説明

電話帳システム、ナビゲーション装置

【課題】サーバ装置からダウンロードしたデータに電話番号に関する情報が含まれていた場合、電話の発着信に利用するデータを記憶する電話帳メモリにもその電話番号を反映させる。
【解決手段】ダウンロードした地点情報に電話番号が含まれていたとき、制御部10は地点情報に基づいて電話帳情報を生成し、生成した電話帳情報を電話帳メモリ110に記憶する。また、ナビゲーション装置2に接続している携帯端末4に対しても生成した電話帳情報を反映させられる。さらに、地点情報から生成した電話帳情報を容易に識別できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話帳システムおよびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話などの電話機能を持つ携帯端末と接続して電話の発着信を行うナビゲーション装置が知られている。そのようなナビゲーション装置では、電話に利用する電話番号は専用の記憶領域(以降、電話帳メモリと記載する)に記憶されていた。
【0003】
また従来、ユーザがサーバ装置に登録したデータをダウンロードし、利用することができるナビゲーション装置が知られている。サーバ装置には地点名称や地点座標などの地点情報と共に電話番号などを含む情報が登録されており、ナビゲーション装置はダウンロードした情報を電話帳メモリとは別の記憶領域(以降、登録地メモリと記載する)に記憶していた。
【0004】
電話帳データのダウンロードに関しては、特許文献1などが知られている。特許文献1では、電話帳データがアップロードされているサーバから電話帳データを携帯端末にダウンロードする携帯端末と電話帳管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−79845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来のナビゲーション装置とサーバ装置からなるシステムでは、サーバ装置に登録されている情報に電話番号が含まれていても、その電話番号を電話帳メモリに記憶しない。そのため、従来のナビゲーション装置では、ダウンロードした情報に基づいて電話をかけるとき、電話帳メモリに記憶されている電話番号から電話する場合とは異なる操作を行う必要があり、直感的に操作できなかった。このような問題は特許文献1などにおいても解決されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電話帳システムは、サーバ装置と、サーバ装置と通信可能なナビゲーション装置とを少なくとも含む電話帳システムであって、サーバ装置は、電話番号を少なくとも含むデータをナビゲーション装置に送信するデータ送信手段を備え、ナビゲーション装置は、サーバ装置から送信されるデータを受信するデータ受信手段と、データ受信手段により受信したデータを記憶するデータ記憶手段と、電話番号を含む電話帳情報をデータに基づいて生成する情報生成手段と、情報生成手段により生成された電話帳情報を記憶する電話帳記憶手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
サーバ装置からダウンロードした情報の中に電話番号が含まれているとき、その電話番号を電話帳メモリにも反映させ、直感的な操作でその電話番号に電話を発信できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である電話帳システムの構成の一例である。
【図2】本発明の一実施形態であるナビゲーション装置の構成の一例である。
【図3】本発明の一実施形態におけるサーバ装置からダウンロードするデータのフォーマットの一例である。
【図4】本発明の一実施形態におけるサーバ装置からダウンロードするデータのフォーマットの一例である。
【図5】本発明の一実施形態における電話帳メモリに記憶するデータのフォーマットの一例である。
【図6】本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置において、電話を発信する電話番号を選択するための画面の一例である。
【図7】本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置において、電話を発信する電話番号を選択するための画面の一例である。
【図8】本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置において、電話を発信する電話番号を選択するための画面の一例である。
【図9】本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置において、電話を発信する電話番号を選択するための画面の一例である。
【図10】本発明の一実施形態において、サーバ装置からダウンロードするデータに含まれる電話番号を電話帳メモリに反映する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態において、サーバ装置からダウンロードするデータに含まれる電話番号を携帯端末に反映する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態において、電話帳メモリに記憶されている電話番号に発信したときに実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態において、サーバ装置からダウンロードするデータに含まれる電話番号に発信して通話が終わったあとに表示する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態による電話帳システムの構成について、図1を用いて説明する。図1の電話帳システム1は、ナビゲーション装置2と、サーバ装置3、携帯端末4とからなる。ナビゲーション装置2は、通信回線網5を介してサーバ装置3と無線接続されている。通信回線網5は、たとえば携帯電話回線網やインターネットなどにより構築される。また、ナビゲーション装置2は、有線接続またはBluetooth(登録商標)などの無線通信方式を利用した無線接続などによって携帯端末4と接続されている。
【0011】
サーバ装置3には、道路地図上の地点に関してユーザが自宅のパソコンなどから登録したデータを記憶した登録地データベース6が備わっている。以降、登録地データベース6に記憶されているデータを登録地データと記載する。
【0012】
ナビゲーション装置2は、通信回線網5を介してサーバ装置3から登録地データをダウンロードすることができる。登録地データには、登録地に関する地点名称、地点座標の緯度および経度、電話番号など様々な情報が含まれている。
【0013】
携帯端末4は、電話の発着信ができるものであって、電話番号を含む情報を記憶する電話帳メモリ7を備えるものである。たとえば携帯電話などである。ナビゲーション装置2と携帯端末4とは、電話番号を含むデータを互いに送受信することができる。また、ナビゲーション装置2は、携帯端末4を介して電話を発着信することができる。以降、電話番号を含むデータを電話帳データと記載する。
【0014】
次に、ナビゲーション装置2の構成について図2を用いて説明する。図2のナビゲーション装置2は、制御部10、記憶部11、表示モニタ12、ジャイロセンサ13、GPS受信部14、データ通信部15、入力装置16、およびスピーカ17を備える。
【0015】
制御部10は、ナビゲーション装置2を動作させるための様々な処理や制御を実行するための部分であり、マイクロプロセッサ、各種周辺回路、RAM、ROMなどによって構成される。制御部10が実行する処理としては、携帯端末4を利用して電話を発着信するための処理や、所望の目的地までの推奨経路を探索する経路探索処理、推奨経路に従って車両を誘導する案内を行う経路案内処理などがある。後述する処理についても制御部10で実行される。
【0016】
記憶部11は、不揮発性の記憶媒体であり、地図データを含む各種データが記憶されている。記憶部11に記憶されているデータは、必要に応じて制御部10の制御により記憶部11から読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。また、記憶部11にある地図データは、更新などのために変更することができる。
【0017】
また、記憶部11には、電話帳メモリ110と登録地メモリ111という二つの専用の記憶領域を有する。電話帳メモリ110は、前述した携帯端末4を利用して電話を発着信するための処理で利用する電話帳データを記憶するものである。また、登録地メモリ111は、サーバ装置3からダウンロードした登録地データを記憶する記憶領域である。電話帳メモリ110の電話帳データは、携帯端末4などとの無線通信やユーザの手動入力などの手段で取得し記憶されたものである。
【0018】
制御部10は、記憶部11に記憶されている地図データや登録地データを利用して経路探索処理や経路誘導処理などを実行することができる。たとえば、地図データおよび登録地データに記憶されている地点を目的地に設定することにより車両の現在位置からの推奨経路を探索することができる。
【0019】
表示モニタ12は、様々な画像や映像などを表示するための装置であり、液晶ディスプレイ等が用いられる。制御部10の制御に基づいて表示モニタ12に地図や自車両の現在位置を表示することにより、ナビゲーション装置2は経路誘導処理を行う。また、ユーザがナビゲーション装置2の各種処理を利用するために用いるメニュー画面や電話帳を表示することもできる。
【0020】
ジャイロセンサ13は、自車両の向きの変化に応じた角速度を検出するためのセンサである。このジャイロセンサ13により検出された角速度に基づいて、自車両の向きが求められる。GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、自車両の現在位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、制御部10は、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両の現在位置と現在時刻を算出することができる。制御部10は、GPS信号に基づいて算出された自車両の現在位置の時間変化を特定し、その自車両の現在位置の時間変化に基づいて、自車両が走行した距離を算出することができる。なお、自車両が走行した距離は、自車両に搭載された車速センサ(図示せず)から出力される車速信号に基づいて自車両の走行距離を算出することもできる。
【0021】
データ通信部15は、制御部10の制御に従い、ナビゲーション装置2とサーバ装置3との間の通信やナビゲーション装置2と携帯端末4との間の通信などを行うものである。データ通信部15は、必要に応じて通信回線網5への無線接続や、携帯端末との無線通信を実行する。
【0022】
入力装置16は、ナビゲーション装置2を動作させるためにユーザから入力される各種操作を検出するための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは、入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、電話の発信先を選択したり、表示モニタ12に表示された地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置16を表示モニタ12と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0023】
スピーカ17は、制御部10の制御により、自車両の走行に関する様々な音声情報を出力する。たとえば、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するための音声案内や、各種の警告音などを出力する。
【0024】
次に、サーバ装置3からダウンロードされ登録地メモリ111に記憶される登録地データについて図3を用いて説明する。図3のフォーマット表30は登録地データのフォーマットの一例を示す。フォーマット表30による登録地データには、フォーマットバージョンや、経度、緯度、地点名称、住所、音声認識用データ、電話番号、画像名称、アイコン番号、登録済み情報ビットなどを含む多くの情報が含まれている。
【0025】
図3の項番10の登録済み情報ビットは、登録地データに各種情報が記憶されているか否かを表すビットである。登録済み情報ビットに含まれるビットのフォーマットの一例を図4に示す。図4のフォーマット表40による登録済み情報ビットでは、地点登録済みビット、音声認識用データ登録済みビット、電話番号登録済みビットなどが含まれる。
【0026】
図4の項番1の地点登録済みビットは、その地点登録済みビットを含む登録地データに地点名称などの地点情報が登録済みか否かを表す。図4の項番2の音声認識用データ登録済みビットは、登録地データに音声認識用データが登録されているか否かを表す。図4の項番3の電話番号登録済みビットは、登録地データに電話番号が登録されているか否かを表す。
【0027】
制御部10は、図3のフォーマットの登録地データをサーバ装置3からダウンロードしたとき、登録地メモリ111に記憶する。そして、制御部10は、登録地データに電話番号が登録されていたらその電話番号を電話帳メモリ110に反映させる。
【0028】
登録地データに電話番号が登録されているか否かは、たとえば図4の項番3の電話番号登録済みビットに基づいて判定する。電話帳メモリ110への反映は、たとえば、図3のフォーマットの登録地データに基づいて図5に示すフォーマットの電話帳データを生成し、電話帳メモリ110に記憶させる。
【0029】
図5のフォーマット表50による電話帳データのフォーマットは、データ番号、名称情報、音声認識用データ、電話番号、転送日時、およびデータ提供元といった情報を表すデータが含まれる。
【0030】
図5の項番1のデータ番号は、電話帳メモリ110内でデータを識別するための情報である。データ番号は、たとえば制御部10が電話帳メモリ110に記憶されている他のデータと重複しないように決定する。
【0031】
図5の項番2の名称情報は、登録地メモリ111に記憶した登録地データの地点名称(図3の項番4)をコピーしたものである。
【0032】
図5の項番3の音声認識用データは、登録地メモリ111に記憶した登録地データの音声認識用データ(図3の項番6)をコピーしたものである。
【0033】
図5の項番4の電話番号は、登録地メモリ111に記憶した登録地データの電話番号(図3の項番7)をコピーしたものである。
【0034】
図5の項番5の転送日時は、電話帳メモリ110に登録する日時である。
【0035】
図5の項番6のデータ提供元は、電話帳データの取得方法を識別するものである。これにより、たとえば、登録地データに基づいて生成されたものか、携帯端末4から取得したものかを識別できる。
【0036】
以上のようにサーバ装置3からダウンロードした登録地データから電話帳データを生成し、電話帳メモリ110に記憶することにより、登録地データに含まれる電話番号に関しても電話帳メモリ110を利用して電話を発信することができる。なお、制御部10は、登録地データから生成した電話帳データを携帯端末4に送信し、携帯端末4の電話帳メモリ7に記憶させてもよい。
【0037】
次に電話帳メモリ110に記録した登録地データの電話番号に発信するときのナビゲーション装置2の操作について説明する。
【0038】
図6は、ナビゲーション装置2の表示モニタ12にメニュー画面を表示するときの画面の一例である。表示モニタ12上の画面61には、ボタン62が複数個並んでいる。各ボタン62は、ナビゲーション装置2の各操作を行うためのボタンであり、ユーザは入力装置16を介して操作に対応したボタン62を選択する。
【0039】
図6の電話ボタン62Aは、電話帳メモリ110に記憶された電話帳データに基づいて電話を発信するためのボタンである。登録地データに含まれる電話番号について電話帳メモリ110に反映されていないと、ユーザが電話ボタン62Aを選択してもその電話番号に発信できない。その場合、たとえば登録地データを閲覧するためのボタンである登録地ボタン62Bを選択するなどの操作が必要であり、このような操作は直感的ではない。本実施形態では、この問題を解消できる。
【0040】
図7は、本実施形態において、ユーザに電話帳メモリ110に記憶されている電話帳データの中から発信先を選択させるために表示モニタ12に表示する画面の一例である。ユーザが電話ボタン62Aを選択し、更に不図示の画面において電話帳を用いて電話を発信することを選択すると、図7の画面71が表示モニタ12に表示される。画面71には、電話帳ボタン72、ダウンロード登録地ボタン73、発信先リスト74が表示される。
【0041】
発信先リスト74には、電話帳メモリ110に記憶されている電話帳データの一覧を表示する。たとえば、図5の項番2の名称情報に基づいた名称を五十音の順番で表示する。ユーザは、入力装置16を介して発信先リスト74の中から発信先を選択することができる。ユーザが発信先を選択したらナビゲーション装置2は携帯端末4を介して選択された発信先に発信する。
【0042】
発信先リスト74に表示する電話帳データは、その表示態様をデータ提供元(図5の項番6)の情報に基づいて変更してもよい。たとえば、図7の「うううう」、「おおおお」が登録地に基づいて生成された電話帳データであった場合は、他のデータ「ああああ」等と異なる文字色で表示することが好ましい。
【0043】
発信先リスト74に表示する電話帳データは、データ提供元(図5の項番6)の情報に基づいて絞りこんだ表示を行ってもよい。電話帳ボタン72とダウンロード登録地ボタン73は、そのような絞込みを実行するためのボタンであり、ダウンロード登録地ボタン73が選択されると、登録地データに基づいて生成された電話帳データが表示される。一方、電話帳ボタン72が選択されると、登録地データに基づいて生成された電話帳データ以外のものが表示される。登録地データに基づいて生成された電話帳データ以外のものとは、たとえば携帯端末4から取得されたものや、ユーザが手入力したものなどである。
【0044】
ダウンロード登録地ボタン73が選択された場合に表示モニタ12に表示される画面の一例を図8に示す。図8の画面81では、図7の例において登録地に基づいて生成された電話帳データであった「うううう」および「おおおお」だけが表示されている。
【0045】
電話帳ボタン72が選択された場合に表示モニタ12に表示される画面の一例を図9に示す。図9の画面91では、図7の例において登録地に基づいて生成された電話帳データではない「ああああ」、「いいいい」、「ええええ」だけが表示されている。
【0046】
次にナビゲーション装置2がサーバ装置3からダウンロードした登録地データを電話帳メモリ110および電話帳メモリ7に反映させる処理についてフローチャートを図10に示す。図10のフローチャートは、利用者が表示モニタ12や入力装置16を介してダウンロードしたい登録地データをサーバ装置3の登録地データベース6から選択したときに実行される。図10では、ナビゲーション装置2が行う処理であるステップS201〜S205は、制御部10の制御により実行される。ステップS206は、ナビゲーション装置2の制御部10と携帯端末4とにより実行される。
【0047】
図10のステップS101では、サーバ装置3がダウンロードしたい登録地データをナビゲーション装置2へ送信する。図10のステップS201では、ナビゲーション装置2の制御部10はデータ通信部15を介して、ステップS101で送信された登録地データを受信する。登録地データの送受信が終了したら、図10におけるサーバ装置3の処理は終了し、ナビゲーション装置2の処理はステップS202に進む。
【0048】
図10のステップS202では、制御部10は、ステップS201で受信した登録地データを登録地メモリ111に記憶し、ステップS203に進む。
【0049】
図10のステップS203では、制御部10は、ステップS201で受信した登録地データの電話番号登録済みビット(図4の項番3)に基づいて、当該登録地データに電話番号の情報が含まれているか否かを判定する。電話番号の情報が含まれていると判定された場合は、ステップS204に進み、含まれていなかった場合は、図10におけるナビゲーション装置2の処理を終了する。
【0050】
図10のステップS204では、制御部10は、図3に示すような登録地データから図5に示すような電話帳データを生成する。電話帳データの生成が終了したらステップS205に進む。
【0051】
図10のステップS205では、制御部10は、ステップS204で生成した電話帳データを電話帳メモリ110に記憶する。電話帳メモリ110への記憶が終了したらステップS206に進む。
【0052】
ステップS206では、制御部10は、図11を用いて後述する処理により、ステップS204で生成した電話帳データを電話帳メモリ7に反映させる。図11の処理が終了したら、図10におけるナビゲーション装置2の処理を終了する。なお、電話帳メモリ7への反映を行わない場合は、ステップS206の処理は省略できる。
【0053】
次に、図10のステップS206において実行する処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。図11では、ナビゲーション装置2が行う処理は、制御部10の制御により実行される。
【0054】
図11のステップS261では、ナビゲーション装置2の制御部10は、図10のステップS204で生成した電話帳データを携帯端末4に送信する。図11のステップS361では、携帯端末4は、図11のステップS261で送信された電話帳データを受信する。電話帳データの送受信が終了したら、ナビゲーション装置2は図11における処理を終了し、携帯端末4は図11のステップS362に進む。なお、ナビゲーション装置2と携帯端末4との接続にBluetoothを利用する場合は、たとえば携帯端末4とOPP(Object Push Profile)接続を確立してから電話帳データの送受信を行うことができる。
【0055】
図11のステップS362では、携帯端末4は、ステップS361で受信した電話帳データを電話帳メモリ7に記憶する。電話帳メモリ7に電話帳データを記憶したら、携帯端末4は、図11における処理を終了する。
【0056】
次に電話帳メモリ110に記憶された電話帳データの利用の一例として、電話帳メモリ110に記憶された電話帳データを用いて電話するときに実行される処理について図12のフローチャートを用いて説明する。図12の処理は、制御部10で実行される。
【0057】
図12のステップS401では、制御部10は、図6〜図9に示したような画面を表示モニタ12に表示し、ユーザが入力装置16を介して電話の発信先を選択することを受け付ける。ユーザが発信先を選択したらステップS402に進む。
【0058】
ステップS402では、制御部10は、ステップS401でユーザにより選択された発信先について、電話帳データに基づいて電話番号を特定する。電話番号が特定されたらステップS403に進む。
【0059】
ステップS403では、制御部10は、ステップS402で特定された電話番号に基づいてナビゲーション装置2の電話機能を利用し、電話を発信する。そして、通話が終了したらステップS404に進む。
【0060】
ステップS404では、制御部10は、ステップS402で特定された電話番号が図9のステップS204で登録地データから生成されたものか否かを判定する。登録地データから生成されたものである場合はステップS405に進み、そうでない場合は図12の処理を終了する。
【0061】
ステップS405では、制御部10は、図13に示すような画面131を表示モニタ12に表示し、ステップS403で通話した発信先を目的地に設定するか否かをユーザに選択させる。ユーザが目的地に設定することを選択した場合は、ステップS406に進み、そうでない場合は図12の処理を終了する。
【0062】
ステップS406では、制御部10は、電話帳データを生成した元の登録地データに基づいて発信先の地点座標等を特定し、その地点座標等を目的地として設定する。目的地の設定が終了したらステップS407に進む。電話帳データを生成した元の登録地データは、電話番号や地点名称、電話番号登録済みビットなどを検索キーとして検索すればよい。
【0063】
ステップS407では、制御部10は、公知の経路探索処理を実行してステップS406で設定した目的地までの推奨経路を探索する。探索する推奨経路の始点は、ナビゲーション装置2が搭載されている車両の現在位置としてもよいし、任意の地点をユーザに設定させてもよい。経路探索処理が終了したら図12の処理を終了する。
【0064】
以上で説明した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0065】
(1)本実施形態の電話帳システムは、サーバ装置3が通信回線網5を介してナビゲーション装置2へ登録地データを送信し(図10のステップS101)、ナビゲーション装置2が通信回線網5とデータ通信部15を介して送信された登録地データを受信する(図10のステップS201)。送受信する登録地データは、そのフォーマット中に電話番号を含んでいる(図3の項番7)。次に、ナビゲーション装置2の制御部10は、受信した登録地データを登録地データメモリ111に記憶する(図10のステップS202)。次に、受信した登録地データの電話番号登録済みビット(図5の項番3)に基づいて当該登録地データに電話番号が含まれるか否かを判定し(図10のステップS203)、電話番号が含まれる場合は、登録地データから電話帳データを生成し(図10のステップS204、図6)、電話帳メモリ110に記憶する(図10のステップS205)。これにより、サーバ装置からダウンロードした地点情報の中に電話番号が含まれていたとき、その電話番号を電話帳メモリにも反映させられる。
【0066】
(2)本実施形態の電話帳システムは、電話帳メモリ7を備える携帯端末4を含んでおり、ナビゲーション装置2の制御部10がデータ通信部15を介して登録地データから生成した電話帳データを携帯端末4に転送する(図11のステップS261、ステップS361)。そして、携帯端末4は、受信した電話帳データを携帯端末の電話帳メモリ7に記憶する(図11のステップS362)。これにより、登録地データに含まれる電話番号を携帯端末4にも反映させることができる。
【0067】
(3)本実施形態の電話帳システムは、図7に示すように登録地データから生成した電話帳データと、それ以外のものとで表示態様を変更して表示する。これにより、ユーザが興味を持ちダウンロードした登録地が容易に判別できる。
【0068】
(4)本実施形態の電話帳システムは、図8および図9に示すように、電話帳ボタン72やダウンロード登録地点ボタン73を選択することにより、登録地データから生成した電話帳データだけを表示することや、登録地データから生成した電話帳データ以外のものを表示することができる。これにより、ユーザはダウンロードした登録地か否かを容易に判別できる。
【0069】
(5)本実施形態の電話帳システムは、ナビゲーション装置2の制御部10は、図7〜図9に示す画面を表示モニタ12に表示し、入力装置16を介して電話の発信先を選択し(図12のステップS401)、選択された発信先に電話を発信する(図12のステップS402〜S403)。そして、発信先の電話番号に対応する電話帳データが登録地データから生成されたものであるか否かを判定し(図12のステップS404)、登録地データから生成されたものであった場合には発信先を目的地に設定でき(図12のステップS406)、経路探索を行うことができる。これにより、ユーザが電話した施設などにすぐに向かいたいと思ったときにすぐに目的地に設定することができる。
【0070】
以上で説明した実施形態は、以下のように変形して実施できる。
【0071】
(1)以上で説明した実施形態では、ナビゲーション装置2が電話の発着信を実行するとき、携帯端末4を介することとしたが、ナビゲーション装置2だけで電話の発着信を実行できるものとしてもよい。
【0072】
(2)以上で説明した実施形態では、通信回線網5を介して登録地データをダウンロードするものとしたが、登録地データを取得する方法はその内容に限定しない。たとえばSDメモリーカード(登録商標)等の外部記憶端末に登録地を記憶させ、ナビゲーション装置2へ挿入し読み込ませてもよい。
【0073】
(3)以上で説明した実施形態は、登録地に含まれる電話番号を電話帳メモリに反映させる処理について説明した。しかし、同様の手法を、メールアドレスを電話帳に登録することや、URLをブックマークに登録することなどにも適用してもよい。
【0074】
(4)図12のステップS405では、電話の発信先を目的地として設定するか否かをユーザに選択させた。しかし、ステップS405の代わりにステップS401においてユーザが発信先を選択したときに、電話を発信するか目的地として設定するかを選択させてもよい。
【0075】
(5)以上で説明した実施形態では、登録地データに基づいた電話帳データを電話帳メモリ110に記憶することを説明した。登録地データに基づいた電話帳データは、記憶してから所定の日時が経過したら削除することとしてもよい。記憶してから経過した日時は、図5の項番5の転送日時などに基づいて算出すればよい。所定の日時は、たとえば1年とすればよい。
【0076】
以上で説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【符号の説明】
【0077】
1 電話帳システム
2 ナビゲーション装置
3 サーバ装置
4 携帯端末
5 通信回線網
6 登録地データベース
7 電話帳メモリ (携帯端末4内)
10 制御部
11 記憶部
12 表示モニタ
13 ジャイロセンサ
14 GPS受信部
15 データ通信部
16 入力装置
17 スピーカ
110 電話帳メモリ (ナビゲーション装置2内)
111 登録地メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、前記サーバ装置と通信可能なナビゲーション装置とを少なくとも含む電話帳システムであって、
前記サーバ装置は、
電話番号を少なくとも含むデータを前記ナビゲーション装置に送信するデータ送信手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記サーバ装置から送信される前記データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信した前記データを記憶するデータ記憶手段と、
前記電話番号を含む電話帳情報を前記データに基づいて生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された電話帳情報を記憶する電話帳記憶手段とを備えることを特徴とする電話帳システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話帳システムにおいて、
前記ナビゲーション装置と接続可能な携帯端末であり、前記ナビゲーション装置から送信される前記電話帳情報を受信して記憶する携帯端末を更に備えることを特徴とする電話帳システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電話帳システムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
前記電話帳情報のうち、前記電話帳記憶手段により記憶されてから所定の期間が経過したものを削除する削除手段を更に備えること特徴とする電話帳システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の電話帳システムにおいて、
前記データは道路地図上の地点に関する情報を含み、
前記ナビゲーション装置は、
前記電話帳記憶手段により記憶している電話帳情報の中からいずれか一つを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された電話帳情報に含まれる電話番号に基づいて電話を発信する電話手段と、
前記データ記憶手段により記憶された前記データのうち前記電話手段により発信した電話番号を含む電話帳情報に対応したデータに含まれる地点を目的地として設定する目的地設定手段と、
予め設定される出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段とを更に備えることを特徴とする電話帳システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電話帳システムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
前記電話帳記憶手段により記憶されている電話帳情報を表示する表示手段を更に備え、
前記電話帳情報記憶手段は、前記データに基づかずに生成された電話帳情報を更に記憶することを特徴とする電話帳システム。
【請求項6】
請求項5に記載の電話帳システムにおいて、
前記表示手段は、前記データに基づいた電話帳情報と前記データに基づかない電話帳情報とを異なる態様で表示することを特徴とする電話帳システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電話帳システムにおいて、
前記表示手段は、前記電話帳情報記憶手段が記憶している電話帳情報のうち、前記データに基づいた電話帳情報だけを表示する、または、前記データに基づかない電話帳情報だけを表示することを特徴とする電話帳システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電話帳システムに用いられるナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電話帳システムに用いられるサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−228948(P2011−228948A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97136(P2010−97136)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】