説明

電磁石装置及び電磁継電器

【課題】くま取りコイルの誤った装着を防止することができる電磁石装置及び電磁継電器を提供する。
【解決手段】電磁石装置14によれば、くま取りコイル39が鉄心38の第2頭部55に装着された状態において、第1頭部54は、鉄心38の長手方向に直交する方向にくま取りコイル39の受け入れ孔57よりも大きい寸法を有する。その結果、くま取りコイル39が第1頭部54に装着されようとしても、第1頭部54は受け入れ孔57の外側でくま取りコイル39に干渉する。受け入れ孔57は第1頭部54を受け入れることはできない。その結果、電磁石装置14では、くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁石装置、及び、当該電磁石装置を備える交流形の電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁継電器には、接点部を開閉する電磁石装置が組み込まれる。電磁石装置は、電磁石と、電磁石の磁気吸引力によって電磁石に接触する接極子と、を備える。電磁石は、その軸心に沿って長手方向に延びる円柱状の鉄心と、鉄心を受け入れる巻枠と、巻枠に巻き付けられるコイルと、を備える。巻枠の外側で鉄心の頭部には、磁気吸引力がその脈動によって不十分となることを防止するために環状の短絡コイルすなわちくま取りコイルが嵌め込まれる。
【0003】
鉄心の頭部は、その長手方向に直交する方向に延びる溝によって第1頭部と第2頭部とに分割される。くま取りコイルは、当該くま取りコイルに形成される受け入れ孔に第2頭部を受け入れることによって第2頭部に装着される。こうしてくま取りコイルは、溝の内周面を含む第2頭部の外周面に沿って環状に延びる。くま取りコイルの効果を最適にするため、前記長手方向に直交する方向に溝の位置を第1頭部側にずらすことによって、第2頭部の断面積は第1頭部の断面積よりも大きく設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−164147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1頭部と第2頭部とは鉄心の軸心に対して相互にほぼ軸対称に配置される。しかも、断面積の差はそれほど大きくない。その結果、第1及び第2頭部の輪郭はほぼ同一の形状に形成される。しかも、断面積の差によって第1頭部は第2頭部よりも小さく形成されることから、くま取りコイルの受け入れ孔は第1頭部を受け入れることが可能である。従って、くま取りコイルが誤って第1頭部に嵌め込まれてしまうことがあり、この場合に電磁継電器が作動しない結果を生じる。
【0006】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであって、くま取りコイルの誤った装着を防止することができる電磁石装置及び電磁継電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
コイルが巻き付けられる筒状の巻枠と、
前記巻枠内に収容されて長手方向に延びる鉄心胴部と、
前記鉄心胴部から前記長手方向に延びて前記巻枠外に配置される鉄心頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記長手方向に直交する断面において第1断面積を有する第1頭部と、
前記鉄心頭部を形成して前記第1頭部に平行に延び、前記長手方向に直交する断面において第1断面積よりも大きな第2断面積を有する第2頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記第1頭部と前記第2頭部との間に形成されて前記長手方向に直交する方向に直線的に延びる溝と、
前記第2頭部を受け入れる受け入れ孔を有し、当該受け入れ孔に前記第2頭部を受け入れて前記溝に嵌め込まれることによって前記第2頭部に装着される環状のくま取りコイルと、を備え、
前記くま取りコイルが前記第2頭部に装着された状態において、前記第1頭部は、前記長手方向に直交する方向に前記受け入れ孔よりも大きい寸法を有する電磁石装置が提供される。
【0008】
こうした電磁石装置では、前記長手方向に直交する断面において、前記鉄心頭部の第1輪郭は前記鉄心胴部の第2輪郭より大きく形成され、前記鉄心頭部は前記鉄心胴部の外周面から外側に広がって前記鉄心胴部との間に段差を形成する。この場合、前記第1輪郭は前記第2輪郭と相似形であってよい。また、前記鉄心胴部は円柱形状又は角柱形状であってよい。こういった電磁石装置は電磁継電器に組み込まれる。
【0009】
また、本発明によれば、
コイルが巻き付けられる筒状の巻枠と、
前記巻枠内に収容されて長手方向に延びる鉄心胴部と、
前記鉄心胴部から前記長手方向に延びて前記巻枠外に配置される鉄心頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記長手方向に直交する断面において第1断面積を有する第1頭部と、
前記鉄心頭部を形成して前記第1頭部に平行に延び、前記長手方向に直交する断面において第1断面積よりも大きな第2断面積を有する第2頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記第1頭部と前記第2頭部との間に形成されて前記長手方向に直交する方向に延びる溝と、
前記第2頭部を受け入れる受け入れ孔を有し、当該受け入れ孔に前記第2頭部を受け入れて前記溝に嵌め込まれることによって前記第2頭部に装着される環状のくま取りコイルと、
前記巻枠に形成されて、前記長手方向に直交する方向に前記鉄心胴部から外側に広がる鍔部と、
前記鍔部に形成される突起と、を備え、
前記くま取りコイルが前記第2頭部に装着される場合に、前記突起は前記くま取りコイルに対して第1位置に配置され、前記くま取りコイルが前記第1頭部に装着される場合に、前記突起は前記くま取りコイルに対して前記第1位置と異なる第2位置に配置される電磁石装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コイルが巻き付けられる筒状の巻枠と、
前記巻枠内に収容されて長手方向に延びる鉄心胴部と、
前記鉄心胴部から前記長手方向に延びて前記巻枠外に配置される鉄心頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記長手方向に直交する断面において第1断面積を有する第1頭部と、
前記鉄心頭部を形成して前記第1頭部に平行に延び、前記長手方向に直交する断面において第1断面積よりも大きな第2断面積を有する第2頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記第1頭部と前記第2頭部との間に形成されて前記長手方向に直交する方向に屈曲しつつ延びる溝と、
前記第2頭部を受け入れる受け入れ孔を有し、当該受け入れ孔に前記第2頭部を受け入れて前記溝に嵌め込まれることによって前記第2頭部に装着される環状のくま取りコイルと、を備える電磁石装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上のような構成によれば、くま取りコイルが鉄心の第2頭部に装着された状態において、第1頭部は、鉄心の長手方向に直交する方向にくま取りコイルの受け入れ孔よりも大きい寸法を有する。その結果、くま取りコイルが第1頭部に装着されようとした場合に、第1頭部は受け入れ孔の外側でくま取りコイルに干渉する。受け入れ孔は第1頭部を受け入れることはできない。その結果、電磁石装置では、くま取りコイルが第1頭部に誤って装着されることを防止することができる。
【0012】
また、以上のような構成によれば、くま取りコイルが鉄心の第2頭部に装着される場合に、突起はくま取りコイルに対して第1位置に配置される。その一方で、くま取りコイルが第1頭部に装着されようとした場合に、突起はくま取りコイルに対して第1と異なる第2位置に配置される。その結果、くま取りコイルに対する突起の位置が異なることによって、くま取りコイルが鉄心に誤って装着されたことを確認することができる。従って、くま取りコイルが第1頭部に誤って装着されることを防止することができる。
【0013】
またさらに、以上のような構成によれば、くま取りコイルが第1頭部に装着されようとした場合、溝が屈曲する方向と溝に受け入れられるくま取りコイルの一部が屈曲する方向とは逆に設定される。その結果、くま取りコイルの装着にあたって第2頭部は受け入れ孔の外側でくま取りコイルに干渉する。受け入れ孔は第1頭部を受け入れることはできない。その結果、電磁石装置では、くま取りコイルが第1頭部に誤って装着されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の構造を概略的に示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電磁継電器の構造を概略的に示す側面図である。
【図5】本発明の第1具体例に係る電磁石装置の構造を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明の第1具体例に係る電磁石装置の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第1具体例に係る電磁石装置を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明の第1具体例に係る電磁石装置の鉄心及びくま取りコイルの構造を概略的に示す正面図である。
【図9】第1頭部にくま取りコイルが装着される様子を概略的に示す正面図である。
【図10】本発明の第2具体例に係る電磁石装置の鉄心及びくま取りコイルを概略的に示す正面図である。
【図11】第1頭部にくま取りコイルが装着される様子を概略的に示す正面図である。
【図12】本発明の第3具体例に係る電磁石装置の鉄心及びくま取りコイルを概略的に示す正面図である。
【図13】第1頭部にくま取りコイルが装着される様子を概略的に示す正面図である。
【図14】本発明の第4具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す斜視図である。
【図15】本発明の第4具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す正面図である。
【図16】本発明の第5具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す斜視図である。
【図17】本発明の第5具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す正面図である。
【図18】本発明の第6具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す斜視図である。
【図19】本発明の第6具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す正面図である。
【図20】本発明の第7具体例に係る電磁石装置を概略的に示す斜視図である。
【図21】鉄心の第2頭部にくま取りコイルが正常に装着された様子を概略的に示す正面図である。
【図22】鉄心の第1頭部にくま取りコイルが誤って装着された様子を概略的に示す正面図である。
【図23】鉄心の第2頭部にくま取りコイルが正常に装着された様子を概略的に示す正面図である。
【図24】本発明の第8具体例に係る電磁石装置の鉄心を概略的に示す正面図である。
【図25】本発明の第8具体例に係る電磁石装置の鉄心及びくま取りコイルを概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、均等な構成を有する構成要素には各図において同一の参照符号が付される。図1は本発明の一実施形態に係る電磁継電器10の構造を概略的に示す斜視図である。この電磁継電器10は、例えば直方体形状の輪郭を有するケース11を備える。ケース11は、例えば電気絶縁性を有する樹脂材料から一体成形によって形成される。ケース11の底面には開口12が形成される。開口12を介してケース11内に後述の構成部品が受け入れられる。開口12内では複数の端子が外側に突き出る。
【0016】
図2は本発明の一実施形態に係る電磁継電器10の構造を概略的に示す斜視図である。図3は本発明の一実施形態に係る電磁継電器10の分解斜視図である。図4は本発明の一実施形態に係る電磁継電器10の構造を概略的に示す側面図である。図2及び図4ではケース11の図示が省略されている。図2〜図4に示されるように、電磁継電器10は、ケース11内に配置されてケース11に固定される基部すなわちベースブロック13を備える。ベースブロック13は、その底面でケース11の開口12を塞ぐ。ベースブロック13は、例えば電気絶縁性を有する樹脂材料から一体成形によって形成される。
【0017】
電磁継電器10は、ベースブロック13に組み込まれる電磁石装置14と、電磁石装置14から電気的に絶縁されてベースブロック13に組み込まれる接点部15と、ベースブロック13上にスライド移動自在に支持されるスライド部材16と、を備える。接点部15は、接点部15を開ける開位置と接点部15を閉じる閉位置との間でスライド移動するスライド部材16の働きで開閉動作する。スライド部材16はケース11の長手方向に長尺に延びる。ベースブロック13は、電磁石装置14の一部を収容する有底孔を有する筒状体17と、筒状体17に一体的に形成されて接点部15を確立する支持体18と、を有する。筒状体17はほぼ直方体形状の輪郭を有する。
【0018】
接点部15は、筒状体17に隣接してケース11の長手方向に配列される第1及び第2固定接点部材21、22と、第1及び第2固定接点部材21、22の間に配置される可動接点部材23と、を有する。支持体18には、これらの接点部材21、22、23を個別に受け入れる複数の受け入れ溝24が形成される。筒状体17は電磁石装置14と接点部15との間で電気的絶縁を確保する。第1及び第2固定接点部材21、22は、例えば銅板から所定の形状に打ち抜かれた導電板部材から形成される。可動接点部材23は、例えばばね用燐青銅の薄板から打ち抜かれたばね板から形成される。可動接点部材23は、スライド部材16のスライド移動に基づき、支持体18によって支持される支持領域を支点に撓むことができる。
【0019】
第1及び第2固定接点部材21、22はそれぞれ、相互に離間して対向するブレーク固定接点25及びメーク固定接点26を有する。その一方で、可動接点部材23は、ブレーク固定接点25とメーク固定接点26との間に配置される可動接点27を有する。可動接点27は、スライド部材16が閉位置に位置決めされる時にメーク固定接点26に接触し、スライド部材16が開位置に位置決めされる時にブレーク固定接点25に接触する。第1及び第2固定接点部材21、22並びに可動接点部材25はそれぞれ、ベースブロック13の底面から相互に平行に突き出る接点端子28を有する。
【0020】
図3から明らかなように、電磁石装置14は、電磁石31と、電磁石31によって駆動される接極子32と、を有する。電磁石31は、巻枠33と、巻枠33に巻き付けられて巻枠33に支持されるコイル34と、を備える。図5は本発明の第1具体例に係る電磁石装置14の斜視図である。図6は本発明の第1具体例に係る電磁石装置14の分解斜視図である。図7は、本発明の第1具体例に係る電磁石装置14の断面図である。図5〜図7を併せて参照すると、巻枠33は、中空筒状の胴部35と、胴部35の長手方向両端に形成されて胴部35の外周面から外側に環状に広がる第1及び第2鍔部36、37と、を有する。コイル34は、第1及び第2鍔部36、37の間で胴部35に所定の長さで密に巻き付けられる。巻枠33は電気絶縁性の樹脂成形品から形成される。
【0021】
図7から明らかなように、電磁石31は、巻枠33の胴部35内に収容されて長手方向に延びる鉄心38を備える。長手方向に規定される鉄心38の一端は第1鍔部36から外側に突き出る一方で、長手方向に規定される鉄心38の他端は第2鍔部37から外側に突き出る。電磁石31は、鉄心38の一端に装着されて胴部35の外側に配置される短絡コイルすなわちくま取りコイル39と、鉄心38の他端に例えばかしめにより連結される継鉄41と、を備える。継鉄41は例えばL字形状の平板から形成される。継鉄41は、第2鍔部37に沿って広がった後に折れ曲がり、コイル34から所定の間隔を空けて胴部35に平行に広がる。鉄心38及び継鉄41は磁性鋼から形成される。くま取りコイル39は銅から形成される。
【0022】
図3から明らかなように、胴部35に平行に延びる継鉄41の末端には、鉄心38の長手方向に直交する方向に延びつつベースブロック13の底面に平行に延びる揺動軸線回りで接極子32が揺動自在に連結される。接極子32は、磁性鋼から形成される平板から形成される。接極子32は、板ばね42を介して継鉄41に弾性的に相対移動可能に連結される。図4から明らかなように、板ばね42は、鉄心38の一端及びくま取りコイル39に対向して配置される。板ばね42は、継鉄41と接極子32との間で弾性ヒンジとして機能する。その結果、板ばね42は、そのばね作用によって鉄心38の一端及びくま取りコイル39から離れる方向に接極子32を付勢している。
【0023】
電磁石31の非作動時、接極子32はその下端で板ばね42の弾性力を受けて継鉄41の末端に当接する。その結果、接極子32は、鉄心38の一端及びくま取りコイル39から所定の距離にわたって離隔した離隔位置に静止して保持されている。その一方で、電磁石31の作動時、鉄心38の磁気吸引力によって接極子32は、継鉄41の末端との当接位置に規定される揺動軸線回りで鉄心38の一端に向かって、板ばね42のばね力に抗して揺動する。その結果、接極子32は鉄心38の一端の端面に吸着する。こうしてコイル34の周囲で鉄心38、継鉄41及び接極子32で磁束の流路が確立される。接極子32は接触位置に保持される。
【0024】
継鉄41に当接する下端とは反対側の接極子38の上端に突片43が形成される。突片43は、長尺方向に規定される前述のスライド部材16の一端に形成される係止孔44に受け入れられる。こうして接極子38はスライド部材16に連結される。スライド部材16は、例えば電気絶縁性の樹脂材料から形成されるほぼ矩形の枠体から形成される。長尺方向に規定されるスライド部材16の他端には前述の可動接点部材23が連結される。図2から明らかなように、スライド部材16の他端に形成される1対の突部45、45が、可動接点部材23の自由端に形成される1対の係合孔46、46に係合する。接極子32の前述の揺動によってベースブロック13の底面に平行な方向にベースブロック13上でスライド部材16の往復移動が実現される。
【0025】
ここで、電磁継電器10の動作を説明する。電磁石31の非作動時、接極子32は、図4に示す離隔位置に配置される。この離隔位置では、前述のように、接極子32は、板ばね42のばね力によって鉄心38の一端から所定の距離にわたって離隔した状態にある。このとき、スライド部材16は、その往復移動範囲の一方の限界位置に置かれる。その結果、可動接点部材23の可動接点27が、第1固定接点部材21のブレーク固定接点25に導通接触して、ブレーク接点が閉成される。その一方で、可動接点27は、第2固定接点部材21のメーク固定接点26から離隔して配置されている。
【0026】
その一方で、電磁石31が作動すると、鉄心38から接極子32に作用する磁気吸引力によって接極子32は板ばね42のばね力に抗して鉄心38の一端に向かって揺動する。この揺動によってスライド部材16はその往復移動範囲の他方の限界位置に向かって移動する。このスライド部材16の移動に応じて可動接点部材25は弾性的に撓んでいく。接極子32が鉄心38に吸着すると、スライド部材16は他方の限界位置に到達する。その結果、可動接点27は、ブレーク固定接点25から離隔されるとともにメーク固定接点26に導通接触して、メーク接点が閉成される。こうして接点部15で開閉動作が実現される。
【0027】
巻枠33は、支持体18とは反対側で第1鍔部36に一体的に形成される支持部47を有する。支持部47は、第1鍔部36に隣接してくま取りコイル38を受け止める台座48と、台座48から胴部35の長手方向に突き出る1対の突部49、49と、を有する。図3から明らかなように、台座48の下側には継鉄41の末端が配置される。電磁継電器10の長手方向に鉄心38の一端と継鉄41の末端とは同一の位置に配置される。突部49、49にはそれぞれコイル端子51、51が支持される。コイル端子51、51には前述のコイル34が接続される。コイル端子51、51はベースブロック13の底面から外側に突き出る。
【0028】
図8は本発明の第1具体例に係る電磁石装置14の構造を概略的に示す鉄心38及びくま取りコイル39の正面図である。前述の図5〜図7に加えて、図8を併せて参照すると、鉄心38は、当該鉄心38の長手方向に沿って胴部35内に収容される鉄心胴部52と、鉄心胴部52の一端から鉄心38の長手方向に延びて胴部35の外側に配置される鉄心頭部53と、を備える。鉄心頭部53は鉄心胴部52に一体的に形成される。鉄心頭部53には前述のくま取りコイル39が装着される。鉄心胴部52の他端には前述の継鉄41が連結される。この具体例では、鉄心胴部52から鉄心頭部53まで鉄心38は同一の輪郭を有する。
【0029】
図6から明らかなように、鉄心38は四角柱形状に形成される。鉄心38の長手方向に直交する鉄心38の断面は台形形状を有する。鉄心頭部53は、鉄心胴部52から鉄心38の長手方向に相互に平行に延びる第1頭部54及び第2頭部55を備える。第1及び第2頭部54、55の先端面は磁極面を構成する。第1及び第2頭部54、55の内向き面同士は相互に平行に広がる。第1及び第2頭部54、55の間には溝56が形成される。溝56は、鉄心38の長手方向に直交する方向に延在する。同時に、溝56は、ベースブロック13の底面に平行な方向に直線的に延びる。溝56の延在方向に直交する方向に規定される溝56の幅は、溝56の延在方向において一定に設定される。第1及び第2頭部54、55は溝56を挟んで相互に対向する。その一方で、巻枠33の胴部35は、鉄心38の形状に対応して角柱形状に形成される。
【0030】
くま取りコイル39は例えばほぼ直方体形状の平板から形成される。くま取りコイル39には、その一方の側面から他方の側面まで貫通する受け入れ孔57が形成される。受け入れ孔57は、第2頭部55の輪郭と同様の空間を区画する。こうして受け入れ孔57が第2頭部55を受け入れることによってくま取りコイル39は第2頭部55に装着される。くま取りコイル39は溝56内に嵌め込まれる。その一方で、巻枠33の台座48の上端には、第1頭部54を受け入れる窪み58が形成される。鉄心38が胴部53内に収容されると、第1頭部54は窪み58内に嵌め込まれる。このとき、くま取りコイル39は台座48上で直立する。くま取りコイル39は他方の側面で第1鍔部36の外向き面に受け止められてもよく、他方の側面と第1鍔部36の外向き面との間に僅かな隙間が形成されてもよい。
【0031】
図8に示されるように、鉄心頭部53では、鉄心38の長手方向に直交する断面において、第1頭部54の第1断面積S1よりも第2頭部55の第2断面積S2の方が大きく設定される。こうした断面積の差によってくま取りコイル39は正常に機能することができる。その一方で、くま取りコイル39が鉄心頭部53に装着された状態において、鉄心38の長手方向に直交するとともに溝56の延在方向に平行な第1方向D1に規定される第1頭部54の寸法d1は、同様に規定される第2頭部55すなわち受け入れ孔57の寸法d2よりも大きく設定される。ここでは、寸法d1、d2は、鉄心38の長手方向に直交するとともに溝56の延在方向に平行な方向に規定される寸法の「最大値」を意味する。
【0032】
以上のような電磁継電器10では、第1方向D1に規定される第1頭部54の寸法d1は、同様に第1方向D1に規定される受け入れ孔57の寸法d2よりも大きく設定される。その結果、くま取りコイル39が第1頭部54に装着されようとしても、図9に示されるように、第1頭部54は受け入れ孔57の外側でくま取りコイル39の側面に干渉する。受け入れ孔57は第1頭部54を受け入れることはできない。その結果、電磁石装置14では、くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。しかも、巻枠33の胴部35は鉄心38と同様に四角柱形状を有することから、胴部35内で胴部35の長手方向に延びる回転軸線回りで鉄心38の回転は規制される。常に正常な向きで巻枠33内に鉄心38を収容することができる。
【0033】
図10は本発明の第2具体例に係る電磁石装置14の鉄心38及びくま取りコイル39を概略的に示す正面図である。この電磁石装置14では、鉄心38は三角柱形状に形成される。巻枠33の胴部35は鉄心38に対応して三角柱形状に形成される。前述と同様に、第1方向D1に規定される第1頭部54の寸法d1は、同様に第1方向D1に規定される受け入れ孔57の寸法d2よりも大きく設定される。こうした構成によれば、くま取りコイル39が第1頭部54に装着されようとしても、図11に示されるように、第1頭部54は受け入れ孔57の外側でくま取りコイル39の側面に干渉する。その結果、くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。しかも、巻枠33の胴部35は鉄心38と同様に三角柱形状を有することから、胴部35内で胴部35の長手方向に延びる回転軸線回りで鉄心38の回転は規制される。
【0034】
図12は本発明の第3具体例に係る電磁石装置14の鉄心38及びくま取りコイル39を概略的に示す正面図である。この電磁石装置14では、鉄心38は第1具体例と同様に四角柱形状を有するものの、鉄心38の長手方向に直交する断面は逆台形形状を有する。この電磁石装置14では、鉄心38の長手方向に直交するとともに溝56の延在方向に直交する第2方向D2に規定される第1頭部54の寸法d1は、同様に規定される第2頭部55すなわち受け入れ孔57の寸法d2よりも大きく設定される。ここでは、寸法d1、d2は、胴部35の長手方向に直交するとともに溝56の延在方向に直交する方向に規定される寸法の「最大値」を意味する。
【0035】
こうした構成によれば、くま取りコイル39が第1頭部54に装着されようとしても、図13に示されるように、第1頭部54は受け入れ孔57の外側でくま取りコイル39の側面に干渉する。受け入れ孔57は第1頭部54を受け入れることはできない。その結果、電磁石装置14では、くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。しかも、巻枠33の胴部35は鉄心38と同様に四角柱形状を有することから、胴部35内で鉄心38の長手方向に延びる回転軸線回りで鉄心38の回転は規制される。常に正常な向きで巻枠33内に鉄心38を収容することができる。
【0036】
図14は本発明の第4具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す斜視図である。図15は本発明の第4具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す正面図である。この電磁石装置14では、鉄心38の長手方向に直交する断面において、鉄心頭部53の第1輪郭を特定する輪郭線P1は、鉄心胴部52の第2輪郭を特定する輪郭線P2よりも大きく形成される。図15から明らかなように、輪郭線P1内に輪郭線P2が含まれる。また、第1輪郭は第2輪郭に対して相似形に形成される。その結果、鉄心頭部53は、鉄心胴部52の外周面から外側に広がる段差59を鉄心胴部52との間に形成する。なお、鉄心頭部53の輪郭線P1は、溝56を含む第1及び第2頭部54、55の外側の輪郭全体を象る輪郭線で特定される。
【0037】
この電磁石装置14では、前述の第1具体例と同様に、鉄心頭部53及び鉄心胴部52は四角柱形状に形成される。すなわち、鉄心頭部53の第1輪郭及び鉄心胴部52の第2輪郭はともに台形形状を有する。従って、電磁石装置14では、前述と同様に、第1頭部54は受け入れ孔57の外側でくま取りコイル39の側面に干渉する。受け入れ孔57は第1頭部54を受け入れることはできない。くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。しかも、巻枠33の胴部35は鉄心38と同様に四角柱形状を有することから、常に正常な向きで巻枠33内に鉄心38を収容することができる。
【0038】
また、こうした構成によれば、段差59によって鉄心胴部52よりも鉄心頭部53を大きく形成することができる。その結果、鉄心頭部53に対して鉄心胴部52を相対的に小さく形成することによって、すなわち、鉄心頭部53に対して巻枠33の胴部35を相対的に小さく形成することによって、胴部35にこれまで以上に多くのコイル34を巻き付けることができる。その結果、電磁石装置14は大きな磁束を生成することができる。同時に、鉄心胴部52に対して鉄心頭部53を相対的に大きく形成することによって、鉄心頭部53の先端面に形成される磁極面の面積を増大させることができる。電磁石装置14は安定的に磁気吸引力を生成することができる。
【0039】
さらに、鉄心頭部53の第1輪郭は鉄心胴部52の第2輪郭の相似形であるので、鉄心胴部52と鉄心頭部53との間の境界面において第2輪郭は第1輪郭内に効率的に配置される。鉄心胴部52は鉄心頭部53に効率的に接続される。その結果、鉄心胴部52と鉄心頭部53との間で磁束は効率的に流れる。その一方で、第1輪郭と第2輪郭とが異なる外形を有する場合には、第2輪郭は第1輪郭内で効率的に配置されない。言い替えれば、第2輪郭は第1輪郭内で大きな面積で広がることができない。鉄心胴部52と鉄心頭部53との間で磁束は効率的に流れることはできない。
【0040】
図16は本発明の第5具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す斜視図である。図17は本発明の第5具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す正面図である。この電磁石装置14では、鉄心頭部53は前述の第3具体例と同様に形成される。すなわち、鉄心頭部53は四角柱形状から形成される。その一方で、鉄心胴部52は円柱形状に形成される。こうした電磁石装置14では、前述と同様の作用効果が実現される。加えて、鉄心胴部52に対応して巻枠33の胴部35が円筒形状に形成されれば、コイル34は効率的に胴部35に巻き付けられることができる。
【0041】
図18は本発明の第6具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す斜視図である。図19は本発明の第6具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す正面図である。この電磁石装置14では、鉄心頭部53は前述の第3具体例と同様に形成される。すなわち、鉄心頭部53は四角柱形状から形成される。その一方で、鉄心胴部52は四角柱形状に形成される。ここでは、胴部35の長手方向に規定される鉄心胴部52の断面は方形形状に形成される。こうした電磁石装置14では、前述と同様の作用効果が実現される。加えて、電磁継電器10の外形形状に対応して鉄心38の形状を柔軟に変更することができる。
【0042】
図20は本発明の第7具体例に係る電磁石装置14を概略的に示す斜視図である。この電磁石装置14では、くま取りコイル39の輪郭に沿って巻枠33の第1鍔部36の外向き面から胴部35の長手方向に突き出る突起61が形成される。突起61は、胴部35の長手方向に直交する方向に直線的に延びる。突起61は、くま取りコイル39の輪郭よりも外側に配置される。その一方で、鉄心38は従来と同様に円柱形状に形成される。この鉄心38では鉄心胴部52及び鉄心頭部53は同一の径を有する。巻枠33の胴部35は鉄心38に対応して円筒状に形成される。巻枠33の台座48に形成される窪み58は鉄心38の形状に対応して半円柱形状に形成される。
【0043】
図21は本発明の第7具体例に係る電磁石装置14の鉄心38及びくま取りコイル39を概略的に示す正面図である。前述と同様に、鉄心頭部53では、胴部35の長手方向に直交する断面において、第1頭部54の第1断面積よりも第2頭部55の第2断面積の方が大きく設定される。第1頭部54が台座48の窪み58に受け入れられると、突起61はくま取りコイル39に対して第1位置に配置される。第1位置では突起61はくま取りコイル39の輪郭よりも外側に配置される。その結果、前述のように、くま取りコイル39の輪郭の外側で第1鍔部36の外向き面に突起61を視認することができる。この例では、突起61は、くま取りコイル39の輪郭に平行にくま取りコイル39の輪郭から僅かな隙間を空けて直線上に延びる。
【0044】
鉄心38は円柱形状に形成される。その結果、図22に示されるように、くま取りコイル39の受け入れ孔57は第1頭部54を受け入れてしまう。この場合、鉄心38が巻枠33に装着された状態では、第2頭部55が窪み59に受け入れられる。第1頭部54の第1断面積よりも第2頭部55の第2断面積の方が大きく設定されることから、第1頭部54が窪み59に受け入れられる場合に比べてくま取りコイル39は台座48の上面から持ち上げられる。その結果、突起61は、前述の第1位置と異なる第2位置に配置される。第2位置では突起61はくま取りコイル39の輪郭よりも内側に配置される。すなわち、突起61はくま取りコイル39の陰に隠れる。従って、電磁石装置14の組立時、くま取りコイル39が鉄心38に誤って装着されたことを確認することができる。くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。
【0045】
図23に示されるように、第1鍔部36の外向き面には複数の突起61が形成されてもよい。この具体例では、胴部35の長手方向に直交する方向に1対の突起61、61が配置される。突起61、61は台座48の上面から同一の高さに配置される。こうした突起61、61は、前述と同様に、くま取りコイル39の位置の変化によってくま取りコイル39に対して第1位置と第2位置とに配置される。その結果、くま取りコイル39が鉄心38に誤って装着されたことを確認することができる。なお、突起61の形状は、くま取りコイル39に対して第1位置と第2位置とに配置されることが可能であれば、その他の形状に形成されてもよい。
【0046】
図24は本発明の第8具体例に係る電磁石装置14の鉄心38を概略的に示す斜視図である。図25は本発明の第8具体例に係る電磁石装置14の鉄心38及びくま取りコイル39を概略的に示す正面図である。この電磁石装置14では、鉄心胴部52及び鉄心頭部53はともに円柱形状に形成される。鉄心頭部53の径は鉄心胴部52の径よりも大きく設定される。鉄心胴部52及び鉄心頭部53は共通の中心軸線を規定する。この例では、溝56は、胴部35の長手方向に直交する方向に屈曲しつつ延びる。溝56は、例えば鉄心頭部53の中心軸線に向かって傾斜しつつ延びる1対の直線溝62、62から形成される。その一方で、くま取りコイル39は、その下端に受け入れ孔57に向かって屈曲する屈曲部63を区画する。
【0047】
こうした構成によれば、くま取りコイル39が第1頭部54に装着されようとした場合、溝56の直線溝62、62が屈曲する方向と屈曲部63が屈曲する方向とは逆に設定される。その結果、くま取りコイル39の装着にあたって第2頭部55は受け入れ孔57の外側でくま取りコイル39の屈曲部63に干渉する。受け入れ孔57は第1頭部54を受け入れることはできない。その結果、電磁石装置14では、くま取りコイル39が第1頭部54に誤って装着されることを防止することができる。なお、この電磁石装置14では、鉄心38が四角柱形状から形成されていてもよい。
【0048】
以上の実施形態では、接極子32がスライド部材16をスライド移動させて接点部15を開閉するタイプの電磁継電器10を説明したものの、本発明は、例えば接極子の揺動がスライド部材16を介さずに接点部を開閉するタイプの電磁継電器や、その他の様々なタイプの電磁継電器を含むことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
10 電磁継電器
14 電磁石装置
33 巻枠
34 コイル
36 鍔部
39 くま取りコイル
52 鉄心胴部
53 鉄心頭部
54 第1頭部
55 第2頭部
56 溝
57 受け入れ孔
59 段差
61 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルが巻き付けられる筒状の巻枠と、
前記巻枠内に収容されて長手方向に延びる鉄心胴部と、
前記鉄心胴部から前記長手方向に延びて前記巻枠外に配置される鉄心頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記長手方向に直交する断面において第1断面積を有する第1頭部と、
前記鉄心頭部を形成して前記第1頭部に平行に延び、前記長手方向に直交する断面において第1断面積よりも大きな第2断面積を有する第2頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記第1頭部と前記第2頭部との間に形成されて前記長手方向に直交する方向に直線的に延びる溝と、
前記第2頭部を受け入れる受け入れ孔を有し、当該受け入れ孔に前記第2頭部を受け入れて前記溝に嵌め込まれることによって前記第2頭部に装着される環状のくま取りコイルと、を備え、
前記くま取りコイルが前記第2頭部に装着された状態において、前記第1頭部は、前記長手方向に直交する方向に前記受け入れ孔よりも大きい寸法を有することを特徴とする電磁石装置。
【請求項2】
前記長手方向に直交する断面において、前記鉄心頭部の第1輪郭は前記鉄心胴部の第2輪郭より大きく形成され、前記鉄心頭部は前記鉄心胴部の外周面から外側に広がって前記鉄心胴部との間に段差を形成することを特徴とする請求項1に記載の電磁石装置。
【請求項3】
前記第1輪郭は前記第2輪郭と相似形であることを特徴とする請求項2に記載の電磁石装置。
【請求項4】
前記鉄心胴部が円柱形状又は角柱形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁石装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁石装置を備えることを特徴とする電磁継電器。
【請求項6】
コイルが巻き付けられる筒状の巻枠と、
前記巻枠内に収容されて長手方向に延びる鉄心胴部と、
前記鉄心胴部から前記長手方向に延びて前記巻枠外に配置される鉄心頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記長手方向に直交する断面において第1断面積を有する第1頭部と、
前記鉄心頭部を形成して前記第1頭部に平行に延び、前記長手方向に直交する断面において第1断面積よりも大きな第2断面積を有する第2頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記第1頭部と前記第2頭部との間に形成されて前記長手方向に直交する方向に延びる溝と、
前記第2頭部を受け入れる受け入れ孔を有し、当該受け入れ孔に前記第2頭部を受け入れて前記溝に嵌め込まれることによって前記第2頭部に装着される環状のくま取りコイルと、
前記巻枠に形成されて、前記長手方向に直交する方向に前記鉄心胴部から外側に広がる鍔部と、
前記鍔部に形成される突起と、を備え、
前記くま取りコイルが前記第2頭部に装着される場合に、前記突起は前記くま取りコイルに対して第1位置に配置され、前記くま取りコイルが前記第1頭部に装着される場合に、前記突起は前記くま取りコイルに対して前記第1位置と異なる第2位置に配置されることを特徴とする電磁石装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電磁石装置を備えることを特徴とする電磁継電器。
【請求項8】
コイルが巻き付けられる筒状の巻枠と、
前記巻枠内に収容されて長手方向に延びる鉄心胴部と、
前記鉄心胴部から前記長手方向に延びて前記巻枠外に配置される鉄心頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記長手方向に直交する断面において第1断面積を有する第1頭部と、
前記鉄心頭部を形成して前記第1頭部に平行に延び、前記長手方向に直交する断面において第1断面積よりも大きな第2断面積を有する第2頭部と、
前記鉄心頭部を形成し、前記第1頭部と前記第2頭部との間に形成されて前記長手方向に直交する方向に屈曲しつつ延びる溝と、
前記第2頭部を受け入れる受け入れ孔を有し、当該受け入れ孔に前記第2頭部を受け入れて前記溝に嵌め込まれることによって前記第2頭部に装着される環状のくま取りコイルと、を備えることを特徴とする電磁石装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電磁石装置を備えることを特徴とする電磁継電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−216316(P2012−216316A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79193(P2011−79193)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)