説明

電磁装置および前記電磁装置を使用した表示装置

【課題】 磁路ヨーク内の磁束と、回転子の磁石から発せられる磁力との相互作用を効率よく利用することができる電磁装置およびこれを使用した表示装置を提供する。
【解決手段】 第1の磁路ヨーク21と第2の磁路ヨーク22とで閉磁気回路が形成され、第2の磁路ヨーク22にコイル23が設けられている。第1の磁路ヨーク21にY方向に細長い細長部21aが形成され、細長部21aに複数の貫通穴25が形成されている。回転子である永久磁石28がそれぞれの貫通穴25の内部に回動自在に挿入されている。コイル23への通電が切換えられて、細長部21aにY1方向に向かう磁路とY2方向へ向かう磁路が交互に発生することで、それぞれの永久磁石28が回転させられ、その軸7aに固定されている表示体の向きが切換えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁路ヨークと回転する磁石との間の磁力の相互作用の効率を高めて、省電力で磁石を回転させることができ、または電力を効率よく発電できる電磁装置、および前記電磁装置を使用した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1,2に、電磁アクチュエータを使用した表示装置に関する発明が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された表示装置は、回転式の複数の表示素子が並んで設けられ、それぞれの表示素子に永久磁石が保持されている。電磁石の中心にヨークが設けられ、ヨークの先端が複数に分岐されて、それぞれの先端が表示素子に設けられた永久磁石の側部に個別に対向している。
【0004】
電磁石のコイルに通電される電流が切換えられて、ヨークの先端の磁極が変化すると、ヨークの先端と永久磁石との間で反発力と吸引力とが交互に作用して、表示素子が時計方向と反時計方向とへ交互に回動させられ、表示素子で表示される内容が切換えられる。
【0005】
特許文献2に記載された表示装置は、電磁石に設けられた鉄心の両端部から延びる2つのヨークが距離を空けて対向している。2つのヨークの間に、複数の回動式の表示素子が、一列に並んで配列しており、それぞれの表示素子に磁石が設けられている。
【0006】
電磁石を構成するコイルに与えられる電流が切換えられて、2つのヨークの磁極が変化すると、全ての表示素子が、同じ向きに回動させられて、表示内容が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実願平2−116417号(実開平4−72271号)のマイクロフィルム
【特許文献2】実願平2−404904号(実開平4−91386号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された表示装置は、それぞれの表示素子に設けられた永久磁石と、ヨークの先端とが空間内で対向した構造であり、電磁石で発生した磁束の多くの部分が空間に洩れ出る構造である。そのため、磁束の利用効率がきわめて低い。
【0009】
特許文献2に記載された表示装置は、対向する2つのヨークの間に複数の表示素子が位置しているが、2つのヨークの間のエアーギャップが広いために、空間への洩れ磁束が多くなり、磁束の利用効率がきわめて低い。
【0010】
したがって、上記表示装置を微小な電力で動作させることができず、例えば手の操作力で発電した電力で駆動することは実質的に不可能である。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、磁路ヨークを通過する磁束を効率良く使用して小さな電力で回転子を駆動することができる電磁装置を提供することを目的としている。
【0012】
本発明は、回転子の回転力を、磁路ヨーク内の磁束の変化に効率よく変換して電力を発電できる電磁装置を提供することを目的としている。
【0013】
さらに本発明は、手の操作力によって発電した電力を使用して、表示体を回転させることが可能な表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、閉磁気回路を形成する磁性材料製の磁路ヨークと、前記磁路ヨークの周囲に導線が巻かれたコイルと、磁石を有する回転子とが設けられた電磁装置において、
前記磁路ヨークに、内縁部の少なくとも一部が円周面である貫通穴が形成され、前記磁石は円形で、直径方向の相反する向きに異なる磁極が向けられており、
前記磁石が前記貫通穴に隙間を介して挿入されて、前記回転子が、前記磁路ヨークの表面と垂直に延びる軸を中心として回転自在であることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の電磁装置は、磁路ヨークに形成された貫通穴に回転子の磁石が挿入されているため、磁路ヨーク内を通過する磁束と磁石から発せられる磁力との結合効率が高く、効率の良い電磁アクチュエータまたは電磁発電装置を構成することができる。
【0016】
本発明は、前記磁路ヨークに、互いに平行な側辺を有し両側辺の対向寸法である幅寸法よりも長手方向の寸法が長い細長部が設けられ、前記貫通穴が前記細長部に形成され、前記貫通穴の中心が両側辺の中心に位置していることが好ましい。
【0017】
細長部内に貫通穴が設けられていると、貫通穴と側辺とで挟まれた狭い領域が磁束が通過しずらい抵抗部となり、貫通穴内に位置する磁石と磁束とが互いに作用しやすくなる。
【0018】
本発明は、前記貫通穴の内縁部に、前記磁石の外周面との距離が短い接近部とそれよりも前記距離が長い後退部とが形成され、対向する2つの前記接近部の中心と前記軸の中心線を結ぶ対向線が、前記磁路ヨークの長手方向に対して傾いているものとして構成できる。
【0019】
上記構成では、コイルの電流が変化していないときに、磁石が安定する向きが、細長部の長手方向に対して斜めに向けられる。そのため、磁路ヨークに磁束を通過させたときに、磁石に回転モーメントを与えやすくなる。
【0020】
例えば、本発明は、前記磁石の時計方向への回動範囲は、いずれかの着磁面の中心が前記対向線に一致する以前の角度に制限され、前記磁石の反時計方向への回動範囲も、前記着磁面の中心が前記対向線に一致する以前の角度に制限されており、前記磁路ヨークの前記細長部に伝達される磁束の向きが切換えられると、その磁束の向きに対応して、制限された回動範囲内で前記回転子が双方向に回動し、前記細幅部内の磁束の向きの変化が無くなると、前記回転子が、前記回動範囲のいずれかの限界位置で安定状態となる。
【0021】
あるいは本発明は、前記磁石の回動範囲が限定されておらず、前記磁路ヨークの前記細長部に伝達される磁束の向きが切換えられる度に、前記回転子が同じ方向へ180度ずつ回転させられ、前記細幅部内の磁束の向きの変化が無くなると、それぞれの着磁面の中心が前記対向線にほぼ一致して、前記回転子が安定状態となる。
【0022】
本発明の電磁装置は、前記磁路ヨークの前記細長部に、その長手方向に沿って複数の前記貫通穴が形成され、それぞれの前記貫通穴に前記磁石が挿入されているものとすることが可能である。
【0023】
さらに本発明の電磁装置は、前記回転子を回転させると、前記磁路ヨーク内を通過する磁束の向きが切換えられて、前記コイルに電力が誘導されるものであってもよい。
【0024】
また、本発明の表示装置は、前記いずれかに記載の電磁装置が使用され、前記回転子と共に回動する表示体が設けられており、前記回転子と共に前記表示体が回動して、前記表示体の異なる表示面が目視方法へ向けられることを特徴とするものである。
【0025】
または、本発明の表示装置は、前記電磁装置がアクチュエータとして使用され、このアクチュエータに設けられた前記回転子と共に回動する表示体が設けられており、さらに、前記電磁装置が発電装置として使用され、この発電装置で得られる電力が前記アクチュエータのコイルに与えられ、前記回転子と共に前記表示体が回動して、前記表示体の異なる表示面が目視方法へ向けられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、磁路ヨークに形成された貫通穴の内部に磁石が回動自在に挿入されているため、磁路ヨークを通過する磁束と、磁石の磁力との相互作用が効率良く行われるようになり、回転子を省電力で回転させることができ、または回転子の回転力によって電力を効果的に発電することができる。
【0027】
また、貫通穴の対向する2つの接近部の中心と回転子の回転中心を結ぶ対向線を磁路ヨークの長手方向に対して斜めに向けることにより、磁路ヨーク内の磁束の変化によって回転子に回転モーメントを効果的に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の電磁装置を使用した表示装置の実施の形態を示す分解斜視図、
【図2】図1に示す表示装置の表示部を示す正面図、
【図3】図1に示しされた表示体の回動規制部の構造を示す断面図、
【図4】図1に示す表示装置に設けられた電磁アクチュエータ用の電磁装置を示す平面図、
【図5】電磁アクチュエータ用の電磁装置の磁路ヨーク内の磁束の変化のシミュレーション結果を示す説明図、
【図6】電磁アクチュエータ用の電磁装置の磁路ヨークに形成された接近部と後退部の構造を示す説明図、
【図7】図1に示す表示装置に設けられた電磁アクチュエータ用の電磁装置の動作説明図、
【図8】第2の実施の形態の電磁アクチュエータ用の電磁装置の動作説明図、
【図9】磁路ヨークに形成された接近部と後退部の他の構成例を示す説明図、
【図10】図1に示す表示装置に設けられた発電用の電磁装置を示す平面図、
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に示す表示装置1は、本体ケース2と蓋体ケース3を有している。本体ケース2の開口部に蓋体ケース3が固定されて、内部に動作空間4を有するケース(筐体)が構成されている。本体ケース2と蓋体ケース3は合成樹脂材料で形成されている。蓋体ケース3に四角形状の表示窓3aが開口しており、この表示窓3aに透明板5が嵌められている。透明板5はガラスや透明な合成樹脂材料で形成されている。
【0030】
ケースの動作空間4の内部に、複数の表示体6とそれぞれの表示体6を支持する支持部材10が設けられている。支持部材10は合成樹脂材料で形成されており、上側支持部11と下側支持部12とが平行に対向して設けられている。上側支持部11に複数の軸受穴13aが、下側支持部12に複数の軸受穴13bが形成されている。上側の軸受穴13aと下側の軸受穴13bは、Y方向に延びる同一線上に位置している。
【0031】
それぞれの表示体6は合成樹脂製であり、その上端部に上部軸7aが一体に形成され、下端部に下部軸7bが一体に形成されている。上部軸7aは、支持部材10の上側の軸受穴13aに回動自在に挿入され、下部軸7bが、支持部材10の下側の軸受穴13bに回動自在に挿入されている。
【0032】
図1と図3に示すように、支持部材10の下側支持部11に、回動規制部14が設けられている。回動規制部14は、それぞれの表示体6に対向して複数箇所に設けられている。それぞれの回動規制部14は、第1の規制部14aと第2の規制部14bを有している。それぞれの表示体6の下部に規制突部8が一体に形成されており、規制突部8が第1の規制部14aと第2の規制部14bとの間を回動する。この回動規制部14によって、それぞれの表示体6の回動範囲が120度に規制されている。
【0033】
それぞれの表示体6は、第1の表示面6aと第2の表示面6bを有している。第1の表示面6aと第2の表示面6bは平坦面であり、互いに120度の角度で交差している。
【0034】
図1と図3では、全ての表示体6のα方向への回動が第1の規制部14aで規制されている。このとき、図2に示すように、表示窓3aの透明板5を透視して、全ての表示体6の第1の表示面6aを見ることができる。それぞれの表示体6がβ方向へ120度の角度だけ回動すると、β方向への回動が第2の規制部14bで規制される。このとき、それぞれの表示体6の第2の表示面6bが表示窓3aに向けられる。複数の第1の表示面6aおよび複数の第2の表示面6bに、全体で1画面となるように文字または図形を形成しておくことで、表示内容を切換えることができる。
【0035】
ケースの動作空間4の内部に、アクチュエータとして機能する電磁装置20と発電装置として機能する電磁装置30および送信装置(図示せず)などが設けられている。
【0036】
ケースに設けられた押釦などの操作部材が人の手で操作されると、発電装置である電磁装置30が動作させられて電力が得られる。この電力で送信装置が駆動され、操作信号が主装置に送信されて主装置が操作されるとともに、その電力の一部によって電磁アクチュエータとして機能する電磁装置20が駆動されて、表示内容が切換えられる。前記主装置は、室内の照明器具やその他の種々の電気設備である。
【0037】
図1と図4に示すように、電磁アクチュエータとして機能する電磁装置20は、第1の磁路ヨーク21と第2の磁路ヨーク22を有し、両磁路ヨーク21と22は同じ軟磁性材料で形成されている。
【0038】
第1の磁路ヨーク21は、その長手方向がY方向に向けられた細長部21aと、細長部21aのY1側の端部およびY2側の端部から直角方向に連続して延びる連結部21b,21bを有している。第2の磁路ヨーク22はX方向の幅寸法が一定で長手方向がY方向に延びるI形状のヨークであり、その両端部が第1の磁路ヨーク21の連結部21b,21bの上に重ねられて固定されている。その結果、第1の磁路ヨーク21と第2の磁路ヨーク22とで、閉磁気回路が構成されている。
【0039】
電磁装置20に、絶縁被覆を有する銅線が多重に巻かれたコイル23が設けられており、第2の磁路ヨーク22は、コイル23の巻き中心に挿入されている。
【0040】
第1の磁路ヨーク21の細長部21aは、図4の紙面と直交する方向の厚さ寸法が均一である。細長部21aのX方向の両側の側辺24a,24bは、共にY方向に延びて互いに平行である。細長部21aは、長手方向(Y方向)の寸法Laが、X方向の幅寸法W0よりも十分に大きい長方形状である。長手方向の寸法Laは、幅寸法W0の4倍以上である。
【0041】
細長部21aに複数の貫通穴25が形成されている。実施の形態の電磁装置20は、貫通穴25が4箇所に形成されており、貫通穴25は、その中心線OのY方向のピッチが一定である。
【0042】
図4に示すように、電磁装置20の第1の磁路ヨーク21のY1側とY2側の端部に位置決め凹部21c,21cが形成されている。図1に示すように、支持部材10の上側支持部11に一対の位置決め突部15,15が形成されている。前記位置決め凹部21c,21cが前記位置決め突部15,15と凹凸嵌合して、支持部材10の上に電磁装置20が位置決めされて固定されると、第1の磁路ヨーク21に形成された複数の貫通穴25のそれぞれの中心線Oが、上側支持部11に形成された複数の軸受穴13aのそれぞれの中心に一致する。
【0043】
図4に示すように、第1の磁路ヨーク21に形成されたそれぞれの貫通穴25の中心線Oは、X方向の両側の側辺24a,24bの対向距離である幅寸法W0の中心に位置しており、側辺24aと貫通穴25の内周縁との最短距離と、側辺24bと貫通穴25の内周縁との最短距離とが、共に等しい値W1である。両側辺24a,24bと貫通穴25の内周縁との最短距離W1は、貫通穴25の内径の最小値の1/2以下であることが好ましい。
【0044】
磁路ヨーク21の細長部21aでは、貫通穴25と両側辺24a,24bとの距離W1が狭められ、距離W1の部分が、細長部21aを通過する磁束に対して抵抗を与える構造である。
【0045】
図4と図6に示すように、貫通穴25に、内周縁の一部が中心線Oを中心とする円周面とされた接近部26a,26bと、内周縁の一部に切欠きが形成された後退部27a,27bとが設けられている。
【0046】
図6に示すように、接近部26aと接近部26bは、共に中心線Oからの開き角度が同じ値θ1となるように形成されている。接近部26aの中心26a1と、接近部26bの中心26b1を通過する対向線L0は、貫通穴25の中心線Oと交差している。それぞれの貫通穴25の対向線L0は、細長部21aの長手方向(Y1−Y2方向)に対して傾いている。図6に示すように、接近部26aの中心26a1は、Y1−Y2方向に対して時計方向へ角度θ2だけ傾いており、接近部26bの中心26b1は、Y1−Y2方向に対して反時計方向へ角度θ3だけ傾いている。θ2=+30度で、θ3=−150度である。
【0047】
電磁装置20では、それぞれの貫通穴25の内部に永久磁石28が設けられている。図6に示すように、それぞれの永久磁石28は円板形状であり、中心に中心穴28aが貫通して設けられている。前記表示体6の上部軸7aは、支持部材10の上部支持部11に形成された軸受穴13aを通過して上方へ突出し、その上端が永久磁石28の中心穴28aの内部に挿入されて、上部軸7aと永久磁石28とが固定されている。永久磁石28と上部軸7aと表示体6とで、個々の回転子が構成されており、回転子は、第1の磁路ヨーク21の表面に垂直な中心線Oを中心として回動自在である。
【0048】
上部軸7aに固定された永久磁石28の中心は、貫通穴25の中心線O上に位置し、永久磁石28の外周面である着磁面と、貫通穴25の内周縁との間に均一な隙間が形成されている。
【0049】
図6に示すように、円板形状の永久磁石28は、回転中心となる中心線Oを通る境界線28bを挟んで、一方の側の180度の範囲の外周面がN極着磁面29aであり、他方の側の180度の範囲の外周面がS極着磁面29bである。N極着磁面29aの中心29a1とS極着磁面29bの中心29b1とを結ぶ着磁対向線L1は、永久磁石28の中心、すなわち貫通穴25の中心線Oと交差している。
【0050】
図10に示すように、発電装置として機能する電磁装置30は、第1の磁路ヨーク31と第2の磁路ヨーク32を有している。第1の磁路ヨーク31と第2の磁路ヨーク32は、同じ軟磁性材料で形成されている。第2の磁路ヨーク32の両端部が第1の磁路ヨーク31に固定されて、第1の磁路ヨーク31と第2の磁路ヨーク32とで閉磁気回路が構成されている。第2の磁路ヨーク32の周囲に、絶縁被覆を有する導線が多重に巻かれたコイル33が設けられている。
【0051】
第1の磁路ヨーク31に貫通穴34が形成されている。貫通穴34は内周面が円形で第1の磁路ヨーク31を貫通して形成されている。この貫通穴34の内部に回転子を構成する円板形状の永久磁石38が挿入されている。
【0052】
図1に示すように、本体ケース2の内部に回転軸37が回転自在に支持されている。図10に示す電磁装置30は、本体ケース2の内部に収納され、取付け穴32a,32aに挿入された取付けネジによって、本体ケース2の底部に固定される。電磁装置30が本体ケース2の内部に固定されると、回転軸37が、永久磁石38の中心穴38aに挿入されて固定される。そして、永久磁石38の外周面と貫通穴34の内周縁との間に均一な隙間が形成されて、回転軸37と共に永久磁石38が回転できるようになる。
【0053】
図10に示すように、回転子を構成する永久磁石38は、回転中心を通過する境界線38bを挟んで、一方の側の180度の範囲の外周面がN極着磁面39aであり、他方の側の180度の範囲の外周面がS極着磁面39bである。
【0054】
本体ケース2には、押圧操作釦と、押圧操作釦の往復運動を回転運動に変換する運動変換機構と、運動変換機構で変換された回転力を増速して回転軸37に与える増速歯車列が設けられている。
【0055】
次に、表示装置1の動作を説明する。
この表示装置1は、押圧操作釦が押されると、その往復動作が回転運動に変換されて、回転軸37が回転駆動される。発電装置として機能する電磁装置30では、回転子を構成する永久磁石38が回転軸37と共に回転する。永久磁石38から発せられる磁力により、第1の磁路ヨーク31と第2の磁路ヨーク32の内部に磁束が誘導され、N極着磁面39aとS極着磁面39bの向きが交互に変わると、第1の磁路ヨーク31と第2の磁路ヨーク32の内部で磁束の向きが交互に変化し、コイル33に交流電流が発電される。
【0056】
円板形状の永久磁石38は、円形の貫通穴34の内部に、周方向へ隙間が均一となって挿入されているため、永久磁石38のN極着磁面39aから得られる磁力線が外部空間に洩れにくく、第1の磁路ヨーク31の内部に高い密度の磁束を誘導することができる。その結果、コイル33に大きな交流電力を誘導することができる。
【0057】
本体ケース2の内部に設けられた駆動回路によって、電磁装置30のコイル33に誘導された交流電力が整流されて直流電力に変換される。この直流電力により送信装置が駆動されて、主装置に操作信号が送られる。さらに、電磁アクチュエータとして機能する電磁装置20のコイル23に電流が与えられて、表示体6による表示内容が切換えられる。
【0058】
電磁装置20では、第1の磁路ヨーク21の細長部21aにY2方向への磁束が与えられると、それぞれの表示体6がα方向へ回動して、第1の表示面6aが表示窓3aに向けられ、細長部21aに流れる磁束が低下しまたは無くなっても、その表示状態が保持される。細長部21aにY1方向への磁束が与えられると、それぞれの表示体6がβ方向へ回動して、第2の表示面6bが表示窓3aに向けられる。そして、細長部21aに流れる磁束が低下しまたは無くなると、その表示状態が保持される。
【0059】
以下において、電磁アクチュエータとして機能する電磁装置20の動作をさらに詳しく説明する。
【0060】
図5は、第1の磁路ヨーク21に流れる磁束のシミュレーション結果を示している。図5に示すシミュレーションは、第1の磁路ヨーク21の細長部21aに貫通穴25が形成されて、この貫通穴25の内部に永久磁石28が挿入されている構造の利点を明確にするためのものである。そのため、図1と図6に示した実施の形態と同じではなく、それぞれの貫通穴25が、後退部27a,27bを有していない真円形の穴であると仮定し、さらに、回動規制部14が設けられておらず、永久磁石28が貫通穴25の内部でその回動角度を規制されることなく回動自在であると仮定して特性を求めている。
【0061】
図5(A)は、貫通穴25の内部に永久磁石28が存在していないものと仮定して、コイル23に通電し、第1の磁路ヨーク21と第2の磁路ヨーク22の内部に時計回り周回する磁束を誘導した状態を示している。
【0062】
図4に示すように、複数の貫通穴25が、第1の磁路ヨーク21の細長部21aに形成され、貫通穴25の内周縁とそれぞれの側辺24a,24bとの最短距離W1が、貫通穴25の内径(直径)の最小値の1/2以下となっており、貫通穴25の両側部で、磁路の通過経路の断面積が小さく絞り込まれている。そのため、図5(A)のシミュレーション結果のように、閉磁気回路を通過する磁束に対し、貫通穴25の両側部分の通過抵抗が大きく、幅寸法W1の部分で磁束が飽和しやすくなっている。
【0063】
図5(B)は、コイル23に通電して、第1の磁路ヨーク21と第2の磁路ヨーク22に図5(A)と同じ時計回りの磁束を誘導している状態で、それぞれの貫通穴25に永久磁石28を挿入し、N極着磁面29aの中心29a1をY1方向へ向けた状態を示している。このとき、コイル23に流れる電流により誘導されて細長部21aの内部をY1方向へ向かう磁束と、永久磁石28のN極着磁面29aから出る磁力線とが結合される。その結果、貫通穴25の両側の幅寸法W1の領域が、Y1方向に向かう磁束に対して抵抗をほとんど与えない。
【0064】
図5(C)は、コイル23から磁路ヨーク21,22に誘導される磁束が図5(A)と同じであり、貫通穴25の内部で、永久磁石28を図5(B)の状態から180度回動させた状態を示している。図5(D)は、コイル23から磁路ヨーク21,22に誘導される磁束が図5(A)と同じであり、貫通穴25の内部で、永久磁石28を図5(B)の状態から反時計方向へ90度回動させた状態を示している。
【0065】
図5(D)では、永久磁石28のN極着磁面29の中心29a1の向きが、磁路ヨーク21,22に誘導される磁束に逆らう向きとなるため、貫通穴25の両側部が、磁束に対する抵抗力を発揮するようになる。
【0066】
図5に示すシミュレーションでは、貫通穴25が真円形状であり、第1の磁路ヨーク21の細長部21aのX方向の中心に貫通穴25が位置し、幅寸法W1の磁気飽和しやすい領域が貫通穴25の左右両側に均等に形成されている。よって、磁石に対してはY方向が安定軸でX方向が不安定軸となる。
【0067】
その結果、図5(B)で永久磁石28が安定し、図5(D)では、永久磁石28に対して、図5(B)の状態へ復帰させるための時計回りの回動トルクが作用する。また、図5(C)は、理想状態では不安定つりあい点となっており、ちょっとした振動などの外力で、回転を開始して図5(B)の状態へ復帰させようとする回動トルクが作用する。
【0068】
図5に示すシミュレーションの結果から次のことが明らかである。
第1の磁路ヨーク21の細長部21aに貫通穴25が形成され、その両側部の磁路が幅寸法W1で示すように狭められて、通過する磁束に対する抵抗力が高くなっている。そのため、コイル23に通電せず、磁路ヨーク21,22に磁束を誘導しない状態では、N極着磁面29aの中心29a1とS極着磁面29bの中心29b1とを結ぶ着磁対向線L1が、Y1−Y2方向と平行に向けられた状態で安定し、永久磁石28が安定状態で保持される。すなわち、N極着磁面29aの中心29a1がY1方向に向けられた状態、またはY2方向へ向けられた状態で、永久磁石28が回転することなく安定した状態で保持される。
【0069】
このときの保持力は、永久磁石28のN極とS極に着磁された磁力の大きさに左右されるとともに、貫通穴25と左右の両側辺24a,24bとの距離W1の影響を受け、距離W1が小さいほど、着磁対向線L1がY1−Y2方向に平行に向けられた状態で安定する保持力が大きくなる。
【0070】
一方、図5(D)の状態では、貫通穴25の両側部での磁束密度が飽和状態に近くなり、回転子である永久磁石28に対して回転トルクが作用し、図5(B)に示す状態で安定しようとする。
【0071】
また、図5(C)の状態では、磁石で発生する磁束の磁路と、コイルで発生する磁束の磁路がほぼ直交するために、理想状態では不安定つりあい状態となり、ちょっとした振動などの外力で、時計回りもしくは反時計周りの回転トルクが作用して図5(B)に示す状態で安定しようとする。
【0072】
実施の形態の表示装置1に設けられた電磁装置20では、図4および図6に示すように、貫通穴25の内周縁に接近部26a,26bと後退部27a,27bが形成されており、接近部26aの中心26a1と接近部26bの中心26b1とを結ぶ対向線L0が、貫通穴25の中心線Oと交差し、対向線L0がY1−Y2方向に対して角度θ2および角度θ3だけ傾けられている。
【0073】
そこで、貫通穴25の内部で、永久磁石28が規制されずに360度の範囲で自由に回転できると仮定すると、コイル23に通電されていないときに、図6に示すように、永久磁石28のN極着磁面29aの中心29a1とS極着磁面29bの中心29b1とを結ぶ着磁対向線L1が、対向線L0と一致した状態で、永久磁石28が安定しようとする。また、永久磁石28が図6の状態から180度回転した状態でも、永久磁石28が安定状態となる。
【0074】
永久磁石28を安定させようとする保持力は、貫通穴25の両側部の幅寸法W1が小さいほど大きくなる。また、図6に示されている貫通穴25の接近部26aと接近部26bの開き角度θ1が小さくなるにしたがって、永久磁石28を安定させようとする保持力が大きくなる。
【0075】
すなわち、接近部26aの中心26a1と接近部26bの中心26b1とを結ぶ対向線L0をY軸に対して傾かせたことで、コイル23に通電されていないときの永久磁石28に対する安定点と、コイル23に通電されている場合の永久磁石28に対する安定点とを、Y軸に対して傾かせることができる。さらに、貫通穴25が真円形状のときは、永久磁石28に対してX方向の向きが不安定つりあい点であったが、これをなくすことができる。
【0076】
ここで、図1に示された実施の形態の表示装置1に設けられた電磁装置20では、図3に示すように、永久磁石28と一緒に回動する表示体6の回動範囲を規制する回動規制部14が設けられている。
【0077】
図3に示す状態では、表示体6と一緒に回動する規制突部8が、回動規制部14の第1の規制部14aに当たって、表示体6および永久磁石28の反時計方向(α方向)への回動が規制されている。
【0078】
このとき、図7(A)に示すように、永久磁石28の回動角度は、N極着磁面29aの中心29a1が、対向線L0上の接近部26bの中心26b1に一致する安定位置よりも手前までの角度φ1で制限されている。そのため、図7(A)の状態で、コイル23への通電が断たれて、磁路ヨーク21,22に磁束が誘導されていない状態では、N極着磁面29aの中心29a1と接近部26bの中心26b1とが一致する安定位置に向けて、さらに永久磁石28を反時計方向へ回動させようとするトルクが作用し続ける。
【0079】
したがって、コイル23に通電されていないとき、図3に示すように、全ての表示体6が第1の規制部14aで回動が規制された状態で安定し、全ての表示体6の第1の表示面6aが、蓋体ケース3の表示窓3aに向けられる。
【0080】
図3と図7(A)に示す安定状態のときに、駆動回路から電磁装置20のコイル23に一方向への電流が与えられて、第1の磁路ヨーク21の細長部21aにY1方向への磁束B1が誘導されると、永久磁石28に時計方向(β方向)への回動トルクが与えられて、表示体6と永久磁石28が時計方向へ回動させられる。図3に示す規制突部8が回動規制部14の第2の規制部14bに当たると、表示体6と永久磁石28の時計方向への回動が規制される。
【0081】
このとき、図7(B)に示すように、時計方向へ回動した永久磁石28は、N極着磁面29aの中心29a1が、貫通穴25の対向線L0に至らず、中心29a1が、接近部26aの中心26a1に一致する安定位置の手前でその回動角度φ2が規制される。このときの時計方向への回動角度φ2は120度である。
【0082】
図7(B)の状態で、コイル23への通電が断たれ、磁路ヨーク21,22に磁束が誘導されない状態となったときに、N極着磁面29aの中心29a1と接近部26aの中心26a1とが一致する安定位置へ向けて、永久磁石28を時計方向へ回動させようとするトルクが作用し続け、永久磁石28が図7(B)の状態で安定する。
【0083】
したがって、コイル23に通電されていないときに、全ての表示体6が第2の規制部14bで回動が規制された状態で安定し、全ての表示体6の第2の表示面6bが、蓋体ケース3の表示窓3aに向けられた表示状態が維持される。
【0084】
また、図7(B)の状態から、電磁装置20のコイル23に与えられて、第1の磁路ヨーク21の細長部21aにY2方向へ向かう磁束B2が誘導されると、永久磁石28と表示体6が反時計方向(α方向)へ回動させられて、再び図7(A)の安定状態に至る。
【0085】
図4に示す電磁装置20は、第1の磁路ヨーク21の細長部21aの貫通穴25内で回転子の永久磁石28が回転するため、細長部21aの内部に誘導される磁束で永久磁石28を回転させるときの効率が高くなる。そのため、人の手で発電する電磁装置30からの電力によって、送信装置を動作させるとともに、複数の表示体6を動作させることが可能である。
【0086】
図8は、本発明の第2の実施の形態の電磁装置120を示している。
図8に示す電磁装置120およびこれを使用した表示装置は、図1と図3に示す回動規制部14が設けられておらず、表示体6と永久磁石28が規制されることなく自由に回動できるものであり、それ以外の構成は、前記実施の形態と同じである。すなわち、貫通穴25に形成された接近部26a,26bと後退部27a,27bの構造および回転子を構成する永久磁石28の構造は、前記実施の形態と同じである。
【0087】
この電磁装置120は、コイル23に通電されていないとき、永久磁石28が、図8(A)または図8(B)に示すように、着磁対向線L1が貫通穴25の対向線L0と一致した向きで安定する。図8(A)では、永久磁石28のN極着磁面29aの中心29a1が、貫通穴25の接近部26aの中心26a1と最も接近した位置で安定している。図8(B)では、永久磁石28のN極着磁面29aの中心29a1が、接近部26bの中心26b1と最も接近した位置で安定している。
【0088】
図8(A)の安定状態のときに、コイル23に通電されて、第1の磁路ヨーク21の細長部21aにY2方向の磁束B2が誘導されると、永久磁石28に時計方向への回転力が与えられて、永久磁石28が図8(A)の状態から図8(B)の状態に回転する。コイル23への通電が断たれると、永久磁石28は図8(B)の姿勢で安定する。図8(B)の安定状態において、コイル23へ通電されて、細長部21aにY1方向へ向く磁束B1が誘導されると、永久磁石28がさらに時計方向へ180度回転して図8(A)の安定状態に至る。
【0089】
このように、貫通穴25の接近部26aの中心26a1と接近部26bの中心26b1とを結び且つ中心線Oと交差する対向線L0が、細長部21aの長手方向であるY1−Y2方向に対して時計方向へ傾いているため、図8(A)と図8(B)の安定状態において、細長部21aにY1方向またはY2方向への磁束を誘導させると、永久磁石28を時計方向へ180度ずつ回転させることができる。
【0090】
よって、永久磁石28で回転させられる表示体として、表示面が180度ごとに切換えられるものを使用することで、2種の表示を交互に安定させて表示窓3aに向けることができる。
【0091】
図8とは異なり、貫通穴25の接近部26aの中心26a1と接近部26bの中心26b1とを結び且つ中心線Oと交差する対向線L0を、細長部21aの長手方向であるY1−Y2方向に対して反時計方向へ傾いた構造にしておくと、細長部21aにY1方向とY2方向の磁束を交互に誘導することで、永久磁石28を反時計方向は180度ずつ回転させることができるようになる。
【0092】
図9は、第1の磁路ヨーク21の細長部21aに設けられる他の実施の形態の貫通穴125を示している。
【0093】
図9に示す貫通穴125は、内周縁の一部が円周面であり、円周面の部分が後退部127a,127bとなっており、内周縁の一部に平坦部が形成されて、この平坦部が接近部126a,126bとなっている。接近部126aの中心126a1と接近部126bの中心126b1とを結び、中心線Oと交差する対向線L0が、Y1−Y2方向に対して傾いている。
【0094】
この貫通穴125の内部に回転自在に挿入された永久磁石28は、着磁対向線L1が、前記対向線L0と一致した向きで安定するようになる。
【符号の説明】
【0095】
1 表示装置
2 本体ケース
3 蓋体ケース
3a 表示窓
6 表示体
6a 第1の表示面
6b 第2の表示面
7a 上部軸
7b 下部軸
8 規制突部
10 支持部材
13a,13b 軸受穴
14 回動規制部
14a 第1の規制部
14b 第2の規制部
20 電磁アクチュエータである電磁装置
21 第1の磁路ヨーク
21a 細長部
22 第2の磁路ヨーク
23 コイル
24a,24b 側辺
25 貫通穴
26a,26b 接近部
26a1,26b1 接近部の中心
27a,27b 後退部
28 永久磁石
29a N極着磁面
29a1 N極着磁面の中心
29b S極着磁面
29b1 S極着磁面の中心
30 発電装置である電磁装置
31 第1の磁路ヨーク
32 第2の磁路ヨーク
33 コイル
34 貫通穴
38 永久磁石
39a N極着磁面
39b S極着磁面
125 貫通穴
126a,126b 接近部
L0 対向線
L1 着磁対向線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉磁気回路を形成する磁性材料製の磁路ヨークと、前記磁路ヨークの周囲に導線が巻かれたコイルと、磁石を有する回転子とが設けられた電磁装置において、
前記磁路ヨークに、内縁部の少なくとも一部が円周面である貫通穴が形成され、前記磁石は円形で、直径方向の相反する向きに異なる磁極が向けられており、
前記磁石が前記貫通穴に隙間を介して挿入されて、前記回転子が、前記磁路ヨークの表面と垂直に延びる軸を中心として回転自在であることを特徴とする電磁装置。
【請求項2】
前記磁路ヨークに、互いに平行な側辺を有し両側辺の対向寸法である幅寸法よりも長手方向の寸法が長い細長部が設けられ、前記貫通穴が前記細長部に形成され、前記貫通穴の中心が両側辺の中心に位置している請求項1記載の電磁装置。
【請求項3】
前記貫通穴の内縁部に、前記磁石の外周面との距離が短い接近部とそれよりも前記距離が長い後退部とが形成され、対向する2つの前記接近部の中心と前記軸の中心線を結ぶ対向線が、前記磁路ヨークの長手方向に対して傾いている請求項2記載の電磁装置。
【請求項4】
前記磁石の時計方向への回動範囲は、いずれかの着磁面の中心が前記対向線に一致する以前の角度に制限され、前記磁石の反時計方向への回動範囲も、前記着磁面の中心が前記対向線に一致する以前の角度に制限されており、
前記磁路ヨークの前記細長部に伝達される磁束の向きが切換えられると、その磁束の向きに対応して、制限された回動範囲内で前記回転子が双方向に回動し、前記細幅部内の磁束の向きの変化が無くなると、前記回転子が、前記回動範囲のいずれかの限界位置で安定状態となる請求項3記載の電磁装置。
【請求項5】
前記磁石の回動範囲が限定されておらず、
前記磁路ヨークの前記細長部に伝達される磁束の向きが切換えられる度に、前記回転子が同じ方向へ180度ずつ回転させられ、前記細幅部内の磁束の向きの変化が無くなると、それぞれの着磁面の中心が前記対向線にほぼ一致して、前記回転子が安定状態となる請求項3記載の電磁装置。
【請求項6】
前記磁路ヨークの前記細長部に、その長手方向に沿って複数の前記貫通穴が形成され、それぞれの前記貫通穴に前記磁石が挿入されている請求項4または5記載の電磁装置。
【請求項7】
前記回転子を回転させると、前記磁路ヨーク内を通過する磁束の向きが切換えられて、前記コイルに電力が誘導される請求項1記載の電磁装置。
【請求項8】
請求項4ないし6のいずれかに記載の電磁装置が使用され、
前記回転子と共に回動する表示体が設けられており、前記回転子と共に前記表示体が回動して、前記表示体の異なる表示面が目視方法へ向けられることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項4ないし6のいずれかに記載の電磁装置がアクチュエータとして使用され、このアクチュエータに設けられた前記回転子と共に回動する表示体が設けられており、
請求項8に記載された電磁装置が発電装置として使用され、この発電装置で得られる電力が前記アクチュエータのコイルに与えられ、
前記回転子と共に前記表示体が回動して、前記表示体の異なる表示面が目視方法へ向けられることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−46544(P2013−46544A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184504(P2011−184504)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】