電話システムとその電話端末、主装置、および設定方法
【課題】機能間の競合を解消して便宜の向上を図った電話システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、電話システムは、識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付ける電話端末と、この電話端末からのログインを処理する主装置とを具備する。主装置は送信部を備える。送信部は、ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する。電話端末は、書き込まれた情報の活性化のため電話端末の再起動を要するメモリを備える。そして電話システムは、ログイン操作がユーザの移動に伴うログインであれば、主装置から電話端末への設定情報の送信に伴う再起動を中止する。
【解決手段】実施形態によれば、電話システムは、識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付ける電話端末と、この電話端末からのログインを処理する主装置とを具備する。主装置は送信部を備える。送信部は、ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する。電話端末は、書き込まれた情報の活性化のため電話端末の再起動を要するメモリを備える。そして電話システムは、ログイン操作がユーザの移動に伴うログインであれば、主装置から電話端末への設定情報の送信に伴う再起動を中止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動設定機能を備える電話システムとその電話端末、主装置および電話端末の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電話システムは多くの機能を備える。特に、Internet Protocol(IP)ネットワークを利用する電話システムは、ユーザによるログイン/パスワード認証/ログアウトを受け付けるものや、ユーザのプレゼンスを管理する機能を備えるものもある。このように電話システムの多機能化が進展してきている。多機能な電話システムは、サーバ機能を備える主装置をシステム内に備える。
【0003】
一つのIP電話機を複数のユーザで共有できるようにする機能がある。つまり異なる内線番号(Domestic Number:DN)でログインすれば、同じIP電話機を、違うユーザの専用端末として使用することができる。このように一つのIP電話機を複数のユーザでシェアできる機能はユーザモビリティと称して知られている。
【0004】
一方、IP電話機の運用を開始する前に、そのIP電話機へのIPアドレスの付与を含む多様な設定を行う必要がある。この設定作業は、例えばIP電話機をIPネットワークに接続した際に種々の端末設定情報をIP電話機にダウンロードし、内部メモリ(Flash-ROMなど)に記憶させるという手順を要する。端末設定情報を内部メモリに記憶しておくことで、電源が入っていない状態や、システムに未接続の状態からIP電話機を主装置に再接続する際に、内部メモリの端末設定情報を読み出して、もとの端末設定情報で再接続することができる。近年ではこのような設定作業を自動化してユーザの便宜を図ったシステムがある。この種の自動設定機能はオートコンフィグと称されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−125136号公報
【特許文献2】特開2007−142621号公報
【特許文献3】特許第3781764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザモビリティ環境下ではIP電話機に記憶されているDNと、そのIP電話機にログインしたユーザのDNとが異なることが多い。このようなケースでは新たなDNを含む端末設定情報を内部メモリに書き込み、IP電話機に記憶させる必要がある。
【0007】
内部メモリに書き込まれた情報を再設定し、また、IP電話機を主装置に接続するためには、オートコンフィグ手順に従ってIP電話機を再起動するという手順が必要になる。あるいは、内部メモリに書き込みした情報を読み出し、IP電話機を主装置に接続するために、初期化とともにワークエリアに展開して、オートコンフィグ手順に従ってIP電話機を再起動するという手順が必要になる。
【0008】
IP電話機が再起動してしまうとユーザはログイン操作をもう一度やり直さなくてはならないので、煩わしさを感じる。つまりユーザモビリティとオートコンフィグとの間には、ユーザの便利さを促すという観点からみれば競合する関係があり、これを解消したいというニーズがある。
【0009】
目的は、機能間の競合を解消して便宜の向上を図った電話システムとその電話端末、主装置、および設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、電話システムは、識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付ける電話端末と、この電話端末からのログインを処理する主装置とを具備する。主装置は送信部を備える。送信部は、ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する。電話端末は、書き込まれた情報の再設定のため電話端末の再起動を要するメモリを備える。そして電話システムは、ログイン操作がユーザの移動に伴うログインであれば、主装置から電話端末への設定情報の送信に伴う再起動を中止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係わる電話システムの一例を示すシステム図。
【図2】図1に示されるIP電話機の一例を示す機能ブロック図。
【図3】図1に示される主装置50の一例を示す機能ブロック図。
【図4】既存の電話システムにおけるIP電話機の設定の手順を示すシーケンス図。
【図5】第1の実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図。
【図6】図5に示されるシーケンスのステップS13に係わる手順の詳細を示すフローチャート。
【図7】端末設定情報通知のフォーマットの一例を示す図。
【図8】図7にされるデータ部の詳細を示す図。
【図9】図6における判定条件をまとめた表を示す図。
【図10】リモート設定によりIP電話機の設定を変更するケースにおける処理手順の一例を示すフローチャート。
【図11】図1に示されるIP電話機の他の例を示す機能ブロック図。
【図12】図1に示される主装置50の他の例を示す機能ブロック図。
【図13】第2の実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施形態に係わる電話システムの一例を示すシステム図である。実施形態では、オートコンフィグ機能を備え、ユーザモビリティ環境を実現するシステムを想定する。図1においてIP電話機11〜1nはハブ10に接続され、第1のLocal Area Network(LAN)が形成される。IP電話機21〜2mはハブ20に接続され、第2のLANが形成される。ハブ10,20はルータ30を介して互いに接続される。これにより第1および第2のLANは相互通信が可能になり、全体として一つの通信ネットワークが形成される。
Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバSVおよび主装置50が、ハブ10に接続される。これにより通信ネットワークはIP電話システムとしての機能を備える。主装置50には管理端末TMが接続される。管理端末TMはシステムの保守や各種設定を行うために設けられるコンピュータ端末である。
【0013】
図2は、図1に示されるIP電話機11の一例を示す機能ブロック図である。他のIP電話機12〜1n、21〜2mも同様である。IP電話機11は、表示器40、インタフェース部41、制御部42、キーパッド部43、および、メモリ44を備える。表示器40はキャラクタデータなどの各種の情報を表示するユーザインタフェースである。インタフェース部41はLANケーブルなどを介してハブ10に接続される。キーパッド部43はテンキーなどを備えるユーザインタフェースである。
【0014】
制御部42は例えばCentral Processing Unit(CPU)であり、メモリ44に記憶されたプログラムの命令列に従う演算処理を実行して、実施形態に係わる機能を実現する。制御部42はその機能として、ログイン処理部42a、受信部42b、書き込み制御部42c、判定部42dを備える。また制御部42はレジスタを備え、このレジスタの記憶領域の一部がワークエリア42eとして割り当てられる。
【0015】
ログイン処理部42aは、識別情報としてのDNの入力を含む、ユーザのログイン操作を受け付ける。受信部42bは、主装置50から送信された端末設定情報を受信する。書き込み制御部42cは受信した端末設定情報をメモリ44に書き込むために、ワークエリアに一時記憶する。つまり書き込み制御部42cにより、受信された端末設定情報はワークエリア42eに一旦プールされる。実施形態においては、プールされた端末設定情報をメモリ44に書き込むか否かが判定部42dにより判定される。ワークエリア42eは、IP電話機の再起動時にメモリ44に書き込まれた情報を読み出したときに記憶するワークエリアとしても利用される。
【0016】
判定部42dは、キーパッド部43などを用いたユーザのマニュアルログイン操作において入力された識別情報(DN)と、メモリ44に記憶されているDN44aとが異なれば、ログイン操作を、ユーザの移動に伴うログイン(すなわちユーザモビリティによるログイン)であると判定する。
【0017】
特に書き込み制御部42cは、ログイン操作が判定部42dによりユーザモビリティログインであると判定されると、主装置50から送信された端末設定情報をメモリに書き込むことを中止する。つまり書き込み制御部42cは、ユーザモビリティログインが実施されたケースでは、ワークエリア42eにプールされた端末設定情報をメモリ44に書き込まない。このケースではIP電話機11はワークエリア42eの端末設定情報で運用される。
【0018】
メモリ44はDN44aおよび端末設定情報44bを記憶する。メモリ44はFlash-ROMなどの揮発性メモリである。この種の半導体メモリは書き込まれた情報を再設定するために再起動を要する。このようなメモリの再設定処理は、書き込まれた情報を有効にするために実施されるもので、活性化とも称される。つまり再起動してメモリ44を活性化することで、メモリ44の書き込まれた情報に基づいて主装置1に接続することが可能になる。
【0019】
図3は、図1に示される主装置50の一例を示す機能ブロック図である。主装置50は、LANインタフェース(LAN I/F)51、データベース部52、および、主制御部53を備える。LANインタフェース51はLANケーブルなどを介してハブ10に接続される。
【0020】
データベース部52は例えばハードディスクドライブなどの記憶デバイスであり、端末設定情報52aを記憶する。この端末設定情報52aはIP電話機11〜1n、21〜2mごとに用意されており、オートコンフィグ手順において、要求元のIP電話機に向け送信される。
【0021】
主制御部53は例えばCPUであり、その制御機能として送信部53aを備える。送信部53aは、ログイン要求元のIP電話機におけるログイン操作で入力されたDNに対応する端末設定情報を、ログイン元のIP電話機に送信する。以下に、上記構成における作用を説明するが、まず、オートコンフィグ機能を備える既存の電話システムにおけるIP電話機の設定の手順につき補足する。
【0022】
図4は、既存の電話システムにおけるIP電話機の設定の手順を示すシーケンス図である。ここではIP電話機11を主体として説明する。ハブ10を介してLANに接続されると、電源オンなどを契機としてIP電話機11はDHCPサーバSVにアドレス要求を送出する(ステップS1)。これを受けてDHCPサーバSVは、IP電話機11にアドレス応答を返信する(ステップS2)。このアドレス応答は、IP電話機11のIPアドレス(端末IPアドレス)と、主装置50のIPアドレス(サーバIPアドレス)とを含み、IP電話機11はこれらの情報を取得する(ステップS3)。
【0023】
次に、ログイン操作が実施される。ログイン処理にはIP電話機により自律的に実行されるものと、ユーザのマニュアル操作によるものとがある。実施形態ではユーザのマニュアル操作によるログイン操作を考える。
【0024】
ユーザがIP電話機11でログイン操作を行うと、まずDNが入力される(ステップS4)。DNは内線番号などの識別情報であり、実施形態では(Station ID)と称する。DNはユーザごとに割り当てられる番号であるので、ユーザを区別するためにも利用される。DNの入力が完了すると、IP電話機11は入力されたDNを含む接続要求を主装置50に送る(ステップS5)。これを受けて主装置50は接続応答をIP電話機11に返送する(ステップS6)。
【0025】
さらに主装置50は、パスワード入力要求をIP電話機11に送る(ステップS7)。これによりIP電話機11の表示器40に、パスワード入力を促すメッセージが表示される。パスワードが入力されると(ステップS8)、IP電話機11はパスワード入力応答を主装置50に返送する(ステップS9)。パスワードによる認証が成功するとIP電話機11は主装置50に登録される。
【0026】
ここまでの手順が済むと、オートコンフィグ機能が処理を開始する。すなわち主装置50から端末設定情報を含む端末設定情報通知がIP電話機11に送られる(ステップS10)。つまり端末設定情報が主装置50からIP電話機11にダウンロードされる。
端末設定情報を受信したIP電話機11はメモリ44に端末設定情報を書き込む(ステップS11)。そして、書き込まれた情報が再設定された状態でシステムに接続するために自らを再起動する(ステップS12)。IP電話機11が再起動するとユーザはログイン操作をやり直さなくてはならず、煩雑な操作を強いられることになる。実施形態ではこれを解決することの可能な技術を、第1および第2の実施形態にわたり開示する。
【0027】
[第1の実施形態]
図5は、実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。図4と同様のステップには同じ符号を付して示しここでは異なる手順についてのみ説明する。
図5のシーケンスは、IP電話機11における、ステップS10に続く手順であるステップS13、S14を含む。ステップS10で端末設定情報通知を受けたIP電話機11は、ログイン操作において入力されたDNがユーザモビリティDNであるか否かを判定する(ステップS13)。
【0028】
すなわちステップS13においてIP電話機11は、ログイン操作において入力されたDNと、端末設定情報として予め記憶しているDNとを比較し、両者が異なればYesの旨を判定してそのままの運用状態を継続する(ステップS14)。比較した2つのDNが同じであればユーザモビリティDNではない旨(ステップS13においてNo)が判定され、IP電話機11はメモリ44に端末設定情報を書き込み(ステップS11)、自らを再起動する(ステップS12)。再起動時に、メモリ44に書き込まれた情報を読み出し、これをワークエリア42eに記憶して再接続に利用する。
【0029】
図6は、図5に示されるシーケンスのステップS13に係わる手順の詳細を示すフローチャートである。図6の実線で囲まれた部分が図6のステップS13に対応する。端末設定情報通知を受信すると(ステップS21)、IP電話機11は受信した端末設定情報をワークエリア42eに格納する(ステップS22)。
【0030】
次にIP電話機11は、端末設定情報の通知がリモート設定によるものか否かを判定する(ステップS23)。この判定は端末設定情報通知の既定のフィールドを参照することで可能である。リモート設定とは、管理端末TMからのコマンド投入により強制的に実施される設定であり、実施形態では、IP電話機と主装置との間での設定よりも高い優先度が与えられる。
図7は端末設定情報通知のフォーマットの一例を示す図である。端末設定情報通知にはリモート設定の有無を示すフィールドが定義されており、IP電話機11はこのフィールドのビットを参照してリモート設定の有り/無しを判定する。
すなわちリモート設定の有無を示すフィールドは、書き込み強制フラグとしての機能を有する。このフィールドにフラグが立つことでリモート設定の有りの旨が示される。このフィールドの後ろに、ペイロードの格納領域であるデータ部が設定される。データ部は(Type)、(サイズ)、(Value)のサブフィールドを備え、その詳細は図8に示される。図8におけるStation ID がDNを示す。
【0031】
図6に戻り、リモート設定のもとでは(ステップS23でYES)、IP電話機11はワークエリア42eにテンポラリに保存した端末設定情報を無条件にメモリ44に書き込み(ステップS11)、IP電話機11自体を再起動する(ステップS12)。
【0032】
ステップS23でリモート設定の条件下でなければ(NO)、IP電話機11はログイン操作において入力されたDNと、端末設定情報として予め記憶しているDNとが一致するか否かを判定する(ステップS24)。二つのDNが一致しなければ(NO)、IP電話機11はログイン手順で与えられたDNがマニュアルログインによるDN(Station ID)であると判定する。すなわちユーザモビリティ環境下でのユーザのマニュアル操作によってDNが与えられたと判断して、IP電話機11は再起動を経ずに通常の運用状態に入る(ステップS14)。
【0033】
ステップS24で2つのDNが一致すれば(YES)、IP電話機11は受信した端末設定情報に変更があるか否かを判定する(ステップS25)。これは既に記憶している端末設定情報と受信した端末設定情報とを比較することで判断される。変更が無ければ(NO)、IP電話機11は再起動を経ずに通常の運用状態に入る(ステップS14)。このケースは主装置50に接続中のIP電話機によるリフレッシュ動作、つまり自律的なログイン処理(オートログイン)に当てはまるケースである。
なお上記手順において、リモート設定のもとでは、ステップS24における判断よりも優先して端末設定情報のメモリ44への書き込みが実施される。
【0034】
ステップS25で変更があれば(YES)、IP電話機11はワークエリアにテンポラリに保存した端末設定情報をメモリ44に書き込み(ステップS11)、IP電話機11自体を再設定された情報でシステムに接続するために自らを再起動する(ステップS12)。
【0035】
図9は、図6における判定条件をまとめた表である。条件1はリモート設定有りのケースであり、端末設定情報はメモリ44に無条件に書き込まれる。リモート設定無しの条件化では(条件2、3)記憶済みDNとログインDNとの比較がなされ、その結果に応じて端末設定情報のメモリ44への書き込みの有無が判定される。実施形態では記憶済みDNとログインDNとが一致するケースにおいてのみ、端末設定情報がメモリ44に書き込まれる。
【0036】
図10は、リモート設定によりIP電話機の設定を変更するケースにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。保守端末TMからIP電話機11の設定を変更するためのコマンド(端末設定変更)が投入されると(ステップS31)、主装置50がこのコマンドを受信する。主装置50はリモート設定有りのフラグを立てた端末設定情報通知をIP電話機11に送る(ステップS32)。
【0037】
IP電話機11はステップS13において、端末設定情報通知に含まれるDNがユーザモビリティDNであるか否かを判定する。端末設定情報通知にはリモート設定有りの旨が示されているので、処理手順は無条件にステップS11に進む。よってIP電話機11は端末設定情報をメモリ44に書き込み(ステップS11)、再設定された情報でシステムに接続するため再起動を実行する(ステップS12)。
【0038】
以上述べたように実施形態では、ログイン元のIP電話機11が主装置50から端末設定情報通知を受信した際に、ログイン操作に伴うDNと、メモリ44に記憶されているDNとが異なる場合に、ユーザモビリティDNと判断する。このケースにおいてはIP電話機11は、主装置50から受信した端末設定情報をワークエリア42eにプールするに留め、メモリ44への書き込みは行わない。これによりIP電話機11が再起動することを防止でき、従って、再度のログイン操作およびDN、パスワードの入力を促すことが防止され、ユーザの煩わしさを大幅に解消することが可能になる。
【0039】
例えば図1に示すように、IP電話機11にDN=1000が記憶されている状態でユーザモビリティとしてDN=2000でログインすると、図6のステップS24でNOの判定がなされるので、端末設定情報はメモリ44に書き込まれることなく、ワークエリア42eにプールされた端末設定情報を用いて通常の運用が開始される。
【0040】
これらのことから、機能間の競合を解消して便宜の向上を図った電話システムとその電話端末、主装置、および設定方法を提供することが可能となる。
【0041】
[第2の実施形態]
図11は、図1に示されるIP電話機の他の例を示す機能ブロック図である。図11において図2と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。第2の実施形態に係わるIP電話機(IP電話機11)は、書き込み制御部42c、判定部42dに代えて、通知部42fを備える。通知部42fは、ログイン操作に伴って、このログイン操作において入力されたDN(識別情報)と、メモリ44に記憶されているDN44aとを主装置50に通知する。
【0042】
図12は、図1に示される主装置50の他の例を示す機能ブロック図である。図12において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。第2の実施形態に係わる主装置50は、送信部53aに加えて判定部53bを備える。
【0043】
判定部53bは、ログインに伴ってIP電話機から通知された、そのログイン操作において入力されたDNとメモリ44に記憶されているDN44aとが異なれば、このログイン操作がユーザモビリティに伴うログインであると判定する。
第2の実施形態では、送信部53aは、判定部53bにより、対象のログイン操作がユーザモビリティに伴うログインと判定された場合に、端末設定情報をログイン元のIP電話機に送信することを中止する。つまり送信しない。次に、第2の実施形態における作用を説明する。
【0044】
図13は、第2の実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。図13において図5と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0045】
図13の手順においてIP電話機11は、パスワード入力応答を主装置50に返送したのち、メモリ44に記憶されるDN44aを取得する(ステップS41)。次にIP電話機11は端末設定情報通知を主装置50に送り、その際、ステップS4で入力されたDNとステップS41で取得したDNとを主装置50に通知する(ステップS42)。
【0046】
2つのDNを通知された主装置50は、図5のステップS13に相当する処理を行う。つまり主装置50は、IP電話機11でのログイン操作において入力されたDNがユーザモビリティDNであるか否かを判定する(ステップS13)。
すなわちステップS43において主装置50は、IP電話機11から通知された、ログイン操作において入力されたDNと、IP電話機11に端末設定情報として予め記憶されていたDNとを比較し、両者が異なればYESの旨を判定する。YESの判定がなされれば、処理手順はここで終了する。
【0047】
ステップS43で比較した2つのDNが同じであれば、主装置50はユーザモビリティDNではない旨(ステップS43においてNO)を判定する。NOの判定がなされれば、主装置50は端末設定情報を要求元のIP電話機11に通知する(ステップS10)。これを受けたIP電話機11はメモリ44に端末設定情報を書き込み(ステップS11)、自らを再起動する(ステップS12)。
【0048】
第1の実施形態では、ログイン操作において入力されたDNがユーザモビリティDNであるか否かを、ログイン元のIP電話機において判定した。これに代えて第2の実施形態では、同じ判断をログイン先の主装置50において実行するようにしている。そして、ログイン操作がユーザモビリティに基づくものであると判定した場合には、主装置50からIP電話機に端末設定情報通知を通知(ダウンロード)しない。これにより必然的にIP電話機のメモリ44への書き込みは発生しないことになり、第1の実施形態と同様に、再ログインの手間を省くことが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではない。例えば図13においてIP電話機11からDN44aを主装置50に通知するタイミングはステップS42の時点に限らず、ステップS6の後にするなど、如何なるタイミングでも良い。
【0049】
また本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11〜1n、21〜2m…IP電話機、10,20…ハブ、30…ルータ、SV…DHCPサーバ、50…主装置、TM…管理端末、40…表示器、41…インタフェース部、42…制御部、42a…ログイン処理部、42b…受信部、42c…書き込み制御部、42d…判定部、42e…ワークエリア、42f…通知部、43…キーパッド部、44…メモリ、44a…DN、44b…端末設定情報、51…LANインタフェース、52…データベース部、52a…端末設定情報、53…主制御部、53a…送信部、53b…判定部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動設定機能を備える電話システムとその電話端末、主装置および電話端末の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電話システムは多くの機能を備える。特に、Internet Protocol(IP)ネットワークを利用する電話システムは、ユーザによるログイン/パスワード認証/ログアウトを受け付けるものや、ユーザのプレゼンスを管理する機能を備えるものもある。このように電話システムの多機能化が進展してきている。多機能な電話システムは、サーバ機能を備える主装置をシステム内に備える。
【0003】
一つのIP電話機を複数のユーザで共有できるようにする機能がある。つまり異なる内線番号(Domestic Number:DN)でログインすれば、同じIP電話機を、違うユーザの専用端末として使用することができる。このように一つのIP電話機を複数のユーザでシェアできる機能はユーザモビリティと称して知られている。
【0004】
一方、IP電話機の運用を開始する前に、そのIP電話機へのIPアドレスの付与を含む多様な設定を行う必要がある。この設定作業は、例えばIP電話機をIPネットワークに接続した際に種々の端末設定情報をIP電話機にダウンロードし、内部メモリ(Flash-ROMなど)に記憶させるという手順を要する。端末設定情報を内部メモリに記憶しておくことで、電源が入っていない状態や、システムに未接続の状態からIP電話機を主装置に再接続する際に、内部メモリの端末設定情報を読み出して、もとの端末設定情報で再接続することができる。近年ではこのような設定作業を自動化してユーザの便宜を図ったシステムがある。この種の自動設定機能はオートコンフィグと称されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−125136号公報
【特許文献2】特開2007−142621号公報
【特許文献3】特許第3781764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザモビリティ環境下ではIP電話機に記憶されているDNと、そのIP電話機にログインしたユーザのDNとが異なることが多い。このようなケースでは新たなDNを含む端末設定情報を内部メモリに書き込み、IP電話機に記憶させる必要がある。
【0007】
内部メモリに書き込まれた情報を再設定し、また、IP電話機を主装置に接続するためには、オートコンフィグ手順に従ってIP電話機を再起動するという手順が必要になる。あるいは、内部メモリに書き込みした情報を読み出し、IP電話機を主装置に接続するために、初期化とともにワークエリアに展開して、オートコンフィグ手順に従ってIP電話機を再起動するという手順が必要になる。
【0008】
IP電話機が再起動してしまうとユーザはログイン操作をもう一度やり直さなくてはならないので、煩わしさを感じる。つまりユーザモビリティとオートコンフィグとの間には、ユーザの便利さを促すという観点からみれば競合する関係があり、これを解消したいというニーズがある。
【0009】
目的は、機能間の競合を解消して便宜の向上を図った電話システムとその電話端末、主装置、および設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、電話システムは、識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付ける電話端末と、この電話端末からのログインを処理する主装置とを具備する。主装置は送信部を備える。送信部は、ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する。電話端末は、書き込まれた情報の再設定のため電話端末の再起動を要するメモリを備える。そして電話システムは、ログイン操作がユーザの移動に伴うログインであれば、主装置から電話端末への設定情報の送信に伴う再起動を中止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係わる電話システムの一例を示すシステム図。
【図2】図1に示されるIP電話機の一例を示す機能ブロック図。
【図3】図1に示される主装置50の一例を示す機能ブロック図。
【図4】既存の電話システムにおけるIP電話機の設定の手順を示すシーケンス図。
【図5】第1の実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図。
【図6】図5に示されるシーケンスのステップS13に係わる手順の詳細を示すフローチャート。
【図7】端末設定情報通知のフォーマットの一例を示す図。
【図8】図7にされるデータ部の詳細を示す図。
【図9】図6における判定条件をまとめた表を示す図。
【図10】リモート設定によりIP電話機の設定を変更するケースにおける処理手順の一例を示すフローチャート。
【図11】図1に示されるIP電話機の他の例を示す機能ブロック図。
【図12】図1に示される主装置50の他の例を示す機能ブロック図。
【図13】第2の実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施形態に係わる電話システムの一例を示すシステム図である。実施形態では、オートコンフィグ機能を備え、ユーザモビリティ環境を実現するシステムを想定する。図1においてIP電話機11〜1nはハブ10に接続され、第1のLocal Area Network(LAN)が形成される。IP電話機21〜2mはハブ20に接続され、第2のLANが形成される。ハブ10,20はルータ30を介して互いに接続される。これにより第1および第2のLANは相互通信が可能になり、全体として一つの通信ネットワークが形成される。
Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバSVおよび主装置50が、ハブ10に接続される。これにより通信ネットワークはIP電話システムとしての機能を備える。主装置50には管理端末TMが接続される。管理端末TMはシステムの保守や各種設定を行うために設けられるコンピュータ端末である。
【0013】
図2は、図1に示されるIP電話機11の一例を示す機能ブロック図である。他のIP電話機12〜1n、21〜2mも同様である。IP電話機11は、表示器40、インタフェース部41、制御部42、キーパッド部43、および、メモリ44を備える。表示器40はキャラクタデータなどの各種の情報を表示するユーザインタフェースである。インタフェース部41はLANケーブルなどを介してハブ10に接続される。キーパッド部43はテンキーなどを備えるユーザインタフェースである。
【0014】
制御部42は例えばCentral Processing Unit(CPU)であり、メモリ44に記憶されたプログラムの命令列に従う演算処理を実行して、実施形態に係わる機能を実現する。制御部42はその機能として、ログイン処理部42a、受信部42b、書き込み制御部42c、判定部42dを備える。また制御部42はレジスタを備え、このレジスタの記憶領域の一部がワークエリア42eとして割り当てられる。
【0015】
ログイン処理部42aは、識別情報としてのDNの入力を含む、ユーザのログイン操作を受け付ける。受信部42bは、主装置50から送信された端末設定情報を受信する。書き込み制御部42cは受信した端末設定情報をメモリ44に書き込むために、ワークエリアに一時記憶する。つまり書き込み制御部42cにより、受信された端末設定情報はワークエリア42eに一旦プールされる。実施形態においては、プールされた端末設定情報をメモリ44に書き込むか否かが判定部42dにより判定される。ワークエリア42eは、IP電話機の再起動時にメモリ44に書き込まれた情報を読み出したときに記憶するワークエリアとしても利用される。
【0016】
判定部42dは、キーパッド部43などを用いたユーザのマニュアルログイン操作において入力された識別情報(DN)と、メモリ44に記憶されているDN44aとが異なれば、ログイン操作を、ユーザの移動に伴うログイン(すなわちユーザモビリティによるログイン)であると判定する。
【0017】
特に書き込み制御部42cは、ログイン操作が判定部42dによりユーザモビリティログインであると判定されると、主装置50から送信された端末設定情報をメモリに書き込むことを中止する。つまり書き込み制御部42cは、ユーザモビリティログインが実施されたケースでは、ワークエリア42eにプールされた端末設定情報をメモリ44に書き込まない。このケースではIP電話機11はワークエリア42eの端末設定情報で運用される。
【0018】
メモリ44はDN44aおよび端末設定情報44bを記憶する。メモリ44はFlash-ROMなどの揮発性メモリである。この種の半導体メモリは書き込まれた情報を再設定するために再起動を要する。このようなメモリの再設定処理は、書き込まれた情報を有効にするために実施されるもので、活性化とも称される。つまり再起動してメモリ44を活性化することで、メモリ44の書き込まれた情報に基づいて主装置1に接続することが可能になる。
【0019】
図3は、図1に示される主装置50の一例を示す機能ブロック図である。主装置50は、LANインタフェース(LAN I/F)51、データベース部52、および、主制御部53を備える。LANインタフェース51はLANケーブルなどを介してハブ10に接続される。
【0020】
データベース部52は例えばハードディスクドライブなどの記憶デバイスであり、端末設定情報52aを記憶する。この端末設定情報52aはIP電話機11〜1n、21〜2mごとに用意されており、オートコンフィグ手順において、要求元のIP電話機に向け送信される。
【0021】
主制御部53は例えばCPUであり、その制御機能として送信部53aを備える。送信部53aは、ログイン要求元のIP電話機におけるログイン操作で入力されたDNに対応する端末設定情報を、ログイン元のIP電話機に送信する。以下に、上記構成における作用を説明するが、まず、オートコンフィグ機能を備える既存の電話システムにおけるIP電話機の設定の手順につき補足する。
【0022】
図4は、既存の電話システムにおけるIP電話機の設定の手順を示すシーケンス図である。ここではIP電話機11を主体として説明する。ハブ10を介してLANに接続されると、電源オンなどを契機としてIP電話機11はDHCPサーバSVにアドレス要求を送出する(ステップS1)。これを受けてDHCPサーバSVは、IP電話機11にアドレス応答を返信する(ステップS2)。このアドレス応答は、IP電話機11のIPアドレス(端末IPアドレス)と、主装置50のIPアドレス(サーバIPアドレス)とを含み、IP電話機11はこれらの情報を取得する(ステップS3)。
【0023】
次に、ログイン操作が実施される。ログイン処理にはIP電話機により自律的に実行されるものと、ユーザのマニュアル操作によるものとがある。実施形態ではユーザのマニュアル操作によるログイン操作を考える。
【0024】
ユーザがIP電話機11でログイン操作を行うと、まずDNが入力される(ステップS4)。DNは内線番号などの識別情報であり、実施形態では(Station ID)と称する。DNはユーザごとに割り当てられる番号であるので、ユーザを区別するためにも利用される。DNの入力が完了すると、IP電話機11は入力されたDNを含む接続要求を主装置50に送る(ステップS5)。これを受けて主装置50は接続応答をIP電話機11に返送する(ステップS6)。
【0025】
さらに主装置50は、パスワード入力要求をIP電話機11に送る(ステップS7)。これによりIP電話機11の表示器40に、パスワード入力を促すメッセージが表示される。パスワードが入力されると(ステップS8)、IP電話機11はパスワード入力応答を主装置50に返送する(ステップS9)。パスワードによる認証が成功するとIP電話機11は主装置50に登録される。
【0026】
ここまでの手順が済むと、オートコンフィグ機能が処理を開始する。すなわち主装置50から端末設定情報を含む端末設定情報通知がIP電話機11に送られる(ステップS10)。つまり端末設定情報が主装置50からIP電話機11にダウンロードされる。
端末設定情報を受信したIP電話機11はメモリ44に端末設定情報を書き込む(ステップS11)。そして、書き込まれた情報が再設定された状態でシステムに接続するために自らを再起動する(ステップS12)。IP電話機11が再起動するとユーザはログイン操作をやり直さなくてはならず、煩雑な操作を強いられることになる。実施形態ではこれを解決することの可能な技術を、第1および第2の実施形態にわたり開示する。
【0027】
[第1の実施形態]
図5は、実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。図4と同様のステップには同じ符号を付して示しここでは異なる手順についてのみ説明する。
図5のシーケンスは、IP電話機11における、ステップS10に続く手順であるステップS13、S14を含む。ステップS10で端末設定情報通知を受けたIP電話機11は、ログイン操作において入力されたDNがユーザモビリティDNであるか否かを判定する(ステップS13)。
【0028】
すなわちステップS13においてIP電話機11は、ログイン操作において入力されたDNと、端末設定情報として予め記憶しているDNとを比較し、両者が異なればYesの旨を判定してそのままの運用状態を継続する(ステップS14)。比較した2つのDNが同じであればユーザモビリティDNではない旨(ステップS13においてNo)が判定され、IP電話機11はメモリ44に端末設定情報を書き込み(ステップS11)、自らを再起動する(ステップS12)。再起動時に、メモリ44に書き込まれた情報を読み出し、これをワークエリア42eに記憶して再接続に利用する。
【0029】
図6は、図5に示されるシーケンスのステップS13に係わる手順の詳細を示すフローチャートである。図6の実線で囲まれた部分が図6のステップS13に対応する。端末設定情報通知を受信すると(ステップS21)、IP電話機11は受信した端末設定情報をワークエリア42eに格納する(ステップS22)。
【0030】
次にIP電話機11は、端末設定情報の通知がリモート設定によるものか否かを判定する(ステップS23)。この判定は端末設定情報通知の既定のフィールドを参照することで可能である。リモート設定とは、管理端末TMからのコマンド投入により強制的に実施される設定であり、実施形態では、IP電話機と主装置との間での設定よりも高い優先度が与えられる。
図7は端末設定情報通知のフォーマットの一例を示す図である。端末設定情報通知にはリモート設定の有無を示すフィールドが定義されており、IP電話機11はこのフィールドのビットを参照してリモート設定の有り/無しを判定する。
すなわちリモート設定の有無を示すフィールドは、書き込み強制フラグとしての機能を有する。このフィールドにフラグが立つことでリモート設定の有りの旨が示される。このフィールドの後ろに、ペイロードの格納領域であるデータ部が設定される。データ部は(Type)、(サイズ)、(Value)のサブフィールドを備え、その詳細は図8に示される。図8におけるStation ID がDNを示す。
【0031】
図6に戻り、リモート設定のもとでは(ステップS23でYES)、IP電話機11はワークエリア42eにテンポラリに保存した端末設定情報を無条件にメモリ44に書き込み(ステップS11)、IP電話機11自体を再起動する(ステップS12)。
【0032】
ステップS23でリモート設定の条件下でなければ(NO)、IP電話機11はログイン操作において入力されたDNと、端末設定情報として予め記憶しているDNとが一致するか否かを判定する(ステップS24)。二つのDNが一致しなければ(NO)、IP電話機11はログイン手順で与えられたDNがマニュアルログインによるDN(Station ID)であると判定する。すなわちユーザモビリティ環境下でのユーザのマニュアル操作によってDNが与えられたと判断して、IP電話機11は再起動を経ずに通常の運用状態に入る(ステップS14)。
【0033】
ステップS24で2つのDNが一致すれば(YES)、IP電話機11は受信した端末設定情報に変更があるか否かを判定する(ステップS25)。これは既に記憶している端末設定情報と受信した端末設定情報とを比較することで判断される。変更が無ければ(NO)、IP電話機11は再起動を経ずに通常の運用状態に入る(ステップS14)。このケースは主装置50に接続中のIP電話機によるリフレッシュ動作、つまり自律的なログイン処理(オートログイン)に当てはまるケースである。
なお上記手順において、リモート設定のもとでは、ステップS24における判断よりも優先して端末設定情報のメモリ44への書き込みが実施される。
【0034】
ステップS25で変更があれば(YES)、IP電話機11はワークエリアにテンポラリに保存した端末設定情報をメモリ44に書き込み(ステップS11)、IP電話機11自体を再設定された情報でシステムに接続するために自らを再起動する(ステップS12)。
【0035】
図9は、図6における判定条件をまとめた表である。条件1はリモート設定有りのケースであり、端末設定情報はメモリ44に無条件に書き込まれる。リモート設定無しの条件化では(条件2、3)記憶済みDNとログインDNとの比較がなされ、その結果に応じて端末設定情報のメモリ44への書き込みの有無が判定される。実施形態では記憶済みDNとログインDNとが一致するケースにおいてのみ、端末設定情報がメモリ44に書き込まれる。
【0036】
図10は、リモート設定によりIP電話機の設定を変更するケースにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。保守端末TMからIP電話機11の設定を変更するためのコマンド(端末設定変更)が投入されると(ステップS31)、主装置50がこのコマンドを受信する。主装置50はリモート設定有りのフラグを立てた端末設定情報通知をIP電話機11に送る(ステップS32)。
【0037】
IP電話機11はステップS13において、端末設定情報通知に含まれるDNがユーザモビリティDNであるか否かを判定する。端末設定情報通知にはリモート設定有りの旨が示されているので、処理手順は無条件にステップS11に進む。よってIP電話機11は端末設定情報をメモリ44に書き込み(ステップS11)、再設定された情報でシステムに接続するため再起動を実行する(ステップS12)。
【0038】
以上述べたように実施形態では、ログイン元のIP電話機11が主装置50から端末設定情報通知を受信した際に、ログイン操作に伴うDNと、メモリ44に記憶されているDNとが異なる場合に、ユーザモビリティDNと判断する。このケースにおいてはIP電話機11は、主装置50から受信した端末設定情報をワークエリア42eにプールするに留め、メモリ44への書き込みは行わない。これによりIP電話機11が再起動することを防止でき、従って、再度のログイン操作およびDN、パスワードの入力を促すことが防止され、ユーザの煩わしさを大幅に解消することが可能になる。
【0039】
例えば図1に示すように、IP電話機11にDN=1000が記憶されている状態でユーザモビリティとしてDN=2000でログインすると、図6のステップS24でNOの判定がなされるので、端末設定情報はメモリ44に書き込まれることなく、ワークエリア42eにプールされた端末設定情報を用いて通常の運用が開始される。
【0040】
これらのことから、機能間の競合を解消して便宜の向上を図った電話システムとその電話端末、主装置、および設定方法を提供することが可能となる。
【0041】
[第2の実施形態]
図11は、図1に示されるIP電話機の他の例を示す機能ブロック図である。図11において図2と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。第2の実施形態に係わるIP電話機(IP電話機11)は、書き込み制御部42c、判定部42dに代えて、通知部42fを備える。通知部42fは、ログイン操作に伴って、このログイン操作において入力されたDN(識別情報)と、メモリ44に記憶されているDN44aとを主装置50に通知する。
【0042】
図12は、図1に示される主装置50の他の例を示す機能ブロック図である。図12において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。第2の実施形態に係わる主装置50は、送信部53aに加えて判定部53bを備える。
【0043】
判定部53bは、ログインに伴ってIP電話機から通知された、そのログイン操作において入力されたDNとメモリ44に記憶されているDN44aとが異なれば、このログイン操作がユーザモビリティに伴うログインであると判定する。
第2の実施形態では、送信部53aは、判定部53bにより、対象のログイン操作がユーザモビリティに伴うログインと判定された場合に、端末設定情報をログイン元のIP電話機に送信することを中止する。つまり送信しない。次に、第2の実施形態における作用を説明する。
【0044】
図13は、第2の実施形態に係わる電話システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。図13において図5と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0045】
図13の手順においてIP電話機11は、パスワード入力応答を主装置50に返送したのち、メモリ44に記憶されるDN44aを取得する(ステップS41)。次にIP電話機11は端末設定情報通知を主装置50に送り、その際、ステップS4で入力されたDNとステップS41で取得したDNとを主装置50に通知する(ステップS42)。
【0046】
2つのDNを通知された主装置50は、図5のステップS13に相当する処理を行う。つまり主装置50は、IP電話機11でのログイン操作において入力されたDNがユーザモビリティDNであるか否かを判定する(ステップS13)。
すなわちステップS43において主装置50は、IP電話機11から通知された、ログイン操作において入力されたDNと、IP電話機11に端末設定情報として予め記憶されていたDNとを比較し、両者が異なればYESの旨を判定する。YESの判定がなされれば、処理手順はここで終了する。
【0047】
ステップS43で比較した2つのDNが同じであれば、主装置50はユーザモビリティDNではない旨(ステップS43においてNO)を判定する。NOの判定がなされれば、主装置50は端末設定情報を要求元のIP電話機11に通知する(ステップS10)。これを受けたIP電話機11はメモリ44に端末設定情報を書き込み(ステップS11)、自らを再起動する(ステップS12)。
【0048】
第1の実施形態では、ログイン操作において入力されたDNがユーザモビリティDNであるか否かを、ログイン元のIP電話機において判定した。これに代えて第2の実施形態では、同じ判断をログイン先の主装置50において実行するようにしている。そして、ログイン操作がユーザモビリティに基づくものであると判定した場合には、主装置50からIP電話機に端末設定情報通知を通知(ダウンロード)しない。これにより必然的にIP電話機のメモリ44への書き込みは発生しないことになり、第1の実施形態と同様に、再ログインの手間を省くことが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではない。例えば図13においてIP電話機11からDN44aを主装置50に通知するタイミングはステップS42の時点に限らず、ステップS6の後にするなど、如何なるタイミングでも良い。
【0049】
また本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11〜1n、21〜2m…IP電話機、10,20…ハブ、30…ルータ、SV…DHCPサーバ、50…主装置、TM…管理端末、40…表示器、41…インタフェース部、42…制御部、42a…ログイン処理部、42b…受信部、42c…書き込み制御部、42d…判定部、42e…ワークエリア、42f…通知部、43…キーパッド部、44…メモリ、44a…DN、44b…端末設定情報、51…LANインタフェース、52…データベース部、52a…端末設定情報、53…主制御部、53a…送信部、53b…判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付ける電話端末と、この電話端末からのログインを処理する主装置とを具備し、
前記主装置は、前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する送信部を備え、
前記電話端末は、書き込まれた情報に基づいて前記主装置に接続するために前記電話端末の再起動を要するメモリを備え、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインであれば、前記主装置から前記電話端末への前記設定情報の送信に伴う前記再起動を中止する、電話システム。
【請求項2】
前記電話端末は、さらに、
前記主装置から送信された設定情報を受信する受信部と、
前記受信した設定情報を前記メモリに書き込むために一時記憶する書き込み制御部と、
前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、当該ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部とを備え、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記送信された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記受信した設定情報における書き込み強制フラグの有無を判定し、
前記書き込み制御部は、前記受信した設定情報に前記書き込み強制フラグが記されていれば、前記判定部による判定の結果よりも優先して、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込む、請求項2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記受信した設定情報と前記メモリに記憶されている設定情報との差異を判定し、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定されない場合に、前記差異があれば、前記転送された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項2に記載の電話システム。
【請求項5】
前記電話端末は、さらに、
前記ログイン操作に伴って、当該ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とを前記主装置に通知する通知部と、
前記主装置から送信された設定情報を受信する受信部とを備え、
前記主装置は、さらに、
前記通知された前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部を備え、
前記送信部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記設定情報を前記ログイン元の電話端末に送信することを中止する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項6】
電話端末からのログインを処理する主装置を具備する電話システムに用いられる前記電話端末において、
識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付けるログイン処理部と、
書き込まれた情報に基づいて前記主装置に接続するために前記電話端末の再起動を要するメモリと、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインであれば、前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報の前記主装置から前記電話端末への送信に伴う前記再起動を中止する、電話端末。
【請求項7】
前記主装置から送信された前記設定情報を受信する受信部と、
前記受信した設定情報を前記メモリに書き込むために一時記憶する書き込み制御部と、
前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、当該ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部とをさらに備え、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記送信された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項6に記載の電話端末。
【請求項8】
前記判定部は、前記受信した設定情報における書き込み強制フラグの有無を判定し、
前記書き込み制御部は、前記受信した設定情報に前記書き込み強制フラグが記されていれば、前記判定部による判定の結果よりも優先して、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込む、請求項7に記載の電話端末。
【請求項9】
前記判定部は、前記受信した設定情報と前記メモリに記憶されている設定情報との差異を判定し、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定されない場合に、前記差異があれば、前記転送された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項7に記載の電話端末。
【請求項10】
前記ログイン操作に伴って、当該ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とを前記主装置に通知する通知部と、
前記主装置から送信された設定情報を受信する受信部とをさらに備える、請求項6に記載の電話端末。
【請求項11】
識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付けるログイン処理部と、書き込まれた情報に基づいて前記主装置に接続するために前記電話端末の再起動を要するメモリとを備える電話端末からのログインを処理する主装置において、
前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する送信部と、
前記電話端末から通知された、前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部とを備え、
前記送信部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記設定情報を前記ログイン元の電話端末に送信することを中止する、主装置。
【請求項12】
書き込まれた情報に基づいて主装置に接続するために再起動を要するメモリを備える電話端末と、この電話端末からのログインを処理する前記主装置とを具備する電話システムに用いられる前記電話端末の設定方法であって、
前記電話端末が、識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付け
前記主装置が、前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信し、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインであれば、前記主装置から前記電話端末への前記設定情報の送信に伴う前記再起動を中止する、設定方法。
【請求項13】
前記電話端末が、前記主装置から送信された設定情報を受信し、
前記電話端末が、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込むために一時記憶し、
前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記電話端末が、当該ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインとし、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記一時記憶することは、前記送信された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項12に記載の設定方法。
【請求項14】
前記判定することは、前記受信した設定情報における書き込み強制フラグの有無を判定し、
前記一時記憶することは、前記受信した設定情報に前記書き込み強制フラグが記されていれば、前記判定部による判定の結果よりも優先して、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込む、請求項13に記載の設定方法。
【請求項15】
前記判定することは、前記受信した設定情報と前記メモリに記憶されている設定情報との差異を判定し、
前記一時記憶することは、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定されない場合に、前記差異があれば、前記転送された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項13に記載の設定方法。
【請求項16】
前記電話端末が、前記ログイン操作に伴って、当該ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とを前記主装置に通知し、
前記通知された前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記主装置が、前記ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定し、
前記送信することは、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記設定情報を前記ログイン元の電話端末に送信することを中止する、請求項12に記載の設定方法。
【請求項1】
識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付ける電話端末と、この電話端末からのログインを処理する主装置とを具備し、
前記主装置は、前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する送信部を備え、
前記電話端末は、書き込まれた情報に基づいて前記主装置に接続するために前記電話端末の再起動を要するメモリを備え、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインであれば、前記主装置から前記電話端末への前記設定情報の送信に伴う前記再起動を中止する、電話システム。
【請求項2】
前記電話端末は、さらに、
前記主装置から送信された設定情報を受信する受信部と、
前記受信した設定情報を前記メモリに書き込むために一時記憶する書き込み制御部と、
前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、当該ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部とを備え、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記送信された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記受信した設定情報における書き込み強制フラグの有無を判定し、
前記書き込み制御部は、前記受信した設定情報に前記書き込み強制フラグが記されていれば、前記判定部による判定の結果よりも優先して、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込む、請求項2に記載の電話システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記受信した設定情報と前記メモリに記憶されている設定情報との差異を判定し、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定されない場合に、前記差異があれば、前記転送された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項2に記載の電話システム。
【請求項5】
前記電話端末は、さらに、
前記ログイン操作に伴って、当該ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とを前記主装置に通知する通知部と、
前記主装置から送信された設定情報を受信する受信部とを備え、
前記主装置は、さらに、
前記通知された前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部を備え、
前記送信部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記設定情報を前記ログイン元の電話端末に送信することを中止する、請求項1に記載の電話システム。
【請求項6】
電話端末からのログインを処理する主装置を具備する電話システムに用いられる前記電話端末において、
識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付けるログイン処理部と、
書き込まれた情報に基づいて前記主装置に接続するために前記電話端末の再起動を要するメモリと、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインであれば、前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報の前記主装置から前記電話端末への送信に伴う前記再起動を中止する、電話端末。
【請求項7】
前記主装置から送信された前記設定情報を受信する受信部と、
前記受信した設定情報を前記メモリに書き込むために一時記憶する書き込み制御部と、
前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、当該ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部とをさらに備え、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記送信された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項6に記載の電話端末。
【請求項8】
前記判定部は、前記受信した設定情報における書き込み強制フラグの有無を判定し、
前記書き込み制御部は、前記受信した設定情報に前記書き込み強制フラグが記されていれば、前記判定部による判定の結果よりも優先して、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込む、請求項7に記載の電話端末。
【請求項9】
前記判定部は、前記受信した設定情報と前記メモリに記憶されている設定情報との差異を判定し、
前記書き込み制御部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定されない場合に、前記差異があれば、前記転送された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項7に記載の電話端末。
【請求項10】
前記ログイン操作に伴って、当該ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とを前記主装置に通知する通知部と、
前記主装置から送信された設定情報を受信する受信部とをさらに備える、請求項6に記載の電話端末。
【請求項11】
識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付けるログイン処理部と、書き込まれた情報に基づいて前記主装置に接続するために前記電話端末の再起動を要するメモリとを備える電話端末からのログインを処理する主装置において、
前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信する送信部と、
前記電話端末から通知された、前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定する判定部とを備え、
前記送信部は、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記設定情報を前記ログイン元の電話端末に送信することを中止する、主装置。
【請求項12】
書き込まれた情報に基づいて主装置に接続するために再起動を要するメモリを備える電話端末と、この電話端末からのログインを処理する前記主装置とを具備する電話システムに用いられる前記電話端末の設定方法であって、
前記電話端末が、識別情報の入力を含むユーザのログイン操作を受け付け
前記主装置が、前記ログイン操作において入力された識別情報に対応する設定情報をログイン元の電話端末に送信し、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインであれば、前記主装置から前記電話端末への前記設定情報の送信に伴う前記再起動を中止する、設定方法。
【請求項13】
前記電話端末が、前記主装置から送信された設定情報を受信し、
前記電話端末が、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込むために一時記憶し、
前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記電話端末が、当該ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインとし、
前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記一時記憶することは、前記送信された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項12に記載の設定方法。
【請求項14】
前記判定することは、前記受信した設定情報における書き込み強制フラグの有無を判定し、
前記一時記憶することは、前記受信した設定情報に前記書き込み強制フラグが記されていれば、前記判定部による判定の結果よりも優先して、前記受信した設定情報を前記メモリに書き込む、請求項13に記載の設定方法。
【請求項15】
前記判定することは、前記受信した設定情報と前記メモリに記憶されている設定情報との差異を判定し、
前記一時記憶することは、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定されない場合に、前記差異があれば、前記転送された設定情報を前記メモリに書き込むことを中止する、請求項13に記載の設定方法。
【請求項16】
前記電話端末が、前記ログイン操作に伴って、当該ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とを前記主装置に通知し、
前記通知された前記ログイン操作において入力された識別情報と前記メモリに記憶されている識別情報とが異なれば、前記主装置が、前記ログイン操作を前記ユーザの移動に伴うログインと判定し、
前記送信することは、前記ログイン操作が前記ユーザの移動に伴うログインと判定された場合に、前記設定情報を前記ログイン元の電話端末に送信することを中止する、請求項12に記載の設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−98847(P2013−98847A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241265(P2011−241265)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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