説明

電解水の製造装置及びその製造方法

【課題】 一隔膜二室型の電解装置で酸性又はアルカリ性の電解水を選択的に、かつ、単独で生成することができると共に、電解効率を向上させることで所望のpHや濃度の電解水を生成することができる電解水の製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 陽極室と陰極室とを隔てる陽イオン透過膜を有する第1の電解装置と、陽極室と陰極室とを隔てる陰イオン透過膜を有する第2の電解装置と、前記第1の電解装置と前記第2の電解装置に電解質水溶液を供給する供給槽とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解水を製造する製造装置及び製造方法に関し、特に、一隔膜二室型の電解装置で酸性又はアルカリ性の電解水を選択的に、かつ、単独で生成することができ、所望のpHや濃度の電解水を生成することができる電解水の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の酸性電解水とアルカリ性電解水を製造することができる電解水の製造装置として、一隔膜二室型の製造装置や二隔膜三室型の製造装置がある。
一隔膜二室型の製造装置は、例えば、特許文献1に開示されているように、陽イオン透過膜を介して対向配置された陽極室と陰極室とを備え、陽極室には、食塩水を混合した原水が供給され、陰極室には電解原水のみが供給される。そして、電極に直流電流を印加することにより、陽極室では、次亜塩素酸を含む酸性電解水が生成され、陰極室では、アルカリ性電解水が生成される。
【0003】
また、二隔膜三室型の製造装置は、特許文献2に開示されているように、2枚の隔膜で仕切ることによって陽極室と中間室と陰極室とを設けた電解槽を備えた水電気分解装置であり、陽極室と陰極室には原水が供給され、中間室には高濃度の電解質水溶液が充填されている。この装置でも一隔膜二室型の装置と同様に、陽極室では、酸性電解水が生成され、陰極室では、アルカリ性電解水が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−329375号公報
【特許文献2】特開2000−246249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1及び特許文献2で開示された装置では、酸性電解水とアルカリ性電解水の両方を同時に生成してしまうことから、一方の電解水のみを必要とした場合に他方の電解水は不必要となり、廃棄せざるを得ない。また、各電極室内において電解原水や電解質水溶液の滞留時間が非常に短いために、電極付近では十分な電解反応が起こるが、電極と離れたところでは電極に接触できる機会が極端に少なくなるために電解原水や電解質水溶液が未電解のままで電解水とともに排出されてしまうといった問題がある。
【0006】
また、従来の一隔膜二室型の電解装置では、陽極室又は陰極室の一方に電解原水を供給し、他方に電解質水溶液を供給して、電解原水を供給した電解室のみから酸性又はアルカリ性の電解水を生成するという発想がなかった。
【0007】
また、陽極室又は陰極室の一方に電解原水を供給し、他方に電解質水溶液を供給して、電解原水を供給した電解質のみから酸性又はアルカリ性の電解水を生成することができる一隔膜二室型の電解装置を2台組み合わせて、一方の電解装置で酸性電解水を単独で生成させ、他方の電解装置でアルカリ性電解水を単独で生成させるという発想もなかった。
さらに、このような電解装置の一方の電解室に電解質水溶液を循環供給させるといった発想もなかった。
【0008】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、一隔膜二室型の電解装置で酸性又はアルカリ性の電解水を選択的に、かつ、単独で生成することができると共に、電解効率を向上させることで所望のpHや濃度の電解水を生成することができる電解水の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の電解水の製造装置は、陽極室と陰極室とを隔てる陽イオン透過膜を有する第1の電解装置と、陽極室と陰極室とを隔てる陰イオン透過膜を有する第2の電解装置と、前記第1の電解装置と前記第2の電解装置に電解質水溶液を供給する供給槽とを一体として備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、前記陽極室又は前記陰極室のどちらか一方と前記供給槽とを接続させるための複数の連通孔を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、相互に独立した電源を有し、個別に電解水の生成を制御することができる制御部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、電解原水を供給するための供給口と、生成された電解水を吐出するための吐出口をそれぞれ有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記吐出口には、吐出量を調整するための調整バルブを備えていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、装置本体の大きさが異なっていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置と前記第2の電解装置の前記吐出口は、連通管で連通していることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記連通管は、管内の電解水の流量を調整するための流量調整バルブが設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記供給槽には、複数の前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置が接続されており、前記第1の電解装置と前記第2の電解装置とがそれぞれ一対となって連通していることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、それぞれ電力供給量を異ならせることで、電解水の生成量や濃度、pH、酸化還元電位を調整することができることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置の陰極室の上部には、該陰極室で発生する水素ガスを回収するための回収室を備えており、該回収室は、水蒸気から水素ガスを分離させるための気液分離部と、分離された水素ガスを外部へ排出するための排出部を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記供給槽は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置に対して前記電解質水溶液を循環供給することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置が有する電極は、多孔質体から形成されており、前記陽極室及び前記陰極室のそれぞれに隙間なく充填されて格納されており、電解原水と電解質水溶液を前記多孔質体内に通過させて電解反応を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記多孔質体で構成された電極は、金属チタンの粒子及び繊維を多孔質状に固めた焼結体であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記多孔質体で構成された電極は、孔の平均口径が0.3mm〜3mmの範囲であり、気孔率が20%以上で、かつ、厚みが1mm以上であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記陽極室及び前記陰極室に設けられる電極は、前記多孔質体の電極同士の組み合わせもしくは、前記多孔質体の電極と平板状の電極との組み合わせ、前記多孔質体の電極とパンチング加工された電極もしくはハーフパンチング加工された電極との組み合わせであることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の電解水の製造装置は、前記陽極室及び前記陰極室は、厚みのある立体形状の前記多孔質状で構成された電極を収容できる容積を有することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の電解水の製造方法は、イオン透過膜によって隔てられた陽極室と、陰極室とを有する第1及び第2の電解装置と、前記第1及び前記第2の電解装置に電解質水溶液を供給する供給槽とを一体として備え、酸性又はアルカリ性の電解水を生成する電解水の製造方法であって、前記第1及び第2の電解装置のそれぞれ一方の電極室に原水を供給し、前記第1及び第2の電解装置のそれぞれ他方の電極室に電解質水溶液を供給し、電解反応によって電解原水を供給した電極室から電解水を製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、異なるイオン透過膜を配設した2台の電解装置を一体化させ、電解質水溶液を供給する供給槽を連通させ、電解水を生成する電極室のみに電解原水を供給することにより、例えば、陰イオン透過膜を隔膜に採用した一隔膜二室型電解装置では、未電解の電解物質を含まない高純度の次亜塩素酸のみを含む酸性電解水、または、陽イオン透過膜を隔膜に採用した一隔膜二室型電解装置からは高純度の水酸化ナトリウムを含んだアルカリ性電解水の生成を一隔膜二室型の電解装置で実現することができる。
【0028】
また、イオン透過膜の異なった2台の電解装置のうち一方のみを稼働させることができるため、必要とする酸性又はアルカリ性のどちらかの電解水を所望のpHや濃度で生成することができる。さらに、多孔質体の電極を採用することで、陽極室及び陰極室に供給される電解原水が、多孔質体の複雑な形状によって電解原水の流れに対して大きな抵抗となり多孔質体内をゆっくりと移動し、電極表面に時間をかけて接触するためイオンを含んだ電解原水に対して十分な電流効率(クーロン量)を与えることができるため、析出又は溶解機能により電極表面にスケールの付着を防止することができる。これにより、電極表面に気泡が発生し、この気泡が電解原水と電極表面との接触を阻害し、電解原水に含まれる金属が陰極に付着するのを防ぐことができる。電解原水と電極との接触時間が長いため効率の良い低消費電力の電解を実現することができる。これにより電解効率を飛躍的に向上させることができる。さらに、低電力による電解に伴い、電極本体の温度上昇を抑制し、電極と共に繊細なイオン透過膜の劣化損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【図2】図2(a)は、多孔質体の電極の構成を示した図であり、図2(b)は、第1の電解装置における原水及び電解イオン物質の挙動を示した図であり、図2(c)は、第2の電解装置における原水及び電解イオン物質の挙動を示した図である。
【図3】第2の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【図4】第3の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【図5】第4の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【図6】第5の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【図7】第6の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【図8】第7の実施形態に係る電解水の製造装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、図面を参照して、本実施形態に係る電解水の製造装置及び製造方法について説明する。
【0031】
<第1の実施形態>
(電解装置の概略構成)
図1は、第1の実施形態に係る電解水の製造装置を示した図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る電解水の製造装置は、アルカリ性電解水を生成する第1の電解装置100と、酸性電解水を生成する第2の電解装置200と、これら第1及び第2の電解装置100,200のそれぞれ一方の電極室に対して電解質水溶液(例えば、塩化ナトリウム水溶液)を供給する供給槽300とから構成されている。なお、第1及び第2の電解装置100,200は、隔壁400を介して一体化されている。また、供給槽300は、第1の電解装置100と、第2の電解装置とのどちらか一方、又は両方同時に電解質水溶液を供給することができる構成となっている。
【0032】
(第1の電解装置)
第1の電解装置100には、陽極104を収容した陽極室101と、陰極105を収容した陰極室102とが配設され、中央部に陽極室101と陰極室102とを隔てるとともに陽極室101に供給された電解質水溶液に含まれる陽イオンのみを透過させるための陽イオン透過膜103が設けられている。
陽極104及び陰極105は、後述する多孔質体の電極から構成されており、陽極室101及び陰極室102のそれぞれにほぼ隙間なく充填されるようにして収容されている。そして、電源を備える制御部10に陽極104及び陰極105が接続されている。また、陽極室101の上部には、供給槽300と連通し飽和電解質水溶液を供給する供給口106が設けられるとともに、陽極室101内を通過した電解質水溶液を供給槽300に回収するための回収口107が設けられている。
一方、陰極室102の上部には、陰極室102に電解原水を供給するための原水供給口108が設けられ、下部には陰極室102内で生成されたアルカリ性電解水を吐出させるための吐出口109が設けられている。なお、図では原水供給口108及び吐出口109をそれぞれ1つ設けた構成を示しているが、これに限られるわけではなく、それぞれ複数設けてもよい。また、原水供給口108及び吐出口109のそれぞれの口径を異ならせるようにしてもよい。
【0033】
(第2の電解装置)
第2の電解装置200には、第1の電解装置100と同様に、陽極204を収容した陽極室201と陰極205を収容した陰極室202とが配設され、中央部に陽極室201と陰極室202とを隔てるとともに陰極室202に供給された電解質水溶液に含まれる陰イオンのみを透過させるための陰イオン透過膜203が設けられている。
陽極204及び陰極205は、後述する多孔質体の電極から構成されており、陽極室201及び陰極室202のそれぞれにほぼ隙間なく充填されるようにして収容されている。そして、電源を備える制御部20に陽極204及び陰極205が接続されている。また、陰極室202の上部には、供給槽300と連通し飽和電解質水溶液を供給する供給口206が設けられるとともに、陰極室202内を通過した電解質水溶液を供給槽300に回収するための回収口207が設けられている。
一方、陽極室201の上部には、陽極室201に電解原水を供給するための原水供給口208が設けられ、下部には陽極室201内で生成された酸性電解水を吐出させるための吐出口209が設けられている。なお、図では原水供給口208及び吐出口209をそれぞれ1つ設けた構成を示しているが、これに限られるわけではなく、それぞれ複数設けてもよい。また、原水供給口208及び吐出口209のそれぞれの口径を異ならせるようにしてもよい。
【0034】
なお、上記した第1の電解装置100及び第2の電解装置200の各電極室は、縦長であることが望ましく、直交する方向の幅よりも高さの方が大きいことが望ましい。電極室の幅に対する高さの比(高さ/幅)は、例えば、1.5以上、好ましくは1.5〜5.0とすることができる。このように第1の電解装置100及び第2の電解装置200の各電極室を縦長とすることにより、発生し上昇する塩素ガス(Cl)と水との接触時間を長くすることができ、その結果、塩素と水との反応を確実に行うことができる。
【0035】
なお、第1の電解装置100及び第2の電解装置200が有する制御部10,20は、各電極に対して供給する電力量を調整することが可能である。例えば、第1の電解装置100と第2の電解装置200とで電力供給量を変えることで、それぞれの電解装置で生成される電解水の濃度やpH、酸化還元電位等を調整することができる。
【0036】
(供給槽)
供給槽300は、飽和電解質水溶液を収容している。そして、供給槽300には、この飽和電解質水溶液を第1の電解装置100の陽極室101へ供給するためのポンプ301と、第2の電解装置200の陰極室202へ飽和電解質水溶液を供給するためのポンプ302が設けられている。ポンプ301は、第1の電解装置100の陽極室101に設けられた供給口106と連通しており、ポンプ302は、第2の電解装置200の陰極室202に設けられた供給口206と連通している。また、供給槽300は、第1の電解装置100の陽極室101の回収口107と連通しており、同様に、第2の電解装置200の陰極室202の回収口207と連通している。
【0037】
供給槽300は、各電極室101,202に対し、飽和電解質水溶液を循環供給しており、第1の電解装置100においては、陽イオン透過膜103を介して陰極室102に陽イオン(Na)を供給し、第2の電解装置200においては、陰イオン透過膜203を介して陰イオン(Cl)を供給する。
【0038】
また、供給槽300は、ポンプ301及びポンプ302の開閉により、第1の電解装置100または第2の電解装置200のどちらか一方又は、両方同時に飽和電解質水溶液を供給することができる。これにより、取水したい電解水を生成する電解装置に対してのみ飽和電解質水溶液を供給することができる。
なお、時間経過と共に、供給槽300内の飽和電解質水溶液の濃度が薄くなるため、一定の濃度を維持するために絶えず外部から電解質水溶液を補充する構成にすることもできる。
【0039】
なお、供給槽300には、複数の第1及び第2の電解装置100,200を接続させてもよい。この場合、それぞれの第1及び第2の電解装置100,200とを一対として各吐出口109,209を連通管303で連通させる。
これにより、大量に電解水を生成することができ、また、生成した電解水を大量に混合させることができる。
【0040】
(電極)
次に、電極及び電極室内での電解原水と電解イオン物質の挙動について説明する。
図2(a)は、電極の構成を示す図であり、図2(b)〜(c)は、電極室内での電解原水と電解イオン物質の挙動を示した図である。
図に示すように、この多孔質体の電極は、チタン製やステンレス製の金網を多層にわたって重ねたものや、金属チタンの粒子及び繊維を多孔質状に固めた焼結体でかつ、立体形状で構成されている(図2(a))。さらに、この電極は、立体形状を十分に収容できる容積を備えた電極室にほぼ隙間なく充填されるようにして収容されている。そして、この多孔質体の電極は、孔の平均口径が0.3mm〜3mmの範囲の大きさであり、気孔率が20%以上、厚みが1mm以上である。この構成によって図2(b)に示すように、第1の電解装置では、陽極室101に供給槽300から供給される飽和電解質水溶液が多孔質体の電極内を直線的に移動することができず、流体抵抗の大きな多孔質体の内部で孔をくぐりぬけながら、陽極室101内上部から下部へ向かって、ゆっくりと電極と気泡に接触しながら移動する。また、電気泳動により、飽和電解質水溶液に含まれる電解イオン物質の陽イオン(Na)が陽イオン透過膜103を介して陰極室102へ移動する。このとき、飽和電解質水溶液は陽極室101をゆっくり移動するため高濃度の状態で陽イオン(Na)が陰極室102へ移動することができる。(図2(b))。さらに、陰極室102でも、電解原水が多孔質体の電極内をゆっくり移動するために、陰極室102に移動してきた陽イオン(Na)と電解原水(HO)に十分な電位を印加することが可能となり良好な電解反応が行われる。
【0041】
また、図2(c)に示すように、第2の電解装置200では、陰極室202に供給される飽和電解質水溶液は、陰極室202の上部から下部へ向かって多孔質体の電極(陰極205)内をゆっくり移動する。このとき、飽和電解質水溶液に含まれる電解イオン物質の陰イオン(Cl)が陰イオン透過膜203を介して陰イオンだけを選択して高純度で陽極室201へ移動する。陽極室201では電解原水が供給され、同様に多孔質体の電極(陽極204)内をゆっくり移動するため、高濃度及び高純度の状態で移動してきた陰イオン(Cl)と十分な電解反応が行われる(図2(c))。
【0042】
ところで、上記した多孔質体の電極の気孔率は、本発明者の実験によると、気孔率が20%以下の場合では、流体抵抗が大きすぎるために電解原水が多孔質体の電極内をスムーズに通過できない。さらに、電解原水と電極との接触面積も少なく、十分な電位を与えることができない。
【0043】
しかし、気孔率20%以上の場合では、電解原水が多孔質体の電極内をスムーズに通過でき、かつ、電極内をくまなく通過するために、電解原水に十分な電位を与えることができる。これにより、電解原水に対して十分な電位を与えることができ、水素イオン濃度(pH)や酸化還元電位(ORP)を高濃度にすることができる。本発明者の実験によると、この電極の気孔率の範囲は60%〜90%が好適であると確認されている。90%以上になると流体抵抗が小さくなり過ぎるので、電解原水の流速が極端に速くなりすぎるために電解効率に影響を及ぼすことになる。
【0044】
また、従来の装置では、電極と原水との接触を多くするために、ある程度の電極の大きさが必要であり、それに伴い電解室も大きくなってしまう。しかし、多孔質体の電極を採用することで、従来の装置に用いる電極より小さくても電極と原水との接触は大幅に増加させることができるため、電解室を二分の一以下にさせることが可能である。
【0045】
さらに、ゆっくり流れた電解原水は電極室における滞留時間が長いため、十分な電流を供給することができ、電極表面に猛烈な気泡を発生させ、その気泡が電解原水と電極表面の接触を阻害し、陰極側へのスケールの付着を防止することができる。また、電解原水と電極との接触時間が長いため、少ない電気量で効率良く従来の濃度を生成することができる。これにより、電極の温度上昇を抑えることができ、イオン透過膜の劣化の防止、電極表面の劣化の防止をすることができる。
【0046】
以上のことからすると、従来の電解装置では電極付近では、電解イオン物質は高濃度で存在するが、自然拡散及び強制的な拡散により電極から離れ希釈されてしまう。また、電極近傍では当然高い電流密度が存在し、電解イオン物質と電解原水の電子の授受が高い密度で行われるが、電極から離れた位置では、電解イオン物質の濃度は希薄であり、電解原水も電極と接触することができないために、効率的な電解反応を行うことができない。
しかし、多孔質体の電極の場合では、高濃度の電解イオン物質が電極内の全体で電解イオン物質が高濃度で存在し、かつ、電解原水も電極内をくまなく通過しながら電極と接触することにより、電子の授受を高い密度で行うことができ、効率的に電解反応を起こすことができる。
【0047】
また、従来の電極室では、電極と電極室との空間が3〜5mm程度の距離があり、電解原水が電極と接触せずに排出されてしまう。ところが、電極室内にほぼ隙間なく充填されるように配設されている多孔質体の電極では、微細孔を通過する電解原水と電極との距離が、0.3mm径の孔の場合、原水と電極間との距離は、最大で半径の0.15mmと電流密度の濃い電極近傍を通過するため、電解イオン物質と電解原水の電子の授受が効率的に行われる。
【0048】
従って、多孔質体の電極を採用することで、電解効率を向上させることができるため、得られる電解水のpHや酸化還元電位を向上させることができ、未電解の電解イオン物質の排出を防止することができる。また、電解室に飽和電解質水溶液を供給することで省電力で電解反応を起こすことができ、電極やイオン透過膜への損傷を防止することができる。さらに、装置本体の小型化を図ることができる。
【0049】
(電解装置の動作)
次に、電解水の製造装置の動作について説明する。
まず、アルカリ性電解水を生成する第1の電解装置100の動作について説明する。
第1の電解装置100において、陽極室101に供給槽300からポンプ301を介して飽和電解質水溶液が供給され、陰極室102に電解原水が供給される。そして、制御部10によって陽極104及び陰極105に電流を印加する。
【0050】
(陽極室)
陽極室101では、供給された飽和電解質水溶液に含まれる塩化物イオン(Cl)が下記に示す反応式に基づいて陽極104表面で反応する。
2Cl→Cl+2e・・・(1)
また、発生する塩素ガス(Cl)は、下記式に基づき、水と反応して塩酸と次亜塩素酸を生成する。
Cl+HO→HCl+HClO・・・(2)
(2)式で得られた塩酸(HCl)と次亜塩素酸(HClO)は、陽極室101の下部に設けられている回収口107を介して供給槽300へ回収される。
【0051】
(陰極室)
一方、陰極室102では、陽極室101に供給された飽和電解質水溶液に含まれる電解イオン物質(Na)が電気泳動によって陽イオン透過膜103を通過して陰極室102に高濃度の状態で供給される。
Na+e→Na・・・(3)
2Na+2HO→2Na+2OH+H・・・(4)
式(4)に示すように、水素ガス(H)の発生と共に水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)がアルカリ性の電解水として生成され、吐出口109から回収される。
【0052】
次に、酸性電解水を生成する第2の電解装置200の動作について説明する。
第2の電解装置200において、陰極室202に供給槽300からポンプ302を介して飽和電解質水溶液が供給され、陽極室201に電解原水が供給される。そして、制御部20によって陽極204及び陰極205に電流を印加する。
【0053】
(陰極室)
陰極室202では、供給された飽和電解質水溶液に含まれる陽イオン(Na)が下記に示す反応式に基づいて陰極205表面で反応する。
Na+e→Na・・・(5)
2Na+2HO→2Na+2OH+H・・・(6)
式(6)に示すように、水素ガス(H)の発生と共に水酸化ナトリウム(NaOH)が生成され、回収口207から供給槽300へ回収される。
【0054】
(陽極室)
陽極室201では、陰極室202に供給された飽和電解質水溶液に含まれる陰イオン(Cl)が電気泳動によって陰イオン透過膜203を通過して陽極室201に高濃度状態で供給される。そして塩化物イオン(Cl)が下記に示す反応式に基づいて陽極204表面で反応する。
2Cl→Cl+2e・・・(7)
また、発生する塩素ガス(Cl)は、下記式に基づき、水と反応して塩酸と次亜塩素酸を生成する。
Cl+HO→HCl+HClO・・・(8)
式(8)に示すように、生成された次亜塩素酸(HClO)が酸性の電解水として吐出口209から吐出される。
【0055】
以上の説明から、第1の実施形態における電解水の製造装置は、第1の電解装置100を稼働させた場合には、アルカリ性電解水を生成することができ、第2の電解装置200を稼働させた場合には、酸性電解水を生成することができる。これにより、酸性又はアルカリ性の必要とする電解水のみを生成させることができ、不必要な電解水の生成を防止することができる。
【0056】
また、多孔質体の電極内は原水の移動抵抗が高いため、原水の供給口が一つの場合、電極内をくまなく移動させることが困難であるため、原水供給口108,208を複数設けることで多孔質体の電極内の隅々まで原水を移動させることができる。これに伴い、吐出口109,209も複数設けることで、多孔質体の電極内をくまなく通過して生成された電解水をスムーズに吐出させることができる。
さらに、供給口108,208の口径よりも吐出口109,209の口径を大きくすることで原水の供給圧力による電解装置への負担を軽減させることができる。
【0057】
<第2の実施形態>
図3を参照して、第2の実施形態に係る電解水の製造装置について説明する。なお、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図に示すように、第2の実施形態に係る電解水の製造装置は、第1の電解装置100及び第2の電解装置200のそれぞれの原水供給口108,208に電解原水の給水量を調整するための給水量調整バルブ110,210を設けている点において第1の実施形態に係る電解水の製造装置と異なる。第2の実施形態に係る電解水の製造装置では、この給水量調整バルブ110,210によって原水の給水量を調整すると、例えば、第1の電解装置100において、電解原水の供給量を減少させるとpHの高いアルカリ性の電解水を生成することができ、一方で、第2の電解装置200において、電解原水の給水量を減少させるとpHの高い酸性の電解水を生成させることができる構成となっている。
【0058】
また、それぞれの吐出口109,209には電解水の吐出量を調整するための吐出量調整バルブ111,211が設けられており、さらに吐出口109,209を連通させる連通管303を設けている。この連通管303には、連通管303内の流量を調整する流量調整バルブ304を備えられており、この吐出量調整バルブ111,211と流量調整バルブ304による調整によって、アルカリ性電解水と酸性電解水のpHを自在に調整することができ、従来の電解装置では実現することができなかったアルカリ性電解水に次亜塩素酸を混合させた電解水を生成することができ、使用目的に必要な範囲で混合生成をすることが可能となる。
【0059】
<第3の実施形態>
図4を参照して、第3の実施形態に係る電解水の製造装置について説明する。なお、図1および図3に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図に示すように、第3の実施形態に係る電解水の製造装置は、第1の電解装置100と同様に第2の電解装置200とが陽イオン透過膜103,203aによって陽極室201と陰極室202とに隔てられており、供給槽300から飽和電解質水溶液が陽極室201へ供給される点において第1及び第2の実施形態に係る電解水の製造装置と異なる。即ち、第3の実施形態に係る電解水の製造装置では、第1の電解装置100と第2の電解装置200とが共にアルカリ性の電解水を生成する構成となる。
この実施形態によれば、両方の電解装置100,200を稼働させることで、短時間で大量のアルカリ性の電解水を生成することができる。また、少量のアルカリ性の電解水を生成したい場合には、一方の電解装置のみを稼働させることもできる。
【0060】
<第4の実施形態>
図5を参照して、第4の実施形態に係る電解水の製造装置について説明する。なお、図1、図3および図4に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図に示すように、第4の実施形態に係る電解水の製造装置は、第1の電解装置100と第2の電解装置200とが陰イオン透過膜103a,203によって陽極室101と陰極室102とに隔てられており、供給槽300から飽和電解質水溶液が陰極室102へ供給される点において第3の実施形態に係る電解水の製造装置と異なる。即ち、第4の実施形態に係る電解水の製造装置では、第1の電解装置100と第2の電解装置200とが共に酸性の電解水を生成する構成となる。
この実施形態によれば、両方の電解装置100,200を稼働させることで、短時間で大量の酸性の電解水を生成することができる。また、少量の酸性の電解水を生成した場合には、一方の電解装置のみを稼働させることもできる。
【0061】
<第5の実施形態>
図6を参照して、第5の実施形態に係る電解水の製造装置について説明する。なお、図1、図3〜図5に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図に示すように、第5の実施形態に係る電解水の製造装置は、第1の電解装置100及び第2の電解装置200に陽イオン透過膜203aを配設し、供給槽300からの飽和電解質水溶液の供給を陽極室101,201へ行い、第1の電解装置100と第2の電解装置200とが共にアルカリ性電解水を生成することができる構成となっている点において第3の実施形態と同じであるが、第5の実施形態に係る電解水の製造装置では、第1の電解装置100と第2の電解装置200とを異なる大きさにし、陰極室102,202の上部に、各陰極室102,202で発生する水素を回収するための回収室112,212を設けるようにしている。この回収室112,212は、気液分離部113,213と排出部114,214とから構成されている。気液分離部113,213が、陰極室102,202で発生する水素ガスを水蒸気から分離して回収し、回収された水素ガスは排出部114,214によって外部に排出される。
これより、回収される水素ガスは燃料として使用することができ、生成されたアルカリ性電解水はエマルジョン燃料の混合物として使用することができる。
【0062】
<第6の実施形態>
図7を参照して、第6の実施形態に係る電解水の製造装置について説明する。なお、図1、図3〜図6に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図に示すように、第6の実施形態に係る電解水の製造装置は、第1の電解装置100と第2の電解装置200とを異なる大きさにすることで、電解水の生成量を変えることができるものである。
この実施形態によれば、第1の電解装置100で少量の酸性の電解水を生成し、第2の電解水200で大量のアルカリ性の電解水を生成するものである。そして、連通管303を介して第1の電解装置100で生成された少量の酸性の電解水を第2の電解装置200で生成された大量のアルカリ性の電解水に混合させることで、次亜塩素酸が混合されたアルカリ性の電解水を生成することができる。
【0063】
<第7の実施形態>
図8を参照して、第7の実施形態に係る電解水の製造装置について説明する。
図に示すように、第7の実施形態に係る電解水の製造装置は、第6の実施形態に係る電解水の製造装置と同様に、第1の電解装置100と第2の電解装置200とを異なる大きさにすることで、電解水の生成量を変えることができるものである。
この実施形態によれば、第1の電解装置100と第2の電解装置200とでそれぞれで生成する電解水を生成量に差をつけることができる。これにより、第2の電解装置200で生成した酸性の電解水に第1の電解装置100で生成したアルカリ性の電解水を連通管303を介して混合することができる。この実施形態では、主にpHを調整した酸性の電解水を大量に生成する場合であって、酸性の電解水にアルカリ性の電解水を混合させてpHを例えば5.0〜6.0の範囲で調整することができるものである。
【0064】
なお、上記した実施形態は、第1の電解装置100と第2の電解装置200の両方に供給槽300が接続されており、酸性又はアルカリ性の電解水を生成することができる構造となっているが、必ずしも両方の電解水の製造が必要でなければ、第1の電解装置100又は第2の電解装置200の一方のみに供給槽300を接続したものを用意することも可能である。
【符号の説明】
【0065】
10、20 制御部
100 第1の電解装置
101、201 陽極室
102、202 陰極室
103、203a 陽イオン透過膜
103a、203 陰イオン透過膜
104、204 陽極
105、205 陰極
106、206 供給口
107、207 回収口
108、208 原水供給口
109、209 吐出口
110、210 給水量調整バルブ
111、211 吐出量調整バルブ
112、212 回収室
113、213 水素ガス収容部
114、214 排出部
300 供給槽
301、302 ポンプ
303 連通管
304 流量調整バルブ
400 隔壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極室と陰極室とを隔てる陽イオン透過膜を有する第1の電解装置と、
陽極室と陰極室とを隔てる陰イオン透過膜を有する第2の電解装置と、
前記第1の電解装置と前記第2の電解装置に電解質水溶液を供給する供給槽とを一体として備えたことを特徴とする電解水の製造装置。
【請求項2】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、前記陽極室又は前記陰極室のどちらか一方と前記供給槽とを接続させるための複数の連通孔を有することを特徴とする請求項1記載の電解水の製造装置。
【請求項3】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、相互に独立した電源を有し、個別に電解水の生成を制御することができる制御部を有することを特徴とする請求項1または2記載の電解水の製造装置。
【請求項4】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、電解原水を供給するための供給口と、生成された電解水を吐出するための吐出口をそれぞれ有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項5】
前記吐出口には、吐出量を調整するための調整バルブを備えていることを特徴とする請求項4記載の電解水の製造装置。
【請求項6】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、装置本体の大きさが異なっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項7】
前記第1の電解装置と前記第2の電解装置の前記吐出口は、連通管で連通していることを特徴とする請求項6記載の電解水の製造装置。
【請求項8】
前記連通管は、管内の電解水の流量を調整するための流量調整バルブが設けられていることを特徴とする請求項7記載の電解水の製造装置。
【請求項9】
前記供給槽には、複数の前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置が接続されており、前記第1の電解装置と前記第2の電解装置とがそれぞれ一対となって連通していることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項10】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置は、それぞれ電力供給量を異ならせることで、電解水の生成量や濃度、pH、酸化還元電位を調整することができることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項11】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置の陰極室の上部には、該陰極室で発生する水素ガスを回収するための回収室を備えており、
該回収室は、水蒸気から水素ガスを分離させるための気液分離部と、
分離された水素ガスを外部へ排出するための排出部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項12】
前記供給槽は、前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置に対して前記電解質水溶液を循環供給することを特徴とする請求項1から11のいずれかに項に記載の電解水の製造装置。
【請求項13】
前記第1の電解装置及び前記第2の電解装置が有する電極は、多孔質体から形成されており、前記陽極室及び前記陰極室のそれぞれに隙間なく充填されて格納されており、
電解原水と電解質水溶液を前記多孔質体内に通過させて電解反応を行うことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項14】
前記多孔質体で構成された電極は、金属チタンの粒子及び繊維を多孔質状に固めた焼結体であることを特徴とする請求項13記載の電解水の製造装置。
【請求項15】
前記多孔質体で構成された電極は、孔の平均口径が0.3mm〜3mmの範囲であり、気孔率が20%以上で、かつ、厚みが1mm以上であることを特徴とする請求項13または14に記載の電解水の製造装置。
【請求項16】
前記陽極室及び前記陰極室に設けられる電極は、前記多孔質体の電極同士の組み合わせもしくは、前記多孔質体の電極と平板状の電極との組み合わせ、前記多孔質体の電極とパンチング加工された電極もしくはハーフパンチング加工された電極との組み合わせであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項17】
前記陽極室及び前記陰極室は、厚みのある立体形状の前記多孔質状で構成された電極を収容できる容積を有することを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の電解水の製造装置。
【請求項18】
イオン透過膜によって隔てられた陽極室と、陰極室とを有する第1及び第2の電解装置と、前記第1及び前記第2の電解装置に電解質水溶液を供給する供給槽とを一体として備え、酸性又はアルカリ性の電解水を生成する電解水の製造方法であって、
前記第1及び第2の電解装置のそれぞれ一方の電極室に原水を供給し、
前記第1及び第2の電解装置のそれぞれ他方の電極室に電解質水溶液を供給し、
電解反応によって電解原水と供給した電極室から電解水を製造することを特徴とする電解水の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−67336(P2012−67336A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211421(P2010−211421)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(500111806)
【Fターム(参考)】