説明

電磁結合モジュールの検査システム及び該検査システムを用いた電磁結合モジュールの製造方法

【課題】複数のアンテナを用意することなく、電磁結合モジュールの特性を効率よく検査することができる検査システム及びそれを用いた電磁結合モジュールの製造方法を得る。
【解決手段】無線ICチップ1と、該無線ICチップ1が搭載され、インダクタンス素子を含み所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を設けた給電回路基板2とで構成される電磁結合モジュール3の検査システム。この検査システムは、測定装置4に接続された測定子5の先端結合部6と電磁結合モジュール3とを電界結合及び/又は磁界結合で電磁界的に結合させて電磁結合モジュール3を測定する。測定子5にはインピーダンス整合回路7が設けられている。結合部6と電磁結合モジュール3の間に金属膜を挿入し、該金属膜に結合部6を電気的に接続させる。あるいは、結合部6と電磁結合モジュール3の間にコイル状導体を挿入し、該コイル状導体に結合部6を電気的に接続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁結合モジュール、特に、RFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられる電磁結合モジュールの検査システムに関する。さらに、本発明は、該検査システムを用いた電磁結合モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)と称される非接触型識別媒体(非接触型IDカード等)に関する技術が急速に進歩してきており、その使用も多岐にわたっている。このようなRFIDは、リーダ・ライタとの間で性能に応じた通信距離が定められており、通信測定の向上、及び、歩留りの向上が望まれている。
【0003】
従来、RFIDシステムに用いられる無線ICデバイスは、フィルムベース上にアンテナコイルが形成され、これにICモジュールが搭載されたものとして、これらが製造段階で所定大のフィルムベース上に所定数形成されるのが一般的となっている。そして、単体とされる前に検査対象の単一のICモジュールごとに測定を行い、製品の良否を検査することが行われている。
【0004】
特許文献1に記載の検査システムでは、用途に応じたアンテナの形状やサイズが変化しているため、形状やサイズの異なる複数のアンテナを用意し、それらを検査対象となるICモジュールの種類に応じて切り替えて検査していた。しかし、これでは、複数のアンテナを準備して組合せを変更するために検査システムが複雑化するという問題点を有していた。また、アンテナを使用して測定する場合、アンテナから放射される電磁波を外部に漏れないようにするために検査システム全体をシールドするなどの対策が必要になり、検査システムが大型化するという問題点も有していた。さらに、新規にICモジュールを製作する場合には、そのたびに検査用アンテナを用意する必要があり、コストと時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−99721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数のアンテナを用意することなく、電磁結合モジュールの特性を効率よく検査することのできる検査システム及びそれを用いた電磁結合モジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る検査システムは、無線ICチップと、該無線ICチップが搭載され、インダクタンス素子を含み所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を設けた給電回路基板とで構成される電磁結合モジュールの検査システムであって、測定装置に接続された測定子は、前記電磁結合モジュールと電界結合及び/又は磁界結合で電磁界的に結合する結合部を有し、前記電磁結合モジュールを無線ICデバイスとして使用するときのインピーダンスに、前記測定子から前記測定装置側を見たときのインピーダンスを整合させるインピーダンス整合回路を備え、第1の形態においては、前記測定子に設けた結合部と前記電磁結合モジュールの間に金属膜を挿入し、該金属膜に前記結合部を電気的に接続させること、を特徴とし、第2の形態においては、前記測定子に設けた結合部と前記電磁結合モジュールの間にコイル状導体を挿入し、該コイル状導体に前記結合部を電気的に接続させること、を特徴とする。
【0008】
本発明に係る検査システムにおいて、前記インピーダンス整合回路は前記測定子に設けてもよく、あるいは、電磁結合モジュールを搭載する検査治具に前記測定子とともに設けてもよく、さらには、前記測定装置又は該測定装置と前記測定子を接続するケーブルに設けてもよい。
【0009】
本発明に係る製造方法は、前記電磁結合モジュールの検査システムを用いて電磁結合モジュールを製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電磁結合モジュールの検査システムによれば、無線ICチップと、該無線ICチップが搭載され、インダクタンス素子を含んだ共振回路を有する給電回路基板とで構成される電磁結合モジュールを、電磁界結合を用いることにより測定装置に接続された測定子(結合部)と非接触状態で短時間で効率よく検査することができる。しかも、インピーダンス整合回路を備えているため、種々のインピーダンス値のアンテナに適合させることができ、従来のごとく種々のアンテナを用意して交換する必要はなく、その分だけ検査効率が向上し、かつ、検査システムが簡略化される。また、前記測定子に設けた結合部と前記電磁結合モジュールの間に金属膜を挿入し、該金属膜に前記結合部を電気的に接続させるため(第1の形態)、あるいは、前記測定子に設けた結合部と前記電磁結合モジュールの間にコイル状導体を挿入し、該コイル状導体に前記結合部を電気的に接続させるため(第2の形態)、測定子と電磁結合モジュールとが電磁界結合しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る検査システムの第1実施例を示す概略構成図。
【図2】インピーダンス整合回路の第1例を示す等価回路図。
【図3】インピーダンス整合回路の第2例を示す等価回路図。
【図4】インピーダンス整合回路の第3例を示す等価回路図。
【図5】電磁結合モジュールを用いた無線ICデバイスの一例を示す外観斜視図。
【図6】前記無線ICデバイスの断面図。
【図7】前記無線ICデバイスの等価回路図
【図8】電磁結合モジュールを構成する給電回路基板の分解構造図。
【図9】(A),(B)ともに、無線ICチップと給電回路基板との接続状態を示す斜視図。
【図10】本発明に係る検査システムの第2実施例を示す概略構成図。
【図11】本発明に係る製造方法における検査工程1を示す概略斜視図。
【図12】本発明に係る製造方法における検査工程2を示す概略斜視図。
【図13】プローブの他の例を示す概略斜視図。
【図14】(A),(B),(C)ともに、本発明に係る製造方法における検査工程3を示す斜視図、断面図。
【図15】(A),(B),(C)ともに、本発明に係る製造方法における検査工程4を示す斜視図、断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電磁結合モジュールの検査システム及び該検査システムを用いた電磁結合モジュールの製造方法の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各図において電磁結合モジュールと検査システムは模式的に示されており、各部品の縮尺比率は一致していない。また、各図において同じ部材、部分には同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
(検査システムの第1実施例、図1〜図4参照)
図1には電磁結合モジュール3の検査システム(第1実施例)を示す。図1に示すように、給電回路基板2に無線ICチップ1が搭載された電磁結合モジュール3を測定装置4に接続された測定子(以下、プローブと称する)5によって検査する。プローブ5の先端結合部6と電磁結合モジュール3を、電界結合及び/又は磁界結合で電磁界的に結合させて電磁結合モジュール3の検査を行う。
【0014】
即ち、測定装置4のメモリには、電磁結合モジュール3の検査項目と無線システムのスペック(使用周波数、コマンド等)が全て内蔵されており、その検査項目に従って電磁結合モジュール3の検査を行う。
【0015】
具体的には、電磁結合モジュール3に使用される無線システムの種類、測定周波数やデータのやり取りに使用するコマンド(デジタルデータで何を意味しているかを示すシステム特有のもの)を設定するとともに、電磁結合モジュール3の検査項目を設定する。そして、測定装置4に接続されたプローブ5の先端結合部6を電磁結合モジュール3に近接又は接触した状態にした後、測定装置4の発信部から電磁結合モジュール3に送信する情報の信号(例えば周波数偏位変調された信号)がプローブ5に送信される。このとき、プローブ5の先端結合部6は、平板の形状をしているため電磁結合モジュール3の給電回路基板2と密着できる。このため、プローブ5の結合部6と電磁結合モジュール3とは、主に電界結合が強い状態で電磁界結合することができる。これにより、測定装置4から送信される送信信号を電磁結合モジュール3が受信することができる。なお、プローブ5の先端結合部6は、給電回路基板2の上方に離間して配置しても電磁結合モジュール3と電磁界結合させることができる。
【0016】
この後、電磁結合モジュール3では、受信した信号を無線ICチップ1で復調及びデータ処理し、測定装置4に送る必要があるデータを送信データ信号にし、該送信データ信号を給電回路基板2内の給電回路素子から電磁界結合によりプローブ5の結合部6に送信する。そして、その送信データ信号は、プローブ5で受信され測定装置4に送られる。
【0017】
測定装置4では、電磁結合モジュール3からのデータ信号を、復調及びデータ処理を行った後、電磁結合モジュール3が検査項目の全てを満足しているかを判断する。そして、検査項目を満足している場合には検査した電磁結合モジュール3を良品と判断し、検査項目を満足していない場合には検査した電磁結合モジュール3を不良品であると判断する。これにより、電磁結合モジュール3の非接触による高速検査が可能となる。
【0018】
ところで、本検査システムにおいては、プローブ5にインピーダンス整合回路7を備えている。このインピーダンス整合回路7は、電磁結合モジュール3を無線ICデバイスとして使用するときのインピーダンス(電磁結合モジュール3にアンテナとしての放射板を結合させたときの該放射板のインピーダンス)に、プローブ5から測定装置4側を見たときのインピーダンスを整合させるためのものである。
【0019】
インピーダンス整合回路7は、図2にその一例を示すように、並列に接続されたインダクタンス素子L11,L12と、インダクタンス素子L11,L12間を接続するキャパシタンス素子C11とで所定の共振周波数を有する共振回路を構成している。端子T11,T12が前記結合部6に設けた電極6a,6bと接続され、端子T13,T14が同軸ケーブル34と接続されている。プローブ5がインピーダンス整合回路7を備えていることで、測定装置4を放射板(アンテナ)のインピーダンスに適合させることができる。
【0020】
なお、インピーダンス整合回路7は、インダクタンス素子のみで構成されても構わない。その場合、インダクタンス素子内部あるいはインダクタンス素子間で発生する浮遊容量をインピーダンスの整合設計に用いることもできる。
【0021】
インピーダンス整合回路7は、種々の放射板(アンテナ)のインピーダンス値に適合したものが用意されており、プローブ5に対して交換可能であることが好ましい。整合回路7を所定の共振周波数を有するものに交換することで、測定装置4を種々の放射板に適合させることができ、様々な用途の電磁結合モジュールを効率よく容易に検査することができる。
【0022】
また、図3に、共振周波数を可変としたインピーダンス整合回路7Aを示す。この整合回路7Aは、いわゆる可変コンデンサを用いたもので、他の構成は図2に示した整合回路7と同様である。
【0023】
また、図4に示すインピーダンス整合回路7B,7C,7Dは、それぞれ異なる整合回路を有するもので、並列に接続されるとともにスイッチング回路8が挿入されている。各整合回路7B,7C,7Dは、所定の周波数においてインピーダンスがマッチングするようにスイッチング回路8にて切り換えて使用される。RFIDシステムの使用周波数帯は各国ごとに異なっているため、仕様の異なる複数の種類の電磁結合モジュール3が必要である。本実施例のように共振周波数の異なるインピーダンス整合回路7B,7C,7Dを複数備えた検査システムにより、使用周波数が変わっても一つの検査システムで検査することができ、効率よく容易に検査することができる。
【0024】
一方、前記電磁結合モジュール3は、金属製の放射板(アンテナ)と電磁結合させることにより該放射板を高性能のアンテナとして使用することが可能となり、さまざまな無線通信に用いる無線通信モジュールとして使用することができる。また、電磁結合モジュール3と金属膜の放射板を用いた無線ICデバイスとして物品の流通管理や固定資産管理などに用いることができる。
【0025】
(電磁結合モジュールの一例、図5〜図9参照)
以下、電磁結合モジュールを金属膜の放射板と組み合わせて無線ICデバイスとして使用したときの実施例について、電磁結合モジュール及び無線ICデバイスの構造などを詳しく図5〜図9を用いて説明する。図5及び図6に示すように、電磁結合モジュール3は、無線ICチップ1と、上面に該無線ICチップ1を搭載した給電回路基板2とで構成され、電磁結合モジュール3が金属膜からなる放射板20上に貼着されて無線ICデバイスAを構成している。無線ICチップ1は、クロック回路、ロジック回路、メモリ回路を含み、必要な情報がメモリされており、給電回路基板2に内蔵された以下に説明する給電回路16と電気的に直接接続されている。
【0026】
給電回路16は、所定の周波数を有する送信信号を放射板20に供給するための回路、及び/又は、放射板20で受けた信号から所定の周波数を有する受信信号を選択し、無線ICチップ1に供給するための回路であり、送受信信号の周波数で無線ICチップ1と放射板20とを整合させる整合回路や送受信信号の周波数で共振する共振回路を備えている。
【0027】
給電回路基板2には、図6及び図7に示すように、ヘリカル型のインダクタンス素子L及びキャパシタンス素子C1,C2からなる集中定数型のLC直列共振回路にて構成した給電回路16が内蔵されている。詳しくは、図8に示すように、給電回路基板2は誘電体からなるセラミックシート11A〜11Gを積層、圧着、焼成したもので、接続用電極12とビアホール導体13aを形成したシート11A、キャパシタ電極14aを形成したシート11B、キャパシタ電極14bとビアホール導体13bを形成したシート11C、ビアホール導体13cを形成したシート11D、導体パターン15aとビアホール導体13dを形成したシート11E、ビアホール導体13eを形成したシート11F(1枚もしくは複数枚)、導体パターン15bを形成したシート11Gからなる。なお、各セラミックシート11A〜11Gは磁性体のセラミック材料からなるシートであってもよく、給電回路基板2は従来から用いられているシート積層法、厚膜印刷法などの多層基板の製作工程により容易に得ることができる。また、シート11A〜11Gは樹脂材であってもよい。
【0028】
以上のシート11A〜11Gを積層することにより、ヘリカルの巻回軸が放射板20と平行なインダクタンス素子Lと、該インダクタンス素子Lの両端にキャパシタ電極14bが接続され、かつ、キャパシタ電極14aがビアホール導体13aを介して接続用電極12に接続されたキャパシタンス素子C1,C2が形成される。そして、基板側電極パターンである接続用電極12が半田バンプ19を介して無線ICチップ1のチップ側電極パターン(図示せず)と電気的に直接接続される。
【0029】
即ち、給電回路を構成する素子のうち、コイル状電極パターンであるインダクタンス素子Lから、磁界を介して、放射板20に送信信号を給電し、また、放射板20からの受信信号は、磁界を介して、インダクタンス素子Lに給電される。そのため、給電回路基板2において、共振回路を構成するインダクタンス素子L、キャパシタンス素子C1,C2のうち、インダクタンス素子Lが放射板20に近くなるようにレイアウトすることが望ましい。
【0030】
放射板20は、本例では、アルミ箔や銅箔などの非磁性体からなる長尺体、即ち、両端開放型の金属体であり、PETなどの絶縁性のフレキシブルな樹脂フィルム21上に形成されている。また、樹脂フィルム21は物品自体や物品の包装材であってもよい。前記給電回路基板2はその下面が接着剤18からなる絶縁性接着層を介して放射板20上に貼着されている。
【0031】
サイズ的にその一例を示すと、無線ICチップ1の厚さは50〜100μm、半田バンプ19の厚さは約20μm、給電回路基板2の厚さは200〜500μm、接着剤18の厚さは0.1〜10μm、放射板20の厚さは1〜50μm、フィルム21の厚さは10〜100μmである。また、無線ICチップ1のサイズ(面積)は、0.4mm×0.4mm、0.9mm×0.8mmなど多様である。給電回路基板2のサイズ(面積)は、無線ICチップ1と同じサイズから3mm×3mm程度のサイズで構成できる。
【0032】
図9に無線ICチップ1と給電回路基板2との接続形態を示す。図9(A)は無線ICチップ1の裏面及び給電回路基板2の表面に、それぞれ、一対のアンテナ(バランス)端子7a,17aを設けたものである。図9(B)は他の接続形態を示し、無線ICチップ1の裏面及び給電回路基板2の表面に、それぞれ、一対のアンテナ(バランス)端子7a,17aに加えて、グランド端子7b,17bを設けたものである。但し、給電回路基板2のグランド端子17bは終端しており、給電回路基板2の他の素子に接続されているわけではない。
【0033】
図7に無線ICデバイスAの等価回路を示す。この無線ICデバイスAは、図示しないリーダ・ライタから放射される高周波信号(例えば、UHF周波数帯)を放射板20で受信し、放射板20と主として磁気的に結合している給電回路16(インダクタンス素子Lとキャパシタンス素子C1,C2からなるLC直列共振回路)を共振させ、所定の周波数帯の受信信号のみを無線ICチップ1に供給する。一方、この受信信号から所定のエネルギーを取り出し、このエネルギーを駆動源として無線ICチップ1にメモリされている情報を給電回路16にて所定の周波数に整合した後、給電回路16のインダクタンス素子Lから、磁界結合を介して放射板20に送信信号を伝え、放射板20からリーダ・ライタに送信、転送する。
【0034】
なお、給電回路16と放射板20との結合は、磁界を介しての結合が主であるが、キャパシタ電極14bも放射板20と対向して配置されているため電界を介しての結合も存在している。本発明において、「電磁界結合」とは、電界及び/又は磁界を介しての結合を意味する。
【0035】
電磁結合モジュール3において、無線ICチップ1は給電回路16を内蔵した給電回路基板2上に電気的に直接接続されており、給電回路基板2は無線ICチップ1とほぼ同じ面積であり、かつ、リジッドであるため、従来の如く広い面積のフレキシブルなフィルム上に搭載するよりも無線ICチップ1を極めて精度よく位置決めして搭載することが可能である。しかも、給電回路基板2はセラミック材料からなり、耐熱性を有するため、無線ICチップ1を給電回路基板2に半田付けすることができる。つまり、従来の如く超音波接合法を用いないため、安価につき、かつ、超音波接合時に加わる圧力で無線ICチップ1が破損するおそれはなく、半田リフローによるセルフアライメント作用を利用することもできる。
【0036】
また、給電回路16においては、インダクタンス素子Lとキャパシタンス素子C1,C2で構成された共振回路にて共振周波数特性が決定される。放射板20から放射される信号の共振周波数は、給電回路16の自己共振周波数に実質的に相当し、信号の最大利得は、給電回路16のサイズ、形状、給電回路16と放射板20との距離及び媒質の少なくともいずれか一つで実質的に決定される。具体的には、実施例において、放射板20の電気長は共振周波数に相当する波長λの1/2とされている。但し、放射板20の電気長はλ/2の整数倍でなくてもよい。即ち、放射板20から放射される信号の周波数は、共振回路(給電回路16)の共振周波数によって実質的に決まるので、周波数特性に関しては、放射板20の電気長に実質的に依存しない。放射板20の電気長がλ/2の整数倍であると、利得が最大になるので好ましい。
【0037】
以上のごとく、給電回路16の共振周波数特性は給電回路基板2に内蔵されているインダクタンス素子Lとキャパシタンス素子C1,C2で構成された共振回路にて決定されるため、無線ICデバイスAを書籍の間に挟んだりしても共振周波数特性が変化することはない。また、無線ICデバイスAを丸めて放射板20の形状を変化させたり、放射板20のサイズを変化させても、共振周波数特性が変化することはない。また、インダクタンス素子Lを構成するコイル状電極パターンは、その巻回軸が放射板20と平行に形成されているため、中心周波数が変動しないという利点を有している。また、無線ICチップ1の後段に、キャパシタンス素子C1,C2が挿入されているため、この素子C1,C2で静電気などの低周波数のサージをカットすることができ、無線ICチップ1をサージから保護できる。
【0038】
さらに、給電回路基板2はリジッドな多層基板であるために、無線ICチップ1を半田付けする際の取扱いに便利である。しかも、放射板20はフレキシブルな金属膜によって形成されているため、例えば、衣類の包装用フィルム上に形成したり、ペットボトルのような円柱状体の表面に何ら支障なく形成することができる。
【0039】
なお、給電回路基板2に設けた共振回路は、種々の構成を採用することができる。また、この共振回路は無線ICチップ1のインピーダンスと放射板20のインピーダンスを整合させるためのマッチング回路を兼ねていてもよい。あるいは、給電回路基板2は、インダクタンス素子やキャパシタンス素子で構成された、共振回路とは別に設けられたマッチング回路をさらに備えていてもよい。共振回路にマッチング回路の機能をも付加しようとすると、共振回路の設計が複雑になる傾向がある。共振回路とは別にマッチング回路を設ければ、共振回路、マッチング回路をそれぞれ独立して設計できる。
【0040】
また、マッチング回路のみの構成も考えられ、放射板20と無線ICチップ1との整合がとれるように設計する。このとき、放射板20、給電回路基板2及び無線ICチップ1の全てで整合設計をすることもできる。
【0041】
(検査システムの第2実施例、図10参照)
次に、本発明に係る検査システムの第2実施例について図10を参照して説明する。この検査システムは吸着棒30及び検査治具31を用いている。検査冶具31には電磁結合モジュール3を固定する凹部32が設けられ、該凹部32の底面には樹脂基板からなる平板33が設けられている。樹脂製の平板33に設けた電極6a,6bは、前記第1実施例における測定子5ないし結合部6として機能するもので、測定装置4(図1参照)に接続されている同軸ケーブル34と電気的に接続している。そして、コンピュータ制御により測定装置4と連動して自動的にエアー吸引で吸着する吸着棒30によって電磁結合モジュール3が検査冶具31の凹部32に供給される。
【0042】
また、平板33に設けた電極6a,6b及び同軸ケーブル34との間に、インピーダンス整合回路7が設けられている。整合回路7は前記整合回路7A又は整合回路7B,7C,7Dであってもよい。
【0043】
検査時において、検査冶具31の平板33は電磁結合モジュール3とほぼ密着状態になる。これにより、平板33と電磁結合モジュール3とは電磁界結合することができる。そして、この状態で、図示しないコンピュータから測定装置4に電磁結合モジュール3を検査する命令が送られ、次に、測定装置4から電磁結合モジュール3に検査項目などの送信データ信号が送られる。このとき、平板33と電磁結合モジュール3の給電回路基板2とが電磁界結合することにより、電磁結合モジュール3は該送信データ信号を受信することができる。そして、電磁結合モジュール3の無線ICチップ1で受信した信号を復調、データ処理した後、無線ICチップ1から必要なデータ信号が給電回路基板2に送られる。
【0044】
そのデータ信号が電磁界結合により平板33に送られ、さらに同軸ケーブル34を経由して測定装置4に送られる。測定装置4では、送られてきた信号を復調、データ処理し、検査した電磁結合モジュール3が全ての検査項目を満足しているかどうかを判断し、電磁結合モジュール3が良品か不良品かを判断する。
【0045】
その判断データは、測定装置4からコンピュータに送られ、測定装置4が良品と判定した場合にはテーピング工程に進むように指示が吸着棒30の制御部に送られる。そして、吸着棒30は、電磁結合モジュール3を吸着してテーピング工程に送る。また、測定装置4が不良品と判定した場合には不良品トレイに進むように指示が吸着棒30の制御部に送られる。そして、吸着棒30は、電磁結合モジュール3を吸着して不良品トレイに送る。そして、順次、未検査の電磁結合モジュール3が吸着棒30に吸着され、検査冶具31に運ばれ前述した検査が行われ電磁結合モジュール3の良否判定が行われる。なお、電磁結合モジュール3は、吸着棒30に吸着された状態で平板33上に離間して配置しても電磁界結合させることができる。
【0046】
(検査工程1、図11参照)
電磁結合モジュールの製造工程における検査工程1について図11を参照して説明する。この検査工程1では、電磁結合モジュール3が複数集合した親基板41の状態で個々の電磁結合モジュール3を検査する。
【0047】
まず、親基板41について説明する。親基板41は、誘電体からなるセラミックシートに図8に示した給電回路16を形成する電極が多数形成できるように印刷し、それを積層、圧着、焼成したものに、給電回路16を形成する部分の一つ一つに無線ICチップ1をそれぞれ実装したものである。そして、親基板41は、図示していないが無線ICチップ1の実装されている面をエポキシ樹脂で封止することで平坦にしている。また、このように無線ICチップ1を樹脂封止することにより、無線ICチップ1の耐環境性を向上することができる。
【0048】
検査工程1では、前記親基板41の状態で個々の電磁結合モジュール3を検査する。測定装置4に接続されたプローブ5は、図示していないが自動的に親基板41の電磁結合モジュール3の位置に移動することができる移動装置に取り付けられている。また、該移動装置と測定装置4とは制御コンピュータ(図示していない)に接続されている。
【0049】
そして、制御コンピュータから前記移動装置に電磁結合モジュール3の検査指示が命令されると、移動装置はプローブ5を親基板41の一番目に測定する電磁結合モジュール3の位置に移動する。そして、電磁結合モジュール3とプローブ5の先端結合部6が電磁界結合できるように、該結合部6が電磁結合モジュール3の表面上に離間して配置、もしくは、接するようにする。なお、検査方法(コンピュータ制御で行う測定装置4から電磁結合モジュール3を検査する方法)は前述したとおりであり、その説明は省略する。
【0050】
ところで、プローブ5の結合部6は電磁界の放射が非常に弱い。それゆえ、結合部6は、検査時において、該結合部6と接する電磁結合モジュール3以外の電磁結合モジュール3とはほとんど電磁界結合しない。従って、検査工程において、検査を行っている電磁結合モジュール3以外の電磁結合モジュール3の影響を受けることなく正確に電磁結合モジュール3を検査することができる。
【0051】
(検査工程2、図12参照)
次に、電磁結合モジュールの製造工程における検査工程2について図12を参照して説明する。この検査工程2は、電磁結合モジュール3が複数集合した親基板41からダイサーで切断された直後の状態で個々の電磁結合モジュール3を検査する。
【0052】
検査工程2は、電磁結合モジュール3を測定する場合に、図11に示した検査工程1よりも大きな電磁界放射が必要な場合に行われる。即ち、電磁結合モジュール3は、プローブ5の先端結合部6から電磁界結合する電磁波のエネルギーを利用して無線ICチップ1を動作させている。このため、無線ICチップ1を動作させる電気エネルギーが大きいときには、それに見合った必要な電磁波のエネルギーをプローブ5の結合部6から放射する必要がある。この場合には、測定装置4からの送信信号の電力を大きくして、結合部6からの電磁界の放射を大きくする。
【0053】
このような場合に、結合部6が検査する電磁結合モジュール3の中央から大幅にずれて、隣接する電磁結合モジュール3に近づくと隣接する電磁結合モジュール3の影響をうけ正確な検査ができなくなる。これを防ぐために、予め、親基板41をダイサー用粘着シート42に取り付けた後、ダイサーで切断した状態を図12に示している。隣接する電磁結合モジュール3どうしがダイサーの切断幅(約0.1〜0.2mm)の間隔で離れているため、結合部6が検査する電磁結合モジュール3の中央から大幅にずれた場合でも、隣接する電磁結合モジュール3の影響を受けず正確な検査ができる。
【0054】
さらに、プローブ5の結合部6からの電磁界の放射レベルを強くする必要がある場合には、ダイサー用粘着シート42をエキスパンドすることにより電磁結合モジュール3どうしの間隔をさらに広げることで隣接する電磁結合モジュール3の影響を受けずに正確な検査を行うことができる。
【0055】
また、前記検査工程1及び本検査工程2において、良品又は不良品と判定された電磁結合モジュール3は、親基板41のどの位置の電磁結合モジュール3が良品か不良品であるかを制御コンピュータがメモリしているため、そのデータを基に次の振り分け工程で良品はテーピング工程に送られ、不良品は不良品トレイに排除される。
【0056】
(プローブの他の例、図13参照)
これまでに説明したプローブ5の先端結合部6は平板形状を採用している。しかし、このような構成のプローブ5以外に、図13に示すように、先端結合部6がコイル形状のものを使用してもよく、インピーダンス整合回路7はコイルの両端部に接続されている。勿論、整合回路7は整合回路7A又は整合回路7B,7C,7Dであってもよい。
【0057】
図13に示すプローブ5は、先端結合部6がコイル形状であるため、図中の点線で示すような磁界を発生させることにより電磁界結合する。このようなコイル形状の結合部6を有するプローブ5は、電磁界の放射量が大きいので検査する電磁結合モジュール3の表面に結合部6が接しなくても検査を行うことができる。
【0058】
(検査工程3、図14参照)
電磁結合モジュールの製造工程における検査工程3について図14を参照して説明する。この検査工程3では、図14(A)に示すように、電磁結合モジュール3を搬送ベルト53に載せて自動検査を行う。即ち、搬送ベルト53の上に整列された電磁結合モジュール3に、樹脂フィルム52上に形成された平板電極51(例えば、銅電極膜の表面にニッケルめっきとスズめっきが施されている電極)にプローブ5の先端結合部6を接触させた状態で、結合部6と樹脂フィルム52に形成された平板電極51とを電磁界結合させることで電磁結合モジュール3を検査する。
【0059】
結合部6は先細形状をなし、給電回路基板2とは平板電極51を用いた電磁界結合である。インピーダンス整合回路7は、図14(B),(C)に示すように同軸ケーブル34に設けるか、測定装置4(図1参照)に設ければよい。勿論、整合回路7は整合回路7A又は整合回路7B,7C,7Dであってもよい。
【0060】
また、プローブ5は図示していない移動装置に固定されており、制御コンピュータで測定装置4及び該移動装置を制御し、電磁結合モジュール3の検査を行う。なお、検査方法(コンピュータ制御で行う測定装置4から電磁結合モジュール3を検査する方法)は前述したとおりであり、その説明は省略する。
【0061】
検査においては、まず、図14(B)に示すように、検査する電磁結合モジュール3を搬送ベルト53が移動して平板電極51の直下に移動させる。そして、図14(C)に示すように、プローブ5が下降し、結合部6が平板電極51と接した状態で電磁結合モジュール3上に樹脂フィルム52を圧接させる。このとき、樹脂フィルム52は弾力性があるため電磁結合モジュール3と十分に密着することができるので、平板電極51と電磁結合モジュール3とが十分に電磁界結合することができる。従って、正確な検査を行うことができる。
【0062】
また、樹脂フィルム52には、図示していない複数の平板電極51が図14(A)の矢印X方向に形成されており、検査工程である一定の個数(それ以上の電磁結合モジュール3を検査した場合に検査不良が発生する可能性がある個数)の電磁結合モジュール3を測定すると、自動的に樹脂フィルム52が矢印Xの方向に移動して新しい平板電極51がプローブ5の直下に来るようになっている。これにより、平板電極51の劣化などによる検査不良を防ぐようにしている。
【0063】
(検査工程4、図15参照)
電磁結合モジュールの製造工程における検査工程4について図15を参照して説明する。この検査工程4では、図15(A)に示すように、電磁結合モジュール3を搬送ベルト53に載せて自動検査を行う。即ち、搬送ベルト53の上に整列された電磁結合モジュール3に、樹脂フィルム52上に形成されたスパイラル電極55(例えば、銅電極膜の表面にニッケルめっきとスズめっきが施されている電極)にプローブ5の先端結合部6を接触させた状態で、結合部6とスパイラル電極55とを電磁界結合させることで電磁結合モジュール3を検査する。
【0064】
結合部6は先細形状をなし、給電回路基板2とはスパイラル電極55で発生する磁界を用いて電磁界結合する。インピーダンス整合回路7は、図15(B),(C)に示すように同軸ケーブル34に設けるか、測定装置4(図1参照)に設ければよい。勿論、整合回路7は整合回路7A又は整合回路7B,7C,7Dであってもよい。
【0065】
また、プローブ5は図示していない移動装置に固定されており、制御コンピュータで測定装置4及び該移動装置を制御し、電磁結合モジュール3の検査を行う。なお、検査方法(コンピュータ制御で行う測定装置4から電磁結合モジュール3を検査する方法)は前述したとおりであり、その説明は省略する。
【0066】
検査においては、まず、図15(B)に示すように、検査する電磁結合モジュール3を搬送ベルト53が移動してスパイラル電極55の直下に移動させる。そして、図15(C)に示すように、プローブ5が下降し、結合部6がスパイラル電極55の中心部分に接した状態で電磁結合モジュール3上に樹脂フィルム52を圧接させる。このとき、樹脂フィルム52は弾力性があるため電磁結合モジュール3と十分に密着することができるので、スパイラル電極55と電磁結合モジュール3とが十分に電磁界結合することができる。従って、正確な検査を行うことができる。
【0067】
また、樹脂フィルム52には、図示していない複数のスパイラル電極55が図15(A)の矢印X方向に形成されており、検査工程である一定の個数(それ以上の電磁結合モジュール3を検査した場合に検査不良が発生する可能性がある個数)の電磁結合モジュール3を測定すると、自動的に樹脂フィルム52が矢印Xの方向に移動して新しいスパイラル電極55がプローブ5の直下に来るようになっている。これにより、スパイラル電極55の劣化などによる検査不良を防ぐようにしている。
【0068】
(他の実施例)
なお、本発明に係る電磁結合モジュールの検査システム及び電磁結合モジュールの製造方法は、前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0069】
例えば、プローブ5や結合部6の構成、形状などの細部は任意である。また、電磁結合モジュールや給電回路基板の構造、形状などは任意であり、さらに、無線ICチップと給電回路基板との接続構造なども任意である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明は、電磁結合モジュールの検査システムに有用であり、特に、電磁結合モジュールの特性を効率よく検査できる点において優れている。
【符号の説明】
【0071】
A…無線ICデバイス
1…無線ICチップ
2…給電回路基板
3…電磁結合モジュール
4…測定装置
5…プローブ
6…結合部
7,7A〜7D…インピーダンス整合回路
20…放射板(アンテナ)
34…同軸ケーブル
51…平板電極
52…樹脂フィルム
55…スパイラル電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICチップと、該無線ICチップが搭載され、インダクタンス素子を含み所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を設けた給電回路基板とで構成される電磁結合モジュールの検査システムであって、
測定装置に接続された測定子は、前記電磁結合モジュールと電界結合及び/又は磁界結合で電磁界的に結合する結合部を有し、
前記電磁結合モジュールを無線ICデバイスとして使用するときのインピーダンスに、前記測定子から前記測定装置側を見たときのインピーダンスを整合させるインピーダンス整合回路を備え、
前記測定子に設けた結合部と前記電磁結合モジュールの間に金属膜を挿入し、該金属膜に前記結合部を電気的に接続させること、
を特徴とする電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項2】
前記金属膜が絶縁膜上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項3】
無線ICチップと、該無線ICチップが搭載され、インダクタンス素子を含み所定の共振周波数を有する共振回路を含む給電回路を設けた給電回路基板とで構成される電磁結合モジュールの検査システムであって、
測定装置に接続された測定子は、前記電磁結合モジュールと電界結合及び/又は磁界結合で電磁界的に結合する結合部を有し、
前記電磁結合モジュールを無線ICデバイスとして使用するときのインピーダンスに、前記測定子から前記測定装置側を見たときのインピーダンスを整合させるインピーダンス整合回路を備え、
前記測定子に設けた結合部と前記電磁結合モジュールの間にコイル状導体を挿入し、該コイル状導体に前記結合部を電気的に接続させること、
を特徴とする電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項4】
前記コイル状導体が絶縁膜上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項5】
前記測定子に前記インピーダンス整合回路を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項6】
前記電磁結合モジュールを搭載する検査治具に、前記測定子を設けるとともに、前記インピーダンス整合回路を設けたこと、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項7】
前記測定装置、又は、該測定装置と前記測定子を接続するケーブルに前記インピーダンス整合回路を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項8】
前記測定子に設けた結合部が平板状であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項9】
前記測定子に設けた結合部がコイル状であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システム。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システムを用いて前記電磁結合モジュールを製造することを特徴とする電磁結合モジュールの製造方法。
【請求項11】
インダクタンス素子を含んだ給電回路を親基板に複数内蔵し、前記親基板に内蔵した複数の給電回路の一つ一つに対応する無線ICチップを実装して、前記親基板に複数の電磁結合モジュールの集合体を形成し、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システムを用いて、前記親基板の状態で前記複数の電磁結合モジュールを個々に検査し、
前記親基板から前記複数の電磁結合モジュールを個々に分割すること、
を特徴とする電磁結合モジュールの製造方法。
【請求項12】
インダクタンス素子を含んだ給電回路を親基板に複数内蔵し、前記親基板に内蔵した複数の給電回路の一つ一つに対応する無線ICチップを実装して、前記親基板に複数の電磁結合モジュールの集合体を形成し、
粘着シートに前記親基板を取り付け、個々の電磁結合モジュールに切断し、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システムを用いて、前記複数の電磁結合モジュールを個々に検査すること、
を特徴とする電磁結合モジュールの製造方法。
【請求項13】
インダクタンス素子を含んだ給電回路を親基板に複数内蔵し、前記親基板に内蔵した複数の給電回路の一つ一つに対応する無線ICチップを実装して、前記親基板に複数の電磁結合モジュールの集合体を形成し、
粘着シートに前記親基板を取り付け、個々の電磁結合モジュールに切断した後、粘着シートを拡張して隣接する電磁結合モジュールと電磁結合モジュールの間隔を広げ、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の電磁結合モジュールの検査システムを用いて、前記複数の電磁結合モジュールを個々に検査すること、
を特徴とする電磁結合モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−12209(P2013−12209A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173567(P2012−173567)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2007−176264(P2007−176264)の分割
【原出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】