説明

電話交換装置と端末機器との接続管理方法及び接続装置

【課題】電話交換装置において使用する端末機器が変更になる場合に、設定変更作業を効率的に実現する。
【解決手段】電話交換装置と端末機器とのマトリックススイッチモジュールによる接続管理方法であって、前記マトリックスモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートとを接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、1の端末機器が接続されていた前記第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、別の前記第2の接続ポートに接続変更されたのを検出し、前記1の端末機器の設置場所が変わった場合にも、前記1の端末機器は、前記電話交換装置の同じ識別番号の実装ポートに接続されるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話交換装置と端末機器との接続管理方法、及び、電子交換装置と端末機器の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電話交換装置と端末の接続は、電話交換機に実装され、端末機器を収容するための複数の端末インタフェースに個別の端末機器が接続されて電話交換装置に接続される。電話交換装置は、端末インタフェースのそれぞれに内線電話番号に相当する固有の識別番号を設定することによって、電話交換装置に接続された端末機器は識別番号に紐付けらされ、端末インタフェースに接続された端末機器を識別するようになっている。そして、その端末機器が、他の端末機器と通信を行うには、他の端末機器が接続された端末インタフェースの識別番号(内線番号)を指定して通信を行うことによって、電話交換装置の交換機能によって両端末機器が接続され、通信を確立する。
【0003】
このように、識別番号は端末機器に割り振られているのではなく、端末機器との交換装置側の接続インタフェースに電話交換装置側で設定されていることから、端末機器を使用するエリアを変更した場合、その端末機器を移動先で使用するには、移動前と異なる識別番号を使用するか、もしくは識別番号が登録されている電話交換装置に登録されたデータを変更する作業が発生する。
【0004】
図6を、参照して具体的に説明すると、電話交換装置1には、端末インタフェース3‐1〜3‐5が複数実装されており、それぞれ端末機器2‐1〜2‐5を接続することが可能である。電話交換装置3では、各端末インタフェース3‐1〜3‐5に対して個別の識別番号を設定する必要がある。例として、端末機器2‐1の使用者が端末機器2‐4の使用者と通信を行いたい場合、端末機器2‐1の使用者は端末機器2‐4に接続されている端末接続インタフェース3‐4に設定されている識別番号“1003”を端末機器2‐1で入力する。端末機器2‐1からは、識別番号に応じたDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号が電話交換装置1に発信される。電話交換装置1では、DTMF信号を受信すると、元の識別信号“1003”を復元し、端末機器2‐1が接続されている端末インタフェース3‐1と、識別番号“1003”が設定されている端末インタフェース2-4が接続されるように、電話交換装置内部で、スイッチ(例えば、時分割スイッチ)の動作の制御を行い、端末機器2‐1と端末機器2-4間の通信を確立することが出来る。
【0005】
しかしながら、端末機器2‐1〜2‐5が使用する識別番号は、端末機器2‐1〜2‐5に与えられているものではなく、端末機器収容計画に基づいて、電話交換装置1側の端末インタフェース3‐1〜3‐5に対して電話交換装置1側で設定され、管理が行なわれる。このため、最初に決められた端末機器収容計画上で使用する上では問題はないが、例えば、端末機器2‐1の使用者の作業エリアが変更となり、移動前の端末機器2‐1が接続されている端末インタフェース3‐1と異なる端末インタフェース3‐2に接続された端末機器2‐2を使用することになった場合、端末機器2−5から、元々端末機器2‐1を使用していた使用者と通信を行うことが出来なくなる。このため、使用する端末機器が2‐1から2‐5に変更になった時点で、端末機器2‐2の使用者は自分の識別番号が“1000”から“1001”に変更となったことを、端末機器2‐5の使用者を含め関係者に対して通知する必要性がある。もし、端末使用者が移動前の識別番号を継続して使用したい場合、電話交換装置3の管理者によって、電話交換装置3側で端末機器2‐2が接続されている端末インタフェースについて設定を変更する必要がある。上記、どちらの方法も人の手による作業が発生する。
【0006】
特開2008-166890号公報(特許文献1)は、内線通信端末の利用者が常駐場所を移動した際、移動元で使用の内線番号及び内線データを移動先と交換し、その移動先でもそのまま利用できるようにしたボタン電話装置が開示されている。このボタン電話装置では、通信端末のボタン操作によって内線データ交換要求を行い、利用者の内線データの記録された領域を対応テーブルから呼出し、移動先内線番号の内線データを交換するだけでなく、交換した内線データが記録されている実装位置の宛先内線番号を対応テーブルの移動先領域内で交換するものである。この従来技術は、通信端末のボタン操作で、移動元の内線番号を移動先に存する通信端末で使用するものであるが、移動元で使用していた通信端末を移動先で、移動元で使用していた内線番号のまま使用できるようにしたものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−166890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、電話交換装置において端末機器を使用する者が配置換え等の理由で使用する端末機器が変更になる際に生じる不都合や電話交換装置側での設定変更作業をなくし、効率的なシステム運用を実現させることのできる電話交換装置と端末機器との続続管理方法及び電子交換装置と端末機器の接続装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器とのマトリックススイッチモジュールによる接続管理方法であって、
前記マトリックスモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートとを接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出し、
前記1の端末機器の設置場所が変わった場合にも、前記1の端末機器は、前記電話交換装置の同じ識別番号の実装ポートに接続されるように制御する接続管理方法。が得られる。
【0010】
本発明の別の視点によれば、実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器とを接続する接続装置であって、
前記接続装置は、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートに接続されたマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記接続装置の第2の接続ポートから、前記1の端末機器が前記接続装置の別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを特徴とする接続装置。が得られる。
【0011】
本発明の更に別の視点によれば、実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器と、前記複数の端末機器を前記電話交換装置に接続するマトリックススイッチモジュールとを含む通信システムにおいて、
前記マトリックススイッチモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートと接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを特徴とする通信システムが得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、移動前に端末機器2が接続されていた電話交換装置の端末インタフェースをマトリクススイッチモジュールによって、移動後も同じ電話交換装置の端末インタフェースに接続されるように自動的に接続されるので、初期状態の接続を再開することができ、移動前の識別番号や、端末インタフェース3に個別で設定されていた情報を、継続して使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態で使用されるマトリックススイッチを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態で使用される対応接続関係テーブルなど接続関係の例を示す。
【図4】本発明の第1の実施の形態に使用されるマトリックススイッチの制御方法示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】電話交換装置と端末機器の従来の接続方法を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態を示すブロック図である。図1において、1は電話交換装置、2‐1〜2‐5は端末機器、4はマトリックススイッチモジュールである。電話交換装置1には、端末機器と電気的に接続される電話交換装置側の接続インタフェース3‐1〜3‐5が複数実装されている。各接続インタフェース3‐1〜3‐5は、電話交換装置の収容端末の各実装位置に対応するインタフェースで、実装位置に配置された実装ポートである。したがって、明細書では、接続インタフェース3‐1〜3‐5という代わりに、しばしば、実装ポート3‐1〜3‐5と言い換えて使用される。接続インタフェース、すなわち、実装ポート3‐1〜3‐5には内線番号に対応する固有の識別番号が電話交換装置によって設定される。実装ポートは、通常、端末機器と接続される。しかし、本発明の実施形態では、電話交換装置の接続インタフェース(実装ポート)3‐1〜3‐5は、端末機器2‐1〜2‐5とマトリクススイッチモジュール4を介して接続される。すなわち、電話交換装置の接続インタフェース(実装ポート)3‐1〜3‐5は、それぞれ、マトリクススイッチモジュール4の接続インタフェース5‐1〜5‐5に接続され(図3の(a)参照)、マトリクススイッチモジュール4が中継接続する。
【0016】
マトリクススイッチモジュール4は、電話交換装置1との接続インタフェース5‐1〜5‐5、縦横に複数の配線がマトリックス状に配置され、交わる部分に用意した開閉スイッチの開閉により配線の接続の切り替えが可能なマトリクススイッチ6、端末機器2‐1〜2‐5との接続インタフェース7‐1〜7‐5を含む。接続インタフェース5‐1〜5‐5は、マトリックススイッチモジュールの第1の接続ポート5‐1〜5‐5と言い換えて、また、端末機器2との接続インタフェース7‐1〜7‐5は、マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポート7‐1〜7‐5と言い換えしばしば使用する。以下の説明では、端末機器2‐1〜2‐5、第1の接続ポート5‐1〜5‐5、第2の接続ポート7‐1〜7‐5、実装ポート3‐1〜3‐5において、これらの要素を個別に区別する必要のない場合には、単に、端末機器2、第1の接続ポート5、第2の接続ポート7、実装ポート3のように参照符号を適宜簡略して使用される場合がある。
【0017】
マトリックススイッチ6は、例えば、図2に模式的に示したようなものである。すなわち、マトリックス状に配置された、行線及び列線の交点にスイッチが配置され、スイッチの制御によって、任意の行線と任意の列線を電気的に接続できる。各行線の端子に付したA〜Eはそれぞれマトリックススイッチモジュールの第1の接続ポート5‐1〜5−5が接続される。また、各列線の端子1〜5は、マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポート7‐1〜7‐5に接続される。したがって、マトリックススイッチモジュールの第1の接続ポート5‐1〜5−5と第2の接続ポート7‐1〜7‐5との互いの接続の選択は、スイッチの制御によって任意に切替えることができる。
【0018】
マトリックススイッチモジュール4は、更に、端末機器2‐1〜2‐5から供給される機器に個体の識別情報を受信するインタフェース8、個体の識別情報を基にマトリクススイッチ6の制御を行うマトリクススイッチ管理部9を含む。
【0019】
マトリックススイッチモジュールの端末機器側の接続インタフェース7‐1〜7‐5の各第2の接続ポートは、電話交換装置側の接続インタフェース5‐1〜5‐5の各第1のポートのいずれか1つとマトリックススイッチ6を介して接続される。マトリックススイッチの初期設定では、例えば、交換装置側の接続インタフェース5‐1〜5‐5の第1の接続ポートと端末機器側の接続インタフェース7‐1〜7‐5の第2の接続ポートがそれぞれ対応するように設定されている(図3の(b−1)参照)。このような状態で、マトリックススイッチモジュール4の端末側の接続インタフェース7‐1〜7‐5の第2の接続ポートに端末機器が接続されると、マトリックススイッチモジュール4は、それを検出する。また、接続インタフェース7‐1〜7‐5に端末機器が接続されると、信号船からの電源供給開始をトリガとして、端末機器3からその識別情報が個別識別情報用インタフェース8に送られ、マトリックススイッチ管理部9は、接続端末インタフェース7‐1〜7‐5の接続ポートに対応して、端末機器の識別情報を登録する。このようにして、マトリックススイッチの第1の接続ポートと第2の接続ポートの初期設定の接続状態において、第2の接続ポート7‐1〜7‐5と端末機器2‐1〜2‐5との対応接続関係テーブルが用意される。このような対応接続関係テーブルの例を図5に示す。図において、対応接続関係テーブルには、各第2の接続ポート7‐1〜7‐5と端末機器2‐1〜2‐5との接続状態が格納されている。このテーブルは、初期収容計画に基づき、初期の状態での接続関係が示されている(図3の(c−1)参照)。
【0020】
このような設定状態で、ある端末機器、例えば、端末機器2−1が、他の端末機器2−4が接続される電話交換装置のインタフェースの実装ポート5−4の識別番号を送信し、他の端末機器2−4との通信要求を行うと、識別番号は、端末機器2−1から、マトリックスモジュール4の接続インタフェースの第2の接続ポート7‐1、マトリックススイッチ6、第1の接続ポート5‐1を介して、電話交換装置1の実装ポート3‐1、に送られる。電話交換装置1では交換接続を行いその接続先として、他の端末機器2‐4と接続される実装ポート3‐4に接続する。そして実装ポート3−4、第1の接続ポート5‐4、マトリックススイッチ6、第2の接続ポート7‐4を経由して、他の端末機器2‐4に接続される。このようにして、通信要求元の端末機器と通信要求先の端末機器とが接続され、通信が確立する。
【0021】
このような状態から、端末機器2‐1の使用者の端末使用場所を変更したい場合、端末機器2‐1を取り外して、移動後は移動先に設置してある接続インタフェース7‐3に端末機器2‐1を接続する場合を例に説明する。この接続の変更があると、マトリクススイッチモジュール6は端末機器2‐1の接続先の変化を検出して、内部のマトリクススイッチ6の開閉制御を行う。すなわち、マトリックススイッチモジュール4は、端末機器2−1がマトリックススイッチモジュールの第2の接続ポート7‐3に接続されたのを検出し、端末機器2−1の識別情報が個別情報識別用インタフェース8を経由してマトリックススイッチ管理部9に供給される。これを受けて、対応関係接続テーブルにおける接続インタフェース7‐3の接続ポートに対応する端末機器の識別情報を移動した端末機器2‐1の識別情報に書き換える(図3の(C−2)参照)。そして、更新された対応関係接続テーブルに基づき、マトリックススイッチ6を制御する。
【0022】
すなわち、第2の接続ポート7-3を経由して、移動された端末機器2-1は、移動前の端末機器2‐1が第2の接続ポート7‐1を経由して接続されていたマトリックススイッチの第1の接続ポート5‐1に接続されるようにマトリックススイッチは制御される(図3の(b−2)参照)。第1の接続ポート5‐1は、端末機器2‐1が移動前にマトリックススイッチを介して接続されていた電話交換装置1の実装ポート3‐1である。
【0023】
このようにして、本実施形態では、端末機器の移動をマトリクススイッチモジュール4が検出して自動的に接続先を変更する為、端末使用者及び電話交換装置1側のデータ設定変更を行う負担をなくすることができる。
【0024】
上述の説明で、マトリックスモジュールの動作を詳しく説明したが、図4に示すフローチャートを用いて更に説明する。
【0025】
図1及び図4を参照すると、端末機器2が、マトリクススイッチモジュール4に接続されると、端末機器2から識別情報がマトリクススイッチモジュール4に与えられる。マトリックスモジュール4は、受信した識別情報から、接続インタフェース7に接続された端末機器2を識別する(S1)。接続インタフェースに接続された受信した端末識別情報と接続インタフェース7との組み合わせが、マトリクススイッチ管理部9に初期状態として対応接続関係テーブルとして保持される(S2)。次に端末機器2使用者の端末機器使用場所(エリア)を変更する場合、使用していた端末機器2を端末接続インタフェース7から取り外して、移動先の端末接続インタフェース7に接続する。接続と同時に端末機器2から端末識別情報がマトリクススイッチモジュール4に与えられ変化が検出される(S3)。そして、マトリクススイッチ管理部9は、端末機器2の識別情報と端末接続インタフェース7との組み合わせが変更されたことを認識する(S4)。次いで、マトリクススイッチ管理部9は、変更検出後に端末機器が接続された第2の接続ポートを、接続状態の変更が検出される前に端末機器が接続されていた第1の接続ポートに、へ切替制御する(S5)。この切替えによって、端末機器が接続されるマトリックススイッチの第2の接続ポートは、変化検出前のマトリックススイッチの第2の接続ポートと同じポートに接続されることになる。
【0026】
発明の他の実施の形態を図5を参照して説明する。この実施の形態の基本的構成は第1の実施の形態とほぼ同じである。他の実施の形態では、工事性についてさらに工夫している。図5において、端末機器22‐1〜22‐5は、マトリクススイッチモジュール24とアナログ回線である端末インタフェース27‐1〜27‐5により接続される。端末機器22‐1〜22‐5は、端末接続インタフェース27‐1〜27‐5に接続時にDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)により、識別情報をマトリクススイッチモジュール24に対して送信する。マトリクススイッチモジュール24では、端末機器22‐1〜22‐5からのDTMF信号をDTMF信号受信部30にて受信して、識別信号復元部31にて、DTMF信号から識別情報に復元化を行う。そして復元化された識別情報は、マトリクススイッチ管理部30に与えられる。
【0027】
このように、他の実施形態では、端末機器とマトリクススイッチモジュール間の接続ケーブルが単純に半分で済むので、ケーブル設置時の工事が容易になり、工事性がよくなります。
【0028】
以上説明したように、本発明の実施の形態は、以下に記載するような効果を奏する。
【0029】
マトリクススイッチモジュールでの初期状態の電話交換装置と端末機器との接続状態を、マトリクススイッチモジュールが認識しており、端末機器が移動して、マトリクススイッチモジュールの別の端末接続インタフェースに接続されたとしても、端末機器2が接続される電話交換装置との接続インタフェースを初期状態と同じ接続にすることが出来るため、変更前の電話交換装置側のインタフェースをそのまま使用することが可能となる。端末機器間の通信で使用される識別番号は、電話交換装置側のインタフェースに対して設定されていることから、使用者は意識せずに、以前の識別番号を使用することが可能なことである。
【0030】
また、マトリクススイッチモジュールでの、一連の制御を自動で行っていることから、端末機器の使用者や電話交換装置の管理者は端末機器の使用者の端末機器使用エリアを変更する際に何も意識する必要がなくなる。
【0031】
さらに、端末機器からの識別情報をマトリクススイッチモジュール4受信しているため、端末機器の使用エリアの特定や、識別情報に加えて端末機器2の動作状態も受信することで、端末機器故障時の早急な対応が可能となることである。
【0032】
上述した実施形態の1部又は、全部は、以下の付記のようにも記載できるが、これらには限らない。
【0033】
(付記1)
実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器とのマトリックススイッチモジュールによる接続管理方法であって、
前記マトリックスモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートとを接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出し、
前記1の端末機器の設置場所が変わった場合にも、前記1の端末機器は、前記電話交換装置の同じ識別番号の実装ポートに接続されるように制御する接続管理方法。
【0034】
(付記2)
前記制御は、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを含む付記1記載の接続管理方法。
【0035】
(付記3)
前記マトリックススイッチ管理部は、前記複数の第2の接続ポートと前記複数の端末機器の識別情報との対応接続関係を保持する対応接続関係保持テーブルを有し、前記対応接続関係保持テーブルにしたがって前記マトリックススイッチが制御されることを特徴とする付記2記載の接続管理方法。
【0036】
(付記4)
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記対応接続関係保持テーブルにおける前記別の第2の接続ポートに対応して保持されていた別の端末機器の識別情報を前記1の端末機器の識別情報に変更しすることを特徴とする付記3記載の接続管理方法。
【0037】
(付記5)
前記マトリックススイッチモジュールは、前記第2の接続ポートに前記端末機器が接続された場合に、前記端末機器から前記端末機器の識別情報を受ける識別情報インタフェースを含むことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の接続管理方法。
【0038】
(付記6)
前記第2の接続ポートはアナログ回線であり、端末機器が前記第2のポートに接続された時に、前記端末機器の識別情報は前記第2の接続ポートにDTMF信号で送信されマトリックススイッチモジュールに供給されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の接続管理方法。
【0039】
(付記7)
前記マトリックススイッチモジュールは、前記DTMF信号を受信して識別情報を復元し、前記マトリックススイッチ管理部に供給することを特徴とする付記6に記載の接続管理方法。
【0040】
(付記8)
実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器とを接続する接続装置であって、
前記接続装置は、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートに接続されたマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記接続装置の第2の接続ポートから、前記1の端末機器が前記接続装置の別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを特徴とする接続装置。
【0041】
(付記9)
前記マトリックススイッチ管理部は、前記複数の第2の接続ポートと前記複数の端末機器の識別情報との対応接続関係を保持する対応接続関係保持テーブルを有し、前記対応接続関係保持テーブルにしたがって前記マトリックススイッチが制御されることを特徴とする付記8記載の接続装置。
【0042】
(付記10)
実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器と、前記複数の端末機器を前記電話交換装置に接続するマトリックススイッチモジュールとを含む通信システムにおいて、
前記マトリックススイッチモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートと接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを特徴とする通信システム。
【符号の説明】
【0043】
1、21 電話交換装置
2‐1〜2‐5、22‐1〜22‐5 端末機器
3‐1〜3‐5、23‐1〜23‐5 電話交換装置の実装ポート
4、24 マトリックススイッチモジュール
5‐1〜5‐5 第1の接続ポート
6、26 マトリックススイッチ
7‐1〜7-5、27‐1〜27-5 第2の接続ポート
8 識別情報用インタフェース
9、29 マトリックススイッチ管理部
30 DTMF信号受信部
31 識別信号復元部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器とのマトリックススイッチモジュールによる接続管理方法であって、
前記マトリックスモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートとを接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出し、
前記1の端末機器の設置場所が変わった場合にも、前記1の端末機器は、前記電話交換装置の同じ識別番号の実装ポートに接続されるように制御する接続管理方法。
【請求項2】
前記制御は、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを含む請求項1記載の接続管理方法。
【請求項3】
前記マトリックススイッチ管理部は、前記複数の第2の接続ポートと前記複数の端末機器の識別情報との対応接続関係を保持する対応接続関係保持テーブルを有し、前記対応接続関係保持テーブルにしたがって前記マトリックススイッチが制御されることを特徴とする請求項2記載の接続管理方法。
【請求項4】
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記対応接続関係保持テーブルにおける前記別の第2の接続ポートに対応して保持されていた別の端末機器の識別情報を前記1の端末機器の識別情報に変更しすることを特徴とする請求項3記載の接続管理方法。
【請求項5】
前記マトリックススイッチモジュールは、前記第2の接続ポートに前記端末機器が接続された場合に、前記端末機器から前記端末機器の識別情報を受ける識別情報インタフェースを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の接続管理方法。
【請求項6】
前記第2の接続ポートはアナログ回線であり、端末機器が前記第2のポートに接続された時に、前記端末機器の識別情報は前記第2の接続ポートにDTMF信号で送信されマトリックススイッチモジュールに供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の接続管理方法。
【請求項7】
前記マトリックススイッチモジュールは、前記DTMF信号を受信して識別情報を復元し、前記マトリックススイッチ管理部に供給することを特徴とする請求項6に記載の接続管理方法。
【請求項8】
実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器とを接続する接続装置であって、
前記接続装置は、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートに接続されたマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記接続装置の第2の接続ポートから、前記1の端末機器が前記接続装置の別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを特徴とする接続装置。
【請求項9】
前記マトリックススイッチ管理部は、前記複数の第2の接続ポートと前記複数の端末機器の識別情報との対応接続関係を保持する対応接続関係保持テーブルを有し、前記対応接続関係保持テーブルにしたがって前記マトリックススイッチが制御されることを特徴とする請求項8記載の接続装置。
【請求項10】
実装位置に配置され、識別番号が付与された複数の実装ポートを有する電話交換装置と、識別情報が付与された複数の端末機器と、前記複数の端末機器を前記電話交換装置に接続するマトリックススイッチモジュールとを含む通信システムにおいて、
前記マトリックススイッチモジュールは、前記電話交換装置の各実装ポートと接続される複数の第1の接続ポートと、前記複数の端末機器と接続される複数の第2の接続ポートと、前記複数の第1の接続ポートと前記複数の第2の接続ポートと接続するマトリックススイッチと、マトリックススイッチを制御するマトリックススイッチ管理部とを含み、
前記マトリックススイッチ管理部は、1の端末機器が接続されていた前記マトリックススイッチモジュールの第2の接続ポートから、前記1の端末機器を、前記マトリックススイッチモジュールの別の第2の接続ポートに接続変更されたのを検出すると、前記1の端末機器が接続変更前に接続されていた前記第2の接続ポートと接続されていた前記第1の接続ポートに、前記別の第2の接続ポートを接続するように前記マトリックススイッチを制御することを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58890(P2013−58890A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195680(P2011−195680)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】