説明

電磁波イメージング装置

【課題】 検出用電磁波の時間波形の観測可能な時間幅を延長することが困難である。
【解決手段】 検出用電磁波とプローブ波とを、検出用電磁波の波面に対して、パルス状のプローブ波のパルス面を傾斜させて、電気光学結晶に入射させる。プローブ波のビーム断面を、検出用電磁波の波面とプローブ波のパルス面との交線方向に並ぶ複数の主走査単位領域に区分する。主走査単位領域ごとに、プローブ波のパルス面の、電気光学結晶への到達時刻を異ならせる。遅延装置が、プローブ波及び検出用電磁波の一方に対する他方の遅延時間を変化させる。遅延装置により遅延時間を異ならせて、検出用電磁波の複数の波形を取得し、取得された複数の波形の時間軸方向のずれに基づいて波形補正情報を求める。被測定物を測定することによって得られた波形データを、波形補正情報に基づいて補正することにより補正波形を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、2つの電磁波を用いる電磁波イメージング装置に関する。例えば、テラヘルツ電磁波を用いて対象物の非破壊検査を行う技術が知られている。
【背景技術】
【0002】
電磁波を用いて対象物を観察する方法が、種々知られている。例えば、可視光を用いて視認通りのデータを得る方法、X線を用いて視認できない内部の構造を観察する方法がある。
【0003】
テラヘルツ(THz)波は、周波数100GHz〜10THz、波長30μm〜3mmの領域に存在する電磁波であり、プラスチック、布、紙、半導体などを透過し、且つ物質固有の吸収スペクトルを有する。このため、テラヘルツ波を利用して、物性分析や検査、透視イメージングなどを行うことが可能であり、応用技術が開発されつつある。なお、テラヘルツ波領域に対しても、光軸、偏光子、検光子等、光に対する用語を用いることがある。
【0004】
非破壊で成分分析イメージングが可能なため、従来の内部透視手段(X線、超音波他)に替わる成分分析型内部透視手段として期待されている。最近のテロ対策や犯罪対策として、空港手荷物検査における爆発物(プラスチック爆弾、引火性液体他)、あるいは郵便封書内の禁止薬物(麻薬、覚醒剤他)、といった従来のX線検査では検出不可能であった測定対象に対して、特徴的なテラヘルツ帯域の吸収を利用したテラヘルツ分光イメージングの利用が提案されている。
【0005】
従来のテラヘルツ分光イメージングにおいては、テラヘルツ波(検出用電磁波)を被測定物内で線状に集光する。被測定物を透過した、または被測定物で反射したテラヘルツ波と、パルス状のプローブ波とを電気光学(EO)結晶に非共軸で入射させる。電気光学結晶を透過したプローブ波をデジタルカメラで撮像する。これにより、テラヘルツ波の時間波形がシングルショットで計測される。
【0006】
また、パルス状テラヘルツ波とパルス状のプローブ波とを電気光学(EO)結晶に共軸で入射させる手法も提案されている。この手法では、プローブ波の強度のピーク位置をつないだ面(パルス面)を、テラヘルツ波の波面に対して傾斜させている。プローブ波のパルス面をテラヘルツ波の波面に対して傾斜させることにより、非共軸の場合と同じ効果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2006/085403号
【特許文献2】特開2008−96210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の方法では、テラヘルツ波の時間波形を観測可能な時間幅が、プローブ波のパルス面と、テラヘルツ波の波面との交差角度に依存する。従って、観測可能な時間幅を延長することが困難である。観測可能な時間幅が長いイメージング装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によると、
電気光学結晶と、
パルス状の検出用電磁波を被測定物に照射し、該被測定物を透過した、または該被測定物で反射した検出用電磁波を、前記電気光学結晶に入射させる検出光学系と、
前記検出用電磁波の波面に対して、パルス状のプローブ波のパルス面を傾斜させて、該プローブ波を前記電気光学結晶に入射させるプローブ光学系と、
前記電気光学結晶を透過した前記プローブ波が入射する撮像装置と、
前記撮像装置で得られた画像を処理する処理装置と、
波形補正情報を記憶する記憶装置と、
を有し、
前記プローブ光学系または前記検出光学系は、前記プローブ波または前記検出用電磁波のビーム断面を、前記検出用電磁波の波面と前記プローブ波のパルス面との交線方向に並ぶ複数の主走査単位領域に区分する走査分割素子を含み、前記走査分割素子は、前記主走査単位領域ごとに、前記検出用電磁波の波面または前記プローブ波のパルス面の、前記電気光学結晶への到達時刻を異ならせ、
前記撮像装置の撮像面の前記主走査単位領域の各々において、前記交線方向と直交する方向が前記検出用電磁波の時間波形の時間軸に対応付けられ、
前記プローブ光学系または前記検出光学系は、前記プローブ波及び前記検出用電磁波の一方に対する他方の遅延時間を変化させる遅延装置を含み、
前記処理装置は、前記遅延装置により前記遅延時間を異ならせて、前記検出用電磁波及び前記プローブ波を、前記電気光学結晶に入射させて、前記撮像装置で複数の波形を取得し、取得された複数の波形の時間軸方向のずれに基づいて波形補正情報を求め、求められた波形補正情報を前記記憶装置に記憶させ、
さらに、前記処理装置は、被測定物を測定することによって得られた波形データを、前記記憶装置に記憶されている前記波形補正情報に基づいて補正することにより補正波形を求める電磁波イメージング装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
複数の主走査単位領域を配置することにより、時間波形を測定可能な時間幅を拡張することができる。波形補正情報を用いて波形の補正を行うことにより、走査分割素子の形状ばらつき等に起因する測定波形の誤差を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1Aは、参考例による電磁波イメージング装置の検出用電磁波とプローブ波との発生部の概略図であり、図1Bは、参考例による電磁波イメージング装置の概略図である。
【図2】図2は、実施例による電磁波イメージング装置の概略図である。
【図3】図3は、補償光学素子の斜視図である。
【図4】図4Aは、走査分割素子の斜視図であり、図4Bは、走査分割素子とプローブ波のパルス面との関係を示す図である。
【図5】図5Aは、撮像面の正面図であり、図5Bは、1つのセルの正面図であり、図5Cは、1つのセルで測定される検出用電磁波の時間波形の例を示すグラフである。
【図6】図6は、走査分割素子に形状のばらつきが発生した場合のプローブ波のパルス面の位置を示す図である。
【図7】図7Aは、走査分割素子に形状のばらつきが発生した場合に主走査単位領域の各々で測定される時間帯を示すグラフであり、図7Bは、主走査単位領域をx軸方向に連続させて得られる時間波形を示すグラフである。
【図8】図8Aは、遅延装置で遅延時間を異ならせて測定された複数の時間波形の一例を示すグラフであり、図8Bは、複数の時間波形のピーク部分を拡大したグラフである。
【図9】図9Aは、x座標と、ピークの間隔との関係の一例を示すグラフであり、図9Bは、x座標(時間軸方向の位置)と、修正量(時刻情報)との関係(波形補正情報)の一例を示すグラフである。
【図10】図10Aは、本来の波形と、補正前の測定波形データとを示すグラフであり、図10Bは、本来の波形と、修正後の波形データとを示すグラフである。
【図11】図11は、本来の波形、補正前の測定波形データ、補正後の波形データのスペクトルの一例を示すグラフである。
【図12】図12Aは、走査分割素子とパルス面との関係を示す側面図であり、図12Bは、走査分割素子とパルス面との関係を示す平面図である。
【図13】図13Aは、x座標と、ピークの間隔との関係の一例を示すグラフであり、図13Bは、x座標(時間軸方向の位置)と、修正量(時刻情報)との関係(波形補正情報)の一例を示すグラフである。
【図14】図14Aは、本来の波形と、補正前の測定波形データとを示すグラフであり、図14Bは、本来の波形と、修正後の波形データとを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例について説明する前に、テラヘルツ波とプローブ波とを非共軸で電気光学結晶に入射させる電磁波イメージング装置の動作原理について説明する。
【0013】
図1A及び図1Bに、テラヘルツ波とプローブ波とを非共軸で電気光学結晶に入射させる電磁波イメージング装置の概略図を示す。
【0014】
図1Aに示すように、レーザ光源20からフェムト秒レーザが出射される。レーザ光源20として、例えばスペクトラフィジックス株式会社製のフェムト秒レーザ発振器を用いることができる。一例として、このレーザ発振器から出射されるパルスレーザのパルスエネルギは1mJ、パルス幅は100fs、中心波長は800nm、パルスの繰り返し周波数は1kHzである。
【0015】
レーザ光源20から出射されたレーザビームがビームスプリッタ21で2つのレーザビームに分岐される。一方のレーザビームが、必要に応じてミラー22で光路調整され、パルス状のプローブ波31となる。他方のレーザビームが、テラヘルツ波発生結晶23に入射する。テラヘルツ波発生結晶23には、例えばZnTe電気光学結晶が用いられる。テラヘルツ波発生結晶23にレーザビームが入射すると、パルス状のテラヘルツ波(検出用電磁波)30が発生する。検出用電磁波30のスペクトルは、テラヘルツ帯域に広がっている。パルス状の検出用電磁波30のパルス幅は、1ps〜2psである。
【0016】
図1Bに示すように、検出用電磁波30の伝搬方向及びプローブ波31の伝搬方向の双方に平行な面をxz面とし、プローブ波31の進行方向をz軸の正の向きとするxyz直交座標系を定義する。検出用電磁波30をシリンドリカルレンズ32により、被測定物33の内部で線状に集光する。集光された線状領域は、y軸に平行である。検出用電磁波30が、被測定物33のy軸に平行な線状領域の情報を担う。被測定物33を透過した検出用電磁波30を、他のシリンドリカルレンズ32により平行光線束に戻す。y軸方向の線状領域の情報が、y軸及び検出用電磁波30の伝搬方向に垂直な方向に拡げられる。なお、検出用電磁波30が被測定物33を透過する構成に代えて、被測定物33で反射する構成としてもよい。
【0017】
被測定物33を透過した検出用電磁波30を電気光学結晶35に入射させる。電気光学結晶35は、被測定物33を透過した検出用電磁波30の電場による電気光学効果により複屈折変化を生じる。
【0018】
プローブ波31が、偏光子37を透過して直線偏光にされた後、検出用電磁波30とは非共軸の配置で、電気光学結晶35に斜め入射する。プローブ波31は、電気光学結晶35中で、検出用電磁波30の電場に起因する複屈折変化の影響を受ける。
【0019】
検出用電磁波30とプローブ波31とが非共軸で配置されているため、プローブ波31のパルス面48と検出用電磁波30の波面(等位相面)45とが交差する。両者の交線はy軸に平行である。ここで、パルス面とは、光強度のピーク位置を連ねる平面を意味する。本実施例においては、プローブ波31のパルス面45は、1つの等位相面に一致する。
【0020】
図1Bにおいて、実線で示した波面45は、破線で示した波面45よりも時間的に先行している。先行している波面45と、それに遅れている波面45とが、電気光学結晶35内において、x軸方向に関して異なる位置で、プローブ波31のパルス面48と交差する。このため、検出用電磁波30の時間波形が、プローブ波31のパルス面48のx軸方向に展開される。先行する波面ほど、x軸の負側でパルス面48と交差する。このため、プローブ波31のパルス面内に、x軸の正の向きに向かって時間が経過する波形が展開される。
【0021】
電気光学結晶35を透過したプローブ波31が、検光子38に入射する。検光子38は、偏光子37に対してクロスニコルの関係で配置されている。このため、検出用電磁波30によって誘起された複屈折変化の影響を受けた成分が顕在化される。検光子38を透過したプローブ波31が、レンズを含む撮像装置40に入射する。撮像装置40で撮像された2次元画像のx軸は、検出用電磁波30の時間波形の時間軸に対応する。2次元画像のy軸方向には、被測定物33内に集光された線状領域の長手方向(y軸方向)に関する空間情報が展開される。干渉分光法と同様に、検出用電磁波30の時間波形をフーリエ変換することによりスペクトルを得ることができる。
【0022】
検出用電磁波30が集光された線状領域の長手方向と、検出用電磁波30の伝搬方向とに直交する方向に関しては、被測定物33内の1ポイントのみしか計測できない。すなわち、1ショットの測定では、被測定物33内の1次元の情報しか得られない。線状領域に直交する方向に関する情報を得るには、被測定物33を移動させて、同様の測定を繰り返す必要がある。
【0023】
また、x軸方向に展開される時間波形の時間幅は、プローブ波31のx軸方向に関するビーム幅、及びプローブ波31のパルス面48と検出用電磁波30の波面とが交差する角度に依存する。検出用電磁波30の時間波形の測定可能な時間幅の上限は、プローブ波31のビーム幅、及び波面45とパルス面48との交差角に依存する。両者とも、無制限に大きくすることはできないため、測定可能な時間幅が制約される。以下に説明する実施例においては、被測定物33内の2次元の情報を得ることができ、測定可能な時間幅も、延長することが可能である。
【0024】
図2に、実施例による電磁波イメージング装置の概略図を示す。以下、図1A及び図1Bに示した電磁波イメージング装置との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。なお、図2に示した各構成要素には、図1A及び図1Bに示した対応する構成要素に付された参照符号と同一の参照符号が付されている。
【0025】
ビームスプリッタ21とテラヘルツ波発生結晶23との間の光路上に、遅延装置51が配置されている。遅延装置51は、プローブ波31に対する検出用電磁波30の遅延時間を変化させる事ができる。例えば、遅延装置51は、4枚のミラーを含む。ミラーを移動させて光路長を変化させることにより、遅延時間を変化させることができる。遅延装置51は、処理装置50からの制御を受けて、遅延時間を変化させる。
【0026】
レンズ32によって平行光線束とされた検出用電磁波30の光路内に、被測定物33が配置されている。このため、被測定物33の2次元面内に、検出用電磁波30が照射される。遅延装置51、テラヘルツ波発生結晶23、及びレンズ32が、検出光学系を構成する。
【0027】
偏光子37と電気光学結晶35との間のプローブ波31の光路上に、走査分割素子43及び補償光学素子47が配置されている。走査分割素子43は、プローブ波31のビーム断面を、y軸方向に並ぶ複数の主走査単位領域に区分する。図2には、1つの主走査単位領域の断面を示している。プローブ波31のパルス面48が電気光学結晶35に到達する時刻が、主走査単位領域ごとに異なる。走査分割素子43の構成及び機能の詳細については、後に図4A及び図4Bを参照して説明する。偏光子37、走査分割素子43、補償光学素子47、検光子38が、プローブ光学系を構成する。
【0028】
補償光学素子47は、プローブ波31のビーム断面を、x軸方向に並ぶ複数の補償単位領域49に区分する。補償単位領域49ごとに光路長に差が設けられている。このため、補償単位領域49ごとに、z軸方向に関してパルス面48の位置が異なる。
【0029】
図3に、補償光学素子47の斜視図を示す。補償光学素子47は、階段状に配置された複数の反射面47Aを含む。1つの反射面47Aが、1つの補償単位領域49に対応する。プローブ波31が、相互に高さの異なる反射面47Aで反射されることにより、補償単位領域49ごとに、光路長差が生じる。
【0030】
図2に示すように、相互に隣り合う補償単位領域49の間には、補償光学素子47の段差に対応して、プローブ波31が伝搬しない暗空間が画定される。実施例においては、補償単位領域49内のパルス面48が、同時に電気光学結晶35に到達するように、プローブ波31の光路長差が設定されている。検出用電磁波30は電気光学結晶35に垂直入射するため、その波面は、電気光学結晶35の表面に対して平行である。このため、補償単位領域49ごとに、プローブ波31のパルス面48と、検出用電磁波30の波面とが同期して、電気光学結晶35に達する。言い換えると、補償単位領域49ごとに、パルス面48が電気光学結晶35に到達する時刻と、検出用電磁波30の波面が電気光学結晶35に到達する時刻とのずれが補償される。
【0031】
撮像装置40によって撮像された2次元画像データが処理装置50に入力される。処理装置50は、遅延装置51を制御して、プローブ波31に対する検出用電磁波30の遅延時間を異ならせて、複数の2次元画像データを取得する。さらに、複数の2次元画像データに基づいて、波形補正情報を求める。求められた波形補正情報は、記憶装置55に記憶される。波形補正情報の必要性、求め方、及びその効果については、後に図5A〜図14Bを参照して説明する。
【0032】
図4Aに、走査分割素子43の斜視図を示す。同一形状の階段状ブロック44が、同一の姿勢でy軸方向に積み重ねられている。階段状ブロック44の各々は、階段状の斜面を有する。この斜面は、y軸に平行な蹴上面と、y軸に垂直な踏み面とで構成され、蹴上面が反射面として機能する。反射面で反射したプローブ波31の伝搬方向をz軸の正の向きとする。
【0033】
図4Bに、走査分割素子43のyz面に平行な断面図を、プローブ波31のパルス面48と共に示す。プローブ波31のビーム断面が、階段状ブロック44により複数のセル行58Rに区分される。複数のセル行58Rは、y軸方向に並び、1つの階段状ブロック44が1つのセル行58Rに対応する。セル行58Rの各々が、階段状ブロック44の反射面によって、y軸方向に並ぶ複数の主走査単位領域60に区分される。1つの反射面が、1つの主走査単位領域60に対応する。
【0034】
主走査単位領域60ごとにプローブ波31の光路長が異なるため、z軸方向に関するパルス面48の位置も、主走査単位領域60ごとに異なる。例えば、1つのセル行58R内において、y軸の正の側の主走査単位領域60ほど、パルス面48が遅れている。
【0035】
1つの主走査単位領域60に着目すると、図2に示したパルス面48と、検出用電磁波30の波面と、電気光学結晶35との位置関係が、図1に示したパルス面48と、検出用電磁波30の波面45と、電気光学結晶35との位置関係と等価である。このため、検出用電磁波30のパルスの時間波形が、主走査単位領域60内のx軸方向に展開される。
【0036】
図5Aに、撮像装置40(図2)の撮像面57の正面図を示す。撮像面57内に、複数の画素が行列状に配置されている。x軸方向を行方向とし、y軸方向を列方向とする行列状に、セル58が画定されている。各セル58は、複数の画素を含む。1つのセル行58Rが、1つの階段状ブロック44(図4B)に対応する。1つのセル列58Cが、補償単位領域49(図2)の1つの反射面47A(図3)に対応する。相互に隣り合うセル列58Cの間に、不使用領域59が画定されている。不使用領域59は、図2に示した補償単位領域49の間のプローブ波31が伝搬しない領域に対応する。
【0037】
図5Bに、1つのセル58の拡大図を示す。セル58内が、9個の主走査単位領域60に区分されている。1つの主走査単位領域60内に、複数の画素61が含まれる。例えば、x方向に14個の画素61が含まれ、y方向には、少なくとも1つの画素61が含まれる。画素61のx軸方向のピッチをd0とする。9個の主走査単位領域60を、それぞれy軸の負の側から正の向きに向かって符号S1〜S9で識別することとする。
【0038】
図4Bに示したように、1つのセル行58Rにおいて、y軸の正の側の主走査単位領域60のパルス面48が相対的に遅れているため、主走査単位領域S1からS9に向かって、相対的に遅い時間の波形が測定される。主走査単位領域60の各々においては、x軸の正の向きに向かって時間が経過する。
【0039】
相互に隣り合う主走査単位領域60のパルス面48が電気光学結晶35に到達する時刻の差を調節すると、主走査単位領域S1からS9でまで、時間的に連続した波形を測定することが可能になる。また、実施例においては、セル58の位置に対応する2次元面内の複数箇所の情報を、1ショットで測定することができる。
【0040】
図5Cに、測定される波形の一例を示す。主走査単位領域S1〜S9で測定された波形をx軸方向に繋ぎ合わせることにより、時間的に連続した1つの波形を得ることができる。1つの主走査単位領域60のx軸方向の画素数が14であるため、時間波形を繋ぎ合わせることにより、等間隔でサンプリングされた126個のデータからなる時間波形が得られる。サンプリング間隔は、プローブ波31のパルス面48と、検出用電磁波30の波面とのなす角度、及び画素ピッチに依存する。実施例においては、画素ピッチd0が、例えば0.1psに設定される。
【0041】
実施例においては、セル58の各々を9個の主走査単位領域60に区分しているため、主走査単位領域60に区分しない場合に比べて、波形の測定可能時間を9倍に拡張することができる。なお、1つのセル58内の主走査単位領域60の数は、9個に限らない。1つのセル59内に複数の主走査単位領域60を配置することにより、波形の観測可能時間を長くすることができる。
【0042】
図6に、階段状ブロック44の反射面の高さが設計値からずれた場合のパルス面の位置を示す。設計上のパルス面48Dを破線で示し、実際のパルス面48Rを実線で示す。一例として、主走査単位領域S1、S3、S5、S7、S9においては、実際のパルス面48Rは、設計上のパルス面48Dに一致する。主走査単位領域S2、S4、S6、S8においては、実際のパルス面48Rが、設計上のパルス面48Dより遅れている。
【0043】
図7Aに、検出用電磁波30の実際の時間波形の例と、各主走査単位領域S1〜S9で測定される部分との関係を示す。横軸はx軸を表し、縦軸は検出用電磁波30の電場の強度を表す。x軸の正の向きに時間が経過する。主走査単位領域S1、S3、S5、S7、S9では、設計通りの時間帯の波形が測定される。ところが、主走査単位領域S2、S4、S6、S8では、設計上の時間帯よりも遅れた時間帯の波形が測定される。
【0044】
図7Bに、主走査単位領域S1〜S9で得られた波形を、x軸上で繋ぎ合わせて得られる時間波形を示す。主走査単位領域S1〜S9が連続するように、測定された波形をx軸上で繋ぎ合わせると、主走査単位領域S2、S4、S6、S8内の波形は、本来の位置よりもx軸の負の向きにずれてしまう。このため、主走査単位領域の境界において、時間の連続性が保たれない。この波形をフーリエ変換しても、元の波形のスペクトルは得られない。例えば、物質固有の吸収ピークが消滅してしまい、指紋スペクトルの判別が不可能になる場合がある。
【0045】
図8A〜図9Bを参照して、波形補正情報を求める方法について説明する。
【0046】
図8Aに示すように、遅延装置51を操作してプローブ波31に対する検出用電磁波30の遅延時間を異ならせて、複数の時間波形を測定する。遅延時間変化の刻み幅は、図5Bに示した画素61のx軸方向のピッチd0に対応する時間、実施例においては0.1psと等しくする。時間軸方向の画素数である126個の波形が取得される。
【0047】
時間波形の特徴的な部分、例えば鋭いピークを示す部分が、遅延時間を長くするに従って、主走査単位領域S1のx座標の最小位置から、主走査単位領域S9のx座標の最大位置まで移動するように、遅延時間を調節することが好ましい。
【0048】
図8Bに、時間波形の特徴的な部分の拡大図を示す。4個の時間波形L1〜L4が得られている。波形L1においては、画素p2の位置に特徴的なピークが現れており、波形L2においては、画素p3の位置に特徴的なピークが現れている。波形L3においては、画素p5とp6との間の位置に特徴的なピークが現れており、波形L4においては、画素p6とp7との間の位置に特徴的なピークが現れている。
【0049】
波形L1のピークと波形L2のピークとの間隔をd1、波形L2のピークと波形L3のピークとの間隔をd2、波形L3のピークと波形L4のピークとの間隔をd3とする。複数の波形は、遅延時間の刻み幅を、画素ピッチd0に相当する時間幅0.1psに設定して測定しているため、間隔d1、d2、d3は、すべて時間幅0.1psに相当する。従って、理想的には、間隔d1、d2、d3は、すべて画素ピッチd0と等しくなるはずである。ところが、走査分割素子43の階段状ブロック44の製造上のばらつきにより、間隔d1、d2、d3が画素ピッチd0に等しくならない場合がある。
【0050】
図9Aに、測定された波形のピークの間隔と、x座標との対応関係の一例を示す。横軸はx座標を表し、縦軸はピークの間隔を表す。主走査単位領域S1〜S9の各々の内部においては、ピークの間隔が画素ピッチd0と等しい。主走査単位領域の境界部分において、ピークの間隔が画素ピッチd0からずれている。
【0051】
例えば、図6に示したように、主走査単位領域S1の実際のパルス面48Rと、主走査単位領域S2の実際のパルス面48Rとの間隔が、設計上の間隔より広がっている場合には、図7Bに示したように、主走査単位領域S2内の波形は、x軸上の本来の位置(図7A)よりもx軸の負の向きに平行移動している。このため、主走査単位領域S1とS2との境界部分で、ピークの間隔が画素ピッチd0より短くなる。このピークの間隔をd0−Δdとする。同様に、主走査単位領域S3とS4との境界、S5とS6との境界、S7とS8との境界においても、ピークの間隔が画素ピッチd0より短くなる。逆に、主走査単位領域S2とS3との境界、S4とS5との境界、S6とS7との境界、S8とS9との境界においては、ピークの間隔が画素ピッチd0より長くなる。このピークの間隔をd0+Δdとする。
【0052】
図9Bに、波形補正情報の一例を示す。波形補正情報は、x座標(時間軸方向の位置)に座標修正量(時刻情報)を対応付けた情報である。図9Bの横軸はx座標を表し、縦軸は座標の修正量を表す。修正量が0であるということは、x座標に、設計上の時刻が対応付けられることを意味する。修正量がΔdであるということは、当該x座標の波形データが、設計上の時刻よりもΔdに相当する時間だけ遅れた時刻における波形データであることを意味する。すなわち、図9Bの座標修正量は、x軸上の位置に対応付けられた時刻情報である。
【0053】
主走査単位領域S2、S4、S6、S8内の測定点のx座標を、x軸の正の方向にΔdだけずらせることにより、本来の波形を得ることができる。
【0054】
図10Aに、主走査単位領域S1とS2内の本来の波形と、測定点との一例を示す。実線が本来の波形を示し、中空の丸記号が測定点を示す。測定点は、画素ピッチd0で等間隔に配列している。主走査単位領域S2内において、実際に測定された強度が、本来の波形からずれている。
【0055】
図10Bに、波形補正後の測定点と、本来の波形との関係を示す。主走査単位領域S2内の測定点を、図9Bに示した波形補正情報に基づいて、x軸の正の方向にΔdだけずらしている。これにより、主走査単位領域S2内においても、測定点が本来の波形に一致する。主走査単位領域S1とS2との境界部分に位置する2つの測定点のx軸方向の間隔dmは、d0+Δdになる。主走査単位領域S1及びS2の内部の測定点のx軸方向の間隔は、画素ピッチd0に等しい。このように、補正後のサンプリング波形のサンプリング間隔は不均一になる。
【0056】
補正後の波形をフーリエ変換する場合には、サンプリング間隔が不均一の波形データから、スプライン補間によってサンプリング間隔が均一な波形データを求める。例えば、サンプリング間隔は0.1psとする。サンプリング間隔が均一な波形データの前後に、強度0のデータを追加して、合計のサンプリング数が1024個の波形データを生成する。これにより、時間窓102.4psの時間波形データが得られる。この時間波形データをフーリエ変換することにより、スペクトルを求めることができる。
【0057】
図11に、本来の検出用電磁波の時間波形をフーリエ変換して得られたスペクトルa0、図9Bに示した補正を行うべき時間波形の補正前の波形データをフーリエ変換して得られたスペクトルa1、及び波形補正後の波形データをフーリエ変換して得られたスペクトルa2を示す。本来のスペクトルa0には、周波数1.7THzの位置に、水蒸気による吸収ピークWVが現れているが、補正前のスペクトルa1では、この吸収ピークが消滅してしまっている。補正後のスペクトルa2には、この吸収ピークWVが現れている。このように、波形データを補正することにより、本来の吸収ピークを検出することが可能になる。
【0058】
記憶装置55(図2)に波形補正情報を格納した後は、他の被測定物33の測定を行う際に、記憶装置55に格納されている波形補正情報を用いて、測定された波形データを補正することができる。
【0059】
上記実施例では、走査分割素子43(図4A、図4B)の反射面が、平行度を保ったまま、高さ方向にずれる形状誤差が生じた場合について説明した。次に、反射面の平行度がずれた場合について説明する。
【0060】
図12Aに、走査分割素子43を構成する階段状ブロック44の側面を、実際のパルス面48Rと共に示す。反射面44Rに対応して、主走査単位領域S1〜S9が画定されている。y軸の正の側に配置される主走査単位領域ほど、パルス面48Rが遅れている。
【0061】
図12Bに、階段状ブロック44の平面図を、実際のパルス面48R、設計上のパルス面48Dと共に示す。反射面44Rの法線方向が、z軸の正の方向に対して、x方向の正または負の向きに傾いている。傾きの方向は、反射面44Rごとにばらついている。反射面44Rの傾きに応じて、実際のパルス面48Rが、設計上のパルス面48Dに対して傾斜する。このため、図2に示した検出用電磁波30の波面と、プローブ波31のパルス面48とのなす角度が、主走査単位領域49ごとに本来の角度からずれてしまう。この角度のずれにより、画素61(図5B)のピッチd0に対応する時間幅が、本来の時間幅0.1psからずれてしまう。
【0062】
図8Aに示したように、プローブ波31に対する検出用電磁波30の遅延時間を異ならせて、検出用電磁波30の複数の時間波形を測定する。
【0063】
図13Aに、複数の時間波形のピークの間隔と、x座標との関係を示す。パルス面48の傾斜に対応して、ピークの間隔が、画素ピッチd0からずれる。主走査単位領域S1、S5、S7、S8内において、ピークの間隔がd0+Δdになり、その他の主走査単位領域S2〜S4、S6、S9内において、ピークの間隔がd0−Δdになっているとする。ピークの間隔が、画素ピッチd0より広いということは、画素ピッチd0に対応する時間幅が、本来の時間幅0.1psより短いことを意味する。すなわち、サンプリング周期が0.1psより短くなる。逆に、ピークの間隔が、画素ピッチd0より狭いということは、画素ピッチd0に対応する時間幅が、本来の時間幅0.1psより長いことを意味する。すなわち、サンプリング周期が0.1psより長くなる。
【0064】
図13Bに、図13Aの測定結果から算出される波形補正情報の一例を示す。図13Bの横軸はx座標を表し、縦軸は座標の修正量を表す。主走査単位領域内で修正量は直線的に変化する。主走査単位領域S1、S4、S6〜S8内においては、x軸に対する修正量の傾きは負になり、主走査単位領域S2、S3、S5、S9内においては、x軸に対する修正量の傾きは正になる。
【0065】
図14Aに、主走査単位領域S1とS2内の本来の波形と、測定点とを示す。実線が本来の波形を示し、中空の丸記号が測定点を示す。測定点は、画素ピッチd0で等間隔に配列している。主走査単位領域S1、S2内において、測定点が、本来の波形からずれている。
【0066】
図14Bに、波形補正後の測定点と、本来の波形との関係を示す。図13Bに示した波形補正情報に基づいて、各測定点をx軸方向にずらす。これにより、測定点が、本来の波形とほぼ一致する。主走査単位領域S1内においては、測定点のx軸方向の間隔がd0−Δdになり、主走査単位領域S2内においては、測定点のx軸方向の間隔がd0+Δdになる。このように、補正後のサンプリング波形のサンプリング間隔は不均一になる。
【0067】
図9A〜図10Bの場合と同様に、補正後の波形から、スプライン補間によってサンプリング間隔が均一な波形データを求める。サンプリング間隔が均一な波形データの前後に、強度0のデータを追加して、合計のサンプリング数が1024個の波形データを生成する。この時間波形データをフーリエ変換することにより、スペクトルを求める。
【0068】
上記実施例では、図5Aに示したように、撮像面57に、複数行複数列のセル58を配置したが、その他の配置としてもよい。例えば、撮像面57のほぼ全域を1つのセル58としてもよいし、セル58を、1行複数列に配置してもよいし、複数行1列に配置してもよい。セル58を1列に配置する場合には、補償光学素子47は不要である。セル58を1行に配置する場合には、走査分割素子43を1つの階段状ブロック44で構成すればよい。
【0069】
上記実施例では、遅延装置51(図2)を、ビームスプリッタ21とテラヘルツ波発生結晶23との間の光路に配置したが、テラヘルツ波発生結晶23から電気光学結晶35までの間の検出用電磁波33の光路に配置してもよいし、プローブ波31の光路に配置してもよい。
【0070】
上記実施例では、走査分割素子43の加工ばらつきに起因する測定波形の形状のずれを補償する場合について説明したが、測定波形の形状のずれは、走査分割素子43の熱膨張による形状変化よって生じる測定波形の形状のずれを補償することも可能である。
【0071】
上記実施例では、電気光学結晶35(図2)に、検出用電磁波30を垂直入射させ、プローブ波31を斜め入射させたが、その逆に、検出用電磁波30を斜め入射させ、プローブ波31を垂直入射させてもよい。
【0072】
プローブ波31のビーム断面を、複数の補償単位領域49に区分する代わりに、検出用電磁波30のビーム断面を、複数の補償単位領域49に区分してもよい。検出用電磁波30のビーム断面を、複数の補償単位領域49に区分するには、補償光学素子47を検出用電磁波30の光路上に配置すればよい。プローブ波31のビーム断面を主走査単位領域60(図4B)に区分する代わりに、検出用電磁波30のビーム断面を主走査単位領域60に区分してもよい。検出用電磁波30のビーム断面を主走査単位領域60に区分するには、走査分割素子43を検出用電磁波30の光路上に配置すればよい。
【0073】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0074】
20 レーザ光源
21 ビームスプリッタ
22 ミラー
23 テラヘルツ波発生結晶
30 検出用電磁波(テラヘルツ波)
31 プローブ波
32 シリンドリカルレンズ
33 被測定物
35 電気光学結晶
37 偏光子
38 検光子
40 撮像装置
43 走査分割素子
44 階段状ブロック
44R 反射面
45 検出用電磁波の波面(等位相面)
47 補償光学素子
47A 反射面
48 プローブ波のパルス面
49 補償単位領域
50 処理装置
51 遅延装置
55 記憶装置
57 撮像面
58 セル
58R セル行
58C セル列
59 不使用領域
60 主走査単位領域
61 画素
S1〜S9で 主走査単位領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学結晶と、
パルス状の検出用電磁波を被測定物に照射し、該被測定物を透過した、または該被測定物で反射した検出用電磁波を、前記電気光学結晶に入射させる検出光学系と、
前記検出用電磁波の波面に対して、パルス状のプローブ波のパルス面を傾斜させて、該プローブ波を前記電気光学結晶に入射させるプローブ光学系と、
前記電気光学結晶を透過した前記プローブ波が入射する撮像装置と、
前記撮像装置で得られた画像を処理する処理装置と、
波形補正情報を記憶する記憶装置と、
を有し、
前記プローブ光学系または前記検出光学系は、前記プローブ波または前記検出用電磁波のビーム断面を、前記検出用電磁波の波面と前記プローブ波のパルス面との交線方向に並ぶ複数の主走査単位領域に区分する走査分割素子を含み、前記走査分割素子は、前記主走査単位領域ごとに、前記検出用電磁波の波面または前記プローブ波のパルス面の、前記電気光学結晶への到達時刻を異ならせ、
前記撮像装置の撮像面の前記主走査単位領域の各々において、前記交線方向と直交する方向が前記検出用電磁波の時間波形の時間軸に対応付けられ、
前記プローブ光学系または前記検出光学系は、前記プローブ波及び前記検出用電磁波の一方に対する他方の遅延時間を変化させる遅延装置を含み、
前記処理装置は、前記遅延装置により前記遅延時間を異ならせて、前記検出用電磁波及び前記プローブ波を、前記電気光学結晶に入射させて、前記撮像装置で複数の波形を取得し、取得された複数の波形の時間軸方向のずれに基づいて波形補正情報を求め、求められた波形補正情報を前記記憶装置に記憶させ、
さらに、前記処理装置は、被測定物を測定することによって得られた波形データを、前記記憶装置に記憶されている前記波形補正情報に基づいて補正することにより補正波形を求める電磁波イメージング装置。
【請求項2】
前記波形補正情報は、前記主走査単位領域内の前記時間軸方向に関する位置に対応付けられた時刻情報を含む請求項1に記載の電磁波イメージング装置。
【請求項3】
前記処理装置は、
補正することによってサンプリング間隔が等間隔ではなくなった前記補正波形を、サンプリング間隔が等間隔の時間波形に修正し、修正後の時間波形をフーリエ変換する請求項2に記載の電磁波イメージング装置。
【請求項4】
さらに、前記プローブ光学系または前記検出光学系は、前記プローブ波または前記検出用電磁波のビーム断面を、前記検出用電磁波の波面と前記プローブ波のパルス面との交線方向と直交する方向に並ぶ複数の補償単位領域に区分する補償光学素子を含み、
前記複数の補償単位領域において、前記プローブ波のパルス面と前記検出用電磁波の波面とが同期して前記電気光学結晶に達する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電磁波イメージング装置。
【請求項5】
前記走査分割素子は、前記検出用電磁波または前記プローブ波のビーム断面を、前記検出用電磁波の波面と前記プローブ波のパルス面との交線方向に並ぶ複数のセルに区分し、
前記セルの各々に、前記複数の主走査単位領域が画定されており、前記複数のセルが、同一時間帯の前記検出用電磁波の波形データを測定するように、前記走査分割素子が構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁波イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−88375(P2013−88375A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231430(P2011−231430)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】