説明

電解金めっき液及びそれを用いて得られた金皮膜

【課題】ランニングにおいて析出効率の低下がなく、金皮膜が硬質で金純度が99.9%以上である金皮膜が得られる電解金めっき液を提供することである。また、上記電解金めっき液を用いることにより、ワイヤーボンディングパッド及びコンタクト接合部が同一の金皮膜である電子部品を提供すること。
【解決手段】シアン化金塩を金源とし、下記式(1)で示されるアミン化合物及び下記式(3)で示される複素環式化合物を含有していることを特徴とする電解金めっき液。
N−(R−NH)−H (1)
[式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、アリーレン基若しくはアルキレンアリーレン基を示し、nは1以上の自然数である。]


[式(3)中、Nを含む環は、環中にNを2個以上有する複素環を示し、該複素環中の炭素原子には置換基が結合していてもよい。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解金めっき液、それを用いて得られた金皮膜及びニッケルめっき皮膜上の金皮膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニッケル皮膜上に施す金めっき(以下、「ニッケル/金めっき」と略記する)は、金の優れた耐食性、機械的特性、電気特性等と、ニッケルが下地金属として優れた耐熱性を有するため、電子電気部品等の分野で広く用いられている。ニッケル/金めっきにより析出する金めっき皮膜は大きく分類すると、金純度99.9%以上で硬度が50〜80Hvの純金めっきと、金純度99.9%未満で硬度が100Hv以上の硬質金めっきと呼ばれるものに分けられる。
【0003】
硬質金めっきは、高い硬度と優れた耐摩耗性を生かして、コネクター等の差込部材やスイッチ等の接点部材等のコンタクト接合部として利用されている。しかしながら、硬質金めっきは高い硬度を得るために、コバルトやニッケル等の金属と合金化させるのが一般的であるが、それらの不純物金属が0.1質量%〜1.0質量%程度金皮膜中へ共析するために金純度が低下し、ワイヤーボンディング用には利用できなかった。
【0004】
また、硬質金めっきは、はんだ実装に伴う250℃前後のリフロー処理によって、硬質金めっき皮膜中に共析しているコバルトやニッケル等の不純物が金めっき皮膜表面で酸化されるため、接触抵抗の上昇が起こりやすく、コネクター等として通電不良を引き起こすという問題があった。
【0005】
一方、純金めっきと呼ばれる純度99.99質量%以上の金皮膜は、金純度が高いため、ワイヤーボンディング接合用途の表面処理に適しており、リフロー処理における接触抵抗の上昇もないが、軟質であるため接点用途等には利用できなかった。そのため、メモリーカード等、一部の表面処理において、チップとの接続部にはワイヤーボンディング接合性、コンタクト部には接点特性というように、一つのパッケージ内で異なった特性が要求される場合、硬質金めっきと純金めっきとを別々にめっきしなければならない為、生産性が非常に悪いという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、金めっき皮膜中にコバルトやニッケルの共析を防ぐために、非水溶媒を用いて、従来の酸性浴金めっきと同等以上の性能を有する金皮膜が得られる金めっき浴が特許文献1に開示されているが、従来、電析浴の溶媒には水が使用されており、排水設備を新設しなければならない等、実用的ではなかった。
【0007】
また、ニッケル及びコバルトを硬化剤として含有するが、同時に脂肪族アルコールを含有させることにより、金めっき後にリフロー処理を行っても、接触抵抗値が上昇しないという金めっき浴が特許文献2に開示されているが、金皮膜にコバルトやニッケルが共析している以上、リフロー処理でのニッケルやコバルトの酸化による接触抵抗の上昇を抑制することには限界があり、根本的な解決には至っていない。また、金皮膜中にコバルトやニッケルの共析があるために、ワイヤーボンディング用には使用できなかった。
【0008】
更に、電析硬質金浴として、硬化剤としてニッケルやコバルトを含有させずに、アミン類を含有させる金めっき浴が、特許文献3に開示されているが、めっき浴の使用が進んでくると、めっき浴中の1価の金が、3価の金に酸化され、析出効率が低下して、析出速度が変化し、安定した析出速度が得られなくなるため、実用的ではなかった。
【0009】
【特許文献1】特開平9−031681号公報
【特許文献2】特開2004−076026号公報
【特許文献3】米国特許第296735号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、ランニングにおいて析出効率の低下がなく、金皮膜が硬質で金純度が99.9%以上である金皮膜が得られる電解金めっき液を提供することである。また、上記電解金めっき液を用いることにより、ワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方に、同一組成、同一物性の金皮膜が施された電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シアン化金塩と特定のアミン化合物及び特定の複素環式化合物を含有する電解金めっき液を用いて金皮膜を形成すれば、金皮膜の硬度が100Hv以上であり、金純度が99.9%以上で、金めっき後にリフロー処理をしても接触抵抗が上昇しない金皮膜が得られ、金めっき液のランニング中において析出効率の低下がなく、安定した製品製造ができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0012】
すなわち本発明は、シアン化金塩を金源とし、下記式(1)で示されるアミン化合物及び下記式(3)で示される複素環式化合物を含有していることを特徴とする電解金めっき液を提供するものである。
N−(R−NH)−H (1)
[式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、アリーレン基若しくはアルキレンアリーレン基を示し、nは1以上の自然数である。]
【化1】

[式(3)中、Nを含む環は、環中にNを2個以上有する複素環を示し、該複素環中の炭素原子には置換基が結合していてもよい。]
【0013】
また本発明は、更に、下記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩を含有している上記の電解金めっき液を提供するものである。
N−(SOX) (2)
[式(2)中、xはH、Na、K又はNHを示し、aは0、1又は2であり、bは1、2又は3であり、a+b=3である。]
【0014】
また本発明は、上記の電解金めっき液を用いて電解金めっきを行うことによって得られたことを特徴とする金皮膜を提供するものである。
【0015】
また本発明は、上記の電解金めっき液を用いて作製されたワイヤーボンディングパッド及びコンタクト接合部の何れにも使用可能な金皮膜を提供するものである。
【0016】
また本発明は、上記の電解金めっき液を用いて、同時に1回の電解金めっきを行うことによって製造された、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品を提供するものである。
【0017】
同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品であって、該ワイヤーボンディングパッドと該コンタクト接合部が、同一の金純度で同一のビッカース硬度を有する金皮膜が施されているものであることを特徴とする電子部品を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、金めっき後にリフロー処理をしても、接触抵抗の上昇がないので、コネクターの接点部分、コンタクト接合部の通電不良を防止でき、金の純度が高いことからワイヤーボンディング用に利用でき、電解金めっき液でのランニング中に3価の金の生成が抑制されており、電解金めっき液の析出効率も低下しないため、長期にわたり安定な製造が可能な電解金めっき液が得られる。また、ニッケル皮膜上に本発明の電解金めっきを行うことによって得られたニッケル皮膜上の金皮膜は、金の純度が高く、硬質なため非常に有用である。更に、本発明によれば、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品を、同時に1回の電解金めっきを行うことによって製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
【0020】
本発明は、シアン化金塩を金源とし、下記式(1)で示されるアミン化合物及び下記式(3)で示される複素環式化合物を含有する電解金めっき液に係るものである。
N−(R−NH)−H (1)
[式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、アリーレン基若しくはアルキレンアリーレン基を示し、nは1以上の自然数である。]
【化2】

[式(3)中、Nを含む環は、環中にNを2個以上有する複素環を示し、該複素環中の炭素原子には置換基が結合していてもよい。]
【0021】
本発明の電解金めっき液は、シアン化金塩を含有することが必須である。該シアン化金塩は、本発明の電解金めっき液の金源として用いられる。ここで「シアン化金塩」とは、「シアン化金酸塩」、「テトラシアノ金酸塩」と同義である。シアン化金塩は1種の使用に限定されず2種以上を併用することができる。
【0022】
該シアン化金塩としては、金の供給源となるものであれば特に限定はないが、シアン化第1金塩及びシアン化第2金塩からなる群より選ばれるものであることが好ましい。該シアン化金塩の金の価数(酸化数)としては、1価又は3価のどちらでも使用可能であるが、金の析出速度の観点から1価が好ましい。すなわちシアン化第1金塩が好ましい。
【0023】
該シアン化金塩の具体例としては、例えば、シアン化第1金ナトリウム、シアン化第1金カリウム、シアン化第1金アンモニウム、シアン化第2金ナトリウム、シアン化第2金カリウム、シアン化第2金アンモニウム等が挙げられる。これらのうち、上記析出速度、めっき性能、コスト及び入手が容易である点から、シアン化第1金ナトリウム又はシアン化第1金カリウムが好ましい。
【0024】
本発明の電解金めっき液中の該シアン化金塩の含有量は特に限定はないが、電解金めっき液全体に対して金属金として、通常0.5g/L〜100g/L、好ましくは2g/L〜50g/L、特に好ましくは5g/L〜30g/Lである。電解金めっき液中の金属金の含有量が少なすぎると、金皮膜の析出速度が遅く実用的でない場合があり、また、電解金めっき液中の金属金の含有量が多すぎると、金源としてのシアン化金塩の溶解が難しい場合がある。
【0025】
上記のシアン化金塩についての記載は、本発明の電解金めっき液中に存在する形態を特定するものであるが、本発明の電解金めっき液の調液の際に、溶解させる原料として、上記のシアン化金塩を用いることも好ましい。
【0026】
本発明の電解金めっき液には、上記式(1)で示されるアミン化合物及び上記式(3)で示される複素環式化合物を含有することが必須である。これらの両方を含有させることによって、電解金めっき液の析出効率も低下せず、金純度が高く、硬質な金皮膜が得られる。
【0027】
上記式(1)で示されるアミン化合物において、nは1以上の自然数を示すが、1〜12の範囲の自然数が好ましく、特に好ましくは1〜5の自然数である。
【0028】
上記式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、アリーレン(arylene)基若しくはアルキレンアリーレン基を示す。ここで、炭素数は好ましくは1〜10個、より好ましくは2〜8個、特に好ましくは2〜5個である。炭素数が多すぎると、メッキ浴への溶解速度が遅くなり作業性が低下する場合があり、また、入手しにくく、時間が経過すると個体に変わってしまい取り扱いが不便となる場合がある。
【0029】
「置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基」としては、−C2m−(mは1〜12の自然数)で表される側鎖を有してもよいアルキレン基、すなわち、−C2m−(mは1〜12の自然数)で表される直鎖構造でも側鎖構造でもよいアルキレン基等が挙げられる。これらは置換基を有していてもよい。
【0030】
また、「置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアリーレン基」としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。これらは置換基を有していてもよい。
【0031】
また、「置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレンアリーレン基」としては、上記したアルキレン基とアリーレン基が結合した基が挙げられる。これらは置換基を有していてもよい。
【0032】
上記式(1)中、Rのアルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基の置換基としては、アルキル基等が挙げられる。
【0033】
式(1)で示されるアミン化合物の好ましい具体例としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられる。これらのアミン化合物は、めっき性能、入手のしやすさ等の点で好ましい。また、式(3)で示される複素環式化合物との相乗効果として、析出効率が低下せず、金純度が高くても硬質な金皮膜が得られる。これらのアミン化合物は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
本発明の電解金めっき液中の上記式(1)で示されるアミン化合物の含有量は特に限定はないが、電解金めっき液全体に対して、通常0.01g/L〜500g/L、好ましくは0.1g/L〜200g/L、より好ましくは0.5g/L〜100g/L、特に好ましくは1g/L〜50g/Lである。電解金めっき液中に上記式(1)で示されるアミン化合物の含有量が少なすぎると、本発明の上記効果を充分に奏さない場合があり、また、電気伝導度上昇の効果を発揮しない場合があり、また、多すぎると水に溶解し難い、電気伝導度の更なる上昇の効果は見られず不経済等の問題が生じる場合がある。
【0035】
上記式(3)で示される複素環式化合物において、Nを含む環は、環中にNを2個以上有する複素環を示し、該複素環中の炭素原子には置換基が結合していてもよい。すなわち、かかる複素環は、環中に窒素原子(N)を2個以上有し、その窒素原子(N)のうちの少なくとも1つには水素原子(H)が結合して、−NH−なる構造を有しているものである。複素環には、1つの環で構成されているものも、2つ以上の環で構成されているものも含まれる。複素環が2つ以上の環で構成されている場合、複素環全体に窒素原子(N)を2個以上有していればよく、複素環中の1つの環に窒素原子(N)を2個以上有している必要はないが、複素環中の1つの環に窒素原子(N)を2個以上有していることが好ましい。かかる化合物は、金の酸化防止作用があり、原子価3価の金の生成が抑制され、原子価1価と3価の金の比率が変動することがなく、金めっき液の析出効率の低下がほとんどない金皮膜が得られる。また、式(1)で示されるアミン化合物と併用することによって、析出効率が低下せず、金純度が高くても硬質な金皮膜を与える電解金メッキ液が得られる。
【0036】
該複素環としては、π電子過剰複素環であることが好ましい。「π電子過剰複素環」の定義については、成書“Heterocyclic Chemistry, by Adrien Albert, The Anthon Press University of London,1959”に詳細に記載されている。具体的には、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズトリアゾール環等が挙げられる。上記式(3)で示される複素環式化合物としては、π電子過剰複素環式化合物が、金の酸化防止作用があるため好ましい。また、式(1)で示されるアミン化合物との相乗効果として、析出効率が低下せず、金純度が高くても硬質な金皮膜が得られる。
【0037】
該複素環中の炭素原子には置換基が結合していてもよい。かかる置換基としては特に限定はないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミノアルキル基等が挙げられる。これらの中でもアミノ基等が好ましい。
【0038】
式(3)で表わされる複素環式化合物の好ましい具体例としては、例えば、3−アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、5−アミノピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、1,2,3トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、5−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、2−アミノベンズイミダソール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。これらの複素環式化合物は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
本発明の電解金めっき液中の式(3)で示される複素環式化合物の含有量は、電解金めっき液全体に対して、通常0.01g/L〜500g/L、好ましくは0.05g/L〜100g/L、より好ましくは0.1g/L〜50g/Lであり、特に好ましくは0.5g/L〜20g/Lである。電解金めっき液中に上記式(3)で示される複素環式化合物の含有量が少なすぎると、本発明の上記効果を充分に奏さない場合があり、また、電気伝導度上昇の効果を発揮しない場合があり、また、多すぎると水に溶解し難い、電気伝導度の更なる上昇の効果は見られず不経済等の問題が生じる場合がある。
【0040】
本発明の電解金メッキには、更に、下記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩が含有されていることが好ましい。
N−(SOX) (2)
[式(2)中、xはH、Na、K又はNHを示し、aは0、1又は2であり、bは1、2又は3であり、a+b=3である。]
【0041】
本発明における上記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩としては、具体的には、例えば、アミドスルホン酸、イミドスルホン酸、ニトリロスルホン酸、前記3種のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。電解金めっきの性能、入手の容易さの点で、アミドスルホン酸アンモニウム、アミドスルホン酸ナトリウム、アミドスルホン酸カリウム、イミドスルホン酸アンモニウム、イミドスルホン酸ナトリウム、イミドスルホン酸カリウム、ニトリロスルホン酸アンモニウム、ニトリロスルホン酸ナトリウム又はニトリロスルホン酸カリウムが好ましい。これらのスルホン酸又はその塩は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0042】
本発明の電解金めっき液中の上記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩の含有量は特に限定はないが、電解金めっき液全体に対して、通常0g/L〜500g/L、好ましくは0.5g/L〜200g/L、より好ましくは2g/L〜100g/L、特に好ましくは5g/L〜50g/Lである。電解金めっき液中の上記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩の含有量が少なすぎると、電気伝導度上昇の効果を発揮しない場合があり、また、多すぎると水に溶解し難い、電気伝導度の更なる上昇の効果は見られず不経済等の問題が生じる場合がある。
【0043】
本発明の電解金めっき液は、上記成分以外にも必要に応じて、電解金めっき液のpHを一定に保つための緩衝剤、金めっき皮膜のピンホール除去若しくはめっき液の泡切れを良好にするための界面活性剤等を含有させて使用することができる。
【0044】
本発明の電解金めっき液に必要に応じて含有される緩衝剤としては、周知の緩衝剤であれば特に限定はないが、ホウ酸、リン酸等の無機酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0045】
本発明の電解金めっき液中の緩衝剤の含有量は特に限定はないが、通常1g/L〜500g/L、好ましくは10g/L〜100g/Lである。電解金めっき液中の緩衝剤の含有量が少なすぎると、緩衝効果が発揮され難い場合があり、一方、多すぎる場合は緩衝効果の上昇が見られず不経済の場合がある。
【0046】
本発明の電解金めっき液に必要に応じて含有される界面活性剤としては、周知の界面活性剤であれば特に限定はなく、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又は両性界面活性剤が用いられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0047】
ノニオン系界面活性剤としては、ノニフェノールポリアルコキシレート、α−ナフトールポリアルコキシレート、ジブチル−β−ナフトールポリアルコキシレート、スチレン化フェノールポリアルコキシレート等のエーテル型ノニオン系界面活性剤;オクチルアミンポリアルコキシレート、ヘキシニルアミンポリアルコキシレート、リノレイルアミンポリアルコキシレート等のアミン型ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0048】
アニオン系界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0049】
カチオン界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルアンモニウムベタイン、ラウリルピリジニウム塩、オレイルイミダゾリウム塩、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
【0050】
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0051】
これらは1種又は2種以上を混合して用いることができるが、好ましくはノニオン系界面活性剤又は両性界面活性剤である。
【0052】
本発明の電解金めっき液中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01g/L〜20g/Lであるが、所望の性能を発揮すればよく、特に含有量を限定するものではない。
【0053】
上記した本発明の電解金めっき液のめっき条件は特に限定されるものではないが、温度条件としては、20℃〜80℃であることが好ましく、特に好ましくは25℃〜60℃である。また、めっき液のpHはpH2.0〜pH9.0であることが好ましく、特に好ましいのは、pH3.0〜pH8.0である。また、陰極電流密度は、0.1A/dm〜10A/dmであることが好ましく、特に好ましくは0.3A/dm〜5A/dmである。
【0054】
本発明の電解金めっき液を用いて電解めっきを行うことによって得られる金皮膜の膜厚に特に限定はないが、好ましくは0.01μm〜20μm、特に好ましくは0.05μm〜5μmである。
【0055】
本発明の電解金めっき液を用いて電解金めっきを行なうときは、下地めっき処理としてニッケルめっき皮膜を形成させておくことが好ましい。このときのニッケルめっき液は特に限定されるものではないが、一般に実用されているワット浴、スルファミン浴、臭化ニッケル浴等が好適である。また、使用するニッケルめっき液にピット防止剤、1次光沢剤又は2次光沢剤を必要に応じて添加して用いることができる。ニッケルめっき浴の使用方法は、特に限定はなく定法に従って使用する。
【0056】
ニッケルめっき皮膜の膜厚も特に限定されるものではないが、0.5μm〜20μmであることが好ましく、特に好ましくは1μm〜10μmである。
【0057】
本発明の電解金めっき液を用いて電解金めっきを行なうと、その金皮膜は、リフロー処理をしても接触抵抗の上昇がないので、コネクター等コンタクト接合部の通電不良を防止でき、また、金の純度が高いのでワイヤーボンディング用にも使用可能である。すなわち、本発明の電解金めっき液を用いて電解金めっきを行なうことによって、ワイヤーボンディングパッド及びコンタクト接合部の何れにも使用可能な金皮膜を得ることができる。
【0058】
また、本発明の電解金めっき液を用いることによって、同時に1回の電解金めっきで、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品を製造することができ、コスト的に有利である。メモリーカード等においては、チップとの接続部にはワイヤーボンディングパッドがあり、コンタクト接合部も一つのパッケージ内にある場合、硬質金めっきと純金めっきとを別々にめっきしなくてもよいので、生産性が非常に良い。従って、本発明の別の態様は、本発明の電解金めっき液を用いて、同時に1回の電解金めっきを行うことによって製造された、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品に係るものである。
【0059】
本発明の電解金めっき液を用いることによって、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品であって、該ワイヤーボンディングパッドと該コンタクト接合部が、同一の金純度で同一のビッカース硬度を有する金皮膜が施されている電子部品が初めて得られるようになった。
【0060】
すなわち、この場合、該金純度は99.9質量%以上であり、ワイヤーボンディングパッド用に最適であり、該ビッカース硬度は100Hv以上であり、コンタクト接合部用に最適である。
【実施例】
【0061】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。また、電解めっき液の組成中の濃度の数値は、その成分が結晶水を含むものである場合は、結晶水を入れない質量から求めた濃度の数値である。
【0062】
<金めっき液の調製>
実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例2
シアン化金カリウムを金換算で10g/L、表1に示す各実施例及び各比較例に記載の式(1)で示されるアミン化合物を50g/L、式(2)で示されるスルホン酸又はその塩を50g/L、式(3)で示される複素環式化合物を5g/Lとなるように溶解し、pHを5.0に調製して、電解金めっき液とした。なお、pHは20質量%KOH(水酸化カリウム水溶液)と20質量%硝酸にて5.0に調整し、以下に記載の評価を行った。なお、電解金めっき液の浴温は60℃に設定した。
【0063】
<金コバルト合金めっき液の調製>
比較例3
表1、比較例3に示すように、金コバルト合金めっき液として、シアン化金(I)カリウム金換算で10g/L、硫酸コバルトをコバルト換算で0.3g/L、クエン酸3カリウム100g/L、ピリジン−3−スルホン酸5g/Lを含有し、クエン酸でpH4.2に調製し、金コバルト合金めっき液とし、以下の評価を行った。なお、浴温は40℃に設定した。
【0064】
<金ニッケル合金めっき液の調製>
比較例4
表1、比較例4に示すように、金ニッケル合金めっき液として、シアン化金(I)カリウムの形の金10g/L、硫酸ニッケルをニッケル換算で0.5g/L、クエン酸3カリウム100g/L、ピリジン−3−スルホン酸5g/Lを含有し、クエン酸でpH4.2に調製し、金ニッケル合金めっき液とし、以下の評価を行った。なお、浴温は40℃に設定した。
【0065】
【表1】

【0066】
<外観の評価方法>
上記各実施例及び各比較例で調製した金めっき液及び合金めっき液を用いて、表2に示す工程にて、10mm×10mmの銅板上の一次光沢Niめっき皮膜2.0μm上に、金皮膜0.5μmを生成し、該金皮膜の外観を目視にて確認した。目視により、以下に示す分類を行った。測定結果を表4に示す。
良好 :全面にレモンイエローの光沢を有する皮膜で、外観良好とする。
ほぼ良好:試験片の一部にくもったような白い無光沢部分があるものの、性能には影響がない皮膜で、外観ほぼ良好とする。
不良 :ヤケ(赤褐色の無光沢皮膜)が発生、外観不良とする。
【0067】
【表2】

【0068】
<硬度の測定法>
上記各実施例及び比較例で調製した金めっき液及び合金めっき液を用いて、表3に示す工程にて、10mm×10mm銅板上に20μmの金めっき皮膜を作成し、微小硬度計(MVK−G3 株式会社アカシ製)を使用し、測定荷重10gで常法によりビッカース硬度を測定した。測定は計5点行い、その平均値を金皮膜の硬度とした。結果を表4に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
<電流効率の測定法>
上記各実施例及び各比較例で調製した金めっき液及び合金めっき液の建浴直後の電流効率を測定した後、銅板を用いてダミー電解処理において、金1g/L消費させ、金1g/Lを補充する操作を計20回行い、再び電流効率を測定した。これらの結果を表4に示す。なお、電流効率は表3に示す工程によって、10mm×10mmの銅板上に20μmの金めっき皮膜を生成する際、クーロンメーター(HF−201 北斗電工株式会社製)を使用して重量法により測定した。
【0071】
<接触抵抗の測定法>
上記各実施例及び各比較例で調製した金めっき液及び合金めっき液を用いて、表2に示す工程にて、10mm×10mmの銅板上に光沢Niめっき皮膜2.0μm上の金めっき皮膜0.5μmを生成し、ヒートプレートにて260℃、5分間の熱履歴を加えたもの(熱処理後)及び熱処理前の両方の金皮膜を試料とした。これらの試料を、電気接点シュミレーター(CRS−113−Au型 株式会社山崎精機研究所製)を用いて、接触荷重2g、印加電圧20mV、印加電流10mAの条件で、純金製プローブによる4端子法によって接触抵抗の測定を行った。結果を表4に示す。
【0072】
<析出皮膜純度の測定法>
上記各実施例及び各比較例で調製した金めっき液及び合金めっき液を用いて、表3に示す工程にて、35mm×35mmの銅板上に20μmの金めっき皮膜を生成し、硝酸にて銅素材を溶解して金箔を作成した。作成した金箔の重量を測ったのち、金箔を王水20mLにて溶解させ、ICP発光分光分析装置(SPS3000 セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて不純物元素としてCu、Ni、Co、Fe、K、Naの定量分析を行い、析出金重量と不純物重量から金純度を算出した。結果を表4に示す。
【0073】
<ワイヤーボンディングプル強度の測定方法>
上記各実施例及び各比較例で調製した金めっき液及び合金めっき液を用いて、表3に示す工程にて、10mm×10mmのガラスエポキシ上銅張り板上に光沢Niめっき皮膜2.0μm上の金めっき皮膜0.5μmを生成し、エタノールに浸漬して前処理した後、ウェッジ‐ウェッジ型ボンダー(WEST BOND 5400−45G WEST BOND社製)を使用して、金ワイヤー径25μmφ、荷重80g、超音波 800mW 100msec、温度150℃の条件で、ワイヤーボンディングを行ったのち、ワイヤーボンディングされた金ワイヤーのプル強度の測定を行った。また、測定は計20回行い、平均プル強度8g以上を優れたものとした。結果を表4に示す。
【0074】
【表4】

【0075】
表4より、本発明の電解金めっき液を使用した実施例1〜実施例9は、金皮膜外観が良好又はほぼ良好で、硬度が100Hvを大きく上回り、ダミー電解後の析出効率が建浴直後の析出効率とほとんど変化しないことが分かった。また、熱処理後においても接触抵抗値の上昇がなく、ワイヤーボンディングプル強度も良好であった。
【0076】
これに対し、比較例1は、金めっき皮膜外観は良好で硬度も100Hvを大きく上回ったが、ダミー電解後の電流効率が建浴直後の電流効率と比較して、約30%も低下してしまった。また、比較例2は金皮膜外観と硬度の2点の測定結果が不良であった。比較例3及び比較例4では、熱処理後の接触抵抗値が上昇しており、また、ワイヤーボンディングプル強度も低い値となった。
【0077】
本発明の電解金めっき液は、金めっき皮膜の外観に優れ、ビッカース硬度も100Hvを大きく上回って硬質でありながら、硬質金めっきと呼ばれる金合金めっきの弱点であった加熱処理による接触抵抗の上昇の問題及び、ワイヤーボンディング特性を解決することができた。本発明の電解金めっき液を用いれば、同時に1回の電解金めっきを行うことによって、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品が製造される。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の電解金めっき液は、金めっき皮膜外観に優れ、硬質であり、加熱処理による接触抵抗の上昇を抑え、ワイヤーボンディング特性を向上させるので、電子部品の現在一般に実用化されている電解ニッケル/金めっき分野等に広く利用されるものである。更に、電解金めっき液としてもランニングによる析出効率の低下が少ないことから建浴回数を大幅に減らすことが可能で経済的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン化金塩を金源とし、下記式(1)で示されるアミン化合物及び下記式(3)で示される複素環式化合物を含有していることを特徴とする電解金めっき液。
N−(R−NH)−H (1)
[式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、アリーレン基若しくはアルキレンアリーレン基を示し、nは1以上の自然数である。]
【化1】

[式(3)中、Nを含む環は、環中にNを2個以上有する複素環を示し、該複素環中の炭素原子には置換基が結合していてもよい。]
【請求項2】
更に、下記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩を含有している請求項1に記載の電解金めっき液。
N−(SOX) (2)
[式(2)中、xはH、Na、K又はNHを示し、aは0、1又は2であり、bは1、2又は3であり、a+b=3である。]
【請求項3】
該シアン化金塩が、シアン化第1金アルカリ金属塩、シアン化第1金アンモニウム塩、シアン化第2金アルカリ金属塩又はシアン化第2金アンモニウム塩である請求項1又は請求項2に記載の電解金めっき液。
【請求項4】
該シアン化金塩が、シアン化第1金ナトリウム、シアン化第1金カリウム、シアン化第1金アンモニウム、シアン化第2金ナトリウム、シアン化第2金カリウム、シアン化第2金アンモニウムである請求項3に記載の電解金めっき液。
【請求項5】
上記式(1)で示されるアミン化合物が、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン又は2−メチル−1,5−ジアミノペンタンである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
【請求項6】
上記式(3)で示される複素環式化合物の複素環中の炭素原子に結合している置換基が、アルキル基、シクロアルキル基、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又はアミノアルキル基である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
【請求項7】
上記式(3)で示される複素環式化合物が、3−アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、5−アミノピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、1,2,3トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、5−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、テトラゾール、5−アミノテトラゾール、2−アミノベンズイミダソール又はベンズイミダゾールである請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
【請求項8】
上記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩が、アミドスルホン酸、イミドスルホン酸又はニトリロスルホン酸の、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
【請求項9】
上記式(2)で示されるスルホン酸又はその塩が、アミドスルホン酸アンモニウム、アミドスルホン酸ナトリウム、アミドスルホン酸カリウム、イミドスルホン酸アンモニウム、イミドスルホン酸ナトリウム、イミドスルホン酸カリウム、ニトリロスルホン酸アンモニウム、ニトリロスルホン酸ナトリウム又はニトリロスルホン酸カリウムである請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の電解金めっき液。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の電解金めっき液を用いて電解金めっきを行うことによって得られたことを特徴とする金皮膜。
【請求項11】
ニッケルめっき皮膜上に電解金めっきを行うことによって得られた請求項10に記載の金皮膜。
【請求項12】
請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の電解金めっき液を用いて作製されたワイヤーボンディングパッド及びコンタクト接合部の何れにも使用可能な金皮膜。
【請求項13】
請求項1ないし請求項9の何れかの請求項に記載の電解金めっき液を用いて、同時に1回の電解金めっきを行うことによって製造された、同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品。
【請求項14】
同一基板内にワイヤーボンディングパッドとコンタクト接合部の両方を有する電子部品であって、該ワイヤーボンディングパッドと該コンタクト接合部が、同一の金純度で同一のビッカース硬度を有する金皮膜が施されているものであることを特徴とする電子部品。
【請求項15】
該金純度が99.9質量%以上である請求項14に記載の電子部品。
【請求項16】
該ビッカース硬度が100Hv以上である請求項14に記載の電子部品。

【公開番号】特開2009−7656(P2009−7656A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172312(P2007−172312)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(399133947)日本高純度化学株式会社 (8)
【Fターム(参考)】