説明

電話システムの主装置およびその動作方法

【課題】保留された呼を元の電話機に自動的に再接続でき、かつ、そのことを電話機の使用者に伝えられ、再接続方法の調査を不要にできる電話システムの主装置およびその動作方法を提供する。
【解決手段】主装置の機能提供判定部は、第1の電話機に接続されてから保留された呼を第2の電話機に接続することを示す転送指示を第1の電話機から受信したなら、電話機状態管理部で管理された第2の電話機の状態に基づいて呼を第2の電話機に接続できるか否かを判定し(S1)、接続できないと判定したなら、呼を第1の電話機に接続することを示す再接続案内が第1の電話機に送信されるように案内送信部を制御する(S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話システムの主装置およびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電話システムは、図7に示すように、例えば、主装置1Aと複数の電話機を含むものであり、主装置1Aは、例えば、電話機Aからの指示により、電話機Aに接続された呼を保留しつつ電話機A、Bを接続する。主装置1Aは、その後、電話機A、Bの接続を解消し、呼を電話機Bに接続させるという制御を実行する。
【0003】
つまり、電話機Aの使用者と通話していた通話相手は、電話機Bの使用者と通話することなる。呼の保留中は、電話機A、Bが接続され、電話機Aの使用者が通話相手の名前などを電話機Bの使用者に伝えるのである。
【0004】
電話システムの主装置1Aは、電話機A、Bを接続するにあたり、電話機Bに着信信号を送信するが、電話機Bの使用者が不在などの場合、電話機Bは応答しない。
【0005】
この場合、電話機Aの使用者は、当初の通話相手に電話機Bの使用者が不在であることなどを伝えなければならないので、電話機Aに対し、呼を電話機Aに再び接続するための再接続操作を行う。
【0006】
主装置1Aは、この再接続操作により、保留された呼を電話機Aに再接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−306045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、例えば、電話機Aの使用者が、再接続操作の方法を知らない場合、その方法を取扱説明書で調べたり、知っている人に尋ねたりしなければならない。そのため、場合によっては、方法が分からなく、再接続できないこともある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、第1の電話機に接続されてから保留された呼を第2の電話機に接続できない場合には呼を第1の電話機に自動的に再接続でき、かつ、そのことを第1の電話機の使用者に伝えられ、再接続方法の調査を不要にできる電話システムの主装置およびその動作方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、再接続操作は、例えば、電話機Aを瞬間的にオンフックするもの(フッキング)であり、オンフックの時間が長すぎると、呼が切断され、例えば、通話相手に電話をかけ直さなければならない。
【0011】
また、上記のように、再接続操作の方法を知らないと、取扱説明書で調べたり、尋ねたりしなければならないので、通話相手を長く待たせてしまう。
【0012】
よって、本発明は、好ましくは、容易な操作で迅速な再接続を可能にした電話システムの主装置およびその動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、複数の電話機に回線を介して接続される電話システムの主装置であって、前記各電話機に画像または音声による案内を送信可能な案内送信部と、前記各電話機の状態を管理する電話機状態管理部と、前記各電話機への呼の接続および保留ならびに電話機同士の接続および接続の解消を行う通話路制御部と、第1の前記電話機に接続された呼を保留することを示す保留指示を前記第1の電話機から受信したなら、当該呼を保留するように前記通話路制御部を制御し、保留した呼を第2の前記電話機に接続することを示す転送指示を前記第1の電話機から受信したなら、前記電話機状態管理部で管理された前記第2の電話機の状態に基づいて当該呼を前記第2の電話機に接続できるか否かを判定し、接続できないと判定したなら、当該呼を前記第1の電話機に接続することを示す案内が前記第1の電話機に送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する機能提供判定部とを備えることを特徴とする電話システムの主装置をもって解決手段とする。
【0014】
第2の本発明は、複数の電話機に回線を介して接続される電話システムの主装置の動作方法であって、前記主装置は、前記各電話機に画像または音声による案内を送信可能な案内送信部と、前記各電話機の状態を管理する電話機状態管理部と、前記各電話機への呼の接続および保留ならびに電話機同士の接続および接続の解消を行う通話路制御部とを備え、前記動作方法は、前記主装置の機能提供判定部が、第1の前記電話機に接続された呼を保留することを示す保留指示を前記第1の電話機から受信したなら、当該呼を保留するように前記通話路制御部を制御し、保留した呼を第2の前記電話機に接続することを示す転送指示を前記第1の電話機から受信したなら、前記電話機状態管理部で管理された前記第2の電話機の状態に基づいて当該呼を前記第2の電話機に接続できるか否かを判定し、接続できないと判定したなら、当該呼を前記第1の電話機に接続することを示す案内が前記第1の電話機に送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御することを特徴とする電話システムの主装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0015】
第1の本発明または第2の本発明によれば、主装置は、転送指示を受信したなら、第2の電話機の状態に基づいて第2の電話機に呼を接続できるか否かを判定し、接続できないなら、呼を第1の電話機に接続することを示す案内を第1の電話機に送信してから呼を接続するので、呼を第1の電話機に自動的に再接続でき、かつ、そのことを第1の電話機の使用者に伝えられ、再接続方法の調査を不要にすることができる。
【0016】
例えば、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続するための専用のボタンが当該第1の電話機に設けられ、前記第1の電話機は前記ボタンが操作されたなら、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続することを示す再接続指示を前記機能提供判定部に送信するようになっており、前記機能提供判定部は、前記再接続指示を受信したなら、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する。
【0017】
この発明によれば、ボタンが操作されたなら呼が第1の電話機に接続されるので、容易な操作で迅速な再接続が可能となる。
【0018】
例えば、前記主装置は、前記各電話機に接続された回線を収容する電話機制御部を備え、前記機能提供判定部は、前記呼を前記第2の電話機に接続できると判定したなら、前記第2の電話機に着信信号が送信されるように前記電話機制御部を制御し、前記第2の電話機が着信信号に応答する前に前記第1の電話機から切断信号を受信したなら、前記第2の電話機が着信信号に応答するか否かを判定し、前記第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答したなら前記呼を前記第2の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する一方、前記第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答しなかったなら、前記第1の電話機に着信信号が送信されるように前記電話機制御部を制御し、当該着信信号に応答した前記第1の電話機に前記案内が送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する。
【0019】
この発明によれば、第1の電話機の使用者が、例えば保留転送を諦めて、切断操作を行い、これにより、切断信号を受信した後でも、保留転送することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、呼を第2の電話機に接続できない場合には呼を第1の電話機に自動的に再接続でき、かつ、そのことを第1の電話機の使用者に伝えられ、再接続方法の調査を不要にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施の形態に係る電話システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】電話機状態管理部152の構成の一例を示す図である。
【図3】機能提供判定部153の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】電話システムの動作の一例を示す第1のシーケンス図である。
【図5】電話システムの動作の一例を示す第2のシーケンス図である。
【図6】電話システムの動作の別な一例を示すシーケンス図である。
【図7】従来の電話システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る電話システムの概略構成を示すブロック図である。
電話システムは、主装置1と複数の電話機2とを備えるものである。主装置1は、複数の回線L(外線)を収容する回線制御部11と、各電話機2に接続された回線(内線)を収容する電話機制御部12と、各電話機2に画像または音声による案内を送信可能な案内送信部13と、各電話機2への回線Lからの呼の接続および保留ならびに電話機2同士の接続および接続の解消を行う通話路制御部14と、呼の接続のための制御を行う呼制御部15とを備える。
【0024】
呼制御部15は、各呼の状態を管理する呼状態管理部151と、各電話機2の状態を管理する電話機状態管理部152と、種々の判定を行い、判定結果を基に、回線制御部11、電話機制御部12、案内送信部13および通話路制御部14を制御する機能提供判定部153とを備える。
【0025】
各電話機2には、当該電話機2に接続されてから保留された呼を当該電話機2に再び接続するための専用のボタン(以下、再接続ボタンという)が設けられ、電話機2は、その使用者により再接続ボタンが操作されたなら、保留された呼を当該電話機2に再び接続することを示す再接続指示を機能提供判定部153に送信するようになっている。
【0026】
図2は、電話機状態管理部152の構成の一例を示す図である。
電話機状態管理部152は、電話機2ごとのレコードを有し、各レコードは、該当の電話機2を示す連番(項番)、該当の電話機2の電話機名、該当の電話機2の電話番号(内線番号)、該当の電話機2の現在の状態、該当の電話機2の現在の状態が開始された時刻(電話機状態開始時刻)を管理し、また、該当の電話機2に接続された呼の経路となる回線Lの回線名または該当の電話機2に接続された他の電話機2の電話機名を格納するエリア(着信/通話先/保留呼)を有している。
【0027】
現在の状態は、該当の電話機2が着信中、通話中、保留中、待機中のいずれであるかを管理するようになっている。
【0028】
着信中とは、呼を該当の電話機2に接続できない状態であり、該当の電話機2がオンフックされておりかつ該当の電話機2が着信信号を受信している状態をいう。
【0029】
通話中とは、呼を該当の電話機2に接続できない状態であり、該当の電話機2に呼が接続されかつ該当の電話機2がオフフックされている状態をいう。
【0030】
保留中とは、呼を該当の電話機2に接続できない状態であり、該当の電話機2に接続された呼が保留されている状態をいう。保留中の電話機2はオフフックされている。
【0031】
待機中とは、呼を該当の電話機2に接続できる状態であり、該当の電話機2がオンフックされておりかつ該当の電話機2に呼が接続されておらずかつ該当の電話機2が着信信号を受信していない状態をいう。
【0032】
図3は、機能提供判定部153の処理の流れを示すフローチャートである。
図3は、電話機2の1つである第1の電話機に接続された呼が保留され、当該呼(以下、保留呼)を他の電話機2である第2の電話機に接続することを示す転送指示を第1の電話機から受信した際の動作を示すものである。
【0033】
機能提供判定部153は、転送指示を受信したなら、電話機状態管理部152の第2の電話機のレコードに該当の電話機2が待機中であることが記憶されているか否かを判定する、つまり、機能提供判定部153は、保留呼を第2の電話機に接続できるか否かを判定する(S1)。
【0034】
機能提供判定部153は、待機中であることが記憶されていないなら、つまり、保留呼を第2の電話機に接続できないなら(S1:NO)、電話機制御部12を制御し、第1の電話機へ話中音の送信を開始させる(S3)。
【0035】
次に、機能提供判定部153は、話中音の送信が開始されてから予め定められた長さの時間が経過する前に、第1の電話機から再接続指示を受信したか否かを判定する(S5)。
【0036】
機能提供判定部153は、予め定められた長さの時間が経過する前に第1の電話機から再接続指示を受信しなかったなら、つまり、再接続ボタンが操作されなかったなら(S5:NO)、案内送信部13を制御し、例えば、「転送できませんので、この電話に再接続します」という音声による案内(以下、再接続案内という)を第1の電話機に送信させる(S7)。これにより、第1の電話機の使用者は、再接続に操作が不要であることを知ることができる。なお、再接続案内は同様の内容を伝える画像であってもよい。
【0037】
機能提供判定部153は、再接続案内の送信が終わったなら、通話路制御部14を制御し、保留呼を第1の電話機に接続させ(S9)、処理を終える。ステップS9の処理により、第1の電話機の使用者は当初の通話相手と通話を行える。
【0038】
一方、機能提供判定部153は、予め定められた長さの時間が経過する前に第1の電話機から再接続指示を受信したなら、つまり、再接続ボタンが操作されたなら(S5:YES)、電話機制御部12を制御し、通話路制御部14を制御し、保留呼を第1の電話機に接続させ(S11)、処理を終える。ステップS11の処理により、第1の電話機の使用者は当初の通話相手と通話を行える。
【0039】
機能提供判定部153は、待機中であることが記憶されているなら、つまり、保留呼を第2の電話機に接続できるなら(S1:YES)、電話機制御部12を制御し、着信信号を第2の電話機に送信開始させる(S21)。
【0040】
次に、機能提供判定部153は、(1)着信信号が第2の電話機に送信開始されてから予め定められた長さの時間が経過する前に第2の電話機からオフフック信号を受信した、つまり、第2の電話機が応答したか、(2)予め定められた長さの時間が経過する前に第2の電話機からオフフック信号を受信しなかった、つまり、第2の電話機が応答しなかったか、(3)第2の電話機からオフフック信号を受信する前に第1の電話機から切断信号を受信した、つまり、第1の電話機の使用者が例えば転送を諦めて第1の電話機をオンフックの状態に移行させた(切断操作を行った)かを判定する(S23)。
【0041】
機能提供判定部153は、(1)の条件が充足されたなら、通話路制御部14を制御し、第1の電話機を第2の電話機に接続させる(S25)。ステップS25の処理により、第1の電話機の使用者と第2の電話機の使用者は通話を行え、ここで、例えば、第1の電話機の使用者は、第2の電話機の使用者に対し、第1の電話機の使用者が当初通話していた相手の名前などを連絡する。
【0042】
次に、機能提供判定部153は、そのような通話の後、第1の電話機の使用者が第1の電話機をオンフックの状態に移行させる(切断操作を行う)ので、その際に送信される切断信号を第1の電話機から受信したなら(S26)、通話路制御部14を制御し、第1の電話機と第2の電話機の接続を解消させるとともに、保留呼を第2の電話機に接続させ(S27)、処理を終える。ステップS27の処理により、第2の電話機の使用者は第1の電話機の使用者の当初の通話相手と通話を行える。
【0043】
機能提供判定部153は、例えば、第2の電話機の使用者が不在であり、(2)の条件が充足されたなら、制御をステップS7に移行する。
【0044】
機能提供判定部153は、(3)の条件が充足されたなら、第1の電話機から切断信号を受信してから予め定められた長さの時間が経過する前に第2の電話機からオフフック信号を受信した、つまり、第2の電話機が応答したか否かを判定する(S29)。
【0045】
機能提供判定部153は、予め定められた長さの時間が経過する前に第2の電話機からオフフック信号を受信した、つまり、第2の電話機が応答したなら(S29:YES)、通話路制御部14を制御し、保留呼を第2の電話機に接続させ(S31)、処理を終える。ステップS27の処理により、第2の電話機の使用者は第1の電話機の使用者の当初の通話相手と通話を行える。
【0046】
一方、機能提供判定部153は、予め定められた長さの時間が経過する前に第2の電話機からオフフック信号を受信しなかった、つまり、第2の電話機が応答しなかったなら(S29:NO)、電話機制御部12を制御して、第1の電話機に着信信号を送信開始させ(S33)、第1の電話機からオフフック信号を受信した、つまり、第1の電話機が応答したなら(S35)、制御をステップS7に移行する。
【0047】
図4、図5は、電話システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
ここでは、ある電話機2(電話機Aという)の使用者が、ある回線Lの先に接続された電話機の使用者と通話中であり、他の1つの電話機2(電話機Bという)の使用者が、他の1つの回線Lの先に接続された電話機の使用者と通話中であることとする。かかる状態は、呼状態管理部151と電話機状態管理部152に反映される。
【0048】
電話機Aの使用者は、例えば、当初の通話相手と電話機Bの使用者を通話させるべく、電話機Aに保留操作を行う(T1)。保留操作は、例えば、電話機を瞬間的にオンフックするもの(フッキング)である。
【0049】
電話機Aは、保留操作により、機能提供判定部153に保留指示を送信する(T3)。
【0050】
機能提供判定部153は、保留指示を受信したなら、通話路制御部14に保留音送信指示を送信する(T5)。
【0051】
通話路制御部14は、保留音送信指示を受信したなら、該当の回線Lを介して、相手の電話機に保留音を送信する(T7)。これにより、電話機Aに接続されていた呼は保留となる。以下、当該呼を保留呼という。
【0052】
電話機Aの使用者は、引き続き、電話機Bの電話番号をダイヤルする(T11)。
【0053】
電話機Aは、ダイヤル操作がなされたなら、機能提供判定部153に転送指示を送信する(T13)。転送指示には、ダイヤルされた電話機Bの電話番号が含まれる。
【0054】
機能提供判定部153は、これ以降、図3のフローチャートにしたがって判定や制御をを行う。
【0055】
まず、機能提供判定部153は、保留呼を電話機Bに接続できるか否かを判定すべく、電話機状態管理部152を参照して(T15)、ここでは電話機Bは通話中なので(T17)、電話機Bに保留呼を接続できないと判定する(T19)。
【0056】
図5において、機能提供判定部153は、電話機制御部12に対し、電話機Aへの話中音送信指示を送信し(T21)、これにより、電話機制御部12は、電話機Aに話中音を送信開始する(T23)。
【0057】
電話機Aの使用者は、例えば、電話機Bへの保留呼の接続(転送)を中止すべく、再接続ボタンを操作する(T31)。
【0058】
電話機Aは、再接続ボタンの操作により、機能提供判定部153に再接続指示を送信する(T33)。
機能提供判定部153は、通話路制御部14に再接続指示を転送する(T35)。
【0059】
通話路制御部14は、これにより、通話路制御部14は、保留呼を電話機Aに接続させる(T37)。
【0060】
図6は、電話システムの動作の別な一例を示すシーケンス図である。
図4、図5の例とは異なり、例えば、図5のステップT31で再接続ボタンが操作されなかったなら、機能提供判定部153は、案内送信部13に再接続案内の送信指示を送信する(T41)。
【0061】
案内送信部13は、この指示により、電話機Aに再接続案内を送信開始し(T43)、送信を終えたなら、送信終了通知を機能提供判定部153に送信する(T45)。
【0062】
機能提供判定部153は、送信終了通知を受信したなら、通話路制御部14に保留音停止指示と再接続指示を送信する(T47)。
【0063】
通話路制御部14は、保留音停止指示により、保留音の送信を停止し、再接続指示により、保留呼を電話機Aに接続させる。
【0064】
以上説明したように、本実施の形態によれば、主装置1は、各電話機2に画像または音声による案内を送信可能な案内送信部13と、各電話機2の状態を管理する電話機状態管理部152と、各電話機2への呼の接続および保留ならびに電話機同士の接続および接続の解消を行う通話路制御部14と、第1の電話機に接続された呼を保留することを示す保留指示を第1の電話機から受信したなら(図4:T3)、呼を保留するように通話路制御部14を制御し(図4:T5)、呼を第2の電話機に接続することを示す転送指示を第1の電話機から受信したなら(図4:T13)、電話機状態管理部152で管理された第2の電話機の状態に基づいて呼を第2の電話機に接続できるか否かを判定し(図3:S1)、接続できないと判定したなら、呼を第1の電話機に接続することを示す再接続案内が第1の電話機に送信されるように案内送信部13を制御し(図3:S7)、再接続案内の送信後に、呼を第1の電話機に接続するように通話路制御部14を制御する(図6:T47)機能提供判定部153とを備えるので、呼を第2の電話機に接続できない場合には呼を第1の電話機に自動的に再接続でき、かつ、そのことを第1の電話機の使用者に伝えられ、再接続方法の調査を不要にすることができる。
【0065】
また、保留された呼を電話機2に接続するための専用のボタン(再接続ボタン)が電話機2に設けられ、第1の電話機は再接続ボタンが操作されたなら、保留呼を第1の電話機に接続することを示す再接続指示を機能提供判定部153に送信するようになっており、機能提供判定部153は、再接続指示を受信したなら(S5:YES)、保留呼を第1の電話機に接続するように通話路制御部14を制御するので、再接続ボタンが操作されたなら呼が第1の電話機に接続されるので、容易な操作で迅速な再接続が可能となる。
【0066】
また、主装置1は、各電話機2に接続された回線を収容する電話機制御部12を備え、機能提供判定部153は、呼を第2の電話機に接続できると判定したなら(S1:YES)、第2の電話機に着信信号が送信されるように電話機制御部12を制御し(S21)、第2の電話機が着信信号に応答する前に第1の電話機から切断信号を受信したなら(S23:(3))、第2の電話機が着信信号に応答するか否かを判定し(S29)、第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答したなら(S29:YES)呼を第2の電話機に接続するように通話路制御部14を制御する(S31)一方、第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答しなかったなら(S29:NO)、第1の電話機に着信信号が送信されるように電話機制御部12を制御し(S33)、着信信号に応答した第1の電話機に再接続案内が送信されるように案内送信部13を制御し(S7)、再接続案内の送信後に、呼を第1の電話機に接続するように通話路制御部14を制御するので、第1の電話機の使用者が例えば保留転送を諦めて、切断操作を行い、これにより、切断信号を受信した後でも、保留転送することができる。
【符号の説明】
【0067】
1…主装置
2…電話機
11…回線制御部
12…電話機制御部
13…案内送信部
14…通話路制御部
15…呼制御部
151…呼状態管理部
152…電話機状態管理部
153…機能提供判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話機に回線を介して接続される電話システムの主装置であって、
前記各電話機に画像または音声による案内を送信可能な案内送信部と、
前記各電話機の状態を管理する電話機状態管理部と、
前記各電話機への呼の接続および保留ならびに電話機同士の接続および接続の解消を行う通話路制御部と、
第1の前記電話機に接続された呼を保留することを示す保留指示を前記第1の電話機から受信したなら、当該呼を保留するように前記通話路制御部を制御し、保留した呼を第2の前記電話機に接続することを示す転送指示を前記第1の電話機から受信したなら、前記電話機状態管理部で管理された前記第2の電話機の状態に基づいて当該呼を前記第2の電話機に接続できるか否かを判定し、接続できないと判定したなら、当該呼を前記第1の電話機に接続することを示す案内が前記第1の電話機に送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する機能提供判定部と
を備えることを特徴とする電話システムの主装置。
【請求項2】
前記保留された呼を前記第1の電話機に接続するための専用のボタンが当該第1の電話機に設けられ、前記第1の電話機は前記ボタンが操作されたなら、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続することを示す再接続指示を前記機能提供判定部に送信するようになっており、
前記機能提供判定部は、
前記再接続指示を受信したなら、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の電話システムの主装置。
【請求項3】
前記主装置は、前記各電話機に接続された回線を収容する電話機制御部を備え、
前記機能提供判定部は、
前記呼を前記第2の電話機に接続できると判定したなら、前記第2の電話機に着信信号が送信されるように前記電話機制御部を制御し、前記第2の電話機が着信信号に応答する前に前記第1の電話機から切断信号を受信したなら、前記第2の電話機が着信信号に応答するか否かを判定し、前記第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答したなら前記呼を前記第2の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する一方、前記第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答しなかったなら、前記第1の電話機に着信信号が送信されるように前記電話機制御部を制御し、当該着信信号に応答した前記第1の電話機に前記案内が送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する
ことを特徴とする請求項1または2記載の電話システムの主装置。
【請求項4】
複数の電話機に回線を介して接続される電話システムの主装置の動作方法であって、
前記主装置は、
前記各電話機に画像または音声による案内を送信可能な案内送信部と、
前記各電話機の状態を管理する電話機状態管理部と、
前記各電話機への呼の接続および保留ならびに電話機同士の接続および接続の解消を行う通話路制御部とを備え、
前記動作方法は、
前記主装置の機能提供判定部が、第1の前記電話機に接続された呼を保留することを示す保留指示を前記第1の電話機から受信したなら、当該呼を保留するように前記通話路制御部を制御し、保留した呼を第2の前記電話機に接続することを示す転送指示を前記第1の電話機から受信したなら、前記電話機状態管理部で管理された前記第2の電話機の状態に基づいて当該呼を前記第2の電話機に接続できるか否かを判定し、接続できないと判定したなら、当該呼を前記第1の電話機に接続することを示す案内が前記第1の電話機に送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する
ことを特徴とする電話システムの主装置の動作方法。
【請求項5】
前記保留された呼を前記第1の電話機に接続するための専用のボタンが当該第1の電話機に設けられ、前記第1の電話機は前記ボタンが操作されたなら、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続することを示す再接続指示を前記機能提供判定部に送信するようになっており、
前記機能提供判定部は、
前記再接続指示を受信したなら、前記保留された呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する
ことを特徴とする請求項4記載の電話システムの主装置の動作方法。
【請求項6】
前記主装置は、前記各電話機に接続された回線を収容する電話機制御部を備え、
前記機能提供判定部は、
前記呼を前記第2の電話機に接続できると判定したなら、前記第2の電話機に着信信号が送信されるように前記電話機制御部を制御し、前記第2の電話機が着信信号に応答する前に前記第1の電話機から切断信号を受信したなら、前記第2の電話機が着信信号に応答するか否かを判定し、前記第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答したなら前記呼を前記第2の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する一方、前記第2の電話機が予め定められた時間が経過する前に応答しなかったなら、前記第1の電話機に着信信号が送信されるように前記電話機制御部を制御し、当該着信信号に応答した前記第1の電話機に前記案内が送信されるように前記案内送信部を制御し、当該案内の送信後に、当該呼を前記第1の電話機に接続するように前記通話路制御部を制御する
ことを特徴とする請求項4または5記載の電話システムの主装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−74387(P2013−74387A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210720(P2011−210720)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】