説明

電線の圧着端子付け方法

【課題】安全かつ円滑に圧着作業を行うことができ、しかも圧着作業の効率の向上を図ることが可能な電線の圧着端子付け方法を提供する。
【解決手段】4心ケーブル15の端部でシース24から露出された4本の電線13のうちの2本を圧着対象電線とし、これらの電線13間に間隔形成ブロック46を配置してクランプし、クランプ状態の電線13の端部を切断して所定長さとし、電線13の端部における外被13bを切断除去して導体13aを露出させ、電線13の端部に圧着端子11を同一方向から圧着固定し、その後、クランプ状態を解除して4心ケーブル15を、軸線を中心として反転させ、圧着端子11が圧着固定されていない他の2本の電線13を圧着対象電線として同じ圧着固定作業を行うことにより、2本の電線13を一組とし、それぞれの組で圧着端子11の圧着側が向き合うように端子付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の電線に圧着端子付けを行う圧着端子付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電線に圧着端子を付ける装置として、本体ブロックに対して端子金具を受けるアンビルを含む受圧ユニットが着脱可能に構成された端子圧着ユニットを備え、受圧ユニットのアンビルと協働して端子金具をかしめるクリンパーを含む複数の加圧部材と、加圧部材を駆動して受圧ユニットに対しプレス動作をさせるシャンクと、加圧部材を一体的に担持するとともに、担持された加圧部材をシャンクに対して着脱可能に連結するフレーム体とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−50450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載用インターフェースケーブル等の複数本の電線をシースで被覆した多心ケーブルでは、コネクタのハウジングに余長を持たせることができず、シースの端部から圧着端子の圧着箇所までの寸法が短くなり、作業者による手作業での圧着端子の圧着作業が困難となる場合がある。そのため、シースの端部から圧着端子の圧着箇所までの寸法が短い場合でも、安全かつ円滑に圧着作業を行うことができる圧着方法が要求されている。また、多心ケーブルの電線へ1本ずつ圧着端子を圧着しているため、作業効率の向上が望まれる。
【0005】
本発明の目的は、安全かつ円滑に圧着作業を行うことができ、しかも圧着作業の効率の向上を図ることが可能な電線の圧着端子付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決することのできる本発明の電線の圧着端子付け方法は、4本の電線を束ねてシースで覆った4心ケーブルにおける前記電線に圧着端子を圧着固定する電線の圧着端子付け方法であって、
4心ケーブルの端部で前記シースから露出された4本の電線のうちの2本の電線を圧着対象電線とし、これらの圧着対象電線間にブロックを配置してクランプすることにより、前記圧着対象電線を所定間隔に配置させるクランプ工程と、クランプ状態の前記圧着対象電線の端部を切断して所定長さとする切断工程と、クランプ状態の前記圧着対象電線の端部における外被を切断除去して導体を露出させる導体露出工程と、導体が露出されたクランプ状態の前記圧着対象電線の端部に圧着端子を同一方向から圧着固定する端子圧着工程とを含む圧着固定作業を行い、
その後、クランプ状態を解除して、前記4心ケーブルを、軸線を中心として反転させ、圧着端子が圧着固定されていない2本の電線を圧着対象電線として前記圧着固定作業を行うことにより、
2本の電線を一組とし、それぞれの組で前記圧着端子の圧着側が向き合うように端子付けすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電線の圧着端子付け方法によれば、2本の電線を一組とし、それぞれの組で圧着側が向き合うように圧着端子を圧着固定することができる。また、電線をクランプして圧着端子の圧着固定を行うので、シースの端部から圧着端子の圧着箇所までの寸法が短く、作業者による手作業での圧着作業が困難であっても、電線に対して圧着端子を安全かつ円滑に圧着固定することができる。しかも、電線に対する圧着端子の圧着固定を1本ずつ行う場合と比較して、圧着作業の効率の向上も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】接続ケーブルの端部の斜視図である。
【図2】接続ケーブルの端部の側面図である。
【図3】接続ケーブルを構成する4心ケーブルの断面図である。
【図4】圧着端子が圧着固定された電線の端部の斜視図である。
【図5】圧着端子が収容されるコネクタのハウジングを示す図であって、(a)は裏面図、(b)は側面図である。
【図6】圧着固定作業を説明する4心ケーブルの端部における側面図である。
【図7】圧着固定作業を説明する図であって、(a)は4心ケーブルがセットされた端子付け半自動装置の平面図、(b)は4心ケーブルがセットされた端子付け半自動装置の側断面図である。
【図8】端子付け半自動装置の切断刃を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図9】圧着固定作業を説明する4心ケーブルがセットされた端子付け半自動装置の平面図である。
【図10】圧着固定作業を説明する図であって、(a)は4心ケーブルがセットされた端子付け半自動装置の平面図、(b)は4心ケーブルがセットされた端子付け半自動装置の側断面図である。
【図11】端子付け半自動装置の圧着ブロックの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る電線の圧着端子付け方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、接続ケーブル10は、車載用USBインターフェースケーブル等であり、その両端部に、コネクタ12が設けられている。このコネクタ12には、本発明に係る電線の圧着付け方法によって圧着された圧着端子11が収容されている。圧着端子11は、4本の電線13にそれぞれ圧着付けされている。
【0010】
図3に示すように、4本の電線13は、4心ケーブル15を構成する。4心ケーブル15を構成する電線13は、錫メッキ銅からなる素線を撚り合わせた導体13aを絶縁樹脂からなる外被13bで被覆した絶縁電線であり、太さは、AWG(American Wire Gauge)の規格によるAWG24程度である。4心ケーブル15は、撚り合わせて束ねた4本の電線13の外周に、金属テープ17を縦添えし、その周囲をシールド層19によって覆い、さらに、このシールド層19の外周をシース24によって覆った構造とされている。
【0011】
金属テープ17は、アルミニウム等の金属箔を有する樹脂テープからなるもので、樹脂テープとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)のテープが用いられる。シールド層19としては、錫メッキ銅線を編組したものが用いられる。シース24は、弾性を有する軟質合成樹脂であるポリ塩化ビニル(PVC)から形成されている。各電線13の端部に圧着固定された圧着端子11は、銅または銅合金から形成された金属板をプレス加工したものである。
【0012】
図4に示すように、圧着端子11は、その先端に、相手側の端子等に接続する接続部21を有し、後端側に圧着部22を有している。後端側の圧着部22は、導体バレル22aと外被バレル22bとを有しており、この圧着部22に電線13が圧着されて接続されている。具体的には、導体バレル22aには、電線13の端部において外被13bから露出された導体13aが圧着され、外被バレル22bには、電線13の外被13bが圧着される。
【0013】
4心ケーブル15の電線13に圧着固定された圧着端子11の圧着側の向きは、二本一組毎に異なる向きとされており、各組の圧着端子11の圧着側は、互いに向き合う位置とされている。
【0014】
図5に示すように、圧着端子11が収容されるコネクタ12は、合成樹脂から成形されたハウジング31を有するもので、このハウジング31には、前後に貫通する4つのキャビティ32が形成されている。これらのキャビティ32は、2つずつ2段に配置されており、ハウジング31の後端側が端子挿入口33として形成されている。そして、電線13に圧着固定された各圧着端子11を、ハウジング31の端子挿入口33からキャビティ32内へ挿入することにより、これらの圧着端子11が、ハウジング31のキャビティ32内に収容される。
【0015】
次に、本実施形態に係る圧着端子付け方法によって4心ケーブル15の各電線13に圧着端子11を圧着固定し、両端部にコネクタ12を有する接続ケーブル10を作製する方法について説明する。
【0016】
まず、4心ケーブル15を所定の長さに切断し、さらに、4心ケーブル15の両端部のシース24を切断して除去することにより、シールド層19を露出させる。
【0017】
図6に示すように、シールド層19の編組をほぐしてばらけさせ、一つに束ねて折り返すことにより、シース24に沿わせる。また、シース24から露出された金属テープ17は、切断して除去しておく。これにより、4心ケーブル15の両端部において、4本の電線13がシース24から露出された状態とする。
【0018】
次に、図7(a),(b)に示すように、4心ケーブル15を端子付け半自動装置40にセットする。
この端子付け半自動装置40は、ベース41を有している。このベース41には、ケーブル収容溝42が形成されており、このケーブル収容溝42には、一端42a側から4心ケーブル15の端部が挿入されて収容される。このケーブル収容溝42へ4心ケーブル15を挿入する際には、電線13のうちの所定の2本の電線13を圧着対象電線として先端側へ延ばしたままとし、残りの2本を両側へ折り返してシース24に沿わせておく。なお、電線13は、その外被13bに着色が施されている。したがって、電線13を、先端側へのばしておくものと折り返すものとを、容易に区別することができる。
【0019】
このベース41におけるケーブル収容溝42の両側部には、2本の電線13が折り返されて4心ケーブル15側へ折り返される。
【0020】
ベース41には、ケーブル収容溝42への4心ケーブル15の挿入方向前方側に、凹部44が形成されており、この凹部44には、電線間隔形成部材45が収容されている。この電線間隔形成部材45には、その中央に、間隔形成ブロック46が形成されている。この間隔形成ブロック46には、平面視でケーブル収容溝42へ向かって次第に窄まるテーパ部46aが形成されている。この間隔形成ブロック46の幅寸法は、コネクタ12のハウジング31に形成されたキャビティ32へ圧着端子11を挿入したときの電線13の間隔と略同一寸法とされている。
【0021】
電線間隔形成部材45には、間隔形成ブロック46の両側部に、圧着電線収容溝47が形成されている。そして、ケーブル収容溝42へ4心ケーブル15を挿入すると、折り返されていない圧着対象の2本の電線13が、間隔形成ブロック46のテーパ部46aによって、それぞれ間隔形成ブロック46の両側へ押し出され、圧着電線収容溝47へ案内されるようになっている。
【0022】
ベース41における4心ケーブル15の挿入方向前方側には、電線受け部材48が設けられている。この電線受け部材48には、電線保持溝49が形成されており、これらの電線保持溝49は、電線間隔形成部材45の圧着電線収容溝47と連続するように形成されている。これにより、圧着電線収容溝47へ案内された電線13は、電線受け部材48の電線保持溝49へ送り込まれて保持されるようになっている。このとき、作業者は、電線13の色から、左右の電線保持溝49にどちらを挿入して保持させるかを容易に判断することができる。
【0023】
ベース41及び電線受け部材48の上方には、シース保持クランパ51及び電線保持クランパ52がそれぞれ昇降可能に設けられている。そして、シース保持クランパ51が下降すると、ベース41のケーブル収容溝42に収容された4心ケーブル15のシース端部がクランプされる。また、電線保持クランパ52が下降すると、電線受け部材48の電線保持溝49に保持された電線13がクランプされる。
【0024】
電線受け部材48における4心ケーブル15の挿入方向前方側には、カッター61が設けられている。このカッター61は、上方カッター62及び下方カッター63を有している。これらの上方カッター62及び下方カッター63は、ケーブル収容溝42への4心ケーブル15の挿入方向側から順に配置されており、互いに近接及び離間される。これらの上方カッター62及び下方カッター63は、耐久性の向上のために、チタンコートが施されている。
【0025】
図8(a),(b)に示すように、上方カッター62は、2つの山型の溝状に形成された切断刃65を有しており、これらの切断刃65は、その頂部65aが円弧状に形成されている。下方カッター63は、上方カッター62の切断刃65に対応する位置に、2つの谷型の溝状に形成された切断刃66を有しており、これらの切断刃66は、その底部66aが円弧状に形成されている。そして、これらの上方カッター62及び下方カッター63の各切断刃65,66内には、電線保持溝49に保持された電線13が挿通されるようになっている。
これらの上方カッター62及び下方カッター63からなるカッター61は、ケーブル収容溝42における4心ケーブル15の挿入方向に沿って移動されるようになっている。
【0026】
上記の端子付け半自動装置40に対して、ベース41のケーブル収容溝42へ4心ケーブル15を挿入してセットし、端子付け半自動装置40を駆動させる。
すると、端子付け半自動装置40は、まず、クランプ動作(クランプ工程)を行う。この工程では、シース保持クランパ51及び電線保持クランパ52が下降し、ベース41のケーブル収容溝42に収容された4心ケーブル15の端部がクランプされるとともに、電線受け部材48の電線保持溝49に保持された電線13がクランプされる。これにより、電線保持溝49に保持された電線13が互いに平行に保持され、また、その先端部は、切断刃65,66からなる孔内へ挿入された状態となる。
【0027】
次に、端子付け半自動装置40は、電線切断動作(切断工程)を行う。この工程では、上方カッター62及び下方カッター63が互いに近接する方向へ移動することにより、それぞれの電線13が上方カッター62及び下方カッター63の切断刃65,66によって切断される。これにより、電線保持溝49に保持された電線13が所定長さ(約17mm〜20mm)とされる。なお、上方カッター62の切断刃65は山型の溝状に形成され、また、下方カッター63の切断刃66は谷型の溝状に形成されていることから、何れも縁部へ向かって次第に広がる形状とされている。これにより、切断刃65,66からなる孔内に挿入された電線13は、水平方向へ位置ずれしていたとしても、上方カッター62及び下方カッター63が互いに近接することにより、切断刃65の頂部65a及び切断刃66の底部66aを通る中心位置に案内され、円滑に切断されて所定長さとされる。また、切断された電線13は、センサー(図示省略)によって、その長さが所定長さとされているかが検知される。
【0028】
電線切断動作が終了すると、端子付け半自動装置40は、導体露出動作(導体露出工程)を行う。この工程では、上方カッター62及び下方カッター63が互いに離間する方向へ移動し、さらに、電線13側へ向かって移動する。その後、再び上方カッター62及び下方カッター63が互いに近接する。このとき、これらの上方カッター62及び下方カッター63は、切断刃65,66によって電線13を完全に切断する位置まで近接せず、切断刃65,66が電線13の外被13bだけに切り込んだ位置で停止する。この状態で、上方カッター62及び下方カッター63が、電線13から離れる方向へ移動する。すると、図9に示すように、電線13における切断刃65,66が切り込んだ位置から先端側の外被13bが、上方カッター62及び下方カッター63によって引き抜かれて除去され、導体13aが露出される。
【0029】
導体露出動作が終了すると、端子付け半自動装置40は、端子圧着動作(端子圧着工程)を行う。この端子圧着動作が開始されると、電線保持クランパ52が上昇することにより、電線13のクランプが解除される。この状態で、図10(a),(b)に示すように、ベース41が圧着ステージ71へ移動する。
【0030】
この圧着ステージ71には、電線支持溝81を有する電線支持部材82及び一対のアンビル部83が設けられている。ベース41は、圧着ステージ71へ移動するときに電線支持部材82及びアンビル部83の前方に配置される。そして、導体13aが露出された電線13は、電線支持部材82の電線支持溝81に配置されて支持され、また、電線13の端部がアンビル部83の上方に配置される。圧着ステージ71には、アンビル部83の上方に、昇降可能な圧着ブロック85が設けられている。この圧着ブロック85には、図11に示すように、アンビル部83と対応する位置に、圧着溝86が形成されている。この圧着溝86は、アンビル部83側である圧着ブロック85の先端へ向かって次第に広がる形状とされている。
【0031】
また、アンビル部83と圧着ブロック85との間には、端子フィーダ(図示省略)によって圧着端子11が送り込まれる。これらの圧着端子11は、帯状に形成されたキャリア11aに所定間隔おきに連結された状態で、アンビル部83の上に送り込まれる。各圧着端子11に電線13が挿入される。
【0032】
そして、この圧着ステージ71では、端子圧着動作が開始されると、圧着ブロック85が下降する。すると、この圧着ブロック85の圧着溝86の底部86aで導体バレル22a及び外被バレル22bがアンビル部83側へ押圧され、圧着端子11の導体バレル22aが電線13の導体13aに圧着されるとともに、外被バレル22bが電線13の外被13bに圧着される。
【0033】
これにより、2本の電線13には、同一の圧着向きでそれぞれ圧着端子11が圧着される。なお、圧着ブロック85の圧着溝86は、アンビル部83側へ向かって広がる形状であるので、圧着端子11が水平方向へ位置ずれしていたとしても、圧着ブロック85が下降することにより、圧着溝86の中心位置に案内され、円滑かつ良好に導体バレル22a及び外被バレル22bが圧着される。これにより、作業の熟練を要することなく、電線13に対して圧着端子11を良好かつ円滑に圧着固定することができる。
【0034】
電線13への圧着端子11の圧着固定が終了すると、シース保持クランパ51が上昇して4心ケーブル15のクランプが解除される。
4心ケーブル15の一端における2本の電線13への圧着端子11の圧着固定が終了したら、作業者は、4心ケーブル15を端子付け半自動装置40から外し、4心ケーブル15を、軸線を中心として180°回転させて上下の位置を反転させる。
【0035】
そして、圧着端子11が圧着固定された2本の電線13を両側へ折り返してシース24に沿わせ、折り返していた2本の電線13を圧着対象電線として先端側へ延ばす。その後、圧着対象電線となった2本の電線13に対して、端子付け半自動装置40による上記の圧着端子11の圧着固定作業(クランプ工程、切断工程、導体露出工程及び端子圧着工程)を行う。
これにより、4心ケーブル15には、4本の電線13に、2本ずつ圧着側が互いに向き合う位置とされた圧着端子11が圧着固定される。
【0036】
このように、上記の圧着固定作業では、圧着対象電線とした2本の電線13に対してクランプ工程、切断工程、導体露出工程及び端子圧着工程を端子付け半自動装置40が自動で行うので、作業者は、この端子付け半自動装置40に4心ケーブル15を2回セットして動作させることにより、4心ケーブル15の一端における4本の電線13に対する圧着端子11の圧着固定を行うことができ、効率的である。
【0037】
4心ケーブル15の一端側における4本の電線13に圧着端子11を圧着固定したら、4心ケーブル15の他端側における4本の電線13に対して、上記の作業によって圧着端子11を圧着固定する。
【0038】
その後、4心ケーブル15の両端において、束ねて折り返したシールド層19を、シース24の端部に金属環をかしめることにより固定し、さらに、電線13に圧着固定した圧着端子11を、コネクタ12のハウジング31の後端側の端子挿入口33からキャビティ32内へ挿入してキャビティ32に収容させる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る電線の圧着端子付け方法によれば、2本の電線13を一組とし、それぞれの組で圧着側が向き合うように圧着端子11を圧着固定することができる。
【0040】
コネクタ12のハウジング31内で電線13に余長を持たせることができないような場合、シース24の端部から圧着端子11の圧着箇所までの寸法が短く(例えば、17mm程度)なり、作業者による手作業での圧着作業が困難となる。このような場合でも、本実施形態では、電線13をクランプして圧着端子11の圧着固定を行うので、電線13に対して圧着端子11を安全かつ円滑に圧着固定することができる。しかも、電線13に対する圧着端子11の圧着固定を1本ずつ行う場合と比較して、圧着作業の効率も向上させることができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、クランプ工程、切断工程、導体露出工程及び端子圧着工程を行う端子付け半自動装置40を用いて圧着固定作業を行う場合を例示したが、これらの工程をそれぞれ行うクランプ装置、切断装置、導体露出装置及び端子圧着装置を用いて圧着固定作業を行っても良い。
【符号の説明】
【0042】
11:圧着端子、13:電線、13a:導体、13b:外被、15:4心ケーブル、24:シース、40:半自動装置、46:間隔形成ブロック(ブロック)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本の電線を束ねてシースで覆った4心ケーブルにおける前記電線に圧着端子を圧着固定する電線の圧着端子付け方法であって、
4心ケーブルの端部で前記シースから露出された4本の電線のうちの2本の電線を圧着対象電線とし、これらの圧着対象電線間にブロックを配置してクランプすることにより、前記圧着対象電線を所定間隔に配置させるクランプ工程と、クランプ状態の前記圧着対象電線の端部を切断して所定長さとする切断工程と、クランプ状態の前記圧着対象電線の端部における外被を切断除去して導体を露出させる導体露出工程と、導体が露出されたクランプ状態の前記圧着対象電線の端部に圧着端子を同一方向から圧着固定する端子圧着工程とを含む圧着固定作業を行い、
その後、クランプ状態を解除して、前記4心ケーブルを、軸線を中心として反転させ、圧着端子が圧着固定されていない2本の電線を圧着対象電線として前記圧着固定作業を行うことにより、
2本の電線を一組とし、それぞれの組で前記圧着端子の圧着側が向き合うように端子付けすることを特徴とする電線の圧着端子付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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