突出している部分の幅が前記薄いバーの幅より一層大きい請求項2のガスケット装置。
【請求項4】
前記薄いバーの幅が0.5 〜20ミルの範囲内にある請求項1のガスケット装置。
【請求項5】
前記薄いバーの幅が2〜10ミルの範囲内にある請求項1のガスケット装置。
【請求項6】
前記ガスケット装置がその全長に沿って、前記第1エラストマー材料内に圧縮孔を有している請求項1のガスケット装置。
【請求項7】
前記ガスケット装置の横断面がD字状である請求項1のガスケット装置。
【請求項8】
前記ガスケット装置の横断面がP字状である請求項1のガスケット装置。
【請求項9】
前記ガスケット装置の横断面がO字状である請求項1のガスケット装置。
【請求項10】
前記第1エラストマー材料が熱硬化性ゴムから成る請求項1のガスケット装置。
【請求項11】
前記熱硬化性ゴムはシリコーン材料である請求項10のガスケット装置。
【請求項12】
前記第1エラストマー材料が熱可塑性材料から成る請求項1のガスケット装置。
【請求項13】
前記第2エラストマー材料が熱硬化性ゴム結合剤と、導電金属とから成る請求項1のガスケット装置。
【請求項14】
前記熱硬化性結合剤がシリコーン材料である請求項13のガスケット装置。
【請求項15】
前記導電金属が銀である請求項13のガスケット装置。
【請求項16】
電磁放射を遮蔽するガスケット装置において、
頂面と底面とを有し、第1エラストマー材料から成る比較的平坦なストリップと、
前記ガスケット装置がほぼT字状の横断面になるよう、前記平坦なストリップの前記頂面から或る角度で外方に突出する前記第1エラストマー材料から成る指部と、
前記指部が突出する点の近くに、前記頂面から前記底面まで前記比較的平坦なストリップを二分し、前記指部の少なくとも一側にある導電性の第2エラストマー材料の層とを具え、
前記指部の少なくとも一側から、前記ガスケット装置の前記底面まで導電路が存在することを特徴とするガスケット装置。
【請求項17】
前記ガスケット装置の前記底面上に圧力感知接着ストリップを更に具える請求項16のガスケット装置。
【請求項18】
前記第2エラストマー材料の前記層が0.5〜20ミルの厚さの範囲内にある請求項16のガスケット装置。
【請求項19】
前記第2エラストマー材料の前記層が2〜10ミルの厚さの範囲内にある請求項16のガスケット装置。
【請求項20】
前記第2エラストマー材料の前記層が前記底面から突出している請求項16のガスケット装置。
【請求項21】
前記第2エラストマー材料の突出している部分の幅の寸法が前記第2エラストマー材料の層の厚さより一層大きい請求項20のガスケット装置。
【請求項22】
前記第1エラストマー材料が熱硬化性ゴムから成る請求項16のガスケット装置。
【請求項23】
前記熱硬化性ゴムがシリコーン材料である請求項22のガスケット装置。
【請求項24】
前記第1エラストマー材料が熱可塑性材料から成る請求項16のガスケット装置。
【請求項25】
前記第2エラストマー材料が熱硬化性ゴム結合剤と、導電金属とから成る請求項16のガスケット装置。
【請求項26】
前記熱硬化性結合剤がシリコーン材料である請求項25のガスケット装置。
【請求項27】
前記導電金属が銀である請求項25のガスケット装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−283375(P2010−283375A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−181429(P2010−181429)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【分割の表示】特願2001−576733(P2001−576733)の分割
【原出願日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【出願人】(501239099)ヴァンガード プロダクツ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181429(P2010−181429)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【分割の表示】特願2001−576733(P2001−576733)の分割
【原出願日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【出願人】(501239099)ヴァンガード プロダクツ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】
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