説明

電話帳データ登録方法、通信端末装置、及び記録媒体

【課題】 特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に電話帳データを登録する方法の提供。
【解決手段】 パソコンからインターネット上のセンタへ電話帳データとこの電話帳データを登録すべき通信端末装置の電話番号を送信し(ステップS1)、パソコンから電話帳データ及び電話番号が送信されてきた場合、センタからこの電話番号に発呼して電話帳データを携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置へ送信し(ステップS2)、通信端末装置は、センタから送信された電話帳データを自機に登録する(ステップS3)。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)、PDA (Personal Digital Assistant )等の通信端末装置から、携帯電話、PHS (Personal Handyphone System)、ファクシミリ装置( FAXと略記する)、据え置き電話等の通信端末装置に電話帳データを登録する方法、電話帳データの登録機能を備えた携帯電話、PHS 、ファクシミリ装置、据え置き電話等の通信端末装置、及び電話帳データ登録のコンピュータプログラムが記録されている記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置には相手先の電話番号、相手先名等を含む電話帳データを登録する機能が設けられている。また最近では、かな漢字変換によって電話帳データに漢字を入力することができるものが増えてきている。
【0003】しかし、電話帳データを通信端末装置に登録する場合、かな入力モードに切り換えて電話番号用のキーに割り当てられているかな文字をキー入力しなければならず、またそれぞれの通信端末装置において電話帳データを入力しなければならないので入力操作が煩雑である。また、携帯電話、PHS は頻繁にハードウェアを交換するケースが多く、新しいハードウェアに交換する都度、電話帳データを登録し直さなければならない。
【0004】このような煩雑さを解消するために、古い携帯電話、PHS 等に登録されている電話帳データをパソコンに転送しておき、パソコンから新しい携帯電話、PHS 等に電話帳データを転送したり、またパソコン、PDA 等で作成された電話帳データを携帯電話、PHS 等に転送したりするソフトウェアが提供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のようなソフトウェアをインストールして、携帯電話、PHS 等とパソコン、PDA 等との間でデータを転送する場合、RS-232C 、赤外線、USB 等、パソコン、PDA のインターフェースに応じた規格のケーブル、コネクタ等の器材が別途必要になる。
【0006】本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、インターネットのような通信ネットワーク上のセンタに電話帳データをアップロードし、センタから自動的に携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に発呼して、またはこれらの通信端末装置からの送信要求に応じて、電話帳データを送信し、この電話帳データを通信端末装置において登録することにより、データ転送のための特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に電話帳データを登録する方法、及び電話帳データの登録機能を備えた携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明の電話帳データ登録方法は、通信ネットワークに第1の通信端末装置が接続されている通信ネットワークにて、通信ネットワーク上のセンタと通信が可能な第2の通信端末装置に電話帳データを登録する方法であって、第1の通信端末装置から前記センタへ電話帳データ及び該電話帳データを登録すべき第2の通信端末装置の電話番号を送信するステップと、第1の通信端末装置から電話帳データ及び電話番号が送信されてきた場合、前記センタから該電話番号に発呼して電話帳データを第2の通信端末装置へ送信するステップと、前記センタから送信された電話帳データを第2の通信端末装置に登録するステップとを含むことを特徴とする。
【0008】第2発明の電話帳データ登録方法は、通信ネットワークに第1の通信端末装置が接続されている通信ネットワークにて、通信ネットワーク上のセンタと通信が可能な第2の通信端末装置に電話帳データを登録する方法であって、第1の通信端末装置から前記センタへ電話帳データを送信するステップと、第1の通信端末装置から送信された電話帳データを前記センタに保存しておき、電話帳データを登録すべき第2の通信端末装置が前記センタに発呼して電話帳データの送信を要求した場合、第2の通信端末装置へ電話帳データを送信するステップと、前記センタから送信された電話帳データを第2の通信端末装置に登録するステップとを含むことを特徴とする。
【0009】第3発明の通信端末装置は、電話帳データの登録機能を備えた通信端末装置において、通信ネットワーク上のセンタに発呼して、他の通信端末装置から該センタに送信された電話帳データの送信を要求する手段と、電話帳データの送信の要求に応じて前記センタから送信された電話帳データを登録する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】第4発明の記録媒体は、通信ネットワーク上のセンタから通信端末装置に電話帳データを登録するために使用され、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、前記コンピュータに、第1の通信端末装置から送信された電話帳データ及び該電話帳データを登録すべき第2の通信端末装置の電話番号を受信させるプログラムコード手段と、前記コンピュータに、第1の通信端末装置から電話帳データ及び電話番号が送信されてきた場合、該電話番号に発呼させて電話帳データを第2の通信端末装置へ送信させるプログラムコード手段とを含むことを特徴とする。
【0011】本発明では、パソコン、PDA 等の第1の通信端末装置からインターネットのような通信ネットワーク上のセンタへ電話帳データ及び電話帳データを登録すべき携帯電話、PHS 等の第2の通信端末装置の電話番号を送信し、第1の通信端末装置から電話帳データ及び電話番号が送信されてきた場合、センタからこの電話番号に発呼して電話帳データを第2の通信端末装置へ送信し、センタから送信された電話帳データを第2の通信端末装置に登録する。
【0012】これにより、例えば、電話帳データが変更された場合でも、電話帳データを登録している通信端末装置が電話帳データを取りに行かなくても、データ転送のための特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に自動的に電話帳データを登録することができる。
【0013】また、本発明では、パソコン、PDA 等の第1の通信端末装置からインターネットのような通信ネットワーク上のセンタへ電話帳データを送信し、第1の通信端末装置から送信された電話帳データをセンタに保存しておき、電話帳データを登録すべき携帯電話、PHS 等の第2の通信端末装置がセンタに発呼して電話帳データの送信を要求した場合、第2の通信端末装置へ電話帳データを送信し、センタから送信された電話帳データを第2の通信端末装置に登録する。
【0014】これにより、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等を新しいハードウェアに交換した場合、また交換に伴って電話番号が変わった場合等でも、都合のよい時に、データ転送のための特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に電話帳データを登録することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の電話帳データ登録方法(以下、本発明方法という)を実施する通信ネットワークシステムの機能ブロック図である。第1の通信端末装置であるパソコン1には、WWW サーバから配付された、CSV(Comma Separated Value) フォーマットの電話帳データ、表計算ソフト(マイクロソフト社のEXCEL 、ロータス社の1-2-3 等)の電話帳データ等を取り込むことができる電話帳データ作成ソフトがインストールされている。
【0016】なお、これらの電話帳データはパソコン1で作成されたものに限らず、携帯電話、PHS 等から取り込んだ電話帳データであっても、また他のパソコンで作成された電話帳データを記録している可搬型記録媒体から読み込んだ電話帳データであってもよい。
【0017】パソコン1から、ルータ等2を介してインターネット3上のセンタ10に電話帳データ、又は電話帳データと、この電話帳データを登録すべき携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の電話番号がアップロードされると、このデータは、センタ10のルータ等11を介して簡易プロバイダ12、Web サーバ13等へ転送される。簡易プロバイダ12は商用プロバイダと契約をしていないユーザにセンタ10内のみのアクセスを可能にするものである。またWeb サーバ13は、電話帳データを保存する電話帳DB13a を有する。
【0018】伝送制御部14は、Web サーバ13に電話帳データ及び電話番号がアップロードされた場合は、その電話番号に発呼してWeb サーバ13へアップロードされた電話帳データを、また携帯電話・PHS 6、電話・FAX 7からの着呼により電話帳データの送信が要求された場合はWeb サーバ13の電話帳DB13a から読み出した電話帳データを、移動通信網4を介して携帯電話・PHS 6へ、又は公衆回線網5を介して電話・FAX 7へ、所定の通信手順で送信する。
【0019】第2の通信端末装置である携帯電話・PHS 6、電話・FAX 7には、センタ10からの自動発呼により、又はセンタ10に発呼することによりセンタ10から送信された電話帳データを自機のメモリに登録するコンピュータプログラムがインストールされたICチップが埋め込まれている。
【0020】次に、本発明方法の手順を図2のフローチャートに基づいて説明する。図2(a) は電話帳データを自動転送する場合の手順である。パソコン1からインターネット3上のセンタ10へ電話帳データと、電話帳データを登録すべき携帯電話、PHS 、電話、FAX の電話番号とをアップロードする(ステップS1)。
【0021】センタ10のWeb サーバ13に電話帳データ及び電話番号がアップロードされると、センタ10の伝送制御部14は、この電話番号に発呼して所定の通信手順で電話帳データを、この電話番号を有する携帯電話、PHS 、電話、FAX へ送信する(ステップS2)。これらの通信端末装置では、送信された電話帳データを自機のメモリに登録する(ステップS3)。
【0022】これにより、例えば、電話帳データが変更された場合でも、電話帳データを登録している通信端末装置が電話帳データを取りに行かなくても、データ転送のための特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に自動的に電話帳データを登録することができる。
【0023】図2(b) は送信要求に応じて電話帳データを転送する場合の手順である。パソコン1からインターネット3上のセンタ10へ電話帳データをアップロードすると(ステップS11 )、センタ10のWeb サーバ13は電話帳データを電話帳DB13a に保存する(ステップS12 )。
【0024】電話帳データを登録すべき携帯電話、PHS 、電話、FAX がセンタ10に発呼して電話帳データの転送を要求すると(ステップS13 )、センタ10の伝送制御部14は、Web サーバ13の電話帳DB13a から読み出した電話帳データを、所定の通信手順で、発呼してきた携帯電話、PHS 、電話、FAX へ送信する(ステップS14 )。これらの通信端末装置では、送信された電話帳データを自機のメモリに登録する(ステップS15 )。
【0025】これにより、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等を新しいハードウェアに交換した場合、また交換に伴って電話番号が変わった場合等でも、都合のよい時に、データ転送のための特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に電話帳データを登録することができる。
【0026】以上のような電話帳データ登録のコンピュータプログラムは、センタのコンピュータに、CD-ROM、MO等の可搬型記録媒体で提供することも、またオンラインで提供することも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明方法、通信端末装置及び記録媒体は、インターネットのような通信ネットワーク上のセンタに電話帳データをアップロードし、センタから自動的に携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に発呼して、またはこれらの通信端末装置からの送信要求に応じて、電話帳データを送信し、この電話帳データを通信端末装置において登録するので、データ転送のための特別な器材を用いずに、パソコン、PDA 等の通信端末装置から、携帯電話、PHS 、FAX 、据え置き電話等の通信端末装置に電話帳データを登録するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する通信ネットワークシステムの機能ブロック図である。
【図2】本発明方法の手順のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パソコン
2、11 ルータ等
3 インターネット
4 移動通信網
5 公衆回線網
6 携帯電話・PHS
7 電話・FAX
10 センタ
12 簡易プロバイダ
13 Web サーバ
13a 電話帳DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信ネットワークに第1の通信端末装置が接続されている通信ネットワークにて、通信ネットワーク上のセンタと通信が可能な第2の通信端末装置に電話帳データを登録する方法であって、第1の通信端末装置から前記センタへ電話帳データ及び該電話帳データを登録すべき第2の通信端末装置の電話番号を送信するステップと、第1の通信端末装置から電話帳データ及び電話番号が送信されてきた場合、前記センタから該電話番号に発呼して電話帳データを第2の通信端末装置へ送信するステップと、前記センタから送信された電話帳データを第2の通信端末装置に登録するステップとを含むことを特徴とする電話帳データ登録方法。
【請求項2】 通信ネットワークに第1の通信端末装置が接続されている通信ネットワークにて、通信ネットワーク上のセンタと通信が可能な第2の通信端末装置に電話帳データを登録する方法であって、第1の通信端末装置から前記センタへ電話帳データを送信するステップと、第1の通信端末装置から送信された電話帳データを前記センタに保存しておき、電話帳データを登録すべき第2の通信端末装置が前記センタに発呼して電話帳データの送信を要求した場合、第2の通信端末装置へ電話帳データを送信するステップと、前記センタから送信された電話帳データを第2の通信端末装置に登録するステップとを含むことを特徴とする電話帳データ登録方法。
【請求項3】 電話帳データの登録機能を備えた通信端末装置において、通信ネットワーク上のセンタに発呼して、他の通信端末装置から該センタに送信された電話帳データの送信を要求する手段と、電話帳データの送信の要求に応じて前記センタから送信された電話帳データを登録する手段とを備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】 通信ネットワーク上のセンタから通信端末装置に電話帳データを登録するために使用され、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体であって、前記コンピュータに、第1の通信端末装置から送信された電話帳データ及び該電話帳データを登録すべき第2の通信端末装置の電話番号を受信させるプログラムコード手段と、前記コンピュータに、第1の通信端末装置から電話帳データ及び電話番号が送信されてきた場合、該電話番号に発呼させて電話帳データを第2の通信端末装置へ送信させるプログラムコード手段とを含むことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2000−124985(P2000−124985A)
【公開日】平成12年4月28日(2000.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−298853
【出願日】平成10年10月20日(1998.10.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】