説明

電磁弁

【解決手段】弁構造群20と、該弁構造群20に接合された磁石構造群10とを有する電磁弁1であって、前記弁構造群が、第1の弁スリーブ22と、該第1の弁スリーブ22内で長手方向可動に案内された、シール構造部26.1を備えた磁石可動子24と、弁座32を備えた弁体30とを有し、前記磁石構造群10が、ハウジング周壁12とカバー18とコイル巻線16とを有し、該コイル巻線は給電されると、磁石可動子24をリターンスプリング27の力に抗して移動させるための磁力を発生するようになっており、前記第1の弁スリーブ22は開放端部22.2で以て、弁体30の開放端部34内に侵入し、かつ前記弁体30内に固定され、前記弁体30の端面36が、前記弁構造群20を固定するための手段として構成されている。
【効果】流体ブロック若しくはポンプハウジングの上縁部を越える構造高さが減少され、かつ弁構造および組立が簡略化された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の前文に記載した電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によれば、車両に使用するための、例えばアンチロックブレーキ装置(ABS)、アクセレレーションスキッドコントロール装置(ASR装置)、エレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)等に使用するための、無電流状態で開放する電磁弁および無電流状態で閉鎖する電磁弁が公知である。これら公知の電磁弁はそれぞれ、別個に組み立てられる弁構造群および磁石構造群を有している。公知の電磁弁においては、一般的にまず弁構造群が、かしめディスクを介して流体ブロック若しくはポンプハウジング内においてかしめられる、つまり流体ブロック若しくはポンプハウジング内で固定される。これと並行して、電気接触部を含む磁石構造群が制御装置に固定される。制御装置が流体ブロック若しくはポンプハウジングに組み立てられる際に初めて、磁石構造群が、ハウジング周壁および、カバーディスクとして構成されたハウジングカバーを介して最終的に所属の弁構造群に接合され、それによって電磁弁が、機能的に優れた1つのユニットとして形成される。
【0003】
特許文献1には、弁構造群と該弁構造群に接合された磁石構造群とを有する電磁石が開示されている。弁構造群は、弁カプセルと、該弁カプセル内で長手方向可動に案内された、シール構造部を備えた磁石可動子と、弁インサートと、弁座を備えた弁体とを有している。磁石構造群は、ハウジング周壁とカバーとコイル巻線とを有しており、該コイル巻線は給電されると、磁石可動子をリターンスプリングの力に抗して移動させるための磁力を発生する。弁体は上方に開放する鉢状のスリーブとして構成されていて、該スリーブの開放端部が弁カプセルの開放端部内に押し込まれている。弁インサートは、磁石構造群からカバーディスクおよび弁カプセルを介して導入された磁束を、軸方向でエアギャップを介して磁石可動子に向かって伝導する。さらに、弁カプセルの折り曲げられた端部は、かしめディスクを介して流体ブロックにかしめ固定され得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許公開第102005044672号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術による電磁弁を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決した本発明の電磁弁は、弁構造群と、該弁構造群に接合された磁石構造群とを有しており、前記弁構造群が、第1の弁スリーブと、該第1の弁スリーブ内で長手方向可動に案内された、シール構造部を備えた磁石可動子と、弁座を備えた弁体とを有しており、前記磁石構造群が、ハウジング周壁とカバーとコイル巻線とを有していて、該コイル巻線は給電されると、磁石可動子をリターンスプリングの力に抗して移動させるための磁力を発生する形式のものにおいて、前記第1の弁スリーブは、該第1の弁スリーブの開放端部で以て弁体の開放端部内に侵入し、かつ前記弁体内に固定されており、前記弁体の端面が、前記弁構造群を固定するための手段として構成されている。
【発明の効果】
【0007】
独立請求項1に記載した特徴を有する本発明による電磁弁は、流体ブロック若しくはポンプハウジングの上縁部を越える構造高さが減少され、かつ弁構造および組立が簡略化された、という利点を有している。本発明の実施態様によれば、制御装置内における電磁弁の半径方向の所要構造空間を著しく増大させることなしに、また磁石構造群を著しく変更させることなしに、構造高さを減少させることができる。
【0008】
本発明の核心は、第1の弁スリーブを弁体内の内側に挿入し、弁構造群を流体ブロック若しくはポンプハウジング内に固定するために弁体の端面を利用するという点にある。弁体の端面をかしめ面として利用することによって、従来使用されていたかしめディスクは好適な形式で省くことができる。構造高さを、かしめディスクのほぼ厚さの分だけ減少させることによって、対応する制御装置のボックス体積(Boxvolumen)はさらに減少される。また、かしめディスクを省くことによって、好適な形式で調達時および組立時におけるコスト的な利点が得られる。しかも弁構造群の部分は、ほぼかしめディスクの厚さ分だけ短縮される。弁構造群は、例えば無電流状態で開放するか、または無電流状態で閉鎖する弁座を有している。無電流状態で開放する電磁弁においては、例えば弁インサート、弁カプセル、およびシール構造部を有するプッシュロッドが短縮され、無電流状態で閉鎖する電磁弁においては、例えば弁スリーブ、カプセル、およびシール構造部を有する磁石可動子が短縮される。無電流状態で開放する電磁弁においては、第1の弁スリーブが、一端部が閉鎖されたキャップ状のカプセルとして構成されていて、無電流状態で閉鎖する電磁弁においては第1のスリーブは両端部が開放して構成されており、この場合、一端部が極心に接続されていて、この極心によって閉鎖されている。磁石構造群の寸法自体は変わらないので、まず第1に磁力の劣化を考慮する必要がない。弁構造群のガイド比(Fuehrungsverhaeltnisse)、つまり直径に対する長さの比は、短縮に基づいて容易に不適当になる。さらに本発明の実施態様は、弁構造への磁石構造群の可能な統合を容易にする。
【0009】
本発明の実施態様は、弁構造群と該弁構造群に接合された磁石構造群とを有する電磁弁を提供する。弁構造群は、第1の弁スリーブと、該第1の弁スリーブ内で長手方向可動に案内された、シール構造部を備えた磁石可動子と、弁座を備えた弁体とを有している。磁石構造群は、ハウジング周壁とカバーとコイル巻線とを有していて、該コイル巻線は給電されると、磁石可動子をリターンスプリングの力に抗して移動させるための磁力を発生する。本発明によれば、第1の弁スリーブは、該第1の弁スリーブの開放端部で以て弁体の開放端部内に侵入し、かつ前記弁体内に固定されており、この場合、弁体の端面が、弁構造群を固定するための手段として構成されている。第1の弁カプセルは、好適には弁体に溶接されている。この溶接結合は、従来技術のものにおけるよりも高い負荷に耐えられるものでなければならない。何故ならば、かしめディスクを介して形成された形状結合(Formschluss;形状による束縛)による力の伝達は行われないからである。
【0010】
従属請求項に記載した手段および変化実施例によって、独立請求項1に記載した電磁弁の好適な改良が可能である。
【0011】
特に好適には、弁体の端面が、流体ブロックとのかしめ接続部を形成するためのかしめ面として構成されていてよい。この場合、かしめ接続部は、流体ブロック材料(好適にはアルミニウム)の塑性変形を介して行われる。この塑性変形によって、かしめ面として構成された、弁体の端面上に、好適には環状のウエブが形成され、このウエブが、弁体およびひいては弁構造群を流体ブロック内の収容部内において軸方向で固定する。次いで磁石構造群が、弁構造群に軸方向でかぶせ嵌められ、カバーディスクを介してこの弁構造群に圧着固定される。
【0012】
択一的に、ハウジング周壁の開放端部における端面は、流体ブロックとのかしめ接続部を形成するためのかしめ面として構成されていてよい。この場合、前記弁体の前記端面は、磁石構造群のハウジング周壁のハウジング底部のための支持面として構成されている。これによって、磁石構造群は好適には流体ブロックの収容部内に完全に埋め込まれていてよい。この場合、かしめ接続部は、流体ブロック材料(好適にはアルミニウム)の塑性変形を介して行われる。この塑性変形によって、ハウジング周壁のかしめ面として構成された端面上に好適には環状のウエブが形成され、このウエブが、磁石構造群およびひいては電磁弁を流体ブロックの収容部内において軸方向で固定する。このような配置構成の特徴は、弁構造群および磁石構造群が、流体ブロック若しくはポンプハウジング内に一緒に固定されているにも拘わらず、構造群組立の際に別個に取り扱うことができる、という点にある。これは、製造プロセスおよび/または検査プロセスにおいて、バリューストリーム中において、および例えば既存の生産装置を再利用する際の投資において、利点を有している。
【0013】
本発明による電磁弁の好適な実施態様によれば、前記端面が、弁体の一方の端面側に形成されていてよく、それによって、本発明を簡単かつ安価に実現することができる。択一的に弁体の前記端面は、外方に向かって延長されていて、固定フランジを形成していてよい。これによって好適な形式で、接合可能なかしめ面若しくは支持面を、簡単かつ迅速に増大させることができる。
【0014】
本発明による電磁弁のさらに好適な実施態様によれば、弁体が、上方へ向かって開放する鉢状のスリーブとして構成されており、このような鉢状のスリーブは簡単かつ安価に製造することができる。特に簡単な実施態様によれば、上方へ向かって開放する前記鉢状のスリーブは均一な外径を有している。択一的に、流体ブロック内に密に押し込むための弁体の有効直径を縮小させるために、前記鉢状のスリーブは、下部において縮小された外径部を有していてよい。それによって好適な形式で、必要な押し込み力および保持力も軽減される。
【0015】
本発明による電磁弁の別の好適な実施態様によれば、磁石可動子が環状可動子として構成されていてよい。何故ならば、主に外側の環状部が磁束のために利用されるからである。磁石可動子の内孔内にシール構造部を有するプッシュロッドが案内されている。プッシュロッドは、例えば可動子内孔内に押し込まれるかまたはその他の形式で案内されていてよい。それによって、弁が著しく短縮されているにも拘わらず、プッシュロッドは、従来技術におけるのと同様のガイド比、つまり直径に対する長さの比を有することができる。
【0016】
本発明による電磁弁の別の好適な実施態様によれば、プッシュロッドを案内するための弁インサートが、第1の弁スリーブの内側面に結合され、好適には圧着固定されている。リターンスプリングは、例えばばね支持部に支えられていてよく、該ばね支持部は前記弁インサートに結合されているかまたは前記弁体に配置されている。
【0017】
図面に示した本発明の実施例を以下に詳しく説明する。図面には、同じ若しくは類似の機能を有する構成部品若しくはエレメントは同じ符号で表わされている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による電磁弁の第1実施例を有する電磁弁装置の概略的な断面図である。
【図2】本発明による電磁弁の第2実施例を有する電磁弁装置の一部の概略的な断面図である。
【図3】本発明による電磁弁の第3実施例を有する電磁弁装置の一部の概略的な断面図である。
【図4】本発明による電磁弁の第4実施例を有する電磁弁装置の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図4に示されているように、本発明による電磁弁1の図示の実施例はそれぞれ、1つの弁構造群20と、該弁構造群20に接合された1つの磁石構造群10とを有している。弁構造群20は、第1の弁スリーブ22と、この第1の弁スリーブ22内で長手方向可動にガイドされた、シール構造部26.1を備えた磁石可動子24と、弁座32を備えた弁体30とを有している。磁石構造群10は、ハウジング周壁12とカバー18とコイル巻線16とを有しており、このコイル巻線16は、給電されると磁石可動子24をリターンスプリング27のばね力に抗して移動させるための磁力を生ぜしめる。本発明によれば、第1の弁スリーブ22は開放端部22.2で以て、弁体30の開放端部34内に侵入し、弁体30内で好適には溶接結合部22.1によって固定されており、この場合、弁体30の端面36は、弁構造群20を固定させるための手段として構成されている。
【0020】
図1〜図4にさらに示されているように、本発明の実施例は無電流状態で開放する電磁弁1a,1bとして示されており、この電磁弁1a,1bはそれぞれ、磁束を生ぜしめるための磁石構造群10a,10bと、弁構造群20a,20b,20c,20dとを有している。磁石構造群10a,10bはそれぞれ、ハウジング周壁12a,12bおよびカバー18を備えたハウジングと、巻線支持体14とコイル巻線16とを有しており、前記カバー18は、例えば下側のカバーディスク18aとして、およびハウジング周壁12aと一体的に構成されたハウジングカバー18bまたはハウジング周壁12bと一体的に構成されたハウジング底部18cとして、および上側のカバーディスク18dとして構成されている。弁構造群20a,20b,20c,20dはそれぞれ、第1の弁スリーブ20としてのキャップ状の弁カプセル22a,22bと、環状可動子として構成された磁石可動子24(該磁石可動子24の内孔内にシール構造体26.1を備えたプッシュロッド26,26a,26bが押し込まれている)と、リターンスプリング27と、上方に開放する鉢状のスリーブ30a,30b,30c,30dとして構成された、弁座32を備えた弁体30とを有している。磁石構造群10a,10bは磁力を生ぜしめ、この磁力は、プッシュロッド26およびシール構造部26.1を備えた長手方向で可動な磁石可動子24を、リターンスプリング27のばね力に抗して弁インサート28に向かって移動させる。リターンスプリング27は、ばね支持体28,29に支えられており、このばね支持体28,29は、例えば弁インサート28に結合された環状つば28.1として、または弁座32の縁部39として構成されている。巻線支持体14に巻きつけられたコイル巻線16は電気コイルを形成しており、この電気コイルは電気接続部を介して制御可能である。弁インサート28は、磁石構造群10a,10bから下側のカバーディスク18aまたはハウジング底部18cを介して導入された磁束を、軸方向でエアギャップを介して磁石可動子24に向かって伝導する。コイル巻線16に給電することによって、第1の流体接続部28.2と第2の流体接続部40との間の流量が調整される。第1の流体接続部28.2の領域内に配置された環状フィルタ42,42a,42bを介して、流体ブロック3,3a,3b,3c,3d内に配置された流体路7,7a,7b,7c,7dから供給される流体がろ過される。流体をさらにろ過するために、追加的に第2の流体接続部40の領域内にフラットフィルタ44を配置してもよい。
【0021】
図1にさらに示されているように、第1実施例では、弁体30,30aの、開放端部領域34,34aにおける第1の端面側37の端面36aは、流体ブロック3aとのかしめ接続部5aを形成するためのかしめ面36aとして構成されている。かしめ接続部5aは、流体ブロック材料(好適にはアルミニウム)の塑性変形を介して形成される。この塑性変形によって、かしめ面36aとして構成された弁体30,30aの端面36上に、好適には環状のウエブが形成され、この環状のウエブが、弁体30,30aおよびひいては弁構造群20aを、流体ブロック3aの収容部内に軸方向で固定する。かしめ工程後に、磁石構造群10が軸方向で弁構造群20aにかぶせ嵌められ、カバーディスク18aを介して弁構造群20aに圧着固定される。
【0022】
また図示の実施例では、上方に向かって開放する鉢状のスリーブ30aは均一な外径を有しており、弁インサート28は、プッシュロッド26をガイドするために、弁カプセル22aの内側面に結合、好適には圧着固定されている。リターンスプリング27は、ばね支持体28に支えられており、このばね支持体28は、弁インサート28に結合された環状つば28.1として構成されている。環状つば28.1は、例えば弁インサート28内に押し込むことができる。流体ブロック3a若しくはポンプハウジング内における電磁弁1aの内側シールは、弁体30の下縁部9を流体ブロック3a若しくはポンプハウジング内に密に押し込むことによって得られる。
【0023】
図2に示されているように第2実施例では、リターンスプリング27bは、弁体30,30b内において弁座32の縁部39に直に支えられている。これによって、短縮されたプッシュロッド26bおよび短縮された弁カプセル22bを有する、弁構造群20bの著しく短縮された構造が可能である。勿論、この実施例においては、圧縮コイルばね27bは操作媒体によって直接貫流され、それによって流過特性および/またはばね特性に影響を及ぼすことができる。第1実施例に対するその他の相違点として、図示の第2実施例では、上方に向かって開放する鉢状のスリーブ30bは、下部において縮小された外径を有している。それによって、好適には、流体ブロック3b若しくはポンプハウジング内に弁体30,30bの下縁部9を密に押し込む際の押し込み力および保持力は軽減され得る。
【0024】
第1実施例と同様に、弁体30,30bの端面36はやはり、開放端部領域34,34bの端面側37において、流体ブロック3bとのかしめ接続部5bを形成するためのかしめ面36aとして構成されている。かしめ接続部5bは、第1実施例と同様に、流体ブロック材料を塑性変形させることによって得られる。塑性変形によって、かしめ面36aとして構成された、弁体30,30bの端面36上に好適には環状のウエブが形成され、このウエブが、弁体30,30bおよびひいては弁構造群20bを流体ブロック3b内の収容部内に軸方向で固定する。
【0025】
図3にさらに示されているように、弁体30,30cの端面36は、第1および第2実施例とは異なり、外方へ向かって延長されていて固定フランジ38を形成している。これによって、有効なかしめ面36bは増大される。流体ブロック3bとのかしめ接続部5cを形成するために、第1および第2実施例と同様に、流体ブロック材料は塑性変形され、それによってかしめ面36bとして構成された、弁体30,30cの固定フランジ38の端面36を介して、好適な形式で環状のウエブが形成され、この環状のウエブが、弁体30,30cおよびひいては弁構造群20cを流体ブロック3cの収容部内に軸方向で固定する。
【0026】
図4にさらに示されているように、磁石構造群10bは、図示の第4実施例では、流体ブロック3d若しくはポンプハウジング内に完全に埋め込まれている。したがって、ハウジング周壁12bの開放端部における端面は、流体ブロック3dとのかしめ接続部5dを形成するためのかしめ面として構成されている。弁体30,30dの端面36は、磁石構造群10bのハウジング底部18cのための支持面36cとして構成されており、この支持面36cは、ハウジング周壁12bと一体的に構成されている。磁石構造群10のカバーディスク18dは、この第4実施例では上側に配置されていて、弁構造群20dへの良好な磁気伝導を得るための引き込み部を備えている。流体ブロック3d若しくはポンプハウジング内に弁体30,30dの下線部9を密に押し込む際の押し込み力および保持力を好適な形式で軽減するために、図示の第4実施例では、第2実施例と同様に、上方に向かって開放する鉢状のスリーブ30dは下部において縮小された外径部を有している。
【0027】
本発明の実施態様は、好適な形式で、流体ブロック若しくはポンプハウジングの上縁部を越える構造高さを減少させ、かつ弁構造および組立を簡略化することができる電磁弁を好適な形式で提供する。
【符号の説明】
【0028】
1,1a,1b 電磁弁
5,5a かしめ接続部
7,7a,7b,7c,7d 流体路
9 弁体30の下縁部
10,10a,10b 磁石構造群
12,12a,12b ハウジング周壁
14 巻線支持体
16 コイル巻線
18 カバー
18a 下側のカバーディスク
18c ハウジング底部
18d 上側のカバーディスク
20 第1の弁スリーブ
20,20a,20b,20c,20d 弁構造群
22,22a,22b 弁スリーブ、弁カプセル
22.1 溶接結合部
22.2 開放端部
24 磁石可動子
26,26a,26b プッシュロッド
26.1 シール構造部
27 リターンスプリング
27b 圧縮コイルばね
28 弁インサート、ばね支持体
28.1 環状つば
28.2 第1の流体接続部
29 ばね支持体
30,30a 弁体、スリーブ
32 弁座
34,34a 開放端部(領域)
36,36a 弁体30の端面(領域)
36a かしめ面
36c 支持面
37 第1の端面側
38 固定フランジ
39 縁部
40 第2の流体接続部
42,42a,42b 環状フィルタ
44 フラットフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁弁であって、弁構造群(20)と、該弁構造群(20)に接合された磁石構造群(10)とを有しており、前記弁構造群(20)が、第1の弁スリーブ(22)と、該第1の弁スリーブ(22)内で長手方向可動に案内された、シール構造部(26.1)を備えた磁石可動子(24)と、弁座(32)を備えた弁体(30)とを有しており、前記磁石構造群(10)が、ハウジング周壁(12)とカバー(18)とコイル巻線(16)とを有していて、該コイル巻線(16)は給電されると、前記磁石可動子(24)をリターンスプリング(27)の力に抗して移動させるための磁力を発生する形式のものにおいて、
前記第1の弁スリーブ(22)は、該第1の弁スリーブ(22)の開放端部(22.2)で以て前記弁体(30)の開放端部(34)内に侵入し、かつ前記弁体(30)内に固定されており、前記弁体(30)の端面(36)が、前記弁構造群(20)を固定するための手段として構成されていることを特徴とする、電磁弁。
【請求項2】
前記弁体(30)の前記端面(36)が、流体ブロック(3,3a,3b,3c)とのかしめ接続部(5,5a,5b,5c)を形成するためのかしめ面(36a,36b)として構成されていることを特徴とする、請求項1記載の電磁弁。
【請求項3】
前記ハウジング周壁(12b)の開放端部における端面が、流体ブロック(3d)とのかしめ接続部(5d)を形成するためのかしめ面として構成されており、前記弁体(30)の前記端面(36)が、磁石構造群(10b)のハウジング周壁(12b)のハウジング底部(18c)のための支持面(36c)として構成されていることを特徴とする、請求項1記載の電磁弁。
【請求項4】
前記端面(36a,36c)が、前記弁体(30)の第1の端面側(37)に形成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項5】
前記弁体(30c)の前記端面(36b)が外方へ向かって延長されていて、固定フランジ(38)を形成していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項6】
前記弁体(30)が、上方へ向かって開放する鉢状のスリーブ(30a,30b,30c,30d)として構成されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項7】
上方へ向かって開放する前記鉢状のスリーブ(30a,30b,30c,30d)が、均一な外径を有しているか、または下部において縮小された外径部を有していることを特徴とする、請求項6記載の電磁弁。
【請求項8】
前記磁石可動子(24)が環状可動子として構成されていて、該環状可動子の内孔内にシール構造部(26.1)を有するプッシュロッド(26)が案内されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項9】
前記プッシュロッド(26)を案内するための弁インサート(28)が、前記第1の弁スリーブ(22)の内側面に結合され、好適には圧着固定されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項10】
前記リターンスプリング(27)がばね支持部(28.1,39)に支えられており、該ばね支持部(28.1,39)が前記弁インサート(28)に結合されているかまたは前記弁体(30)に配置されていることを特徴とする、請求項9記載の電磁弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−104561(P2013−104561A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248912(P2012−248912)
【出願日】平成24年11月13日(2012.11.13)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】