説明

電話システム、電話端末、及び電話システムの制御方法

【課題】低コストで他の交換機端末で録音された録音ファイルを参照できる電話システム、電話端末、及び電話システムの制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる電話システム1は、複数の電話端末11〜13を備える。電話端末11〜13は、録音部111、記憶部112、インデックス更新部113を備える。録音部111は、通話音声の録音データを生成する。記憶部112は、録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、録音データと、を記憶する。インデックス更新部113は、録音部111による録音データの生成処理に応じて、生成された録音データのデータ識別情報及び格納先情報を、他の電話端末に対して送信し、他の電話端末から受信したデータ識別情報及び格納先情報を、記憶部112のインデックス情報に追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話システム、電話端末、及び電話システムの制御方法に関し、特に通話音声の録音機能を有する電話システム、電話端末、及び電話システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交換機で通話音声の録音を行うためには、交換機側に高価なボイスメール装置を接続したり、交換機端末(電話端末等)に録音装置を接続したりする必要があった。しかし、近年、交換機端末としてPC(Personal Computer)が利用されるようになり、録音装置を接続しなくても、PCにおいて録音処理を実行することができる。
【0003】
PCにおいて録音処理をする場合、通話音声を録音した録音ファイルは、録音処理を実行したPC内のメモリに格納される。そのため、ある交換機端末で録音された録音ファイルを他の交換機端末から参照することが難しかった。
【0004】
そこで、録音ファイルを格納しておく専用サーバを用意して、各交換機端末で録音された録音ファイルを当該専用サーバに格納することによって、各交換機端末において、他の交換機端末で録音された録音ファイルを参照することが可能となる。
【0005】
特許文献1には、複数の電話端末と、通話録音管理装置と、を備える通話録音システムが開示されている。通話録音システムは、各電話端末に通話録音データを蓄積させ、全ての通話録音データの管理情報を通話録音管理装置に蓄積させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−204397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、各交換機端末において、他の交換機端末で録音された録音ファイルを参照するためには、録音ファイルを格納しておく専用サーバや、管理情報を蓄積する通話録音管理装置が別途必要になる。そのため、交換機及び電話端末のみを備える一般的な電話システムに比べてコストがかかってしまうという問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、低コストで他の交換機端末で録音された録音ファイルを参照できる電話システム、電話端末、及び電話システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる電話システムは、通話音声の録音データを生成する録音手段を有する複数の電話端末を備える電話システムであって、前記電話端末は、 前記録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、前記録音データと、を記憶する記憶手段と、前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データの前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末から受信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、前記記憶手段の前記インデックス情報に追加するインデックス更新手段と、を備えるものである。
【0010】
本発明にかかる電話端末は、複数の電話端末と接続された電話端末であって、通話音声の録音データを生成する録音手段と、前記音声データを識別するためのデータ識別情報と当該音声データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、前記録音データと、を記憶する記憶手段と、前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データの前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末から受信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、前記記憶手段の前記インデックス情報に追加するインデックス更新手段と、を備えるものである。
【0011】
本発明にかかる電話システムの制御方法は、通話音声の録音データを生成する録音手段と記憶手段とを有する複数の電話端末を備える電話システムの制御方法であって、一の前記電話端末の前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末が送信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、一の前記電話端末の前記記憶手段に追加するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、低コストで他の交換機端末で録音された録音ファイルを参照できる電話システム、電話端末、及び電話システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1にかかる電話システムのブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる電話端末のブロック図である。
【図3】実施の形態2にかかる電話システムのブロック図である。
【図4】実施の形態2にかかる交換機のブロック図である。
【図5】実施の形態2にかかる端末情報データベースである。
【図6】実施の形態2にかかるPC端末のブロック図である。
【図7】実施の形態2にかかる録音ファイルインデックスである。
【図8】実施の形態2にかかる端末情報の取得処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2にかかる録音ファイルインデックスの更新処理を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2にかかる録音ファイルの再生処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2にかかる録音ファイルの削除処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3にかかる録音先ポリシーである。
【図13】実施の形態3にかかる録音先ポリシーの送信処理を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態3にかかる通話音声の録音処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態4にかかる再生・削除ポリシーである。
【図16】実施の形態4にかかる再生・削除ポリシーの送信処理を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態4にかかる録音ファイルの再生処理を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態4にかかる録音ファイルの削除処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる電話システム1の構成例を図1に示す。電話システム1は、電話端末11〜13と、交換機14と、を備える。各電話端末11〜13と、交換機14と、は例えばLAN(Local Area Network)回線を介して接続されている。
【0015】
電話端末11の詳細なブロック図を図2に示す。電話端末11は、録音部111と、記憶部112と、インデックス更新部113と、を備える。これらの機能ブロックは、電話端末11内のCPU(Central Processing Unit)(図示省略)と接続されている。そして、当該CPUは、記憶部112に格納されたプログラムに応じて、上記の各機能部に対して各種の処理動作の実行を指示する。録音部111は、電話端末11における通話音声を録音し、通話音声の音声情報である録音データを生成する。
【0016】
記憶部112は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、録音部111が生成した録音データを記憶する。記憶部112は、データ識別情報と格納先情報とが対応付けられたインデックス情報を格納する。ここで、データ識別情報とは、録音データを識別可能な情報であり、例えば、ファイル名、作成日時、通話時間等である。データ識別情報は、録音部111が自動的に生成してもよいし、電話端末11のユーザが手動で作成してもよい。格納先情報とは、データ識別情報により識別される録音データが格納されている電話端末を特定するための情報であり、例えば、録音データが格納されている電話端末のID、内線番号、又は録音データの格納先のファイルパス等である。
【0017】
インデックス更新部113は、録音部111による録音データの生成処理に応じて、生成された録音データのデータ識別情報及び格納先情報を、他の電話端末(図1においては、電話端末12、13)に対してLANを介して送信する。インデックス更新部113は、他の電話端末から受信したデータ識別情報及び格納先情報を、記憶部112のインデックス情報に追加する。加えて、インデックス更新部113は、自端末において生成されたデータ識別情報及び格納先情報を自端末のインデックス情報に追加してもよい。なお、電話端末12、13の構成も、上述した電話端末11と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0018】
続いて、本実施の形態にかかる電話システム1の動作例について説明する。まず、電話端末11が、他の電話端末と通話を開始する。なお、電話端末11の通話相手となる電話端末は、内線(電話端末12、13)でもよいし、外線であってもよい。
【0019】
録音部111は、通話開始やユーザの電話端末11への操作等に応じて、通話音声を録音し、録音データを生成する。録音部111は、生成した録音データを記憶部112に格納する。つまり、電話端末11で生成された録音データは電話端末11の記憶部112のみに格納され、電話端末12、13の記憶部112には格納されない。そのため、各電話端末11〜13のメモリコストを低減できる。
【0020】
インデックス更新部113は、録音部111が生成した録音データのデータ識別情報及び格納先情報を、内線である電話端末12、13に送信する。このときのデータ識別情報は、録音部111が生成した録音データのファイル名等である。格納先情報は、録音部111が生成した録音データが格納されている電話端末、つまり、電話端末11を特定するための内線番号等である。
【0021】
電話端末12、13は、電話端末11からデータ識別情報及び格納先情報を受信する。電話端末12、13のインデックス更新部113は、受信したデータ識別情報及び格納先情報を電話端末12、13の記憶部112のインデックス情報に追加する。勿論、電話端末11のインデックス更新部113も、電話端末12、13からデータ識別情報及び格納先情報を受信した場合は、当該データ識別情報及び格納先情報を、電話端末11の記憶部112のインデックス情報に追加する。
【0022】
以上のように、本実施の形態にかかる電話システム1の構成によれば、インデックス更新部113が、電話端末11における録音データの生成処理に応じて、当該録音データのデータ識別情報及び格納先情報を他の電話端末12、13に送信する。そして、電話端末12、13のインデックス更新部113は、受信したデータ識別情報及び格納先情報を、電話端末12、13の記憶部112のインデックス情報に追加する。これにより、全ての電話端末11〜13の記憶部112に格納されているインデックス情報には、電話端末11〜13のそれぞれの記憶部112に格納されている録音データの格納先情報が記憶されることとなる。その結果、電話端末11〜13は、インデックス情報を参照することにより、電話端末11〜13で生成された録音データを格納する電話端末を特定することができる。そのため、電話端末11〜13は、別途専用サーバ等を設置することなく、電話端末11〜13で生成された録音データの全てを参照できる。したがって、低コストで他の電話端末において録音された録音ファイルを参照できる。
【0023】
<実施の形態2>
本発明にかかる実施の形態2について説明する。本実施の形態では、オフィスにおけるLAN回線を介して、交換機とそれに接続されたPC端末とを備える電話システムについて説明する。本実施の形態にかかる電話システム2の構成例を図3に示す。電話システム2は、PC端末101〜103と、交換機104と、を備える。各PC端末101〜103と、交換機104とはLAN回線を介して接続されている。
【0024】
交換機104の詳細なブロック図を図4に示す。交換機104は、LANI/F部201と、CPU202と、メモリ203と、を備える。LANI/F部201は、オフィスに設置されたLAN回線に接続され、信号の送受信を行う。CPU202は、内部回線を介して、他の機能ブロックと接続され、交換機104全体を制御する。メモリ203は、交換機104の制御に必要なソフトウェアやデータを使用する際の作業領域として使用される。
【0025】
交換機104のメモリ203に格納されるデータについて、図5を参照して説明する。メモリ203には、図5に示すように、PC端末101〜103の端末情報を示すテーブル(端末情報データベース)が格納されている。具体的には、図5に示す端末情報データベースには、内線番号401と、端末種別402と、PCアドレス/名称403とが対応付けられて格納されている。
【0026】
内線番号401は、PC端末の識別子となる内線番号である。端末種別402は、該当端末がPC端末なのか通常の端末かを示す種別情報である。PCアドレス/名称403は、端末種別402がPC端末の場合に、該当端末の識別子となるアドレス若しくは名称、又はその両方である。
【0027】
PC端末101の詳細なブロック図を図6に示す。PC端末101は、ユーザI/F部301と、音声入出力部302と、LANI/F部303と、CPU304と、HDD(Hard Disk Drive)305と、メモリ306と、を備える。
【0028】
ユーザI/F部301は、PC端末101を利用するユーザの入力をキーボード・マウス等により取得する。また、ユーザI/F部301は、ユーザへの通知情報をディスプレイ等に表示する。音声入出力部302は、音声通話を行う際に、ユーザからの音声を受信し、スピーカに通話相手からの音声を再生して送信する。LANI/F部303は、オフィスに設置されたLAN回線に接続され、他のPC端末102、103や交換機104とデータ及び信号の送受信を行う。CPU304は、PC端末101の機器全体を制御する。CPU304は、実施の形態1の録音部111及びインデックス更新部113に対応する処理も実行する。加えて、CPU304は、再生手段、削除指示手段、及び削除通知手段としての処理も実行する。
【0029】
HDD305は、実施の形態1の記憶部112に対応し、録音ファイルインデックス(インデックス情報)を格納する。メモリ306は、機器の制御に必要なソフトウェアやデータを使用する際の作業領域として使用される。なお、PC端末102、103の構成も、上述したPC端末101と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0030】
PC端末101〜103のHDD305に格納されるデータについて、図7を参照して説明する。HDD305には、図5に示すように、自端末を含む全てのPC端末101〜103に保存されている録音ファイル(録音データ)の情報を格納する録音ファイルインデックス(テーブル情報)が格納されている。録音ファイルインデックスには、録音ファイルの情報として、格納先PCアドレス/名称501と、録音開始日時分秒502と、通話相手番号503と、通話相手種別504と、自番号505と、自種別506と、通話時間507と、格納先ファイルパス508と、が対応付けられて格納されている。
【0031】
格納先PCアドレス/名称501は、その録音ファイルを保存している端末の識別子となるアドレス若しくは名称、またはその両方である。録音開始日時分秒502は、その録音ファイルの録音開始時間である。通話相手番号503は、その録音ファイルの通話相手の電話番号である。通話相手種別504は、その録音ファイルの通話相手が外線なのか内線なのかを示す種別情報である。自番号505は、その録音ファイルの録音を行った端末の電話番号(内線番号)である。自種別506は、その録音ファイルの録音を行った端末が外線か内線かを示す種別情報である。通話時間507は、その録音ファイルの録音時間である。格納先ファイルパス508は、その録音ファイルが該当端末のどの場所に保存されているかを示す位置情報である。録音ファイルインデックスにおいて、格納先PCアドレス/名称501が、格納先情報に対応する。また、録音開始日時分秒502〜通話時間507が、データ識別情報に対応する。
【0032】
続いて、本実施の形態にかかる電話システム2の動作例について説明する。前提として、PC端末101の名称は"PCNAME001"、PC端末102の名称は"PCNAME002"、PC端末103の名称は"PCNAME003"とする。PC端末101〜103の端末種別は全て"内線"とする。PC端末101の内線番号は"101"、PC端末102の内線番号は"102"、PC端末103の内線番号は"103"とする。まず、PC端末101で通話を録音・保存し、PC端末102でその録音ファイルを再生し、PC端末103でその録音ファイルを削除する場合について、図8〜図11のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
はじめに、PC端末101〜103が、各PC端末の端末情報を取得する処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。まず、PC端末101〜103において、ユーザが、ユーザI/F部301を操作して、交換機104と接続して動作する電話端末ソフトウェアを起動する。具体的には、PC端末101〜103のCPU304は、ユーザI/F部301の動作に応じて、HDD305から電話端末ソフトウェアを読み出しメモリ306上で実行する(ステップS101)。
【0034】
PC端末101〜103のCPU304は、LANI/F部303を介して、交換機104に対して、交換機104に接続された全ての端末情報を要求する(ステップS102)。
【0035】
交換機104が、LANI/F部201を介してその要求を受信すると、CPU202は、メモリ203に格納された端末情報データベース(図5参照)を読み出す。CPU202は、読み出した端末情報データベースを、LANI/F部201を介して、PC端末101〜103に対して送信する。PC端末101〜103が、LANI/F部303を介して端末情報データベースを受信すると、PC端末101〜103のCPU304は、HDD305にその情報を書き込み保存する(ステップS103)。以上の処理によって、PC端末101〜103は、各PC端末の端末情報を取得する。
【0036】
次に、PC端末101が、PC端末102、103に対して録音ファイルインデックスを送信することにより、録音ファイルインデックスが更新される処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。まず。PC端末101が、PC端末102に対して発信する。PC端末102が応答すると、PC端末101のCPU304は、音声入出力部302を介してやり取りされるPC端末101とPC端末102との間の通話音声を録音する(ステップS201)。具体的には、CPU304は、PC端末101とPC端末102とが通話している間、通話音声をHDD305の一時的な保存先に常に保存する。
【0037】
PC端末101とPC端末102との通話が終了すると、PC端末101のCPU304は、HDD305への通話録音を停止し、録音ファイルを生成する。そして、CPU304は、生成した録音ファイルをHDD305の所定の格納先に保存する(ステップS202)。
【0038】
その後、PC端末101のCPU304は、HDD305に保存されている録音ファイルインデックス(図7参照)に、今回の録音ファイルの情報(格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508)を追記する。具体的には、PC端末101のCPU304は、格納先PCアドレス/名称501にPC端末101の名称"PCNAME001"を、録音開始日時分秒に502に録音開始した日時・分・秒を、通話相手番号503に今回の通話相手であるPC端末102の内線番号である"102"を、通話相手種別504に今回の通話相手であるPC端末の種別である"内線"を、自番号505に自端末の内線番号である"101"を、自種別506に自端末の種別である"内線"を、通話時間507に今回の通話時間を、格納先ファイルパス508にHDD305上の録音ファイルの所定の格納先の位置情報を追記する。言い換えると、PC端末101のCPU304は、録音ファイルインデックスを最新の状態に更新する。
【0039】
そして、PC端末101のCPU304は、図8のステップS103で取得した端末情報データベースを参照して、自端末以外の全ての端末(PC端末102、PC端末103)のPCアドレス/名称("PCNAME002"、"PCNAME003")宛に、今回の録音において追記した情報(格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508)を、LANI/F部303を介して送信する。PC端末102、103のCPU304は、受信した情報を自身のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスに追記し、録音ファイルインデックスを更新する(ステップS203)。以上の処理によって、録音ファイルインデックスが更新される。
【0040】
次に、PC端末102が、PC端末101において録音された録音ファイルを再生する処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。まず、PC端末102のユーザが、ユーザI/F部301を通じて、CPU304に対して録音ファイル一覧の表示を要求する。PC端末102のCPU304は、PC端末102のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスを読み出す。PC端末102のCPU304は、ユーザI/F部301を介して、PC端末102のディスプレイに読み出した録音ファイルインデックスを表示する。
【0041】
図7に示す録音ファイルインデックスにおいては、一番上の行に先ほどのPC端末101とPC端末102の通話をPC端末101で録音したファイルの情報が含まれている。PC端末102のユーザは、ユーザI/F部301を通じて再生したい録音ファイルの情報を指定してCPU304に再生を指示する(ステップS301)。PC端末102のCPU304は、PC端末102のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスのうち、ユーザに指定された録音ファイル(PC端末101とPC端末102との通話音声)の格納先PCアドレス/名称501と格納先ファイルパス508とを参照して読み出す(ステップS302)。PC端末102のCPU304は、読み出したPC名称と格納先ファイルパス情報(図7においては"PCNAME001"、"\RecData\001\")をもとに、PC端末101のHDD305に格納されている該当する録音ファイルをLANI/F部303を介して読み出す。そして、PC端末102のCPU304が、PC端末102の音声入出力部302に対して読み出した録音ファイルを音声出力することにより該当録音ファイルの再生を行う(ステップS303)。以上の処理によって、録音ファイルが再生される。
【0042】
次に、PC端末103が、PC端末101において録音された録音ファイルを削除する処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。まず、PC端末103のユーザが、ユーザI/F部301を通じて、PC端末103のCPU304に対して録音ファイル一覧の表示を要求する。PC端末103のCPU304は、PC端末103のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスを読み出す。PC端末103のCPU304は、ユーザI/F部301を介して、PC端末103のディスプレイに読み出した録音ファイルインデックスを表示する。
【0043】
図7に示す録音ファイルインデックスにおいては、一番上の行に先ほどのPC端末101とPC端末102の通話をPC端末101で録音したファイルの情報が含まれている。PC端末103のユーザは、ユーザI/F部301を介して、削除したい録音ファイルの情報を指定してCPU304に削除を指示する(ステップS401)。
【0044】
PC端末103のCPU304は、PC端末103のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスのうち、ユーザに指定された録音ファイル(PC端末101とPC端末102との通話音声)の格納先PCアドレス/名称501と格納先ファイルパス508とを参照して読み出す。PC端末103のCPU304は、読み出した格納先PCアドレス/名称501に記載されているPC端末(ファイル保有PC端末であるPC端末101)に対して、該当ファイルの削除要求信号を送信する(ステップS402)。その際、PC端末103のCPU304は、該当ファイルを特定するための情報として図7の録音開始日時分秒502〜格納先ファイルパス508の情報も併せて送信する。
【0045】
削除要求信号を受信したPC端末101のCPU304は、削除要求されたファイルがPC端末101のHDD305に存在しており、削除可能か確認する(ステップS403)。削除要求された録音ファイルが存在しており、削除可能な状態の場合(ステップS403:Yes)、PC端末101のCPU304は、該当録音ファイルを削除すると共に、PC端末101のHDD305に格納された録音ファイルインデックスからも削除した録音ファイルに対応する情報を削除する。さらに、PC端末101のCPU304は、削除指示を送信したPC端末103(依頼PC端末)に対して、削除成功通知を送信する。PC端末103のCPU304は、削除成功をディスプレイに表示することにより、ユーザに対して削除成功を報知する(ステップS404)。
【0046】
そして、PC端末101のCPU304は、削除した格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508の情報を、ステップS103で取得した端末情報を参照して、自分以外の全ての端末に送信する。本実施例においては、PC端末101のCPU304は、PC端末102、103のPCアドレス/名称"PCNAME002"、"PCNAME003"宛に、削除した格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508の情報を、LANI/F部303を介して送信する。
【0047】
PC端末102、103のCPU304は、PC端末101から受信した格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508の情報を、自身のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスから削除する。言い換えると、PC端末102、103のCPU304は、録音ファイルインデックスを最新の状態に更新する。
【0048】
一方、削除要求されたファイルが存在しない、若しくは何らかの理由で削除できない状態の場合(ステップS403:No)、PC端末101のCPU304は、PC端末103に対して、LANI/F部303を介して、削除に失敗した旨の失敗通知を失敗理由と共に送信する。PC端末103のCPU304は、失敗通知を受信すると、PC端末103のユーザI/F部301を介して、削除失敗とその理由をディスプレイに表示することによりユーザに対して削除失敗を報知する(ステップS405)。
【0049】
以上のように、本実施の形態にかかる電話システム2の構成によれば、PC端末101〜103は、録音ファイルの生成処理に応じて、当該録音ファイルの各種情報(格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508)を自端末以外のPC端末に送信する。そして、PC端末101〜103は、受信した各種情報を、録音ファイルインデックスに追加する。そのため、PC端末101〜103は、録音ファイルインデックスを参照することにより、自端末以外のPC端末に格納されている録音ファイルの格納場所を特定できる。これにより、PC端末101〜103は、ユーザから他のPC端末に格納されている録音ファイルの再生指示があった場合に、他のPC端末に格納されている録音ファイルを参照して再生できる。加えて、PC端末101〜103は、ユーザから他のPC端末に格納されている録音ファイルの削除指示があった場合に、削除すべき録音ファイルを格納しているPC端末を特定して、当該PC端末に対して削除する旨の指示ができる。つまり、別途専用サーバ等を設置することなく、PC端末101〜103で生成された録音ファイルの全てを、各PC端末において管理(再生・削除)できる。その結果、低コストで全ての録音ファイルを管理することができる。
【0050】
<実施の形態3>
本発明にかかる実施の形態3について説明する。本実施の形態にかかる電話システムの構成は、図3に示した電話システム2の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。上述した実施の形態においては、録音ファイルの保存先は常に録音を実行したPC端末内のHDD305であったが、本実施の形態では通話したPC端末の番号・種別によって録音ファイルの保存先を変更可能としている。
【0051】
なお、本実施の形態においては、PC端末101が管理者PC端末であるものとする。PC端末101のHDD305には、管理者によって図12に示す録音先ポリシーが格納されているものとする。
【0052】
図12に示す録音先ポリシーには、録音ファイルの格納先を決定するための情報として、通話相手番号601と、通話相手種別602と、自番号603と、自種別604と、格納先PCアドレス/名称605と、格納先ファイルパス606と、が対応付けられて格納されている。録音先ポリシーの通話相手番号601〜自種別604の情報に応じて、当該通話音声の録音ファイルの格納先(格納先PCアドレス/名称605及び格納先ファイルパス606)が決定される。なお、各パラメータの意味は、図7において説明した意味と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0053】
続いて、本実施の形態にかかる電話システムの動作について説明する。まず録音先ポリシーの送信処理について、図13に示すフローチャートを参照して説明する。始めに、PC端末101とPC端末102との通話音声をPC端末102が録音し、PC端末101が保存する場合について説明する。なお、PC端末102、PC端末103は既に図8のステップS101〜ステップS103の処理を実行済みであるものとする。
【0054】
まず、PC端末101のユーザが、ユーザI/F部301を介して、交換機104と接続して動作する電話端末ソフトウェアを起動する。これにより、PC端末101のCPU304は、HDD305から電話端末ソフトウェアを読み出しメモリ306上で実行する(ステップS501)。
【0055】
PC端末101のCPU304は、LANI/F部303を介して、交換機104に対して、交換機104に接続された全てのPC端末情報データベース(図5参照)を要求する(ステップS502)。
【0056】
交換機104は、LANI/F部201を介して、PC端末101からの要求を受信すると、交換機104のCPU202は、メモリ203に格納された端末情報データベースを読み出し、LANI/F部201を介して、全てのPC端末の端末情報をPC端末101に送信する。PC端末101が、LANI/F部303を介して、端末情報を受け取ると、PC端末101のCPU304は、PC端末101のHDD305に端末情報データベースを書き込み保存する(ステップS503)。
【0057】
PC端末101のCPU304は、ステップS503で取得した端末情報データベースを参照して、自端末以外の全てのPC端末(PC端末102、PC端末103)のPCアドレス/名称("PCNAME002"、"PCNAME003")宛に、図12に示した録音先ポリシーに記載されている全情報を、LAN I/F部303を介して送信する(ステップS504)。PC端末102、103のCPU304は、受信した録音先ポリシーを自身のHDD305に保存する。以上の処理によって、録音先ポリシーが各PC端末に送信される。
【0058】
次に、通話音声の録音処理について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。まず、PC端末102は、PC端末101に対して発信を行う。PC端末101が応答すると、PC端末102のCPU304は、PC端末101、102の音声入出力部302を介してやり取りされるPC端末101とPC端末102との間の通話音声を、PC端末102のHDD305の一時的な保存先に、通話している間常に保存する(ステップS601)。
【0059】
PC端末101とPC端末102との通話が終了すると、PC端末102のCPU304は、通話録音を終了する(ステップS602)。PC端末102のCPU304は、ステップS504においてPC端末102のHDD305に保存した録音先ポリシー(図12参照)を読み出し、最初のエントリから順番に、今回の通話条件と通話相手番号601〜自種別604の条件とを比較する。通話条件とは、図12の通話相手番号601〜自種別604のように、通話が行われた条件を示す情報を意味する。
【0060】
まず、最初のエントリをチェックすると、通話相手番号601は"ANY"である。"ANY"とは、どのような値(番号)であっても良いという意味であるため、この条件は満足する。
【0061】
通話相手種別602は"外線"であるが、今回の通話相手はPC端末101であり"内線"である。そのため、この条件は満足しない。ここで、最初のエントリは満足しないことが明らかになったため、PC端末102のCPU304は、次のエントリをチェックする。
【0062】
次のエントリの通話相手番号601は"ANY"であるため、この条件は満足する。通話相手種別602は"内線"である。今回の通話相手はPC端末101であり"内線"であるため、この条件も満足する。自番号603は"101 or 102"である。これは自分の内線番号が"101"又は"102"という意味である。今回の自番号はPC端末102の内線番号であり"102"であるため、この条件も満足する。自種別604は"内線"であり、PC端末102は"内線"であるため、この条件も満足する。したがって、2番目のエントリについては、通話相手番号601〜自種別604の全ての条件を満足する。そのため、PC端末102のCPU304は、このエントリに記載されている格納先PCアドレス/名称605及び格納先ファイルパス606を、録音ファイルの保存先として決定し、読み出す(ステップS603)。
【0063】
格納先PCアドレス/名称605には、PC端末101の名称が記載されているため、PC端末102のCPU304は、LANI/F部303を介して、PC端末101に対して、格納先ファイルパス606に記載された場所に格納する指示を送る。これにより、PC端末102のCPU304は、一時的な保存先に保存してある録音ファイルをPC端末101に送信する。それと共に、PC端末102のCPU304は、録音ファイルインデックス(図7参照)の格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508もPC端末101に送信する。
【0064】
具体的には、PC端末102のCPU304は、格納先PCアドレス/名称501に該当する情報としてPC端末101の名称"PCNAME001"を、録音開始日時分秒502に該当する情報として録音開始した日時・分・秒を、通話相手番号503に該当する情報として、今回の通話相手であるPC端末101の内線番号である"101"を、通話相手種別504に相当する情報として、今回の通話相手であるPC端末の種別である"内線"を、自番号505に該当する情報として、自端末の内線番号である"102"を、自種別506に該当する情報として、自端末の種別である"内線"を、通話時間507に該当する情報として今回の通話時間を、格納先ファイルパス508に該当する情報として、録音先ポリシーの格納先ファイルパス606に記載された格納先の位置情報("\RecData\001\")を送信する。
【0065】
PC端末101のCPU304は、PC端末101のHDD305の指示された格納場所に、PC端末102から受信した録音ファイルを格納する。つまり、今回生成された録音ファイルは、録音ファイルを生成したPC端末102ではなく、PC端末101に格納される。それと共に、PC端末101のCPU304は、PC端末101のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスに対して、PC端末102から受信した格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508を追記する。
【0066】
そして、PC端末101のCPU304は、今回の録音処理で追記した格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508の情報を、ステップS103において取得した端末情報データベースを参照して、自端末以外の全てのPC端末(PC端末102、PC端末103)のPCアドレス/名称("PCNAME002"、"PCNAME003")に送信する。PC端末102、103のCPU304は、受信した情報を自身のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスに追記する(ステップS604)。
【0067】
以上のように、本実施の形態にかかる電話システムの構成によれば、PC端末101〜103が通話条件に応じた録音ファイルの格納先が記載されている録音ポリシーを記憶している。そのため、録音処理を行ったか否かに拘らず、通話条件に応じて録音ファイルが格納されるPC端末が決定される。そのため、特定の通話条件の録音ファイルを任意のPC端末に格納できる。これにより、通話の重要度や、PC端末の仕様等に応じて、録音ファイルの格納先の管理をすることができ、電話システムの利便性が向上する。
【0068】
<実施の形態4>
本発明にかかる実施の形態4について説明する。本実施の形態にかかる電話システムの構成は、図3に示した電話システム2の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。上述した実施の形態においては、録音ファイルの再生・削除は、どのPC端末でも可能であったが、本実施の形態においては、管理者が指定した端末でのみ再生・削除可能としている。
【0069】
なお、本実施の形態においては、PC端末101が管理者PC端末であるものとする。PC端末101のHDD305には、管理者によって図15に示す再生・削除ポリシーが格納されているものとする。
【0070】
図15に示す再生・削除ポリシーには、録音ファイルを再生・削除可能なPC端末を決定するための情報として、通話相手番号701と、通話相手種別702と、自番号703と、自種別704と、再生権限(番号)705と、再生権限(種別)706と、削除権限(番号)707と、削除権限(種別)708とが対応付けられて格納されている。再生・削除ポリシーの通話相手番号701〜自種別704の情報に応じて、当該通話音声の録音ファイルを再生・削除できるPC端末が決定される。再生権限(番号)705は、録音ファイルを再生可能な端末の番号を意味する。再生権限(種別)706は、録音ファイルを再生可能な端末の種別を意味する。同様に、削除権限(番号)707及び削除権限(種別)708は、録音ファイルを削除可能な端末の番号及び種別を意味する。なお、通話相手番号701〜自種別704の意味は、図7において説明した意味と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0071】
続いて、本実施の形態にかかる電話システムの動作について説明する。以下の説明においては、PC端末101とPC端末102との通話音声の録音ファイルがPC端末101で保存されており、当該ファイルをPC端末103から再生・削除する場合について説明する。始めに、再生・削除ポリシーを全てのPC端末101〜103に送信する処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。なお、PC端末102、PC端末103は既にステップS101〜ステップS103の処理を実行済みとする。
【0072】
まず、PC端末101のユーザが、ユーザI/F部301を介して、交換機104と接続して動作する電話端末ソフトウェアを起動する。PC端末101のCPU304は、HDD305から電話端末ソフトウェアを読み出しメモリ306上で実行する(ステップS701)。
【0073】
PC端末101のCPU304は、LANI/F部303を介して、交換機104に対して、交換機104に接続された全ての端末情報を要求する(ステップS702)。
【0074】
交換機104は、LANI/F部201を介して、端末要求を受信すると、交換機104のCPU202は、メモリ203に格納された図5の端末情報データベースを読み出す。交換機104のCPU202は、LANI/F部201を介して、PC端末101に端末情報データベースを送信する。PC端末101のCPU304は、LANI/F部303を介して端末情報データベースを受け取ると、PC端末101のHDD305にその情報を書き込み保存する(ステップS703)。
【0075】
PC端末101のCPU304は、ステップS603において取得した端末情報データベースを参照して、自端末以外の全ての端末(PC端末102、PC端末103)のPCアドレス/名称("PCNAME002"、"PCNAME003")宛に、図15の再生・削除ポリシーに記載されている全情報を、LANI/F部303を介して送信する(ステップS704)。PC端末102、103のCPU304は、受信した再生・削除ポリシーの情報を自身のHDD305に保存する。以上の処理によって、再生・削除ポリシーが送信される。
【0076】
次に、PC端末101に格納されている録音ファイルをPC端末103から再生する処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。まず、PC端末103のユーザが、ユーザI/F部301を介して、PC端末103のCPU304に対して録音ファイル一覧の表示を要求する。
【0077】
PC端末101のCPU304は、PC端末101のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスを読み出し、ユーザI/F部301を介して、PC端末101のディスプレイに録音ファイルインデックスの内容を表示する。録音ファイルインデックスには、PC端末101とPC端末102との通話をPC端末102において録音した録音ファイルの情報が含まれている。PC端末103のユーザは、ユーザI/F部301を介して、ディスプレイに表示された情報の中から、再生したい録音ファイルを指定してPC端末103のCPU304に再生を指示する(ステップS801)。
【0078】
PC端末103のCPU304は、PC端末103のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスの格納先PCアドレス/名称501を参照して、格納先PCアドレス/名称501に記載されているPC端末(PC端末101)に対して、該当録音ファイルの再生要求を送信する(ステップS802)。その際、該当録音ファイルを特定するための情報として録音開始日時分秒502〜格納先ファイルパス508の情報も併せて送信する。
【0079】
PC端末101のCPU304は、再生要求された録音ファイルがPC端末101のHDD305上に存在して再生可能か否か確認する(ステップS803)。録音ファイルが存在しており再生可能な状態の場合(ステップS803:Yes)、PC端末101のCPU304は、ステップS604において受信した再生・削除ポリシーを参照して、最初のエントリから順番に、再生要求があった録音ファイルの情報と通話相手番号701〜自種別704に記載されている条件とを比較する(ステップS804)。最初のエントリをチェックすると、通話相手番号701は"ANY"である。"ANY"はどのような値であっても良いという意味のため、この条件は満足する。
【0080】
通話相手種別702は"外線"であるが、今回の通話相手はPC端末101であり"内線"である。そのため、この条件は満足しない。ここで、最初のエントリは満足しないことが明らかになったため、PC端末101のCPU304は、次のエントリをチェックする。
【0081】
次のエントリの通話相手番号701は"ANY"であるため、この条件は満足する。通話相手種別702は"内線"である。今回の通話相手はPC端末101であり"内線"であるため、この条件も満足する。自番号703は"ANY"であるため、この条件も満足する。自種別704は"ANY"であるため、この条件も満足する。したがって、2番目のエントリは通話相手番号701〜自種別704の全ての条件を満足する。そのため、PC端末101のCPU304は、このエントリに記載されている再生権限(番号)705と再生権限(種別)706とを読み出す。再生権限(番号)705には再生可能な端末の番号として"ANY"が記載されているため、PC端末103はこの再生条件を満足する。再生権限(種別)706には再生可能な端末の種別として"内線"が記載されており、PC端末103は内線のためこの再生条件も満足する。つまり、PC端末103は、再生要求を行った録音ファイルを再生可能であることを意味する(ステップS804:Yes)。
【0082】
PC端末101のCPU304は、この結果により、PC端末103に対して、LAN I/F部303を介して、再生許可信号を送信する(ステップS806)。
【0083】
PC端末103のCPU304は、PC端末103のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスの格納先PCアドレス/名称501と格納先ファイルパス508とを参照して読み出す。PC端末103のCPU304は、読み出したPC名称と格納先ファイルパス情報("PCNAME001"、"\RecData\001\")に基づいて、PC端末101のHDD305に格納されている該当する録音ファイルをLANI/F部303を介して読み出す。その後、PC端末103のCPU304は、PC端末103の音声入出力部302に対して音声出力することにより該当録音ファイルの再生を行う(ステップS807)。
【0084】
一方、ファイルが存在していない、若しくは何らかの理由で再生できない状態の場合や、再生・削除ポリシーに基づく確認結果において、再生を要求したPC端末103に再生権限がない場合(ステップS803:No、ステップS804:No)、PC端末101のCPU304は、PC端末103に対して、LANI/F部303を介して、再生拒否通知を拒否理由と共に送信する(ステップS805)。再生拒否通知を受信したPC端末103のCPU304は、ユーザI/F部301を介して、ユーザに対して再生失敗とその理由をPC端末103のディスプレイに表示することによって報知する。
【0085】
なお、通話相手番号701〜自種別704に基づく確認において、再生要求があった録音ファイルと条件一致するエントリがなかった場合の処理は、常に再生拒否(ステップS805)とするか、もしくは常に再生許可(ステップS806)とする。
【0086】
次に、PC端末101に格納されている録音ファイルをPC端末103から削除する処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。まず、PC端末103のユーザが、ユーザI/F部301を介して、PC端末103のCPU304に対して録音ファイル一覧の表示を要求する。PC端末103のCPU304は、PC端末103のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスを読み出す。PC端末103のCPU304は、読み出した録音ファイルインデックスを、ユーザI/F部301を介して、PC端末103のディスプレイに表示する。録音ファイルインデックスには、PC端末101とPC端末102との通話をPC端末102において録音した録音ファイルの情報が含まれている。PC端末103のユーザは、ユーザI/F部301を介して、削除したい録音ファイルの情報を指定してCPU304に削除を指示する(ステップS901)。
【0087】
PC端末103のCPU304は、PC端末103のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスにおいて、削除指示された格納先PCアドレス/名称501を参照して読み出す。PC端末103のCPU304は、読み出した格納先PCアドレス/名称501に記載されているPC端末(PC端末101)に対して、該当ファイルの削除要求を送信する(ステップS902)。その際、PC端末103のCPU304は、該当ファイルを特定するための情報として、録音開始日時分秒502〜格納先ファイルパス508の情報も併せて送信する。
【0088】
削除要求を受信したPC端末101のCPU304は、削除要求された録音ファイルがPC端末101のHDD305上に存在して削除可能か確認する(ステップS903)。労音ファイルが存在しており削除可能な状態の場合(ステップS903:Yes)、PC端末101のCPU304は、ステップS604において受信した再生・削除ポリシーを参照して、最初のエントリから順番に、削除要求があった録音ファイルの情報と通話相手番号701〜自種別704に記載されている条件を比較する(ステップS904)。
【0089】
まず、最初のエントリをチェックすると、通話相手番号701は"ANY"である。"ANY"はどのような値(番号)であっても良いという意味のため、この条件は満足する。通話相手種別702は"外線"であるが、今回の通話相手はPC端末101であり"内線"である。そのため、この条件は満足しない。ここで、最初のエントリは満足しないことが明らかになったため、PC端末101のCPU304は、次のエントリをチェックする。
【0090】
次のエントリの通話相手番号701は"ANY"であるため、この条件は満足する。通話相手種別702は"内線"である。今回の通話相手はPC端末101であり"内線"であるため、この条件も満足する。自番号703は"ANY"であるため、この条件も満足する。自種別704は"ANY"であるため、この条件も満足する。したがって、2番目のエントリは701〜704の全ての条件を満足する。そのため、PC端末101のCPU304は、このエントリに記載されている削除権限(番号)707と削除権限(種別)708を読み出す。削除権限(番号)707には削除可能な端末の番号として"ANY"が記載されているため、この削除条件は満足する。削除権限(種別)708には、削除可能な端末の種別として"内線"が記載されており、PC端末103は内線のためこの削除条件も満足する。つまり、PC端末103は、削除要求を行った録音ファイルを削除可能であることを意味する(ステップS904:Yes)。
【0091】
この結果により、PC端末101のCPU304は、該当録音ファイルを削除する。そして、PC端末101のCPU304は、削除指示を送信したPC端末103に対して、削除成功通知を送信する。PC端末103のCPU304は、削除成功をディスプレイに表示することにより、ユーザに対して削除成功を報知する(ステップS906)。さらに、PC端末101のCPU304は、HDD305に格納された録音ファイルインデックスから該当録音ファイルに対応する情報を削除する。
【0092】
そして、PC端末101のCPU304は、削除した部分の格納先PCアドレス/名称501〜格納先ファイルパス508を、ステップS703で取得した端末情報データベースを参照して、自端末以外の全ての端末(PC端末102、PC端末103)のPCアドレス/名称("PCNAME002"、"PCNAME003")宛に送信する。PC端末102、103のCPU304は、受信した情報を自身のHDD305に保存されている録音ファイルインデックスから削除する。言い換えると、PC端末102、103のCPU304は、録音ファイルインデックスを最新の状態に更新する。
【0093】
一方、ファイルが存在していない、もしくは何らかの理由で削除できない状態の場合や、再生・削除ポリシーに基づく確認結果において、削除を要求したPC端末103に削除権限がない場合(ステップS903:No、ステップS904:No)、PC端末101のCPU304は、PC端末103に対して、LANI/F部303を介して削除失敗通知を失敗理由とともに送信する(ステップS905)。削除失敗通知を受信したPC端末103のCPU304は、ユーザI/F部301を介して、削除失敗とその理由をPC端末103のディスプレイに表示することによりユーザに対して報知する。
【0094】
なお、通話相手番号701〜自種別704に基づく確認において、削除要求があった録音ファイルと条件一致するエントリがなかった場合の処理は、常に削除拒否(ステップS905)とするか、若しくは常に削除許可(ステップS906)とする。
【0095】
以上のように、本実施の形態にかかる電話システムの構成によれば、PC端末101〜103が通話条件に応じて再生・削除権限を有するPC端末を決定する再生・削除ポリシーを記憶している。そのため、通話条件に応じてPC端末の再生処理・削除処理の実行を制限できる。したがって、録音ファイルを意図しない者に聞かれたり、削除されたりすることを防止でき、電話システムのセキュリティが向上する。
【0096】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本発明にかかる電話システムの構成は、図1や図3に示した構成に限られず、図2に示すような構成を有さない電話端末が含まれていてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0098】
(付記1)
通話音声の録音データを生成する録音手段を有する複数の電話端末を備える電話システムであって、
前記電話端末は、
前記録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、前記録音データと、を記憶する記憶手段と、
前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データの前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末から受信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、前記記憶手段の前記インデックス情報に追加するインデックス更新手段と、
を備える電話システム。
【0099】
(付記2)
前記電話端末は、
前記録音データの再生指示に応じて、前記インデックス情報を参照し、再生を指示された前記録音データを格納する他の前記電話端末から前記録音データを読み出し、当該録音データを再生する再生手段をさらに備える付記1に記載の電話システム。
【0100】
(付記3)
前記電話端末は、
ユーザからの削除指示に応じて、前記インデックス情報を参照し、削除を指示された前記録音データを格納する他の前記電話端末に対して、当該録音データの削除を指示する削除指示手段をさらに備える付記1又は2に記載の電話システム。
【0101】
(付記4)
前記電話端末は、
前記録音データを削除した場合、前記録音データを削除したことを、他の前記電話端末に通知する削除通知手段をさらに備える付記1〜3のいずれか一項に記載の電話システム。
【0102】
(付記5)
前記削除通知手段は、前記録音データを削除したことに加えて、削除した前記録音データに対応する前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に通知する付記4に記載の電話システム。
【0103】
(付記6)
前記録音手段は、生成した録音データを、当該録音データの通話条件に応じて決定される他の前記電話端末の前記記憶手段に格納する付記1〜5のいずれか一項に記載の電話システム。
【0104】
(付記7)
前記再生手段は、再生を指示された前記録音データの通話条件に応じて、当該録音データの再生処理の実行が制限される付記2に記載の電話システム。
【0105】
(付記8)
前記電話端末は、他の前記電話端末の前記削除指示手段から削除指示を受けた場合、削除を指示された前記録音データの通話条件に応じて、削除を指示された前記録音データを削除する付記3に記載の電話システム。
【0106】
(付記9)
前記通話条件は、通話相手番号、通話相手種別、自番号、及び自種別のうち少なくとも一つを含む付記6〜8のいずれか一項に記載の電話システム。
【0107】
(付記10)
複数の電話端末と接続された電話端末であって、
通話音声の録音データを生成する録音手段と、
前記音声データを識別するためのデータ識別情報と当該音声データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、前記録音データと、を記憶する記憶手段と、
前記録音手段による前記録音データの生成に応じて、生成された前記録音データの前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末から受信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、前記記憶手段の前記インデックス情報に追加するインデックス更新手段と、
を備える電話端末。
【0108】
(付記11)
通話音声の録音データを生成する録音手段と記憶手段とを有する複数の電話端末を備える電話システムの制御方法であって、
一の前記電話端末の前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、
他の前記電話端末が送信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、一の前記電話端末の前記記憶手段に追加する電話システムの制御方法。
【符号の説明】
【0109】
1、2 電話システム
11〜13 電話端末
14、104 交換機
101〜103 PC端末
111 録音部
112 記憶部
113 インデックス更新部
201、303 LANI/F部
202、304 CPU
203、306 メモリ
301 ユーザI/F部
302 音声入出力部
305 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話音声の録音データを生成する録音手段を有する複数の電話端末を備える電話システムであって、
前記電話端末は、
前記録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、前記録音データと、を記憶する記憶手段と、
前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データの前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末から受信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、前記記憶手段の前記インデックス情報に追加するインデックス更新手段と、
を備える電話システム。
【請求項2】
前記電話端末は、
前記録音データの再生指示に応じて、前記インデックス情報を参照し、再生を指示された前記録音データを格納する他の前記電話端末から前記録音データを読み出し、当該録音データを再生する再生手段をさらに備える請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記電話端末は、
ユーザからの削除指示に応じて、前記インデックス情報を参照し、削除を指示された前記録音データを格納する他の前記電話端末に対して、当該録音データの削除を指示する削除指示手段をさらに備える請求項1又は2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記電話端末は、
前記録音データを削除した場合、前記録音データを削除したことを、他の前記電話端末に通知する削除通知手段をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項5】
前記削除通知手段は、前記録音データを削除したことに加えて、削除した前記録音データに対応する前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に通知する請求項4に記載の電話システム。
【請求項6】
前記録音手段は、生成した録音データを、当該録音データの通話条件に応じて決定される他の前記電話端末の前記記憶手段に格納する請求項1〜5のいずれか一項に記載の電話システム。
【請求項7】
前記再生手段は、再生を指示された前記録音データの通話条件に応じて、当該録音データの再生処理の実行が制限される請求項2に記載の電話システム。
【請求項8】
前記電話端末は、他の前記電話端末の前記削除指示手段から削除指示を受けた場合、削除を指示された前記録音データの通話条件に応じて、削除を指示された前記録音データを削除する請求項3に記載の電話システム。
【請求項9】
複数の電話端末と接続された電話端末であって、
通話音声の録音データを生成する録音手段と、
前記音声データを識別するためのデータ識別情報と当該音声データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報とが対応付けられたインデックス情報と、前記録音データと、を記憶する記憶手段と、
前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データの前記データ識別情報及び前記格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、他の前記電話端末から受信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、前記記憶手段の前記インデックス情報に追加するインデックス更新手段と、
を備える電話端末。
【請求項10】
通話音声の録音データを生成する録音手段と記憶手段とを有する複数の電話端末を備える電話システムの制御方法であって、
一の前記電話端末の前記録音手段による前記録音データの生成処理に応じて、生成された前記録音データを識別するためのデータ識別情報と当該録音データが格納されている前記電話端末を特定する格納先情報を、他の前記電話端末に対して送信し、
他の前記電話端末が送信した前記データ識別情報及び前記格納先情報を、一の前記電話端末の前記記憶手段に追加する電話システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−38697(P2013−38697A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174973(P2011−174973)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】