説明

電線点検装置用懸架具

【課題】安定して電線点検装置を電線に設置することができる電線点検装置用懸架具を提供することにある。
【解決手段】電線Aに懸架されることにより、電線Aに対して滑走しながら電線Aの状態を点検する電線点検装置100を電線Aに設置する電線点検装置用懸架具である。被固定部位である鉄塔50と点検対象となる電線Aとを架渡す棒状体1と、棒状体1の電線側端部7に設けられる揺動片2とを備え、棒状体1の電線側端部7と揺動片2とで、電線Aを把持する把持部23を構成する。棒状体1の固定側端部8を鉄塔50に固定するとともに、把持部23にて電線Aを把持させて電線Aと鉄塔50とを架渡し、鉄塔50から電線Aに向かって棒状体上で電線点検装置100を走行させて、電線点検装置100が点検対象となる電線Aに乗り移る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空配設された電線(例えば送電線)上を滑走しながら、電線の状態を点検する電線点検装置を電線に設置する電線点検装置用懸架具に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線などの架空配設された電線は、経年劣化により外部損傷や内部腐食が生じるため、定期的に点検する必要がある。従来、このような送電線の点検は、人が送電線に乗って行っていた。しかし、人による点検作業は、危険を伴う上、送電を一時ストップする必要があるため作業効率が悪い。このような事情から、送電線上を走行しながら送電線の状態を点検する自走式の電線点検装置が開発されている(例えば特許文献1)。すなわち、特許文献1の電線点検装置は、架空電線上に乗る走行車輪と、電線の損傷等の異常を検出する電線点検部とを有しており、電線上で走行車輪を走行させるものである。
【0003】
ところで、前記のような電線点検装置を電線に設置する方法としては、特許文献1の図4に示すように、例えばFRP製の絶縁棒の先端部に、吊下げロープを介して電線点検装置を吊下げる。そして、絶縁棒の他端部を鉄塔の適当な高さに取り付けて支持する。このとき、絶縁棒の先端部に吊下げられた電線点検装置が、点検する電線位置よりも適当な高さだけ高くなる位置になるように持ち上げる。電線点検装置の走行車輪が、点検する電線の真上になるように位置させた後、走行車輪を電線に乗せると電線点検装置の設置が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−191517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、電線点検装置を吊下げて、点検の対象となる電線の上方から設置する方法は、例えば77kV級送電線用の電線点検装置の設置を対象としている。このため、絶縁棒に必要な長さは2m程度であった。しかしながら、例えば500kV送電線を点検しようとすると、絶縁棒に必要な長さが約10mとなり、このように長い絶縁棒を使用して電線点検装置を設置することは実質的には不可能であった。
【0006】
本発明の課題は、安定して電線点検装置を電線に設置することができる電線点検装置用懸架具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電線点検装置用懸架具は、電線に懸架されることにより、電線に対して滑走しながら電線の状態を点検する電線点検装置を電線に設置する電線点検装置用懸架具であって、被固定部位である鉄塔と点検対象となる電線とを架渡す棒状体と、この棒状体の電線側端部に設けられる揺動片とを備え、前記棒状体の電線側端部と前記揺動片とで、前記電線を把持する把持部を構成し、前記棒状体の固定側端部を鉄塔に固定するとともに、前記把持部にて前記電線を把持させて電線と鉄塔とを架渡し、鉄塔から電線に向かって前記棒状体上で電線点検装置を走行させて、前記電線点検装置が前記点検対象となる電線に乗り移るものである。
【0008】
本発明の電線点検装置用懸架具では、被固定部位である鉄塔と点検対象となる電線とを架渡す棒状体を備えているため、電線点検装置は、鉄塔から電線に向かって走行することができる。しかも、棒状体の電線側端部は電線を把持する把持部を備えており、固定側端部は鉄塔に固定されるので、棒状体の両端部は安定して固定されることになって、電線点検装置は安定して確実に電線に乗り移らせることができる。
【0009】
前記把持部は、棒状体の取付前に非把持状態とし、棒状体の取付後に把持状態とする切換機構を備えることができる。
【0010】
前記電線側端部は、角度変更が可能な角度調節機構を備えることができる。これにより、電線の走行向きによらず、本発明の電線点検装置用懸架具を取付ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、棒状体を備えるとともに把持部を備えているため、電線点検装置は安定して確実に電線に乗り移らせることができ、棒状体が鉄塔から架渡すことができる長さであれば、安定して電線点検装置を電線に設置することができる。
【0012】
前記把持部が、棒状体の取付前に非把持状態とし、棒状体の取付後に把持状態とする切換機構を備えたものとすると、棒状体の取付作業がし易くなって、作業性・取付性を向上させることができる。
【0013】
前記把持部が角度調節機構を備えると、電線の走行向きによらず本発明の電線点検装置用懸架具を取付ることができるため、棒状体の固定側端部の位置を種々の位置とすることができ、作業性・取付性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電線点検装置用懸架具の側面図である。
【図2】本発明の電線点検装置用懸架具を鉄塔と電線との間に懸架させた状態を示す平面図である。
【図3】本発明の電線点検装置用懸架具の把持部の把持状態を示す拡大側面図である。
【図4】本発明の電線点検装置用懸架具の把持部の非把持状態を示す拡大側面図である。
【図5】本発明の電線点検装置用懸架具を鉄塔と電線との間に懸架させた状態を示す側面図である。
【図6】電線点検装置が本発明の電線点検装置用懸架具から電線に乗り移る方法を示す図である。
【図7】本発明の電線点検装置用懸架具にて電線に設置される電線点検装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図7に、本発明の電線点検装置用懸架装置にて電線点検装置100を2本の電線Aの上に配置した状態を示す。この電線点検装置100は、2本の電線Aを点検しながら電線A上を滑走する滑走部10と、重心調整部30とを主に備える。尚、以下の説明において、鉛直方向を上下方向という。
【0017】
滑走部10は、幅方向に延びた前方の回転軸11a、及び後方の回転軸11bと、各回転軸11a、11bに2個ずつ取り付けられた前方の一対の回転体(プーリ)12a1、12a2、及び後方の一対の回転体(プーリ)12b1、12b2と、2本の回転軸11a、11bを連結する連結アーム14とを有する。プーリ12a1、12a2、12b1、12b2が回転軸11a、11bに回転自在に取り付けられ、各回転軸11a、11bは、連結軸5を介して連結アーム14の両端に取付られる。滑走部10には、電線Aの状態を点検するための図示省略の第1点検部が設けられる。第1点検部は、例えばカメラで電線の状態を点検するものであり、その撮影データはバッテリーボックス34に設けられた記録部に記録される。回転軸11a、11bには、その端部にモータ部を有しており、このモータ部3に内蔵された図示省略のモータを回転駆動することで、各回転軸11a、11bを回転させることができる。各回転軸11a、11bには下方に延びる連結軸5が連結されており、連結軸5の内部には、回転軸11a、11bを連結軸5を中心に回転駆動するモータ(図示省略)が設けられている。
【0018】
重心調整部30は、図7に示すように、連結アーム14に取付られた基軸27の下端部に設けられ、第1アーム31、第2アーム32、及びバッテリーボックス34とを有する。第1アーム31の一端は基軸27の下端に取り付けられ、第1アーム31の他端は第2アーム32の端部に連結軸33を介して取り付けられる。バッテリーボックス34は第2アーム32に取り付けられる。基軸27の内部には、第1アーム31を基軸27を中心に回転駆動するモータ(図示省略)が設けられ、連結軸33の内部には、第2アーム32を第1アーム31に対して連結軸33を中心に回転駆動するモータ(図示省略)が設けられる。バッテリーボックス34には、各モータや点検部に電源を供給するバッテリーや、点検部により撮影された電線の画像や外周面の曲率のデータを記録する記録部が備えられる。重心調整部30の第1アーム31及び第2アーム32を回転させてバッテリーボックスの位置を変えることにより、電線点検装置100の重心位置を調整することができ、電線点検装置100は障害物を回避しながら前進することができる。
【0019】
本発明の電線点検装置用懸架装置は、図1に示すように、長尺の棒状体1と、この棒状体1の一方の端部に設けられる揺動片2とを備えている。
【0020】
棒状体1は、鉄塔50(図2参照)と点検対象となる電線Aとの間に架渡された状態で、電線側に対応する電線側端部7を構成する第1部3と、鉄塔側に対応する固定側端部8を構成する第2部4と、第1部3と第2部4との間に介在する第3部6とからなる。第1部3は例えば導電性ゴム、第2部4は例えばFRP、第3部6は例えば鋼からなる。
【0021】
第1部3と第3部6とは、連結部材9を介して連結されている。この連結部材9は、図2に示すように、第1部側に設けられる支持部材9aと第2部側に設けられる支持部材9bと、これら支持部材9a、9bに上下方向から挿入されるピン部材13とで構成される。これにより、第1部3と第3部6とはピン部材13にて枢支されて、第1部3は、第3部6に対してピン部材13を軸に揺動することが可能となる。このように、連結部材9とピン部材13とで、第1部3と第3部6との角度変更が可能な角度調節機構15を構成する。第2部4と第3部6とは、一方に図示省略の穴部が設けられて、その穴部に他方が嵌合する凹凸嵌合構造にて取外し自在に連結されている。このように、第1部3、第2部4、第3部6は夫々分割可能な構成となっている。
【0022】
第1部3の先端部には、図1に示すように、第1部3と直交する方向に立ち上がる立上片17が設けられるとともに、第2部4の中間部には、第2部4と直交する方向に立ち上がる立上片26が設けられている。立上片17から連結部材9を介して、固定側端部8まで延びるロープ21が固定されている。連結部材9及び立上片26には、夫々起伏ロープ28が取付られており、これら起伏ロープ28には、起伏ロープ28の繰り出し及び巻取りが可能なウインチ29(図5参照)に固定されている。第2部4には、その端部を鉄塔に固定するための固定部25(図5参照)が設けられている。
【0023】
揺動片2は、棒状体1の電線側端部7に設けられ、一方の端部が棒状体1の略先端に揺動可能に取付られている。揺動片2は、図3に示すように電線Aが嵌合する嵌合凹部16が設けられている。この揺動片2と電線側端部7とで電線Aを把持する把持部23を構成する。すなわち、揺動片2の基端部側は第1の支点36を介して第1揺動軸18と枢結されており、この第1揺動軸18は、第2の支点37を介して第2揺動軸19及び第3揺動軸20と枢結されている。第1揺動軸18は、コイル状ばね22を介して立上片17に連結されており、第3揺動軸20は、第3の支点38を介して立上片17に枢結されている。第2揺動軸19の先端部は、絶縁性を有するロープ21が取付られており、ロープ21は、前述したように立上片17及び連結部材9を介して、棒状体1の固定側端部8にまで延びている。
【0024】
第1〜第3揺動軸18〜20、及びロープ21とで、電線Aの把持状態と非把持状態とを切換る切換機構24を構成する。すなわち、ロープ21を鉄塔側から引張ると、ロープ21が図3に示す状態から矢印Aの方向に引張られ、第2揺動軸19の先端部が持ち上がることにより、第3揺動軸20の先端部(第2の支点37)は、第3の支点38を中心に上方に持ち上がり、第1揺動軸18がコイル状ばね22の弾発力に抗して第2の支点37を中心に鉄塔側に揺動する。これにより、第1の支点36が図4のように鉄塔側に移動して、揺動片2が矢印Bのように第1の支点36を中心に電線Aから離間する向きに揺動する。
【0025】
ロープ21の引張り状態を解除すると、ロープ21は図4に示す状態から矢印Dの方向に引張られ、第1揺動軸18がコイル状ばね22の復元力により第2の支点37を中心に反鉄塔側に揺動する。これにより、揺動片2が、矢印Cのように第1の支点36を中心に電線Aに接近する向きに揺動して、図3に示すような把持状態に戻ることができる。
【0026】
次に、本発明の電線点検装置用懸架具を電線Aに懸架して、電線点検装置100を電線Aに設置する方法について説明する。まず、角度調節機構15にて、電線側端部7の角度を調節する。そして、棒状体1の電線側端部7が上方になるように鉛直方向に向けて、棒状体1の固定側端部8を、固定部25を介して鉄塔50の一部に固定する。その後、ウインチ29を作動させることにより起伏ロープ28を繰り出して、棒状体1を図5の矢印Eに示すように倒しこみ、第1部3が電線Aの上方を覆うようにして、棒状体1の電線側端部7を点検対象となる電線Aの上部に当接させる。このとき、平面視では図2に示すように、第1部3(電線側端部7)が第2部4や第3部6と角度を持っている。
【0027】
次に、ロープ21を引張って、揺動片2を図4に示すような非把持状態とした後、嵌合凹部16に電線Aが嵌合するようにしてロープ21の引張り状態を解除すると、図3に示すように電線側端部7と揺動片2とで電線Aを把持状態とする。これにより、棒状体1にて、鉄塔50と電線Aとを架渡すことができて、電線点検装置100は、棒状体1の第2部4及び第3部6を走行することができる。
【0028】
その後、電線点検装置の前方の1つのプーリ12a1及び後方の1つのプーリ12b1を棒状体1に係合させる。そして、図5の矢印Fに示すように、鉄塔50から電線Aに向かって棒状体上で電線点検装置100を走行させる。このとき、電線点検装置100は立上片26や連結部材9等の障害物を回避しつつ走行することができる。障害物の回避は、重心調整部30の第1アーム31及び第2アーム32を回転させてバッテリーボックス34の位置を変えることにより、電線点検装置100の重心位置を調整して障害物を回避しながら前進する。具体的には、電線点検装置100が障害物(例えば、立上片26)の手前に来たら、第1アーム31及び第2アーム32を回転させてバッテリーボックス34を電線点検装置100の後方側に配する。これにより、電線点検装置100の重心が後方に偏り、前方の回転軸11aが持ち上げられて前方のプーリ12a1が棒状体1から離隔する。この状態で電線点検装置100を前方に走行させる。前方のプーリ12a1、12a2が立上片26を越えたら、第1アーム31及び第2アーム32を回転させてバッテリーボックス34を電線点検装置100の前方側に配する。これにより、電線点検装置100の重心が前方に偏り、後方の回転軸11bが持ち上げられて後方のプーリ12b1が棒状体1から離隔する。この状態で電線点検装置100を前方に走行させると、立上片26を回避することができる。
【0029】
電線点検装置100が連結部材9にまで到達し、図6(a)に示すように電線Aの付近に到達すると、電線点検装置100は連結部材9を回避しつつ、点検対象となる電線Aに乗り移る作業を行う。なお、図6では連結部材9を省略している。すなわち、図6(b)に示すように、バッテリーボックス34を電線点検装置100の後方側に配するようにして電線点検装置100の重心を後方に偏らせて前方の回転軸11aを持ち上げて、前方のプーリ12a1を棒状体1から離隔させる。このとき、棒状体1に係合していない前方のプーリ12a2も持ち上がる。そして、図6(c)に示すように、前方の回転軸11aを前方の連結軸5を中心に電線A側へ揺動させて、前方の一対のプーリ12a1、12a2の向きを、一対の電線Aの向きに沿った方向とする。次に、図6(d)に示すように、後方の回転軸11bを走行させて電線側に近づけた後、図6(e)に示すように、バッテリーボックス34を電線点検装置100の中心に配するようにして電線点検装置100の重心を中心に位置させる。これにより、前方の回転軸11aを下降させて、前方の一対のプーリ12a1、12a2が夫々電線Aに係合した状態とする。
【0030】
次に、後方のプーリ12bも前方のプーリ12aと同様にして棒状体1から電線Aに乗り移るようにする。すなわち、図6(f)に示すように、バッテリーボックス34を電線点検装置100の前方側に配するようにして電線点検装置100の重心を前方に偏らせて後方の回転軸11bを持ち上げて、後方のプーリ12b1を棒状体1から離隔させる。このとき、棒状体1に係合していない後方のプーリ12b2も持ち上がる。そして、図6(g)に示すように、後方の回転軸11bを後方の連結軸5を中心に電線A側へ揺動させて、後方の一対のプーリ12b1、12b2の向きが、一対の電線Aの向きに沿った方向とする。次に、図6(h)に示すように、バッテリーボックス34を電線点検装置100の中心に配するようにして電線点検装置100の重心を中心に位置させ、後方の回転軸11を下降させて、後方の一対のプーリ12b1、12b2が夫々電線Aに係合した状態とする。このようにして、電線点検装置100は、棒状体1から点検対象となる電線Aに乗り移る。
【0031】
本発明は、被固定部位である鉄塔50と点検対象となる電線Aとを架渡す棒状体1を備えているため、電線点検装置100は、鉄塔50から電線Aに向かって走行することができる。しかも、棒状体1の電線側端部7は電線Aを把持する把持部23を備えており、固定側端部8は鉄塔50に固定されるので、棒状体1の両端部は安定して固定されることになって、電線点検装置100は安定して確実に電線Aに乗り移らせることができる。これにより、棒状体1が鉄塔50から架渡すことができる長さであれば、安定して電線点検装置100を電線に設置することができる。
【0032】
把持部23は、棒状体1の取付前に非把持状態とし、棒状体1の取付後に把持状態とする切換機構24を備えているので、棒状体1の取付作業がし易くなって、作業性・取付性を向上させることができる。
【0033】
電線側端部7は、角度変更が可能な角度調節機構15を備えているので、電線Aの走行向きによらず、本発明の電線点検装置用懸架具を取付ることができて、棒状体1の固定側端部8の位置を種々の位置とすることができ、作業性・取付性を向上させることができる。
【0034】
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では2導体を点検する電線点検装置100に本発明を適用する場合を示しているが、電線の本数は特に限定されず、単導体や4導体を点検する電線点検装置100に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 棒状体
2 揺動片
7 電線側端部
8 固定側端部
15 角度調節機構
23 把持部
24 切換機構
50 鉄塔
A 電線
100 電線点検装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線に懸架されることにより、電線に対して滑走しながら電線の状態を点検する電線点検装置を電線に設置する電線点検装置用懸架具であって、
被固定部位である鉄塔と点検対象となる電線とを架渡す棒状体と、この棒状体の電線側端部に設けられる揺動片とを備え、前記棒状体の電線側端部と前記揺動片とで、前記電線を把持する把持部を構成し、
前記棒状体の固定側端部を鉄塔に固定するとともに、前記把持部にて前記電線を把持させて電線と鉄塔とを架渡し、鉄塔から電線に向かって前記棒状体上で電線点検装置を走行させて、前記電線点検装置が前記点検対象となる電線に乗り移るものであることを特徴とする電線点検装置用懸架具。
【請求項2】
前記把持部は、棒状体の取付前に非把持状態とし、棒状体の取付後に把持状態とする切換機構を備えたことを特徴とする請求項1の電線点検装置用懸架装置。
【請求項3】
前記棒状体の電線側端部は、角度変更が可能な角度調節機構を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の電線点検装置用懸架装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−115064(P2012−115064A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262628(P2010−262628)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(505087230)株式会社ハイボット (6)