説明

電解再生処理装置

【課題】小型化が可能で、しかも浴量を少なくすることができる電解再生処理装置を提供する。
【解決手段】再生処理部19は、アノードとして機能する内周面を有する筒状部23と、筒状部23内に配設され、内周面31と離隔した状態で筒状部23の延設方向に沿って延びるカソード25とを含む。デスミア処理に用いられた処理液は、筒状部23の内周面31とカソード25との隙間を通じて送液される。送り側導管15は、下流側端部15bが筒状部23に接続され、デスミア処理槽13から排出される前記処理液を再生処理部19に導く。戻し側導管17は、上流側端部17aが筒状部23に接続され、再生処理部19から排出される前記処理液をデスミア処理槽13に導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線基板などを製造する製造工程において、デスミア処理に用いられる処理液を電解して再生するための電解再生処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板に用いられる樹脂基板にスルーホールやビアを形成する際には、ドリルやレーザーと樹脂との摩擦熱によって樹脂カスであるスミアが生成する。プリント配線基板の電気的接続信頼性を維持するためには、スルーホールやビアに生成したスミアを化学的処理方法などにより除去(デスミア処理)する必要がある。
【0003】
一般に、前記化学的処理方法においては、過マンガン酸ナトリウムや過マンガン酸カリウムなどの過マンガン酸塩の溶液が処理液として用いられる。この処理液は、デスミア処理槽に貯留される。前記樹脂基板をデスミア処理槽内の処理液に浸漬してデスミア処理を施すと、スミアが酸化されてスルーホールやビアからスミアが除去される一方で、処理液中の過マンガン酸塩はマンガン酸塩となる。そして、この処理後の処理液をスミア除去に再利用するために、処理液中のマンガン酸塩を過マンガン酸塩にする電解再生処理が行われる。
【0004】
従来の電解再生処理装置は、処理液を貯留する電解再生槽と、この電解再生槽内の処理液中に浸漬された電極と、デスミア処理槽から排出された処理液を電解再生槽に送液する送り側導管と、電解再生処理後の処理液をデスミア処理槽に送液する戻し側導管とを備えている。処理液は、デスミア処理槽と電解再生槽との間を循環する。このような電解再生処理装置では、再生効率を向上させるために、通常、電解再生槽内に複数の電極が配設される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3301341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように電解再生槽内に複数の電極を配設する方式では、電解再生槽の容量を大きくする必要があるので(デスミア処理槽の1〜2倍程度の容量)、電解再生槽を設置するための設置面積の確保が必要になるとともに、浴量が多くなる。
【0007】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化が可能で、しかも浴量を少なくすることができる電解再生処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の電解再生処理装置は、デスミア処理槽においてデスミア処理に用いられた処理液を電解して再生するためのものである。前記電解再生処理装置は、再生処理部と、送り側導管と、戻し側導管とを備えている。前記再生処理部は、アノードとして機能する内周面を有する筒状部と、前記筒状部内に配設され、前記内周面と離隔した状態で前記筒状部の延設方向に沿って延びるカソードとを含む。この再生処理部では、前記筒状部の前記内周面と前記カソードとの隙間を通じて前記処理液が送液される。前記送り側導管は、下流側端部が前記筒状部に接続され、前記デスミア処理槽から排出される前記処理液を前記再生処理部に導く。前記戻し側導管は、上流側端部が前記筒状部に接続され、前記再生処理部から排出される前記処理液を前記デスミア処理槽に導く。
【0009】
この構成では、送り側導管の下流側端部が再生処理部の筒状部に接続される。したがって、デスミア処理槽から排出された処理液は、送り側導管を通じて筒状部に直接流入する。そして、筒状部内に流入した前記処理液は、筒状部の内周面とカソードとの隙間を通じて送液される間に電解されて再生処理される。再生処理されて再生処理部から排出された前記処理液は、戻し側導管を通じてデスミア処理槽に導かれる。
【0010】
この構成では、電解再生槽内に処理液を貯留してこの処理液にカソード及びアノードを浸漬するという従来の構成とは異なり、デスミア処理槽から排出された処理液を、送り側導管を通じて筒状部に直接流入させる。そして、再生処理部において電解された処理液を、筒状部に接続された戻し側導管に直接流出させ、デスミア処理槽側に送液する。すなわち、この構成では、前記筒状部は、アノードとしての機能と、送り側導管と戻し側配管との間に介在し、アノードとカソードとの隙間を処理液が流れるようにするための流路としての機能とを兼ね備えている。したがって、この構成では、従来のような前記電解再生槽を必要としないので、電解再生処理装置を小型化することができ、しかも浴量を少なくすることができる。
【0011】
(2)また、前記電解再生処理装置において、前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含んでいるのが好ましく、この場合において、前記第2配管は、その延設方向が前記第1配管の延設方向と平行で、かつ幅方向に前記第1配管と隣り合うように前記第1配管と並設されており、前記送り側導管の前記下流側端部は、第1配管の一端部に接続され、前記第1配管の他端部は、前記第2配管の一端部と連通しているのが好ましい。
【0012】
この構成では、第1配管と第2配管の端部同士が連通していることにより、第1配管と第2配管とは、処理液が流通する1つの流路を形成している。すなわち、前記1つの流路は、送り側導管の下流側端部が接続される第1配管の一端部を処理液の入口とし、第1配管の他端部、第2配管の一端部及び第2配管の他端部の順に処理液が流れる流路である。そして、第2配管は、第1配管と平行に並設されている。したがって、この構成では、第1配管の流路長と第2配管の流路長とを足し合わせた長さの直線状の流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくすることができる。
【0013】
(3)また、第1配管と第2配管が前記1つの流路を形成している場合において、前記第2配管は、前記第1配管よりも上方に配置されているのが好ましい。
【0014】
この構成では、下流側にある第2配管が上流側にある第1配管よりも上方に配置されているので、再生処理部において処理液が電解されることにより生じるガスは、処理液の流れる方向に逆らうことなく処理液の流れに沿って移動しながら再生処理部内を上昇することができる。これにより、電解により生じる前記ガスは、処理液の流れに沿って再生処理部の下流側に円滑に移動するので、再生処理部内に滞留するのが抑制される。
【0015】
(4)前記電解再生処理装置において、前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含んでいるのが好ましく、この場合において、前記送り側導管の前記下流側端部は、第1配管の上流側端部と接続され、前記第1配管の下流側端部は、前記第2配管の上流側端部と接続されており、前記第2配管は、その延設方向が前記第1配管の延設方向と鋭角をなすように前記第1配管に対して傾斜した状態で配設されているのが好ましい。
【0016】
この構成では、第1配管の下流側端部が第2配管の上流側端部と接続されていることにより、第1配管と第2配管とは、処理液が流通する1つの流路を形成している。すなわち、前記1つの流路は、送り側導管の下流側端部が接続される第1配管の上流側端部を処理液の入口とし、第1配管の下流側端部、第2配管の上流側端部及び第2配管の下流側端部の順に処理液が流れる流路である。そして、第2配管は、その延設方向が第1配管の延設方向と鋭角をなすように第1配管に対して傾斜した状態で配設されている。したがって、この構成では、第1配管の流路長と第2配管の流路長とを足し合わせた長さの直線状の流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくすることができる。
【0017】
(5)また、第1配管に対して傾斜した状態で第2配管が配設される場合において、前記第2配管は、前記第1配管よりも上方に配置されており、前記第1配管は、その下流側端部が上流側端部よりも高くなるように水平方向に対して傾斜しており、前記第2配管は、その下流側端部が上流側端部よりも高くなるように水平方向に対して傾斜しているのが好ましい。
【0018】
この構成では、下流側にある第2配管が上流側にある第1配管よりも上方に配置されているので、再生処理部において処理液が電解されることにより生じるガスは、処理液の流れる方向に逆らうことなく処理液の流れに沿って移動しながら再生処理部内を上昇することができる。これにより、電解により生じる前記ガスは、処理液の流れに沿って再生処理部の下流側に円滑に移動するので、再生処理部内に滞留するのが抑制される。しかも、この構成では、各配管が上記のように水平方向に対して傾斜しているので、前記ガスが各配管内を下流側に向かってより円滑に移動しやすくなる。
【0019】
(6)また、前記電解再生処理装置において、前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含んでいるのが好ましく、この場合において、前記送り側導管を流れる前記処理液が前記第1配管における前記延設方向の一端部及び前記第2配管における前記延設方向の一端部にそれぞれ導かれ、前記第1配管における前記延設方向の他端部及び前記第2配管における前記延設方向の他端部から前記処理液が前記戻し側導管に排出されるように構成されているのが好ましい。
【0020】
この構成では、筒状部の第1配管と第2配管とが1つの流路を形成している上述の構成に比べて、電解再生処理の効率を向上させることができる。その理由について、処理液が過マンガン酸塩の水溶液である場合を例に挙げて説明する。
【0021】
デスミア処理槽においてデスミア処理に用いられた処理液は、過マンガン酸塩の一部がマンガン酸塩に還元されている。デスミア処理槽から排出され、送り側導管を通じて再生処理部に送液された処理液は、筒状部の上流側から下流側に向かって流れる過程において、電解される。これにより、処理液中のマンガン酸塩は、酸化されて過マンガン酸塩となる。したがって、筒状部の下流側におけるマンガン酸塩の濃度は、筒状部の上流側におけるマンガン酸塩の濃度に比べて低くなるので、筒状部の下流側における電解再生処理の効率は、筒状部の上流側における電解再生処理の効率に比べて低くなる。
【0022】
この構成では、前記送り側導管を流れる前記処理液は、前記第1配管における前記延設方向の一端部及び前記第2配管における前記延設方向の一端部にそれぞれ導かれるので、マンガン酸塩の濃度が高い電解再生処理前の処理液を、第1配管及び第2配管にそれぞれ流入させることができる。したがって、第1配管と第2配管が前記1つの流路を形成している上述の構成に比べて、電解再生処理の効率を向上させることができる。
【0023】
(7)前記電解再生処理装置において、前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する上流側第1配管とアノードとして機能する内周面を有する下流側第1配管とが直列に接続された第1配管ブロックと、アノードとして機能する内周面を有する上流側第2配管とアノードとして機能する内周面を有する下流側第2配管とが直列に接続された第2配管ブロックと、を含み、前記カソードは、前記上流側第1配管内に配設され、前記上流側第1配管の内周面と離隔した状態で前記上流側第1配管の延設方向に沿って延びる上流側第1カソードと、前記下流側第1配管内に配設され、前記下流側第1配管の内周面と離隔した状態で前記下流側第1配管の延設方向に沿って延びる下流側第1カソードと、前記上流側第2配管内に配設され、前記上流側第2配管の内周面と離隔した状態で前記上流側第2配管の延設方向に沿って延びる上流側第2カソードと、前記下流側第2配管内に配設され、前記下流側第2配管の内周面と離隔した状態で前記下流側第2配管の延設方向に沿って延びる下流側第2カソードと、を含んでいるのが好ましく、この場合において、前記送り側導管を流れる前記処理液が前記第1配管ブロックの上流側端部及び前記第2配管ブロックの上流側端部にそれぞれ導かれ、前記第1配管ブロックの下流側端部及び前記第2配管ブロックの下流側端部から前記処理液が前記戻し側導管に排出されるように、前記第1配管ブロックと前記第2配管ブロックが並列に接続されているのが好ましい。
【0024】
この構成では、上流側配管と下流側配管とが直列に接続されることにより、単一の配管のみ(上流側配管のみ又は下流側配管のみ)の場合に比べて流路長が大きくなり電解再生処理能力が高められた配管ブロックを用いている。そして、必要とされる電解再生処理能力に応じた個数の前記配管ブロックを用いて再生処理部が構築される。その際には、送り側導管を流れる処理液が第1配管ブロックの上流側端部及び第2配管ブロックの上流側端部にそれぞれ導かれるように、第1配管ブロックと第2配管ブロックとは並列に接続される。したがって、電解再生処理前の処理液、すなわちマンガン酸塩の濃度が高い処理液を、第1配管ブロック及び第2配管ブロックにそれぞれ流入させることができる。よって、第1配管ブロックと第2配管ブロックとが直列に接続されて1つの流路を形成している構成に比べて、電解再生処理の効率を向上させることができる。
【0025】
また、上流側配管と下流側配管とが直列に接続された配管ブロックを予め複数用意しておくことにより、再生処理部を構築する際には上記のように第1配管ブロックと第2配管ブロックとを並列に接続すればよいので、作業性を向上させることができる。
【0026】
また、この構成では、送液用のポンプを設ける場合、送り側導管又は戻し側導管に1つのポンプを設けるだけで第1配管ブロック及び第2配管ブロックに処理液を流入させることができる。また、フィルターを設ける場合、戻し側導管に1つのフィルターを設けるだけで第1配管ブロック及び第2配管ブロックを通過した処理液を濾過することができる。したがって、部品点数を少なくすることができる。
【0027】
(8)前記筒状部が第1配管ブロックと第2配管ブロックとを含む場合において、前記下流側第1配管は、その延設方向が前記上流側第1配管の延設方向と平行で、かつ幅方向に前記上流側第1配管と隣り合うように前記上流側第1配管と並設されており、前記下流側第2配管は、その延設方向が前記上流側第2配管と平行で、かつ幅方向に前記上流側第2配管と隣り合うように前記上流側第2配管と並設されているのが好ましい。
【0028】
この構成では、第1ブロックにおいて下流側第1配管は上流側第1配管と平行に並設されており、第2ブロックにおいて下流側第2配管は上流側第2配管と平行に並設されている。すなわち、第1ブロックにおいて2つの配管がU字状に配置され、第2ブロックにおいて2つの配管がU字状に配置されているので、2つの配管を足し合わせた長さの直線状の流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくすることができる。
【0029】
(9)前記筒状部が第1配管ブロックと第2配管ブロックとを含む場合において、前記下流側第1配管は、その延設方向が前記上流側第1配管の延設方向と鋭角をなすように前記上流側第1配管に対して傾斜した状態で配設されており、前記下流側第2配管は、その延設方向が前記上流側第2配管の延設方向と鋭角をなすように前記上流側第2配管に対して傾斜した状態で配設されていてもよい。
【0030】
この構成では、第1ブロックにおいて下流側第1配管は上流側第1配管に対して上記のように傾斜して配設され、第2ブロックにおいて下流側第2配管は上流側第2配管に対して上記のように傾斜して配設されている。すなわち、第1ブロックにおいて2つの配管がV字状に配置され、第2ブロックにおいて2つの配管がV字状に配置されているので、2つの配管を足し合わせた長さの直線状の流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくすることができる。
【0031】
(10)前記電解再生処理装置において、前記第1配管ブロックへの前記処理液の流入を規制可能な第1バルブと、前記第2配管ブロックへの前記処理液の流入を規制可能な第2バルブと、をさらに備えているのが好ましい。
【0032】
この構成では、例えば第1配管ブロックのメンテナンスを行う場合には、第1バルブを閉じて第1配管ブロックへの処理液の流入を規制することにより、第1配管ブロックの各配管や各カソードのメンテナンスを行うことができる。しかも、第1配管ブロックのメンテナンス中には、第1配管ブロックへの処理液の流入が規制されるので、第2配管ブロックは電解再生処理に使用可能である。
【0033】
(11)また、前記電解再生処理装置において、前記筒状部は、その延設方向の両端に開口部を有し、前記再生処理部は、各開口部の近傍に配設されたシール部材をさらに含んでいるのが好ましく、この場合において、前記シール部材は、前記カソードが挿通された貫通孔を有する筒形状をなし、前記筒状部の前記内周面と前記カソードとの間に介在し、絶縁材料により形成されているのが好ましい。
【0034】
この構成では、筒状部における各開口部の近傍に配設されたシール部材の貫通孔にカソードを挿通することにより、カソードをアノード(筒状部の内周面)と絶縁した状態で筒状部に支持させることができる。
【0035】
(12)前記電解再生処理装置において、前記筒状部は、その延設方向の一端に開口部を有し、前記延設方向の他端が閉じられており、前記カソードは、前記筒状部の前記一端に取り付けられる基部と、前記開口部から前記筒状部内に挿入され、前記基部から前記筒状部の延設方向に沿って延びる延出部と、を含む構成であってもよい。
【0036】
この構成では、筒状部の一端に開口部が設けられ、他端が閉じられている。したがって、カソードを筒状部に取り付ける際には、カソードの延出部を筒状部の開口部から筒状部内に挿入し、カソードの基部を筒状部の一端に取り付けることにより、延出部を筒状部内の所望の位置に位置決めできる。すなわち、カソードの取り付け作業は筒状部の一端においてのみ行えばよいので、筒状部の両端に開口部が設けられている場合に比べて、筒状部に対するカソードの取付作業や交換作業が容易になる。また、筒状部に対するカソードの取り付け部位が筒状部の一端のみであるので、筒状部の両端に開口部が設けられて筒状部に対する取り付け部位が両端にある場合に比べて、取り付け部位からの液漏れの可能性をより低減することができる。
【0037】
(13)前記電解再生処理装置において、前記再生処理部は、前記筒状部内に配置されるとともに前記筒状部と電気的に接続された補助アノードをさらに含み、前記補助アノードは、前記カソードと離隔した状態で前記カソードに対向配置されているのが好ましい。
【0038】
この構成では、再生処理部は、補助アノードをさらに含んでいるので、アノードとして機能する部位が筒状部の内周面だけである場合に比べてアノードの面積が増加している。これにより、再生処理部への通電量を増やすことができるので、電解再生処理の能力を高めることができる。
【0039】
(14)前記電解再生処理装置において、前記補助アノードは、前記カソードの周りを囲むように前記カソードに沿って延びる筒形状を有し、複数の貫通孔を有しているのが好ましい。
【0040】
この構成では、補助アノードは複数の貫通孔を有しているので、カソードの周りを囲むように補助アノードが筒状部内に配置されていても、処理液は複数の貫通孔を通じて筒状部の内周面にも到達する。したがって、筒状部の内周面は依然としてアノードとして機能する。そして、補助アノードは、カソードの周りを囲むようにカソードに沿って延びる筒形状を有しているので、カソードの周囲において効果的にアノードの表面積を増やすことができる。
【0041】
(15)前記電解再生処理装置において、前記カソードと前記筒状部の内周面との接触を防止するために前記カソードに取り付けられ、前記カソードから前記筒状部の内周面に向かう絶縁部材をさらに備えているのが好ましい。
【0042】
この構成では、前記絶縁部材がカソードに取り付けられているので、例えばカソードが撓み変形するなどしてカソードが筒状部の内周面に近づく方向に移動した場合であっても、カソードが筒状部の内周面に接触する前に絶縁部材が筒状部の内周面に接触する。これにより、カソードと筒状部の内周面との接触を防止することができる。
【0043】
(16)前記電解再生処理装置において、前記筒状部の温度を調節するための温度調節部をさらに備えているのが好ましい。
【0044】
この構成では、前記温度調節部を備えているので、再生処理部において電解再生処理時に熱が発生する場合であっても、処理液の温度が上昇するのを抑制できるので、処理液の温度上昇に起因する処理液の品質低下などの不具合が生じるのを抑制でき、処理液の温度上昇に起因する装置の不具合が生じるのを抑制できる。また、温度調節部が筒状部を冷却する冷却手段だけでなく、加熱手段も備えている場合には、処理液の温度をより精密に管理することができる。
【0045】
(17)前記電解再生処理装置において、前記再生処理部において生じる気体を排出するための気体排出バルブをさらに備えているのが好ましい。
【0046】
この構成では、再生処理部において処理液が電解されることにより生じる気体を、前記気体排出バルブを通じて装置外に排出することができる。
【発明の効果】
【0047】
以上説明したように、本発明によれば、電解再生処理装置を小型化することができ、しかも電解再生処理装置の浴量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電解再生処理装置と、この電解再生処理装置が接続されたデスミア処理槽とを示す概略図である。
【図2】(A)は、前記電解再生処理装置における再生処理部を拡大した概略図であり、(B)は、前記再生処理部における配管及びカソードを底面側から見た概略図である。
【図3】図1のデスミア処理槽に、フィルター及びポンプを備えた配管を接続した構成を示す概略図である。
【図4】前記電解再生処理装置における再生処理部の変形例を示す概略図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電解再生処理装置の再生処理部を示す概略図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る電解再生処理装置の再生処理部及びその近傍を示す概略図である。
【図7】(A)は、本発明の第4実施形態に係る電解再生装置の再生処理部及び温度調節部を示す概略図であり、(B)は、前記再生処理部及び前記温度調節部の変形例1を示す断面図であり、(C)は、前記再生処理部及び前記温度調節部の変形例2を示す概略図である。
【図8】第4実施形態における前記再生処理部及び前記温度調節部の変形例3を示す概略図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る電解再生処理装置の再生処理部を示す断面図である。
【図10】(A)は、第5実施形態における補助アノードの一例を示す斜視図であり、(B)は、第5実施形態における補助アノードの他の例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る電解再生処理装置の再生処理部及び気体排出バルブを示す概略図である。
【図12】(A)は本発明の第7実施形態に係る電解再生処理装置の再生処理部を示す平面図であり、(B)はその正面図であり、(C)は(B)のXIIC-XIIC線断面図である。
【図13】第7実施形態における再生処理部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態に係る電解再生処理装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る電解再生処理装置11は、プリント配線基板を製造する工程において、デスミア処理に用いられた処理液をスミアの除去に再利用するために、処理液を電解して再生するためのものである。以下では、処理液Lとして、過マンガン酸ナトリウムや過マンガン酸カリウムなどの過マンガン酸塩の溶液を用いる場合を例に挙げて説明する。この処理液Lは、デスミア処理槽13に貯留されている。
【0051】
プリント配線基板の基板部分を構成する図略の樹脂基板は、デスミア処理槽13内の処理液に浸漬されてデスミア処理が施される。これにより、前記樹脂基板のスルーホールやビアに存在するスミアが処理液Lによって酸化され、スルーホールやビアからスミアが除去される。一方、デスミア処理に用いられた処理液L中では、過マンガン酸塩の一部が還元されてマンガン酸塩となる。したがって、この処理液をスミア除去に再利用するために、処理液Lは、電解再生処理装置11において、マンガン酸塩を過マンガン酸塩に酸化する電解再生処理が施される。
【0052】
図1に示すように、電解再生処理装置11は、送り側導管15と、戻し側導管17と、再生処理部19と、ポンプ41と、フィルター43とを備えている。
【0053】
送り側導管15の上流側端部15aは、デスミア処理槽13の側面に接続されている。送り側導管15の下流側端部15bは、再生処理部19の上流側端部に接続されている。
【0054】
戻し側導管17の上流側端部17aは、再生処理部19の下流側端部に接続されている。戻し側導管17の下流側端部17bは、デスミア処理槽13内に処理液Lを流入させることができる位置に配設されている。本実施形態では、戻し側導管17の下流側端部17bは、デスミア処理槽13に貯留された処理液Lの液面の上方又は処理液L内に配置されている。
【0055】
図2に示すように、再生処理部19は、筒状部としての3つの配管23と、各配管23内に1本ずつ配設された合計3つのカソード25とを含む。3つの配管23は、第1配管231、第2配管232及び第3配管233により構成されている。
【0056】
各配管23は、軸方向に長い円筒形状を有している。各配管23は、長手方向(延設方向)の両端に開口部を有している。これらの配管23は、長手方向が鉛直方向に向き、互いに平行に配置されている。これらの配管23は、水平方向に並んで配置されている。
【0057】
各配管23の内周面31は、アノードとして機能する。各配管23は、導電性を有する材料により形成されている。各配管23を構成する材料としては、例えばステンレス鋼などの金属材料が挙げられる。ステンレス鋼としては、例えばSUS316などが例示できる。
【0058】
図2(A),(B)に示すように、各配管23内には、カソード25が配設されている。各カソード25は、配管23の内周面31と離隔した状態で配管23の長手方向に沿って延びている。各カソード25の両端部は、配管23の両端の開口部からそれぞれ突出している。カソード25は、導電性を有する材料により形成されている。カソード25を構成する材料としては、例えば銅などの金属材料が挙げられる。カソード25は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの絶縁体(不導体)により表面の一部を被覆して、カソード25の表面積を調節して用いることもできる。本実施形態では、カソード25は、円柱形状を有しているが、これに限定されず、例えば角柱形状などの他の形状であってもよい。
【0059】
各配管23の両端の開口部近傍には、その内周面31とカソード25との間に介在するシール部材39がそれぞれ配設されている。各シール部材39は、貫通孔を有する円筒形状をなし、その貫通孔にカソード25が挿通されている。各シール部材39は、各配管23の両端の開口部を液密な状態となるように塞いでいる。
【0060】
各配管23の両端に配設されたシール部材39は、カソード25を内周面(アノード)31から離隔した状態で支持している。各シール部材39は、再生処理部19内を流れる処理液が各配管23の両端の開口部から漏れるのを防止する役割と、カソード25とアノード(内周面31)とを絶縁する役割とを果たしている。各シール部材39を構成する材料としては、例えば絶縁性を有する合成樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。前記合成樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレンなどが例示できる。
【0061】
各配管23及び各カソード25は、長手方向に垂直な断面の形状が長手方向のほぼ全体にわたってほぼ一定である。したがって、各配管23の内周面31とこれに対応するカソード25との隙間である流路の断面形状も長手方向のほぼ全体にわたってほぼ一定である。
【0062】
3本の配管23のうち、第1配管231は、最上流に位置し、第3配管233は、最下流に位置している。第1配管231は、送り側導管15の下流側端部15bが接続されている接続部27を有している。この接続部27は、第1配管231の一端部(上流側端部)231aに設けられている。この接続部27は、第1配管231の側面から半径方向(幅方向)外側に突出する円筒形状を有している。接続部27は、シール部材39よりも長手方向の内側に設けられている。
【0063】
第1配管231の他端部(下流側側部)231bは、第2配管232の一端部(上流側側部)232aと連結管35を介して連通している。第2配管232の他端部(下流側端部)232bは、第3配管233の一端部(上流側端部)233aと連結管37を介して連通している。
【0064】
第3配管233は、戻し側導管17の上流側端部17aが接続されている接続部29を有している。この接続部29は、第3配管233の他端部(下流側端部)233bに設けられている。この接続部29は、第3配管233の側面から半径方向(幅方向)外側に突出する円筒形状を有している。接続部29は、シール部材39よりも長手方向の内側に設けられている。
【0065】
各配管23の内周面31とカソード25との隙間は、処理液Lの流路となる。各配管23内には、各シール部材39よりも長手方向の内側に処理液Lの流路が形成されている。各配管23の内側空間及び連結管35,37の内側空間は、接続部27及び接続部29を通してのみ外部と連通している。第1配管231、第2配管232及び第3配管233は、接続部27から接続部29まで連続する1つの流路を形成している。接続部27を通じて第1配管231内に流入した処理液Lは、その全量が第1配管231、連結管35、第2配管232、連結管37及び第3配管233の順に再生処理部19内を流れて接続部29を通じて戻し側導管17に流出する。
【0066】
なお、各配管23の一端部及び他端部とは、必ずしも各配管23の長手方向の最も端に位置する部位とは限られない。すなわち、図2(A)に示すように、各配管23の一端部は、各配管23内における処理液Lの流路のうち、上流側のほぼ端の位置に対応する部位をいい、各配管23の他端部は、各配管23内における処理液Lの流路のうち、下流側のほぼ端の位置に対応する部位をいう。
【0067】
図1に示すように、再生処理部19のアノードとカソード25との間には整流器21により電圧が印加される。整流器21は、図略の外部電源に接続されている。整流器21の負極は、各カソード25の上端に接続されており、整流器21の正極は、第1配管231の外周面に接続されている。各配管23及び連結管35,37は、全体が導電性材料により構成されているので、整流器21の正極が第1配管231の外周面に接続されることにより、各配管23の内周面31をアノードとして機能させることができる。
【0068】
各カソード25の長さ及び各配管23の長さは、特に限定されるものではないが、長くなる程たわみ変形しやすくなるので、本実施形態のように複数の配管23を連結し、各配管23内にカソード25を配設する構成にするのが好ましい。これにより、合計長さを大きくしつつ、各カソード25及び各配管23の長さを小さく抑えることができる。
【0069】
カソード25とアノード31との距離(極間距離)は、近くなるほどカソード25の表面に生成するマンガン酸塩の堆積に起因する短絡が生じやすくなる一方、遠くなるほど電流が流れにくくなり、使用電圧が高くなる傾向になる。したがって、これらの点を考慮して極間距離が調整されるのであるが、本実施形態では、送り側導管15が第1配管231に直接接続され、各配管23の内周面31とカソード25との隙間である流路に処理液が直接流入される構成であるので、従来のように電解再生槽を用いる場合に比べて、各配管23内の流路を流れる処理液の流速を大きくすることができる。したがって、本実施形態では、カソード25の表面に生成するマンガン酸塩を大きな流速の処理液の流れによってカソード25の表面から除去する効果が従来に比べて高い。よって、本実施形態では、従来に比べて極間距離を小さくすることも可能になる。
【0070】
各配管23の内径は、再生処理部19における液量(浴量)を小さくするという観点では、小さい方が好ましいが、上記したカソード25との極間距離などを考慮して適宜設計される。
【0071】
各配管23内の流路を流れる処理液Lの流速は、例えば5〜100mm/秒程度に調整されるのが好ましい。流速が5mm/秒以上であることにより、カソード25の表面に生成するスラッジをカソード25の表面から除去する(押し流す)優れた効果を得ることができる。一方、流速が100mm/秒以下であることにより、カソード25と処理液Lとの接触時間が短くなりすぎるのを抑制することができる。これにより、処理液Lを再生する効率が低くなりすぎるのを抑制できる。
【0072】
なお、再生処理中(整流器21からの通電中)は、各配管23の流路を流れる処理液Lの流速を小さくし、再生処理が終了(通電停止)した後には、カソード25の表面からスラッジを除去する目的で流速を大きくしてもよい。この制御は、例えば所定時間毎に繰り返してもよい。また、この制御は、図略の制御手段によって自動で実行してもよく、作業者が手動で実行してもよい。
【0073】
また、配管23毎に流速を異ならせてもよい。このように配管23毎に流速を変えるには、例えば配管23の内径を異ならせるなどの方法を採用できる。
【0074】
また、各配管23の外周面は、断熱性を向上させたり、たわみ変形を抑制したりする目的で他の部材によって被覆されていてもよい。
【0075】
本実施形態では、上記のような構成を備えているので、電解再生処理装置11の浴量は、デスミア処理槽13の浴量よりも小さくすることができる。具体的には、電解再生処理装置11の浴量とデスミア処理槽13の浴量の比は、1:2〜1:20程度であるのが好ましく、1:3〜1:10程度であるのがより好ましい。なお、電解再生処理装置11の浴量には、再生処理部19の浴量だけでなく、送り側導管15の浴量及び戻し側導管17の浴量も含まれる。なお、電解再生槽を用いた従来の装置では、電解再生処理装置の浴量(電解再生槽の浴量、送り側導管15の浴量及び戻し側導管17の浴量)とデスミア処理槽の浴量の比は、2:1〜1:1程度である。
【0076】
陽極電流密度は、1〜30A/dm程度であるのが好ましい。陽極電流密度が1A/dm以上であることにより、アノードとカソード25間の電位を、マンガン酸イオンを過マンガン酸イオンに電解する再生電位(MnO2−→MnO+e)まで十分に到達させることができる。これにより、再生効率が低下するのを抑制できる。一方、陽極電流密度が30A/dm以下であることにより、水素の発生を抑制することができるので、再生効率が低下するのを抑制できる。また、陰極電流密度は、0.3〜30000A/dm程度であるのが好ましい。
【0077】
アノード31とカソード25との面積比は、3:1〜1000:1程度であるのが好ましい。この比率は、例えば、上述したようにカソード25の表面の一部を絶縁体で被覆するなどして調節することができる。カソード25の面積が大きくなると、カソード25の表面に生成するスラッジの量が多くなるので、カソード25の面積はアノード31の面積に比べて小さくするのが好ましい。
【0078】
再生処理部19における電解再生温度(処理液Lの温度)は、処理液Lとして、過マンガン酸ナトリウムや過マンガン酸カリウムなどの過マンガン酸塩の溶液を用いる場合には、30℃〜90℃程度であるのが好ましい。処理液Lの温度は、例えば各配管23を加熱したり、送り側導管15や戻し側導管17を加熱したりすることにより調整できる。加熱手段としては、例えば蒸気や電熱線などの加熱源を有するジャケットによって各配管23、送り側導管15、戻し側導管17などを被覆する方法が挙げられる。
【0079】
ポンプ41は、送り側導管15の途中に配設されている。ポンプ41が駆動すると、処理液Lは、デスミア処理槽13から排出され、送り側導管15を通じて再生処理部19の第1配管231に送液される。処理液Lは、第1配管231の接続部27を通じて第1配管231内に流入する。処理液Lは、整流器21によりカソード25とアノード31との間に電圧がかけられた状態で各配管23の流路を流れる過程で電解処理される。再生処理部19において電解処理されて再生された処理液Lは、第3配管233から排出され、戻し側導管17を通じてデスミア処理槽13に送液される。
【0080】
フィルター43は、戻し側導管17の途中に配設されている。再生処理部19においては、電解再生処理によってカソード25の表面にスラッジ(二酸化マンガン)が生成する。このスラッジは、処理液Lの流れによってカソード25の表面から除去され、処理液Lとともに戻し側導管17に送られる。フィルター43は、処理液L中に含まれるスラッジを捕獲する。フィルター43は定期的に交換されるか、又はフィルター43に付着したスラッジが定期的に除去される。
【0081】
なお、フィルター43は、戻し側導管17に複数設けてもよい。また、戻し側導管17にフィルター43を設けるのに代えて、戻し側導管17に図略のスラッジ除去用の小さな槽を設けてもよい。
【0082】
図3は、図1のデスミア処理槽13に、スラッジ除去用の配管45をさらに設けた形態を示す概略図である。この配管45には、フィルター47及びポンプ49が設けられている。配管45の基端部45aは、デスミア処理槽13の側面に接続されている。配管45の先端部45bは、デスミア処理槽13の上方に配置されている。このような配管45、ポンプ49及びフィルター47を設けることにより、スラッジの除去効率をさらに高めることができる。
【0083】
図4は、電解再生処理装置11における再生処理部19の変形例を示す概略図である。この変形例における再生処理部19は、第1配管231、第2配管232及び第3配管233が、上流側の接続部27から下流側の接続部29までつながる1つの流路を形成している点で、図2に示す再生処理部19と同様であるが、この変形例の再生処理部19は、下流側の配管23が上流側の配管23よりも上方に配置されている点で図2に示す再生処理部19と異なっている。すなわち、第2配管232は、第1配管231よりも上方に配置されており、第3配管233は、第2配管232よりも上方に配置されている。また、各配管23は、その長手方向が水平方向に対して僅かに傾斜するように配置されている。
【0084】
具体的には、図4において、第1配管231は、接続部27が設けられている上流側の部位よりも連結管35が接続されている下流側の部位の方が上方に位置している(図4では、左斜め上方に傾斜している)。第2配管232は、連結管35が接続されている上流側の部位よりも連結管37が接続されている下流側の部位の方が上方に位置している(図4では、右斜め上方に傾斜している)。第3配管233は、連結管37が接続されている上流側の部位よりも接続部29が設けられている下流側の部位の方が上方に位置している(図4では、左斜め上方に傾斜している)。
【0085】
したがって、この変形例では、電解により生じたガスは、処理液Lの流れに沿って再生処理部19の下流側に移動し、第3配管233から排出されて戻し側導管17を通じて処理液Lとともに下流側に送られる。そして、前記ガスは、戻し側導管17の下流側端部17bから排出され、必要に応じて捕集される。なお、再生処理部19においてガス抜きをしてもよい。具体的には、例えば、再生処理部19における配管23や連結管35,37などにガス抜き用の排出口を別途設けてもよい。
【0086】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電解再生処理装置11について説明する。図5は、第2実施形態に係る電解再生処理装置11の再生処理部19を示す概略図である。この第2実施形態の電解再生処理装置11では、再生処理部19以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】
この第2実施形態では、送り側導管15を流れる処理液Lは、第1配管231の上流側端部231a、第2配管232の上流側端部232a及び第3配管233の上流側端部233aにそれぞれ導かれる。そして、処理液Lは、各配管23内の流路を上流側から下流側に流れ、第1配管231の下流側端部231b、第2配管232の下流側端部232b及び第3配管233の下流側端部233bから戻し側導管17に排出される。
【0088】
図5に示すように、この第2実施形態では、再生処理部19は、各配管23の上流側端部231a,232a,233aに連結された上流側分岐管部234と、各配管23の下流側端部231b,232b,233bに連結された下流側分岐管部235とを有している。
【0089】
上流側分岐管部234は、その上流側の部位が1本の管であり、下流側に向かう途中で3つの管に分岐した構造を有している。下流側分岐管部235は、その下流側の部位が1本の管であり、上流側に向かう途中で3つの管に分岐した構造を有している。上流側分岐管部234の上流側端部234aは、送り側導管15の下流側端部15bに接続される。下流側分岐管部235の下流側端部235bは、戻し側導管17の上流側端部17aに接続される。上流側分岐管部234の3つの下流側端部234bは、各配管23の上流側端部231a,232a,233aに接続されている。下流側分岐管部235の3つの上流側端部235aは、各配管23の下流側端部231b,232b,233bに接続されている。
【0090】
各配管23の内周面31とカソード25との隙間は、処理液Lの流路となる。各配管23内には、各シール部材39よりも長手方向の内側に処理液Lの流路が形成されている。各配管23の内側空間、上流側分岐管部234の内部空間、及び下流側分岐管部235の内部空間は、上流側分岐管部234の上流側端部234a及び下流側分岐管部235の下流側端部235bを通してのみ外部と連通している。上流側分岐管部234の上流側端部234aを通じて各配管23内に流入した処理液Lは、その全量が下流側分岐管部235の下流側端部235bを通じて戻し側導管17に流出する。
【0091】
ポンプ41は、第1実施形態と同様に、送り側導管15に配設されている。すなわち、ポンプ41は、分岐する手前の部位(分岐部よりも上流側の部位)に配設されているので、1台のポンプ41によって各配管23に処理液Lを送液できる。
【0092】
また、この第2実施形態では、各配管23内の流路を流れる処理液Lの流速を、第1実施形態における各配管23内の流路を流れる処理液Lの流速と同じにした場合には、送り側導管15及び戻し側導管17を流れる処理液Lの流速を第1実施形態の場合の約3倍に高めることができる。これにより、第2実施形態では、第1実施形態に比べて再生処理部19とデスミア処理槽13との間を循環させる処理液Lの循環量を大きくできる。
【0093】
なお、図5に示す形態では、再生処理部19が上流側分岐管部234と、下流側分岐管部235とを有している場合を例示して説明したが、送り側導管15及び戻し側導管17が複数に分岐した構成であってもよい。具体的には、この場合、送り側導管15は、分岐することにより形成された図略の3つの下流側端部を有し、これらの下流側端部が各配管23の上流側端部に接続される。そして、戻し側導管17は、分岐することにより形成された図略の3つの上流側端部を有し、これらの上流側端部が各配管23の下流側端部に接続される。
【0094】
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態に係る電解再生処理装置11の再生処理部19を示す概略図である。図6に示すように、第3実施形態の電解再生処理装置11は、再生処理部19と、上流側分岐管234と、下流側分岐管235と、開閉バルブ61,62とを備えている。再生処理部19は、第1配管ブロック191と、第2配管ブロック192と、第3配管ブロック193とを含む。各配管ブロックは、図4に示す再生処理部19と同じ構造を有している。具体的には次の通りである。
【0095】
第1配管ブロック191は、筒状部23としての3つの配管231,232,233と、各配管内に1本ずつ配設された合計3つのカソード25とを含む。第1配管ブロックの3つの配管は、上流側第1配管231、中央第1配管232及び下流側第1配管233である。これらの配管231,232,233は直列に接続されている。第1配管ブロックの3つのカソード25は、配管231内に配設された上流側第1カソード251、配管232内に配設された中央第1カソード252及び配管233内に配設された下流側第1カソード253である。
【0096】
第2配管ブロックについても同様であり、3つの配管は、直列に接続された上流側第2配管231、中央第2配管232及び下流側第2配管233であり、3つのカソードは、配管231内に配設された上流側第2カソード251、配管232内に配設された中央第2カソード252及び配管233内に配設された下流側第2カソード253である。
【0097】
第3配管ブロックについても同様であり、3つの配管は、直列に接続された上流側第3配管231、中央第3配管232及び下流側第3配管233であり、3つのカソードは、配管231内に配設された上流側第3カソード251、配管232内に配設された中央第3カソード252及び配管233内に配設された下流側第3カソード253である。
【0098】
第1配管ブロック191、第2配管ブロック192及び第3配管ブロック193は、上流側分岐管234及び下流側分岐管235によって並列に接続されている。上流側分岐管部234の上流側端部234aは、送り側導管15の下流側端部15bに接続されている。下流側分岐管部235の下流側端部235bは、戻し側導管17の上流側端部17aに接続されている。
【0099】
送り側導管15を流れる処理液Lは、上流側分岐管234により分岐し、第1配管ブロック191の上流側端部、第2配管ブロック192の上流側端部及び第3配管ブロック193の上流側端部にそれぞれ導かれる。各配管ブロックを通過した処理液Lは、第1配管ブロック191の下流側端部、第2配管ブロック192の下流側端部及び第3配管ブロック193の下流側端部から排出され、下流側分岐管235において合流し、戻し側導管17に流出する。
【0100】
各配管ブロックの上流側端部と上流側分岐管234との間には、開閉バルブ61がそれぞれ設けられている。各配管ブロックの下流側端部と下流側分岐管235との間には、開閉バルブ62がそれぞれ設けられている。各配管ブロックは、送り側導管15及び戻り側導管17に対して着脱可能である。具体的には、各配管ブロックの上流側端部は、開閉バルブ61に接続された部分において着脱可能であり、各配管ブロックの下流側端部は、開閉バルブ62に接続された部分において着脱可能である。
【0101】
上流側分岐管234は、その上流側の部位が1本の管であり、下流側に向かう途中で3つの管に分岐した構造を有している。下流側分岐管235は、その下流側の部位が1本の管であり、上流側に向かう途中で3つの管に分岐した構造を有している。
【0102】
第3実施形態では、例えば第1配管ブロック191のメンテナンスを行う場合には、第1配管ブロック191の開閉バルブ61,62を閉じた状態で第1配管ブロック191を開閉バルブ61,62から取り外す。第1配管ブロック191のメンテナンス中には、第2配管ブロック192及び第3配管ブロック193を電解再生処理に使用することができる。
【0103】
なお、第3実施形態では、各配管ブロックにおいて、各配管が互いに平行に並設されていてもよい。また、第3実施形態では、各配管ブロックにおいて、各配管が直線状に接続されていてもよい。
【0104】
<第4実施形態>
図7(A)は、本発明の第4実施形態に係る電解再生装置における再生処理部19の温度調節部71を示す概略図である。図7(A)に示すように、第4実施形態における温度調節部71は、筒状部23の各配管(図9では第3配管233)に巻き付けられたチューブ71aと、図略の送り機構とを含む。チューブ71aの内部は図略の送り機構により送り込まれる温度調節用流体(熱媒体)が流れる流路である。これにより、各筒状部23を冷却及び/又は加熱することができるので、筒状部23内を流れる処理液Lの温度を所望の範囲に調節することができる。温度調節用流体としては、水などの液体や空気などの気体を用いることができる。温度調節部71は、温度調節用流体を循環させる経路をさらに備えているのが好ましい。
【0105】
図7(B)は、温度調節部71の変形例1を示す断面図である。この変形例1における温度調節部71は、筒状部23の各配管(図9では第3配管233)に設けられたジャケット71bと、図略の送り機構とを含む。ジャケット71bは、各筒状部23の外面との間に所定の隙間71cをあけて筒状部23の外面のほぼ全体を覆っている。隙間71cは、図略の送り機構により送り込まれる温度調節用流体が流れる流路である。これにより、各筒状部23を冷却及び/又は加熱することができる。温度調節部71は、温度調節用流体を循環させる経路をさらに備えているのが好ましい。ジャケット71bは、筒状部23と一体成形されていてもよく、別体として成形された後に筒状部23に取り付けられてもよい。
【0106】
図7(C)は、温度調節部71の変形例2を示す概略図である。この変形例2における温度調節部71は、筒状部23の各配管(図9では第3配管233)の外面に設けられたフィン71dを含む。フィン71dは、各筒状部23の外面から半径方向外側に起立する多数の起立片により構成されている。隣り合う起立片は互いに隙間をあけて配置されている。フィン71dは、筒状部23と一体成形されていてもよく、別体として成形された後に筒状部23に取り付けられてもよい。
【0107】
このようなフィン71dは大きな表面積を有しているので、筒状部23の周囲の流体(空気など)との熱交換の効率を高めることができる。これにより、各筒状部23を冷却することができる。また、フィン71dに温風などを送ることにより、各筒状部23を加熱することもできる。また、温度調節部71は、フィン71dに空気を送る図略の送風機をさらに備えているのが好ましい。これにより、温度調節の効率をさらに高めることができる。
【0108】
図8は、前記温度調節部の変形例3を示す概略図である。この変形例3では、温度調節部71として冷却ファン71eが再生処理部19の近傍に配設されている。この冷却ファン71eは、再生処理部19に空気を送って再生処理部19の筒状部23を冷却することができる。
【0109】
<第5実施形態>
図9は、本発明の第5実施形態に係る電解再生処理装置11の再生処理部19を示す概略図である。図10(A)は、第5実施形態における補助アノード81の一例を示す斜視図であり、図10(B)は、第5実施形態における補助アノード81の他の例を示す斜視図である。
【0110】
第5実施形態の再生処理部19は、補助アノード81を備えている。図9では、図2に示す再生処理部19の第3配管233内に補助アノード81を配設した状態を示している。図示を省略するが、補助アノード81は、第1配管231及び第2配管232内にも配設されている。
【0111】
補助アノード81は、カソード25と離隔した状態でカソード25に対向配置されている。補助アノード81は、カソード25の周りを囲むようにカソード25に沿って延びる筒形状を有している。補助アノード81は、筒状部23の内周面31に内接している。補助アノード81は、筒状部23の内周面31に内接することにより筒状部23の内周面31と電気的に接続されている。
【0112】
補助アノード81は、カソード25の長手方向において、筒状部23の上流側端部233aに対応する位置から下流側端部233bに対応する位置まで設けられている。補助アノード81は、全体にわたって複数の貫通孔81aが形成されている。このような複数の貫通孔81aが設けられていることにより、連結管37を通じて補助アノード81まで到達した処理液Lは、貫通孔81aを通じて補助アノード81の内側に流入することができる。そして、処理液Lは、筒状部23内において電解再生処理された後、貫通孔81aを通じて補助アノード81の外側に流出し接続部29から筒状部23の外部に流出することができる。
【0113】
複数の貫通孔51cが設けられた補助アノード81としては、例えば図10(A)に示すような網状の導電性シートを円筒状に丸めたもの、図10(B)に示すように導電性シートに複数の貫通孔51cを形成したもの(パンチング板)などが例示できる。補助アノード81は、導電性の材料により形成されている。導電性シートを構成する材料としては、例えばステンレス鋼、銅などの金属が挙げられるが、これに限定されず、他の金属であってもよく、金属以外の導電性材料であってもよい。ステンレス鋼としては例えばSUS316などが例示できる。
【0114】
補助アノード81は、筒状部23にカソード25を取り付ける前に、筒状部23の開口部から筒状部23内に挿入される。その後、カソード25が筒状部23の端部に取り付けられる。
【0115】
なお、第5実施形態では、補助アノード81の全体に複数の貫通孔81aが形成されている場合を例示したが、これに限定されない。複数の貫通孔81aは、補助アノード81の一部分のみに形成されていてもよい。
【0116】
<第6実施形態>
図11は、本発明の第6実施形態に係る電解再生処理装置の再生処理部19を示す概略図である。図11に示すように、第6実施形態では、図4に示す再生処理部19にさらに気体排出バルブ88を設けている。気体排出バルブ88は接続部29に設けられている。
【0117】
筒状部23の各配管では、処理液Lが電解再生処理されることにより処理液L中のマンガン酸塩が過マンガン酸塩に再生される一方で、二酸化マンガン(MnO)を主成分とするスラッジがカソード25の表面に生成する。このスラッジをカソード25の表面から除去するために、再生処理部19に定期的に過酸化水素溶液を流通させてカソード25を洗浄する処理を行うのが好ましい。この洗浄処理を行うと、化学反応により気体が生成する。
【0118】
この第6実施形態では、気体排出バルブ88が設けられているので、洗浄処理によって生じた気体を再生処理部19の外部に排出することができる。気体排出バルブ88としては、例えば接続部29内の圧力が所定値を超えると開く圧力弁、自動制御される電磁弁などを用いることができる。
【0119】
特に、第6実施形態の再生処理部19は、図11に示すように接続部29及び気体排出バルブ88が上部に位置するように配置されているので、筒状部23の各配管において発生した気体が処理液Lの流れ方向に沿って処理液Lとともに上方に送られ、接続部29に到達する。したがって、発生した気体が筒状部23内に滞留するなどの不具合が生じにくい。
【0120】
なお、洗浄処理の具体的な手順としては、例えばデスミア処理槽13内に処理液Lの代わりに過酸化水素溶液を入れ、処理液Lを循環させる場合と同様にして過酸化水素溶液を再生処理部19に流通させる方法が挙げられる。
【0121】
<第7実施形態>
図12(A)は本発明の第7実施形態に係る電解再生処理装置11の再生処理部19を示す平面図であり、図12(B)はその正面図であり、図12(C)は図12(B)のXIIC-XIIC線断面図である。図13は、第7実施形態における再生処理部19を示す断面図である。
【0122】
第7実施形態における再生処理部19では、筒状部23の各配管は、その延設方向の一端に開口部を有し、延設方向の他端が閉じられている。また、この再生処理部19におけるカソード25は、筒状部23の各配管の端部に取り付けられる基部26と、配管の開口部から配管内に挿入され、基部26から配管の延設方向に沿って延びる延出部28と、基部26の外面からこの外面に直交する方向に延出する配線接続部24とを含む。
【0123】
再生処理部19の筒状部23は6つの配管を含み、これらの配管が直列に接続されている。筒状部23の各配管は円筒形状を有している。筒状部23の各配管は、長手方向(延設方向)において配管の大半の領域を占める円筒状の管本体部23aと、配管の長手方向の一端に設けられたフランジ部23cと、このフランジ部23cと管本体部23aとの間をつなぐ縮径部23bとを含む。
【0124】
筒状部23の各配管の長手方向の他端23e、すなわち管本体部23aの端部23eは、開口しておらず閉じている。フランジ部23cは、配管の開口部を囲むように半径方向外側に広がる円環状の部位である。縮径部23bは、配管の一端の近傍において配管の内径及び外径を管本体部23aよりも小さくする役割を果たしている。これにより、フランジ部23cの外径を小さくすることができるので、配管をコンパクトに形成することができ、また、開口部の開口径を小さくできるので、液漏れを防止する効果を高めることができる。
【0125】
最下部に位置する第1配管231の他端23e側の部位には、管本体部23aの下面から下方に延びる接続部27が設けられている。この接続部27は、前述した実施形態と同様に、送り側導管15の下流側端部15bが接続される。この接続部27の先端にはフランジ部27aが設けられており、送り側導管15の下流側端部15bに設けられた図略のフランジ部と対向配置され、図略のボルト及びナットにより互いに連結される。第1配管231の下流側の部位は、その上部に位置する第2配管232の上流側の部位(第2配管232の他端23e側の部位)と連結管35により連結されている。
【0126】
第2配管232とその上方に位置する第3配管233とは、上記と同様の連結管35により第2配管232の下流側の部位と第3配管233の上流側の部位(第3配管233の他端23e側の部位)が連結されている。以降、同様にして隣り合う配管同士が連結されている。
【0127】
最上部の第6配管236の下流側の部位には、管本体部23aの上面から上方に延びる接続部29が設けられている。この接続部29は、前述した実施形態と同様に、戻し側導管17の上流側端部17aが接続される。この接続部29にも接続部27と同様にフランジ部29aが設けられている。
【0128】
筒状部23の各配管は、導電性を有する材料により形成されており、内周面31がアノードとして機能する。導電性を有する材料としては、例えばステンレス鋼、銅などの金属が挙げられるが、これに限定されず、他の金属であってもよく、金属以外の導電性材料であってもよい。ステンレス鋼としては例えば耐アルカリ性などの耐薬品性に優れたSUS316などが例示できる。
【0129】
図13に示すように、カソード25の基部26は、配管のフランジ部23cに取り付けられるとともに配管の開口部を塞ぐ。延出部28は、この基部26から管本体部23aの延びる方向に沿って延びている。配線接続部24は、整流器21の配線が接続される。基部26、延出部28及び配線接続部24は一体成形されている。
【0130】
基部26は、配管のフランジ部23cと同程度の外径を有する円盤形状を有している。基部26は、基部26と同程度の外径を有する円盤形状の絶縁パッキン99を介してフランジ部23cに対向配置されている。
【0131】
基部26には周方向に沿って複数のねじ挿通孔26aが形成されている。フランジ部23cには基部26のねじ挿通孔26aに対応する位置に複数のねじ挿通孔23dが形成されている。これらのねじ挿通孔26a,23dの位置を合わせた状態でこれらのねじ挿通孔26a,23dに円筒形状の絶縁スリーブ95が挿入されている。各絶縁スリーブ95にはボルト93が挿入され、その先端部にはナット97が螺合されている。
【0132】
ボルト93と基部26との間には円環状の絶縁ワッシャ90及びワッシャ93aが介在している。ナット97とフランジ部23cとの間には円環状の絶縁ワッシャ96及びワッシャ97aが介在している。このように配管の開口部は基部26及び絶縁パッキン99によって液密な状態で塞がれている。各絶縁部材を構成する材料としては、例えば絶縁性を有する材料を用いることができ、例えば合成樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。前記合成樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレンなどが例示できる。
【0133】
延出部28は、基部26の内面からこの内面に直交する方向に延出している。延出部28は、管本体部23aのほぼ中心を通るように配置され、配管の内周面31と離隔している。延出部28は、管本体部23aの長手方向の中央を超えた位置まで延びている。延出部28は、配管の他端23eの近傍まで延びている。延出部28は、棒状、板状などの形状を有している。
【0134】
延出部28には、延出部28と配管の内周面31との接触を防止するために絶縁部材94が取り付けられている。この絶縁部材94は、延出部28から配管の内周面31に向かう方向に延びている。延出部28が長尺である場合には、延出部28が重力や処理液Lの流れに起因する圧力などによって撓み変形しやすくなるので、延出部28の先端部28a又はその近傍に絶縁部材94が設けられているのが好ましい。
【0135】
絶縁部材94は、延出部28の先端部28aから管本体部23aの半径方向外側に延びている。絶縁部材94の形状としては、管本体部23aの内周面31に向かって延出部28から両側に棒状に延びる形状、管本体部23aの内周面31に向かって延出部28から放射状(例えば十字状)に延びる形状、円盤形状などが挙げられるが、管本体部23aにおける処理液Lの流れを円滑にする点で棒状又は放射状の形状であるのが好ましい。
【0136】
この第7実施形態では、絶縁部材94を延出部28の先端部に設けているが、絶縁部材94は、必ずしも延出部28の先端部に設けられていなくてもよい。なお、長尺の延出部28が撓み変形したときには、延出部28の先端部の位置が最も大きく変化するので、本実施形態では、延出部28の先端部に絶縁部材53が設けられている。
【0137】
第7実施形態の再生処理部19は、上述したように複数の配管が直列に連結されることにより、図12(B)に示すようにジグザグな形状(蛇行した形状)を有し、全体として1つの流路を形成している。この再生処理部19は、支持部材により図12(B)に示される姿勢で支持されている。前記支持部材は、板状のベース部材91と、このベース部材91の両サイドから上方にそれぞれ延びる一対の起立部92,92とを有している。一方の起立部92には、各配管が挿通されて支持される図略の6つの挿通孔が形成されており、他方の起立部92には、各配管が挿通されて支持される図略の6つの挿通孔が形成されている。ベース部材91は、四隅にボルト挿通用の貫通孔98を有しており、装置内の所望の場所に図略のボルトによって固定される。
【0138】
また、第7実施形態では、筒状部23の各配管は、その長手方向が水平方向に対して僅かに傾斜するように配置されている。具体的には、図12(B)において、第1配管231は、接続部27が設けられている上流側の部位よりも連結管35が接続されている下流側の部位の方が上方に位置している(図12(B)では、左斜め上方に傾斜している)。第2配管232は、上流側の部位よりも下流側の部位の方が上方に位置している(図12(B)では、右斜め上方に傾斜している)。以下同様に、第3〜第6配管233〜236は、上流側の部位よりも下流側の部位の方が上方に位置している。
【0139】
筒状部23の各配管の傾斜角度、すなわち水平方向に対して配管の長手方向(延設方向)がなす角度θは、図12(B)に示す形態では3度であるが、これに限定されるものではない。角度θを大きくする程、配管内の気体が下流側に移動しやすくなるというメリットがある。一方、角度θを小さくする程、再生処理部19における上下方向のサイズをコンパクトにすることができるというメリットがある。
【0140】
また、図12(B)に示す形態では、筒状部23において、隣り合う配管同士のなす角度、すなわち配管の長手方向同士のなす角度は6度であるが、これに限定されるものではない。再生処理部19をコンパクトにすることを優先する場合には、隣り合う配管同士は、互いに平行に配置されるか、互いのなす角度が数度程度(例えば0度より大きく10度未満)になるように一方の配管に対して他方の配管を傾斜させて配置するのがよい。一方、筒状部23内の気体が下流側に移動しやすくなることを優先する場合には、隣り合う配管において、互いのなす角度が鋭角となるように、具体的には例えば10度以上90度未満となるように一方の配管に対して他方の配管を傾斜させて配置するのがよい。
【0141】
なお、第7実施形態では、図12(B)に示すように第1配管を最も下に配置し、第6配管を最も上に配置(再生処理部19を上下方向に設置)する場合を例示したが、これに限定されない。例えば各配管が同じ高さとなるように再生処理部19を水平に配置してもよく、また、再生処理部19を水平方向に対して傾斜するように配置してもよい。
【0142】
また、第7実施形態では、筒状部23の各配管は、一端に開口部を有し、他端が閉じられているが、両端に開口部を有していてもよい。
【0143】
<実施形態の概要>
以上説明したように、前記実施形態では、送り側導管15の下流側端部15bが再生処理部19における筒状部としての配管23に接続されている。したがって、デスミア処理槽13から排出された処理液Lは、送り側導管15を通じて配管23に直接流入する。そして、配管23内に流入した処理液Lは、配管23の内周面31とカソード25との隙間を通じて送液される間に電解されて再生処理される。再生処理されて再生処理部19から排出された処理液Lは、戻し側導管17を通じてデスミア処理槽13に導かれる。
【0144】
したがって、前記実施形態では、従来のような前記電解再生槽を必要としないので、電解再生処理装置を小型化することができ、装置の設置面積を小さくできる。また、浴量を少なくすることができる。
【0145】
また、従来のように電解再生槽を用いる場合には、電解再生槽の浴量が大きく、カソード及びアノードの周りを流れる処理液Lの流速が小さい。したがって、カソード及びアノードの周りの処理液は置き換わりが十分ではなく、電解が効率よく行われていない。一方、前記実施形態では、デスミア処理槽13から排出された処理液Lは、送り側導管15を通じて配管23に直接流入し、配管23の内周面31とカソード25との隙間を通じて送液される。すなわち、前記実施形態では、処理液Lがカソード25及びアノード31に沿って流れるので、カソード25及びアノード31の周りの処理液Lは、効率よく置き換わり、効率よく電解される。
【0146】
また、前記実施形態では、処理液Lが送り側導管15から配管23に直接流入し、配管23とカソード25との隙間(流路)を処理液Lが流れる構成であるので、流路を流れる処理液Lの流速を大きくすることができる。また、処理液Lは、カソード25の長手方向に沿って流れる。これにより、カソード25の表面に生成するスラッジは、従来に比べて、処理液Lの流れによって押し流されやすくなる。これにより、カソード25にスラッジが溜まりにくくなる。カソード25の表面から押し流されたスラッジは、前述のフィルター43などによって捕捉される。したがって、フィルター43を定期的に交換するだけで長期間にわたって装置を安定して運転できる。
【0147】
また、前記実施形態では、電極のメンテナンスが容易である。例えば、配管の上流側及び下流側にバルブなどを設けておき、これらのバルブを閉じることにより、配管及びカソードを装置から取り外すことができる。そして、取り外された配管及びカソードを別のものと交換したり、カソードに付着したスラッジを除去したりする作業が容易に行える。
【0148】
また、前記第1実施形態では、第1配管231、第2配管232及び第3配管233は、処理液Lが流通する1つの流路を形成している。そして、各配管23は、平行に並設されている。したがって、この第1実施形態では、第1配管231、第2配管232及び第3配管233の各流路長を足し合わせた長さの流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくすることができる。
【0149】
また、前記第1実施形態の変形例では、第1配管231、第2配管232及び第3配管233が1つの流路を形成し、かつ、下流側の配管23が上流側の配管23よりも上方に配置されている。したがって、再生処理部19において処理液Lが電解されることにより生じるガスは、処理液Lの流れる方向に逆らうことなく処理液Lの流れに沿って移動しながら再生処理部19内を上昇することができる。これにより、電解により生じる前記ガスは、処理液Lの流れに沿って再生処理部19の下流側に円滑に移動するので、再生処理部19内に滞留するのが抑制される。
【0150】
また、第2実施形態では、マンガン酸塩の濃度が高い電解再生処理前の処理液Lを、第1配管231、第2配管232及び第3配管233にそれぞれ流入させることができるので、第1配管231、第2配管232及び第3配管233が1つの流路を形成している第1実施形態に比べて、電解再生処理の効率を向上させることができる。
【0151】
また、第1実施形態の変形例、第6実施形態及び第7実施形態では、前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含み、前記送り側導管の前記下流側端部は、第1配管の上流側端部と接続され、前記第1配管の下流側端部は、前記第2配管の上流側端部と接続されており、前記第2配管は、その延設方向が前記第1配管の延設方向と鋭角をなすように前記第1配管に対して傾斜した状態で配設されている。
【0152】
これらの構成では、第1配管の下流側端部が第2配管の上流側端部と接続されていることにより、第1配管と第2配管とは、処理液が流通する1つの流路を形成している。すなわち、前記1つの流路は、送り側導管の下流側端部が接続される第1配管の上流側端部を処理液の入口とし、第1配管の下流側端部、第2配管の上流側端部及び第2配管の下流側端部の順に処理液が流れる流路である。そして、第2配管は、その延設方向が第1配管の延設方向と鋭角をなすように第1配管に対して傾斜した状態で配設されている。したがって、この構成では、第1配管の流路長と第2配管の流路長とを足し合わせた長さの直線状の流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくすることができる。
【0153】
また、第1実施形態の変形例、第6実施形態及び第7実施形態では、前記第2配管は、前記第1配管よりも上方に配置されており、前記第1配管は、その下流側端部が上流側端部よりも高くなるように水平方向に対して傾斜しており、前記第2配管は、その下流側端部が上流側端部よりも高くなるように水平方向に対して傾斜している。
【0154】
これらの構成では、下流側にある第2配管が上流側にある第1配管よりも上方に配置されているので、再生処理部において処理液が電解されることにより生じるガスは、処理液の流れる方向に逆らうことなく処理液の流れに沿って移動しながら再生処理部内を上昇することができる。これにより、電解により生じる前記ガスは、処理液の流れに沿って再生処理部の下流側に円滑に移動するので、再生処理部内に滞留するのが抑制される。しかも、この構成では、各配管が上記のように水平方向に対して傾斜しているので、前記ガスが各配管内を下流側に向かってより円滑に移動しやすくなる。
【0155】
また、第3実施形態では、前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する上流側第1配管とアノードとして機能する内周面を有する下流側第1配管とが直列に接続された第1配管ブロックと、アノードとして機能する内周面を有する上流側第2配管とアノードとして機能する内周面を有する下流側第2配管とが直列に接続された第2配管ブロックと、を含み、前記カソードは、前記上流側第1配管内に配設され、前記上流側第1配管の内周面と離隔した状態で前記上流側第1配管の延設方向に沿って延びる上流側第1カソードと、前記下流側第1配管内に配設され、前記下流側第1配管の内周面と離隔した状態で前記下流側第1配管の延設方向に沿って延びる下流側第1カソードと、前記上流側第2配管内に配設され、前記上流側第2配管の内周面と離隔した状態で前記上流側第2配管の延設方向に沿って延びる上流側第2カソードと、前記下流側第2配管内に配設され、前記下流側第2配管の内周面と離隔した状態で前記下流側第2配管の延設方向に沿って延びる下流側第2カソードと、を含み、前記送り側導管を流れる前記処理液が前記第1配管ブロックの上流側端部及び前記第2配管ブロックの上流側端部にそれぞれ導かれ、前記第1配管ブロックの下流側端部及び前記第2配管ブロックの下流側端部から前記処理液が前記戻し側導管に排出されるように、前記第1配管ブロックと前記第2配管ブロックが並列に接続されている。
【0156】
これらの構成では、上流側配管と下流側配管とが直列に接続されることにより、単一の配管のみ(上流側配管のみ又は下流側配管のみ)の場合に比べて流路長が大きくなり電解再生処理能力が高められた配管ブロックを用いている。そして、必要とされる電解再生処理能力に応じた個数の前記配管ブロックを用いて再生処理部が構築される。その際には、送り側導管を流れる処理液が第1配管ブロックの上流側端部及び第2配管ブロックの上流側端部にそれぞれ導かれるように、第1配管ブロックと第2配管ブロックとは並列に接続される。したがって、電解再生処理前の処理液、すなわちマンガン酸塩の濃度が高い処理液を、第1配管ブロック及び第2配管ブロックにそれぞれ流入させることができる。よって、第1配管ブロックと第2配管ブロックとが直列に接続されて1つの流路を形成している構成に比べて、電解再生処理の効率を向上させることができる。
【0157】
また、上流側配管と下流側配管とが直列に接続された配管ブロックを予め複数用意しておくことにより、再生処理部を構築する際には上記のように第1配管ブロックと第2配管ブロックとを並列に接続すればよいので、作業性を向上させることができる。
【0158】
また、この構成では、送液用のポンプを設ける場合、送り側導管又は戻し側導管に1つのポンプを設けるだけで第1配管ブロック及び第2配管ブロックに処理液を流入させることができる。また、フィルターを設ける場合、戻し側導管に1つのフィルターを設けるだけで第1配管ブロック及び第2配管ブロックを通過した処理液を濾過することができる。したがって、部品点数を少なくすることができる。
【0159】
また、第3実施形態では、前記下流側第1配管は、その延設方向が前記上流側第1配管の延設方向と鋭角をなすように前記上流側第1配管に対して傾斜した状態で配設されており、前記下流側第2配管は、その延設方向が前記上流側第2配管の延設方向と鋭角をなすように前記上流側第2配管に対して傾斜した状態で配設されている。
【0160】
この構成では、第1ブロックにおいて下流側第1配管は上流側第1配管に対して上記のように傾斜して配設され、第2ブロックにおいて下流側第2配管は上流側第2配管に対して上記のように傾斜して配設されている。すなわち、第1ブロックにおいて2つの配管がV字状に配置され、第2ブロックにおいて2つの配管がV字状に配置されているので、2つの配管を足し合わせた長さの直線状の流路を1本の配管により形成する場合に比べて、電解再生処理の効率を同程度に維持しつつ、配管の延設方向の長さを小さくしてコンパクトにすることができる。
【0161】
また、第3実施形態では、前記第1配管ブロックへの前記処理液の流入を規制可能な第1バルブと、前記第2配管ブロックへの前記処理液の流入を規制可能な第2バルブと、をさらに備えている。
【0162】
この構成では、例えば第1配管ブロックのメンテナンスを行う場合には、第1バルブを閉じて第1配管ブロックへの処理液の流入を規制することにより、第1配管ブロックの各配管や各カソードのメンテナンスを行うことができる。しかも、第1配管ブロックのメンテナンス中には、第1配管ブロックへの処理液の流入が規制されるので、第2配管ブロックは電解再生処理に使用可能である。
【0163】
また、第7実施形態では、前記筒状部は、その延設方向の一端に開口部を有し、前記延設方向の他端が閉じられており、前記カソードは、前記筒状部の前記一端に取り付けられる基部と、前記開口部から前記筒状部内に挿入され、前記基部から前記筒状部の延設方向に沿って延びる延出部と、を含む構成である。
【0164】
この構成では、筒状部の一端に開口部が設けられ、他端が閉じられている。したがって、カソードを筒状部に取り付ける際には、カソードの延出部を筒状部の開口部から筒状部内に挿入し、カソードの基部を筒状部の一端に取り付けることにより、延出部を筒状部内の所望の位置に位置決めできる。すなわち、カソードの取り付け作業は筒状部の一端においてのみ行えばよいので、筒状部の両端に開口部が設けられている場合に比べて、筒状部に対するカソードの取付作業や交換作業が容易になる。また、筒状部に対するカソードの取り付け部位が筒状部の一端のみであるので、筒状部の両端に開口部が設けられて筒状部に対する取り付け部位が両端にある場合に比べて、取り付け部位からの液漏れの可能性をより低減することができる。
【0165】
第5実施形態では、前記再生処理部は、前記筒状部内に配置されるとともに前記筒状部と電気的に接続された補助アノードをさらに含み、前記補助アノードは、前記カソードと離隔した状態で前記カソードに対向配置されている。
【0166】
この構成では、再生処理部は、補助アノードをさらに含んでいるので、アノードとして機能する部位が筒状部の内周面だけである場合に比べてアノードの面積が増加している。これにより、再生処理部への通電量を増やすことができるので、電解再生処理の能力を高めることができる。
【0167】
また、第5実施形態では、前記補助アノードは、前記カソードの周りを囲むように前記カソードに沿って延びる筒形状を有し、複数の貫通孔を有している。
【0168】
この構成では、補助アノードは複数の貫通孔を有しているので、カソードの周りを囲むように補助アノードが筒状部内に配置されていても、処理液は複数の貫通孔を通じて筒状部の内周面にも到達する。したがって、筒状部の内周面は依然としてアノードとして機能する。そして、補助アノードは、カソードの周りを囲むようにカソードに沿って延びる筒形状を有しているので、カソードの周囲において効果的にアノードの表面積を増やすことができる。
【0169】
前記第7実施形態では、前記カソードと前記筒状部の内周面との接触を防止するために前記カソードに取り付けられ、前記カソードから前記筒状部の内周面に向かう絶縁部材をさらに備えている。
【0170】
この構成では、前記絶縁部材がカソードに取り付けられているので、例えばカソードが撓み変形するなどしてカソードが筒状部の内周面に近づく方向に移動した場合であっても、カソードが筒状部の内周面に接触する前に絶縁部材が筒状部の内周面に接触する。これにより、カソードと筒状部の内周面との接触を防止することができる。
【0171】
第4実施形態では、前記筒状部の温度を調節するための温度調節部をさらに備えている。
【0172】
この構成では、再生処理部において電解再生処理時に熱が発生する場合であっても、処理液の温度が上昇するのを抑制できるので、処理液の温度上昇に起因する処理液の品質低下などの不具合が生じるのを抑制でき、処理液の温度上昇に起因する装置の不具合が生じるのを抑制できる。また、温度調節部が筒状部を冷却する冷却手段だけでなく、加熱手段も備えている場合には、処理液の温度をより精密に管理することができる。
【0173】
第6実施形態では、前記再生処理部において生じる気体を排出するための気体排出バルブをさらに備えている。
【0174】
この構成では、再生処理部において処理液が電解されることにより生じる気体を、前記気体排出バルブを通じて装置外に排出することができる。
【0175】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態に係る表面処理装置について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、前記実施形態では、処理液として過マンガン酸塩の溶液を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0176】
また、前記実施形態では、再生処理部における筒状部として円柱形状の配管を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。前記筒状部は、例えば角柱形状、円錐台形状、角錐台形状、樽形状、U字管形状などであってもよい。
【0177】
また、前記実施形態では、再生処理部が第1配管、第2配管及び第3配管の3つの配管を有している場合を例に挙げて説明したが、配管の数は1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0178】
また、前記第2実施形態では、デスミア処理槽に接続された1本の送り側導管が途中で分岐して各配管に接続されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、デスミア処理槽に複数の送り側導管が接続され、各送り側導管が対応する配管に接続されていてもよい。具体的には、例えばデスミア処理槽13の側面に3本の送り側導管15が接続されており、これらのうちの一つの送り側導管15の下流側端部15bが第1配管231の上流側端部に接続され、他の送り側導管15の下流側端部15bが第2配管232の上流側端部に接続され、残り一つの送り側導管15の下流側端部15bが第3配管233の上流側端部に接続された構成であってもよい。この場合において、戻り側導管17についても同様に3本設けられていてもよい。
【0179】
前記第5実施形態では、補助アノード51がカソード25の延出部28の周囲全体を覆うような筒形状である場合を例示したが、これに限定されない。補助アノード51は、カソード25の延出部28の全周ではなく、延出部28の一部分にのみ対向している形態などであってもよい。また、補助アノード51が配管の内周面31に内接している場合を例示したが、これに限定されない。補助アノード51は、補助アノード51を配管の内周面31と電気的に接続する他の手段が施されていれば、必ずしも内接している必要はなく、例えば配管の内周面31に近接して配置されていたり、配管の内周面31とカソード25との中央付近に配置されていたりしてもよい。
【0180】
また、前記第5実施形態では、アノードの表面積を増やすために補助アノードを設ける場合を例示したが、例えばアノード配管の内周面に複数の凹凸を設けることによりアノードの表面積を増やすこともできる。また、表面に複数の凹凸が設けられた補助アノードを用いてもよい。
【0181】
また、前記第7実施形態では、基部26と延出部28と配線接続部27とが一体成形されているカソード25を例示したが、これに限定されない。例えば、基部26と延出部28とが別体で形成されていてもよい。さらに、基部26を絶縁性の材料により形成する場合には、前述の絶縁パッキン59を省略することができる。
【0182】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0183】
表1〜3の実施例1〜15及び比較例1,2に示す各条件で電解再生処理を行った。この電解再生処理に用いた水溶液としては、次のものを用いた。各試験では、水溶液の温度を75℃とした。
【0184】
(水溶液中の成分)
過マンガン酸ナトリウム:25g/リットル
マンガン酸ナトリウム:15g/リットル
水酸化ナトリウム:80g/リットル
また、実施例1〜15の電解再生処理では、図1及び図2に示す電解再生処理装置11を用いた。
【0185】
比較例1,2の電解再生処理では、特許文献1(特許第3301341号公報)の図1に示されるような電解再生槽に前記水溶液を貯留し、この水溶液中にアノード及びカソードを浸漬したものを用いた。比較例1,2では、電解再生槽に前記水溶液を供給する送り側導管を、電解再生槽の一側面に接続し、電解再生槽から排出される前記水溶液をデスミア処理槽に戻す戻し側導管を、前記一側面に対向する側面に接続した。
【0186】
各表中の電解再生処理装置内の液量とは、実施例1〜15では、再生処理部19、送り側導管15及び戻し側導管17に存在する水溶液の量を意味しており、比較例1,2では、電解再生槽、送り側導管及び戻し側導管に存在する水溶液の量を意味している。
【0187】
各表中の電極対aとは、図2に示す第1配管231の内周面(アノード)31とこの第1配管231内に配設されたカソード25とを意味し、電極対bとは、第2配管232の内周面(アノード)31とこの第2配管232内に配設されたカソード25とを意味し、電極対cとは、第3配管233の内周面(アノード)31とこの第3配管233内に配設されたカソード25とを意味している。
【0188】
各表中の電極通過流速とは、カソード及びアノードの近傍において、前記水溶液が1秒間に進む距離(mm/秒)のことであり、次のようにして算出される値である。再生処理部において前記水溶液が通過する流路の断面積をAmmとし、ポンプ流量をBmL/秒とするとき、電極通過流速は、次式で表される。
【0189】
電極通過流速(mm/秒)=B×1000÷A
実施例1〜15では、流路の断面積Aは、配管23の長手方向に垂直な断面における配管23とカソード25との隙間の面積である。また、比較例1,2では、送り側導管が接続された電解再生槽の前記一側面に平行な断面における前記水溶液の面積を、流路の断面積Aとした。
【0190】
各表中の過マンガン酸ナトリウムの再生率(g/AH)は、処理時間1時間当たりの再生量を、使用電流量(A)で割った値である。過マンガン酸ナトリウム再生量(g)は、処理時間1時間当たりの再生量を示している。過マンガン酸ナトリウム再生量(g/リットル)は、処理時間1時間当たりの再生量をさらに総液量で割った値である。
【0191】
表中のスラッジ量とは、処理時間5時間経過後に再生処理部19に溜まったスラッジの量を示している。
【0192】
【表1】

【0193】
【表2】

【0194】
【表3】

【0195】
各試験の結果を表1〜3に示す。
【0196】
再生処理部19が前記水溶液を配管231に直接流入させる構成である実施例1〜15では、再生処理部19において前記水溶液が流れる流路の断面積Aが小さいので、ポンプ41の流量を変えることにより、表1〜表3に示すように電極通過流速を、例えば1mm/秒〜300mm/秒の幅広い範囲で調整することができる。
【0197】
一方、比較例1,2のように前記電解再生槽にカソード及びアノードを浸漬する構成の場合には、流路の断面積Aが大きくなるので、電極通過流速を実施例のように幅広い範囲で調整するのは困難である。したがって、比較例1,2のような構成の場合には、電極通過流速を5mm/秒以上や25mm/秒以上に大きくするのは困難である。
【0198】
表3に示すように、比較例1,2では、前記水溶液が貯留された電解再生槽と、前記水溶液中に浸漬されたカソード及びアノードとによって再生処理部が構成されているので、再生処理部の液量は、デスミア処理槽における液量の1.5倍である。一方、実施例1〜15では、再生処理部19の配管231に前記水溶液を直接流入させる構成であるので、再生処理部19の液量は、デスミア処理槽における液量の1/10である。
【0199】
実施例1では、スラッジ量が1.0gであるのに対して、比較例1,2では、スラッジ量が3.2gと大きな値となっている。その理由は、実施例1では、電極通過流速が5mm/秒であるのに対して、比較例1,2では、電極通過流速が2mm/秒と小さいため、スラッジがカソードに蓄積しやすいからであると考えられる。
【0200】
また、実施例2〜14では、電極通過流速を25mm/秒以上の大きな値に設定しているので、スラッジ量がさらに小さい値に低減されている。特に電極通過流速が100mm/秒以上の場合には、カソードにはスラッジがほとんど蓄積されていない。
【0201】
また、実施例13では、電極通過流速を300mm/秒と大きな値に設定していることに起因して、過マンガン酸ナトリウム再生率が若干低くなっている。
【0202】
また、実施例15では、電極通過流速を1mm/秒として比較例1,2の電極通過流速よりも小さな値に設定しているが、この場合であってもスラッジ量は2.6gであり、比較例1,2の3.2gよりも小さい。その理由は、実施例15では、再生処理部19において前記水溶液がカソード25の長手方向に沿って流れるのに対して、比較例1,2では、再生処理部において前記水溶液がカソードの長手方向に対して略垂直な方向に流れることが関係しているものと推測される。
【0203】
比較例2では、陽極電流密度を30A/dmという大きな値に設定している。このように陽極電流密度を大きくすると、過マンガン酸ナトリウムの再生率が小さくなる傾向にある。一方、実施例7では、陽極電流密度を比較例2と同じ値(30A/dm)に設定している。この実施例7では、過マンガン酸ナトリウム再生率は、他の実施例よりも小さな値(1.21g/A・時)となっているものの、比較例2に比べると、過マンガン酸ナトリウムの再生率の低下度合いが小さく抑えられている。このことから、実施例7では、比較例2に比べて、過マンガン酸ナトリウムを再生する効率が優れていると言える。
【0204】
また、比較例1,2では、電解再生槽を用いているので、総液量が大きくなる。したがって、過マンガン酸ナトリウム再生量(g/リットル)が小さくなり、効率がわるい。
【符号の説明】
【0205】
11 電解再生処理装置
13 デスミア処理槽
15 送り側導管
17 戻し側導管
19 再生処理部
21 整流器
23 配管
231 第1配管
232 第2配管
233 第3配管
25 カソード
27,29 接続部
31 内周面(アノード)
35,37 連結管
39 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デスミア処理槽においてデスミア処理に用いられた処理液を電解して再生するための電解再生処理装置であって、
アノードとして機能する内周面を有する筒状部と、前記筒状部内に配設され、前記内周面と離隔した状態で前記筒状部の延設方向に沿って延びるカソードとを含み、前記筒状部の前記内周面と前記カソードとの隙間を通じて前記処理液が送液される再生処理部と、
下流側端部が前記筒状部に接続され、前記デスミア処理槽から排出される前記処理液を前記再生処理部に導く送り側導管と、
上流側端部が前記筒状部に接続され、前記再生処理部から排出される前記処理液を前記デスミア処理槽に導く戻し側導管と、を備えている電解再生処理装置。
【請求項2】
前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、
前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含み、
前記第2配管は、その延設方向が前記第1配管の延設方向と平行で、かつ幅方向に前記第1配管と隣り合うように前記第1配管と並設されており、
前記送り側導管の前記下流側端部は、第1配管の一端部に接続され、前記第1配管の他端部は、前記第2配管の一端部と連通している、請求項1に記載の電解再生処理装置。
【請求項3】
前記第2配管は、前記第1配管よりも上方に配置されている、請求項2に記載の電解再生処理装置。
【請求項4】
前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、
前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含み、
前記送り側導管の前記下流側端部は、第1配管の上流側端部と接続され、
前記第1配管の下流側端部は、前記第2配管の上流側端部と接続されており、
前記第2配管は、その延設方向が前記第1配管の延設方向と鋭角をなすように前記第1配管に対して傾斜した状態で配設されている、請求項1に記載の電解再生処理装置。
【請求項5】
前記第2配管は、前記第1配管よりも上方に配置されており、
前記第1配管は、その下流側端部が上流側端部よりも高くなるように水平方向に対して傾斜しており、
前記第2配管は、その下流側端部が上流側端部よりも高くなるように水平方向に対して傾斜している、請求項4に記載の電解再生処理装置。
【請求項6】
前記筒状部は、アノードとして機能する内周面を有する第1配管と、アノードとして機能する内周面を有する第2配管とを含み、
前記カソードは、前記第1配管内に配設され、前記第1配管の内周面と離隔した状態で前記第1配管の延設方向に沿って延びる第1カソードと、前記第2配管内に配設され、前記第2配管の内周面と離隔した状態で前記第2配管の延設方向に沿って延びる第2カソードとを含み、
前記送り側導管を流れる前記処理液が前記第1配管における前記延設方向の一端部及び前記第2配管における前記延設方向の一端部にそれぞれ導かれ、前記第1配管における前記延設方向の他端部及び前記第2配管における前記延設方向の他端部から前記処理液が前記戻し側導管に排出されるように構成されている、請求項1に記載の電解再生処理装置。
【請求項7】
前記筒状部は、
アノードとして機能する内周面を有する上流側第1配管とアノードとして機能する内周面を有する下流側第1配管とが直列に接続された第1配管ブロックと、
アノードとして機能する内周面を有する上流側第2配管とアノードとして機能する内周面を有する下流側第2配管とが直列に接続された第2配管ブロックと、を含み、
前記カソードは、
前記上流側第1配管内に配設され、前記上流側第1配管の内周面と離隔した状態で前記上流側第1配管の延設方向に沿って延びる上流側第1カソードと、
前記下流側第1配管内に配設され、前記下流側第1配管の内周面と離隔した状態で前記下流側第1配管の延設方向に沿って延びる下流側第1カソードと、
前記上流側第2配管内に配設され、前記上流側第2配管の内周面と離隔した状態で前記上流側第2配管の延設方向に沿って延びる上流側第2カソードと、
前記下流側第2配管内に配設され、前記下流側第2配管の内周面と離隔した状態で前記下流側第2配管の延設方向に沿って延びる下流側第2カソードと、を含み、
前記送り側導管を流れる前記処理液が前記第1配管ブロックの上流側端部及び前記第2配管ブロックの上流側端部にそれぞれ導かれ、前記第1配管ブロックの下流側端部及び前記第2配管ブロックの下流側端部から前記処理液が前記戻し側導管に排出されるように、前記第1配管ブロックと前記第2配管ブロックが並列に接続されている、請求項1に記載の電解再生処理装置。
【請求項8】
前記下流側第1配管は、その延設方向が前記上流側第1配管の延設方向と平行で、かつ幅方向に前記上流側第1配管と隣り合うように前記上流側第1配管と並設されており、
前記下流側第2配管は、その延設方向が前記上流側第2配管と平行で、かつ幅方向に前記上流側第2配管と隣り合うように前記上流側第2配管と並設されている、請求項7に記載の電解再生処理装置。
【請求項9】
前記下流側第1配管は、その延設方向が前記上流側第1配管の延設方向と鋭角をなすように前記上流側第1配管に対して傾斜した状態で配設されており、
前記下流側第2配管は、その延設方向が前記上流側第2配管の延設方向と鋭角をなすように前記上流側第2配管に対して傾斜した状態で配設されている、請求項7に記載の電解再生処理装置。
【請求項10】
前記第1配管ブロックへの前記処理液の流入を規制可能な第1バルブと、
前記第2配管ブロックへの前記処理液の流入を規制可能な第2バルブと、をさらに備えている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。
【請求項11】
前記筒状部は、その延設方向の両端に開口部を有し、
前記再生処理部は、
各開口部の近傍に配設され、前記カソードが挿通された貫通孔を有する筒形状をなし、前記筒状部の前記内周面と前記カソードとの間に介在し、絶縁材料により形成されたシール部材をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。
【請求項12】
前記筒状部は、その延設方向の一端に開口部を有し、前記延設方向の他端が閉じられており、
前記カソードは、
前記筒状部の前記一端に取り付けられる基部と、
前記開口部から前記筒状部内に挿入され、前記基部から前記筒状部の延設方向に沿って延びる延出部と、を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。
【請求項13】
前記再生処理部は、前記筒状部内に配置されるとともに前記筒状部と電気的に接続された補助アノードをさらに含み、
前記補助アノードは、前記カソードと離隔した状態で前記カソードに対向配置されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。
【請求項14】
前記補助アノードは、前記カソードの周りを囲むように前記カソードに沿って延びる筒形状を有し、複数の貫通孔を有している、請求項13に記載の電解再生処理装置。
【請求項15】
前記カソードと前記筒状部の内周面との接触を防止するために前記カソードに取り付けられ、前記カソードから前記筒状部の内周面に向かう絶縁部材をさらに備えている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。
【請求項16】
前記筒状部の温度を調節するための温度調節部をさらに備えている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。
【請求項17】
前記再生処理部において生じる気体を排出するための気体排出バルブをさらに備えている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の電解再生処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−60668(P2013−60668A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−279779(P2012−279779)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2011−132095(P2011−132095)の分割
【原出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000189327)上村工業株式会社 (101)
【Fターム(参考)】