説明

電話帳情報同期システム、加入者情報管理サーバ装置、電話帳情報同期方法

【課題】連絡先更新時に、特定のユーザに対して、登録されている連絡先を自動で更新する。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新する。
【解決手段】複数ユーザ間のデータお預かりサービス用のストレージサーバ装置60a、60b、70a同士を連携させ電話帳情報を同期することによって実現する。連絡先を自動更新する対象となる特定ユーザは、家族割引、特定電話番号割引の契約情報に基づき判断する。またその判断は、連鎖的であり、ユーザの所属する家族割引、特定電話番号割引のグループから派生し、グループ内の別ユーザの所属する家族割引、特定電話番号割引と連鎖的に電話帳情報を更新する対象を拡げていく。更新の連鎖は、連絡先を変更したユーザの情報が該当のストレージサーバに存在しないユーザに到達した時点で終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話帳情報同期システム、加入者情報管理サーバ装置、電話帳情報同期方法に関し、特に電話帳サーバ装置に保持されている電話帳情報を同期させる電話帳情報同期システム、加入者情報管理サーバ装置、電話帳情報同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機その他の携帯端末は、電話帳機能を有している。この電話帳機能は、携帯端末内のメモリによって実現されるデータベースである電話帳に、他のユーザの氏名と共に、電話番号、メールアドレス、住所などを登録しておく機能である。そして、データお預かりサービスを利用した場合は、携帯端末に保存されている電話帳の内容を、ネットワークに設けられたサーバ装置に保存しておくことができる。電話帳の内容をサーバ装置に保存しておくことにより、携帯端末を紛失した場合や携帯端末に保存されているデータを誤って削除した際などに、データを復元することができる。
【0003】
ここで、特許文献1には、電話帳管理サーバで電話帳を管理しておき、携帯電話機が、電話帳管理サーバから最新の電話帳データを取得し、自機に保有する電話帳データとの同期を取るシステムが記載されている。
また、特許文献2では、電話を用いた電子メールの交換サービスによって、宛先に複数の電子メールアドレスを指定し、一度の送信で特定の多数の相手に同じ内容のメッセージを伝達することによって、自分の携帯電話の電話番号の新規の登録や変更の旨を指定した複数の相手の携帯電話に通知し、それらの電話帳情報の書き換えを行っている。
さらに、特許文献3では、SMS(Short Message Service)メッセージを利用し、受信したSMSメッセージをディレクトリの形式に変換することによってデータの同期化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−123959号公報
【特許文献2】特開2004−112119号公報
【特許文献3】特開2007−516629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図14は、スマートフォンの表示画面の表示例を示す図である。図14においては、人物写真とその人物の氏名とが表示されている。ここで、例えば画面表示されているボタン81の部分をタッチすれば、SNS(Social Network Service)にアクセスし、新メンバーの追加処理を行うことができる。また、例えば画面表示されているボタン82の部分をタッチすれば、ブログサービスにアクセスし、日記の内容を更新することができる。さらに、例えば画面表示されているボタン83の部分をタッチすれば、SNSにアクセスし、プロフィール写真を更新することができる。
【0006】
図15は、SNSなどと連携して電話帳情報を同期する処理を示す図である。図15において、家族A−1端末21とUserA端末22とは、同じ家族内のユーザの名義とする。スマートフォンであるUserA端末22については、3G(3rd Generation)網200において、無線基地局装置20b、パケット交換機30b、外部GW装置80を介してインターネット(Internet)100に接続することができる。インターネット100においては、コンテンツプロバイダ(以下、CPと略称)により、ブログサービス、つぶやきサービス、ウェブアルバムサービス、SNSなどのサービスが提供されている。
【0007】
ここで、SNSにおいて、他のユーザがパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称)10やスマートフォン91によって、自身の連絡先(電話番号/メールアドレス等)を更新した場合を考える。このような場合、スマートフォンであるUserA端末22については、SNSと連携して電話帳情報の同期が可能である。このため、SNSにおいて、他のユーザが自身の連絡先を更新すると、更新された内容をUserA端末22に保持することができる。この場合、3G網200に設けられているスマートフォン用電話帳サーバ装置70に、更新内容を含む電話帳情報が保持され、その保持内容をUserA端末22に保持することができる。
【0008】
一方、家族A−1端末21については、無線基地局装置20a、パケット交換機30a、外部GW装置80を介してインターネット100に接続しても、SNSと連携して電話帳情報を同期できない。図15に記載の「NG」は電話帳情報を同期できないことを表している。フィーチャーフォン用電話帳サーバ装置60を3G網200に設けても、SNSと連携して電話帳情報を同期できない。このため、フィーチャーフォンである家族A−1端末21については、SNSで繋がっている他のユーザの連絡先の更新を意識し、手動で電話帳情報を更新する必要がある。
【0009】
フィーチャーフォン用電話帳サーバ装置60を設けてもフィーチャーフォンである家族A−1端末21についてSNSと連携して電話帳情報を同期できない理由は、以下のとおりである。すなわち、図16に示されているように、フィーチャーフォン向けに提供されているデータお預かりサービスは、フィーチャーフォンのネイティブアプリケーションを開発し、ネットワークからの制御SMSメッセージに対し、電話帳情報をストレージサーバへ通知する(また、ユーザが手入力で電話帳情報をストレージサーバへ通知する)仕組みになっている。SNSとの同期を取るため、データお預かりサービスと同様の仕組みを外部のSNS装置に具備する場合、制御SMS機能の具備や、フィーチャーフォンのネイティブアプリケーションへの外部からの入力を許容する仕組みの導入が必要となり、コスト面やユーザの秘密情報保持(セキュリティ)の観点から非現実的である。このため、フィーチャーフォンである家族A−1端末21については、SNSと連携して電話帳情報を同期できない。
【0010】
このような問題は、特許文献1〜3に記載の技術では解決することができない。
本発明は上述した背景技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、自身の連絡先更新時に、特定のユーザに対して、登録されている連絡先を自動で更新することができる電話帳情報同期システム、加入者情報管理サーバ装置、電話帳情報同期方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による電話帳情報同期システムは、電話端末に対応して設けられ、対応する電話端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部と、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する検出部と、対応する前記電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部と、をそれぞれ含む複数のストレージサーバ装置と、
前記電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、を含む加入者情報管理サーバ装置と、
を備えたことを特徴とする。このシステムによれば、自身の連絡先更新時に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新することができる。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新することができる。
【0012】
また、前記複数のストレージサーバ装置が、他のストレージサーバ装置との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部をそれぞれ含み、
前記加入者情報管理サーバ装置が、前記第1同期処理部による同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部を含んでいてもよい。このシステムによれば、自身の連絡先更新時に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新することができる。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新することができる。
【0013】
なお、前記加入者情報管理サーバ装置の前記確認部による確認処理と、前記ストレージサーバ装置の前記第1同期処理部による同期処理と、を並行して行うようにすることが望ましい。これらの処理を並行して行うことにより、ある電話端末の電話帳情報について更新できなかった場合でも連鎖的な自動更新を行うことができる。
【0014】
本発明の一態様による加入者情報管理サーバ装置は、電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、前記第1同期処理部による同期処理が行われた場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置同士の間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部とを含むことを特徴とする。このような構成の加入者情報管理サーバ装置を用いることにより、自身の連絡先更新時に、特定ユーザに該当するユーザを選別し、必要に応じ電話帳更新を促すことができる。
【0015】
本発明の一態様による電話帳情報同期方法は、電話端末に対応して設けられ、対応する電話端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部と、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する検出部と、対応する前記電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部と、他のストレージサーバ装置との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部と、をそれぞれ含む複数のストレージサーバ装置と、
前記電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、前記第1同期処理部による同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部とを含む加入者情報管理サーバ装置と、
を備えた電話帳情報同期システムにおいて実現される電話帳情報同期方法であって、
前記検出部が、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する第1ステップ(例えば、図7中のステップS106)と、
前記確認部が、前記電話端末についての契約内容を確認する第2ステップ(例えば、図7中のステップS110〜115)と、
前記第2ステップによる確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を前記第1同期要求送信部が送信する第3ステップ(例えば、図8中のステップS118)と、
ストレージサーバ装置に対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を前記第1同期処理部が行う第4ステップ(例えば、図8中のステップS122)と、
前記第4ステップによる同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を前記第2同期要求送信部が送信する第5ステップ(例えば、図8中のステップS124)と、
前記電話端末以外の他の電話端末との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を第2同期処理部が行う第6ステップ(例えば、図8中のステップS131)と、
を有することを特徴する。
【0016】
この方法によれば、自身の連絡先更新時に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新することができる。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、自身の連絡先更新時に、特定のユーザに対して、登録されている連絡先を自動で更新することができる。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話端末に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による電話帳情報同期システムの構成例を示す概念図である。
【図2】図1中のストレージサーバ装置の機能構成例を示す図である。
【図3】図1中の加入者情報管理サーバ装置の機能構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態による電話帳情報同期システムによる同期処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】電話帳情報同期システムによる同期処理の連鎖を説明する図である。
【図6】電話帳情報同期システムによる動作例を示すシーケンス図である。
【図7】電話帳情報同期システムによる動作例の続きを示すシーケンス図である。
【図8】電話帳情報同期システムによる動作例の続きを示すシーケンス図である。
【図9】電話帳情報同期システムによる動作例の続きを示すシーケンス図である。
【図10】電話帳情報の更新の例を示す図である。
【図11】契約者情報の例を示す図である。
【図12】電話帳情報同期システムにおいて送受信されるパケットの例を示す図である。
【図13】契約者情報の他の例を示す図である。
【図14】スマートフォンの表示画面の表示例を示す図である。
【図15】SNSなどと連携して電話帳情報を同期する処理を示す図である。
【図16】フィーチャーフォン向けに提供されているデータお預かりサービスの課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(用語の定義)
本明細書において、「同期」とは、2つの装置にそれぞれ保持されているデータの内容を同一にすることを指す。例えば、あるストレージサーバ装置に保持されている電話帳情報の項目の内容と、別のストレージサーバ装置に保持されている電話帳情報の項目の内容とを、同一にすることを指す。
【0020】
また、本明細書において、「フィーチャーフォン」とは、携帯電話の端末のうち、通話機能を主体とし、その他にカメラやワンセグをはじめとする特徴的な機能を作りこまれた端末である。また、iアプリ(登録商標)と呼ばれるような、Java(登録商標)で書かれたアプリケーションを第三者によりカスタマイズすることは可能であるがiアプリ(登録商標)と本体内のネイティブアプリを連携させるカスタマイズは第三者が自由に行うことはできない。
【0021】
さらに、本明細書において、「家族割引」、「特定電話番号割引」とはサービス契約者とその他の携帯電話の番号とを括りつけているキャリア独自サービスである。サービス契約者とその他の携帯電話番号とを括りつけ提供するサービスがこの他にも携帯電話番号を括りつけて提供するサービスが存在した場合、ストレージサーバと連携することで下記と同様に、連絡先の自動更新が実現できる。
【0022】
なお、本明細書において、「SNS」とは、ユーザが自由にアカウントを取得し、電話番号、メールアドレス等の情報を登録することができるネットワークサービスである。特定のユーザ間でグループになることもできる。スマートフォンに該当SNSのアプリケーションをインストールし、取得したアカウントを入力することでスマートフォン内の電話帳とSNSとの間で、電話番号やメールアドレスの同期を取ることができる。
【0023】
(発明の概要)
SNSを使用した連絡先の自動更新はフィーチャーフォンでは不可能であることから、本発明では、SNSとの連携に依存せず、自身の連絡先を更新した際に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新するシステムを提案する。
【0024】
本システムでは、複数ユーザ間のデータお預かりサービス用のストレージサーバ同士を連携させ電話帳情報を同期することによって実現する。連絡先を自動更新する対象となる特定ユーザは、家族割引、特定電話番号割引の契約情報に基づき判断する。またその判断は、連鎖的であり、ユーザの所属する家族割引、特定電話番号割引のグループから派生し、グループ内の別ユーザの所属する家族割引、特定電話番号割引と連鎖的に電話帳情報を更新する対象を拡げていく。更新の連鎖は、連絡先を変更したユーザの情報が該当のストレージサーバに存在しないユーザに到達した時点で終了する。
【0025】
(電話帳情報同期システム)
図1は、本発明の実施形態による電話帳情報同期システムの構成例を示す概念図である。図1を参照すると、本例の電話帳情報同期システムは、ユーザ(User)Aが所有している端末(以下、UserA端末と呼ぶ)22、ユーザAの家族が所有している端末(以下、家族A−1端末と呼ぶ)21、ユーザ(User)Dが所有している端末(以下、UserD端末と呼ぶ)23と、図示せぬ無線サービスエリアを実現するための無線基地局装置20と、各端末21〜23と他の装置との間で送受信されるパケットについて交換処理を行うパケット交換機30とを備えている。
【0026】
また、本例の電話帳情報同期システムは、パケット網において他の装置とのゲートウェイとして機能するパケット交換GW(Gate Way)装置40と、ユーザすなわち加入者についての契約内容その他のプロファイルを保持しているデータベースである加入者情報管理サーバ装置50と、UserA端末に記憶されている電話帳に含まれているデータを記憶するためのUserA用ストレージサーバ装置60a、家族A−1端末に記憶されている電話帳に含まれているデータを記憶するための家族A−1用ストレージサーバ装置70a、UserdD端末に記憶されている電話帳に含まれているデータを記憶するためのUserD用ストレージサーバ装置60bとを備えている。
【0027】
さらに、本例の電話帳情報同期システムは、インターネット100に接続されている装置とのゲートウェイとして機能する外部GW(Gate Way)装置80を備えている。インターネット100には、SNSなどのサービスを提供するCP90が接続されている。このCP90によって提供されるサービスについては、PC10によって利用することができる。
UserA用ストレージサーバ装置60a、家族A−1用ストレージサーバ装置70a、UserD用ストレージサーバ装置60bは、対応する端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部(図示せず)を有している。
【0028】
(ストレージサーバ装置の機能構成例)
図2は、図1中のUserA用ストレージサーバ装置60aの機能構成例を示す図である。図1中の他のストレージサーバ装置である、家族A−1用ストレージサーバ装置70a、UserD用ストレージサーバ装置60bや図示せぬストレージサーバ装置についても、UserA用ストレージサーバ装置60aと同様の構成を有しているものとする。
【0029】
図2において、UserA用ストレージサーバ装置60aは、電話端末に対応して設けられ、対応する電話端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部61と、電話帳情報保持部61に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する検出部62と、対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部63と、第1同期処理部63による同期処理が行われたことを検出部62が検出した場合において、後述する加入者情報管理サーバ装置の確認部による確認の結果、契約内容が所定の条件を満たす場合に、他のストレージサーバ装置との間で、電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部64とを備えている。複数のストレージサーバ装置それぞれについて、このような構成を採用すれば、連絡先更新時に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新することができる。
なお、上記の各部については、ストレージサーバ装置内の図示せぬCPUがプログラムを実行することによって、実現することができる。
【0030】
(加入者情報管理サーバ装置の機能構成例)
図3は、図1中の加入者情報管理サーバ装置50の機能構成例を示す図である。図3において、加入者情報管理サーバ装置50は、電話端末についての契約内容を確認する確認部51と、確認部51による確認の結果、契約内容が所定の条件を満たす場合に、複数のストレージサーバ装置について、対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部52と、第1同期処理部63による同期処理が行われた場合において、確認部51による確認の結果、契約内容が所定の条件を満たす場合に、複数のストレージサーバ装置同士の間で、電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部53とを備えている。このような構成の加入者情報管理サーバ装置を用いることにより、連絡先更新時に、特定ユーザに該当するユーザを選別し、必要に応じ電話帳更新を促すことができる。
なお、上記の各部については、加入者情報管理サーバ装置50内の図示せぬCPUがプログラムを実行することによって、実現することができる。
【0031】
(同期処理の概要)
図4は、本例の電話帳情報同期システムによる同期処理の概要を示すフローチャートである。図4において、UserA端末22に保持されている電話帳情報が更新されると、UserA用ストレージサーバ装置の保持情報が更新される(ステップS11)。すると、HSS(Home Subscriber Server)またはHLR(Home Location Register)から、ユーザAの契約情報が取得される(ステップS12)。この取得した契約情報に、ユーザAの割引契約に紐付く電話番号であるMSISDN(Mobile Subscriber ISDN number)情報が存在するか判定する(ステップS13)。この判定の結果、契約情報に、ユーザAの割引契約に紐付くMSISDN情報が存在しない場合、処理は終了となる(ステップS23)。
【0032】
ステップS13の判定の結果、ユーザAの割引契約に紐付くMSISDN情報が存在する場合、家族A−1用ストレージサーバ装置、家族A−2用ストレージサーバ装置、UserB用ストレージサーバ装置、UserD用ストレージサーバ装置に、ユーザAの旧情報(つまり更新前の情報)が存在するか判定される(ステップS13→S14)。この判定の結果、ユーザAの旧情報が存在しない場合、処理は終了となる(ステップS14→S23)。
【0033】
ステップS14の判定の結果、ユーザAの旧情報が存在する場合、ストレージサーバ装置間で情報を同期する(ステップS14→S15)。すなわち、UserA用ストレージサーバ装置と、家族A−1用ストレージサーバ装置、家族A−2用ストレージサーバ装置、UserB用ストレージサーバ装置、UserD用ストレージサーバ装置との間で、保持されている情報の同期処理が行われる。
その後、ユーザAの旧情報を更新する。すなわち、ユーザAの旧情報が各ストレージサーバ装置に保持されており、その保持されている各ストレージサーバ装置に対応する各ユーザの端末の電話帳情報が更新される(ステップS16)。
【0034】
さらに、電話帳情報が更新された端末のユーザの契約情報が、HSSまたはHLRから取得される(ステップS17)。そして、この取得した契約情報に、ステップS16において電話帳情報が更新された端末に対応するユーザの割引契約に紐付くMSISDN情報が存在するか判定する(ステップS18)。この判定の結果、割引契約に紐付くMSISDN情報が存在しない場合、処理は終了となる(ステップS18→S23)。
【0035】
ステップS18の判定の結果、割引契約に紐付くMSISDN情報が存在する場合、UserC用ストレージサーバ装置に、ユーザAの旧情報(つまり更新前の情報)が存在するか判定される(ステップS18→S19)。この判定の結果、ユーザAの旧情報が存在しない場合、処理は終了となる(ステップS19→S23)。
ステップS19の判定の結果、ユーザAの旧情報が存在する場合、ストレージサーバ装置間で情報を同期する(ステップS19→S20)。すなわち、ステップS16において端末の電話帳情報が更新されたストレージサーバ装置と他のストレージサーバ装置(例えば、UserC用ストレージサーバ装置)との間で、保持されている情報の同期処理が行われる。
【0036】
その後、ユーザAの情報を更新したストレージサーバ装置が存在するか判定される(ステップS21)。この判定の結果、ユーザAの情報を更新したストレージサーバ装置が存在しない場合、処理は終了となる(ステップS21→S23)。
ステップS21の判定の結果、ユーザAの情報を更新したストレージサーバ装置が存在する場合、ユーザAの情報を更新したストレージサーバ装置についてステップS17以降の処理が繰返し実施される(ステップS21→S22)。
このように、更新処理を連鎖的に行うことにより、電話帳情報について自動更新を実現することができる。
【0037】
(同期処理の連鎖)
図5は、電話帳情報同期システムによる同期処理の連鎖を説明する図である。図5は、ユーザAの契約に紐付き特定の条件を満たしたユーザD用のストレージサーバ装置で保持する電話帳情報を更新した際に連鎖して、ユーザDの契約に紐付きユーザAの契約に紐付き実施した処理と同様の処理が連鎖的に行われる場合の例を示している。
【0038】
本例において、ユーザAの回線契約情報には、「家族割引契約」および「特定電話番号割引」が含まれている。そして、「家族割引契約」の対象は、本例では、ユーザAの家族である「家族A−1」および「家族A−2」である。また、「特定電話番号割引」の対象は、本例では、ユーザAが設定した「UserB」および「UserD」である。
このユーザAの契約に紐付いた家族割引契約、特定電話番号割引契約の登録番号ユーザの携帯電話の電話帳情報を、上述したようにストレージサーバ装置との同期処理を行うことで更新する(ステップS1)。
【0039】
次に、ユーザAの契約に基づき携帯電話の電話帳を更新されたユーザ(ここではユーザD)の契約に紐付いた家族割引契約、特定電話番号割引契約の登録番号ユーザの携帯電話の電話帳情報をストレージサーバ装置との同期処理を行うことで更新する(ステップS2)。本例では、ユーザDの回線契約情報には、「家族割引契約」および「特定電話番号割引」が含まれている。そして、「家族割引契約」の対象は、本例では、ユーザDの家族である「家族D−1」および「家族D−2」である。また、「特定電話番号割引」の対象は、本例では、ユーザDが設定した「UserC」および「UserE」である。このユーザDの契約に紐付いた家族割引契約、特定電話番号割引契約の登録番号ユーザの携帯電話の電話帳情報を、上述したようにストレージサーバ装置との同期処理を行うことで更新する。一方、「UserB」のように契約に紐付くその他のユーザの電話番号情報が存在しない場合、処理は終了となる。
以降は、ステップS2の処理が繰返し実行される。ただし、特定のグループの全てのユーザのストレージサーバにユーザAの旧連絡先情報がないことが確認できた場合、処理は終了となる(ステップS3)。
【0040】
(電話帳情報同期システムによる動作例)
以下の説明において参照する図6から図9において、二重線矢印はユーザプレーン(U−Plane)による伝送路を示しており、それ以外の矢印はコントロールプレーン(C−Plane)による伝送路を示している。
図6から図9は、UserA端末22、家族A−1端末21、UserD端末23、UserA端末に記憶されている電話帳に含まれているデータを記憶するためのUserA用ストレージサーバ装置60a、家族A−1端末に記憶されている電話帳に含まれているデータを記憶するための家族A−1用ストレージサーバ装置70a、UserdD端末に記憶されている電話帳に含まれているデータを記憶するためのUserD用ストレージサーバ装置60b、パケット交換機30、パケット交換GW装置40、加入者情報管理サーバ装置50、及び、外部GW装置80におけるデータの授受を示すシーケンス図である。なお、本例において、UserA端末22およびUserD端末23はスマートフォンであり、家族A−1端末21はフィーチャーフォンである。
【0041】
図6において、ユーザAは、PC10からインターネットに接続し、CP90にアクセスする(ステップSS101)。このアクセスは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信によって行われる。なお、PC10の代わりに、タブレット端末や別のスマートフォンを操作してインターネットに接続した場合であってもよい。
【0042】
ここで、ユーザAがPC10を操作してCP90によるSNSなどへアクセスした結果、ユーザAの友人がSNS内のアカウント情報を更新したことを認識した場合を考える。例えば、図10のように、電話帳情報が同図中の矢印のように更新された場合を考える。すなわち、図10において、SNS「Fusebook」に登録されている電話帳情報のうち、名前「○○ XX」の電話番号(TEL)が「0X0−XXXX−0002」から「0X0−XXXX−1234」に変更され、かつ、メールアドレス(Mail)が「●●hatmeil.com」から「●●gmeil.com」に変更された場合を考える。
【0043】
図6に戻り、このような場合、ユーザAがPC10からSNSへアクセスした時に、スマートフォンであるUserA端末22に保持されている電話帳への同期が開始される(ステップSS102)。具体的には、まず、UserA端末22はインターネットのCP90へ、接続要求を送信する(ステップSS103a、SS103b、SS103c)。この接続要求に対し、CP90から接続要求応答が返信されると(ステップSS104a、SS104b、SS104c)、HTTP通信が開始される(ステップSS105)。このHTTP通信によって、SNSに登録されている情報とUserA端末22に保持されている情報との同期が行われる。まず、CP90が、UserA端末22からの接続を認識すると(ステップSS106)、CP90はUserA端末22へ、HTTP通信によって更新内容を通知する(ステップSS107)。この通知を受信したUserA端末22は、電話帳情報の更新を行う(ステップSS108)。以上の処理により、更新後の電話帳情報がUserA端末22に保持される。
【0044】
図7に移行し、ユーザAがデータお預かりサービスを利用している場合、UserA端末22に保持されている電話帳情報については、電話帳サーバ装置であるUserA用ストレージサーバ装置60aに、定期的にバックアップされる。この電話帳情報のバックアップ周期が到来したことをトリガとして、バックアップのために以下の処理が開始される。
【0045】
すなわち、UserA端末22に保持されている電話帳情報が更新された場合(ステップS101)、更新された内容をUserA用ストレージサーバ装置60aに保持するため、UserA端末22から、電話帳サーバ装置である電話帳UserA用ストレージサーバ装置60aへの接続が行われる。この場合、UserA端末22は、電話帳UserA用ストレージサーバ装置60aへ、パケット接続要求を送信する(ステップS102a)。このパケット接続要求は、パケット交換機30、パケット交換GW装置40を経由し、UserA用ストレージサーバ装置60aによって受信される(ステップS102b、S102c)。
【0046】
UserA用ストレージサーバ装置60aがパケット接続応答を返信すると(ステップS103a、ステップS103b、S103c)、UserA端末22とUserA用ストレージサーバ装置60aとの間で電話帳データの同期処理が行われる(ステップS104)。この電話帳データの同期処理は、HTTP通信によって行われ、UserA用ストレージサーバ装置60aが保持している電話帳のデータが更新される(ステップS105)。
【0047】
UserA用ストレージサーバ装置60aが保持している電話帳のデータが更新されると、UserA用ストレージサーバ装置60aは更新の前後で保持内容に差分があるか判定する(ステップS106)。この判定の結果、保持内容に差分がなければ、処理は終了となる(ステップS107→S108)。また、ステップS106の判定の結果、保持内容に差分がある場合、UserA用ストレージサーバ装置60aは、ストレージサーバ装置間での同期の要否を確認する要求を加入者情報管理サーバ装置50へ送信する(ステップS107→S109)。
【0048】
この要求を受信した加入者情報管理サーバ装置50は、ユーザAについての回線契約情報を確認する(ステップS110)。本例では、ユーザAについての回線契約情報には、図11のように、「家族割引契約」および「特定電話番号割引」が含まれている。そして、「家族割引契約」の対象は、本例では、ユーザAの家族である「家族A−1」および「家族A−2」である。また、「特定電話番号割引」の対象は、本例では、ユーザAが設定した「UserB」および「UserD」である。
【0049】
ここで、加入者情報管理サーバ装置50は、契約者(すなわちユーザA)自身の連絡先の更新が行われたか判定し(ステップS111)、契約者(すなわちユーザA)自身の連絡先の更新が行われていなければ、同期が不要である旨が返信され、処理は終了となる(ステップS111→S112→S108)。
また、ステップS111の判定の結果、契約者(すなわちユーザA)自身の連絡先の更新が行われていれば、加入者情報管理サーバ装置50は、契約者(すなわちユーザA)について、家族割引や特定電話番号割引などの割引契約が存在するか判定する(ステップS111→S113)。この判定の結果、割引契約が存在しない場合、同期が不要である旨が返信され、処理は終了となる(ステップS113→S114→S108)。
【0050】
また、ステップS113の判定の結果、割引契約が存在する場合、加入者情報管理サーバ装置50は、割引対象ユーザがデータお預かりサービス契約に加入済みか判定する(ステップS113→S115)。この判定の結果、割引対象ユーザがデータお預かりサービス契約に加入していない場合、同期が不要である旨が返信され、処理は終了となる(ステップS115→S116→S108)。
ステップS115の判定の結果、割引対象ユーザがデータお預かりサービス契約に加入している場合、加入者情報管理サーバ装置50は、ストレージサーバ装置同士の同期を実施するためのストレージ同期フラグを付与する(ステップS115→S117)。
【0051】
図8に移行し、加入者情報管理サーバ装置50は、ストレージ同期フラグを付与したストレージサーバ間同期要求を、UserA用ストレージサーバ装置60aへ送信する(ステップS118)。このストレージサーバ間同期要求は、例えば、図12のように、ペイロードに、ストレージ同期フラグが付加されたパケットである。このストレージ同期フラグは、同期が必要なストレージサーバ装置に対応する電話番号を示している。例えば、UserD用ストレージサーバ装置70aとの同期が必要な場合、ストレージサーバ間同期要求には、UserDの電話番号を示す情報がストレージ同期フラグとして付与される。なお、加入者情報管理サーバ装置50は、同期を実施する必要があるストレージサーバ装置が複数存在する場合、各ストレージサーバ装置に対応する電話番号を示す情報をストレージ同期フラグとしてストレージサーバ間同期要求に付与する。
【0052】
UserDの電話番号を示す情報がストレージ同期フラグとして付与されたストレージサーバ間同期要求を受信したUserA用ストレージサーバ装置60aは、UserD用ストレージサーバ装置60bとの間で接続要求および接続応答を授受し(ステップS119)、UserA用ストレージサーバ装置60aとUserD用ストレージサーバ装置60bとの間で該当(特定)ユーザ情報確認要求が授受される(ステップS120)。
【0053】
UserD用ストレージサーバ装置60bが保持している電話帳のデータが更新されると、UserD用ストレージサーバ装置60bは更新の前後で保持内容に差分があるか判定する(ステップS121)。この判定の結果、保持内容に差分がなければ、処理は終了となる(ステップS121a→S133)。
【0054】
また、この判定の結果、保持内容に差分がある場合、UserA用ストレージサーバ装置60aとUserD用ストレージサーバ装置60bとの間で電話帳データの同期処理が行われる(ステップS121a→S122)。この電話帳データの同期処理は、HTTP通信によって行われる。さらに、UserD用ストレージサーバ装置60bは、以下の処理を行う。すなわち、UserD用ストレージサーバ装置60bは、UserD端末に保持されている電話帳のデータについて更新が必要であることを認識する(ステップS123)。すると、UserD用ストレージサーバ装置60bは、電話帳更新要求を送信する(ステップS124)。
【0055】
この電話帳更新要求を受信したパケット交換GW装置40は、加入者情報管理サーバ装置50は、着信者情報呼出要求を送信する(ステップS125)。この着信者情報呼出要求を受信した加入者情報管理サーバ装置50は、UserD端末23の電話番号について在圏情報を呼出し(ステップS126)、着信者情報呼出要求応答としてパケット交換GW装置40へ返信する(ステップS127)。この着信者情報呼出要求応答を受信したパケット交換GW装置40は、UserD端末23へ、電話帳更新要求を送信する(ステップS128a、S128b)。
【0056】
UserD端末23は、電話帳更新要求を受信すると、電話帳サーバ装置であるUserD用ストレージサーバ装置60bへ、パケット接続要求を送信する(ステップS129a、S129b、S129c)。このパケット接続要求を受信したUserD用ストレージサーバ装置60bは、パケット接続要求応答を送信する(ステップS130a、S130b、S130c)。
【0057】
このパケット接続要求応答を受信したUserD端末23は、UserD用ストレージサーバ装置60bとの間でHTTP通信を開始する(ステップS131)。これにより、UserD用ストレージサーバ装置60bに保持されている電話帳情報とUserD端末23に保持されている電話帳情報とについて同期処理が行われ、UserD端末23に保持されている電話帳情報が更新される(ステップS132)。
【0058】
図9に移行し、次に、UserD用ストレージサーバ装置60bは、ストレージサーバ装置間での同期の要否を確認する要求を加入者情報管理サーバ装置50へ送信する(ステップS134)。この要求を受信した加入者情報管理サーバ装置50は、ユーザDについての回線契約情報を確認する(ステップS135)。本例では、ユーザDについての回線契約情報は、図13のように、「家族割引契約」および「特定電話番号割引」が設定されている。そして、「家族割引契約」の対象は、本例では、ユーザDの家族である「家族D−1」および「家族D−2」である。また、「特定電話番号割引」の対象は、本例では、ユーザDが設定した「UserC」および「UserE」である。
【0059】
上記ステップS111において行われた、契約者自身の連絡先の更新が行われたかの判定は、ここでは行わず、加入者情報管理サーバ装置50は、契約者(すなわちユーザD)について、家族割引や特定電話番号割引などの割引契約が存在するか判定する(ステップS135→S136)。この判定の結果、割引契約が存在しない場合、同期が不要である旨が返信され、処理は終了となる(ステップS136→S137→S138)。
【0060】
また、ステップS136の判定の結果、割引契約が存在する場合、加入者情報管理サーバ装置50は、割引対象ユーザがデータお預かりサービス契約に加入済みか判定する(ステップS136→S139)。この判定の結果、割引対象ユーザがデータお預かりサービス契約に加入していない場合、同期が不要である旨が返信され、処理は終了となる(ステップS139→S140→S138)。
ステップS139の判定の結果、割引対象ユーザがデータお預かりサービス契約に加入している場合、加入者情報管理サーバ装置50は、ストレージサーバ装置同士の同期を実施するためのストレージ同期フラグを付与する(ステップS139→S141)。
【0061】
加入者情報管理サーバ装置50は、ストレージ同期フラグを付与したストレージサーバ間同期要求を、UserD用ストレージサーバ装置60bへ送信する(ステップS142)。このストレージ同期フラグは、同期が必要なストレージサーバ装置に対応する電話番号を示している。例えば、UserC用ストレージサーバ装置との同期が必要な場合、ストレージサーバ間同期要求には、UserCの電話番号を示す情報がストレージ同期フラグとして付与される。同様に、UserE用ストレージサーバ装置との同期が必要な場合、ストレージサーバ間同期要求には、UserEの電話番号を示す情報がストレージ同期フラグとして付与される。以下、同様の処理が繰返され、連鎖的な自動更新が行われる。そして、更新すべき情報をすべて更新し終えると、処理は終了となる(ステップS143)。
【0062】
なお、図8を参照して説明したUserDの携帯電話の電話帳への更新処理SSと図9を参照して説明したUserD用ストレージサーバからの連鎖更新処理とを並行して(すなわち同時期に)実施することが望ましい。これらを並行して実施することにより、UserDがリアルタイムに更新ができなかった場合でも連鎖的に自動更新ができるようなる。
【0063】
以上のように処理が行われることにより、SNSによるスマートフォンの電話帳情報の自動更新を、フィーチャーフォンについても行うことができる。
ここで、フィーチャーフォンのネットワークにおいては、着信があった場合にSMSによるメッセージを送信するPush型のメールシステムを採用している。そして、SMSによるメッセージを受信したフィーチャーフォンからネットワークにアクセスしてメールを取得するシステムを採用している。そして、上述したように、電話帳情報について更新が行われた場合に差分があるか判定し(ステップS121)、差分がある場合には電話帳更新要求をSMSによるメッセージで送信し、更新処理を行う。このため、フィーチャーフォンが無線基地局装置に対応する無線サービスエリア外すなわち圏外に位置している場合であっても、その後エリア内すなわち圏内に復帰したときにSMSによるメッセージをフィーチャーフォンが着信でき、電話帳情報の更新を実現できる。
【0064】
(電話帳情報同期方法)
以上説明した電話帳情報同期システムにおいては、以下のような電話帳情報同期方法が実現されている。すなわち、電話端末に対応して設けられ、対応する電話端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部と、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する検出部と、対応する前記電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部と、他のストレージサーバ装置との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部と、をそれぞれ含む複数のストレージサーバ装置と、
前記電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、前記第1同期処理部による同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部とを含む加入者情報管理サーバ装置と、
を備えた電話帳情報同期システムにおいて実現される電話帳情報同期方法であり、前記検出部が、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する第1ステップ(例えば、図7中のステップS106)と、前記確認部が、前記電話端末についての契約内容を確認する第2ステップ(例えば、図7中のステップS110〜115)と、前記第2ステップによる確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を前記第1同期要求送信部が送信する第3ステップ(例えば、図8中のステップS118)と、ストレージサーバ装置に対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を前記第1同期処理部が行う第4ステップ(例えば、図8中のステップS120)と、前記第4ステップによる同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において(例えば、図8中のステップS121)、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を前記第2同期要求送信部が送信する第5ステップ(例えば、図8中のステップS124)と、前記電話端末以外の他の電話端末との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を第2同期処理部が行う第6ステップ(例えば、図8中のステップS131)と、を有する電話帳情報同期方法が実現されている。
【0065】
この方法によれば、自身の連絡先更新時に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新することができる。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新することができる。
【0066】
(変形例)
上記は、SNSによって更新された情報に基づき、フィーチャーフォンの電話帳情報の更新を行う場合について説明したが、CPによって実現される他のサービスについても同様に本システムを適用することができる。
また、上記は、UserA用ストレージサーバ装置60a、家族A−1用ストレージサーバ装置70a、家族A−1用ストレージサーバ装置70aが、物理的に別々の筐体のサーバ装置によって実現される場合について説明したが、それらを同じ筐体のサーバ装置によって実現されていてもよい。その場合、同じ筐体のサーバ装置であっても、電話帳情報を記憶する領域は異なるものとなる。
【0067】
(まとめ)
以上のように、本システムにおいては、連絡先更新時に、特定のユーザに対して、その特定ユーザの保持する携帯電話がスマートフォンかフィーチャーフォンかを問わず登録されている連絡先を自動で更新することができる。また、特定のユーザに該当する人を適切に判断し、特定のユーザの携帯電話に登録されている自身の連絡先情報を自動で更新することができる。
同一ユーザがフィーチャーフォンを含む複数端末を保持している場合に、SNSなどのCPからのスマートフォンへの電話帳同期をトリガとして、フィーチャーフォンに保持されている電話帳情報も自動更新できる。
【0068】
また、Push型のメールシステムを採用する携帯電話網に本システムを採用すれば、電話帳情報の同期が圏外等により失敗しても、サーバから同期処理要求を周期的に送信することにより、在圏復帰後、電話帳情報の同期を必ず行うことができる。さらに、SNSで他のユーザの登録内容の更新または追加があった場合、それをトリガとして他のユーザの連絡先を電話帳サーバへ登録できる。
【0069】
スマートフォンの電話帳サーバからの周期バックアップ要求処理の際に、回線契約状況及び、それに紐付く端末情報及びデータお預かりサービス契約情報から必要に応じフィーチャーフォンの電話帳更新も促すことができる。
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、家族割引契約や特定電話番号割引契約など、あるユーザと一定の関係にあるユーザの端末の電話帳情報の自動更新を実現する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 パーソナルコンピュータ
20、20a、20b 無線基地局装置
21 家族A−1端末
22 UserA端末
23 UserD端末
30、30a、30b パケット交換機
40 パケット交換GW装置
50 加入者情報管理サーバ装置
51 確認部
52 第1同期要求送信部
53 第2同期要求送信部
60 フィーチャーフォン用電話帳サーバ装置
60a UserA用ストレージサーバ装置
60b UserD用ストレージサーバ装置
61 電話帳情報保持部
62 検出部
63 第1同期処理部
64 第2同期処理部
70 スマートフォン用電話帳サーバ装置
70a 家族A−1用ストレージサーバ装置
80 外部GW装置
90 コンテンツプロバイダ
91 スマートフォン
100 インターネット
200 3G網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話端末に対応して設けられ、対応する電話端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部と、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する検出部と、対応する前記電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部と、をそれぞれ含む複数のストレージサーバ装置と、
前記電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、を含む加入者情報管理サーバ装置と、
を備えたことを特徴とする電話帳情報同期システム。
【請求項2】
前記複数のストレージサーバ装置は、他のストレージサーバ装置との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部をそれぞれ含み、
前記加入者情報管理サーバ装置は、前記第1同期処理部による同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部を含むことを特徴とする請求項1に記載の電話帳情報同期システム。
【請求項3】
前記加入者情報管理サーバ装置の前記確認部による確認処理と、
前記ストレージサーバ装置の前記第1同期処理部による同期処理と、
を並行して行うことを特徴とする請求項1または2に記載の電話帳情報同期システム。
【請求項4】
電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、前記第1同期処理部による同期処理が行われた場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置同士の間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部とを含むことを特徴する加入者情報管理サーバ装置。
【請求項5】
電話端末に対応して設けられ、対応する電話端末の電話帳情報を保持する電話帳情報保持部と、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する検出部と、対応する前記電話端末の電話帳情報との同期処理を行う第1同期処理部と、他のストレージサーバ装置との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を行う第2同期処理部と、をそれぞれ含む複数のストレージサーバ装置と、
前記電話端末についての契約内容を確認する確認部と、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第1同期要求送信部と、前記第1同期処理部による同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を送信する第2同期要求送信部とを含む加入者情報管理サーバ装置と、
を備えた電話帳情報同期システムにおいて実現される電話帳情報同期方法であって、
前記検出部が、前記電話帳情報保持部に保持されている電話帳情報の内容が更新されたことを検出する第1ステップと、
前記確認部が、前記電話端末についての契約内容を確認する第2ステップと、
前記第2ステップによる確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記複数のストレージサーバ装置について、前記第1同期処理部による同期処理を行うための要求を前記第1同期要求送信部が送信する第3ステップと、
ストレージサーバ装置に対応する電話端末の電話帳情報との同期処理を前記第1同期処理部が行う第4ステップと、
前記第4ステップによる同期処理が行われたことを前記検出部が検出した場合において、前記確認部による確認の結果、前記契約内容が所定の条件を満たす場合に、前記第2同期処理部による同期処理を行うための要求を前記第2同期要求送信部が送信する第5ステップと、
前記電話端末以外の他の電話端末との間で、前記電話帳情報の対応する項目について内容を一致させるための同期処理を第2同期処理部が行う第6ステップと、
を有することを特徴する電話帳情報同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−85185(P2013−85185A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224980(P2011−224980)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】