説明

電線カバー材取付け装置及び取付方法

【課題】作業者が宙乗り状態で装置の取り付け、取り外し作業を単独で短時間のうちに行うことを可能とし、多導体スペーサが懸架された場合においては、装置を取り外す必要がなく、テープで覆うことを可能とする。
【解決手段】電線カバー材取付け装置1は、X状フレーム2を、架渉線20の左右何れか一方側に配置され、支持部材3と支持部材4との両端部からそれぞれ他方側へ突設させた支持軸13にローラ7を、支持軸14にローラ11、支持軸18にローラ8、支持軸19にローラ12とを支持させた片持ち構造としたことにより、架渉線20にスペーサ21が懸架されていても、装置を架渉線20から取り外す必要が無く、接着作業を中断することがない。更に、架渉線20を同時に被覆することも可能である。また、作業者が宙乗り状態で装置の取り付け、取り外し作業を単独で短時間のうちに行うことも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の架渉線において、表面の錆や防食剤等が飛散することを防止する電線カバー材取付け装置及び取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から既設の架渉線表面の錆が飛散することを防止する装置としては、架渉線を上下からテープで覆う架渉線ラッピング装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4558756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の架渉線ラッピング装置では、架渉線に取付けられた付属品、例えば架渉線が並設される多導体の場合は、架渉線間に懸架されるスペーサ等を当該装置により乗り越えることが困難であった。また、作業者が宙乗り状態で装置の取り付け、取り外し作業を単独で短時間のうちに行うことも困難であった。
【0005】
そこで、本発明は作業者が宙乗り状態で装置の取り付け、取り外し作業を単独で短時間のうちに行うことを可能とし、多導体スペーサが懸架された場合においては、装置を取り外す必要がなく、テープで覆うことを可能とする電線カバー材取付け装置及び取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一対の支持部材の中央部同士を互いに軸着してなり、各支持部材の両端が上下方向へ揺動可能なX状フレームと、前記各支持部材の両端部にそれぞれ支持されて上下方向で対向する複数のローラと、前記X状フレームの上下にそれぞれ支持されてテープ状のカバー材が巻回されたリールと、前記各支持部材間に設けられて前記上下のローラ同士を互いの当接方向へ付勢する付勢手段と、を含み、前記上下のローラ間で架渉線を挟持させて前記X状フレームを前記架渉線に沿って移動させることで、前記リールから引き出される上下の前記カバー材を移動方向前側に位置する前記上下のローラを介して前記架渉線に上下から接着可能とした電線カバー材取付け装置であって、
前記X状フレームを、前記架渉線の左右何れか一方側に配置され、前記各支持部材の両端部からそれぞれ他方側へ突設させた支持軸に前記ローラを支持させた片持ち構造としたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電線カバー材取付け装置を、X状フレームに対するローラの支持側が互いに逆となり、且つ前記ローラが互いに対向する向きで一対備えると共に、互いのX状フレーム同士を、長さ調整可能な連結部材で連結して、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線に、前記一対のX状フレームがそれぞれ架渉線の外側に位置するように配置して、それぞれの前記X状フレームが支持する前記ローラで隣接する前記架渉線を挟んで移動させることで、前記2本の前記架渉線にそれぞれ前記カバー材を接着可能としたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、電線カバー材の取付け方法であって、請求項1に記載の電線カバー材取付け装置のX状フレームを、架渉線を挟んで上下のローラが位置するように前記架渉線の左右何れか一方側に配置し、前記X状フレームを前記架渉線に沿って移動させることで、リールから引き出される上下のカバー材を移動方向前側に位置する前記上下のローラを介して前記架渉線に上下から接着させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、電線カバー材の取付け方法であって、請求項2に記載の電線カバー材取付け装置の一対のX状フレームを、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線のそれぞれ外側に位置するように配置して、それぞれの前記X状フレームが支持する上下のローラで隣接する前記架渉線を挟持させ、前記一対のX状フレームを前記架渉線に沿って同時に移動させることで、各前記架渉線に、リールから引き出される上下のカバー材を移動方向前方に位置する前記上下のローラを介して上下から接着させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1及び3に記載の発明によれば、架渉線間にスペーサが懸架されていても、装置を架渉線から取り外す必要が無く、接着作業を中断することがない。更に、カバー材で架渉線を同時に被覆することも可能である。また、作業者が宙乗り状態で装置の取り付け、取り外し作業を単独で短時間のうちに行うことも可能である。
【0011】
請求項2及び4に記載の発明によれば、上記効果に加え、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線に対しても同時にカバー材を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は、電線カバー材取付け装置の全体の構成を示す説明図であり、(b)は、平面方向の構成を示した説明図である。
【図2】(a)は、電線カバー材取付け装置を架渉線間に取り付けた状態の全体の構成を示す説明図であり、(b)は、平面方向の構成を示す説明図である。
【図3】電線カバー材取付け装置の変更例を示す説明図である。
【図4】電線カバー材取付け装置の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1(a)は、電線カバー材取付け装置1の全体の構成を示したもので、図1(b)は、その電線カバー材取付け装置1の平面方向の構成を示したものである。
まず初めに、本発明の電線カバー材取付け装置1は、図1(a)に示すように、一対の支持部材3,4の中央部同士を互いに軸着してなり、支持部材3,4の両端が上下方向へ揺動可能なX状フレーム2を備えている。
そして、支持部材3の両端部には、ローラ7とローラ12とが、支持部材4の両端部には、ローラ11とローラ8とが、それぞれ上下方向で対向するように配置されている。また、テープ状のカバー材6が巻回されたリール5が、X状フレーム2の上で支持部材4に支持され、テープ状のカバー材10が巻回されたリール9が、X状フレーム2の下で支持部材3に支持されている。
【0015】
次に、支持部材3と支持部材4との間には、上下のローラ7とローラ11、ローラ8とローラ12同士を互いの当接方向へ付勢するバネ調整器具16が設けられている。このバネ調整器具16は、電線カバー材取付け装置1を架渉線20から取り外した状態を保持する保持孔27が設けられる一方、付勢した状態を保持する調整孔28,28・・も設けられている。また、一方の端部先端には、バネ15,15が設けられており、バネ15,15は支持部材3に連結されている。これら調整孔28,28・・には、支持部材4端部に設けられた係止片29が係止することで、最適な付勢力が加えられる。このバネ調整器具16が、本発明の付勢手段である。
【0016】
また、図1(b)に示すように、X状フレーム2は架渉線20の一方側に配置され、支持部材3,4の両端部からそれぞれ他方側へ突設させた支持軸13(14)にローラ7(11)を支持させ、支持軸18(19)にローラ8(12)を支持させる片持ち構造としている。そして、ローラ7とローラ11とのローラ面中央には、周方向に渡って細溝34が形成されるのに対し、ローラ8とローラ12とのローラ面中央には、周方向に渡って細溝34よりも溝の深いV溝35が形成されている。
【0017】
以上の如く構成された電線カバー材取付け装置1で、架渉線20(単導体の場合)をカバー材6とカバー材10とによって被覆する作業の手順について説明する。
【0018】
まず初めに、架渉線20上に電線カバー材取付け装置1を取り付ける手順について説明する。
この場合、バネ調整器具16の保持孔27に係止片29を係止させて上下のローラ7,11(8,12)間を大きく開ける。
次に、電線カバー材取付け装置1を、ローラ7の細溝34とローラ8のV溝35とが架渉線20に嵌合する位置で架渉線20上に載置する。そして、カバー材6を、ホイール5からローラ7へと掛け渡す一方、カバー材10についても同様に、ホイール9からローラ11へとカバー材10を掛け渡しを行う。
【0019】
次に、バネ15,15によって架渉線20に向かいローラ7とローラ11、ローラ8とローラ12とを、互いの当接方向へ付勢する位置で調整孔28,28・・の何れかに係止片29を係止して付勢力の調整を行う。その結果、架渉線20に対してローラ7とローラ11、ローラ8とローラ12とが互いの当接方向へ付勢する位置で架渉線20を挟持することとなる。
それにより、ローラ7の細溝34は、ローラ11の細溝34と、ローラ8のV溝35は、ローラ12のV溝35とで架渉線20を挟持し、架渉線20上に電線カバー材取付け装置1が取り付けられることとなる。
【0020】
この様にして、電線カバー材取付け装置1を架渉線20上に取り付けた後、架渉線20のカバー材6とカバー材10とによる接着作業は、以下のように行われる。
まず初めに、電線カバー材取付け装置1の後方で、宙乗機に乗った作業者(図示せず)が、電線カバー材取付け装置1を進行方向に押し出すことで、電線カバー材取付け装置1が前進する。
これに従い、カバー材6を移動方向前側に位置するローラ7を介してリール5から引き出すとともに、カバー材10を移動方向前側に位置するローラ11を介してリール9から引き出す。この時、ローラ7の細溝34とローラ11の細溝34とで架渉線20を挟持した状態となり、バネ15,15によって互いの当接方向へ付勢するため、カバー材6とカバー材10とが架渉線20の形状に沿って上下から接着されることとなる。
【0021】
この様にして、カバー材6とカバー材10とを架渉線20に接着した後、作業者が電線カバー材取付け装置1を更に前進させるに従い、ローラ8とローラ12とも架渉線20上を前進する。
そして、ローラ8とローラ12とは、ローラ7とローラ11とによって架渉線20を挟持した位置まで前進すると、ローラ7とローラ11間と同様に、バネ15,15で互いの当接方向へ付勢されることから、架渉線20に接着されたカバー材6,10を再度押圧する。よって、皺のない状態で接着がより強固なものとなる。
【0022】
この様にして、架渉線20の全長に渡ってカバー材6とカバー材10とによる接着が行われた後、調整孔28に係止片29が係止した状態の解除を行う。それにより、支持部材3と支持部材4との揺動が可能となる。そして、カバー材6とカバー材10とを切断し、架渉線20から電線カバー材取付け装置1を取り外すことで、架渉線20への接着作業が終了する。
【0023】
次に、図2(a)(b)に示すように、同じ高さで平行に並設された架渉線20a,20b間(多導体の場合)に対し、電線カバー材取付け装置1a,1bを取り付けた状態で、カバー材6aとカバー材10aとによる架渉線20aの接着作業と、カバー材6bとカバー材10bとによる架渉線20bの接着作業とを同時に行う手順について説明する。なお、図2(b)では、架渉線20a、20bそれぞれに対する構成を区別するために、a,bの符号を付して説明する。
【0024】
まず初めに、上記架渉線20が単導体の場合と同様の手順で、架渉線20a,20b上に電線カバー材取付け装置1a,1bの取り付けを行う。
この電線カバー材取付け装置1a,1bにおいては、X状フレーム2aに対するローラを支持する支持軸13a、支持軸14a、支持軸18a、支持軸19aと、X状フレーム2bに対するローラを支持する支持軸13b、支持軸14b、支持軸18b、支持軸19bとが互いに対向する向きに備えられている。更に、X状フレーム2a,2b同士は、連結部材23で連結されている。
これにより、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線20a,20bに対し、X状フレーム2aが、架渉線20aの外側に、X状フレーム2bが、架渉線20bの外側に、それぞれ位置するように配置される。なお、電線カバー材取付け装置1a,1b間の間隔の調整は、連結金具23上に設けられたピッチ調整ネジ24で行う。
【0025】
そして、X状フレーム2aが支持するローラ7aとローラ11aと、ローラ8aとローラ12aとで架渉線20aを挟んで移動させることと、X状フレーム2bが支持するローラ7bとローラ11bと、ローラ8bとローラ12bとで架渉線20bを挟んで移動させることとで、架渉線20aへのカバー材6aとカバー材10aとによる接着作業と、架渉線20bへのカバー材6bとカバー材10bとによる接着作業とを、同時に可能としている。
この場合、電線カバー材取付け装置1a,1bの後方で、宙乗機に乗った作業者(図示せず)が、電線カバー材取付け装置1a,1bまたは、連結金具23を進行方向に押し出すことで前進させる。
【0026】
ここで、並設された架渉線20a,20b間には、図2(b)に示すように、架渉線の間隔を保持するスペーサ21が、所定の間隔で懸架されている。
しかし、スペーサ21が懸架される位置まで電線カバー材取付け装置1aが前進すると、図2(b)に示すように、電線カバー材取付け装置1aは、X状フレーム2aが架渉線20aの外側となっていることから、X状フレーム2aがスペーサ21に当接することなくそのまま前進する。
この時、係止片29aの係止を解除し、電線カバー材取付け装置1aを前進させてスペーサ21上を通過した後、再度係止片29aを調整孔28aに係止する。
【0027】
一方、電線カバー材取付け装置1bも同様に、スペーサ21が懸架される位置まで電線カバー材取付け装置1bが架渉線20bに沿って前進すると、X状フレーム2bが架渉線20bの外側となっていることから、X状フレーム2bがスペーサ21に当接することなくそのまま前進する。
この時、係止片29bの係止を解除し、電線カバー材取付け装置1bを前進させてスペーサ21上を通過した後、再度係止片29bを調整孔28bに係止する。
【0028】
この様にして、並設された架渉線20aの全長に亘って電線カバー材取付け装置1aのカバー材6aとカバー材10aとによる接着が行われる一方、架渉線20bの全長に亘って電線カバー材取付け装置1bのカバー材6bとカバー材10bとによる接着が行われた後、連結金具23を取り外す。
【0029】
そして、架渉線20aから電線カバー材取付け装置1aを取り外すことで、架渉線20aへの接着作業が終了する。
また、電線カバー材取付け装置1bについても同様に行うことで、カバー材6bとカバー材10bとによる架渉線20bへの接着作業が終了する。
【0030】
このように、上記形態の電線カバー材取付け装置1及び取付方法によれば、X状フレーム2を、架渉線20の左右何れか一方側に配置され、支持部材3と支持部材4との両端部からそれぞれ他方側へ突設させた支持軸13にローラ7を、支持軸14にローラ11、支持軸18にローラ8、支持軸19にローラ12とを支持させた片持ち構造としたことにより、架渉線20にスペーサ21が懸架されていても、装置を架渉線20から取り外す必要が無く、接着作業を中断することがない。更に、架渉線20を同時に被覆することも可能である。また、作業者が宙乗り状態で装置の取り付け、取り外し作業を単独で短時間のうちに行うことも可能である。
【0031】
更に、電線カバー材取付け装置1a,1bを、X状フレーム2に対するローラの支持側が互いに逆となり、且つローラが互いに対向する向きで一対備えると共に、互いのX状フレーム2a,2b同士を、長さ調整可能な連結部材23で連結して、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線20a,20bに、一対のX状フレーム2a,2bがそれぞれ架渉線20a,20bの外側に位置するように配置して、それぞれのX状フレーム2a,2bが支持するローラで隣接する架渉線を挟んで移動させることで、カバー材6とカバー材10とで架渉線20a,20bにカバー材6a,6bとカバー材10a,10bとを被覆可能としたことにより、上記効果に加え、同じ高さで平行に配設された架渉線20aにカバー材6aとカバー材10a、架渉線20bにカバー材6bとカバー材10bを同時に取り付けることができる。
【0032】
なお、本発明の電線カバー材取付け装置1の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、架渉線をカバー材で接着するものであれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
例えば、ローラは、支持部材の両端部に1つずつ設けるのに限らず、図3に示すように、ローラ7とローラ12の間で支持部材3上に中ローラ25を設ける一方、ローラ11とローラ8との間で支持部材4上に中ローラ26を新たに設け、架渉線20のカバー材6とカバー材10とによる貼着を更に強固にしても良い。
【0033】
また、X状フレーム2の中央部には、バランス部材17が設けられているが、必ずしもこの位置に設ける必要はなく、架渉線20上でバランスをより良好に保つ位置に変更することや、逆にバランス部材17のない状態であっても良く、適宜変更可能である。
【0034】
他にも、リール5とリール9とは、必ずしもローラ7,11の進行方向後方で、ローラ8,12の進行方向前方に配置される必要はなく、例えばローラ7,11の進行方向前方に配置しても良く、ローラ7,11間によってカバー材6とカバー材10とが接着された後、ローラ8,12間でも同様に接着されるものであれば適宜変更可能である。
【0035】
また、ローラ表面の溝は、必ずしも細溝34やV溝35である必要はなく、カバー材6,10が、架渉線20の形状に沿って皺のない状態で接着されるものであれば適宜変更可能である。
【0036】
ところで、図2(b)に示す架渉線20が並設される場合に加え、これらが上下に設けられている場合は、図4に示すように、架渉線20に取り付けられる電線カバー材取付け装置1と、架渉線30に取り付けられる電線カバー材取付け装置1とを上下連結金具32で連結しても良い。
【0037】
また、電線カバー材取付け装置1の後方で、宙乗機に乗った作業者が、電線カバー材取付け装置1または、連結金具23を進行方向に押し出すことで、電線カバー材取付け装置1を前進させているが、必ずしもこの方法により前進させる必要はなく、装置にロープを取り付け、これを牽引することで前進させても良く、電線カバー材取付け装置1を架渉線上で前進させるものであれば適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0038】
1・・電線カバー材取付装置、2・・X状フレーム、3・・支持部材、4・・支持部材、5・・リール、6・・カバー材(電線上側)、7・・ローラ(電線上側)、8・・ローラ(電線上側)、9・・リール(電線下側)、10・・カバー材(電線下側)、11・・ローラ(電線下側)、12・・ローラ(電線下側)、13・・支持軸(電線上側)、14・・支持軸(電線下側)、15・・バネ、16・・バネ調整器具、17・・バランス部材、18・・支持軸(電線上側)、19・・支持軸(電線下側)、20・・架渉線、21・・スペーサ。23・・連結金具、24・・ピッチ調整ネジ、25・・中ローラ(電線上側)、26・・中ローラ(電線下側)、27・・保持孔、28・・調整孔、29・・係止片、30・・架渉線、32・・上下連結金具、34・・細溝、35・・V溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の支持部材の中央部同士を互いに軸着してなり、各支持部材の両端が上下方向へ揺動可能なX状フレームと、前記各支持部材の両端部にそれぞれ支持されて上下方向で対向する複数のローラと、前記X状フレームの上下にそれぞれ支持されてテープ状のカバー材が巻回されたリールと、前記各支持部材間に設けられて前記上下のローラ同士を互いの当接方向へ付勢する付勢手段と、を含み、前記上下のローラ間で架渉線を挟持させて前記X状フレームを前記架渉線に沿って移動させることで、前記リールから引き出される上下の前記カバー材を移動方向前側に位置する前記上下のローラを介して前記架渉線に上下から接着可能とした電線カバー材取付け装置であって、
前記X状フレームを、前記架渉線の左右何れか一方側に配置され、前記各支持部材の両端部からそれぞれ他方側へ突設させた支持軸に前記ローラを支持させた片持ち構造としたことを特徴とする電線カバー材取付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電線カバー材取付け装置を、X状フレームに対するローラの支持側が互いに逆となり、且つ前記ローラが互いに対向する向きで一対備えると共に、互いのX状フレーム同士を、長さ調整可能な連結部材で連結して、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線に、前記一対のX状フレームがそれぞれ架渉線の外側に位置するように配置して、それぞれの前記X状フレームが支持する前記ローラで隣接する前記架渉線を挟んで移動させることで、前記2本の前記架渉線にそれぞれ前記カバー材を接着可能としたことを特徴とする電線カバー材取付け装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電線カバー材取付け装置のX状フレームを、架渉線を挟んで上下のローラが位置するように前記架渉線の左右何れか一方側に配置し、前記X状フレームを前記架渉線に沿って移動させることで、リールから引き出される上下のカバー材を移動方向前側に位置する前記上下のローラを介して前記架渉線に上下から接着させることを特徴とする電線カバー材の取付方法。
【請求項4】
請求項2に記載の電線カバー材取付け装置の一対のX状フレームを、同じ高さで平行に配設された2本の架渉線のそれぞれ外側に位置するように配置して、それぞれの前記X状フレームが支持する上下のローラで隣接する前記架渉線を挟持させ、前記一対のX状フレームを前記架渉線に沿って同時に移動させることで、各前記架渉線に、リールから引き出される上下のカバー材を移動方向前方に位置する前記上下のローラを介して上下から接着させることを特徴とする電線カバー材の取付方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−27138(P2013−27138A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159232(P2011−159232)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【特許番号】特許第5006983号(P5006983)
【特許公報発行日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)