説明

電磁誘導加熱式の食品焼成機

【課題】食品焼成用金型の多数を自動間歇的に搬送中、対応位置する多数の電磁誘導加熱器により加熱して、均一な焼成状態の食品を大量生産する。
【解決手段】自動間歇的な金型搬送体(C)による食品焼成用金型(M)の往動帯域(F)において閉合状態の金型(M)を、上下方向から同時に加熱する多数の第1電磁誘導加熱器(H1)と、同じく復動帯域(R)において展開状態の金型(M)を、少なくとも上方から保温する多数の第2電磁誘導加熱器(H2)とを備え、上記第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の加熱コイル(13)を相互誘導現象が起生しない全体的な均一の温度分布に加熱すべく、その加熱コイル(13)に供給する共振型インバーター(12)の出力電力を個別に制御するように定めた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は煎餅やクッキー、ケーキなどを自動間歇的に搬送し乍ら、大量に且つ均一に電磁誘導加熱する食品焼成機に関する。
【背景技術】
【0002】
食品やその他の被加熱物を自動間歇的に搬送し乍ら、表裏(上下)の何れか一方又は双方同時に電磁誘導加熱する装置としては、下記特許文献1、2に開示されており、その何れも被加熱物を受け持ち搬送するスチールベルトを、電磁誘導加熱コイルによって加熱するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−373770号公報
【特許文献2】特開2003−9756号公報
【特許文献3】特開2011−18511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1に開示の電磁誘導式加熱装置では、誘電性加熱板(5)(5)によって加熱される無端搬送ベルト(2)(2)の向かい合う一対や、それ自身に誘電性があるスチールベルトの向かい合う一対によって、被加熱対象物(B)を挟持移送するようになっているため、食品などの柔軟な対象物に適用し難く、その対象物の制約を受けることになる。
【0005】
又、上記特許文献2に開示の食品加熱装置では、誘導加熱コイル(4)によって加熱されるスチールベルト(3)の上面へ、被加熱物(5)の食品を搭載移送するようになっており、上記特許文献1の加熱装置と同じく、被加熱物(A)の焼成金型を具備していないため、その被加熱物(5)を生地(材料)から成形・固化することが不可能である。
【0006】
この点、被加熱物の食品を成形・固化できる焼成金型の電磁誘導加熱器は、上記特許文献3に開示されているが、これの誘導加熱コイル(C)は全体的な1本物であるため、その励磁用高周波電源となる大容量の高価なインバーターを要するほか、食品焼成金型における大きさ・形状の変化に対応し難く、全体の均一な加熱状態を得られない問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では水平軸線廻りの自動間歇的に循環回走される金型搬送体と、その金型搬送体へ起伏的な開閉自在に枢着された多数の食品焼成用金型と、上記金型搬送体による金型の往動帯域において閉合状態にある金型を、その上下方向から同時に加熱する多数の第1電磁誘導加熱器と、同じく金型搬送体による金型の復動帯域において展開状態にある金型を、その少なくとも上方から予熱又は保温する多数の第2電磁誘導加熱器とを備え、
【0008】
上記第1、2電磁誘導加熱器をその各個のほぼ正方形に巻回された1本物の電磁誘導加熱コイルが格子状態又は千鳥配置状態に並列する多数として、その多数の加熱コイルを相互誘導現象が起生しない全体的な均一の温度分布に加熱すべく、対応的な多数の加熱用インバーターにより個別に電力制御することを特徴とする。
【0009】
又、請求項2では第1、2電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルとその加熱用インバーターの個数を、金型の1個づつにつき複数づつとして対応設置すると共に、上記インバーターの出力を1.2Kw以下の小容量に設定したことを特徴とする。
【0010】
更に、請求項3では金型搬送体による金型の往動終点個所付近へ放射温度計やその他の非接触式温度センサーを設置して、これにより食品焼成後取り出し直前の閉合状態にある金型の加熱温度を検知した出力信号に基き、第1電磁誘導加熱器の加熱コイルに供給する対応的な加熱用インバーターの出力電力を、その第1電磁誘導加熱器の加熱コイルによる上記金型の加熱温度が目標の設定温度となるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の構成によれば、自動間歇的な金型搬送体へ起伏的な開閉自在に枢着された食品焼成用金型の多数を、その往動帯域では閉合状態として多数の第1電磁誘導加熱器により加熱すると共に、復動帯域では展開状態として多数の第2電磁誘導加熱器により予熱又は保温するようになっており、しかも上記第1、2電磁誘導加熱器の加熱コイルをその加熱用インバーターの電力制御によって、相互誘導現象が起生しない全体的な均一の温度分布に加熱できるようになっているため、均一な焼成状態の食品を大量生産し得る効果がある。
【0012】
特に、請求項2の構成を採用するならば、第1、2電磁誘導加熱器の加熱コイルとその加熱用インバーターが、金型の1個当りにつき複数づつとして対応設置されており、しかもそのインバーターの出力が1.2Kw以下の小容量に設定されているため、金型の大きさや形状が食品の種類によって変化しても、その小容量で安価な多数のインバーターを組み合わせ使用することにより、その金型の変化に即応することができ、利便性にも著しく優れる。
【0013】
更に、請求項3の構成を採用するならば、食品の焼成温度とみなされる金型の加熱温度を、目標とする設定温度に保つことができ、その全体的な均一性の確保にますます役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電磁誘導加熱式の食品焼成機の概略側面図である。
【図2】図1の概略平面図である。
【図3】図1の3−3線に沿う拡大断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図1の5−5線に沿う拡大断面図である。
【図6】図2の部分拡大平面図であって、電磁誘導加熱器の格子配列状態を示している。
【図7】電磁誘導加熱器の千鳥配列状態を示す図6に対応する平面図である。
【図8】1個の金型に対応位置する3個の電磁誘導加熱器を抽出して示す斜面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】多数の電磁誘導加熱器を並列設置した状態の平面図である。
【図11】複数の電磁誘導加熱器とその対応的な加熱用インバーターとの接続状態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基いて本発明の実施形態を詳述すると、図1、2は工場における煎餅やクッキー、ケーキなどの生産ラインにふさわしい電磁誘導加熱式食品焼成機の概略全体を示しており、その煎餅やクッキーなどの生地(材料)が被焼成物(1)をなす。
【0016】
そして、上記食品焼成機はその被焼成物(1)を焼成(成形・固化)する多数の食品焼成用金型(M)と、その金型(M)を水平軸線の廻りに循環回走させる金型搬送体(C)と、同じく金型(M)の加熱源になる多数の第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)とを主要な構成部材として、その剛性な機枠(2)に装備している。
【0017】
先ず、上記金型搬送体(C)は機枠(2)に据え付け固定されたコンベア回走駆動用ギャードモーター(3)と、これに伝動チェン(4)などを介して連結された駆動スプロケット(5)並びに従動スプロケット(6)と、その両スプロケット(5)(6)の前後相互間へ屈曲自在に巻き付けられたチェンコンベア(ローラーチェン)(7)とから成り、そのチェンコンベア(7)へ必要最小限度の一定間隔(d)を保って取り付けられた多数の金型(M)が、図1の矢印方向(A)へ自動間歇的に搬送されるようになっている。その場合、金型(M)の停止時間は移動中の時間よりも著しく長く設定されている。
【0018】
上記金型(M)は図3〜5のように水平のヒンジ部(8)を介して、上下方向への起伏的な開閉自在に枢支連結された金型本体(9)と蓋体(10)とから成り、その金型本体(9)の食品成形凹部(11)に充填された目的の被焼成物(1)(クッキーなどの生地)が、上方から蓋体(10)によって被覆されるようになっている。
【0019】
しかも、上記金型本体(9)の下面(裏面)とその被焼成物(1)を被覆した状態にある蓋体(10)の上面(表面)は、何れも単純なフラット面をなし、その金型本体(9)と蓋体(10)とを互いにほぼ同じ厚み(t)並びに材質の磁性体金属(好ましくは鉄)として、上記被焼成物(1)を上下方向(表裏両側)から互いに同じ第1電磁誘導加熱器(H1)により、均等加熱できるように設定する。
【0020】
図示実施形態の金型(M)はほぼ長方形の平面輪郭形状をなし、その金型搬送体(C)による搬送方向(前後方向)と平行な短辺(x)において、上記ヒンジ部(8)の軸線廻りに開閉するようになっていると共に、上記食品成形凹部(11)の3個がその金型本体(9)の長辺(y)に沿って並列設置されている。但し、このような食品成形凹部(11)は比較的大きな1個だけや、小さな3個以上の複数として形成されることもある。
【0021】
又、図示実施形態の金型(M)は食品成形凹部(11)を有する金型本体(9)と、その食品成形凹部(11)を有さない蓋体(10)との互い異なる形態の1組から成るが、互いに同じ食品成形凹部(11)が向かい合うことによって、言わば上下(表裏)反転使用できる半割り形態の金型(M)を採用しても良い。
【0022】
何れにしても、上記金型(M)は図1の往動始点個所(金型閉合部)(a)において展開状態から閉合されるまでの間に、その食品成形凹部(11)へ上方から被焼成物(クッキーの生地)(1)が自動機械的に定量充填された上、その閉合状態のままで図1の前方(A)へ往動される帯域(F)において、これらと対応位置する多数の第1電磁誘導加熱器(H1)により、上下方向(表裏両側)から同時に電磁誘導加熱されるようになっている。その金型(M)の目標とする加熱温度(被焼成物の目標とする焼成温度)は、一例として約175℃である。
【0023】
そして、上記金型(M)が図1の往動終点個所(金型展開部)(b)に到達して閉合状態から展開されることにより、その食品成形凹部(11)から焼成後の被焼成物(上記クッキー)(1)が自動機械的に又は人手によって取り出された上、その展開状態のままで図1の後方へ復動中にある金型(M)の少なくとも金型本体(9)が、その復動帯域(R)に存在する多数の第2電磁誘導加熱器(H2)により、上方(裏側)から保温又は予熱されるようになっている。
【0024】
その金型本体(9)から展開した垂れ下がり状態の蓋体(10)も、これらと対応位置する多数の電磁誘導加熱器(図示省略)によって、保温又は予熱することが望ましい。被焼成物(1)の焼成温度とみなされる金型(M)の加熱温度を、目標の設定温度まで速やかにロスなく高めることができるからである。
【0025】
その場合、上記金型(M)の多数はその1個づつにつき、複数(図示実施形態では3個)づつ対応位置する第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の多数と、これらへの供給電力(周波数・位相・電圧など)を別個独立に制御する対応的な多数の共振型インバーター(高周波電源)(12)によって、その全体的な均一温度に加熱されるようになっている。
【0026】
つまり、第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)とその加熱用の共振型インバーター(12)の個数が、各金型(M)に形成された上記食品成形凹部(11)の多少に拘らず、常に複数として設置されているのである。茲に、加熱用インバーター(12)としては1.2Kw以下、特に500w程度の出力を有する小容量の安価なものが好ましい。尚、図6では多数の第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)が全体的な格子状態に並列されているが、これらは図7のような所謂千鳥配列状態に設置されてもさしつかえない。
【0027】
上記第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)は何れも図3〜5に示す如く、各金型(M)の食品成形凹部(11)と対応する大きさのほぼ正方形に巻回された1本物の電磁誘導加熱コイル(ワークコイル)(13)と、その加熱コイル(13)を安定良く受け持ち固定する非磁性体(ステンレス鋼やアルミなど)のコイル支持フレーム(S)と、同じく加熱コイル(13)の中心部へ垂立状態に貫通された強磁性体のフェライトコア(14)とから成るユニット体である。
【0028】
上記コイル支持フレーム(S)はほぼ正方形の支持板(15)と、その支持板(15)へ昇降調整自在に締結された1本のコア受けボルト(16)並びに複数のコイル受け屈曲ボルト(17)とを備えており、このようなコイル支持フレーム(S)の各個が共通の架台(18)へ取り付けられることによって、図示した3個の第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)が上記機枠(2)へ並列設置された状態にある。(19)は第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の加熱コイル(13)やフェライトコア(14)と、上記金型(M)との向かい合う相互間に介在する断熱材を示しているが、上記加熱コイル(13)を漏電や感電から保護するための電気絶縁シートは図示省略してある。
【0029】
又、上記第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の加熱コイル(13)は一定な太さ(直径)の銅線(リッツ線)や、好ましくは平角銅線からほぼ正方形の渦巻き状態に巻回された1本物であり、その切り離し両端部をなす接続端子(20)が上記加熱用インバーター(高周波電源)(12)の出力端子に接続配線されて、そのインバーター(12)から必要な電力の供給を受けるが、本発明の食品焼成機では上記金型(M)を加熱するために複数ある第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の加熱コイル(13)を、図11のブロック図に示す如く、その1個づつ対応的なインバーター(12)の1個づつによって電力制御し、隣接の加熱コイル(13)による相互誘導現象の悪影響(インバーター間の循環電流や、加熱コイルの境界部における温度分布の不均一など)を回避するようになっている。
【0030】
つまり、複数の電磁誘導加熱コイル(13)とその対応的な複数の加熱用インバーター(高周波電源)(12)を採用し乍らも、そのインバーター(12)の出力電力(周波数・位相・電圧など)を個別に高速制御することによって、あたかも1本物の加熱コイルを使用したかの如く、複数並列する金型(M)の全体と延いては被焼成物(1)の全体を、均一な温度分布状態に加熱することができるようになっているのである。
【0031】
更に言えば、上記金型(M)の往動終点個所(金型展開部)(b)付近へ、サーモパイルや放射温度計などの非接触式温度センサー(温度測定部)(21)を設置して、これにより被焼成物取り出し直前の閉合状態にある金型(M)の加熱温度を、被焼成物(1)の焼成温度とみなして検知し、その検知出力信号に基いて上記往動帯域(F)での閉合状態にある金型(M)を加熱する第1電磁誘導加熱器(H1)の加熱コイル(13)に供給する対応的なインバーター(12)の出力電力を、その金型(M)の加熱温度が目標の設定温度として維持されるように制御することが好ましい。
【0032】
又、上記金型(M)の往動始点個所(金型閉合部)(a)付近にも、やはり放射温度計などの非接触式温度センサー(温度測定部)(22)を設置して、これにより被焼成物充填直前の展開状態にある金型(M)の予熱(保温)温度を検知し、その検知出力信号に基いて上記復動帯域(R)での展開状態にある金型(M)を予熱又は保温する第2電磁誘導加熱器(H2)の加熱温度を調整すべく、その対応的なインバーター(12)の出力電力を制御することにより、上記復動中の金型(M)が自然に冷めたり、再度被焼成物(1)の充填によって冷え過ぎたりすることを予防することが望ましい。その展開状態にある金型(M)の予熱(保温)温度は、被焼成物(1)の目標とする焼成温度(先に例示した約175℃)とほぼ同等に設定すれば良い。
【0033】
先に例示したクッキーの生地(材料)を被焼成物(1)として、本発明に係る食品焼成機の作用を説明すると、図1の矢印方向(A)へ自動間歇的に搬送される金型(M)の往動始点個所(金型閉合部)(a)において、その閉合される直前の展開状態にある金型(M)の食品成形凹部(11)へ、上方から被焼成物(1)が自動機械的に定量充填される。
【0034】
被焼成物(1)を充填された金型(M)は、その閉合状態での前方(A)へ往動される帯域(F)において、ここに対応位置する第1電磁誘導加熱器(H1)の加熱コイル(13)により、上下方向(表裏両側)から同時加熱されることになる。
【0035】
やがて、上記金型(M)が図1の往動終点個所(金型展開部)(b)に到達すると、それまでの閉合状態から展開されて、その金型(M)の食品成形凹部(11)から成形・固化(焼成)された被焼成物(1)が、自動機械的に又は人手作業により取り出されるのである。
【0036】
そして、その取り出し後の空になった金型(M)は、その金型本体(9)から蓋体(10)が垂れ下がった展開状態のままで、逆な後方へ復動するのであり、その復動帯域(R)において金型本体(9)と対応位置する第2電磁誘導加熱器(H2)の加熱コイル(13)により、その金型本体(9)が上方(裏側)から予熱又は保温され、当初の往動始点個所(金型閉合部)(a)へ帰還し、このような1サイクルを繰り返すことにより、多数の金型(M)を電磁誘導加熱して、大量の被焼成物(1)を焼成することができる。
【0037】
その場合、上記金型(M)の往動帯域(F)と復動帯域(R)に各々対応位置する第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の加熱コイル(13)は、その1本づつのほぼ正方形な渦巻き状態をなし、しかも金型(M)の1個づつにつき複数(図示実施形態では3個)づつとして多数並列されていると共に、その複数づつの対応する加熱用インバーター(高周波電源)(12)を、加熱コイル(13)間の相互誘導現象が起生しないよう個別に電力制御して、その加熱コイル(13)の加熱作用を調整することにより、金型(M)の温度分布と延いては被焼成物(1)の焼成状態を均一に確保し得るようになっている。
【0038】
その結果、上記第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)の加熱コイル(13)同士を近接して配列設置することができ、その各加熱コイル(13)の中心部にフェライトコア(14)が昇降調整自在に貫通されていることとも相俟って、均一な焼成状態の食品を大量生産することに役立つ。
【0039】
又、上記被焼成物(食品やその生地)(1)の種類によって、これを成形・固化(焼成)する金型(M)の大きさや形状が変っても、多数の第1、2電磁誘導加熱器(H1)(H2)とその加熱コイル(13)に電力を供給する多数の好ましくは小容量(例えば約500wの出力)の安価なインバーター(高周波電源)(12)を組み合わせ使用することにより、その変化に対応することができ、臨機応変性と利便性にも優れる。
【符号の説明】
【0040】
(1)・被焼成物
(2)・機枠
(3)・ギャードモーター
(4)・伝動チェン
(5)・駆動スプロケット
(6)・従動スプロケット
(7)・チェンコンベア
(8)・ヒンジ部
(9)・金型本体
(10)・蓋体
(11)・食品成形凹部
(12)・インバーター(高周波電源)
(13)・電磁誘導加熱コイル
(14)・フェライトコア
(15)・支持板
(16)・コア受けボルト
(17)・コイル受け屈曲ボルト
(18)・架台
(19)・断熱材
(20)・接続端子
(21)(22)・温度センサー
(C)・金型搬送体
(H1)(H2)・第1、2電磁誘導加熱器
(M)・金型
(F)・往動帯域
(R)・復動帯域
(a)・往動始点個所(金型閉合部)
(b)・復動終点個所(金型展開部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平軸線廻りの自動間歇的に循環回走される金型搬送体と、その金型搬送体へ起伏的な開閉自在に枢着された多数の食品焼成用金型と、上記金型搬送体による金型の往動帯域において閉合状態にある金型を、その上下方向から同時に加熱する多数の第1電磁誘導加熱器と、同じく金型搬送体による金型の復動帯域において展開状態にある金型を、その少なくとも上方から予熱又は保温する多数の第2電磁誘導加熱器とを備え、
上記第1、2電磁誘導加熱器をその各個のほぼ正方形に巻回された1本物の電磁誘導加熱コイルが格子状態又は千鳥配置状態に並列する多数として、その多数の加熱コイルを相互誘導現象が起生しない全体的な均一の温度分布に加熱すべく、対応的な多数の加熱用インバーターにより個別に電力制御することを特徴とする電磁誘導加熱式の食品焼成機。
【請求項2】
第1、2電磁誘導加熱器の電磁誘導加熱コイルとその加熱用インバーターの個数を、金型の1個づつにつき複数づつとして対応設置すると共に、上記インバーターの出力を1.2Kw以下の小容量に設定したことを特徴とする請求項1記載の電磁誘導加熱式の食品焼成機。
【請求項3】
金型搬送体による金型の往動終点個所付近へ放射温度計やその他の非接触式温度センサーを設置して、これにより食品焼成後取り出し直前の閉合状態にある金型の加熱温度を検知した出力信号に基き、第1電磁誘導加熱器の加熱コイルに供給する対応的な加熱用インバーターの出力電力を、その第1電磁誘導加熱器の加熱コイルによる上記金型の加熱温度が目標の設定温度となるように制御することを特徴とする請求項1記載の電磁誘導加熱式の食品焼成機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−239693(P2012−239693A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113441(P2011−113441)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000247247)有限会社ナカイ (22)
【Fターム(参考)】