説明

電磁成形用インダクター及びその製造方法

【課題】立体形状等の複雑な形状を有する成形材を高効率及び低コストで形成することができる電磁成形用インダクター及びその製造方法を提供する。
【解決手段】被成形体20を電磁成形する電磁成形用インダクター10は、絶縁体2によって被覆された導体(導線1)を巻回した電磁コイルを有し、電磁コイルはプレス成形により立体的な形状を有するように塑性変形により成形されたものである。また、電磁コイルは表面に絶縁樹脂3が含浸されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁気力により金属部材を成形する電磁成形用インダクター及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁気力を利用して金属部材を塑性加工する電磁成形は、板状及び管状等の多様な形状に対し柔軟に対応できるため、様々な分野に適用されている。この電磁成形は、高電圧で蓄えられた電荷を電磁成形用インダクターへ瞬時に放電し、そのインダクターの周囲に極めて短時間で強力な磁場を形成し、この磁場の中に被成形材を配置することにより、被成形材と電磁成形用インダクターとの間に強力な反発力を発生させ、そのインダクターと対をなす成形型に被成形材を押し付けて成形を行うものである。
【0003】
従来、電磁成形方法として種々の技術が知られている。例えば、特許文献1に開示された技術は、環状溝を有するスリーブ材の外周面にパイプ材を嵌合し、電磁コイルからの電磁気力によりパイプ材を変形させ、パイプ材とスリーブ材とを結合するというものである。また、特許文献2に開示された技術は、平板状のブランクを、コイルを平板状に配置したインダクターからの電磁気力により、凸部又は凹部を有する金型の表面に押しつけて、その金型形状に成形するというものである。また、特許文献3に開示された技術は、平板状の金属プレートを、ディッシュ状に凹んだ金型を使用してディッシュ状に電磁成形するに際し、コイルを平板状に配置したインダクター、又は3個のコイル部材を中央部が金型内に深く、周辺部が浅くなるように配置したインダクターにより電磁成形するというものである。
【0004】
また、特許文献4には、被成形材の表面形状に沿った形状のインダクターを、耐熱性及び絶縁性に優れ、また適度な柔軟性を備えた緩衝材料でモールディングすることにより、被成形材への密着性を向上すると共に、インダクターの変形を防止する方法が提案されている。また、特許文献5には、被成形材の形状に沿わせるために、断面形状が部分的に異なる導体を多数接続してインダクターを構成し、被成形材への密着性を向上する方法が提案されている。図7及び8は特許文献5に開示された立体形状を有するインダクターの模式的断面図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−252720号公報(図1)
【特許文献2】特開2004−130349号公報(図1、図2)
【特許文献3】特開2001−526963号公報(図1、図3、図10、図11)
【特許文献4】特開昭57−183001号公報
【特許文献5】特開平11−300535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術には以下に示すような問題点がある。
【0007】
一般に、電磁成形を行なうためには、被成形板と導体コイルとの間隔が近いことが好ましいが、特許文献1乃至3に示すように、インダクターが筒状又は平板状の場合、立体形状の被成形板の成形部位にインダクターが接近することができないという問題点がある。更に、成形部位と導体コイルとの間隔が一定でなくなるため、この間隔が大きい部分については電磁気力が効率的に作用せず、十分に成形できないという問題点がある。更にまた、成形部位と導体コイルとの間隔が大きい部分について、被成形板の全体を十分に成形するためには過大な電荷量を放電する必要があり、極めて非効率的である。なお、特許文献3においては、平板状の被成形板を3個のコイル部材の中央部が金型内に深く、周辺部が浅くなるように配置したインダクターにより、電磁成形する方法も提案されているが、この場合も平板状の被成形板との間で、コイルとの間隔が一定でないという問題点がある。即ち、これらの特許文献1乃至3に開示された従来技術においては、被成形板が平板状又は筒状の場合には適しているものの、被成形板が立体形状等の複雑な形状である場合、成形効率が低いという問題点がある。
【0008】
また、特許文献4に記載された技術では、インダクターが柔軟性を備えた緩衝材料でモールディングされているため、柔軟性を備えた緩衝材料ではインダクターを十分に保持することができず、被成形材に沿った曲面を有するよう形成することが難しいという問題点がある。更に、電磁成形時に受ける反発力によってインダクター自体が大きく変形し、繰り返し使用するのに適さないという問題点もある。
【0009】
また、特許文献5に開示された技術では、立体形状を有するインダクターを実際に製作する場合、被成形材の形状に沿わせるために、断面形状が部分的に異なる導体を多数接続してインダクターを構成することで、その接続に要する工程が多くなりインダクター構造が複雑化し、高コストになってしまう。また、接続が可能であったとしても、電磁成形に使用する際には導体へ瞬時に大電流が流れ、接続部分からのスパークによる過熱及び破断する可能性があり、また、電磁気力の反発力を導体自体が受けて振動するため、導体接合部が繰返し応力を受けることにより破壊の起点になりやすく、インダクターの耐久性が低いという問題点がある。
【0010】
また、このような異形断面形状の導体を使用せず、単純に同一断面形状の導体を使用して3次元形状のインダクターを作成する場合は、山形又は谷型の基材に導体を巻回していけばよいが、インダクター表面を3次元形状の被成形材に沿った曲面を有するように形成するためには、基材の表面仕上げを精密に行う必要があり、これも高コストの原因になる。また、所望の形状を有する凹部が形成された予成形板又はFRP(Fiber Reinforced Plastics)に対し、その凹部の形状に内接するように、絶縁体2によって被覆された導線1を内側から隣接する絶縁体2同士が接触するように渦巻き状に巻回することによって3次元的な形状を有するインダクターを形成することもでき、また段差を有する樹脂等に対し絶縁体2によって被覆された導線1を巻回することによっても円盤状の電磁コイルを形成することもできるが、導線1を立体的に巻回することは難しい。
【0011】
また、ホットプレスによって平面状の電磁コイルをプレス成形することによって3次元形状のインダクターを作成すると、加工後に局部的に張り出しが発生するためリストライクの必要がある。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高効率及び低コストで立体形状等の複雑な形状を有する成形材を得ることができる電磁成形用インダクター及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電磁成形用インダクターは、被成形体を電磁成形する電磁成形用インダクターにおいて、絶縁体によって被覆された導体を巻回した電磁コイルを有し、前記電磁コイルは、隣接する前記絶縁体同士が接触するように平板状に内側から巻回した後、プレス成形により立体的な形状に塑性変形させたものであり、前記電磁コイルの表面が露出した状態で絶縁性樹脂により保持されており、前記絶縁体には絶縁樹脂が含浸されていることを特徴とする。
【0014】
上述の電磁成形用インダクターは、前記電磁コイルと前記電磁コイルを保持する樹脂とが一体成形されていてもよい。
【0015】
本発明に係る第1の電磁成形用インダクターの製造方法は、絶縁体により被覆された導体を隣接する前記絶縁体同士が接触するように平面状でコイル状に内側から巻回して平板状コイルを形成する工程と、前記平板状コイルをプレス成形して立体的な形状に塑性変形により成形することによって電磁コイルを形成する工程と、前記電磁コイルの表面に絶縁樹脂を含浸する工程と、前記電磁コイルの表面が露出した状態で前記電磁コイルを絶縁性樹脂に埋め込む工程と、を有し、前記電磁コイルを埋め込む樹脂により前記電磁コイルが保持されることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る第2の電磁成形用インダクターの製造方法は、絶縁体に絶縁性樹脂が含浸されたプリプレグにより被覆された導体を隣接する前記絶縁体同士が接触するように平面状でコイル状に内側から巻回して平板状コイルを形成する工程と、前記平板状コイルをプレス成形して立体的な形状に塑性変形により成形することによって電磁コイルを形成する工程と、前記電磁コイルを加熱して前記樹脂同士を固着させる工程と、前記電磁コイルの表面が露出した状態で前記電磁コイルを絶縁性樹脂に一体成形する工程と、を有し、前記電磁コイルが一体成形された樹脂により前記電磁コイルが保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電磁成形用インダクターの表面が立体的な形状を有するよう成形されていることにより、所望の形状が立体形状等複雑な形状であっても精度良く成形することができ、また、電磁成形用インダクターに投入したエネルギーを被成形材に効率的に付加することができるため、高効率且つ低コストで電磁成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る電磁成形用インダクターを示す模式的上面図、(b)は同じく(a)のA−A線における模式的断面図である。
【図2】電磁成形用治具11を示す模式的断面図である。
【図3】(a)及び(b)は電磁成形用治具11により被成形材20を電磁成形する方法を示す模式的断面図である。
【図4】(a)乃至(d)は本発明の第1実施形態に係る電磁成形用インダクター10の製造方法を段階的に示す模式的断面図である。
【図5】(a)乃至(d)は本発明の第1実施形態に係る電磁成形用インダクター10の他の製造方法を段階的に示す模式的断面図である。
【図6】(a)は図5(a)に示す平板状コイルの周囲を帯状のプリプレグ2bで被覆したものを示す模式的断面図、(b)は図5(a)に示す平板状コイルの上下を板状のプリプレグ2cで挟持したものを示す模式的断面図である。
【図7】従来技術の電磁成形用インダクターを示す模式的断面図である。
【図8】従来技術の電磁成形用インダクターを示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1実施形態について説明する。図1(a)は本実施形態に係る電磁成形用インダクターを示す模式的上面図、図1(b)は(a)のA−A線における模式的断面図、図2は電磁成形用治具11を示す模式的断面図、図3(a)及び図3(b)は電磁成形用治具11により被成形材20を電磁成形する方法を段階的に示す模式的断面図、図4(a)乃至(d)は本実施形態に係る電磁成形用インダクター10の製造方法を段階的に示す模式的断面図、図5(a)乃至(d)は本実施形態に係る電磁成形用インダクター10の他の製造方法を段階的に示す模式的断面図、図6(a)は図5(a)に示す平板状コイルの周囲を帯状のプリプレグ2bで被覆したものを示す模式的断面図、図6(b)は図5(a)に示す平板状コイルの上下を板状のプリプレグ2cで挟持したものを示す模式的断面図である。
【0020】
図1(a)及び(b)に示すように、内部に冷媒通流孔4を有する中空状の導体(導線1)がガラステープ等の絶縁体2によって被覆され、この導線1が、内側から隣接する絶縁体2同士が接触するように平面状でコイル状に巻回され、これにより平板状コイルが形成されている。そして、この状態でプレス成形によって立体的な形状を有するように成形され、更に、その表面を絶縁樹脂3によって被覆されて、電磁コイルが形成されている。本実施形態においては、図1(b)に示すように、側面から見ると山形を有し、最内周において最もその高さが高く、最外周において最もその高さが低くなるように成形され、これにより、本実施形態に係る電磁成形用インダクター10が構成されている。
【0021】
電磁成形用インダクター10は、高電圧で蓄えられた電荷が瞬時に放電されたときに、周囲に極めて短時間で強力な磁場を形成する。電磁成形は、この磁場の中に金属部材である被成形材を配置することにより、被成形材と電磁成形用インダクター10との間に強力な反発力を発生させ、電磁成形用インダクター10と対をなす成形型に被成形材を押し付けて成形を行うものである。このとき、導線1内部の冷媒通流孔4に冷媒を供給することにより、電磁成形時の発熱による電磁成形インダクター10の過熱を抑制することができる。本実施形態において、電磁成形用インダクター10の表面形状は、被成形材の表面形状と同一になるよう形成されている(図示例では山形)。
【0022】
次に、上述の如く構成された本実施形態の電磁成形用インダクター10の動作について説明する。
【0023】
先ず、本実施形態の電磁成形用インダクター10によって電磁成形を行う電磁成形用治具11について説明する。電磁成形用インダクター10は、その表面が、被成形材20の表面形状と同一になるよう形成され、表面を露出した状態で絶縁性樹脂5に埋め込まれている。これにより、図2に示す電磁成形用治具11が構成されている。また、被成形材20を所望の形状に加工するため、成形面6aに所望の凹部(図示例では2個の溝部6b)が設けられ導電性を有する成形型6が、絶縁性樹脂5に埋め込まれた電磁成形用インダクター10と対向するように配置される。
【0024】
被成形材20を電磁成形するときは、先ず、図3(a)に示すように、被成形材20が成形型6と電磁成形用インダクター10との間に、双方に近接して配置される(ステップ1)。
【0025】
次に、図3(b)に示すように、電磁成形用インダクター10に高電圧で蓄えられた電荷を瞬時に放電することによって導線1に瞬発的な電流を流し、この電流によって電磁成形用インダクター10の周囲に極めて短時間で強力な磁場を形成する。すると、金属部材である被成形材20に誘導電流が発生し、この誘導電流と磁場との相互作用によって、被成形材20に対し、被成形材20を成形型6側に押し付ける向きに瞬発的な電磁気力が作用する。この瞬発的な電磁気力によって被成形材20が成形される。本実施形態においては成形型6に2個の溝部6bが設けられているため、被成形材20はこの2個の溝部6bに対応する部分に2個の凸部20cが形成される(ステップ2)。
【0026】
本実施形態に係る電磁成形用インダクター10は、その表面形状が被成形材20の表面形状と同一になるよう形成されていることにより、所望の形状が立体形状等複雑な形状であっても精度良く成形することができ、また、電磁気力を被成形材20に効率良く付加することができるため、高効率且つ低コストで電磁成形を行うことができる。
【0027】
次に、本実施形態に係る電磁成形用インダクター10の製造方法について説明する。
【0028】
先ず、図4(a)に示すように、ガラステープ等の絶縁体2によって被覆され、内部に冷媒通流孔4を有する中空状の導線1を内側から隣接する絶縁体2同士が接触するように平面状でコイル状に巻回し、平板状コイルを形成する。(ステップ1)。
【0029】
次に、図4(b)に示すように、平板状コイルを所望の形状(被成形材20の表面形状)に成形するために、所望の形状を有する凸部が形成された金型30bを下方に配置し、この凸部の上に平板状コイルを配置し、更にその上に、金型30bに設けられた凸部と対応する凹部が形成された金型30aを配置し、導線1及び導線1を被覆する絶縁体2を塑性変形させ、所望のインダクター形状が得られる適切な条件下においてプレス成形を行い(ステップ2)、更に、図4(c)に示すように、このプレス成形された立体形状コイルを樹脂含浸用型32a及び32bで挟み、この樹脂含浸用型32を真空槽33内に配置し(ステップ3)、樹脂タンク31より樹脂含浸用型32に樹脂を送り込むことによって導線1を被覆するガラステープ等の絶縁体2に樹脂3を含浸させて導体間及びインダクター全周を繊維強化樹脂で被覆し、これにより、図4(d)に示すように、所望の立体形状を有する電磁成形用インダクター10を得る(ステップ4)。
【0030】
本製造方法では、絶縁体2によって被覆された導線1を巻回して形成した電磁コイルに更なる導体間の絶縁性を確保するために、この円盤状の電磁コイルの表面に絶縁樹脂3を含浸させているが、これに限らず、電磁コイルの周囲に樹脂を充填し、これをインサート成形等によって一体成形を行うことによって絶縁性及び強度の高い電磁成形用インダクター10を得ることもできる。
【0031】
次に、本実施形態に係る電磁成形用インダクター10の他の製造方法について説明する。
【0032】
先ず、図5(a)に示すように、ガラステープ等の絶縁体に予め樹脂が含浸された帯状のプリプレグ2aを使用し、このプリプレグ2aによって導線1を被覆し、この導線1をコイル状に巻回し、平板状コイルを形成する(ステップ1)。更に、必要であれば、ステップ1の後に、図6(a)に示すように、平板状コイルの周囲を帯状のプリプレグ2bで被覆することもでき、また、図6(b)に示すように、板状のプリプレグ2cで平板状コイルの上下を挟持させることもできる。
【0033】
次に、図5(b)に示すように、前述のようにして形成された平板状コイルを所望の形状(被成形材20の表面形状)に成形するために、所望の形状を有する凸部が形成された金型30bを下方に配置し、この凸部の上に平板状コイルを配置し、更にその上に、金型30bに設けられた凸部と対応する凹部が形成された金型30aを配置し、平板状コイルを塑性変形させ、所望のインダクター形状が得られる適切な条件下においてプレス成形を行う(ステップ2)。
【0034】
次に、図5(c)に示すように、平板状コイルをオーブン34によって加熱することにより、樹脂同士を固着させ(ステップ3)、これにより、図5(d)に示すように、所望の立体形状を有する電磁成形用インダクター10を得る(ステップ4)。
【0035】
本実施形態に係る電磁成形用インダクター10の製造方法は、平板状コイルを、所望の形状を有する凸部が形成された金型30bと、この凸部と対応する凹部が形成された金型30aとで挟持してプレス成形を行うことによって立体形状に成形することにより、容易に且つ精度良く成形することができる。
【0036】
上述の製造方法によって得られた電磁成形用インダクター10を、その山形の表面を露出させた状態で、インサート成形等によって絶縁性樹脂5と一体成形することによって電磁成形用治具11を形成することもできる。これにより、耐久性の高い電磁成形用治具11を得ることができる。
【0037】
本実施形態においては、被成形材20が山形の形状を有する例を示したため、電磁成形用インダクター10の表面形状も山形の形状を有しているが、これに限らず、被成形材20の形状に沿ったあらゆる形状を有することができる。また、電磁成形用インダクター10の表面形状は必ずしも被成形材20の表面形状と同一である必要はなく、被成形材20と電磁成形用インダクター10との間隔が最大の部位においても電磁成形用インダクター10に放電する電荷量の範囲で加工可能であればよい。
【符号の説明】
【0038】
1 ; 導線(導体)
2 ; 絶縁体
2a、2b、2c; プリプレグ
3 ; 絶縁樹脂
4 ; 冷媒通流孔
5 ; 樹脂
6 ; 成形型
6a; 成形面
6b; 溝部
10 ; 電磁成形用インダクター
11 ; 電磁成形用治具
20 ; 被成形材
20c; 凸部
30a、30b; 金型
31 ; 樹脂タンク
32、32a、32b; 樹脂含浸用型
33 ; 真空槽
34 ; オーブン
41 ; ディスク
41a; ディスク表面
41b; 第2表面
41c; 半径方向内側ハブ
41d; 半径方向外側リム
42 ; 第1電磁コイル
42a; 第1フェース
42B; コイル半部
43 ; 第2電磁コイル
43a; 第2フェース
43B; コイル半部
44 ; 導体
44a; 中心チャンネル
45 ; フェースシート
45b; 裏当て
46 ; 残留圧縮層
F1、F2; 電磁力
47 ; ブレード
47a; エアーホイル
47c; エアーホイル前縁
47g; 吸引側
47h; 加圧側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被成形体を電磁成形する電磁成形用インダクターにおいて、絶縁体によって被覆された導体を巻回した電磁コイルを有し、前記電磁コイルは、隣接する前記絶縁体同士が接触するように平板状に内側から巻回した後、プレス成形により立体的な形状に塑性変形させたものであり、前記電磁コイルの表面が露出した状態で絶縁性樹脂により保持されており、前記絶縁体には絶縁樹脂が含浸されていることを特徴とする電磁成形用インダクター。
【請求項2】
前記電磁コイルと前記電磁コイルを保持する絶縁性樹脂とが一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁成形用インダクター。
【請求項3】
絶縁体により被覆された導体を隣接する前記絶縁体同士が接触するように平面状でコイル状に内側から巻回して平板状コイルを形成する工程と、前記平板状コイルをプレス成形して立体的な形状に塑性変形により成形することによって電磁コイルを形成する工程と、前記電磁コイルの表面に絶縁樹脂を含浸する工程と、前記電磁コイルの表面が露出した状態で前記電磁コイルを絶縁性樹脂に埋め込む工程と、を有し、前記電磁コイルを埋め込む樹脂により前記電磁コイルが保持されることを特徴とする電磁成形用インダクターの製造方法。
【請求項4】
絶縁体に絶縁性樹脂が含浸されたプリプレグにより被覆された導体を隣接する前記絶縁体同士が接触するように平面状でコイル状に内側から巻回して平板状コイルを形成する工程と、前記平板状コイルをプレス成形して立体的な形状に塑性変形により成形することによって電磁コイルを形成する工程と、前記電磁コイルを加熱して前記樹脂同士を固着させる工程と、前記電磁コイルの表面が露出した状態で前記電磁コイルを絶縁性樹脂に一体成形する工程と、を有し、前記電磁コイルが一体成形された樹脂により前記電磁コイルが保持されることを特徴とする電磁成形用インダクターの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−194473(P2011−194473A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99793(P2011−99793)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2006−202523(P2006−202523)の分割
【原出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(596150529)テクノ電気工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】